JP2000030755A - シート型電池用充放電トレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電電流用端子および電圧測定用端子の安
定した接触を容易に確保でき、信頼性の高い量産的な初
充電処理に適するシート型電池用充放電トレイの提供。 【解決手段】 電気絶縁性の載置台１と、前記載置台１
面に形設され、かつシート型電池３を各別に位置決め装
着する複数の電池装着部２と、前記各電池装着部２に形
設され、装着されるシート型電池の各電極端子3a，3bに
それぞれ一端部が対接し、かつ前記電極端子3a，3bの平
面積よりも大きい平面積の導電体4a，4bと、を有するこ
とを特徴とするシート型電池用充放電トレイである。な
お、電池装着部２は載置台１面の枠形化2bするか、ある
いは載置台１の凹設面2a化で形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シート型電池用充
放電トレイに係り、さらに詳しくはポリマー二次電池の
製造工程における充放電処理に使用する充放電トレイに
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、携帯電話機や携帯型ノートパソコ
ンなど電子機器のコードレス化、高性能化はめざまし
く、これら電子機器の電源となる二次電池においても、
小形、軽量、薄型化や大容量化などが求められている。
そして、このような要望に対して、正極層、ポリマー電
解質層および負極層を重ね合わせ、シート状（薄型）に
一体化した構成の電極要素を備えた厚さ 0.5mm程度のシ
ート型二次電池が知られている（たとえば米国特許第
5,296,318号明細書）。

【０００３】すなわち、金属酸化物などの活物質、非水
電解液および電解質保持性ポリマーを含む正極層を集電
体に担持させて成る正極と、セパレーターの機能をする
電解質保持性のポリマー電解質系（たとえばヘキサフロ
ロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体などのポリマ
ー、およびリチウム塩などのエチレンカーボネート溶液
…非水電解液…の系）と、リチウムイオンを吸蔵・放出
する活物質、非水電解液および電解質保持性ポリマーを
含む負極層を集電体に担持させて成る負極とを、前記の
順序で積層し電極要素を構成し、正極および負極の裏面
側を樹脂フィルムで被覆保護・シール層（封止層）する
ことにより、シート型二次電池化している。 ところ
で、この種のシート型二次電池は、一般的に、小形で、
薄いことに伴って、電極要素からそれぞれ導出された正
極端子（タブ）、および負極端子（タブ）も必然的に小
形化している。一方、その製造工程においては、他の二
次電池の場合と同様に、シート型二次電池の場合も初充
電処理が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記充放電
（初充電）処理に当たって、充放電電流用端子および電
圧測定用端子をそれぞれ２個づつ、正極端子（タブ）お
よび負極端子（タブ）に直接接触させることになる。こ
こで、各シート型二次電池の正・負のタブに、それぞれ
２個（合計４個）の端子を確実に接触させるには、前記
正・負タブの寸法・形状に制約があるため、高い位置決
めの精度が要求される。

【０００５】すなわち、位置決めミスの程度によって
は、充放電処理に悪影響が及ぼされ、充放電処理の信頼
性が損なわれる恐れがある。しかし、高度な位置決め制
御や微小公差部品を要することは、充放電処理操作の煩
雑化となって、生産性を損ない、製造コストのアップを
招来するという問題がある。

【０００６】本発明はこのような事情に対処してなされ
たもので、充放電電流用端子および電圧測定用端子の安
定した接触を容易に確保でき、信頼性の高い量産的な初
充電処理に適するシート型電池用充放電トレイの提供を
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、電気
絶縁性の載置台と、前記載置台面に形設され、かつシー
ト型電池を各別に位置決め装着する複数の電池装着部
と、前記各電池装着部に形設され、装着されるシート型
電池の各電極端子にそれぞれ一端部が対接し、かつ前記
電極端子の平面積よりも大きい平面積の導電体と、を有
することを特徴とするシート型電池用充放電トレイであ
る。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１記載のシート
型電池用充放電トレイにおいて、各電池装着部が載置台
面の枠形化で形成されていることを特徴とする。

【０００９】請求項３の発明は、請求項１もしくは請求
項２記載のシート型電池用充放電トレイにおいて、各電
池装着部が載置台の凹設面化で形成されていることを特
徴とする。

【００１０】すなわち、本発明は、製造工程の最終段階
における充放電処理の信頼性および低コスト化を考慮
し、複数個のシート型二次電池を一括的に充放電処理で
きる充放電トレイにおいて、シート型二次電池に対応す
る複数区画領域を位置決め配置可能形化する一方、各区
画領域に端子対接用の導電体を配設したことを骨子とす
る。

【００１１】請求項１〜３の発明において、充放電トレ
イの本体を成す電気絶縁性の載置台は、たとえばプラス
テック類やセラミック類を素材として形成されたもので
あり、その加工性や取扱易さなどを考慮すると、難燃化
剤を点か配合したプラステック製が好ましい。

【００１２】また、前記載置台の一主面に形設された複
数の電池装着部は、充放電処理するシート型電池に対応
してその寸法、形状などが設定される。そして、各電池
装着部の配設は、特に限定されないが、スペース効率や
使用上の便宜さなどから、格子状などが望ましい。

【００１３】さらに、各別の位置決め電池装着部は、た
とえば (a)載置台の一主面を選択的に凹設化し、この凹
設部（側壁が枠体となる）に、シート型二次電池を嵌合
・配置する方式・手段、または (b)載置台の一主面を選
択的に凸設化し、この凸設部（凸設が枠体となる）に、
シート型二次電池を嵌合・配置する方式・手段などが挙
げられる。

【００１４】一方、前記各電池装着部にそれぞれ形設さ
れ、装着されるシート型電池の各電極端子に一端部が対
接される導電体は、たとえば銅、ニッケル、アルミニウ
ムなどの薄板（もしくは箔）など導電性良好なもので形
成される。ここで、導電体は、電池装着部に位置決め装
着されるシート型二次電池の電極端子（正極端子および
負極端子）に対応し、かつその一端部が電極端子に対接
するように位置決め・配設される。また、導電体は、シ
ート型二次電池の電極端子が導電体の一端部（一部）に
接し、かつ一方の測定用端子を対接させるとともに、他
方の測定用端子を対接させるために、前記シート型二次
電池の電極端子の平面積よりも大きい平面積に設定され
る。

【００１５】請求項１〜３の発明では、各シート型二次
電池が所定の位置に装着されるとともに、各装着位置に
おいては、充放電電流用の二端子および充放電電圧用の
二端子（計四端子）を容易に、かつ確実に対接できるよ
うに補助的な導電体が配設されている。そして、前記補
助的な導電体の配設に伴って、測定用四端子の位置決め
配置は容易に行われ、また、この高精度な測定用四端子
の接続化により、信頼性の高い充放電処理が行われる。
すなわち、この発明に係る充放電処理用トレイは、充放
電電流用端子および電圧測定用端子の安定した接触を容
易に確保でき、信頼性の高い量産的な初充電処理の実施
が可能になる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下図１ (a)， (b)、図２および
図３を参照して実施例を説明する。

【００１７】図１ (a)， (b)は、互いに異なる実施例に
係るシート型電池用充放電トレイの要部構成を示す断面
図である。図１ (a)， (b)において、１は電気絶縁性の
載置台、２は前記載置台１面に形設された複数の電池装
着部である。ここで、載置台１は、たとえば難燃化剤を
添加・含有した ABS樹脂を素材とした角板であり、一主
面が深さ 3mm程度，50×20mm程度の方形に凹設2a、ある
いは一主面に高さ 3mm程度，50×20mm程度（内壁側）の
方形に突設2bされて、シー卜型電池３を位置決め装着す
る電池装着部２が複数個設けられた構造と成っている。

【００１８】また、4a，4bは前記各電池装着部２に、そ
れぞれ配置・形設された一対の導電体である。すなわ
ち、電池装着部２にシート型二次電池３を装着したと
き、一端部面がシート型二次電池３の各電極端子（正極
リブおよび負極リブ）3a，3bに、それぞれ積層・対接す
る一方、他端部面に測定用端子を載置・対接できるよう
に、位置決め配置されている。そして、この導電体4a，
4bは、たとえば銅箔、ニッケル薄板、アルミニウム箔な
どを素材としており、また、その寸法なすし形状は、前
記シート型二次電池３の電極端子3a，3bの平面積よりも
大きい平面積に設定される。

【００１９】次に、上記充放電処理用トレイによる充放
電処理例を説明する。

【００２０】図２はシート型二次電池３の充放電処理の
実施態様を模式的に示す斜視図、図３は一部を拡大して
示す斜視図である。先ず、図２に示すごとく、充放電処
理用トレイ、すなわち載置台１面の電池装着部２に、対
応するシート型二次電池３を位置決め・装着配置する。
ここで、シート型二次電池３の正極タブ3aは、電池装着
部２の導電体4a上の一端部に、また、負極タブ3bは、電
池装着部２の導電体4b上の一端部にそれぞれ重なるよう
に位置決め配置される。

【００２１】その後、この充放電処理用トレイを充放電
処理装置にセットする。ここで、充放電処理装置は、図
示を省略した電圧計測回路、充放電制御回路（充放電電
流測定回路）に、それぞれ接続する充放電用端子5a，5
a′群と、電圧測定用端子5b，5b′群とを所定ピッチで
突設・具備した測定端子部５、この測定端子部５を進退
させるシリンダー機構６を有する構成と成っている。

【００２２】上記、シート型二次電池３を位置決め・装
着配置した充放電処理用トレイをセットした後、充放電
処理装置のシリンダー機構６を駆動し、測定端子部５を
充放電処理用トレイ側に近接させ、各シート型二次電池
３の正極タブ3a上に充放電用端子5aを、また、正極タブ
3aを重ね合わせた導電体4aの他端部面に電圧測定用端子
5bをそれぞれ位置合わせして対接させる。同時に、各シ
ート型二次電池３の負極タブ3b上に充放電用端子5a′
を、また、負極タブ3bを重ね合わせた導電体4bの他端部
面に電圧測定用端子5b′をそれぞれ位置合わせして対接
させる。

【００２３】すなわち、シート型二次電池３に対し、充
放電用端子5a，5a′および電圧測定用端子5b，5b′の四
端子を良好な精度で、かつ容易に位置決め・接触させる
ことができる。したがって、初期充放電処理は、煩雑な
操作や補助具などは要となり、また、微小な位置決めミ
スに伴う製造工程中でのシート型二次電池に及ぶ悪影
響、もしくは不都合も全面的に回避できるので、コスト
アップを抑制しながら、信頼性の高いシート型二次電池
の提供を図ることができる。

【００２４】本発明は、上記例示に限定されるものでな
く、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形をと
ることができる。たとえば載置台の材質、電池装着部の
構造・設置個数など任意に選択・設定できる。

【００２５】

【発明の効果】請求項１ないし３の発明によれば、シー
ト型二次電池をトレイに収容・装着した状態での初期充
放電処理において、各シート型二次電池の電極端子（電
極タブ）に対して高い位置精度で、しかも確実に充放電
用などの四端子を接触させることができる。すなわち、
常時、信頼性の高い四端子計測の初期充放電処理を行う
ことができるので、高品質のシート型二次電池の生産性
向上、歩留まり向上、低コスト化などに大きく寄与す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a)， (b)は実施例に係る充放電用トレイの互
いに異なる要部構造を示断面図。

【図２】実施例に係る充放電用トレイを使用した充放電
処理の実施状態を模式的に示す斜視図。

【図３】図２に図示した実施態様の一部を拡大して示す
斜視図。

【符号の説明】

１………載置台 ２………電池装着部 2a………凹設 2b………突起 ３………シート型二次電池 3a，3b………電極端子（電極タブ） 4a，4b………導電体 ５………測定端子部 5a，5a′………充放電用端子 5b，5b′………電圧測定用端子 ６………シリンダー機構

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気絶縁性の載置台と、 前記載置台面に形設され、かつシート型電池を各別に位
   置決め装着する複数の電池装着部と、 前記各電池装着部に形設され、装着されるシート型電池
   の各電極端子にそれぞれ一端部が対接し、かつ前記電極
   端子の平面積よりも大きい平面積の導電体と、を有する
   ことを特徴とするシート型電池用充放電トレイ。
2. 【請求項２】 各電池装着部が載置台面の枠形化で形成
   されていることを特徴とする請求項１記載のシート型電
   池用充放電トレイ。
3. 【請求項３】 各電池装着部が載置台の凹設面化で形成
   されていることを特徴とする請求項１もしくは請求項２
   記載のシート型電池用充放電トレイ。