JP2000025476A - 4輪駆動車のトルク配分装置 - Google Patents

4輪駆動車のトルク配分装置

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JP2000025476A
JP2000025476A JP10270620A JP27062098A JP2000025476A JP 2000025476 A JP2000025476 A JP 2000025476A JP 10270620 A JP10270620 A JP 10270620A JP 27062098 A JP27062098 A JP 27062098A JP 2000025476 A JP2000025476 A JP 2000025476A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイトコーナブレーキング現象の発生を確実
に検出できる4輪駆動車のトルク配分装置を提供する。 【解決手段】 後輪の内外輪の車輪速度から旋回半径を
求め(S14)、求めた旋回半径が、タイトコーナブレ
ーキング現象の発生し得る旋回半径以下かを判断する
(S16)。ここで、該半径以下の際は(S16がYe
s)、前後輪の車輪速度から旋回半径を求め(S1
8)、上記後輪の内外輪から求めた旋回半径と、前後輪
より得られた旋回半径との差が大きいかを判断し(S2
0)、この差が小さいと判断された際に(S20がYe
s)、タイトコーナブレーキング現象が発生していると
して油圧クラッチの伝達トルクを制御する(S24)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、4輪駆動車にお
いて、旋回時に発生するタイトコーナブレーキング現象
を回避する4輪駆動車のトルク配分装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車においては、前後輪の差動を
制限して半径の小さなコーナを走行すると、前後輪の走
行距離の差から、前輪側にブレーキが掛かったのと同様
なタイトコーナブレーキング現象が発生し、操縦性に大
きな影響を与えることが知られている。
【0003】このタイトコーナブレーキング現象を回避
するため、例えば特開平8−2278が提案されてい
る。この技術では、前輪外側輪と後輪内側輪との速度差
を算出し、この速度差がタイトコーナブレーキング現象
の発生する旋回半径において生じる速度差よりも小さい
ときに、タイトコーナブレーキング現象が発生している
と判断し、差動制限クラッチの係合力を弱め、前後輪の
差動を許容していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術においては、左右輪のいずれか一方のみが低μ路
を走行しているとき、例えば、道路にできたトラック等
の轍の陥没に水が溜まっており、該轍に左右輪のいずれ
か一方のみが入った際にもタイトコーナブレーキング現
象を誤検出し、前後輪の差動を一瞬許容することがあっ
た。即ち、上記技術では、前輪外側輪と後輪内側輪との
速度差に基づき検出するため、タイトコーナブレーキン
グ現象を高精度で検出することができなかった。
【0005】更に、低μ路、例えば、深雪路、ダート路
等で発進しようとした際に、駆動輪側の一輪のみがスリ
ップすることが度々発生する。例えば、後輪側に大きな
駆動力を与える4輪駆動車においては、後輪側のいずれ
かの一輪のみがスリップし易く、反対に、前輪側に大き
な駆動力を与える場合には、前輪側の一輪のみがスリッ
プし易くなる。かかる場合にも、上記技術においては、
タイトコーナブレーキング現象を誤検出し、前後輪の差
動を一瞬許容することがあった。
【0006】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、タイト
コーナブレーキング現象の発生を確実に検出できる4輪
駆動車のトルク配分装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1は、上記目的を
達成するため、前後輪の一方に機関から伝達された出力
を、前後輪の他方へ伝達トルクの変更可能な差動制御装
置を介して伝達する4輪駆動車のトルク配分装置におい
て、各4輪の車輪速度をそれぞれ検出する速度検出手段
と、前記前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から
旋回半径を求める第1旋回半径取得手段と、前記第1又
は第2旋回半径取得手段のいずれか一方で求められた他
方の内外輪の車輪速度から、又は、前後輪の車輪速度か
ら旋回半径を求める第2旋回半径取得手段と、前記第1
旋回半径取得手段により求められた旋回半径が、タイト
コーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径以下かを
判断する第1判断手段と、前記第1旋回半径取得手段に
より得られた旋回半径と、前記第2旋回半径取得手段に
より得られた旋回半径との差が大きいかを判断する第2
判断手段と、前記第1判断手段により旋回半径以下と判
断され、且つ、前記第2判断手段により差が小さいと判
断された際に、タイトコーナブレーキング現象が発生し
ているとして前記差動制御装置の伝達トルクを制御する
制御手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0008】また、上記目的を達成するため、請求項2
の発明は、前後輪の一方に機関から伝達された出力を、
前後輪の他方へ伝達トルクの変更可能な差動制御装置を
介して伝達する4輪駆動車のトルク配分装置において、
各4輪の車輪速度をそれぞれ検出する速度検出手段と、
前記前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から旋回
半径を求める第1旋回半径取得手段と、前記前後輪の車
輪速度から旋回半径を求める第2旋回半径取得手段と、
前記第1又は第2旋回半径取得手段のいずれか一方によ
り求められた旋回半径が、タイトコーナブレーキング現
象の発生し得る旋回半径以下かを判断する第1判断手段
と、前記第1旋回半径取得手段により得られた旋回半径
と、前記第2旋回半径取得手段により得られた旋回半径
との差が大きいかを判断する第2判断手段と、前記第1
判断手段により旋回半径以下と判断され、且つ、前記第
2判断手段により差が小さいと判断された際に、タイト
コーナブレーキング現象が発生しているとして前記差動
制御装置の伝達トルクを制御する制御手段と、を備える
ことを技術的特徴とする。
【0009】また、上記目的を達成するため、請求項3
の発明は、前後輪の一方に機関から伝達された出力を、
前後輪の他方へ伝達トルクの変更可能な差動制御装置を
介して伝達する4輪駆動車のトルク配分装置において、
各4輪の車輪速度をそれぞれ検出する速度検出手段と、
前記前輪の内外輪の車輪速度から旋回半径を求める第1
旋回半径取得手段と、前記後輪の内外輪の車輪速度から
旋回半径を求める第2旋回半径取得手段と、前記第1旋
回半径取得手段と第2旋回半径取得手段との少なくとも
一方により求められた旋回半径が、タイトコーナブレー
キング現象の発生し得る旋回半径以下かを判断する第1
判断手段と、前記第1旋回半径取得手段により得られた
旋回半径と、前記第2旋回半径取得手段により得られた
旋回半径との差が大きいかを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段により旋回半径以下と判断され、且
つ、前記第2判断手段により差が小さいと判断された際
に、タイトコーナブレーキング現象が発生しているとし
て前記差動制御装置の伝達トルクを制御する制御手段
と、を備えることを技術的特徴とする。
【0010】請求項4は、請求項1〜3において、前記
制御手段は、前記タイトコーナブレーキング現象が発生
した際の前記差動制御装置による伝達トルクの制御量
を、前後輪の差動回転数、旋回半径、車速、加速操作量
の少なくともいずれか1つに応じて変化させることを技
術的特徴とする。
【0011】請求項5は、請求項1〜4において、前記
制御手段は、前記第1判断手段により旋回半径以下と判
断されず、又は、前記第2判断手段により差が小さいと
判断されない際に、タイトコーナブレーキング現象が発
生していないとして、前記差動制御装置の伝達トルクを
制御することを技術的特徴とする。
【0012】請求項6は、請求項5において、前記制御
手段は、タイトコーナブレーキング現象が発生していな
い際の前記差動制御装置による伝達トルクの制御量を、
前後輪の差動回転数、車速、加速操作量の少なくともい
ずれか1つに応じて変化させることを技術的特徴とす
る。
【0013】請求項1の構成では、第1旋回半径取得手
段が、前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から旋
回半径を求め、第1判断手段が、第1又は第2旋回半径
取得手段のいずれか一方により求められた旋回半径から
タイトコーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径以
下か、即ち、車両がタイトコーナブレーキング現象が発
生する程のコーナを走行しているかを判断する。そし
て、第2旋回半径取得手段が、第1旋回半径取得手段で
求められた他方の内外輪の車輪速度から、又は、前後輪
の車輪速度から旋回半径を求め、第2判断手段が、第1
旋回半径取得手段により得られた旋回半径と、第2旋回
半径取得手段により得られた旋回半径との差が小さい
か、即ち、前輪と後輪との間の滑りが小さいかを判断す
る。ここで、第1判断手段により旋回半径以下と判断さ
れ、且つ、第2判断手段により差が小さいと判断された
際、即ち、タイトコーナブレーキング現象が発生する程
のコーナを走行しており、前輪と後輪との滑りが小さい
とき、タイトコーナブレーキング現象が発生していると
して、制御手段が差動制御装置の伝達トルクを制御す
る。
【0014】ここで、上記第1判断手段にて、前後輪の
いずれか一方の内外輪の車輪速度から求めた旋回半径か
らタイトコーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径
以下かを判断する際には、車両の左右輪のいずれか一方
のみがスリップしている際にも、タイトコーナブレーキ
ング現象の発生するコーナを走行していると判断するこ
とがある。このため、更に、第2判断手段にて、上記前
後輪のいずれか一方の車輪速度から求めた旋回半径と、
他方の内外輪の車輪速度から求めた旋回半径との差が小
さいか、或いは、前後輪のいずれか一方の車輪速度から
求めた旋回半径と前後輪の車輪速度から求めた旋回半径
との差が小さいかを判断することで、上述した左右輪の
いずれか一方のみがスリップしている際を、タイトコー
ナブレーキング現象が発生していないとして除去する。
このため、タイトコーナブレーキング現象の発生を確実
に検出することができる。
【0015】請求項2の構成では、第1旋回半径取得手
段が、前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から旋
回半径を求め、第1判断手段が、第1又は第2旋回半径
取得手段のいずれか一方により求められた旋回半径から
タイトコーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径以
下か、即ち、車両がタイトコーナブレーキング現象が発
生する程のコーナを走行しているかを判断する。そし
て、第2旋回半径取得手段が、前後輪の車輪速度から旋
回半径を求め、第2判断手段が、第1旋回半径取得手段
により得られた旋回半径と、第2旋回半径取得手段によ
り得られた旋回半径との差が小さいか、即ち、前輪と後
輪との間の滑りが小さいかを判断する。ここで、第1判
断手段により旋回半径以下と判断され、且つ、第2判断
手段により差が小さいと判断された際、即ち、タイトコ
ーナブレーキング現象が発生する程のコーナを走行して
おり、前輪と後輪との滑りが小さいとき、タイトコーナ
ブレーキング現象が発生しているとして、制御手段が差
動制御装置の伝達トルクを制御する。
【0016】ここで、上記第1判断手段にて、前後輪の
いずれか一方の内外輪の車輪速度から求めた旋回半径か
らタイトコーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径
以下かを判断する際には、車両の左右輪のいずれか一方
のみがスリップしている際にも、タイトコーナブレーキ
ング現象の発生するコーナを走行していると判断するこ
とがある。このため、更に、第2判断手段にて、前後輪
の車輪速度から求めた旋回半径と上記前後輪のいずれか
一方の車輪速度から求めた旋回半径との差が小さいかを
判断することで、上述した左右輪のいずれか一方のみが
スリップしている際を、タイトコーナブレーキング現象
が発生していないとして除去する。このため、タイトコ
ーナブレーキング現象の発生を確実に検出することがで
きる。
【0017】請求項3の構成では、第1旋回半径取得手
段が、前輪の内外輪の車輪速度から旋回半径を求め、第
2旋回半径取得手段が、後輪の内外輪の車輪速度から旋
回半径を求め、第1判断手段が、第1旋回半径取得手段
又は第2旋回半径取得手段により求められた旋回半径か
らタイトコーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径
以下か、即ち、車両がタイトコーナブレーキング現象が
発生する程のコーナを走行しているかを判断する。そし
て、第2判断手段が、第1旋回半径取得手段により得ら
れた旋回半径と、第2旋回半径取得手段により得られた
旋回半径との差が小さいか、即ち、前輪と後輪との間の
滑りが小さいかを判断する。ここで、第1判断手段によ
り旋回半径以下と判断され、且つ、第2判断手段により
差が小さいと判断された際、即ち、タイトコーナブレー
キング現象が発生する程のコーナを走行しており、前輪
と後輪との滑りが小さいとき、タイトコーナブレーキン
グ現象が発生しているとして、制御手段が差動制御装置
の伝達トルクを制御する。
【0018】ここで、上記第1判断手段にて、前後輪の
いずれか一方の内外輪の車輪速度から求めた旋回半径か
らタイトコーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径
以下かを判断する際には、車両の一輪のみがスリップし
ている際にも、タイトコーナブレーキング現象の発生す
るコーナを走行していると判断することがある。このた
め、更に、第2判断手段にて、前輪の車輪速度から求め
た旋回半径と後輪の車輪速度から求めた旋回半径との差
が小さいかを判断することで、上述した一輪のみがスリ
ップしている際を、タイトコーナブレーキング現象が発
生していないとして除去する。このため、タイトコーナ
ブレーキング現象の発生を確実に検出することができ
る。
【0019】請求項4では、制御手段は、タイトコーナ
ブレーキング現象が発生した際の差動制御装置による伝
達トルクの制御量を、前後輪の差動回転数、旋回半径、
車速、加速操作量に応じて変化させるため、車両の走行
状況に合わせて伝達トルクを最適に制御できる。
【0020】請求項5では、第1判断手段により旋回半
径以下と判断されず、又は、第2判断手段により差が小
さいと判断されない際に、タイトコーナブレーキング現
象が発生していないとする。このため、タイトコーナブ
レーキング現象の非発生を確実に検出することができ
る。
【0021】請求項6では、制御手段が、タイトコーナ
ブレーキング現象が発生していない際の差動制御装置に
よる伝達トルクの制御量を、前後輪の差動回転数、車
速、加速操作量に応じて変化させるため、車両の走行状
況に合わせて伝達トルクを最適に制御できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る4
輪駆動車のトルク配分装置について図を参照して説明す
る。図1は本発明の第1実施形態に係るトルク配分装置
を搭載する4輪駆動車の概念構成図である。4輪駆動車
10は、前輪RT1、RT2にエンジン12からの駆動
トルクが与えられると共に、走行状況に応じて該駆動ト
ルクが調整されて後輪RT3、RT4に伝達される。エ
ンジン12の片側に組み付けられたトランスミッション
14には、フロントデフ15が組み込まれ、エンジン1
2からの動力をアクスルシャフト16に出力し、前輪R
T1、RT2を駆動させると共に、第1プロペラシャフ
ト18へ出力する。第1プロペラシャフト18は、カッ
プリング20を介して第2プロペラシャフト22に連結
している。カップリング20は、油圧クラッチ19を備
え、第1プロペラシャフト18から第2プロペラシャフ
ト22側へトルクの伝達を調整し得るように構成されて
いる。該油圧クラッチ19は、電子制御回路50からの
信号により油圧が制御され、供給される油圧が高いとき
には、図示しない複数のクラッチ板が直結して、第1プ
ロペラシャフト18のトルクを第2プロペラシャフト2
2へ直接伝達し、供給される油圧が低いときには、該ク
ラッチ板が離れ第2プロペラシャフト22へはトルクを
伝達しないようになっている。また、供給される油圧の
高低に応じて、当該クラッチ板の摩擦係合力を変化さ
せ、第1プロペラシャフト18から第2プロペラシャフ
ト22へ供給される伝達トルクを調整できるように構成
されている。
【0023】該第2プロペラシャフト22からの駆動力
は、リヤデフ25及びアクスルシャフト26を介して後
輪RT3、RT4を駆動させる。前輪RT1、RT2及
び後輪RT3、RT4には、それぞれブレーキB1、B
2、B3、B4と、車輪速度を検出する車輪速センサS
1、S2、S3、S4とが配設されている。
【0024】電子制御回路50は、上述したようにカッ
プリング20を制御する。該電子制御回路50は、種々
の演算・制御を行うCPU52と、制御プログラムを保
持するROM54と、CPUの作業領域として用いられ
るRAM56と、入出力回路58とを備え、車輪速セン
サS1、S2、S3、S4からの出力に基づき、タイト
コーナブレーキング現象を検出して、カップリング20
の油圧クラッチ19への供給油圧を制御する。なお、車
輪速センサS1、S2、S3、S4は、各ブレーキB
1、B2、B3、B4を独立して制御するアンチロック
ブレーキシステム(ABS)用の車輪速センサを用いて
いる。
【0025】次に、該電子制御回路50によるタイトコ
ーナブレーキング現象の検出及びカップリング20の制
御動作について図2及び図3を参照して説明する。電子
制御回路50は、車輪速センサS1、S2、S3、S4
から、前輪RT1、RT2、及び後輪RT3、RT4の
回転速度ω1 、ω2 、ω3 、ω4 を入力する(S1
0)。次に、各車輪の回転速度ω1 〜ω4 が0ではない
か、即ち、車両は走行しているかを判断する(S1
2)。ここで、車両が走行していないときには(S12
がNo)、ステップ22へ移行し、車両が走行中は(S
12がYes)、後輪の内輪RT3及び外輪RT4の車
輪速度ω3 、ω4 から旋回半径R3 を求める(S1
4)。
【0026】この旋回半径R3 の算出について、図2を
参照して説明する。図中で各車輪(タイヤ)の半径を
r、各車輪RT1、RT2、RT3、RT4の旋回半径
をR1、R2 、R3 、R4 、車両10の旋回角速度を
ω、前輪の内輪RT1と外輪RT2との間のフロントト
レッドをLf 、後輪の内輪RT3と外輪RT4との間の
リヤトレッドをLr 、前輪の内輪RT1及び外輪RT2
と後輪の内輪RT3及び外輪RT4との間のホイルーベ
ースをLとする。ここで、車輪RT1、RT2、RT
3、RT4が滑らない場合には、回転速度は次の数1の
ように表せる。
【数1】 R1 ω=rω1 R2 ω=rω2 R3 ω=rω3 R4 ω=rω4
【0027】これにより、次の数2が成立する。
【数2】 R1 /ω1 =R2 /ω2 =R3 /ω3 =R4 /ω4 また、後輪の外輪RT4の旋回半径R4 は、内輪RT3
にリヤトレッドLr を加えた次の数3により表せる。
【数3】R4 =R3 +Lr
【0028】ここで、上記数2及び数3から後輪の内輪
RT3の旋回半径R3 を、次の数4により求めることが
できる。
【数4】R3 =Lr /{(ω4 /ω3 )−1}
【0029】図3を参照して電子制御回路50による制
御について説明を続ける。ここで、上述した数4により
後輪の内輪RT3及び外輪RT4の車輪速度ω3 、ω4
から旋回半径R3 を算出した後(S14)、次に、算出
した旋回半径R3 がタイトコーナブレーキング現象の発
生し得る旋回半径α(しきい値)以下かを判断する(S
16)。ここで、旋回半径R3 が旋回半径αを越える場
合、即ち、車両が直進中である場合及びタイトコーナブ
レーキング現象の発生し得ない程旋回半径の大きなカー
ブを旋回中の場合には(S16がNo)、ステップ22
へ移行して通常制御を行う。
【0030】一方、旋回半径R3 がタイトコーナブレー
キング現象の発生し得る旋回半径α以下の場合は(S1
6がYes)、実際に車両が当該旋回半径以下で旋回し
ている場合の他、内輪、外輪の一方のみが低μ路を走行
しているとき、例えば、道路にできたトラック等の轍の
陥没に水が溜まっており、直進中に該轍に外輪のみが入
った際にも、外輪がスリップするため旋回半径R3 がα
以下になる。このため、更に、タイトコーナブレーキン
グ現象が実際に発生しているかについての確認の判断を
行う。ここでは、上記ステップ14で後輪の内輪RT3
と外輪RT4との車輪速度から旋回半径R3 を求めたの
に対して、ステップ18で前輪RT1、RT2と後輪R
T3、RT4との車輪速度から旋回半径R3 ’を再び求
める。
【0031】この旋回半径R3 ’の算出について、再び
図2を参照して説明する。ここで、前輪の内輪RT1と
外輪RT2との間のフロントトレッドLf 、後輪の内輪
RT3と外輪RT4との間のリヤトレッドLr との差は
僅かであるため、次の数5が成立する。
【数5】(Lf −Lr )≫R3 また、Lf ≒Lr とすると、次の数6が成立する。
【数6】 R1 2 =R3 2 +L2 R2 2 =R4 2 +L2 上記数6を数2を用いてR3 でまとめると、数7が成立
する。
【数7】R3 ’2 ={1−(ω2 /ω1 )2 }L2
{(ω2 /ω1 )2 −(ω4 /ω3 )2
【0032】再び図3を参照して電子制御回路50の制
御動作について説明を続ける。上述したように前輪RT
1、RT2と後輪RT3、RT4の車輪速度から旋回半
径R3 ’をステップ18で求めた後、ステップ20にて
該旋回半径R3 ’と、上記ステップ14において後輪の
内輪RT3と外輪RT4の車輪速度から求めた旋回半径
R3 とを比較する。ここで、該旋回半径R3 を自乗した
値と、旋回半径R3 ’を自乗した値とは車輪の滑りのな
い限り等しいが、実際には、前後輪の駆動力の配分差か
ら差が生じる。このため、次の数8から、予め設定した
しきい値βと比較することで、当該差が大きいか否かを
判断する。
【数8】|R3 2 −R3 ’2 |≦β
【0033】ここで、上記差がβ以下である際には、ス
テップ16での判断が正しい、即ちタイトコーナブレー
キング現象が発生していると判断し(S20がYe
s)、ステップ24へ進みタイトコーナブレーキングを
回避するようにカップリング20の油圧クラッチ19の
制御を行う。他方、上記差がβを越える時には、上述し
たように内輪、外輪の一方のみが低μ路を走行している
とき、例えば、直進中に道路にできた轍に外輪のみが入
り、算出した旋回半径R3 はα以下になっているが、タ
イトコーナブレーキング現象は発生していないため(S
20がNo)、ステップ22へ移行して油圧クラッチ1
9の通常の制御を行う。
【0034】即ち、後輪の内外輪の車輪速度から求めた
旋回半径からタイトコーナブレーキング現象の発生し得
る旋回半径以下かを判断する際には、車両の内輪又は外
輪のみがスリップしている際にも、タイトコーナブレー
キング現象の発生する旋回半径で旋回していると判断す
ることがある。このため、更に、前後輪の車輪速度から
求めた旋回半径と上記後輪の車輪速度から求めた旋回半
径との差が小さいかを判断することで、上述した内輪又
は外輪のみがスリップしている際を、タイトコーナブレ
ーキング現象が発生していないとして除去する。このた
め、タイトコーナブレーキング現象の発生を確実に検出
することができる。
【0035】本実施形態では、近年多くの車両に予め備
えられたABS用の車輪速センサS1、S2、S3、S
4のみを用いることで、ステアリングホイルが大きく切
られているかを検出するための舵角センサを新たに備え
ることなく、タイトコーナブレーキング現象を確実に検
出することができる。
【0036】引き続き、図3に示すステップ22の通常
制御について、当該処理のサブルーチンを示す図5およ
び図6の実線に示すマップを参照して説明する。先ず、
図1に示す車輪速センサS1、S2、S3、S4からの
信号を入力し、前後輪の差動回転数を演算する(S4
5)。そして、差動回転数に応じて油圧クラッチ19の
係合力を図6の実線に示すマップから求める。ここで、
前後輪の差動回転数が大きい場合には、ぬかるみや雪道
等の低μ路であると判断し係合力を高めるように制御す
る。
【0037】次に、車速を図示しない車速センサから入
力する(S46)。そして、車速に応じて油圧クラッチ
19の係合力の補正係数を図示しないマップから求める
(S48)。ここで、車速が低い場合には、走行安定性
を高めるため係合力を高め、車速が高い時には操縦性を
高めるよう係合力を弱めるように補正係数を求める。
【0038】更に、スロットルバルブ開度を図示しない
スロットルバルブ開度センサから入力する(S50)。
そして、スロットルバルブ開度に応じて油圧クラッチ1
9の係合力の補正係数を図示しないマップから求める
(S52)。ここで、発進性、加速性を高めるため、ス
ロットルバルブ開度が大きくなる程、係合力を高めるよ
うに補正係数を求める。その後、ステップ48、52に
て求めた補正係数に基づき、油圧クラッチ19の係合力
を決定し、印加する油圧を制御する(S54)。なお、
上述した図6に示すマップおよび図示しないマップは、
ROM54に予め記憶されているものである。
【0039】引き続き、ステップ24のタイトコーナブ
レーキング回避制御について、当該処理のサブルーチン
を示す図4および図6の破線に示すマップを参照して説
明する。先ず、図1に示す車輪速センサS1、S2、S
3、S4からの信号を入力し、前後輪の差動回転数を演
算する(S30)。そして、差動回転数に応じて油圧ク
ラッチ19の係合力を図6の破線に示すマップから求め
る。ここで、前後輪の差動回転数が小さい場合には、タ
イトコーナブレーキング現象が強く発生するため係合力
を弱めるように制御する。
【0040】次に、上記ステップ14にて算出した旋回
半径R3 を入力する(S32)。そして、旋回半径に応
じて油圧クラッチ19の係合力の補正係数を図示しない
マップから求める(S34)。ここで、旋回半径が小さ
い場合には、タイトコーナブレーキング現象が強く発生
するため係合力を弱めるように補正係数を求める。次
に、車速を図示しない車速センサから入力する(S3
6)。そして、車速に応じて油圧クラッチ19の係合力
の補正係数を図示しないマップから求める(S38)。
ここで、車速が低い場合には、タイトコーナブレーキン
グ現象が強く発生するため係合力を弱めるように補正係
数を求める。
【0041】更に、スロットルバルブ開度を図示しない
スロットルバルブ開度センサから入力する(S40)。
そして、スロットルバルブ開度に応じて油圧クラッチ1
9の係合力の補正係数を図示しないマップから求める
(S42)。ここで、スロットルバルブ開度に対する係
合力が高い場合は、タイトコーナブレーキング現象が強
く発生するため、係合力を弱めるように補正係数を求め
る。その後、ステップ34、38、42にて求めた補正
係数に基づき、油圧クラッチ19の係合力を決定し、印
加する油圧を制御する(S44)。
【0042】ここでは、供給油圧を減少させることによ
り、油圧クラッチ19の係合力を弱め、前輪RT1、R
T2と後輪RT3、RT4の差動を許容することで、タ
イトコーナブレーキング現象の発生を未然に防ぐ。この
実施形態では、タイトコーナブレーキング現象が発生す
る際の油圧クラッチ19による伝達トルクの制御量を、
前後輪の差動回転数、旋回半径、車速、加速操作量(ス
ロットルバルブ開度)に応じて変化させるため、車両の
走行状況に合わせて伝達トルクを最適に制御できる。
【0043】本実施形態では、タイトコーナブレーキン
グ現象が発生していない際には、該油圧クラッチ19に
供給される油圧を高い値に維持することにより、油圧ク
ラッチ19の係合力を高め、前輪RT1、RT2と後輪
RT3、RT4の差動を制限することで、例えば、ぬか
るみ等で1輪だけが空転することを防ぐ。そして、後輪
の内外輪の車輪速度から求めた旋回半径からタイトコー
ナブレーキング現象の発生し得る旋回半径以下かを判断
し、更に、前後輪の車輪速度から求めた旋回半径と上記
後輪の車輪速度から求めた旋回半径との差が小さいかを
判断するため、タイトコーナブレーキング現象の非発生
を確実に検出することができる。
【0044】また、電子制御回路50が、タイトコーナ
ブレーキング現象が発生していない際の油圧クラッチ1
9による伝達トルクの制御量を、前後輪の差動回転数、
車速、加速操作量(スロットルバルブ開度)に応じて変
化させるため、車両の走行状況に合わせて伝達トルクを
最適に制御できる。
【0045】引き続き、本発明の第2実施形態に係る4
輪駆動車のトルク配分装置について説明する。この第2
実施形態の4輪駆動車のトルク配分装置を搭載する4輪
駆動車の構成は、図1を参照して上述した第1実施形態
と同様であるため、当該図1を参照すると共に、説明を
省略する。
【0046】上述した第1実施形態では、前後輪のいず
れか一方の内外輪の車輪速度から旋回半径を求め、該求
めた旋回半径からタイトコーナブレーキング現象の発生
し得る旋回半径以下かを判断し、更に、該旋回半径と前
後輪の車輪速度から求めた旋回半径とを差が大きいか否
かにより、タイトコーナブレーキング現象の判断が適切
か否かを確認した。これに対して、第2実施形態では、
前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から旋回半径
を求め、該求めた旋回半径からタイトコーナブレーキン
グ現象の発生し得る旋回半径以下かを判断し、更に、前
輪の車輪速度から求めた旋回半径と後輪の車輪速度から
求めた旋回半径とを差が大きいか否かにより、タイトコ
ーナブレーキング現象の判断が適切か否かを確認する。
この第2実施形態の制御内容について、図7〜図9を参
照して説明する。
【0047】図7は、前輪の旋回半径RF ’と後輪の旋
回半径RR ’とを算出方法を説明するための図である。
図2を参照して上述した第1実施形態では、前輪の内輪
側の車輪速をω1 、前輪の外輪側の車輪速をω2 、後輪
の内輪側の車輪速をω3 、後輪の外輪側の車輪速をω4
とした。このため、図2中に示すように左折の場合に
は、左側の前輪RT1の車輪速がω1 となるものの、図
示しない右折の場合には、右側の前輪RT2の車輪速が
車輪速ω1 となった。これに対して、図7中では、左前
車輪RT1の車輪速をωFL、右前車輪RT2の車輪速を
ωFR、左後車輪RT3の車輪速をωRL、右後車輪RT4
車輪速をωRRとして参照することで、車輪と車輪速とを
一義的に対応付けてある。また、図2を参照して上述し
た第1実施形態では、各車輪RT1、RT2、RT3、
RT4の旋回半径をそれぞれR1 、R2 、R3 、R4 と
して参照したが、この第2実施形態では、前輪側の旋回
半径をRF ’とし、後輪側の旋回半径をRR ’として参
照する。なお、左前輪RT1と右前輪RT2との間の物
理的フロントトレッドをLf 、左前輪RT1と右前輪R
T2との旋回時の等価的フロントトレッドをLf ’、左
後輪RT3と右後輪RT4との間のリヤトレッドをLr
とする。
【0048】前輪では、次式の関係が成立する
【数9】RF ’:ωFR=RF ’+Lf ’:ωFL 従って、前輪側の旋回半径RF ’は次式で表すことがで
きる。
【数10】RF ’/Lf ’=ωFR/(ωFL−ωFR)
【0049】一方、後輪では、次式の関係が成立する
【数11】RR ’:RR=RR ’+Lr :ωRL 従って、前輪側の旋回半径RF ’は次式で表すことがで
きる。
【数12】RR ’/Lr =ωRR/(ωRL−ωRR)
【0050】ここで、Lf ≒Lf ’≒Lr である。この
ため、前輪の旋回半径を前輪の等価トレッドで割った値
(RF ’/Lf ’:以下比較用前輪旋回半径RF と称す
る)は、上記数10にて表され、同様に、後輪の旋回半
径を後輪のトレッドで割った値(RR ’/Lr :以下比
較用後輪旋回半径RR と称する)は、上記数12にて表
される。
【0051】上述した第1実施形態では、後輪側の旋回
半径のみを求めるため、数4を参照して上述したように
リヤトレッドLr (固定数)を含む式から当該後輪側の
旋回半径を用いた。これに対して、第2実施形態では、
後輪のみならず、前輪の旋回半径をも求めるが、前輪の
旋回半径を直接求めると、等価的フロントトレッドLf
’を算出することが必要となる。ここで、第2実施形
態では、後輪の旋回半径と前輪の旋回半径との差が大き
いか否かを求めるのみで、正確な前輪の旋回半径を必要
とするものではない。このため、第2実施形態では、旋
回半径をトレッドで割った値(比較用前輪旋回半径RF
)を用いることで演算を容易ならしめている。
【0052】引き続き、第2実施形態の電子制御回路5
0によるタイトコーナブレーキング現象の検出動作につ
いて、図8及び図9を参照して説明する。電子制御回路
50は、車輪速センサS1、S2、S3、S4から、前
輪RT1、RT2、及び後輪RT3、RT4の回転速度
ωFL、ωFR、ωRL、ωRRを入力する(S110)。
【0053】次に、前輪側の旋回半径を求める。ここで
は先ず、左前輪RT1の車輪速ωFLが左前輪RT2の車
輪速ωLRよりも大きいか又は等しいか否かを判断する
(S112)。ここで、図7中に示すように右旋回中
(ωFL>ωLR)、或いは、直進中(ωFL=ωLR)の場合
には(S112がYes)、ステップ114にて、左前
輪RT1の車輪速ωFLと左前輪RT2の車輪速ωLRと等
しいかを判断する。ここで、直進中(ωFL=ωLR)の場
合には(S114がYes)、ωFL−ωLRの値として
“1”(最小値)を設定する(S116)。その後、右
折時の比較用前輪旋回半径RF をωFR/(ωFL−ωFR)
から求め(S118)、右旋回中を示す右旋回フラグを
オンする(S120)。
【0054】一方、上記ステップ112での左前輪RT
1の車輪速ωFLが左前輪RT2の車輪速ωLRよりも大き
いかの判断がNoの場合、即ち、車輪速ωFLが車輪速ω
LRよりも小さい際には(S112がNo)、左折と判断
し、ステップ122へ移行し、左折時の比較用前輪旋回
半径RF をωFL/(ωFR−ωFL)から求め、右旋回中を
示す右旋回フラグをオフする(S124)。
【0055】引き続き、後輪側の旋回半径を求める。こ
こでは先ず、左後輪RT3の車輪速ωRLが左後輪RT4
の車輪速ωRRよりも大きいか又は等しいか否かを判断す
る(S132)。ここで、図7中に示すように右旋回中
(ωRL>ωRR)、或いは、直進中(ωRL=ωRR)の場合
には(S132がYes)、ステップ134にて、車輪
速ωRLと車輪速ωRRとが等しいかを判断する。ここで、
直進中(ωRL=ωRR)の場合には(S134がYe
s)、ωRL−ωRRの値として“1”(最小値)を設定す
る(S136)。その後、右折時の比較用前輪旋回半径
RR をωRR/(ωRL−ωRR)から求める(S138)。
次に、右旋回中を示す右旋回フラグがオンか、即ち、上
述したステップ120にて左前輪RT1と右前輪RT2
との速度差により前輪が右折中と判断したのに加えて、
更に、左後輪RT3と右後輪RT4との速度差からも右
折中と推測し得るかを判断する(S146)。ここで、
右旋回中を示す右旋回フラグがオンの場合には(S14
6がYes)、図9に示すステップ150の判断を更に
行う。他方、右旋回中を示す右旋回フラグがオフの場合
(S146がNo)、即ち、右前輪RT2の車輪速が早
く上述したステップ112がNoと成った後、左後輪R
T3の車輪速が早く上述したステップ132の判断がY
esとなっている際には、少なくとも1輪がスリップし
ているため、図9に示すステップ164の通常制御へ直
ちに移行する。
【0056】一方、上記ステップ132での左後輪RT
3の車輪速ωRLが右後輪RT4の車輪速ωRRよりも大き
いかの判断がNoの場合、即ち、車輪速ωRLが車輪速ω
RRよりも小さい際には(S132がNo)、左折と判断
し、ステップ142へ移行し、左折時の比較用前輪旋回
半径RF をωRL/(ωRR−ωRL)から求める。その後、
右旋回中を示す右旋回フラグがオフか、即ち、上述した
ステップ112にて左前輪RT1と右前輪RT2との速
度差により前輪が左折中と判断したのに加えて、更に、
左後輪RT3と右後輪RT4との速度差からも左折中と
推測し得るかをを判断する(S144)。ここで、右旋
回中を示す右旋回フラグがオフの場合には(S144が
Yes)、図9に示すステップ150の判断を更に行
う。他方、右旋回中を示す右旋回フラグがオフしていな
い場合(S144がNo)、少なくとも1輪がスリップ
しているため、図9に示すステップ164の通常制御へ
直ちに移行する。
【0057】次に、各車輪の回転速度ωFL、ωFR、ωR
L、ωRRが0ではないか、即ち、車両は走行しているか
を判断する(図9に示すS150)。ここで、車両が走
行していないときには(S150がNo)、ステップ1
64へ移行し、車両が走行中は(S150がYes)、
ステップ152及びステップ154にて、旋回中で車輪
が滑っていないかを判断する。即ち、図7中に示すよう
に通常、車両の旋回中において後輪RT3,RT4は前
輪RT1、RT2よりも内側を通る。このため、先ず、
右前輪RT2の車輪速ωFRが右後輪RT4の車輪速ωRR
よりも大きいか(S152)、また、左前輪RT3の車
輪速ωFLが左後輪RT4の車輪速ωRLよりも大きいかに
より(S154)、前輪側の旋回半径が大きいかを判断
する。ここで、いずれかの車輪がスリップして、上記ス
テップ152またはステップ154の判断がNoとなっ
た際には、ステップ164の通常制御へ直ちに移行す
る。
【0058】一方、ωFRがωRRよりも大きく(S152
がYes)、且つ、ωFLがωRLよりも大きく(S154
がYes)、前輪側の旋回半径が大きいときには、ステ
ップ156にて、上述したステップ116又はステップ
122にて求めた比較用前輪旋回半径RF と、ステップ
138又はステップ142にて求めた比較用後輪旋回半
径RR との差が、所定値Kよりも小さいか判断する。こ
こで、両者の差が大きいときには(S156がNo)、
いずれかの車輪がスリップしているため、ステップ16
4の通常制御へ直ちに移行する。一方、両者の差が小さ
いときには、車輪はスリップしておらず、車輪速から求
めた旋回半径値が正しいと見なし得るためステップ15
8へ移行する。
【0059】ステップ158では、先ず、算出された比
較用前輪旋回半径RF (前輪の旋回半径を前輪の等価ト
レッドで割った値)がタイトコーナブレーキング現象が
発生し得る比較用旋回半径α(例えば、タイトコーナブ
レーキング現象が発生し得る旋回半径が15m であれ
ば、15m をフロントトレッドLf で割った値)未満か
を判断する。ここで、比較用前輪旋回半径RF がタイト
コーナブレーキング現象が発生し得る比較用旋回半径α
以上の時には(S158がYes)、ステップ164の
通常制御へ移行する。更に、ステップ160では、算出
された比較用後輪旋回半径RR (後輪の旋回半径を後輪
の等価トレッドで割った値)がタイトコーナブレーキン
グ現象が発生し得る比較用旋回半径α(例えば、タイト
コーナブレーキング現象が発生し得る旋回半径が15m
であれば、15m をリヤトレッドLr で割った値)未満
かを判断する。ここで、比較用後輪旋回半径RR がタイ
トコーナブレーキング現象が発生し得る比較用旋回半径
α以上の時には(S160がYes)、ステップ164
の通常制御へ移行する。そして、比較用前輪旋回半径R
F 及び比較用後輪旋回半径RR が共にタイトコーナブレ
ーキング現象が発生し得る比較用旋回半径α未満の時に
は(S158、S160がYes)、タイトコーナブレ
ーキング回避制御(S162)へ進む。このステップ1
62のタイトコーナブレーキング回避制御、及び、ステ
ップ164の通常制御は、図4及び図5を参照して上述
した第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0060】なお、この第2実施形態においては、ステ
ップ158にて、前輪旋回半径がタイトコーナブレーキ
ング現象が発生し得る比較用旋回半径α未満かを判断
し、更に、ステップ169にて後輪旋回半径がタイトコ
ーナブレーキング現象が発生し得る比較用旋回半径α未
満かを判断したが、この判断はいずれか一方のみでも良
い。
【0061】この第2実施形態では、算出した比較用前
輪旋回半径RF と比較用後輪旋回半径RR との差がK以
上のとき、例えば、直進中に道路にできた水たまりに左
前輪RT1のみが入りスリップし、算出した比較用前輪
旋回半径RF と比較用後輪旋回半径RR との差が大きく
なっているときには、タイトコーナブレーキング現象は
発生していないと判断し(S156がNo)、旋回半径
とは無関係にステップ164へ移行して油圧クラッチ1
9の通常の制御を行う。
【0062】即ち、前輪、又は、後輪の内外輪の車輪速
度から求めた旋回半径からタイトコーナブレーキング現
象の発生し得る旋回半径以下かを判断する際には、車両
の1輪のみがスリップしている際にも、タイトコーナブ
レーキング現象の発生する旋回半径で旋回していると判
断することがある。このため、更に、前輪旋回半径と後
輪旋回半径との差が小さいかを判断することで、上述し
た1輪のみがスリップしている際を、タイトコーナブレ
ーキング現象が発生していないとして除去する。このた
め、タイトコーナブレーキング現象の発生を確実に検出
することができる。
【0063】本実施形態では、近年多くの車両に予め備
えられたABS用の車輪速センサS1、S2、S3、S
4のみを用いることで、ステアリングホイルが大きく切
られているかを検出するための舵角センサを新たに備え
ることなく、タイトコーナブレーキング現象を確実に検
出することができる。
【0064】なお、上述した第1及び第2実施形態で
は、カップリング20の差動制御装置として油圧クラッ
チ19を用いる例を挙げたが、この代わりに、電磁クラ
ッチ等の種々の伝達トルクの変更可能な装置を使用でき
る。また、タイトコーナブレーキング回避制御及び通常
制御において、スロットルバルブ開度に代えて、アクセ
ル開度など他の加速操作量に応じて伝達トルクを制御す
ることも可能である。また、第1実施形態において、電
子制御回路50では、旋回半径を後輪の内外輪の回転速
度から求めたが、前輪の内外輪の回転速度から求めるこ
とも可能である。また、第1実施形態では、内外輪の車
輪速度から求めた旋回半径がタイトコーナブレーキング
が発生し得る旋回半径以下かを判断し、この判断が正し
いかを前後輪の車輪速度から求めた旋回半径を用いて判
断していたが、前後輪の車輪速度から求めた旋回半径が
タイトコーナブレーキングが発生し得る旋回半径以下か
を判断し、この判断が正しいかを内外輪の車輪速度から
求めた旋回半径を用いて判断するようにしてもよい。ま
た、第1実施形態では、タイトコーナブレーキング現象
が発生し得る旋回半径以下かを判断した後、車輪がスリ
ップしていないかを判断し、第2実施形態では、車輪が
スリップしていないかを判断した後、タイトコーナブレ
ーキング現象が発生し得る旋回半径以下かを判断してい
たが、これらの判断の順序は逆であってもよい。
【0065】
【発明の効果】以上のように、請求項1又は請求項2の
発明によれば、前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速
度から求めた旋回半径、あるいは前後輪の車輪速度から
求めた旋回半径からタイトコーナブレーキング現象の発
生し得る旋回半径以下かを判断し、更に、前後輪の車輪
速度から求めた旋回半径と上記前後輪のいずれか一方の
車輪速度から求めた旋回半径との差が小さいかを判断す
るため、タイトコーナブレーキング現象の発生を確実に
検出することができる。
【0066】また、請求項1又は請求項3の発明によれ
ば、前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から求め
た旋回半径からタイトコーナブレーキング現象の発生し
得る旋回半径以下かを判断し、更に、前輪の車輪速度か
ら求めた旋回半径と後輪の車輪速度から求めた旋回半径
との差が小さいかを判断するため、タイトコーナブレー
キング現象の発生を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトルク配分装置を
備える4輪駆動車の構成を示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係る旋回半径の算出方法を示す
説明図である。
【図3】第1実施形態に係る電子制御回路による処理を
示すフローチャートである。
【図4】図3中のタイトコーナブレーキング回避制御の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図3中の通常制御のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図6】前後輪の回転速度と係合力との対応関係のマッ
プの内容を示すグラフである。
【図7】第2実施形態に係る旋回半径の算出方法を示す
説明図である。
【図8】第2実施形態に係る電子制御回路による処理の
前半部分を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係る電子制御回路による処理の
前半部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 4輪駆動車 12 エンジン 15 フロントデフ 18 第1プロペラシャフト 19 油圧クラッチ(差動制限装置) 20 カップリング 22 第2プロペラシャフト 50 電子制御回路 S1、S2、S3、S4 車輪速センサ(速度検出器) RT1、RT2 前輪 RT3、RT4 後輪 ω1 、ω2 、ω3 、ω4 車輪速度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後輪の一方に機関から伝達された出力
    を、前後輪の他方へ伝達トルクの変更可能な差動制御装
    置を介して伝達する4輪駆動車のトルク配分装置におい
    て、 各4輪の車輪速度をそれぞれ検出する速度検出手段と、 前記前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から旋回
    半径を求める第1旋回半径取得手段と、 前記第1旋回半径取得手段で求められた他方の内外輪の
    車輪速度から、又は、前後輪の車輪速度から旋回半径を
    求める第2旋回半径取得手段と、 前記第1又は第2旋回半径取得手段のいずれか一方によ
    り求められた旋回半径が、タイトコーナブレーキング現
    象の発生し得る旋回半径以下かを判断する第1判断手段
    と、 前記第1旋回半径取得手段により得られた旋回半径と、
    前記第2旋回半径取得手段により得られた旋回半径との
    差が大きいかを判断する第2判断手段と、 前記第1判断手段により旋回半径以下と判断され、且
    つ、前記第2判断手段により差が小さいと判断された際
    に、タイトコーナブレーキング現象が発生しているとし
    て前記差動制御装置の伝達トルクを制御する制御手段
    と、を備えることを特徴とする4輪駆動車のトルク配分
    装置。
  2. 【請求項2】 前後輪の一方に機関から伝達された出力
    を、前後輪の他方へ伝達トルクの変更可能な差動制御装
    置を介して伝達する4輪駆動車のトルク配分装置におい
    て、 各4輪の車輪速度をそれぞれ検出する速度検出手段と、 前記前後輪のいずれか一方の内外輪の車輪速度から旋回
    半径を求める第1旋回半径取得手段と、 前記前後輪の車輪速度から旋回半径を求める第2旋回半
    径取得手段と、 前記第1又は第2旋回半径取得手段のいずれか一方によ
    り求められた旋回半径が、タイトコーナブレーキング現
    象の発生し得る旋回半径以下かを判断する第1判断手段
    と、 前記第1旋回半径取得手段により得られた旋回半径と、
    前記第2旋回半径取得手段により得られた旋回半径との
    差が大きいかを判断する第2判断手段と、 前記第1判断手段により旋回半径以下と判断され、且
    つ、前記第2判断手段により差が小さいと判断された際
    に、タイトコーナブレーキング現象が発生しているとし
    て前記差動制御装置の伝達トルクを制御する制御手段
    と、を備えることを特徴とする4輪駆動車のトルク配分
    装置。
  3. 【請求項3】 前後輪の一方に機関から伝達された出力
    を、前後輪の他方へ伝達トルクの変更可能な差動制御装
    置を介して伝達する4輪駆動車のトルク配分装置におい
    て、 各4輪の車輪速度をそれぞれ検出する速度検出手段と、 前記前輪の内外輪の車輪速度から旋回半径を求める第1
    旋回半径取得手段と、 前記後輪の内外輪の車輪速度から旋回半径を求める第2
    旋回半径取得手段と、 前記第1旋回半径取得手段と第2旋回半径取得手段との
    少なくとも一方により求められた旋回半径が、タイトコ
    ーナブレーキング現象の発生し得る旋回半径以下かを判
    断する第1判断手段と、 前記第1旋回半径取得手段により得られた旋回半径と、
    前記第2旋回半径取得手段により得られた旋回半径との
    差が大きいかを判断する第2判断手段と、 前記第1判断手段により旋回半径以下と判断され、且
    つ、前記第2判断手段により差が小さいと判断された際
    に、タイトコーナブレーキング現象が発生しているとし
    て前記差動制御装置の伝達トルクを制御する制御手段
    と、を備えることを特徴とする4輪駆動車のトルク配分
    装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記タイトコーナブレ
    ーキング現象が発生した際の前記差動制御装置による伝
    達トルクの制御量を、前後輪の差動回転数、旋回半径、
    車速、加速操作量の少なくともいずれか1つに応じて変
    化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に
    記載の4輪駆動車のトルク配分装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記第1判断手段によ
    り旋回半径以下と判断されず、又は、前記第2判断手段
    により差が小さいと判断されない際に、タイトコーナブ
    レーキング現象が発生していないとして、前記差動制御
    装置の伝達トルクを制御することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1に記載の4輪駆動車のトルク配分装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、タイトコーナブレーキ
    ング現象が発生していない際の前記差動制御装置による
    伝達トルクの制御量を、前後輪の差動回転数、車速、加
    速操作量の少なくともいずれか1つに応じて変化させる
    ことを特徴とする請求項5の4輪駆動車のトルク配分装
    置。
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