JP2000023464A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JP2000023464A JP10183846A JP18384698A JP2000023464A JP 2000023464 A JP2000023464 A JP 2000023464A JP 10183846 A JP10183846 A JP 10183846A JP 18384698 A JP18384698 A JP 18384698A JP 2000023464 A JP2000023464 A JP 2000023464A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子/電気機器の制御を行なうマイコン用の電
源回路の待機時における消費電力を少なくした電源装置
を提供する。 【解決手段】商用電源ACに対して、電力制御素子7と
整流用ダイオードD1〜D4より成る整流回路を直列に
設け、電力制御素子7と並列にスナバ用のコンデンサC
2を接続し、上記の整流回路の出力側に平滑用のコンデ
ンサC1を設け、この平滑用のコンデンサC1の両端子
間の直流出力電圧をマイコンの電源電圧とし、機器本体
が待機状態になり、上記電力制御素子7が遮断状態であ
るとき、上記スナバ用のコンデンサC2と平滑用のコン
デンサC1が分割される直流電圧をマイコンの待機時の
電源電圧を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源を用いた
マイクロコンピュータ制御機器用の電源装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】商用電源(50/60Hz)を使用した
マイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)で制
御する電気/電子機器は多い。その一例として、電子レ
ンジやエアコン等がある。以下電子レンジを例に挙げて
説明する。
【0003】従来のマイコン式電子レンジの制御部は、
図4に示すような電源回路を使用しており、この電源回
路は交流電流(AC100V)に接続した低圧トランス
1の2次側の電圧を整流して、マイコン4を駆動するよ
うにしている。低圧トランス1の2次側にはステップダ
ウンされた約10数Vの電圧が誘起される。この2次側
の電圧は、ブリッジに組まれた整流用ダイオードD1,
D2,D3,D4で全波整流され、整流後の電圧はコン
デンサーC1で平滑される。そしてこの平滑された直流
電圧はVAとして、リレーL等の駆動電源に利用され
る。
【0004】上記直流電圧VAは、3端子レギュレータ
(IC)で定電圧(例えば5V)に制御された後、マイ
コン2に印加されている。勿論トランジスターやツェナ
ーダイオードを組み合わせた定電圧回路を用いてもよ
い。
【0005】操作パネル3のキー4を押圧してスタート
信号を発生させ、電子レンジを加熱動作させるときに
は、マイコン2がトランジスタTR1に信号(HIG
H)を送り、リレーLを動作させ、その接点Tを閉成す
る。リレーLの接点Tが閉成し、電源トランス5に商用
電源が持続されると、マグネトロン6に倍電圧整流回路
を介して高圧が印加され、該マグネトロン6が発振して
加熱動作を開始する。所定の加熱時間が経過すると、マ
イコン2は加熱を終了するため、トランジスタTR1を
OFFにする記号(LOW)を送出しリレーLをOFF
して、その接点Tを開放し、マグネトロン6への給電を
停止し、加熱動作を終了させる。
【0006】通常のマイコン式の電子レンジでは、待機
時に表示管を動作させたり、重量センサーや湿度センサ
ーなどのセンサーを待機状態にしており、かかるセット
では、待機時の消費電力が10W以上になる。表示管や
センサーを停止させても、上記低圧トランス1に常時電
流が流れるため、数W程度の電力を消費している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では次
のような問題がある。電子/電気機器の電源プラグを電
源コンセントに差し込むと、機器の制御部に自動的に交
流電源が印加される。そのため、常時、低圧トランスに
交流電圧(100V)が印加され、低圧トランスに励磁
電流が流れて、機器を使用していない待機時において
も、電力を消費することになる。
【0008】また、省エネルギーの回路を構成するた
め、別にリレーやスイッチなどを設け、制御部用の低圧
トランスに交流電源が加わらないようにする方法も提案
されているが、これらの回路では、別部品が必要にな
り、生産工程が増え、コスト高になる等の問題がある。
【0009】また、制御部用の低圧トランスのばらつき
や、電源周波数(50/60Hz)による差あるいは、
負荷(リレーON/OFF)の有無による電圧の変動等
により、制御部用の電源回路の直流出力電圧(VA)が
変化する。これは回路設計を難しくし、余裕度のある設
計(部品仕様)が要求され、コスト高になるという問題
があった。この場合、電源回路が定電圧化されていれば
問題ないが、定電圧化することによりコストアップの問
題は避けられない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するため、請求項1記載の電源装置は、商用電源に
対して電力制御素子と整流器の直列回路を設け、前記電
力制御素子と並列にスナバ用のコンデンサを接続し、前
記整流器の出力側に平滑用のコンデンサを設け、該平滑
用のコンデンサで平滑された直流電圧を電圧源とする機
器制御用のマイコンを設け、前記電力制御素子が遮断状
態にあるとき、前記スナバ用のコンデンサを介して流れ
る電流により生成される直流電圧を待機時のマイコンの
供給電圧源にすることを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載の電源装置は、商用電
源に対して電力制御素子と整流器の直列回路を設け、前
記電力制御素子と並列にスナバ用のコンデンサを接続
し、前記整流器の出力側に平滑用のコンデンサを設け、
該平滑用のコンデンサで平滑された直流電圧を電圧源と
する機器制御用のマイコンを設け、該マイコンにより機
器本体の電源回路を開閉制御する制御手段を設け、該制
御手段と前記電力制御素子を共に遮断状態にして機器本
体を待機状態にしたとき、前記スナバ用のコンデンサを
介して流れる電流により生成される直流電圧を待機時の
マイコンの供給電圧源にすることを特徴とする。
【0012】また、請求項3記載の電源装置は、商用電
源に対して直列に接続する電力制御素子と整流器の直列
回路を設け、前記電力制御素子と並列にスナバ用のコン
デンサを接続し、前記整流器の出力側に平滑用のコンデ
ンサを設け、該平滑用のコンデンサで平滑された直流電
圧を機器制御用のマイコンに供給するマイコン用の直流
低電圧電源を備え、前記マイコンにより機器本体の電源
回路を制御する制御手段を設けた電源装置において、
前記マイコンからの制御信号に応じて前記電力制御素子
の開閉を制御し、交流電源の導通角を制御して前記マイ
コンに供給する整流後の直流出力電圧を調整できるよう
にしたことを特徴とする。
【0013】また、請求項4記載の電源装置は、請求項
3記載の電源装置において、商用電源の周波数を判別す
る周波数判別手段を設け、該周波数判別手段で判別した
電源周波数に基づき、電源周波数が異なる場合でも、直
流電力電圧が等しくなるように前記電力制御素子の導通
角をマイコンで制御する制御手段を設けたことを特徴と
する。
【0014】また、請求項5記載の電源装置は、請求項
3又は4記載の電源装置において、前記直流低電圧回路
の直流出力電圧を検出する検出手段を設け、該検出手段
で検出した直流出力電圧が予め定めた所定の値になるよ
うに、前記電力制御素子の導通角を制御する制御手段を
設けたことを特徴とする。
【0015】また、請求項6記載の電源装置は、請求項
3乃至5のいずれかに記載の電源装置において、機器本
体を待機状態から動作状態に移行するときの前記直流低
電圧回路で駆動される負荷の増大時に前記マイコンに予
め設定した所定の値を高くして前記電力制御素子の導通
角を広くし、上記直流出力電圧を上昇させるようにした
ことを特徴とする。
【0016】(作用)請求項1の電源装置によると、商
用電源に対して直列に接続した電力制御素子と整流器を
設け、この電力制御素子と並列にスナバ用のコンデンサ
を接続し、待機時に上記電力制御素子を遮断状態にし
て、上記スナバ用のコンデンサと平滑用のコンデンサで
分割された電圧でマイコンを駆動する。従って、待機時
におけるマイコンの電源回路にトランスがなく励磁電流
による電力の消費がないので簡単な構成で待機時の消費
電力が極めて少ない電源装置を得ることができる。
【0017】請求項2の電源装置によると、上記のマイ
コンにより、機器本体の電源回路の開閉を行う制御手段
を設けているので、この制御手段により機器本体の電源
回路を開成して機器全体を待機状態にすると、請求項1
の場合と同様に待機時の消費電力が極めて少ない電源装
置を得ることができる。
【0018】請求項3の電源装置によると、商用電源に
直列に電力制御素子と整器の直列回路を設け、この電力
制御素子の導通角をマイコンで制御するので、整流用の
ダイオードの出力側に設けた平滑用のコンデンサの両端
子間に得られる直流出力電圧は上記導通角を大きくすれ
ば高くなり、導通角を小さくすれば低くなるように調整
することができ、制御用マイコンの直流電源電圧を所望
する値に調整することができる。
【0019】請求項4の電源装置によると、接続してい
る商用電源の周波数を周波数検出手段で検出し、検出し
た周波数に基づき上記マイコンで上記平滑用のコンデン
サの両端子間の直流出力電圧が所定の値になるように、
上記電力制御素子の導通角を制御するので、周波数の異
なる商用電源に接続したときの負荷変動がある場合でも
接続する商用電源の周波数には関係なく上記直流出力電
圧の値を常に所定の値に保持させることができる。
【0020】請求項5の電源装置によると、上記マイコ
ンの直流低電圧回路の直流出力電圧を検出手段で検出
し、この検出した直流出力電圧が上記マイコンに予め設
定した所定の値になるように、このマイコンによる制御
手段で上記電力制御素子の導通角を制御するので、上記
マイコンに供給する直流入力電圧を常に所定の値を保つ
ことができる。
【0021】請求項6の電源装置によると、機器本体を
待機状態から動作状態に移行させようとすると、上記マ
イコンにより上記電力制御素子の導通角を広げ該マイコ
ンの直流電源となる上記直流低電圧回路の出力電圧を上
昇させる。機器本体を待機状態から動作状態に移行させ
るとき、上記直流低電圧回路に機器本体の電源回路を接
続するためのリレー等のパワーを要する負荷が接続さ
れ、直流低電圧回路の負荷が増大するが、この増大した
負荷を上記出力電圧を上昇させることで確定に駆動させ
ることができるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明を電子レンジに用い
た実施形態の回路図である。図1において、図4に示し
た従来例に対応する部分には同一符号を付し、説明を省
略する。図1において交流電源ACの両端子間にはSS
R等の電力制御素子7と、整流用ダイオードD1〜D
4、が直列に接続されている。本実施形態では電力制御
素子7にSSRを用いているがSSRに限らずトライア
ック、サイリスタ等でもよい。上記SSR(フォトサイ
リスタカプラ、フォトトライアックカプラ)は、入力側
のLED(発光ダイオード)8の信号で、出力側のサイ
リスタやトライアックが点弧する構造のものである。
【0023】上記電力制御素子7の両端子間にはコンデ
ンサC2と抵抗R3の直列回路より成るスナバー部品が
接続されている。このスナバー部品のコンデンサC2と
抵抗R3は、別個の部品でもよいが、一体化された部品
でもよい。また、上記抵抗R3を省略し、コンデンサC
2のみで構成してもよい。このスナバー部品により上記
電力制御素子7のスイッチング動作によるノイズを吸収
する。通常この値は、C2=0.2μF、R3=100
Ω程度である。
【0024】上記電力制御素子7に直列に接続した整流
用のダイオードD1〜D4は、ブリッジを構成し、入力
された交流電圧を全波整流する。整流後の電圧は抵抗R
1とR2で分割され平滑用のコンデンサC1で平滑され
る。この値は、C1=470μF、R2=510Ω程度
に設定される。
【0025】電子レンジが待機状態にあるときは、マイ
コン2によりトランジスタTR1がOFFしてリレーL
の接点Tを開成し、マグネトロン6の高圧電源トランス
5への商用電源の供給を遮断する。また同時にマイコン
2はトランジスタTR2をOFFしてホトサイリスタカ
プラ等のLED8を消灯し、SSR等の電力制御素子7
をOFF状態にする。このとき、商用電源のAC100
Vは上記コンデンサC2,抵抗R3、整流用ダイオード
D1〜D4,抵抗R1およびコンデンサC1(実際はこ
のコンデンサC1と並列に接続された負荷との合成イン
ビーダンス)に直列に供給され、上記コンデンサC1の
両端子間には、実質的に上記両コンデンサC2とC1で
分割された電圧VAが発生する。上記抵抗R1、R2、
R3、とコンデンサC1、C2の値が本実施形態で示す
値である場合、上記コンデンサC1の両端子間に生じる
直流出力電圧VAは約30V程度になる。
【0026】コンデンサC1の両端子間に生ずる上記の
直流出力電圧VAは上記リレーLに印加されるととも
に、三端子レギュレータICに供給され、該三端子レギ
ュレータICで定電圧化されて直流電圧VCを導出し、
マイコン2に印加される。このように電子レンジの待機
時には、マイコン2のみしか動作していないので、その
消費電力は100mW以下の微小な値になる。
【0027】一方、上記整流用ダイオードD2とD3の
接続点より、該整流用ダイオードD3と並列に抵抗R4
とR5の直列回路を設け、上記抵抗R5と並列にコンデ
ンサC3を持続する。その結果、商用電源の交流波形V
1は、上記の整流用ダイオードD1〜D4で両波整流さ
れるが上記整流用ダイオードD2とD3の接続点の電圧
は半波整流された図2に示すような電圧波形V2にな
る。この電圧波形V2は、抵抗R4、R5とコンデンサ
C3で波形整形される。そして、上記コンデンサC3の
両端子間より電源周波数に周期した図2に示す矩形波の
INT(電源周期)信号を導出する。このINT信号
は、マイコン2に供給され、該マイコン2の各種制御の
タイミングの基準となる制御信号として用いられる。
【0028】次に、操作パネル3のキー4が押圧され、
電子レンジを動作状態にする指示がマイコン2に入力さ
れると、電子レンジの制御回路は待機状態より、動作状
態に移行する。電子レンジが待機状態では、上記のよう
に電力制御素子7はOFFしており、リレーLにはコン
デンサC2とC1で分割された直流出力電圧VAが供給
されているだけであるので、この状態でマイコン2によ
りトランジスタTR1をONにして、リレーLをONす
るための電流を該リレーLに流すと、上記の直流出力電
圧VAの値は急激に低下する。これは上記のコンデンサ
C2とC1による電源回路では電源容量が小さいためで
ある。
【0029】そこで、マイコン2は、電子レンジを動作
状態にする指示を受けると、上記リレーLをONするた
めのトランジスタTR1のONに先立ち、トランジスタ
TR2をON状態にする。その結果、LED8が点灯
し、SSR等の電力制御素子7が点弧導通して、整流ダ
イオードD1〜D4に直接商用電源が印加されるように
なり、平滑コンデンサC1には充分な電荷が蓄積され
る。従って、この状態でマイコン2によりトランジスタ
TR1をONするとリレーLにより接点TがONして、
電子レンジを動作状態にする。
【0030】上記のトランジスタTR2が常時導通して
いると、商用電源のAC100Vが整流用ダイオードD
1〜D4で直接整流されるため、上記の直流出力電圧V
Aは141V程度に高くなりすぎる。そこでマイコン2
は上記のINT信号の立ち上がりからトランジスタTR
2がONするまでの時間T1を制御し、電力制御素子7
の導通角θを変化させて、所定の電圧を得るようにす
る。この時間T1は5mS〜10mS(50Hzの場
合)の範囲に抑えられる。通常は8mS程度である。こ
れは使用するリレーLの数(通常リレーLはマグネトロ
ン6の駆動回路以外の部分も制御するため数個使用す
る。リレーの消費電力は0.2W/個以上のものが多
い)やセンサー種類の(ガスセンサーの消費電力は1
W、湿度センサーの消費電力は0.5W程度である)な
ど負荷条件で異なる。負荷が重たくなるほど上記の時間
T1を短くする。
【0031】図3は、INT信号Aに対するトランジス
タTR2の出力波形P1,P2と電力制御素子7として
用いるSSRの出力波形Q1,Q2の関係を示す図であ
る。負荷が大きい(小さい)場合には、マイコン2は、
上記の時間T1を短く(長く)設定し、トランジスタT
R2のON時間を出力波形P1(P2)に示すように、
長(短)くする。その結果、SSRの出力は出力波形Q
1(Q2)に示すように、導通角θが大きく(小さく)
なり、上記コンデンサC1の両端子間に生ずる直流出力
電圧VAが高(低)くなる。即ち、負荷に応じ、電力制
御素子7の導通角θを制御すると、直流出力電圧VAを
負荷に応じて変化させることができ、導通度θが大きい
と、直流出力電圧VAを高く、また、導通角が小さいと
直流出力電圧VAを低く設定することができる。
【0032】上記の直流出力電圧VAは、図1に示すよ
うに抵抗R6とR7で分圧し、その中点の電圧VOをマ
イコン2に入力する。マイコン2には、リレーL等の負
荷を動作させるために必要な基準電圧VO’を予め記憶
させておく。そして、上記抵抗R6とR7の中点の電圧
VOが、マイコン2に予め記憶されている基準電圧V
O’になるように、マイコン2はINT信号Aの立ち上
がりから、トランジスタTR2がONするまでの時間T
1を加減し、上記直流出力電圧VAを上記基準電圧V
O’に対応した所定の値に制御する。電子レンジの加熱
動作中は、上記中点の電圧VOをマイコン2が常時読み
取り、上記の制御を行うので、上記直流出力電圧VAの
変動を抑えることができる。また、上記直流出力電圧V
Aで駆動される負荷が変動する場合は、マイコン2に予
め記憶されている上記の基準電圧VO’を負荷に応じて
変えられるようにすると、マイコン2により、変動する
負荷に応じた最適の直流出力電圧VAを導出させること
もできる。
【0033】コンデンサC1の両端子間の直流出力電圧
VAが、マイコン2によりリレーLを動作させるに必要
な電圧になると、その後、マイコン2によりトランジス
タTR1がONし、リレーLがONして接点Tが閉成す
る。その結果、マグネトロン6の高圧電源トランス5に
商用電源が接続され、マグネトロン6に高圧が印加され
て、電子レンジの加熱動作が開始される。その後、加熱
時間が終了すると、マイコン2はトランジスタTR1を
OFFし、リレーLを遮断して接点Tを開き、マグネト
ロン6の電源回路への電圧の供給を遮断する。このよう
に、機器としての一連の動作が終了し、待機状態に移行
すると、マイコン2はトランジスタTR2に信号を送る
ことを止め、SSR等の電力制御素子7をOFFにし、
元の消費電力の少ない待機状態に戻る。
【0034】また、マイコン2は、図3に示すINT信
号Aの数を計数することで、使用されている商用電源の
周波数が50Hzであるか60Hzであるかを検出する
ことができる。従って、使用している電源周波数に応じ
て、INT信号Aの立ち上がりから上記トランジスタT
R2をONさせるまでの時間T1、言い換えれば、電圧
制御素子7の導通角θをマイコン2で制御すれば、周波
数の差異による上記直流電圧VAの変動を抑制すること
ができる。
【0035】電子レンジの場合、50Hzと60Hzの
両方の商用電源で使用できるようにするには、50Hz
のときに、マグネトロン6に接続されている高圧コンデ
ンサC4の容量をリレー(図示せず)を使って変化させ
る必要がある。この場合リレーの駆動に0.5W以上の
電力が必要になり、この電力は60Hzの商用電源を使
用した場合に比べて余分に必要なものになる。即ち、5
0Hzの商用電源を使用した場合には、60Hzの商用
電源を使用する場合に比べ、電子レンジの動作時におけ
る上記直流電圧VAで駆動される負荷が大きくなる。従
って、本実施形態では、50Hzの商用電源に接続され
ていることを検出したときには、マイコン2により、I
NT信号Aの立ち上がりからトランジスタTR2がON
するまでの時間T1を60Hzの場合よりも50Hzの
場合の方が短くなるように制御して、50Hzの場合の
動作時における上記直流電圧VAを60Hzの場合と同
じになるようにしている。
【0036】上記の実施形態では、本発明の電源装置を
電子レンジに適用した場合を示したが、商用電源を使用
する他の電子/電気機器にも同様に実施することができ
る。また、上記の実施形態において、電力制御素子と並
列に設けられたコンデンサと抵抗より成るスナバ部品
は、電力制御素子の動作中は、該電力制御素子のスイッ
チングより発生するノイズを吸収し、電子回路へのノイ
ズの影響が生じないようにしている。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記の構成により、機器本体の
待機時には、電力制御素子と並列に設けたスナバ用のコ
ンデンサと平滑用のコンデンサの直列回路で、マイコン
の電源回路を構成しているので、待機時におけるトラン
ス等の励磁回路が不要になり、励磁電流による消費電力
を軽減した低消費電力の電源装置を提供することができ
る。この場合、上記のスナバ用のコンデンサは、電力制
御素子のスイッチングによるノイズの吸収も同時に行な
うので、このコンデンサを効率よく活用することができ
る。
【0038】また、マイコンにより、電力制御素子の導
通角を制御するので、マイコン用の電源回路の直流出力
電圧をマイコンで制御する負荷等に応じ、自在に変化さ
せることができる。
【0039】また、上記マイコンで電源周波数を検出
し、これに基づき、上記マイコンで、電力制御素子の導
通角を制御して、マイコンの直流電流となる上記直流出
力電圧を電源周波数が異なる場合でも一定になるように
しているので、電源周波数により上記マイコンで制御す
る負荷が相違する場合でも上記直流出力電圧を一定にす
ることができ、異なる電源周波数で共通使用する機器に
適した電源装置を提供することができる。
【0040】また、マイコン用の直流低電圧電源回路の
上記直流出力電圧を検出し、この検出値が、予め定めた
値になるように、上記電力制御素子の導通角をマイコン
で制御するので、上記直流出力電圧の変動を制御するこ
とができ、安定したマイコン用の電源回路を備えた電源
装置を提供することができる。
【0041】また、機器本体を待機状態から動作状態に
移行するとき、マイコンに予め設定した所定の値を高く
して、上記直流出力電圧を高くするので、動作状態に移
行したときにマイコンにより回路に投入されるリレー等
の機器本体の制御用の負荷が増大しても、これらの負荷
を確実に駆動させる電源回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の回路図である。
【図2】本発明の動作説明図である。
【図3】本発明の動作説明図である。
【図4】従来例の回路図である。
【符号の説明】
2 マイコン 3 操作パネル 4 キー 5 高圧電源トランス 6 マグネトロン 7 電力制御素子 8 LED C1,C2,C3 コンデンサ R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7 抵抗 D1,D2,D3,D4 整流用ダイオード IC 3端子レギュレータ TR1、TR2 トランジスタ L リレー T 接点

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】商用電源に対して電力制御素子と整流器の
    直列回路を設け、前記電力制御素子と並列にスナバ用の
    コンデンサを接続し、前記整流器の出力側に平滑用のコ
    ンデンサを設け、該平滑用のコンデンサで平滑された直
    流電圧を電圧源とする機器制御用のマイクロコンピュー
    タを設け、前記電力制御素子が遮断状態にあるとき、前
    記スナバ用のコンデンサを介して流れる電流により生成
    される直流電圧を待機時のマイクロコンピュータの供給
    電圧源にすることを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】商用電源に対して電力制御素子と整流器の
    直列回路を設け、前記電力制御素子と並列にスナバ用の
    コンデンサを接続し、前記整流器の出力側に平滑用のコ
    ンデンサを設け、該平滑用のコンデンサで平滑された直
    流電圧を電圧源とする機器制御用のマイクロコンピュー
    タを設け、該マイクロコンピュータにより機器本体の電
    源回路を開閉制御する制御手段を設け、該制御手段と前
    記電力制御素子を共に遮断状態にして機器本体を待機状
    態にしたとき、前記スナバ用のコンデンサを介して流れ
    る電流により生成される直流電圧を待機時のマイクロコ
    ンピュータの供給電圧源にすることを特徴とする電源装
    置。
  3. 【請求項3】商用電源に対して電力制御素子と整流器の
    直列回路を設け、前記電力制御素子と並列にスナバ用の
    コンデンサを接続し、前記整流器の出力側に平滑用のコ
    ンデンサを設け、該平滑用のコンデンサで平滑された直
    流電圧を機器制御用のマイクロコンピュータに供給する
    マイクロコンピュータ用の直流低電圧電源を備え、前記
    マイクロコンピュータにより機器本体の電源回路を制御
    する制御手段を設けた電源装置において、前記マイクロ
    コンピュータからの制御信号に応じて前記電力制御素子
    の開閉を制御し、交流電源の導通角を制御して前記マイ
    クロコンピュータに供給する整流後の直流出力電圧を調
    整できるようにしたことを特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】商用電源の周波数を判別する周波数判別手
    段を設け、該周波数判別手段で判別した電源周波数に基
    づき、電源周波数が異なる場合でも、直流出力電圧が等
    しくなるように前記電力制御素子の導通角をマイクロコ
    ンピュータで制御する制御手段を設けたことを特徴とす
    る請求項3に記載の電源装置。
  5. 【請求項5】前記直流低電圧回路の直流出力電圧を検出
    する検出手段を設け、該検出手段で検出した直流出力電
    圧が予め定めた所定の値になるように、前記電力制御素
    子の導通角を制御する制御手段を設けたことを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の電源装置。
  6. 【請求項6】機器本体を待機状態から動作状態に移行す
    るときの前記直流低電圧回路で駆動される負荷の増大時
    に前記マイクロコンピュータに予め設定した所定の値を
    高くして前記電力制御素子の導通角を広くし、上記直流
    出力電圧を上昇させるようにしたことを特徴とする請求
    項3乃至5のいずれかに記載の電源装置。
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