JP2000028875A - 光ファイバコード - Google Patents

光ファイバコード

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JP2000028875A
JP2000028875A JP10208688A JP20868898A JP2000028875A JP 2000028875 A JP2000028875 A JP 2000028875A JP 10208688 A JP10208688 A JP 10208688A JP 20868898 A JP20868898 A JP 20868898A JP 2000028875 A JP2000028875 A JP 2000028875A
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JP
Japan
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optical fiber
resin
fiber cord
tensile
cord
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JP10208688A
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English (en)
Inventor
Fuminori Nakajima
史紀 中嶋
Nobunao Ishii
伸尚 石井
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑り性が良好な光ファイバ心線2を持つ外径
φ1が1mm以下の光ファイバコード1を提供する。 【解決手段】 光ファイバ心線2は光ファイバ素線5の
最外層に樹脂6を被覆した構成を有し、この樹脂6は紫
外線硬化型樹脂に反応型シリコーンを添加したものから
成り、その紫外線硬化型樹脂に対する反応型シリコーン
の添加割合は0.5重量%以上、かつ、5重量%以下の
範囲内である。この樹脂を備えた光ファイバ心線2は抗
張力繊維層3に対する滑り性が良好であり、引き抜き力
特性等を向上させることができる。また、引き抜き力特
性を悪化させることなく、抗張力繊維層3の抗張力繊維
量を増加させることができるので、光ファイバコード1
の機械特性を高めることが容易となり、機械特性に優れ
た外径φ1が1mm以下の光ファイバコード1を提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外径が1mm以下であ
る光ファイバコードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1には単心の光ファイバコードの一例
が断面模式図により示されている。この図に示されるよ
うに、単心の光ファイバコード1は、光ファイバ心線2
の周りに抗張力繊維層3が設けられ、さらにその外側に
ポリ塩化ビニル(PVC)等の外被4が設けられている
ものである。上記光ファイバ心線2は光ファイバ素線
(裸光ファイバ)5にプライマリコートを介してナイロ
ン等の樹脂6が被覆された構造を有している。
【0003】上記抗張力繊維層3は上記光ファイバ心線
2を保護する抗張力繊維を有して構成されており、その
抗張力繊維としてアラミド繊維(例えば、商品名:ケプ
ラー、トワロン)を使用することが多く、また、抗張力
繊維層3の断面積に対して抗張力繊維の断面積が占める
割合である繊維断面積占有率は機械特性等を考慮して5
0%以上である場合が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、光フ
ァイバコード1の外径寸法φ1を従来の1.7mmよりも
細い1mm以下に細径化することが求められている。この
要望に応えるために、光ファイバコード1の引っ張り特
性や曲げ特性や耐摩耗特性等の機械特性と、側圧特性
と、温度特性と、曲げ損失特性等の伝送特性とを含む様
々な特性を考慮して、光ファイバコード1の外径寸法φ
1を1mm以下に細径化することが試みられている。
【0005】上記光ファイバコード1の細経化を達成す
るために、抗張力繊維層3の厚みは必然的に薄くなる
が、機械特性を考慮すると、抗張力繊維層3内の抗張力
繊維の量を大幅に減少させることは困難であり、抗張力
繊維層3の繊維断面積占有率は高くなる。
【0006】しかしながら、抗張力繊維層3の繊維断面
積占有率が高くなるに従って、光ファイバ心線2が抗張
力繊維層3に対して滑り難くなってしまい、例えば、光
ファイバコード1をコネクタに取り付けた後に該コネク
タを接続相手のコネクタに接続した際に、光ファイバ心
線2が座屈してしまい、光ファイバコード1の光伝送損
失が増加してしまうという問題等が生じる。
【0007】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的は、抗張力繊維層に対する光フ
ァイバ心線の滑り性を向上させ、コネクタ接続状態での
光ファイバ心線の座屈を防止して光伝送損失の増加を抑
制することができ、しかも、外径1mm以下に細径化して
も良好な機械特性を持つ光ファイバコードを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は次に示すような構成をもって前記課題を解
決する手段としている。すなわち、第1の発明は、光フ
ァイバ素線に樹脂が被覆されて成る光ファイバ心線の周
りには抗張力繊維層が設けられ、この抗張力繊維層の外
側には外被が形成されている構成を有した外径が1mm以
下である光ファイバコードにおいて、上記光ファイバ素
線の最外層に被覆される樹脂は紫外線硬化型樹脂に反応
型シリコーンを添加したものであり、その紫外線硬化型
樹脂に対する反応型シリコーンの添加割合は0.5重量
%以上、かつ、5重量%以下の範囲内である構成をもっ
て前記課題を解決する手段としている。
【0009】第2の発明は、上記第1の発明の構成を備
え、反応型シリコーンは不飽和アクリル基を有する材料
である構成をもって前記課題を解決する手段としてい
る。
【0010】第3の発明は、上記第1又は第2の発明の
構成を備え、外被は熱可塑性樹脂により形成されてお
り、この熱可塑性樹脂は490MPa以上の引っ張り弾性
率を持つものである構成をもって前記課題を解決する手
段としている。
【0011】上記構成の発明において、光ファイバ素線
の最外層に被覆された樹脂は紫外線硬化型樹脂に反応型
シリコーンを0.5重量%以上、かつ、5重量%以下の
範囲内の添加割合でもって添加したものであり、このよ
うな樹脂を最外層に持つ光ファイバ心線は抗張力繊維層
に対して滑り性が良く、良好な機械特性を得るために抗
張力繊維層の繊維断面積占有率を高めても、前記したよ
うなコネクタ接続状態での光ファイバ心線の座屈を防止
することができて光伝送損失の増加を抑制することが可
能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づき説明する。
【0013】この実施形態例の光ファイバコードは前記
図1に示すような層構造を有し、外径φ1が1mm以下に
形成されており、特徴的なことは、光ファイバ素線5の
最外層に被覆されている樹脂6が紫外線硬化型樹脂に反
応型シリコーンを添加したものであり、その紫外線硬化
型樹脂に対する反応型シリコーンの添加割合は0.5重
量%(Wt%)以上、かつ、5重量%(Wt%)以下の
範囲内であることであり、抗張力繊維層3に対する滑り
性等の光ファイバ心線2の特性を向上できる構成と成し
ている。
【0014】また、外被4は490MPa以上の引っ張り
弾性率を持つ熱可塑性樹脂により形成され、光ファイバ
コード1の機械特性の向上を図る構成を備えていること
も本実施形態例の特徴的な構成である。
【0015】ところで、上記樹脂6は、主に、ナイロン
等の熱可塑性樹脂により構成される場合と、紫外線硬化
型樹脂により構成される場合とがあり、この実施形態例
では、樹脂6を紫外線硬化型樹脂により構成して、外径
φ1が1mm以下である光ファイバコード1の様々な特性
の向上が可能な構成を示す。
【0016】前記の如く、この実施形態例では、樹脂6
は紫外線硬化型樹脂に反応型シリコーンを0.5重量%
以上、かつ、5重量%以下の範囲内の添加割合でもって
添加したものであり、その表面は非常に滑らかで、抗張
力繊維層3に対する光ファイバ心線2の滑り性を向上さ
せることができると共に、590MPa以上の引っ張り弾
性率を持ち光ファイバ心線2の機械特性を向上させるこ
とができる構成と成している。
【0017】上記反応型シリコーンは、紫外線硬化型樹
脂と共に紫外線硬化させることができるので、紫外線硬
化型樹脂に添加して紫外線硬化させる際に、反応型シリ
コーンがむらになることなく、紫外線硬化型樹脂中にほ
ぼ均一に分散した状態で紫外線硬化型樹脂と共に紫外線
硬化することとなり、上記の如く、表面が滑らかで、か
つ、良好な機械特性を持つ樹脂6を構成することができ
る。
【0018】上記樹脂6を構成する紫外線硬化型樹脂中
の上記反応型シリコーンの添加割合を変化させて、その
樹脂6を被覆した光ファイバ心線2の滑り性の変化を実
験等により調べたところ、添加割合が0重量%からほぼ
5重量%までの範囲では、添加割合が高くなるに従って
上記光ファイバ心線2の滑り性は向上するが、その範囲
よりも添加割合が高いところでは、光ファイバ心線2の
滑り性は横這い傾向であることが分かった。
【0019】そこで、この実施形態例では、紫外線硬化
型樹脂に対する反応型シリコーンの添加割合は、5重量
%以下とし、かつ、光ファイバコード1を細径化する場
合に要求される滑り性を得ることができる0.5重量%
以上の範囲内とした。特に、紫外線硬化型樹脂に対する
反応型シリコーンの添加割合が1重量%以上、かつ、2
重量%以下の範囲内であることが望ましい。
【0020】また、紫外線硬化型樹脂に反応型シリコー
ンを添加して紫外線硬化させる際には、表面のべたつき
の原因である酸素の悪影響を防止するために紫外線硬化
型樹脂の反応速度を向上させたり、雰囲気中の酸素濃度
を抑制する等の措置を取ることが好ましく、そのような
措置を取ることによって、より一層光ファイバ心線2の
滑り性の向上を図ることが可能である。
【0021】ところで、シリコーンには上記反応型シリ
コーンと反応型でないシリコーン(以下、無反応型シリ
コーンと記す)とがあるが、無反応型シリコーンを紫外
線硬化型樹脂に添加して成る樹脂は機械特性に劣ったも
のとなってしまい、光ファイバ素線5の最外層に被覆す
る樹脂としては不適切なものである。このことは実験結
果にも示されている。
【0022】その実験では、次に示す5種の樹脂を用意
し、各樹脂について引っ張り弾性率と破断強度と破断伸
びとをそれぞれ測定した。
【0023】上記5種の樹脂とはウレタンアクリレート
系の紫外線硬化型樹脂に添加する添加物とその添加割合
とが互いに異なるものであり、反応型シリコーンと無反
応型シリコーンとの両方とも添加されていないシリコー
ン無添加のもの(Aタイプ)と、反応型シリコーンを添
加割合1重量%(Wt%)でもって添加したもの(Bタ
イプ)と、反応型シリコーンを添加割合3重量%でもっ
て添加したもの(Cタイプ)と、無反応型シリコーンを
添加割合1重量%でもって添加したもの(Dタイプ)
と、無反応型シリコーンを添加割合3重量%でもって添
加したもの(Eタイプ)との5種である。
【0024】表1には上記実験結果が示されている。
【0025】
【表1】
【0026】表1からも明らかなように、反応型シリコ
ーンを紫外線硬化型樹脂に添加して成る樹脂(Bタイプ
とCタイプ)は、シリコーン無添加のもの(Aタイプ)
よりも、引っ張り弾性率と破断強度と破断伸びとの全て
が向上しているのに対して、無反応型シリコーンを添加
して成る樹脂(DタイプとEタイプ)は、シリコーン無
添加のもの(Aタイプ)よりも、引っ張り弾性率と破断
強度と破断伸びとの全てが大幅に低下しており、光ファ
イバ素線5の最外層の樹脂に要求される590MPa以上
の引っ張り弾性率を有していない等という如く、要求さ
れる特性を得ることができないものとなっている。
【0027】この実施形態例では、上記したように、シ
リコーンの中の反応型シリコーンを紫外線硬化型樹脂に
添加することで機械特性を向上させることができると共
に、その反応型シリコーンを添加した紫外線硬化型樹脂
を光ファイバ素線5の最外層に被覆することで、抗張力
繊維層3に対する光ファイバ心線2の滑り性を向上させ
ることができる。特に、反応型シリコーンの中でも、1
分子中に少なくとも1つ以上の不飽和アクリル基を有す
るものは、上記引っ張り弾性率や破断強度や破断伸び等
の機械特性が経年劣化し難い樹脂6を形成することが可
能であり、樹脂6の紫外線硬化型樹脂に添加するものと
して、より一層好ましい。
【0028】この実施形態例において特徴的な樹脂6は
上記のように構成されており、この樹脂6を被覆した光
ファイバ心線2は、この実施形態例では、その外径φ2
が0.35mm以上、かつ、0.6mm以下の範囲内の太さ
となっている。それというのは、光ファイバコード1の
外径φ1を1mm以下に細径化する場合には、良好な機械
特性を得るために要求される抗張力繊維層3の厚みと外
被4の厚みを考慮すると光ファイバ心線2の外径φ2は
0.6mm以下であることが望まれ、かつ、光ファイバ心
線2の曲げ剛性や側圧特性を考慮すると光ファイバ心線
2の外径φ2は0.35mm以上であることが望まれるこ
とから、この実施形態例では、上記の如く、光ファイバ
心線2の外径φ2は0.35mm以上、かつ、0.6mm以
下の範囲内の太さとなっている。より望ましくは、光フ
ァイバ心線2の外径φ2を0.4mm以上、かつ、0.5
5mm以下の範囲内の太さにする。
【0029】上記光ファイバ心線2の周りに形成される
抗張力繊維層3の抗張力繊維としてはアラミド繊維(例
えば、商品名:ケプラー、トワロン)やポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール(PBO(商品名:ザイロ
ン))繊維等があり、特に、上記PBO繊維の弾性率は
アラミド繊維の弾性率の2倍以上であることから、抗張
力繊維として用いるのに、より好ましい。このPBO繊
維を用いた場合には、アラミド繊維を用いる場合に比べ
て、光ファイバコード1の機械特性を悪化させることな
く、抗張力繊維層3の繊維断面積占有率を大幅に低下さ
せることができるので、光ファイバ心線2の外径φ2や
外被4の厚み等の設計の自由度を広げることができる。
【0030】前記したように、この実施形態例では、抗
張力繊維層3に対する光ファイバ心線2の滑り性を向上
させることができるので、上記抗張力繊維層3の繊維断
面積占有率、つまり、抗張力繊維層3に配設される抗張
力繊維の量を増加することが可能となり、その抗張力繊
維量の配設可能範囲を広げることが可能である。その抗
張力繊維量の配設可能範囲の下限値は、光ファイバコー
ド1の配線作業の際に光ファイバコード1に加えられる
引っ張り張力を考慮して、光ファイバコード1に荷重6
9Nが加えられたときにファイバ歪みが0.8%以下と
なる量である。
【0031】上記抗張力繊維層3の外側に設けられる外
被4は、光ファイバコード1の外径φ1を1mm以下に細
経化した場合の光ファイバコード1の曲げ剛性を考慮し
て、490MPa以上の引っ張り弾性率を持つ熱可塑性樹
脂により構成されている。より好ましくは780MPa以
上の引っ張り弾性率を持つ熱可塑性樹脂により外被4を
形成する。
【0032】従来では、外被4には軟質PVC(ポリ塩
化ビニル)が用いられていたが、この軟質PVCは引っ
張り弾性率が低くて外径φ1が1mm以下の光ファイバコ
ード1には適さない。また、引っ張り弾性率を向上させ
るために高質化したPVCは低温特性や老化特性が悪く
なってしまい、上記同様に、光ファイバコード1の外被
4の材料には適さないものである。
【0033】そこで、この実施形態例では、上記の如
く、490MPa以上の引っ張り弾性率を持つ熱可塑性樹
脂により外被4を形成しており、特に、そのような熱可
塑性樹脂の中でも、引っ張り弾性率が高いのはもちろん
のこと低温特性や老化特性にも優れているナイロン12
が有効である。
【0034】この実施形態例に示す光ファイバコード1
は上記のように構成されており、表2〜表4には、その
構成を備えた光ファイバコード1を作製して様々な特性
を調べた実験結果が他の構成を持つ光ファイバコード1
の特性と共に表されている。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表2中に示すサンプル番号3番のものが本
実施形態例に示した形態を持つ光ファイバコード1であ
り、それ以外のものは本実施形態例に示した形態を有し
ていないものである。つまり、サンプル番号3番の光フ
ァイバコード1は樹脂6が引っ張り弾性率900MPaの
ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂に反応型シ
リコーンを添加割合1重量%でもって添加したもの(表
中ではUV樹脂Bと記されている)であるのに対して、
サンプル番号1番、12番の光ファイバコード1は上記
樹脂6がナイロン12であり、また、サンプル番号2
番、4番〜11番の光ファイバコード1は上記樹脂6が
シリコーン無添加のウレタンアクリレート系の紫外線硬
化型樹脂(表中ではUV樹脂Aと記されている)により
形成されているものである。
【0039】なお、サンプル番号1番〜11番の光ファ
イバコード1の外被4はナイロン12で形成されてお
り、サンプル番号12番の光ファイバコード1の外被4
のみがPVCで形成され、また、サンプル番号1番〜1
2番の全ての光ファイバコード1の外径φ1は1mmであ
る。
【0040】引っ張り特性は次に示すようにして測定し
た。つまり、標線間10m、引っ張り速度50mm/min
で光ファイバコード1に引っ張り力を加えていき、周波
数変調器を使用し、光ファイバコード1に引っ張り歪み
が加わったときの位相変化から光ファイバの歪み量
(%)を測定し、荷重が69Nのときの光ファイバ歪み
が0.8%以下のものを合格(○)とし、0.8%より
も大きいものを不合格(×)とした。
【0041】また、曲げ剛性は光ファイバコード1を曲
げたときの反発力を測定することによって求めた。測定
手法は図2に示すように、長さ15cmの光ファイバコー
ド1を曲げ径D30mmまで曲げた状態で荷重Wを測定
し、この荷重Wと下式(1)に基づいて、曲げ剛性EI
を算出し、この得られた値が3.0Kgf・mm2以上のもの
を合格(○)、3.0Kgf・mm2以下のものを不合格
(×)とした。
【0042】 EI=0.3483・W・D2・・・・・(1)
【0043】心線引き抜き力特性は、図3に示すよう
に、光ファイバコード1の両端部の外被4を取り除き、
光ファイバコード1自体を固定すると共に、その光ファ
イバコード1の一端側の剥き出しになった抗張力繊維を
固定し、この状態で、上記抗張力繊維が固定されていな
い他端側から光ファイバ心線2をテンシロンを利用し引
っ張り速度10mm/minで引き抜き、このときの引き抜
き力の最大値を引き抜き力として測定し、引き抜き力が
4.0×10-2N/mm以下のものを合格(○)とし、
4.0×10-2N/mmよりも大きいものを不合格(×)
とした。
【0044】側圧損失測定は、長さ10cmの光ファイバ
コード1に490Nの荷重を加えた状態で、測定波長
1.55μmで伝送損失を測定し、伝送損失が0.1dB
/km以下のものを合格(○)とし、0.1dB/kmよりも
大きいものを不合格(×)とした。
【0045】温度特性は、光ファイバコード1を束にし
て恒温槽に入れ、恒温槽内部の温度を−10℃から40
℃までの温度範囲で変化させるヒートサイクルを3サイ
クル行った後に測定波長1.55μmで伝送損失を測定
し、その伝送損失が0.1dB/km以下のものを合格
(○)とし、0.1dB/kmよりも大きいものを不合格
(×)とした。
【0046】表2〜表4に示されるように、本実施形態
例に示す形態を持つ光ファイバコード1(サンプル番号
3番)は機械特性と伝送特性との両方とも、光ファイバ
コード1の細経化を達成するために必要な条件を満たし
ている。
【0047】これに対して、サンプル番号2番、4番〜
7番の光ファイバコード1は機械特性と伝送特性との両
方とも良好であるが、樹脂6が反応型シリコーン無添加
の紫外線硬化型樹脂であるために、抗張力繊維層3に対
する光ファイバ心線2の滑り性があまりよくない。この
ことはサンプル番号8番、11番の実験結果に表れてい
る。つまり、サンプル番号8番、11番のものは樹脂6
が反応型シリコーン無添加のものであり、本実施形態例
のもの(サンプル番号3番)と繊維断面積占有率がほぼ
等しい条件で、心線引き抜き力特性が不合格となってお
り、このことから、樹脂6が反応型シリコーン無添加の
ものでは、光ファイバ心線2の滑り性が良くなく、サン
プル番号2番、4番〜7番の光ファイバコード1の如
く、引っ張り特性を良好にするためには繊維断面積占有
率を例えば50%よりも低くしなければならず、機械特
性等が本実施形態例のものよりも劣ったものとなってし
まう。
【0048】特に、前述したように、抗張力繊維である
アラミド繊維はPBO繊維よりも引っ張り弾性率が格段
に小さいので、抗張力繊維層3の抗張力繊維がPBO繊
維であるサンプル番号5番〜7番のものに比べて、抗張
力繊維がアラミド繊維であるサンプル番号2番、4番の
ものは機械特性が合格の範囲内ではあるものの、かなり
低下したものとなっている。抗張力繊維としてアラミド
繊維を用いたものでは、アラミド繊維の断面積占有率を
約30%程度まで低下させた場合には、サンプル番号1
0番の如く、引っ張り特性は不合格となってしまう。
【0049】また、本実施形態例のもの(サンプル番号
3番)は光ファイバ心線2の外径φ2が0.35mm以上
であることから、曲げ剛性や側圧損失特性等の特性が良
好であるのに対して、サンプル番号9番のものに示され
るように、光ファイバ心線2の外径φ2を0.35より
も細くすると、曲げ剛性が低下するだけでなく、側圧損
失が大幅に悪化し、この側圧損失は不合格となってい
る。
【0050】さらに、本実施形態例のもの(サンプル番
号3番)は外被4がナイロン12であることから曲げ剛
性等の特性が良好であるのに対して、サンプル番号12
番のものに示されるように、外被4の厚みは本実施形態
例のものと等しい条件であるのに、外被4がPVCであ
るものは曲げ剛性が不合格となっている。
【0051】上記のように、表2〜表4に示される実験
結果からも明らかなように、外径φ1を1mm以下にする
光ファイバコード1の細径化を達成するためには、様々
な特性から見て、樹脂6は紫外線硬化型樹脂に反応型シ
リコーンを0.5重量%以上、かつ、5重量%以下の範
囲内の添加割合でもって添加したもので構成し、かつ、
外被4は490MPa以上の引っ張り弾性率を持つ熱可塑
性樹脂により構成したものが非常に有効であることが分
かる。
【0052】この発明によれば、光ファイバ素線5の最
外層に被覆する樹脂6は紫外線硬化型樹脂に反応型シリ
コーンを0.5重量%以上、かつ、5重量%以下の範囲
内の添加割合でもって添加したものであるので、樹脂6
として反応型シリコーン無添加の紫外線硬化型樹脂を被
覆した光ファイバ心線2に比べて、光ファイバ心線2の
滑り性を格段に向上させることができる上に、光ファイ
バ心線2の機械特性や伝送特性も向上させることがで
き、光ファイバコード1の細径化に十分に対応できる光
ファイバ心線2を得ることが容易となる。
【0053】また、上記の如く、光ファイバ心線2の滑
り性を向上させることができるので、光ファイバ心線2
の引き抜き力特性等の悪化をまねくことなく、抗張力繊
維層3の繊維断面積占有率を高めることが可能となり、
光ファイバコード1の機械特性の向上を図ることが容易
となる。
【0054】さらに、外被4は490MPa以上の引っ張
り弾性率を持つ熱可塑性樹脂により形成されているの
で、光ファイバコード1の細径化によって外被4の厚み
を薄くしても、光ファイバコード1の曲げ剛性等の機械
特性の悪化を抑制することが可能となる。
【0055】なお、この発明は上記実施形態例に限定さ
れるものではなく、様々な実施の形態を取り得る。例え
ば、上記実施形態例では、外被4は490MPa以上の引
っ張り弾性率を持つ熱可塑性樹脂により構成されていた
が、490MPaよりも小さい引っ張り弾性率を持つ熱可
塑性樹脂により外被4を形成してもよい。この場合に
は、その外被4は光ファイバコード1の曲げ特性等を考
慮した厚みを有することとなる。
【0056】また、上記実施形態例では、光ファイバ心
線2は光ファイバ素線5にプライマリコートを介して樹
脂6が被覆されている構造を有し、その樹脂6が前記し
たように紫外線硬化型樹脂に反応型シリコーンを添加し
たものであったが、光ファイバ素線5に直接的に上記構
成の樹脂6を被覆してもよい。また、光ファイバ素線5
にプライマリコートを介して樹脂が既に設けられている
ものに、さらにその上側に最外層として上記構成の樹脂
6を被覆して光ファイバ心線2を構成してもよい。さら
にまた、光ファイバ素線5に3層以上の層構造を有する
樹脂を被覆してもよく、この場合にも最外層の樹脂は上
記実施形態例に示した紫外線硬化型樹脂に反応型シリコ
ーンを添加したものにより構成される。上記何れの場合
にも、樹脂6を含めた光ファイバ心線2は外径φ2が
0.35mm以上、かつ、0.6mm以下となるように形成
される。
【0057】
【発明の効果】この発明によれば、光ファイバ素線の最
外層に被覆される樹脂は紫外線硬化型樹脂に反応型シリ
コーンを0.5重量%以上、かつ、5重量%以下の範囲
内の添加割合でもって添加したものであることから、抗
張力繊維層に対する光ファイバ心線の滑り性を向上させ
ることができる上に、機械特性や伝送特性等の特性をも
向上させることができる。
【0058】上記の如く、光ファイバ心線の滑り性を向
上させることができるので、光ファイバ心線の引き抜き
力特性等を悪化させることなく、抗張力繊維層の繊維断
面積占有率を高めることが可能であり、光ファイバコー
ドの機械特性を向上させることが容易となる。
【0059】紫外線硬化型樹脂に添加する反応型シリコ
ーンは不飽和アクリル基を有する材料であるものや、外
被が490MPa以上の引っ張り弾性率を持つ熱可塑性樹
脂により構成されているものにあっては、光ファイバコ
ードの機械特性をより一層向上させることができ、より
機械特性の信頼性の高い光ファイバコードを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバコードの一例を示す断面模式図であ
る。
【図2】光ファイバコードの曲げ剛性の評価手法を示す
説明図である。
【図3】光ファイバコードの引き抜き力特性の評価手法
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光ファイバコード 2 光ファイバ心線 3 抗張力繊維層 4 外被 5 光ファイバ素線 6 樹脂

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ素線に樹脂が被覆されて成る
    光ファイバ心線の周りには抗張力繊維層が設けられ、こ
    の抗張力繊維層の外側には外被が形成されている構成を
    有した外径が1mm以下である光ファイバコードにおい
    て、上記光ファイバ素線の最外層に被覆される樹脂は紫
    外線硬化型樹脂に反応型シリコーンを添加したものであ
    り、その紫外線硬化型樹脂に対する反応型シリコーンの
    添加割合は0.5重量%以上、かつ、5重量%以下の範
    囲内であることを特徴とする光ファイバコード。
  2. 【請求項2】 反応型シリコーンは不飽和アクリル基を
    有する材料であることを特徴とする請求項1記載の光フ
    ァイバコード。
  3. 【請求項3】 外被は熱可塑性樹脂により形成されてお
    り、この熱可塑性樹脂は490MPa以上の引っ張り弾性
    率を持つものであることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の光ファイバコード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009063795A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバケーブル

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US6893719B1 (en) 1999-06-30 2005-05-17 The Furukawa Electric Co., Ltd. Optical fiber cord
US7153570B2 (en) 1999-06-30 2006-12-26 The Furukawa Electric Co., Ltd. Optical fiber cord
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