JP2000026354A - エチレンおよび酸素からアセトアルデヒドを製造する改善された方法 - Google Patents

エチレンおよび酸素からアセトアルデヒドを製造する改善された方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】a)反応ガスを反応器中で触媒溶液の存在下に
酸化し、その際に触媒溶液の液滴を含有する反応混合物
が生じ、そしてこれを b)第一の分離器に導きそしてそこにおいて触媒溶液の
液滴を反応混合物から除きそして c)残留する反応混合物を第一分離器からスクラバーに
導きそしてそこにおいて酸化生成物を反応混合物から除
く各段階を含む、触媒溶液の存在下に反応ガスを酸化す
る方法の改善。 【解決手段】 第一分離器からの反応混合物を第一分離
器の下流にありそしてスクラバーの上流にある第二分離
器に導き、そして第二分離器において残留触媒溶液を反
応混合物から除くことによって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒溶液の存在下に反
応ガスを酸化する方法において、 a)反応ガスを反応器中で触媒溶液の存在下に酸化し、
その際に触媒溶液の液滴を含む反応混合物が生じ、そし
てこれを b)第一分離器に導きそしてそこにおいて触媒溶液の液
滴を反応混合物から除きそして c)残留する反応混合物を第一分離器からスクラバーに
導きそしてそこにおいて酸化生成物を反応混合物から除
くことを特徴とする、上記方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記の方法は従来技術(ドイツ特許第
1,190,451号明細書)から公知であり、オレフ
ィンの酸化によってアルデヒド、ケトンまたは該アルデ
ヒドに対応する酸を工業的規模で製造するのに使用され
る。特に、この方法によってエチレンと酸素とからアル
デヒドが製造される。酸化剤としての酸素との強い発熱
反応を触媒するために、一般に塩化銅と塩化パラジウム
との水溶液が使用される。
【0003】この酸化反応は反応器中において触媒水溶
液の沸点で生じる。反応熱は主として触媒溶液から水お
よびアセトアルデヒドとを蒸発させることによって除く
(蒸発冷却)。実質的に液状触媒、水蒸気、ガス状アセ
トアルデヒドおよび触媒溶液の霧状物を含む生じる反応
混合物を第一分離器、いわゆるミストエリミネータ(mis
t eliminator) に導き、そこにおいて蒸気/ガス霧状物
の大部分が反応混合物から、例えばミストエリミネータ
中に向流状態で噴入される洗浄水によって除かれる。残
りの反応混合物は次いで熱交換器で冷却され、その際
に、一部のものは既にかなりのアセトアルデヒド含有量
を有している触媒含有凝縮液流が生じ、そしてスクラバ
ー、一般にスクラバー塔では水で洗去され、その際に気
相に未だ存在するアセトアルデヒドの主要量が水に溶解
する。高いアセトアルデヒド濃度に特徴のある凝縮液流
と一緒にされた洗浄相を後処理のために引き出す。次い
で、未だ僅かな量のアセトアルデヒドを含有する残留反
応混合物を循環ガスとして反応器中に戻す。僅かの量し
かアセトアルデヒドを含有していない触媒含有凝縮液は
ミストエリミネータのための洗浄水として使用する。
【0004】公知のこの方法の欠点は、触媒の分離が不
完全であることにある。この欠点は先ず第一に価値ある
貴金属触媒および銅の損失をもたらし、このことは酸化
反応に不利な影響を及ぼし得るし、第二に、触媒および
銅が後処理装置の廃水中に入り込み、これららによって
環境を汚染することなく廃棄しなければならないので、
廃棄物処理に多大な費用を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】それ故に本発明の課題
は触媒の分離を改善することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明に従っ
て、第一分離器からの反応混合物を第一分離器の下流に
ありそしてスクラバーの上流にある第二分離器に導き、
そしてこの第二分離器において残留触媒溶液を反応混合
物から除くことによって解決される。
【0007】従って本発明は、 a)反応ガスを反応器中で触媒溶液の存在下に酸化し、
その際に触媒溶液の液滴を含有する反応混合物が生じ、
そしてこれを b)第一の分離器に導きそしてそこにおいて触媒溶液の
液滴を反応混合物から除きそして c)残留する反応混合物を第一分離器からスクラバーに
導きそしてそこにおいて酸化生成物を反応混合物から除
く各段階を含む、触媒溶液の存在下に反応ガスを酸化す
る方法において、 d)第一分離器からの反応混合物を、第一分離器の下流
に連結されそしてスクラバーの上流にある第二分離器に
通し、そして第二分離器において残留触媒溶液を反応混
合物から除くことを特徴とする、上記方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の対象は、エチレンおよび
酸素からアセトアルデヒドを製造する相応する方法にあ
る。特に有利な実施態様は従属項から明らかである。従
属項に開示した実施態様の一つまたは複数はそのままま
たは組合せで本発明の課題の解決手段であり、個々の構
成要件を請求項の各カテゴリーの範囲内で任意に組合せ
ることも可能である。
【0009】第二の分離器としてはいわゆる遠心分離器
または遠心ミスト捕集器(centrifugal mist collecto
r) を有利に使用することができる。これらの中で反応
混合物の流れをそらせ板(deflection blade) の様な適
当な内部手段によって強制的に螺旋状に流して、回転流
を生じさせ、それによって生じる遠心力のためにガス流
中に含まれる液滴を分離器の外方向の内壁に付着させ
る。付着した液滴は例えば周回する溝に集められ、引き
出されそして第一スクラバーに洗浄水として戻すことが
できる。
【0010】本発明の課題の解決法は、第一スクラバー
からのガス流を連続的に発生させることを当業者が考え
付くことができなかったので驚くべきことである。何故
ならば、沸騰条件(蒸発冷却)のもとで実施される発熱
反応の場合にはガス流が著しく変動することが予想さ
れ、このことは、特に分離器での実際の圧力損失がこの
様に著しく変動し得るガス流であるために判らず、かつ
測定できない場合に、遠心分離器を使用することが否定
されれしまうので、従って飽和蒸気雰囲気で即ちガスお
よび水が平衡状態で存在する条件のもとでガス流のため
にかゝる分離器を、使用することも知られていなかっ
た。更にこの条件のもとでは、液滴の大きさの分布が知
られておらず、かつ測定もできない。それ故に液滴は旨
く分離するのには小さ過ぎてもいたのである。
【0011】更に分離器の配置は当業者に熟知された慣
用の条件と反対に選択される。即ち、垂直に配置された
分離器を通る流れは頂部から低部に貫流し、それ故にこ
の流れの主要成分は重力の方向に流れる。更にそらせ板
が触媒付着物で覆われてしまい、これがガス流を周囲方
向に向ける(スピン発生)のを妨害するという危険もあ
った。また、分離される液体を集めるためのスパイラル
(spiral)もフラッシュ接続(flushing connection) も必
要とされないことは驚くべきことである。
【0012】それ故に本発明の対象は飽和蒸気雰囲気に
おいてガス流から液滴を分離するために遠心分離機を使
用することにも関する。
【0013】本発明の方法の長所は中でも、価値ある貴
金属触媒の損失およびこれに関連しての重金属での装置
廃水の汚染が回避されることにある。更に遠心分離器の
下流にある装置およびプラント要素について点食および
/または応力亀裂腐蝕による損傷が軽減あるいは回避さ
れることが分かった。何故ならば点食および/または応
力亀裂腐蝕を著しく促進する触媒溶液がこれらのプラン
ト要素を僅かしか通らないからである。それ故に今や、
従来よりも価値的に有利な材料をこれらの装置のために
使用することができる。更に付着現象(デポジット)が
スクラバーにおいて減少する。他の有益な効果は、他の
同じ条件のもとでアセトアルデヒドの生産量を下記の特
別な理由で向上させることができる。即ち、生産性を高
める意味で有利である循環ガス流の増加を行なった場合
には、それが触媒溶液の泡立ちを著しくさせそして反応
器から下流の装置に触媒溶液を搬出するのを著しく増加
させ、欠点を伴う。本発明の分離器を使用するとこの挙
動はもはや欠点ではない。何故ならば分離が十分である
ために激しく、搬出される触媒溶液を再循環できるから
である。
【0014】以下に本発明の実施態様を図面に示したフ
ローシートによっておよび運転実験によって詳細に説明
する。本発明はこれらに制限されない。
【0015】方法の公知の部分は既に上で説明した。そ
れ故にここでは引用符号だけを説明する。1:反応器、
2:エチレン、3:酸素、4:反応混合物、5:第一分
離器(ミストエリミネータ)、6:洗浄水、7:第一冷
却器、8:第二冷却器、9:触媒含有凝縮液、10:ス
クラバー(スクラバー塔)、11:水および12:アセ
トアルデヒド含有水。
【0016】本発明に従って、第一スクラバー(5)の
下流でそしてスクラバー塔(10)の上流、特に第一冷
却器(7)の上流に遠心分離器(13)が第二分離器と
して垂直に配置されている。この遠心分離器中で反応混
合物(4)はそらせ板(図示してない)によって回転流
状態(矢印)で下方に導かれる。遠心分離器(13)は
周回する溝(14)の内部に有している。分離される触
媒溶液はこの溝(14)から取り出され、これを第一冷
却器(7)から得られる触媒含有凝縮液(9)と混合し
そして洗浄水(6)として第一スクラバー(5)に噴入
される。
【0017】運転実験:エチレンおよび酸素からアセト
アルデヒドを製造する市販の工業用装置中に図面の通り
に本発明に従って遠心ミスト捕集器を取り付ける。結
果:装置性能は120000t/年(アセトアルデヒ
ド)から135000t/年に増加され、銅およびパラ
ジウムでの装置廃水の汚染は1/50に減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法の1実施態様を示すフロー
シートである。
【符号の説明】
1・・・・反応器 4・・・・反応混合物 5・・・・第一スクラバー 6・・・・洗浄水 7・・・・第一冷却器 8・・・・第二冷却器 9・・・・触媒我含有凝縮液 10・・・洗浄塔 13・・・遠心分離器 14・・・周回する溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)反応ガスを反応器中で触媒溶液の存在
    下に酸化し、その際に触媒溶液の液滴を含有する反応混
    合物が生じ、そしてこれを b)第一の分離器に導きそしてそこにおいて触媒溶液の
    液滴を反応混合物から除きそして c)残留する反応混合物を第一分離器からスクラバーに
    導きそしてそこにおいて酸化生成物を反応混合物から除
    く各段階を含む、触媒溶液の存在下に反応ガスを酸化す
    る方法において、 d)第一分離器からの反応混合物を、第一分離器の下流
    に連結されそしてスクラバーの上流にある第二分離器に
    通し、そして第二分離器において残留触媒溶液を反応混
    合物から除くことを特徴とする、上記方法。
  2. 【請求項2】 第二分離器中の反応混合物を回転流の状
    態で導くことによって残留触媒溶液を分離し、その結果
    触媒溶液の液滴が第二分離器の内壁の所で分離される、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 回転流を発生させるためにそらせ板を使
    用する請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応ガスがオレフィン、特にエチレンで
    ある請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の方
    法を実施する分離器において、該分離器が遠心分離器で
    ありそして回転流を発生させるための手段を有してい
    る、上記分離器。
  6. 【請求項6】 上記手段がそらせ板である請求項5に記
    載の分離器。
  7. 【請求項7】 分離器がチタンで構成されている請求項
    5または6に記載の分離器。
  8. 【請求項8】 飽和蒸気雰囲気においてガス流から液滴
    を分離するための遠心分離器。
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