JP2000028063A

JP2000028063A - 圧力媒体供給装置

Info

Publication number: JP2000028063A
Application number: JP11109746A
Authority: JP
Inventors: Karl Hiestand; ヒーシュタントカール
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-04-18
Filing date: 1999-04-16
Publication date: 2000-01-25
Also published as: US6145890A; DE19817331A1; DE59906820D1; EP0950464B1; EP0950464A2; EP0950464A3

Abstract

(57)【要約】【課題】圧力媒体供給装置において、摩擦の増大による
磨耗を阻止する。【解決手段】半径方向に指向する密封隙間（１５，１
６）を画成している、定置の部材（２）および（また
は）回転する部材（３，３’）の端面（２１，２２また
は２３，２４）に、それぞれ１個または複数個の周回す
る圧力室（２９，３０）を形成する。圧力室（２９，３
０）は、１個または複数個の半径方向に指向する調整ス
リット（３７，３８）を介して、定置の部材（２）と回
転する部材（３，３’）の間にある環状溝（１４）と連
通している。半径方向に指向する密封隙間（１５，１
６）を画成し、圧力室（２９，３０）を備えている、定
置の部材（２）および（または）回転する部材（３，
３’）の端面（２１，２２または２３，２４）は、互い
に面積が等しいように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、定置の部材から回
転する部材へ圧力媒体を供給するための装置、特に中空
締め付けシリンダまたはこれに類似したものへ圧力媒体
を供給するための装置であって、定置の部材と回転する
部材の間に、軸線方向に指向する環状溝と半径方向に指
向する密封隙間が設けられている前記装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ特許第３２３２６７７号公報によ
り、この種の圧力媒体供給装置を備えた回転型中空締め
付けシリンダが知られている。この場合各圧力媒体供給
管のために、スペーサーリングにより締め付け固定され
る２個の面板の間にパッキンリングが挿着されている。
パッキンリングは面板とともに半径方向の密封隙間を取
り囲んでいる。面板とパッキンリングの互いに対向して
いる面は平らな面として形成されており、その結果、半
径方向の密封隙間の一つに圧力の変動が生じると、パッ
キンリングは他方の密封隙間の方向へ変位し、隣接して
いる面板に対して押しつけられる。その際に生じる摩擦
力のために激しく磨耗することは避けられず、ガス状の
圧力媒体に対してのみ使用可能なこの公知の圧力媒体供
給装置の寿命は非常に短い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
種の圧力媒体供給装置において、圧力媒体の伝達に寄与
する両部材相互の圧接を阻止することにより、摩擦の増
大による磨耗を考慮せずに済むようにすること、両部材
が静止時にも回転時にも相互にハンチングして常に中央
位置を占めるようにすること、これを実現するために必
要な構成を簡潔にすること、それにもかかわらず長期間
にわたって常に満足な故障のない作動態様が与えられて
いるようにすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、半径方向に指向する密封隙間が形成され、
圧力室が、１個または複数個の半径方向に指向する調整
スリットを介して、定置の部材と回転する部材の間にあ
る環状溝と連通していること、

【０００５】半径方向に指向する密封隙間を画成し、圧
力室を備えている、定置の部材および回転する部材の端
面が、互いに面積が等しいように形成されていることを
特徴とするものである。

【０００６】半径方向に指向する密封隙間を画成し、圧
力室を備えている、定置の部材または回転する部材の端
面は、定置の部材の横軸に関し互いに鏡対称に且つ面積
が等しいように形成されているように構成してもよい
が、半径方向の一方の密封隙間に付設されている圧力室
と調整スリットとが定置の部材または回転する部材に形
成され、そして他の半径方向の密封隙間に付設されてい
る圧力室と調整スリットとが回転する部材または定置の
部材に形成されているように構成してもよい。

【０００７】この場合、定置の部材および回転する部材
の、互いに対向している端面が、それぞれ面積が等しい
内側密封面と、１個または複数個の圧力室と、面積が等
しい外側密封面とを備えているのが合目的である。その
際、定置の部材および回転する部材の端面に設けられて
いる内側密封面は、外側密封面のほぼ２倍の大きさであ
り、圧力室の、軸線方向に付勢される面は、半径方向の
密封隙間の内側密封面よりも大きい。また、圧力室は横
断面にて角形に形成されている。

【０００８】定置の部材および回転する部材に２個また
はそれ以上の圧力室が形成されている場合、これらの圧
力室が、それぞれ１個または複数個の調整スリットを介
して、軸線方向に指向する環状溝に連通し、且つ互いに
連通しあっているのが好ましい。

【０００９】半径方向の両密封隙間に付設されている調
整スリットは、それぞれ同じ大きさの横断面積を有して
いる。また、定置の部材がリング状のディスクとして形
成され、回転する部材に係合するような構成も好まし
い。さらに、半径方向に指向している各密封隙間が、有
利には定置の部材に一体成形されている細条部により形
成される捕獲室により覆われているように構成してもよ
い。

【００１０】

【発明の効果】定置の部材から回転する部材へ圧力媒体
を供給する装置を本発明にしたがって構成することによ
り、摩擦により定置の部材および（または）回転する部
材の半径方向密封隙間の領域に生じる損傷がほとんどな
いよう保証される。両部材は振動し、しかも静止時にも
回転時にも、また圧力媒体が衝撃的に供給されるときも
常に中央位置を占め、したがって片側方向への押圧が確
実に回避される。よって長寿命が保証されており、圧力
媒体と一緒に不純物が供給されても、常に幅が変化する
半径方向の密封隙間と、漏れオイル流の中に配置される
調整スリットとに蓄積することがない。本発明による装
置は構成が簡潔であり、したがって経済的に製造される
とともに、圧力媒体が高圧であっても作動確実に且つ故
障なく圧力媒体が伝達され、長期間にわたって高回転数
で作動する。

【００１１】

【発明の実施の形態】添付の図面には、定置の部材から
回転する部材へ圧力媒体を供給する本発明による装置の
実施形態が図示されている。

【００１２】図１から図４に図示した装置１は、圧力媒
体（たとえば圧力油）を定置の部材２から二分割の回転
する部材３，３’およびこれにねじ８を用いて固定され
ている中空締め付けシリンダ４に供給するために用いら
れる。中空締め付けシリンダ４のシリンダ壁は、図示し
た実施形態の場合部材３’を形成している。中空締め付
けシリンダ４内には、圧力媒体により付勢可能なピスト
ン５が挿着されている。ピストン５の付設の圧力室６
は、回転する部材３，３’内に設けられた圧力媒体供給
用のダクト７，７’を介して定置の部材２に接続されて
いる。

【００１３】ディスク１１として構成された定置の部材
２は、半径方向に間隔を持って回転する部材３，３’に
係合し、その結果これらの部材の間には、軸線方向に指
向する環状溝１４と、定置の部材２の両側に半径方向の
密封隙間１５と１６が形成されている。さらにデイスク
１１は、図示していない圧力媒体供給管および環状溝１
４に開口しているダクト１３のための接続部１２を備え
ている。そして、回転する部材３に形成されたダクト７
は環状溝１４に接続されており、その結果、供給された
圧力媒体はダクト１３、環状溝１４およびダクト７と
７’を介して中空締め付けシリンダ４の圧力室６内へ到
達する。

【００１４】半径方向の密封隙間１５と１６を画成して
いる、回転する部材３，３’の端面２１と２２は、装置
を定置の部材２に押圧させて接続するため特別に構成さ
れており、すなわち端面２１と２２にはそれぞれ圧力室
２９または３０が形成され、この圧力室２９または３０
は面積の等しい調整スリット３７または３８を介して環
状溝１４に連通している。このように端面２１と２２は
それぞれ内側密封面２５または２６と、圧力室２９また
は３０と、外側の外側密封面３３または３４とを有して
いる。また端面２１と２２は、ディスク１１の横軸線に
関し互いに鏡対称に且つ面積が等しいように形成されて
おり、この場合内側の内側密封面２５と２６は外側の密
封面３３と３４のほぼ２倍の大きさである。また、横断
面にて長方形に構成されている圧力室２９と３０の、軸
線方向に付勢される面は、内側密封面２５と２６よりも
大きい。これにより、両部材は短時間で相互に安定な状
態になる。

【００１５】中空締め付けシリンダ４に定置の部材２と
回転する部材３を介して圧力媒体を供給すると、圧力室
６と環状溝１４内に静圧力が発生する。両部材２と３が
互いに図１に図示した位置にあるとき、圧力媒体の一部
は、拡大された半径方向の密封隙間１５を介して、ディ
スク１１に一体成形された細条部１７により形成される
捕獲室１９内へ排出される。しかし、反対側にある半径
方向の密封隙間１６は、外側密封面３４がディスク１１
に当接していることによりほぼ閉鎖され、他方圧力室３
０は調整スリット３８を介して環状溝１４と連通してい
るので、環状溝１４内に圧力が発生し、よって軸線方向
に指向する力が両部材２と３に作用する。その結果外側
密封面３４はディスク１１から離間するので、圧力媒体
は半径方向の密封隙間１６側にあって同様に一体成形さ
れた細条部１８により形成される捕獲室２０内へ達し、
捕獲室２０から、および捕獲室１９からも圧力媒体循環
系内へ供給される。同時に半径方向の密封隙間１５は多
少閉鎖され、従って両部材２と３は装置１による圧力媒
体供給時に常に振動運動を実施し、しかも短時間で再び
平衡状態が設定される。その際、半径方向の密封隙間１
５と１６による圧力媒体の排流制御が考慮され、両部材
２と３を損傷させるような両部材２と３の押圧接触は、
ハンチングにより確実に阻止される。

【００１６】図３に図示した変形実施形態では、定置の
部材２の端面２３と２４に、調整スリット３９と４０を
介して環状溝１４に接続されている圧力室３１と３２が
形成されている。したがって内側密封面２７と２８およ
び外側密封面３５と３６は定置の部材２のディスク１１
に設けられ、これに対して回転する部材３，３’の端面
２１と２２は平面状に形成されている。

【００１７】さらに、２個またはそれ以上の圧力室を互
いに同心になるように両部材２と３の一方に設けてもよ
い。図４によれば、定置の部材２のディスク１１の両端
面２３と２４にはそれぞれ互いに同心に配置される２個
の環状室３１と３１’または３２と３２’が形成されて
いる。環状室３１と３１’または３２と３２’は調整ス
リット３９’または４０’を介して互いに連通してい
る。したがって外側の圧力室３１’と３２’も環状溝１
４に接続しているので、環状溝１４にも圧力を発生させ
ることができる。すべての実施形態において、圧力室２
９，３０または３１，３２または３１，３１’または３
２，３２’を備えている端面２１，２２または２３，２
４はディスク１１の横軸に関し鏡対称に且つ互いに面積
が等しいように形成されているので、両部材２，３の一
方の一方向への変位が阻止され、半径方向の密封隙間１
５と１６の幅は常に一定に調整される。

【図面の簡単な説明】

【図１】中空締め付けシリンダに取り付けられた圧力媒
体供給装置の軸断面図である。

【図２】図１の線ＩＩ−ＩＩによる断面図である。

【図３】定置の部材に圧力室を設けた図１の圧力媒体供
給装置を示す図である。

【図４】互いに同心に位置するように２個の圧力室を設
けた図３の圧力媒体供給装置を示す図である。

【符号の説明】

１圧力媒体供給装置２定置の部材３，３’回転する部材４中空締め付けシリンダ１４環状溝１５，１６密封隙間１７，１８細条部１９，２０捕獲室２１，２２回転する部材の端面２３，２４定置の部材の端面２５，２６，２７，２８内側密封面２９，３０，３１，３１’，３２，３２’ 圧力室３３，３４，３５，３６外側密封面３７，３８，３９，３９’，４０，４０’ 調整スリッ
ト

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】定置の部材（２）から回転する部材（３，
３’）へ圧力媒体を供給するための装置（１）であっ
て、定置の部材（２）と回転する部材（３，３’）の間
に、軸線方向に指向する環状溝（１４）と半径方向に指
向する密封隙間（１５，１６）が設けられている前記装
置（１）において、半径方向に指向する密封隙間（１５，１６）を画成して
いる、定置の部材（２）および（または）回転する部材
（３，３’）の端面（２１，２２または２３，２４）
に、それぞれ１個または複数個の周回する圧力室（２
９，３０または３１，３２または３１，３１’，３２，
３２’）が形成され、圧力室（２９，３０または３１，
３２または３１，３１’，３２，３２’）が、１個また
は複数個の半径方向に指向する調整スリット（３７，３
８または３９，４０または３９，３９’，４０，４
０’）を介して、定置の部材（２）と回転する部材
（３，３’）の間にある環状溝（１４）と連通している
こと、半径方向に指向する密封隙間（１５，１６）を画成し、
圧力室（２９，３０または３１，３２または３１，３
１’，３２，３２’）を備えている、定置の部材（２）
および（または）回転する部材（３，３’）の端面（２
１，２２または２３，２４）が、互いに面積が等しいよ
うに形成されていることを特徴とする装置。
【請求項２】半径方向に指向する密封隙間（１５，１
６）を画成し、圧力室（２９，３０または３１，３２ま
たは３１，３１’，３２，３２’）を備えている、定置
の部材（２）または回転する部材（３，３’）の端面
（２１，２２または２３，２４）が、定置の部材（２）
の横軸に関し互いに鏡対称に且つ面積が等しいように形
成されていることを特徴とする、請求項１に記載の装
置。
【請求項３】半径方向の一方の密封隙間（１５）に付設
されている圧力室（２９）と調整スリット（３７）とが
定置の部材（２）または回転する部材（３）に形成さ
れ、そして他の半径方向の密封隙間（１６）に付設され
ている圧力室（３２）と調整スリット（４０）とが回転
する部材（３）または定置の部材（２）に形成されてい
ることを特徴とする、請求項２に記載の装置。
【請求項４】定置の部材（２）および（または）回転す
る部材（３，３’）の、互いに対向している端面（２
１，２２または２３，２４）が、それぞれ面積が等しい
内側密封面（２５，２６または２７，２８）と、１個ま
たは複数個の圧力室（２９，３０または３１，３２また
は３１，３１’，３２，３２’）と、面積が等しい外側
密封面（３３，３４または３５，３６）とを備えている
ことを特徴とする、請求項１から３までのいずれか一つ
に記載の装置。
【請求項５】定置の部材（２）および（または）回転す
る部材（３，３’）の端面（２１，２２または２３，２
４）に設けられている内側密封面（２５，２６または２
７，２８）が、外側密封面（３３，３４または３５，３
６）のほぼ２倍の大きさであることを特徴とする、請求
項４に記載の装置。
【請求項６】圧力室（２９，３０または３１，３２）
の、軸線方向に付勢される面が、半径方向の密封隙間
（１５，１６）の内側密封面（２５，２６または２７，
２８）よりも大きいことを特徴とする、請求項４または
５に記載の装置。
【請求項７】圧力室（２９，３０または３１，３２）が
横断面にて角形に形成されていることを特徴とする、請
求項４から６までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項８】定置の部材（２）および（または）回転す
る部材（３，３’）に２個またはそれ以上の圧力室（３
１，３１’または３２，３２’）が形成され、これらの
圧力室（３１，３１’または３２，３２’）が、それぞ
れ１個または複数個の調整スリット（３９，３９’また
は４０，４０’）を介して、軸線方向に指向する環状溝
（４１）に連通し、且つ互いに連通しあっていることを
特徴とする、請求項４から７までのいずれか一つに記載
の装置。
【請求項９】半径方向の両密封隙間（１５，１６）に付
設されている調整スリット（３７，３８または３９，４
０）が、それぞれ同じ大きさの横断面積を有しているこ
とを特徴とする、請求項４から８までのいずれか一つに
記載の装置。
【請求項１０】定置の部材（２）がリング状のディスク
（１１）として形成され、回転する部材（３）に係合す
ることを特徴とする、請求項１から９までのいずれか一
つに記載の装置。
【請求項１１】半径方向に指向している各密封隙間（１
５，１６）が、有利には定置の部材（２）に一体成形さ
れている細条部（１７，１８）により形成される捕獲室
（１９，２０）によって覆われていることを特徴とす
る、請求項１から１０までのいずれか一つに記載の装
置。