JP2000026553A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2000026553A
JP2000026553A JP10262455A JP26245598A JP2000026553A JP 2000026553 A JP2000026553 A JP 2000026553A JP 10262455 A JP10262455 A JP 10262455A JP 26245598 A JP26245598 A JP 26245598A JP 2000026553 A JP2000026553 A JP 2000026553A
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Japan
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compound
isocyanurate
bromine
cured product
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JP10262455A
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English (en)
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Hideki Hiraoka
秀樹 平岡
Masao Takei
正雄 武井
Akira Washimi
章 鷲見
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、難燃性、耐熱性、耐水性、機械的強
度に優れ、誘電率が低く、銅箔との密着性が良好な性質
を有し、銅張積層板等の電気絶縁材料用途に好適な材料
を提供することを目的とする。 【解決手段】マレイミド基を有する化合物、アリル基又
はメタリル基を分子内に3個含有するイソシアヌレート
及び難燃剤として臭素含有ポリカーボネート及び/又は
沸点が300℃以上のリン化合物を併用することによ
り、上記課題を達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の組成物から得られる
硬化物は、難燃性、耐熱性、耐水性、機械的強度に優
れ、誘電率が低く、銅箔との密着性が良好という性質を
有するため、本発明の組成物は各種電気・電子材料、耐
熱性成形品、複合材料、耐熱性充填剤、耐熱性コーティ
ング剤等に有用であり、特に銅張積層板等の電気絶縁材
料用途に適している。すなわち本発明は上記の各種技術
分野、特に電気・電子材料技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プリント配線基板多層化や表面実
装技術の発展に伴い、銅張積層板を構成する絶縁材料に
は、耐熱性、信頼性の優れたものが要望されている。ま
た通信機器等の分野では信号の周波数領域がギガヘルツ
帯に及ぶ機器が一般化してきており、この分野では誘電
率、誘電正接の低い絶縁材料が求められている。さらに
LSI等の集積回路のパッケージング分野においては、
シリコンチップの発熱や多ピン化によるパッケージ用基
板の高密度化等の点からは高耐熱性材料が、信号伝播速
度の遅延を低減する点からは低誘電率、低誘電正接の材
料が求められているため、両特性を兼ね備えた絶縁材料
が求められている。このような材料としてマレイミド化
合物を含有する組成物が広く用いられており、該組成物
としては、例えばビスマレイミド類とジアミノジフェニ
ルメタン等のジアミンを共重合して得られるポリアミノ
ビスマレイミド樹脂組成物、ビスマレイミド類とビスシ
アネート類を共重合して得られるビスマレイミドトリア
ジン樹脂組成物、マレイミドとアルケニルフェノールを
含有する組成物等が挙げられる。また本発明者らによる
マレイミド化合物とトリメタリルイソシアヌレートを含
有する組成物(特開平6−122737号公報)も例示
される。
【0003】しかしながら上記組成物を用いた積層板
は、それぞれ下記のような問題点を有している。すなわ
ちポリアミノビスマレイミド樹脂組成物の硬化物はメッ
キ浴に浸漬した場合や積層板保管時に吸湿した場合等、
吸湿条件におけるはんだ耐熱性が悪く、また誘電率が高
く、コンピュータ用基板等の高速演算を行う用途には適
切ではない。またビスマレイミドトリアジン樹脂組成物
の硬化物は誘電率が低いという特長を有するが、吸湿後
の耐熱性が低下しやすいという欠点を有している。さら
にマレイミドとアルケニルフェノールからなる組成物の
硬化物は耐熱性、誘電特性は優れているが、樹脂中に水
酸基が多いために吸水率がやや高く、LSIパッケージ
用途、特にパッケージ小型軽量化の面から水分に対して
要求性能が厳しくなりつつある分野では、耐水信頼性に
欠けるものである。
【0004】一方、本発明者らが先に提案したマレイミ
ド化合物とトリメタリルイソシアヌレートから得られる
硬化物は耐熱性に優れ、誘電率が低く、また吸水率も低
いという特長があるが、プリント配線板として用いるに
は難燃性が不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の組成物が有する問題点を解消し、難燃性、耐熱
性、耐水性、機械的強度に優れ、かつ低い誘電率等の優
れた電気特性を併せ持つ硬化物を与える組成物を求める
べく検討を行ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、先に提案した組成物
に特定の難燃性化合物を併用することにより、上記問題
点を解消し得ることを見出して本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、マレイミド基を有する化合物、
アリル基又はメタリル基を分子内に3個含有するイソシ
アヌレート及び臭素含有ポリカーボネート又は沸点が3
00℃以上のリン化合物を含有することを特徴とする硬
化性組成物に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の組成物の第一の成分はマ
レイミド基を有する化合物(以下、マレイミド化合物と
いう。)で、具体例としてはN−メチルマレイミド、N
−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブ
チルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチ
ルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘ
キシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−p−
ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−カルボキシフ
ェニルマレイミド、N−p−クロロフェニルマレイミ
ド、N−o−クロロフェニルマレイミド、N−2,5−
ジエチルフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルフ
ェニルマレイミド、N−o−トリルマレイミド、N−m
−トリルマレイミド、N−p−トリルマレイミド、N−
α−ナフチルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N
−p−キシリルマレイミド、N−o−キシリルマレイミ
ド、N−m−キシリルマレイミド、ビスマレイミドメタ
ン、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレ
イミドヘキサン、ビスマレイミドドデカン、N,N’−
m−フェニレンジマレイミド、N,N’−p−フェニレ
ンジマレイミド、4,4’−ビスマレイミドジフェニル
エーテル、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタ
ン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−メチルフェニ
ル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ(3−エチ
ルフェニル)メタン、4,4’−ビスマレイミド−ジ
(3−メチル−5−エチル−フェニル)メタン、N,
N’−(2,2−ビス−(4−フェノキシフェニル)プ
ロパン)ジマレイミド、N,N’−2,4−トリレンジ
マレイミド、N,N’−2,6−トリレンジマレイミ
ド、N,N’−m−キシリレンジマレイミド等が挙げら
れる。本発明の組成物は所望によりこれらを2種類以上
併用したものであってもよい。
【0008】上記のマレイミド化合物の内、多官能のも
のは硬化物の耐熱性をより良好とするため好ましく、特
に4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンは本発明
組成物の溶融粘度を低くして作業性を向上させ、硬化物
の耐熱性を良好にするため好ましい。N−フェニルマレ
イミド等の単官能マレイミド化合物は、組成物を低粘度
化し、組成物のフローを良くすることを意図するような
場合に使用するのが好ましい。
【0009】マレイミド基はその基中の1個又は2個の
水素原子が他の置換基又は原子で置換されていてもよ
い。置換基の例としては、メチル基等のアルキル基、フ
ェニル基等のアリール基、原子の例としては塩素原子等
のハロゲン原子が挙げられる。
【0010】本発明の組成物の第二の成分はアリル基又
はメタリル基(以下、アリル基とメタリル基を合わせた
ものを(メタ)アリル基という。)を分子内に3個含有
するイソシアヌレート(以下、単に(メタ)アリルイソ
シアヌレート化合物という。)であり、分子内に存在す
る(メタ)アリル基はアリル基又はメタリル基単独で3
個でも、アリル基2個でメタリル基1個というように混
ざり合ったものでもよく、具体例はトリアリルイソシア
ヌレート、ジアリル(メタリル)イソシアヌレート、ア
リル(ジメタリル)イソシアヌレート、トリメタリルイ
ソシアヌレート等である。本発明の組成物はこれらの2
種以上を併用したものであってもよい。
【0011】上記(メタ)アリルイソシアヌレート化合
物の内、トリメタリルイソシアヌレートは揮散しにく
く、作業環境や機器類を汚染することがないため、本発
明にとり好ましい化合物である。トリアリルイソシアヌ
レートは組成物を低粘度化し、組成物のフローを良くす
ることを意図するような場合に使用するのが好ましい。
【0012】本発明の組成物においてマレイミド化合物
と(メタ)アリルイソシアヌレート化合物の併用割合
は、マレイミド基と(メタ)アリル基の当量比が、1/
0.4〜1/1.5の範囲であることが好ましい。(メ
タ)アリル基の割合が0.4より小さい組成物はガラス
クロス等に含浸させてプリプレグを製造し、それを加圧
加熱して積層板を作る際の流動性が不足して積層板がで
きないおそれがある上、得られる硬化物が脆くて強度不
足のものとなり易いので使用は避けるのが好ましい。ま
た(メタ)アリル基の割合が1.5より大きい組成物は
(メタ)アリル基が単独重合を起こしにくい為に、得ら
れる硬化物中に未反応(メタ)アリルイソシアヌレート
化合物が多いものとなり、その硬化物は変形が起こり易
く、耐熱性が不足するものになる等の不具合が生じ易い
ので同様に使用を避けるのが好ましい。
【0013】本発明の組成物の第三の成分は臭素含有ポ
リカーボネート又は沸点が300℃以上のリン化合物
(以下、これらを合わせて難燃剤という。)である。臭
素含有ポリカーボネートとしては、まず臭素原子を含有
する2価のフェノール類と、ホスゲンあるいはエチレン
カーボネート等から、公知の方法により重合させて得る
ことができるポリマー又はオリゴマーが挙げられる。臭
素含有ポリカーボネートを得るための2価の臭素含有フ
ェノール類の具体例はテトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモビスフェ
ノールF、ジヒドロキシテトラブロモビフェニル、ジヒ
ドロキシテトラブロモジフェニルエーテル、ジヒドロキ
シテトラブロモベンゾフェノン、ジヒドロキシオクタブ
ロモジフェニルエーテル、テトラブロモフェノールフタ
レイン、テトラブロモフェノールブルー等の2価フェノ
−ルのテトラ臭素化物、2価フェノ−ルのテトラ臭素化
物の臭素原子の1〜3個が水素原子に置き換わったトリ
臭素化物、ジ臭素化物、モノ臭素化物等である。臭素含
有ポリカーボネートはこれら臭素含有フェノ−ル類の2
種類以上を原料としたものでもよい。
【0014】本発明の組成物にとり、テトラブロモビス
フェノールAを原料とする臭素含有ポリカーボネートは
他のフェノールを原料とするものに比べてマレイミド化
合物、(メタ)アリルイソシアヌレート化合物との相溶
性がよく、得られる硬化物の難燃性、強度、電気的特性
等の性質のバランスがよいため好ましい化合物である。
【0015】さらに、臭素原子を含有しない2価のフェ
ノール類を2価の臭素含有フェノール類と共重合した臭
素含有ポリカーボネートも挙げられ、これはマレイミド
化合物、(メタ)アリルイソシアヌレート化合物との相
溶性が良く、硬化物の電気特性等を向上させるので本発
明にとり好ましい化合物である。臭素原子を含有しない
2価のフェノール類としては、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS、2,2’,6,6’
−テトラメチルビスフェノールA、2,2’,6,6’
−テトラメチルビスフェノールF、ジヒドロキシベンゾ
フェノン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロ
キシビフェニル、ハイドロキノン、カテコール、レゾル
シノール、ジヒドロキシナフタレン等がある。
【0016】原料のフェノ−ル類がすべて2価のものを
用いた場合、臭素含有ポリカーボネートの末端はフェノ
−ル性水酸基になるが、フェノール性水酸基は多く存在
するとフリーラジカルによるマレイミド化合物と(メ
タ)アリルイソシアヌレート化合物の硬化反応を阻害す
るため、本発明において、原料として1価のフェノール
化合物を併用し、末端のフェノール性水酸基を封鎖して
存在量を少なくした臭素含有ポリカーボネートが好まし
い。末端の封鎖に使用される1価のフェノール化合物の
なかでは、臭素化フェノールが臭素含有ポリカーボネー
トの臭素含有量を高くでき、組成物中の臭素含有ポリカ
ーボネートの使用量を少くできるため好ましい。この様
な臭素含有ポリカーボネートとしては帝人化成株式会社
製の商品名ファイヤーガード8500等がある。末端に
フェノール性水酸基が多く存在するものを使用する時は
別途重合開始剤の増量、硬化時間の延長、硬化温度を2
50℃から270℃に上げること等の手段を採用する必
要がある。
【0017】本発明にとり好ましい臭素含有ポリカーボ
ネートは、その平均分子量が1000〜20000の範
囲のものである。平均分子量が1000より小さいと硬
化物の耐熱性が不十分となることがあり、20000よ
り大きいと他の成分への溶解性が低下して組成物の均一
性が悪くなったり、組成物の粘度が高くなりすぎて作業
性が悪くなったりすることがあるためいずれも好ましく
ない。
【0018】本発明において沸点が300℃以上のリン
化合物とは、リン原子を有する沸点300℃以上の化合
物及び単体を意味し、沸点300℃以上のリン酸エステ
ル、亜リン酸エステル、ポリリン酸等のリン原子含有化
合物及び赤リン等のリン単体を含む。これらの化合物は
所望により2種以上が併用されてもよい。難燃剤として
沸点300℃以上のリン化合物を使用した組成物は、硬
化物を燃焼させるときに刺激性のガスの発生がないため
に好ましいものである。
【0019】上記のリン化合物の中ではリン酸エステル
がマレイミド化合物及び(メタ)アリルイソシアヌレー
ト化合物との相溶性がよく、硬化物の強度、電気的特性
を良好なものにするため好ましい。以下、沸点300℃
以上のリン化合物及び沸点300℃以上のリン酸エステ
ルのことをそれぞれ高沸点リン化合物及び高沸点リン酸
エステルという。
【0020】高沸点リン酸エステルとしては、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジル(ジフェニル)ホスフェート、キシレニル(ジフェ
ニル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ
ス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピ
ルフェノール残基及びフェノール残基を有するトリアリ
ールホスフェート(味の素株式会社製、商品名レオフォ
ス)、1分子内に2個のリン酸エステル残基を有する縮
合型リン酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名
CR733S、CR735、PX200)、ジフェニル
−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート(大八
化学工業株式会社製、商品名MR260)、ジフェニル
−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート(大八化
学工業株式会社製、商品名AR260)等が挙げられ
る。
【0021】沸点が300℃未満のリン化合物は、硬化
物の難燃性が不十分となったり、硬化物の使用中に難燃
性が低下したり、またプリント配線板用に使用する場合
にはんだ付け工程で回路銅箔のふくれや基板の層間剥離
が発生したりするため、本発明の組成物の難燃剤として
好ましくない。
【0022】本発明の組成物において、難燃剤の好まし
い使用量は以下のとおりである。難燃剤が臭素含有ポリ
カーボネートである場合、マレイミド化合物、(メタ)
アリルイソシアヌレート化合物及び難燃剤の合計重量に
対して臭素含有率が0.5〜10重量%の範囲になるよ
うな量であることが好ましい。その量が0.5重量%未
満の組成物は、硬化物の難燃性が不十分となる場合があ
り、また10重量%より多い組成物は硬化物の強度が不
足したり、積層板等に用いると層間剥離を起こしたりす
る場合がある。
【0023】難燃剤が高沸点リン化合物である場合、合
計重量に対してリン含有率が0.2〜3重量%の範囲に
なるような量であることが好ましい。0.2重量%未満
の組成物は、硬化物の難燃性が不十分となる場合があ
り、また3重量%より多い組成物は銅張積層板等に用い
ると層間剥離を起こしたり、はんだ付け工程において銅
箔のふくれを起こしたりする場合がある。
【0024】難燃剤として臭素含有ポリカーボネートと
高沸点リン化合物を併用する場合、それぞれの使用量は
単独で使用する場合よりも少なくできる。本発明の組成
物には、上記難燃剤の難燃化の効果を更に高める目的
で、必要に応じて三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、ホウ酸亜鉛等の難燃助剤が添加併用される。
【0025】本発明の組成物には、硬化温度を下げるこ
とを目的として、必要に応じてラジカル重合開始剤が添
加併用される。積層成形用組成物に添加併用される好ま
しい開始剤はジアルキルパーオキサイドに属する過酸化
物で、具体例はジクミルパーオキサイド(日本油脂株式
会社製、商品名パークミルD)、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド(日本油脂株式会社製、商品名パーブチル
D)、t−ブチルクミルパーオキサイド(日本油脂株式
会社製、商品名パーブチルC)、ビス(t−ブチルパー
オキシ)ジイソプロピルベンゼン(日本油脂株式会社
製、商品名パ−ブチルP)、2,5−ジメチル−2,5
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂株
式会社製、商品名パーヘキサ25B)、2,5−ジメチ
ル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3(日本油脂株式会社製、商品名パーヘキシン25
B)、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン
(化薬アクゾ株式会社製、商品名カヤジン)等である。
【0026】本発明の組成物には、銅箔等の金属への接
着力の向上を目的として、必要に応じてシランカップリ
ング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤が添
加併用される。これらのカップリング剤の中では、エポ
キシ基又はラジカル重合性基を有するシランカップリン
グ剤が、組成物の安定性と接着力向上効果のバランスが
良好なため好ましい。カップリング剤の配合後直ちに組
成物を硬化させる場合は、アミノ基、メルカプト基を有
するカップリング剤も良好に使用できる。
【0027】本発明の組成物には、配合時の粘度低下等
を目的として、必要に応じてアリルフェノール又はオイ
ゲノール等の反応性希釈剤が添加併用される。
【0028】本発明の組成物の調製法としては種々の方
法が挙げられる。例えば上記3化合物をそのまま有機溶
剤に溶解させる方法、マレイミド化合物と(メタ)アリ
ルイソシアヌレート化合物を100ないし200℃で加
熱溶融して得たプレポリマーと難燃剤を共に有機溶剤に
溶解させる方法、マレイミド化合物と(メタ)アリルイ
ソシアヌレート化合物を有機溶剤中で加熱して得たプレ
ポリマー溶液に難燃剤を混合させる方法等である。マレ
イミド化合物として4,4’−ビスマレイミドジフェニ
ルメタンのように結晶が析出しやすいものを使用する場
合は、溶液状の組成物(以下ワニスという)の保存に際
しては結晶化を防止するためにマレイミド化合物と(メ
タ)アリルイソシアヌレート化合物をプレポリマー化す
る方法が好ましい。
【0029】ワニスにするための溶剤は特に限定されな
いが、マレイミド化合物と(メタ)アリルイソシアヌレ
ート化合物からなるプレポリマーが難溶性の化合物なの
で、高固形分のワニスを得るためにはプレポリマーを溶
解しやすい非プロトン性溶剤又はジグライム、トリグラ
イム等のグライム類等が好適である。非プロトン性溶剤
の具体例はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド等である。
【0030】低沸点溶剤はプリプレグ製造の際、生産速
度を上げ、プリプレグ表面で硬化性成分がたれて筋状の
痕跡や含浸量のむらが発生することを低減する目的で併
用される。低沸点溶剤は、プレポリマー化の温度が10
0〜200℃と高温なので、高沸点溶剤を用いて製造さ
れたプレポリマーを室温付近に冷却してから添加併用す
ることが好ましい。併用に適する低沸点溶剤は、上述の
非プロトン性溶剤等の良溶媒に相溶するものである。
【0031】このようにして得られた組成物は、積層板
用のワニスとして好適に用いられるものであり、その際
用途に応じてシリカ、セラミックス粉末、炭素繊維、ガ
ラス繊維等の無機フィラー、ブタジエンゴム、NBR等
の有機添加剤が添加併用される。
【0032】上述の方法によって得られたワニス又は溶
融混合物は、ガラス繊維布、アラミド繊維布、ポリエス
テル繊維布、セルロース紙等の基材に含浸させて、10
0℃乃至200℃の温度で加熱してBステージ状態のプ
リプレグとし、これを銅箔と共に加熱加圧して銅張積層
板とすることができる。
【0033】
【作用】本発明の組成物から得られる硬化物は、難燃
性、耐熱性、耐水性、機械的強度等に優れ、かつ低い誘
電率等の優れた電気特性を合わせ持っている。この理由
は定かではないが、難燃剤が臭素含有ポリカーボネート
である場合は臭素が硬化物の燃焼に対して負触媒であ
り、難燃剤が高沸点リン化合物である場合はリンが硬化
物の燃焼時に硬化物の表面と酸素の接触を遮断して燃焼
を抑制する効果があり、かついづれの場合も積層成形時
の温度、及びはんだ付け時の温度においても劣化するこ
とがないためであると推察される。またこれらの難燃剤
は沸点がないか極めて高いので使用中に飛散して物性を
低下させることも無い。
【0034】
【実施例】(実施例1)トリメタリルイソシアヌレート
136部(重量部。以下同じ)、4,4’−ビスマレイ
ミドジフェニルメタン(三井化学株式会社製、商品名ビ
スマレイミド)200部及び溶剤としてジメチルアセト
アミド168部を、140℃で10時間撹拌して得た混
合物に、メチルエチルケトン65部、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3
(日本油脂株式会社製、商品名パーヘキシン25B)
7.2部、及び臭素化ポリカーボネート(帝人化成株式
会社製、商品名ファイヤガード8500)6.0部を加
えて撹拌し、固形分60%の含浸用のワニスを調製し
た。得られた組成物のマレイミド基とメタリル基の当量
比は1/1.25、固形分あたりの臭素含有率は1%で
ある。
【0035】(実施例2、3、4、5及び比較例1)表
1に示される組成で実施例1と同様の方法で含浸用のワ
ニスを調製した。実施例4ではマレイミド化合物として
N,N’−(2,2−ビス−(4−フェノキシフェニ
ル)プロパン)ジマレイミド(ケイ・アイ化成株式会社
製、商品名BMI−80)を使用した。
【0036】(比較例2)トリメタリルイソシアヌレー
ト108部、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタ
ン(三井化学株式会社製、商品名ビスマレイミド)20
0部及び溶剤としてジメチルアセトアミド154部を、
140℃で10時間撹拌して得た混合物に、メチルエチ
ルケトン56部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3(日本油脂株式会社
製、商品名パーヘキシン25B)6.5部、臭素化エポ
キシ樹脂のメチルエチルケトンワニス(大日本インキ化
学工業株式会社製、商品名エピクロン153−60M、
固形分60%)47.7部、及びエポキシ樹脂硬化剤と
してトリフェニルホスフィン0.2部を加えて撹拌し、
固形分60%の含浸用のワニスを調製した。この組成物
のマレイミド基とメタリル基の当量比は1/1、固形分
あたりの臭素含有率は4%である。
【0037】(比較例3)3,3’−ジメタリル−ビス
フェノールA75部、4,4’−ビスマレイミドジフェ
ニルメタン(三井化学株式会社製、商品名ビスマレイミ
ド)100部及び溶剤としてジメチルアセトアミド75
部を、150℃で1.5時間撹拌して得た混合物に、メ
チルエチルケトン133部、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3(日本油
脂株式会社製、商品名パーヘキシン25B)4.5部、
及び臭素化ポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商
品名ファイヤガード8500)28.4部を加えて撹拌
し、固形分50%の含浸用のワニスを調製した。この組
成物のマレイミド基とメタリル基の当量比は1/1、樹
脂固形分あたりの臭素含有率は8%である。
【0038】(実施例6)トリメタリルイソシアヌレー
ト136部、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタ
ン(三井化学株式会社製、商品名ビスマレイミド)20
0部及び溶剤としてジメチルアセトアミド154部を、
140℃で10時間撹拌して得た混合物に、メチルエチ
ルケトン21部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3(日本油脂株式会社
製、商品名パーヘキシン25B)9.5部、難燃剤とし
てトリアリールホスフェート(味の素株式会社製、商品
名レオフォス65)6.0部を加えて撹拌し、固形分6
5%の含浸用のワニスを調製した。この組成物のマレイ
ミド基とメタリル基の当量比は1/1.25、固形分あ
たりのリン含有率は0.2%である。
【0039】(実施例7〜10)表2に示される組成で
実施例6と同様の方法で含浸用のワニスを調製した。実
施例7ではマレイミド化合物としてN,N’−(2,2
−ビス−(4−フェノキシフェニル)プロパン)ジマレ
イミド(ケイ・アイ化成株式会社製、商品名BMI−8
0)を使用し、実施例10では難燃剤として縮合型リン
酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名CR73
3S)を使用した。
【0040】(実施例1〜5、比較例1及び実施例6〜
10の組成物の評価)実施例1〜5、比較例1及び実施
例6〜10で得たワニスをガラスクロス(旭シュエーベ
ル株式会社製、7628)に含浸させ、160℃で15
分乾燥させて樹脂含量45%の積層用プリプレグとし
た。次にこのプリプレグ5枚を厚さ18μmの銅箔2枚
ではさみ、プレス圧30kg/cm2において130
℃、1時間加圧加熱後、加圧したまま200℃に昇温
し、2時間保持して、厚さ1mmの銅張積層板を得た。
この積層板について以下の試験により評価を行った。表
3及び表4にその結果を示す。
【0041】(燃焼試験)米国UL規格94に規定され
る方法に準じて行い、試験片5本について2回ずつ着火
し、それぞれの燃焼時間を測定し、1回目、2回目各5
本の平均値を求めた。 (はんだ耐熱試験)260℃のはんだ浴に3分間浸漬
し、外観を観察した。260℃3分間で異常がなかった
もののうち、実施例1〜実施例5及び比較例1について
は300℃5分間の浸漬試験を行なった。 (吸水率)121℃,相対湿度98%のプレッシャーク
ッカー試験器に24時間放置後取り出し、重量増加分か
ら吸水率を算出した。 (比誘電率)Qメーター法により求めた。 (誘電正接)Qメーター法により求めた。 (絶縁抵抗)IPC規格に規定される方法に準じて行っ
た。上記のように製造した銅張積層板をエッチング処理
し、IPC B−25テストパターンの表面絶縁抵抗測
定用Aパターンを形成して電極間の抵抗値を測定した。
【0042】(比較例2の組成物の評価)比較例2で得
たワニスをガラスクロス(旭シュエーベル株式会社製、
7628)に含浸させ、160℃で15分乾燥させて樹
脂含量45%の積層用プリプレグとした。次にこのプリ
プレグ5枚を厚さ18μmの銅箔2枚ではさみ、プレス
圧30kg/cm2において120℃、1時間加圧加熱
した後、加圧したまま200℃に昇温して2時間保持
し、厚さ1mmの銅張積層板を得た。この積層板につき
実施例1と同様の評価を行った。表3にその結果を示
す。
【0043】(比較例3の組成物の評価)比較例3で得
たワニスをガラスクロス(旭シュエーベル株式会社製、
7628)に含浸させ、160℃で20分乾燥させて樹
脂含量45%の積層用プリプレグとした。次にこのプリ
プレグ5枚を厚さ18μmの銅箔2枚ではさみ、プレス
圧30kg/cm2において120℃、1時間加圧加熱
した後、加圧したまま220℃に昇温して2時間保持
し、厚さ1mmの銅張積層板を得た。この積層板につき
実施例1と同様の評価を行った。表3にその結果を示
す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】従来使用されている難燃剤である臭素化
エポキシ樹脂を含有する組成物は、臭素化エポキシ樹脂
の分解温度が低いために硬化物の耐熱性が悪い。また、
別の難燃剤であるデカブロモジフェニルエーテルを含有
する組成物は、硬化物の使用中に難燃剤が硬化物外へ飛
散し、硬化物の劣化をもたらす等の欠点がある。また硬
化物外へ飛散することで環境にも悪影響をもたらす危険
性もある。それらに対して本発明の組成物は、優れた難
燃性を有し、かつ耐熱性、低い誘電率、低い吸水率等の
優れた物性を有する硬化物を与えるため、銅張積層板用
をはじめとする硬化性組成物として極めて有用なもので
ある。また本発明の組成物の成分である難燃剤が使用中
に飛散して物性を低下させることも無い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 69/00 C08L 69/00 Fターム(参考) 4J002 CG031 EU026 EU197 EW048 FD010 FD130 FD131 FD138 FD147 FD150 FD206 GF00 GH00 GQ00 HA05 4J026 AB17 AC25 AC33 BA38 BA40 BB03 BB04 DB09 DB15 DB29 DB30 GA07 GA09 4J100 AK51P AL65P AL67P BA42P CA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド基を有する化合物、アリル基
    又はメタリル基を分子内に3個含有するイソシアヌレー
    ト及び臭素含有ポリカーボネート又は沸点が300℃以
    上のリン化合物を含有することを特徴とする硬化性組成
    物。
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