JP2000029459A - 竹（バンブー）楽器の製作法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高流動性、高分散性、高接着性に富み硬化後
は高強度の物理的特性を発現する流動性セメントペース
トを、竹（バンブー）楽器の組み立て・円筒形を有する
竹の内面にコーティングすることにより、紐を用いない
で質量感に富んだ重心が安定・固定した竹楽器の製作が
可能になったことから不特定多数の愛好者の方々が安心
して使用することが出来る竹（バンブー）楽器の提供を
目的とする。音楽療法えの利用を進めている。 【構成】普通セメント、微細ケイ砂、セメント流動化
剤、高分子エマルジョンからなる組成物を混練して調製
した流動化セメントペーストを竹の一部分に充填するこ
とにより紐等を用いないで竹楽器の組み立てができると
共に、竹筒の内部に均一或は凹凸状のセメント硬化付着
層を形成させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は竹（バンブー）楽器の組
み立て方法と円筒状の竹の内面コーティングに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】竹は民族楽器としてインドネシア、ジャ
ワ等の竹の豊富に産出する国で古くから愛用されてお
り、わが国でも笛などに用いられている。

【０００３】竹の楽器（マリンバ、竹琴、チャルン、ア
ンクロン等）を作るには、糸や紐を用いて竹の一部を結
ぶ方法が一般に用いられている。この組み立て方法によ
り竹に衝撃を与えた時に発生する振動音と共鳴音からノ
イズ効果を生じてやわらかい独特の音色を生み出す。

【０００４】竹を支持・固定させる為に木製の板材がも
ちいられ釘や針金が使用されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】竹の一部を糸や紐を用
いて組み立てた楽器を特定の人（精神的に問題を抱えて
いる人など）や低学年の児童が使用する場合に次の問題
点が生じてきた。

【０００６】竹楽器を遊び道具と思って糸や紐が切断さ
れる危険の恐れのあるケースを筆者は体験した。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】竹（バンブー）楽器を
様々な人達（老若男女・心身ともに健康な人・精神的な
治療を必要とする人等）を対象に提供しようとして製作
している過程で本課題を解決した。

【０００８】本発明では竹（バンブー）楽器を作る際に
用いられる糸や紐の代わりに流動性セメントペーストを
用いて竹の一部分を固定する方法を確立した。これによ
り、質量が増加すると共に重心が固定した楽器を提供す
ることが可能になった。

【０００９】竹の内面に流動性セメントペーストを平滑
或は凹凸状に付着生成させることにより、竹をたたくと
従来の楽器とは異なる音色が出るようになった。

【００１０】セメント系材料の組成は、少なくとも普通
セメント、細骨（ケイ砂は７号以下の微粉・活性シリ
カ、コロイダルシリカは超微粉）、減水剤（非ＡＥ系が
望ましい）、高分子エマルジョン、水からなるが必要に
応じて他の材料を混入してもよい。

【００１１】上記組成物のセメントに対する流動化剤の
比率は０．１〜０．２パーセントが適当である。また上
記組成物のセメントに対する細骨の比率は０〜３００パ
ーセントが適当である。また上記組成物のセメントに対
する高分子エマルジョンの比率は１０〜２０パーセント
が適当である。また水は、作業性を見ながら可能な範囲
で最小限度が望ましいがセメントに対する比率は１０〜
４０パーセントが適当である。

【００１２】

【実施例１】普通セメント１０容量部、ケイ砂５号１０
容量部、ケイ砂６号１０容量部、ケイ砂７号１０容量
部、非ＡＥ系セメント流動化剤０．４容量部、エチレン
酢ビエマジョン２容量部の組成物を混練しながら水を５
容量部から除々に加えて流動性のあるセメントペースト
を調製した。上記流動性セメントペーストを用いて切断
後２年経過して乾燥している真竹と切断後３ヶ月経過し
た青竹の内部に充填し，７日間養生（大気中放置）後の
拘束付着力を測定した。その結果を表１に示す。 １０ｋｇ／ｃｍ^２以上の付着力のところで測定は中断し
た。この結果から、流動性セメントペーストを円筒状の
竹の内部に充填した場合、竹の履歴に関係なく１０ｋｇ
／ｃｍ^２以上の拘束付着力があることが分かった。

【００１３】

【実施例２】実施例１に用いたセメントペーストを用い
て、竹の一部分を固定し楽器を作成した。作成例を図
１、図２、図３に示す。図１は円筒状の２本の竹をタテ
方向に並列に固定したものである。（合い竹） 円周に沿ってタテ方向に巾が３０〜４０ミリ、深さが５
０〜３００ミリの切り込みを入れたものは単体で用いる
事もある。（竹琴太鼓） 図２は円筒状の１本の竹の節部を中心に加工して固定し
たものである。（竹の鐘） 図３は円筒状の１本の竹の両端に節部を残して加工しそ
の両端を固定したものである。（竹太鼓）

【００１４】

【発明の効果】本発明に係る請求項１記載の流動性セメ
ントペーストを用いた竹（バンブー）楽器の組み立て方
法、竹の内面コーティング方法には、次のような特有の
効果がある。

【００１５】竹の一部分をセメント硬化物で固定するこ
とにより、質量感に富む重心の安定した楽器を提供する
ことが出来るようになった。

【００１６】竹を固定するのに紐を用いないので、不特
定多数の愛好者による紐の破損事故等のトラブルの発生
を未然に防止することが出来るようになった。

【００１７】竹の内面をコーティングすることにより、
多様なノイズを発生する竹楽器を得ることが可能になっ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る円筒形の２本の竹をタテ型に組み
立てた完成図である。（合い竹）

【図２】本発明に係る一本の竹をヨコ型にしてその中央
部を固定して組み立てた完成図である。（竹の鍾）

【図３】本発明に係る一本の竹をヨヒ型にしてその両端
を固定して組み立てた完成図である。（竹太鼓）

【符号の説明】

１ 竹筒 ２ 切り込み（スリット） ３ 小孔 ４ 節部 ５ 支持台 ６ アンカー ７ 流動性セメントペースト ８ 接着剤 ９ 支持棒

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくともセメント、細骨、セメント流
   動化剤、高分子エマルジョン、水からなる組成物を混練
   してなる流動性セメントペーストを用いて竹（バンブ
   ー）楽器を固定、組み立てる方法。
2. 【請求項２】 請求項１の流動性セメントペーストを用
   いて円筒状の竹の内面に平滑状又は凹凸状のセメント硬
   化被覆層（０．５〜５ｍｍの厚さ）を形成する内面コー
   ティング方法。