JP2000021570A - El表示装置 - Google Patents

El表示装置

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JP2000021570A
JP2000021570A JP10184227A JP18422798A JP2000021570A JP 2000021570 A JP2000021570 A JP 2000021570A JP 10184227 A JP10184227 A JP 10184227A JP 18422798 A JP18422798 A JP 18422798A JP 2000021570 A JP2000021570 A JP 2000021570A
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JP
Japan
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display device
light
contrast
transmittance
film
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Application number
JP10184227A
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English (en)
Inventor
Noboru Sakaeda
暢 栄田
Chishio Hosokawa
地潮 細川
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントラストと発光効率に優れ、かつ簡易な
構成でフルカラーを実現できるEL表示装置を提供す
る。 【解決手段】 対向する2つの電極12,13間に発光層14
が設けられたEL素子11の光取出し側に、400nm〜700nm
の可視領域において、530nm〜590nmの範囲に透過率の極
小値を有するコントラスト向上膜15が設けられている。
530nm〜590nmの範囲に透過率の極小値を有するとは、グ
ラフ上、下に凸の透過率曲線があるとすると、530nm〜5
90nmの範囲にその透過率の最小値(極小値)があること
を意味する。コントラスト向上膜15は、無機物からなる
干渉フィルタ、有機物からなるカラーフィルタ、等とす
ることができるが有機物のカラーフィルタが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL表示装置に関
し、情報表示用ディスプレイ等に利用できる。
【0002】
【背景技術】EL表示装置は、2つの電極間に発光層
(蛍光体層)を少なくとも含むEL素子を有し、前記2
つの電極間に電圧を印加することにより蛍光体を発光さ
せている。このようなEL表示装置は、自発光である
ため、広い視野角が実現できる、薄型軽量である、
応答速度が速いので、テレビ動画が単純マトリックス構
造で実現できる、等の特長を有している。特に、発光層
が有機発光層よりなる有機EL表示装置は、有機発光層
を構成する有機化合物を多種多様に分子設計して合成す
ることが可能であり、有機発光層を種々の発光色で、か
つ高輝度で発光させることができるという特長を持って
いるため、フルカラー表示のテレビ動画も可能になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のEL表示装置の
場合、課題が幾つかあり、例えばコンラストをより向上
させること、発光効率(輝度)をより向上させること、
より簡易な構造として低コストを実現させること、等が
求められていた。特開平8-227276号公報によれば、3色
の発光層を備えていて、R(赤)、G(緑)、B(青)
の3原色を実現した有機EL表示装置が開示されてい
る。
【0004】しかし、この表示装置で対向電極として金
属が用いられている場合には、周囲の照明の光がその金
属に反射するため、コントラストが低下して表示品質が
低くなる。特開平8-321381号公報によれば、コントラス
トを上げるため、偏光板とλ/4位相差板の積層体(円
偏光板)を光取り出し面に貼り付ける方法が提案されて
いる。この発明によれば、光透過率が43%以下となるた
め、輝度が1/2以下となる点が問題である。
【0005】また、対向電極を黒色化する等の光吸収体
とすることにより周囲の光反射を防ぐ方法も提案されて
いるが、輝度に関しては同じく1/2以下となるという問
題がある。さらに、多色発光層に対応させて3原色のカ
ラーフィルタを配置したり(特開平8-321380号公報)、
白色発光層に3原色のカラーフィルタを配置したり(特
開平7-142169号公報)することによりフルカラーの有機
EL表示装置を実現しているが、3原色のカラーフィル
タの配置は、構造的に複雑になり、高コストになる。
【0006】そこで、本発明は、コントラストと発光効
率に優れ、かつ簡易な構成でフルカラーを実現できるE
L表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
EL表示装置は、対向する2つの電極間に発光層が設け
られたEL素子の光取出し側に、400nm〜700nmの可視領
域において、530nm〜590nmの範囲に透過率の極小値を有
するコントラスト向上膜が設けられていることを特徴と
する。図14に示すように、530nm〜590nmの範囲に透過
率の極小値を有するとは、グラフ上、下に凸の透過率曲
線があるとすると、530nm〜590nmの範囲にその透過率の
最小値(極小値)があることを意味する(中央のグラ
フ)。言い換えれば、530nm〜590nmの範囲に吸収のピー
クがある、ということである。
【0008】図13に示すように、周囲の照明は、430n
m及び550nmに強度のピークを有している。視感度を考慮
すると、550nm付近は人間が特に強く感じる波長領域と
なっている。ここで、コントラストとは、一般に画像中
の最大輝度と最小輝度の比と定義するが、具体的には下
記式(1)で定義される。 コントラスト=(EL表示装置の発光輝度+周囲反射光輝度)/周囲反射光輝 度 …………(1)
【0009】図11に示すように、下部電極12と対向電
極13の間に発光層14が設けられたEL素子11の下部電極
12側に透光性基板18が設けられて構成されたEL表示装
置において、周囲反射光21は、EL表示装置が駆動して
いない(発光していない)時において、周囲の照明の光
22による対向電極13からの反射光23及び透光性基板18表
面からの反射光24として生ずるものであり、駆動時にお
いても常にバックグラウンドとして存在する。従って、
前記式(1)の分母の周囲光のEL表示装置に対する反
射光の輝度が小さければ小さい程、コントラストがよく
(コントラスト値が大きく)、鮮やかな表示を得ること
ができる。
【0010】よって、コントラスト向上膜としては、周
囲光に対する透過率を小さくできるもの、特に前記550n
m近傍の強い周囲光の透過率を小さくできる本発明のコ
ントラスト向上膜が好ましいことになる。一方、前記式
(1)中の分子は、EL表示装置の発光輝度と周囲反射
光輝度の和である。明らかに、EL表示装置の発光輝度
を大きくすることにより、コントラストがよく(コント
ラスト値が大きく)、鮮やかな表示を得ることができ
る。
【0011】その際、EL素子(又は色変換層)からの
光を効率よく取り出せるようなコントラスト向上膜が必
要である。本発明のコントラスト向上膜は、530nm未満
の青色光、緑色光、590nmを超える赤色光を効率よく取
り出せるように構成されたものである。即ち、本発明の
コントラスト向上膜は、550nm近傍の周囲光を効率よく
カットして、青色光、緑色光、赤色光を効率よく取り出
してコントラストの向上を図っている。
【0012】前記コントラスト向上膜は、無機物からな
る干渉フィルタ、バンドパスフィルタ、有機物からなる
カラーフィルタ、等とすることができるが、色素等の材
料が豊富で、かつ加工の容易さで優れている有機物のカ
ラーフィルタが好ましい。有機物カラーフィルタの材料
は、色素とバインダー樹脂を含有する。色素としては、
赤色色素、青色色素、マゼンタ色素、等が挙げられる。
前記赤色色素の具体例は、ペリレン系顔料、レーキ顔
料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系
顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔
料、DPP顔料、等であり、これらより選ばれた1種又
は複数種の混合物を使用できる。
【0013】前記青色色素の具体例は、銅フタロシアニ
ン系顔料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系
顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、等であ
り、これらより選ばれた1種又は複数種の混合物を使用
できる。なお、前記赤色又は青色色素は、溶剤への溶解
性を上げるため、染料化したものを使用してもよい。前
記マゼンタ色素の具体例は、5−ピラゾロン、シアノア
セチルクマロン、インダゾロン、ピラゾロベンズイミダ
ゾール、ピラゾロ〔5,1−c〕−S−トリアゾール、
ピラゾロ〔5,1−b〕−S−トリアゾール等と、キノ
ンジイミンとがカップリングしたものである。特に、5
−ピラゾロンをカプラーとして用いたものが好ましい。
【0014】前記バインダー樹脂としては、透明な(可
視光領域における透過率50%以上)材料が好ましい。例
えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、
ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
エチルセルロース、等を挙げることができ、これらのう
ちの1種又は複数種の混合物を使用することができる。
前記赤色色素と青色色素の比率は、10:90〜90:10(重
量比)が好ましい。各色素が10%未満になると、コント
ラスト向上膜の透過率のバランスが崩れ、EL素子(又
は色変換層)からの光、例えば青、緑色光が強くて、赤
色光が弱い、或いは青、緑色光が弱くて、赤色光が強
い、というように3原色を利用したフルカラー、マルチ
カラーEL表示装置の白色のバランスがくずれることに
なる。より好ましい赤色色素と青色色素の比率は、30:
70〜70:30(重量比)である。
【0015】色素とバインダー樹脂の比率は、1:99〜
90:10(重量比)が好ましい。色素が1%未満だと、コ
ントラスト向上膜が周囲光を充分にカットできなくな
り、90%を超えると膜の特性が悪くなり、接着強度等の
機械的強度が低下してもろい膜となる。より好ましい色
素とバインダー樹脂の比率は、10:90〜50:50(重量
比)である。前記コントラスト向上膜の膜厚は、コント
ラスト向上膜の機能が損なわれない範囲で任意の範囲と
することができるが、通常は1mm〜10mm、好ましくは10
0μm〜500μm、より好ましくは1μm〜10μmである。
【0016】なお、コントラスト向上膜を平面的に分離
して配置する場合には、フォトリソグラフィ法が適用で
きる感光性樹脂をバインダー樹脂として使用することが
好ましい。例えば、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポ
リケイ皮酸ビニル系、環化ゴム系等の反応性ビニル基を
有する光硬化型レジスト材料を挙げることができ、これ
らの1種又は2種以上の混合物を使用できる。
【0017】また、印刷法を用いる場合には、透明樹脂
を用いた印刷インキ(メジウム)を使用することができ
る。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、マレイン酸樹脂、
ポリアミドのモノマー、オリゴマー又はポリマーからな
る組成物、またポリメチルメタクリレート、ポリアクリ
レート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、等の透明樹脂を1種、又は
2種以上よりなる混合物を使用することができる。
【0018】コントラスト向上膜は、通常、蛍光色素と
樹脂と適当な溶剤とを混合、分散又は可溶化させて液状
とし、スピンコート法、ロールコート法、バーコート
法、キャスト法、等の方法で所定の基板上に製膜する。
なお、ドライフィルムにして所定の基板上に貼り付ける
ようにしてもよい。コントラスト向上膜をパターニング
する場合には、フォトリソグラフィ法やスクリーン印刷
法等で行うのが一般的である。
【0019】このようなコントラスト向上膜は、3原色
発光するフルカラー、又はマルチカラーEL表示装置を
作製する際、基本的に1種類の層のみで済むので構成が
簡単になって、低コストでの作製が可能になる。前記E
L素子としては、発光層が無機物である無機EL素子又
は発光層が有機物である有機EL素子を使用できるが、
有機EL素子の方が発光層の種類が多く、種々の色相を
光輝度、高効率で実現できるので好ましい。
【0020】本発明の第2発明に係るEL表示装置は、
第1発明において、前記コントラスト向上膜の透過率の
極小値が5%以上、70%未満であることを特徴とする。
前記コントラスト向上膜の透過率の極小値が5%未満に
なると、530nm〜590nmの範囲外の波長領域の透過率をも
引き下げることになるので、EL素子(又は色変換層)
の発光を効率よく取り出せることができなくなり、結果
的にEL表示装置のコントラストの低下を招く。一方、
70%以上になると、550nm近傍の強い周囲光が透過して
周囲反射光輝度が大きくなり、EL表示装置のコントラ
ストの低下を招く。
【0021】本発明の第3発明に係るEL表示装置は、
第1発明において、前記コントラスト向上膜の透過率の
極小値が70%未満であり、かつ400nm以上、530nm未満、
及び590nmを超え、700nm以下の透過率が70%以上である
ことを特徴とする。400nm以上、530nm未満、及び590nm
を超え、700nm以下の透過率が70%未満だと、明らかに
EL素子(又は色変換層)の発光を効率よく取り出せる
ことができなくなり、EL表示装置のコントラストの低
下を招く。
【0022】本発明の第4発明に係るEL表示装置は、
第1〜第3発明のいずれかにおいて、前記コントラスト
向上膜が、赤色色素と青色色素を含有することを特徴と
する。前記赤色色素の具体例は、前述した通りである。
【0023】本発明の第5発明に係るEL表示装置は、
第1〜第4発明のいずれかにおいて、前記EL素子は、
対向する2つの電極間に有機発光層が設けられて構成さ
れた有機EL素子であることを特徴とする。前記有機発
光層は、再結合領域及び発光領域を含む。本発明におい
ては、対向する2つの電極間には、この有機発光層が含
まれていればよく、この有機発光層以外にも、必要に応
じて、例えば正孔注入層、電子注入層、有機半導体層、
電子障壁層、付着改善層、等が設けられていてもよい。
【0024】本発明に係る有機EL素子の代表的な構成
例を下記に示す。 陽極/有機発光層/陰極 陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極 陽極/有機発光層/電子注入層/陰極 陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極 陽極/有機半導体層/有機発光層/陰極 陽極/有機半導体層/電子障壁層/有機発光層/陰極 陽極/正孔注入層/有機発光層/付着改善層/陰極 これらの中で、通常の構成の有機EL素子の使用が好
ましい。下部電極及び対向電極は、前記陽極及び陰極の
いずれでもよいが、本発明では下部電極は、透明な電極
とするのが好ましい。
【0025】本発明の第6発明に係るEL表示装置は、
第1〜第5発明のいずれかにおいて、前記EL素子とコ
ントラスト向上膜との間には、前記EL素子の発光を吸
収して素子の発光波長より長波長側の蛍光を発生させる
色変換層が設けられていることを特徴とする。前記色変
換層としては、例えばEL素子の光を分解又はカットす
るカラーフィルタ、EL素子の光を吸収して異なる色
(長波長の光)の蛍光に変換する蛍光体層、等を使用す
ることができる。
【0026】但し、カラーフィルタの場合は、機能上、
光を分解又はカットして取り出すので光の損失が相対的
に大きくなる。例えば、白色の発光を3原色(赤、緑、
青)に分解する場合は、白色の輝度が1/3程度に減少
する虞れがある。一方、蛍光体層の場合は、光を吸収し
てより長波長の蛍光に変換する機能を有しているが、例
えば蛍光体の光の吸収効率を80%として、80%の蛍光収
率で蛍光を発するならば、64%の長波長の光に変換でき
ることになり、実際そのような蛍光体は存在している。
【0027】従って、本発明のEL表示装置における色
変換層には、蛍光体層を使用するのが好ましい。また、
蛍光体層は、自ら蛍光を等方的に発光するので、より視
野角を広げ、視認性を高める効果を発揮することができ
るという観点からも、蛍光体層の使用が好ましい。従っ
て、カラーフィルタは、基本的にはEL表示装置の色調
整の目的で使用される。前記カラーフィルタの材料の色
素としては、公知のものを使用できる。
【0028】前記色変換層に使用する蛍光体層は、蛍光
色素のみ、又は蛍光色素と樹脂からなる。蛍光色素と樹
脂からなるものは、例えば、蛍光色素を顔料樹脂及びバ
インダー樹脂中に分散又は溶解させた固体状態のものと
することができる。近紫外光から紫色のEL素子の発光
を、青色発光に変換する蛍光色素としては、1,4−ビ
ス(2−メチルスリチル)ベンゼン(Bis−MSBと
略す)、トランス−4,4´−ジフェニルスチルベン
(DPSと略す)等のスチルベン系色素、7−ヒドロキ
シ−4−メチルクマリン(クマリン4と略す)等のクマ
リン系色素、等より選ばれた1種又は2種以上を使用で
きる。
【0029】青色から青緑色のEL素子の発光を、緑色
発光に変換する蛍光色素としては、例えば、2,3,
5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフロルメ
チルキノリジノ(9,9a,1−gh)クマリン(クマ
リン153と略す)、3−(2´−ベンゾチアゾリル)
−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6と略す)、
3−(2´−ベンズイミダゾリル)−7−N、N−ジエ
チルアミノクマリン(クマリン7と略す)等のクマリン
色素、ベーシックイエロー51、ソルベントイエロー1
1、ソルベントイエロー116等のナフタルイミド色
素、等より選ばれた1種又は2種以上を使用できる。
【0030】青色から緑色のEL素子の発光を、橙色か
ら赤色発光に変換する蛍光色素としては、例えば、4−
ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルア
ミノスチルリル)−4H−ピラン(DCMと略す)等の
シアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジ
ニウム−パークロレート(ピリジン1と略す)等のピリ
ジン系色素、ローダミンB、ローダミン6G等のローダ
ミン系色素、オキサジン系色素、等より選ばれた1種又
は2種以上を使用できる。
【0031】更に、各種染料(直接染料、酸性染料、塩
基性染料、分散染料等)も蛍光性があれば使用可能であ
る。また、前記蛍光色素を、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、アルキド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア
樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の樹脂中
に混練しておいて顔料化したものも使用できる。更に、
これらの蛍光色素又は顔料は、必要に応じて、複数種を
混合して使用してもよい。特に、赤色への蛍光変換効率
が低いので、上記色素を混合して用いることにより、発
光から蛍光への変換効率を高めることもできる。
【0032】なお、本発明のEL表示装置において、白
色発光を得ることも可能であるが、例えば、前記緑色発
光に変換する蛍光色素及び橙色から赤色発光に変換する
色素を、青色から青緑色のEL素子の発光を一部透過さ
せるような配合比又は赤色変換層(蛍光体層)の膜厚を
調整することにより、青色から青緑色のEL素子の発光
を白色発光とすることができる。一方、バインダー樹脂
は、透明な(可視光領域における透過率50%以上)材料
が好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリ
アクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース、等を挙げることがで
き、これらのうちの1種又は複数種の混合物を使用する
ことができる。
【0033】なお、蛍光体層を平面的に分離して配置す
る場合には、フォトリソグラフィ法が適用できる感光性
樹脂をバインダー樹脂として使用することが好ましい。
例えば、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸
ビニル系、環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬
化型レジスト材料を挙げることができ、これらの1種又
は2種以上の混合物を使用できる。
【0034】また、印刷法を用いる場合には、透明樹脂
を用いた印刷インキ(メジウム)を使用することができ
る。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、マレイン酸樹脂、
ポリアミドのモノマー、オリゴマー又はポリマーからな
る組成物、またポリメチルメタクリレート、ポリアクリ
レート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、等の透明樹脂を1種、又は
2種以上よりなる混合物を使用することができる。
【0035】ここで、蛍光体層が主に色素からなる場合
は、所望の蛍光体層のマスクを介して、真空蒸着又はス
パッタリング法を用いることにより蛍光体層を形成する
ことができる。一方、蛍光体層が、蛍光色素とバインダ
ー樹脂からなる場合は、蛍光色素と、上記樹脂と、適当
な溶剤とを混合、分散又は可溶化させて液状物を調製し
た後、この液状物をスピンコート法、ロールコート法、
バーコート法、キャスト法、等の方法で製膜する。その
後、フォトリソグラフィ法で所望の蛍光体層パターンを
パターニングしたり、スクリーン印刷等の方法で所望の
蛍光体層のパターンでパターニングする。
【0036】蛍光体層の膜厚は、EL素子の発光を充分
に吸収し、蛍光発生機能が維持できれば適当でよく、蛍
光色素により若干異なるが、通常10nm〜1mm、好ましく
は1μm〜1mm、より好ましくは5μm〜100μm、更に好
ましくは10μm〜50μmとする。蛍光色素の顔料樹脂及び
/又はバインダー樹脂を含めた蛍光体層中の濃度は、蛍
光色素の種類によっても多少異なるが、通常1〜10-4mo
l/kg、好ましくは0.1〜10-3mol/kg、より好ましくは0.0
5〜10-2mol/kgとする。
【0037】本発明の第7発明に係るEL表示装置は、
第1〜第6発明のいずれかにおいて、透光性媒体が設け
られていることを特徴とする。前記透光性媒体とは、40
0nm〜700nmの光の透過率が50%以上の媒体をいう。この
媒体は透過性に加えて、電気絶縁性があればより好まし
い。この媒体は、単層、多層のいずれでもよい。また、
透光性媒体は、固相、液相、気相のいずれの状態であっ
てもよい。
【0038】透光性媒体をポリマーのような固相媒体で
構成する場合、具体的には、光硬化型樹脂、熱硬化型樹
脂のように、アクリレート系、メタクリレート系の反応
性ビニル基を有するものの硬化物が好ましい。また、そ
の他、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、マレイン
酸樹脂、ポリアミドのモノマー、オリゴマー又はポリマ
ー、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポ
リカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、等の透明樹脂より選ばれた1種、又は
2種以上よりなる混合物を使用することができる。
【0039】また、各種フッ素系ポリマーも使用でき
る。透光性媒体を無機酸化物で構成する場合、具体的に
は、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2
3)、酸化チタン(TiO2)、酸化イットリウム(Y
23)、酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸化亜鉛(Z
nO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム
(CaO)、ホウ酸(B23)、酸化ストロンチウム
(SrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化鉛(Pb
O)、ジルコニア(ZrO2)、酸化ナトリウム(Na2
O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化カリウム(Ka2
O)、等より選ばれた1種、又は2種以上を使用するこ
とができる。
【0040】また、ガラスの使用も可能である。このガ
ラスの材質としては、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ス
トロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸塩
ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラ
ス、等より選ばれた1種、又は2種以上を使用すること
ができる。なお、これらの無機酸化物中には、窒化物
(例えば、Si34)が含まれていてもよい。通常、こ
のようなポリマー、無機酸化物は、EL表示装置の支持
基板として用いられる。また、EL素子と、コントラス
ト向上膜及び色変換層が形成された透光性媒体(例え
ば、支持基板)とを接着させるのに、次のような接着剤
を使用することができる。
【0041】例えば、アクリル酸系オリゴマー、メタク
リル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及
び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の
湿気硬化型接着剤、等を挙げることができる。また、エ
ポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)接着剤も使
用できる。透光性媒体を気相で構成する場合は、窒素、
アルゴン等の不活性気体を透光性媒体として使用でき
る。液相で構成する場合は、フッ化炭化水素、シリコン
オイルのような不活性液体を使用できる。また、真空で
構成してもよい。
【0042】これらの透光性媒体は、液状材料の場合、
スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、等の方
法で製膜し、固体材料の場合、スパッタリング、蒸着、
CVD、イオンプレーティング等の方法で製膜する。不
活性液体や不活性気体は、EL素子の発光領域の外側を
シーリングして封入する。これらの透光性媒体として、
EL素子と接する界面は、前記無機酸化物、不活性液体
又は不活性気体とすれば、EL素子の劣化を促進する水
や酸素を遮断できるので好ましい。
【0043】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1に示すよう
に、本実施形態に係る基本的なEL表示装置は、EL素
子11の下部電極12側にコントラスト向上膜15が設けられ
て構成されている。前記EL素子11は、下部電極12と対
向電極13の間に少なくとも発光層14が介装されたもので
ある。前記コントラスト向上膜15は、400nm〜700nmの可
視領域において、530nm〜590nmの範囲に透過率の極小値
を有するものである。EL素子11からコントラスト向上
膜15方向が光取出し方向19である。
【0044】〔第2実施形態〕図2に示すように、本実
施形態に係る基本的なEL表示装置は、EL素子11とコ
ントラスト向上膜15を有し、色変換層16がEL素子11と
コントラスト向上膜15の間に設けられて構成されてい
る。前記色変換層16は、EL素子11の発光を吸収して素
子の発光波長より長波長側の蛍光を発生させるものであ
る。
【0045】〔第3実施形態〕本実施形態以降の実施形
態は、第1及び第2の実施形態に透光性媒体を付加した
ものである。図3に示すように、本実施形態に係るEL
表示装置は、EL素子11の下部電極12側にコントラスト
向上膜15が設けられ、更にこのコントラスト向上膜15の
下側に透光性媒体(支持基板)18が設けられて構成され
ている。
【0046】〔第4実施形態〕図4に示すように、本実
施形態に係るEL表示装置は、EL素子11の下部電極12
側に透光性媒体(支持基板)18が設けられ、更にこの透
光性媒体(支持基板)18の下側にコントラスト向上膜15
が設けられて構成されている。コントラスト向上膜15
は、このように透光性媒体(支持基板)18の外側(EL
素子11と反対側)に配置されている方が、周囲光の透光
性媒体(支持基板)18の外側表面の反射も抑制できるの
で好ましい。
【0047】〔第5実施形態〕図5に示すように、本実
施形態に係るEL表示装置は、EL素子11の下部電極12
側に色変換層16、コントラスト向上膜15及び透光性媒体
(支持基板)18がこの順番に積層形成されている。
【0048】〔第6実施形態〕図6に示すように、本実
施形態に係るEL表示装置は、EL素子11の下部電極12
側に色変換層16、透光性媒体18及びコントラスト向上膜
15がこの順番に積層形成されている。
【0049】〔第7実施形態〕図7に示すように、本実
施形態に係るEL表示装置は、EL素子11の下部電極12
側に透光性媒体18、色変換層16、コントラスト向上膜15
及び透光性媒体(支持基板)18がこの順番に積層形成さ
れている。
【0050】〔第8実施形態〕図8に示すように、本実
施形態に係るEL表示装置は、EL素子11の下部電極12
側に透光性媒体18、色変換層16、透光性媒体(支持基
板)18及びコントラスト向上膜15がこの順番に積層形成
されている。
【0051】〔第9実施形態〕図9に示すように、本実
施形態に係るEL表示装置は、フルカラー表示として構
成したものであり、透光性媒体(支持基板)18上に下部
電極12のパターンが形成され、そのパターンを覆うよう
に赤色発光層14A、青色発光層14B及び緑色発光層14Cを
含む層が形成され、更に下部電極12のパターンと直交す
る方向に対向電極13のパターンが積層されて3原色の発
光を行うEL素子11のピクセルが構成されている。一
方、透光性媒体(支持基板)18のEL素子11の反対側に
は、コントラスト向上膜15が形成されている。
【0052】〔第10実施形態〕図10に示すように、
本実施形態に係るEL表示装置は、フルカラー表示とし
て構成したものであり、透光性媒体(支持基板)18上に
EL素子11の青色発光を変換する赤色変換層16A、青色
変換層(青色カラーフィルタ)16B及び緑色変換層16Cが
平面的に分離して形成され、これらの上面を覆うように
透光性媒体(例えば、透明な平坦化層)18が形成されて
いる。そして、各色変換層16A〜16Cに対応する位置に、
EL素子11の下部電極12パターンが形成され、更に青色
発光層14Bを含む層が積層され、前記下部電極12パター
ンと直交する方向に対向電極13のパターンが積層されて
3原色の発光を行うEL素子11のピクセルが構成されて
いる。一方、透光性媒体(支持基板)18のEL素子11の
反対側には、コントラスト向上膜15が形成されている。
【0053】
【実施例】〔実施例1〕本実施例は、第4実施形態に対
応するEL表示装置である。青色顔料(銅フタロシアニ
ン系顔料:ピグメントブルー=15:6)を3.7g、赤色
顔料(塩素置換DPP顔料、イルガジンレッドBT−C
F、ピグメントレッド254)6.3gをバインダー樹脂(ア
クリル系熱硬化性樹脂、V259PH、固形分濃度25%、
新日鉄化学(株)製)360g中に混合分散して、コント
ラスト向上膜製造用のインキを調製した。このインキを
25mm×75mm×1.1mmのガラス基板(ソーダライム基板)
上にスピンコートし、80℃で加熱した後、200℃で再び
加熱してコントラスト向上膜(厚さ:0.43μm)を作製
した。
【0054】このコントラスト向上膜の透過スペクトル
を図12に示す。この透過スペクトルより、極小値は、
555nmのときに59%であった。次に、このコントラスト
向上膜が形成されたガラス基板の裏面側にITO(イン
ジウム錫酸化物)よりなるEL素子の陽極(下部電極)
をスパッタリングで形成した。この陽極は、膜厚が120n
m、シート抵抗が20Ω/□であった。次に、この基板を
IPA洗浄及びUV洗浄を行った後、真空蒸着装置の基
板ホルダに固定した。
【0055】次に、モリブデン製の抵抗加熱ボートに正
孔注入層の材料として、MTDATA(4,4′,4″
-トリス〔N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミ
ノ〕トリフェニルアミン)及びNPD(4,4′-ビス
〔N-(1-ナフチル〕-N-フェニルアミノ〕ビフェニ
ル)、発光層の材料としてDPVBi(4,4′-ビス
(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル)とDPAV
B(1,4-ビス〔N,N-ジフェニルアミノフェニルビ
ニル〕ベンゼン)、電子注入層の材料としてAlq(ト
リス(8-キノリノール)アルミニウム)をそれぞれ仕
込み、陰極(対向電極)の第二金属としてAgをタング
ステン製フィラメントに装着し、また陰極の電子注入性
金属としてMgをモリブデン製ボートに装着してそれぞ
れ蒸着源とした。
【0056】その後、真空槽を5×10-7torrまで減圧
し、この状態で下記の薄膜を積層した。先ず、MTDA
TAを0.1〜0.3nm/secの速度で蒸着し、厚さ200nmのM
TDATA膜を形成した。次に、このMTDATA膜上
にNPDを0.1〜0.3nm/secの速度で蒸着し、厚さ20nmの
NPD膜を形成し、更にこのNPD膜上にDPVBiを
0.1〜0.3nm/sec、DPAVBを0.5nm/secで同時蒸着し
て合わせて厚さ40nmの発光層を形成した。
【0057】次に、発光層にAlqを0.1〜0.3nm/secで
蒸着して厚さ20nmの電子注入層を形成した。次に、陰極
となるMgとAgを同時蒸着した。Mgの蒸着速度は1.
3〜1.4nm/sec、Agの蒸着速度は0.1nm/secとし、膜厚
は200nmとした。このEL表示装置を500ルクスの蛍光灯
照明の下で、陽極と陰極の間に直流8Vの電圧を印加す
ると(陽極が+、陰極が−)、コントラスト向上膜側か
ら輝度が100cd/m2、CIE色度(JIS Z 8701)がX=0.
184、Y=0.290(ミノルタ製CS-100で観察)で、グリーニ
ッシュブルーの発光が得られることを確認した。一方、
EL表示装置に電圧を印加しない場合は、コントラスト
向上膜側から輝度30cd/m2の周囲反射光が得られた。
【0058】なお、EL素子からのコントラスト向上膜
の光取出し効率を評価するために、蛍光灯照明を消した
暗所で前記と同一の条件でEL表示装置を発光させる
と、輝度72cd/m2、CIE色度X=0.184、Y=0.287で、グ
リーニッシュブルーの発光が得られた。一方、コントラ
スト向上膜を形成しない場合は、蛍光灯照明を消した場
所で、輝度100cd/m2、CIE色度X=0.184、Y=0.287で、
グリーニッシュブルーの発光が得られた。これより、本
実施例のEL表示装置は、コントラストが前記式(1)
より3.3であり、コントラスト向上膜の光取出し効率が7
2%であった。
【0059】〔実施例2〕本実施例は、第4実施形態に
対応するEL表示装置である。実施例1において、発光
層の材料のDPVBiとDPAVBを用いないで、電子
注入層の材料のAlqを発光層の材料として用いたこと
以外は、実施例1と同じ条件でEL表示装置を作製し
た。このEL表示装置を500ルクスの蛍光灯照明の下
で、直流8Vの電圧を印加すると、コントラスト向上膜
側から輝度が180cd/m2、CIE色度がX=0.364、Y=0.525
で、イエロイッシュグリーンの発光が得られることを確
認した。一方、EL表示装置に電圧を印加しない場合
は、コントラスト向上膜側から輝度30cd/m2の周囲反射
光が得られた。
【0060】なお、蛍光灯照明を消した暗所で、前記と
同一条件でEL表示装置を発光させると、輝度が156cd/
m2、CIE色度がX=0.364、Y=0.523で、イエロイッシュ
グリーンの発光が得られた。一方、コントラスト向上膜
を形成しない場合は、蛍光灯照明を消した場所で、輝度
220cd/m2、CIE色度X=0.356、Y=0.537で、イエロイッ
シュグリーンの発光が得られた。これより、本実施例の
EL表示装置は、コントラストが前記式(1)より6.0
であり、コントラスト向上膜の光取出し効率が71%であ
った。
【0061】〔実施例3〕本実施例は、第6実施形態に
対応するEL表示装置である。実施例1と同じ条件でコ
ントラスト向上膜を作製した。次に、緑色変換層の材料
として、前記クマリン6とバインダー樹脂(アクリル系
ネガ型レジスト、JNPCO6、固形分38%、JSR製)を混
合分散して、濃度が0.03mol/kg(固形分)の蛍光レジス
トを調製した。このレジストをコントラスト向上膜が形
成されたガラス基板の裏面側にスピンコートし、80℃で
加熱した後、450mJ/cm2で露光後、200℃で加熱して緑色
色変換層を形成した。
【0062】以下、実施例1と同一の条件でITO(陽
極)、正孔注入層、発光層、電子注入層、陰極を形成し
てEL表示装置を作製した。このEL表示装置を500ル
クスの蛍光灯照明の下で、直流8Vの電圧を印加する
と、コントラスト向上膜側から輝度が90cd/m2、CIE
色度がX=0.285、Y=0.600で、イエロイッシュグリーンの
発光が得られることを確認した。一方、EL表示装置に
電圧を印加しない場合は、コントラスト向上膜側から輝
度25cd/m2の周囲反射光が得られた。
【0063】なお、蛍光灯照明を消した暗所で、前記と
同一条件でEL表示装置を発光させると、輝度が63cd/m
2、CIE色度がX=0.284、Y=0.597で、イエロイッシュ
グリーンの発光が得られた。一方、コントラスト向上膜
を形成しない場合は、蛍光灯照明を消した場所で、輝度
90cd/m2、CIE色度X=0.281、Y=0.606で、イエロイッ
シュグリーンの発光が得られた。これより、本実施例の
EL表示装置は、コントラストが前記式(1)より3.6
であり、コントラスト向上膜の光取出し効率が70%であ
った。
【0064】〔実施例4〕本実施例は、第6実施形態に
対応するEL表示装置である。実施例1と同じ条件でコ
ントラスト向上膜を作製した。次に、赤色変換層の材料
として、ベンゾグアナミン樹脂に2wt%のソルベントイ
エロー116及び6wt%のソルベントイエロー44を混練し
た蛍光顔料(ナフタルイミド系蛍光顔料)を5g、ベン
ゾグアナミン樹脂に4wt%のベーシックバイオレット11
及び4wt%のローダミン6Gを混練した蛍光顔料(ロー
ダミン系蛍光顔料)を10g、バインダー樹脂としてポリ
(4−ビニルピリジン)を15g、これらを溶媒のエチル
セロソルブ90gに溶解してインキを調製した。
【0065】このレジストを、コントラスト向上膜が形
成されたガラス基板の反対側にスピンコートし、80℃で
加熱した後、更に160℃で加熱し、赤色変換層を形成し
た。この後、実施例1と同様の条件で、陽極、正孔注入
層、発光層、電子注入層、陰極を形成してEL表示装置
を作製した。このEL表示装置を500ルクスの蛍光灯照
明の下で、直流8Vの電圧を印加すると、コントラスト
向上膜側から輝度が30cd/m2、CIE色度がX=0.580、Y=
0.388で、レディッシュオレンジの発光が得られること
を確認した。一方、EL表示装置に電圧を印加しない場
合は、コントラスト向上膜側から輝度5cd/m2の周囲反
射光が得られた。
【0066】なお、蛍光灯照明を消した暗所で、前記と
同一条件でEL表示装置を発光させると、輝度が24cd/m
2、CIE色度がX=0.579、Y=0.388で、レディッシュオ
レンジの発光が得られた。一方、コントラスト向上膜を
形成しない場合は、輝度30cd/m2、CIE色度X=0.573、
Y=0.393で、レディッシュオレンジの発光が得られた。
これより、本実施例のEL表示装置は、コントラストが
前記式(1)より6.0であり、コントラスト向上膜の光
取出し効率が80%であった。
【0067】〔比較例1〕実施例1において、コントラ
スト向上膜を形成しなかったことを除いて、実施例1と
同じ条件でEL表示装置を作製した。このEL表示装置
を500ルクスの蛍光灯照明の下で、直流8Vの電圧を印
加すると、輝度が160cd/m2、CIE色度がX=0.184、Y=
0.291で、グリーニッシュブルーの発光が得られること
を確認した。一方、EL表示装置に電圧を印加しない場
合は、輝度70cd/m2の周囲反射光が得られた。これよ
り、本比較例のEL表示装置は、コントラストが前記式
(1)より2.3であり、実施例1と比べてコントラスト
が低下している。
【0068】上記実施例及び比較例に係るEL表示装置
のコントラストと光取出し効率をまとめて下記の表1に
示す。
【0069】
【表1】
【0070】表1より、実施例のEL表示装置によれ
ば、コントラスト向上膜を有するため、コントラストが
向上していることがわかる。また、光取出し効率が50%
を超えており、円偏光板や黒色対向電極を用いる場合よ
りも大きくなっている。一方、比較例のEL表示装置に
よれば、コントラスト向上膜がないため、コントラスト
が低くなっている。
【0071】
【発明の効果】本発明に係るEL表示装置によれば、コ
ントラストと発光効率に優れ、かつ簡易な構成でフルカ
ラーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図8】本発明の第8実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図9】本発明の第9実施形態に係るEL表示装置の断
面図である。
【図10】本発明の第10実施形態に係るEL表示装置
の断面図である。
【図11】周囲反射光の説明に供する断面図である。
【図12】実施例1に係るコントラスト向上膜の透過ス
ペクトルを示すグラフである。
【図13】周囲光照明の波長に対する強度を測定したグ
ラフである。
【図14】透過率の極小値を説明するグラフである。
【符号の説明】
11 EL素子 12 下部電極 13 対向電極 14 発光層 15 コントラスト向上膜 16 色変換層 18 透光性媒体(支持基板)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2つの電極間に発光層が設けら
    れたEL素子の光取出し側に、400nm〜700nmの可視領域
    において、530nm〜590nmの範囲に透過率の極小値を有す
    るコントラスト向上膜が設けられていることを特徴とす
    るEL表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のEL表示装置におい
    て、 前記コントラスト向上膜の透過率の極小値が5%以上、
    70%未満であることを特徴とするEL表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のEL表示装置におい
    て、 前記コントラスト向上膜の透過率の極小値が70%未満で
    あり、かつ400nm以上、530nm未満、及び590nmを超え、7
    00nm以下の透過率が70%以上であることを特徴とするE
    L表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のEL表
    示装置において、 前記コントラスト向上膜が、赤色色素と青色色素を含有
    することを特徴とするEL表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のEL表
    示装置において、 前記EL素子は、対向する2つの電極間に有機発光層が
    設けられて構成された有機EL素子であることを特徴と
    するEL表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のEL表
    示装置において、 前記EL素子とコントラスト向上膜との間には、前記E
    L素子の発光を吸収して素子の発光波長より長波長側の
    蛍光を発生させる色変換層が設けられていることを特徴
    とするEL表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のEL表
    示装置において、 透光性媒体が設けられていることを特徴とするEL表示
    装置。
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