JP2000027023A - 溶融紡糸装置 - Google Patents
溶融紡糸装置Info
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Abstract
斑のないマルチフィラメント糸の溶融紡糸装置を提供す
る。 【解決手段】 下記のA〜Dの要素を有する溶融紡糸装
置である。 A.紡出糸条(Y)を横切る方向に冷却風を吹き付け
て、紡出されたマルチフィラメント糸条(Y)を冷却す
る冷却紡糸筒(9)。 B.該冷却紡糸筒(9)の上部に設けられた、整流され
た冷却風を供給する給気整流部材(6)。 C.紡出糸条(Y)を間に挟んで該給気整流部材(6)
に対向して設けられ、かつ冷却紡糸筒(9)の外部から
内部へ整流された外気を吸気する吸気整流部材
(6′)。 D.冷却紡糸筒9内を流下する気流の一部を筒外へ排気
する、該吸気整流部材(6′)の直下部に設けられた排
気開口(10)。
Description
イロン等の熱可塑性合成樹脂からなる繊維を溶融紡糸す
るための溶融紡糸装置に関する。
可塑性合成樹脂からなる繊維を溶融紡糸するに当たっ
て、溶融した熱可塑性ポリマーを紡糸口金から吐出さ
せ、紡出糸条群を横切る方向に流れる冷却風により冷却
した後、延伸して引き取ることが行われている。
維鮮度が0.6デニール以下の極細繊維は、人工皮革や
高級衣料等の高付加価値製品の素材として用いられてい
る。このような極細繊維は、単繊維繊度として少なくと
も1.0デニール以下であって、単繊維の集合体である
マルチフィラメント糸条とした場合の繊度が、20デニ
ール以上であることが要求される。したがって、このよ
うな極細繊維を製造するためには、多ホールの紡糸口金
を使用して紡糸する事が必須になる。
おいては、紡出糸条を冷却固化させる過程で各単繊維間
に冷却の不均一を生じやすい。この冷却の不均一は、マ
ルチフィラメント糸条を構成する各単繊維間に物性のバ
ラツキを生じる原因となって、糸切れ等の工程トラブ
ル、長さ方向の繊度斑、染斑等となって現れ、十分な品
質を持つ極細マルチフィラメント糸条を得る事が難しか
った。
に、近年、紡糸速度の高速化が図られるようになってき
たが、このために走行する紡出糸条に随伴する気流が紡
速の増大とともに益々増大することとなり、この随伴気
流が紡出糸条の糸揺れの大きな原因ともなっている。
ら種々の検討がなされている。例えば、特開平4−18
107号公報には、紡糸口金に穿設するポリマー吐出孔
の配列を工夫して、冷却風の吹出し側と反吹出し側の紡
出糸条の冷却差を解消すると共に、冷却風が紡出糸条の
間を容易に通過できるように、冷却風の通過性を向上さ
せることで、冷却の不均一を解消することが提案されて
いる。
や高速化による随伴気流の増大と、これによって誘起さ
れる糸揺れが原因となる繊度斑の発生については何等の
考慮も払われていないため、特に、90ホール以上の多
ホール紡糸や2500m/分以上の高速紡糸において、
前記の糸揺れが顕著となる。
報、特開昭63−145407号公報等には、整流板を
糸条群の走行方向に沿って配設したり、冷却風の吹出し
側と対向して設けた整流板を介して外気を吸気すること
で、冷却風の乱れを解消しながら、紡出糸条の冷却の均
一化を図り、マルチフィラメント糸条の繊度斑を解消す
る方法が提案されている。
ール化や高速化による随伴気流の増大によって誘起され
る糸揺れや冷却風の単繊維間への通過容易性に関して
は、何等の配慮もされていないため、糸切れや繊度斑の
発生を減少させるためには十分でない。
点に鑑み成されたものであって、本発明が解決しようと
する課題は、以下の通りである。すなわち、紡出された
マルチフィラメント糸条を横切るように冷却風を該糸条
に吹き付けて、溶融したマルチフィラメント糸条を冷却
固化する際に、主として糸条の糸揺れに起因する繊度斑
や不均一冷却を防止できる溶融紡糸装置を提供すること
にある。
めに、本発明によれば下記のような手段が提供される。
すなわち、請求項1に記載の発明として、下記のA〜D
の要素を有する溶融紡糸装置が提供される。
付けて、紡出されたマルチフィラメント糸条を冷却する
冷却紡糸筒。 B.該冷却紡糸筒の上部に設けられた、整流された冷却
風を供給する給気整流部材。 C.紡出糸条を間に挟んで該給気整流部材に対向して設
けられ、かつ冷却紡糸筒の外部から内部へ整流された外
気を吸気する吸気整流部材。 D.冷却紡糸筒内を流下する気流の一部を筒外へ排気す
る、該吸気整流部材の直下部に設けられた排気開口。
給気整流部材と吸気整流部材の上端に上昇気流を遮断す
る上昇気流遮断部材を設け、かつ前記の給気整流部材の
設置面と前記の吸気整流部材の設置面とを除いた冷却紡
糸筒の側面の上昇気流遮断部材の下方に上昇気流を筒外
へ排気するための排気孔を設けた請求項1記載の溶融紡
糸装置が提供される。
の紡出糸条を冷却する冷却紡糸筒である請求項1又は2
記載の溶融紡糸装置が提供される。
て、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明を
例示する溶融紡糸装置を模式的に簡略化して例示した側
面図であり、Yはマルチフィラメントからなる紡出糸
条、1は紡糸パック、2は多ホールの紡糸口金、3は上
昇気流遮断部材、4は冷却風供給室、5は冷却風の均圧
化部材、6は給気整流部材、6′は吸気整流部材、7は
盲板、8は糸条集束ガイド、9は冷却紡糸筒をそれぞれ
示す。ここで、前記の吸気整流部材6′は、紡出糸条Y
を間に挟んで給気整流部材6に対向して設けられ、かつ
冷却紡糸筒9の外部から内部へ整流された外気を吸気す
る役割を果たしている。また、上昇気流遮断部材3は、
紡糸口金2直下の徐冷ゾーンに、冷却風が進入しないよ
うに設けられたものである。
一部を筒9外へ排気する該吸気整流部材6′の直下部に
は、該気流を排気するための排気開口10が設けられて
いる。なお、該図において、矢印を持った線分は、視覚
的に冷却風の流れを容易に捉えることができるように冷
却風の流れ方向(矢印の方向へ流れる)を示している。
が通過する際に圧力損失が生じるような金網フィルタ
ー、通気性の焼結金属等の如き部材で製作することが好
ましい。何故ならば、これによって冷却風供給室4の冷
却風吹出し部においては、冷却風の吹出し圧力、風速、
及び風量等の分布を紡速、紡糸糸条の銘柄等の紡糸条件
に対応したプロファイルに制御できるからである。この
ような好ましいプロファイルに制御された冷却風は、冷
却紡糸筒9の上部に設けられた、整流された冷却風を供
給する給気整流部材6から冷却紡糸筒9内の紡出糸条Y
を横切る方向へ供給される。なお、盲板7は、冷却風の
吹出し距離を紡糸条件に対応させて調整自在とするため
に設けられたものである。したがって、この盲板7と給
気整流部材6の糸条走行方向への長さは、互いに調整自
在とされている。
いて、紡糸パック1に取り付けられた紡糸口金2から紡
出された糸条Yは、ハニカム等の整流作用を有する部材
で構成された給気整流部材6から紡出糸条Yを横切る方
向へ供給された冷却風によって、冷却固化される。そし
て、ここでは明示しないが、必要に応じて油剤が付与さ
れた後、糸条集束ガイド8で集束され、糸条の交絡処理
が施された後、引き取りローラー(図示せず)で引き取
られる。この時、紡出糸条Yを横切って供給された冷却
風は、走行糸条Yに随伴する気流と共に下方へと流れ、
これによって冷却風の動圧は上昇するが、冷却紡糸筒9
内の静圧は低下する。このため、吸気整流部材6′を介
して整流された外気は、冷却紡糸筒9の内部へと流入
し、この方向からも紡出糸条Yは冷却される。なお、該
吸気整流部材6′の設置長さは、紡糸条件に対応させ
て、適宜好ましい条件にすれば良い。例えば、ポリエス
テルの溶融紡糸においては、その有効長を紡出糸条Yの
走行方向に沿って300〜700mmとすることが好ま
しい。
と吸気整流部材6′とから冷却紡糸筒9から流入した冷
却風は、冷却紡糸筒9の下方へ行くにしたがって互いに
集まり合って、その風速が増加する。例えば、既に紡出
糸条Yの冷却が完了する図1及び図2に示す集束ガイド
8の位置においては、その風速は10m/分に達するこ
とが有る。このような気流は、紡出糸条の糸揺れの大き
な原因となっているため、速やかに冷却紡糸筒9外へ排
出することが必要であって、このために、本発明のよう
に、冷却紡糸筒9内を流下する気流の一部を筒外へ排気
する排気開口を、冷却紡糸筒9の吸気整流部材6′の直
下部に設ける必要がある。
は、その作用を有効に果たすことができれば良いのであ
って、特に制限することはない。しかしながら、ポリエ
ステルの紡糸においては、有効長さ300〜1000m
mとすることが好ましい。このようにすることで、糸揺
れの発生を抑制でき、安定した紡糸を行うことができ
る。
の正面図であって、この図も、模式的に簡略化して示し
てある。該図2の実施態様を見れば分かるように、この
実施態様例では、紡糸パック1に多数(6錘)の紡糸口
金2が横一列に並列して配設されている。特に、このよ
うな多錘の紡糸口金2においては、紡出された6錘の糸
条Yの両側端には、下方へ走行する紡出糸条Yが存在し
ないため、図示するように上昇気流が紡出糸条Yの走行
方向とは逆方向に発生する。このような上昇気流の発生
は、明らかに冷却紡糸筒9内の冷却風を乱す作用を果た
すため、速やかに冷却紡糸筒9から排出することが好ま
しい。
気整流部材6と吸気整流部材6′の上端に上昇気流を遮
断する上昇気流遮断部材3を設ける必要が有る。なお、
この際、更に前記の給気整流部材6の設置面と前記の吸
気整流部材6′の設置面とを除いた冷却紡糸筒9の側面
の上昇気流遮断部材3の下方に上昇気流を筒外へ排気す
るための排気孔11を設ける必要が有る。この時、上昇
気流制御板12を設けることによって排出孔10から容
易に上昇気流を逃がすことができるようにしても良い。
フィラメント糸条の紡糸や高速紡糸の場合のように、増
大する随伴気流を効果的に制御して、糸揺れの発生を抑
制することができる。また、冷却風の単糸間への通過性
を向上することができ、糸条群の冷却の不均一や冷却風
の乱れによる糸揺れの発生等を解消することができ、繊
度斑、染斑、及び、断糸のない良好な極細マルチフィラ
メント糸を得ることができるという極めて大きな効果を
奏する。
式側面図である。
式正面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記のA〜Dの要素を有する溶融紡糸装
置。 A.紡出糸条を横切る方向に冷却風を吹き付けて、紡出
されたマルチフィラメント糸条を冷却する冷却紡糸筒。 B.該冷却紡糸筒の上部に設けられた、整流された冷却
風を供給する給気整流部材。 C.紡出糸条を間に挟んで該給気整流部材に対向して設
けられ、かつ冷却紡糸筒の外部から内部へ整流された外
気を吸気する吸気整流部材。 D.冷却紡糸筒内を流下する気流の一部を筒外へ排気す
る、該吸気整流部材の直下部に設けられた排気開口。 - 【請求項2】 前記の給気整流部材と吸気整流部材の上
端に上昇気流を遮断する上昇気流遮断部材を設け、かつ
前記の給気整流部材の設置面と前記の吸気整流部材の設
置面とを除いた冷却紡糸筒の側面の上昇気流遮断部材の
下方に上昇気流を筒外へ排気するための排気孔を設けた
請求項1記載の溶融紡糸装置。 - 【請求項3】 多錘の紡出糸条を冷却する冷却紡糸筒で
ある請求項1又は2記載の溶融紡糸装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10191638A JP2000027023A (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 溶融紡糸装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10191638A JP2000027023A (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 溶融紡糸装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004118800A Division JP2004204431A (ja) | 2004-04-14 | 2004-04-14 | 極細繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000027023A true JP2000027023A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=16277994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10191638A Pending JP2000027023A (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 溶融紡糸装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000027023A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105220249A (zh) * | 2015-10-23 | 2016-01-06 | 苏州金纬化纤工程技术有限公司 | 化纤纺丝设备的吹风整流装置 |
-
1998
- 1998-07-07 JP JP10191638A patent/JP2000027023A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105220249A (zh) * | 2015-10-23 | 2016-01-06 | 苏州金纬化纤工程技术有限公司 | 化纤纺丝设备的吹风整流装置 |
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20031202 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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A521 | Written amendment |
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A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
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A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
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