JP2000018252A - 摺動面の潤滑構造 - Google Patents

摺動面の潤滑構造

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JP2000018252A
JP2000018252A JP10190648A JP19064898A JP2000018252A JP 2000018252 A JP2000018252 A JP 2000018252A JP 10190648 A JP10190648 A JP 10190648A JP 19064898 A JP19064898 A JP 19064898A JP 2000018252 A JP2000018252 A JP 2000018252A
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sliding surface
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lubricant
type main
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Junichi Yokoi
淳一 横井
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YOKOI SANGYO KK
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/1025Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant
    • F16C33/1045Details of supply of the liquid to the bearing

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸の外周面と軸受の内周面との間のように、
一対の摺動面が面対偶で当接した状態で、高速・高面圧
で摺動する部分では、焼き付け防止等のため、潤滑剤を
常時供給する必要がある。しかし、供給側において潤滑
剤を常時供給状態にすることと、実際に、必要箇所が常
時潤滑状態になっている(保湿されている)か否かとい
うこととは、別問題である。一般には、潤滑剤が散逸し
たり消失したりするために、常時、潤滑状態に維持する
ことは難しかった。 【解決手段】 軸3の外周面3aに対し、潤滑剤を供給
するための流出孔4を設けるが、この流出孔4のまわり
に放電加工等により、細凹部が集合して成る粗面状の保
湿部5を設けた。流出孔4から出た潤滑剤がこの保湿部
5で滞留し、軸受側の部材2の内周面2aとの間で潤滑
状態の常時維持が確実に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、潤滑剤の常時供給
が必要な摺動部分を具備する機構、装置類として、幅広
い分野にわたるものにおいて、実質的に潤滑状態を常時
維持させることを可能にした摺動面の潤滑構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】織機を例に挙げて説明する。織機では、
カム機やドビー機等の開口駆動装置による駆動を適宜伝
動手段によって綜絖枠へ伝え、この綜絖枠を上下動させ
ることによって経糸に開口動作を行わせ、緯糸との製織
を可能にしている。ここで開口駆動装置の伝動手段とし
て採用されるものには、大別すると、綜絖枠における上
下動の一方をバネで行う消極式と、綜絖枠における上下
動の両方に駆動をかける積極式とがある(特開平4−2
28654号公報等参照)。
【0003】ところで、消極式の伝動手段では、一般
に、綜絖枠に対する駆動伝達部材としてワイヤを用いて
おり、このワイヤの張り状態を支持するのに用いられる
滑車は、所定角度範囲内で往復回動をすることになる。
一方、積極式の伝動手段では、一般に、綜絖枠に対する
駆動伝達部材としてリンク機構を用いており、このリン
ク機構の中に組み込まれている揺動レバーは、所定角度
範囲内で往復揺動をすることになる。
【0004】このような滑車や揺動レバーでは、いずれ
も、それらの動きの支点になる部分として設けられた軸
部材に対して、これに外嵌する軸受部材を具備したもの
となっている。そして、これら軸部材の外周面と軸受部
材の内周面とが互いに面対偶で当接するような部分で
は、高速且つ高面圧で、しかも往復回動や往復揺動を繰
り返すといった過酷条件におかれるため、常に、潤滑状
態を維持させておく必要があった。
【0005】このような場合にあって、一般的に採用さ
れる給油構造としては、軸部材に対してその軸心部に軸
方向の油孔を設けると共に、この軸部材に対して軸受け
部材を設ける位置に、上記油孔に連通したかたちで径方
向の流出孔を設けるというものがある。この給油構造で
は、1本の軸方向油孔に対して複数の流出孔を設けるこ
とができるので、上記した織機等のように、綜絖枠が設
けられる数に応じて複数の滑車や揺動レバー等を設ける
必要がある場合には、構造的な簡潔化が図れる利点があ
る。
【0006】一方、滑車や揺動レバーに対して、個々の
軸受部材へ油孔を設けることも知られている(前記公報
参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した軸部材の外周
面と軸受部材の内周面とが面対偶で当接する部分等のよ
うに、一対の摺動面相互が高速且つ高面圧で摺動する部
分、特に、この摺動が所定範囲内の往復動(回転のよう
な連続性を持たない繰り返し動作)であるような部分で
は、潤滑剤の粘性や単位時間あたりの供給量にもよる
が、潤滑剤の散逸性や消失性と浸透(流動)性との相互
バランス等がネックとなり、実質問題として、潤滑状態
を常時維持させておくことは非常に難しいものとされて
いる。
【0008】すなわち、供給側において潤滑剤を常時供
給状態にしたからと言って、必ずしも、必要箇所におい
て潤滑状態が常時維持される(保湿状態になる)という
ものではなかった。そのため、油切れによる焼き付きや
早期磨耗を招来するおそれが多分にあるものであった。
また、そもそも、軸部材に対して軸方向の油孔や径方向
の流出孔を設ける給油構造では、この油孔として径小な
ものを形成することが加工技術上困難であるということ
があった。このことは、軸長さや径方向長さが長くなれ
ばなるほど、一層、困難になる。
【0009】そこで、軸方向油孔、径方向流出孔を径大
なものとするしかなくなるが、このようにすると、高圧
による給油圧によらなければ軸長手方向に亘っての潤滑
剤の供給が困難で油切れが多発することとなり、結果と
して焼きつきに至るということがあった。また、高圧の
給油圧で供給するには給油装置の大型化等を招来するた
め、このような手段は容易には採用し難いものであっ
た。
【0010】一方、個々の軸受部材へ油孔を設けるよう
にした場合、定期的な潤滑剤の補給が必要となり、その
たびに機械の停止が必要となるため、機械側での稼働効
率が低くなると共に、作業が面倒になるということがあ
った。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであっ
て、潤滑状態の常時維持が確実に得られるものとして、
焼き付きや早期磨耗等を防止できるようにすると共に、
機械側での稼働効率の低下や作業の面倒化等を伴うこと
がないようにできる、摺動面の潤滑構造を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る摺動面の潤滑構造では、面対偶で摺動自在に当
接する一対の摺動面のうち少なくとも一方に潤滑剤の流
出部が設けられていると共に、この流出部まわりに、当
該流出部から流出した潤滑剤を他方の摺動面との間で滞
留させる保湿部が設けられている。
【0012】この保湿部は、流出部の開口部に対応して
凹設された潤滑剤溜まり部として形成したり、多数の細
凹部が集合した粗面として形成したり、流出部と交差す
る方向に設けた細溝により形成したりするものである。
このような構成であれば、流出部を介して摺動面相互間
に供給された潤滑剤は、保湿部において暫時的に滞留さ
れることになる。従って、焼き付きや早期磨耗等を防止
できることになる。
【0013】なお、流出部が設けられた摺動面ではない
方の摺動面に対して、上記保湿部を設けることも可能で
ある。保湿部が設けられた方の摺動面には、摺動方向に
おいて保湿部の形成領域が途切れる位置に、相手側の摺
動面に対して水密当接可能となるブレード部を設けてお
くのが好適である。このブレード部を設けることで、保
湿部の形成領域を有限(例えば高面圧の作用する領域だ
けとする)のものとして、その領域から領域外へ向けて
の潤滑剤の漏れを防止できるようになる。
【0014】上記した本発明に係る摺動面の潤滑構造
は、言うまでもなく、流出部を有する摺動面が軸型本体
部において形成され、他方の摺動面がこの軸形状に外嵌
可能な軸受型本体部において形成されている場合に、採
用することができる。この場合にあって、流出部は、軸
型本体部の軸方向に沿って形成される潤滑剤供給孔と、
この潤滑剤供給孔に軸方向に沿って挿入保持される第1
ガイドと、軸型本体部の外面から上記潤滑剤供給孔を横
断連通するかたちで形成されるスリット状の切欠と、こ
の切欠内で上記第1ガイドに係合しつつ切欠の横断方向
両側へ貫通状に保持される第2ガイドと、上記切欠内に
おける第2ガイド以外の不要部分に嵌合されるパッド部
材とにより、潤滑剤供給孔から切欠内面と第2ガイドの
外面との間で形成される隙間を介して形成すればよい。
【0015】また、流出部は、上記とは別の構成とし
て、軸型本体部の摺動面に軸方向に沿って形成される潤
滑剤供給溝と、この潤滑剤供給溝の溝開口部を閉塞して
溝底側に流路を形成させる蓋部材と、この蓋部材におけ
る軸方向の必要箇所で溝深さ方向に貫通する連通孔とに
より、潤滑剤供給溝内の流路から連通孔を介して形成す
ればよい。
【0016】これらの構成を採用することで、軸型本体
部における軸方向複数箇所に、互いに所定間隔で流出部
を設けることが簡単にでき、従って、これら複数の流出
部に対応させて複数の軸受型本体部を設けることができ
る。すなわち、例えば、織機において用いられる開口駆
動装置の各種伝動手段に好適に採用することができる。
【0017】これらの構成では、軸型本体部に対する潤
滑剤供給孔や潤滑剤供給溝の形成をある程度、ラフに行
える利点があるばかりでなく、切欠内面とこれに嵌める
第2ガイドの外面との間で形成する微小な隙間を流出部
としたり、蓋部材(例えば樹脂や軟質金属等の加工し易
い材料製とすればよい)に設ける微小孔を流出部とした
りできるため、潤滑剤の供給自体、確実なものにでき
る。
【0018】また、本発明に係る摺動面の潤滑構造は、
軸型本体部と、該軸型本体部に外嵌された軸受型本体部
との間の摺動面の潤滑構造であって、軸型本体部側の摺
動面に潤滑剤の流出部が形成されているものにおいて、
前記流出部は、軸型本体部の摺動面に軸方向に沿って形
成される潤滑剤供給溝と、該潤滑剤供給溝の溝開口部を
閉塞して溝底側に流路を形成させる蓋部材と、該蓋部材
における軸方向の必要箇所で溝深さ方向に貫通する連通
孔とにより、潤滑剤供給溝内の流路から連通孔を介して
形成されることを特徴とするものである。
【0019】このような構造を採ることにより、軸型本
体部に対する潤滑剤供給溝の形成をある程度ラフに行え
る利点があるばかりでなく、潤滑剤供給溝と蓋部材との
間に形成される流路を容易に小さく形成することがで
き、また、蓋部材に対しても材質を例えば樹脂や軟質金
属等の加工のしやすい材料製とすれば、該蓋部材に形成
する連通孔を微小孔に形成することが容易となる。すな
わち、小径の流出部の加工が容易に行なえるようになっ
て、高圧による送油を必要とせず軸型本体部の軸方向に
亘る給油が行なえ、油切れによる焼きつき等が確実に防
止できるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図9は、本発明に係る摺
動面の潤滑構造における第1実施形態を示している。こ
の第1実施形態は、織機において用いられる開口駆動装
置の消極式伝動手段(いずれも図示略)のうち、滑車の
軸受部分に適用したもので、滑車を軸受型本体部2と
し、これに挿通される軸を軸型本体部3としている。
【0021】従って、軸受型本体部2と軸型本体部3と
の間において、互いに面対偶で当接しつつ相対回動自在
に摺動するようになる一対の摺動面2a,3aの相互間
に対し、潤滑剤(例えばグリス等)を供給させるように
するものである。すなわち、軸型本体部3には、その内
部(軸心部)を介して摺動面3a(軸外面)へ潤滑剤を
送給するための流出部4が設けられており、且つ、この
流出部4まわりに対して、流出した潤滑剤を軸受型本体
部2の摺動面2aとの間で暫時的に滞留させるための保
湿部5が設けられている。
【0022】なお、図1に示すように、本第1実施形態
では、1本の軸型本体部3に対して複数の軸受型本体部
2が串刺し状に挿通され、互いに連接されたものとなっ
ている。従って、図3及び図6に示すように、軸型本体
部3において、流出部4も個々の軸受型本体部2に1対
1対応で合致するように複数設けられていることにな
る。
【0023】また、この第1実施形態において、上記保
湿部5には第1の保湿部と第2の保湿部との二種類があ
り、それぞれ、一つの流出部4ごとに双方が併設されて
いるものであるが、このうち、まず第1の保湿部5につ
いて説明する。この第1の保湿部5は、図3及び図6に
示すように、軸型本体部3の軸方向では、各流出部4の
両側を挟む配置とされ、また軸型本体部3の周方向で
は、所定範囲にわたったもの(後述する流出部4の開口
形状に合わせてある)となっている。また、各配置部に
おいて更に詳説すれば、図7及び図8に示すように、多
数の細凹部6を集合させて、軸型本体部3の摺動面3a
の一部領域を粗面状にしたものとなっており、これら各
細凹部6によって潤滑剤の滞留を可能にしている。
【0024】なお、軸型本体部3の軸方向に隣接する流
出部4の相互間では、保湿部5の設けられていない領域
7が確保されるようになっており、この領域7(軸受型
本体部2の隣接間)で、潤滑剤の漏出が起こらないよう
にしている。保湿部5を構成している各細凹部6は、放
電加工又は電界腐食加工、又はローラ押しやプレス、シ
ョットブラスト等の機械加工等によって形成させたもの
であって、その加工方法によって、凹凸(特に凹側)の
大きさや形状、及び隣接するものとの相互間隔等が自ず
と決定されることになる。従って、図例では各独立した
半球状のものを示しているが、これに限定されるもので
はない。
【0025】なお、図7及び図8に示すように、保湿部
5の形成部位における周面5aを、他の軸型本体部3の
周面3aよりも僅かに径小に形成し、軸受型本体部2の
摺動面2aとの間に極微な隙間を生じさせるのが好まし
く、この場合、前記隙間によって前記流出部4からの潤
滑剤を確実に各細凹部6に行き渡らせることが可能とな
り保湿部5としての機能を向上することができるのであ
る。
【0026】第2の保湿部5については後述する。一
方、軸型本体部3において、流出部4は次のようにして
形成されている。すなわち、図3乃至図6に示すよう
に、軸型本体部3には、その軸心位置から偏心した位置
で軸方向に沿って潤滑剤供給孔10が設けられている。
また、軸外面側における軸受型本体部2の複数の装着位
置に対し、軸方向と直交するスリット状の切欠11が形
成されている。
【0027】潤滑剤供給孔10は、軸型本体部3の全長
にわたって貫通しており、その両端開口部のうち少なく
とも一方にはニップル(図示略)が設けられ、また他方
側には必要に応じて盲栓12(図1参照)が設けられ
る。これに対し、各切欠11は、潤滑剤供給孔10を横
断するかたちで、この潤滑剤供給孔10内と内部連通し
たものとされている。
【0028】そして、潤滑剤供給孔10には、その軸方
向に沿って棒状をした第1ガイド15が挿入保持されて
いる。また切欠11には、第1ガイド15に係合しつつ
切欠11の横断方向両側へ貫通するようにして第2ガイ
ド16が設けられていると共に、この切欠11内におけ
る第2ガイド16以外の不要部分を詰めるようにしてパ
ッド部材17が嵌め入れられている。
【0029】第1ガイド15は、樹脂やゴム、又は適宜
金属材等によって形成することができ、なかでも一般に
オイルシールの素材として用いられる軟質材料によって
形成するのが好適である。この第1ガイド15の断面形
状は、長方形の一端側を半円形としたものとされてお
り、半円形断面の端部側を潤滑剤供給孔10の径方向内
方へ向けるようにして配置される。この第1ガイド15
は、潤滑剤供給孔10の内径よりも細いので、潤滑剤供
給孔10内には、その内周面と第1ガイド15の外面と
の間に隙間19が形成され、この隙間19で潤滑剤の送
給が行われることになる。
【0030】これに対し、第2ガイド16は、切欠11
の溝幅を直径とする断面円形の針金材を所定形状に折り
曲げることで形成されたもので、その折曲形状は、第1
ガイド15における半円形断面の端部に沿ってU曲げさ
れた係止部16aと、この係止部16aから相反する両
側へ折曲された主軸部16bと、これら両主軸部16b
の両端部分で軸型本体部3の外面側へ向けて折曲された
返し部16cとを有したものとなっている。
【0031】このうち係止部16aは、切欠11内から
潤滑剤供給孔10内へ向けてその連通部分へ差込可能と
され、且つ潤滑剤供給孔10内で第1ガイド15を挿通
可能となっており、このとき両側の主軸部16bは、切
欠11の溝底側に係合する状態となる。また、両返し部
16cは、その相互間でパッド部材17を抱き込んで位
置決めできるようになっている。
【0032】パッド部材17は、ゴムやプラスチック又
は、適宜金属材等より形成されている。このパッド部材
17は、切欠11内へ嵌め入れられた状態で、その外面
17aが軸型本体部3の摺動面3a(軸外面)と面一に
なるように形成してもよいが、図示したように摺動面3
aまでに満たないように形成することで、ここに凹部状
の潤滑剤溜まり部20を形成させることができる。
【0033】すなわち、この潤滑剤溜まり部20が、前
記した第2の保湿部5を形成するものとなる。軸型本体
部3に対するパッド部材17の固定方法は、無理嵌めや
接着等、適宜である。本第1実施形態では、図8に示す
ように切欠11へパッド部材17を嵌め込んだ後に、切
欠11の開口縁部をカシメによって面取り状に潰し、パ
ッド部材17の外面17a上へ向けた張り出し部21を
形成させることにより、このパッド部材17の固定を行
っている。
【0034】このようなことから明らかなように、軸型
本体部3の切欠11に対して第2ガイド16を、その係
止部16bが先となるように嵌め入れたうえで、潤滑剤
供給孔10の一端側から第1ガイド15を挿入して、順
々に、各第2ガイド16の係止部16aへ挿通させ、そ
の後、各切欠11に対し、第2ガイド16の両返し部1
6cをガイドとしてパッド部材17を嵌め込んで、これ
を適宜方法で固定してゆく。
【0035】これにより、切欠11内から第2ガイド1
6が外れたり、潤滑剤供給孔10から第1ガイド15が
抜けたりすることがなく、これらがガタツキのない状態
で所定に位置決めされることになる。その結果、切欠1
1がその溝底側を角形としているのに対して第2ガイド
16(主軸部16b)が断面円形とされ、またこの第2
ガイド16以外の切欠11内がパッド部材17により閉
塞されていることにより、図5に示したように、切欠1
1の内面と第2ガイド16の外面との間(四隅部)で隙
間23が形成されることになり、潤滑剤供給孔10から
この隙間23を経由するかたちで、流出部4が形成され
ているものである。
【0036】また、このときパッド部材17の外面17
aに沿って形成される潤滑剤溜まり部20、即ち、第2
の保湿部5は、流出部4を、軸型本体部3の摺動面3a
(外面)でその周方向に長い開口部とさせるためにも役
立っている。なお、軸型本体部3の直径にもよるが、例
えば上記潤滑剤供給孔10は内径を8mm等の太径にす
ればよいし、切欠11は溝幅を1.5mm(プラス公
差)程度として、第2ガイド16に同径(マイナス公
差)のものを用いればよく、いずれも加工や組み立て等
を容易にできるものである。
【0037】このようにして構成される本発明の潤滑構
造において、潤滑剤供給孔10に対してニップル(図示
略)が設けられた側から潤滑剤を供給すると、この潤滑
剤は、第1ガイド15から第2ガイド16の外面に沿っ
たかたちで軸型本体部3の流出部4からその軸外面側、
即ち、摺動面3aへと流出するようになる。そして、潤
滑剤は、流出部4から流出した時点で、第2の保湿部5
(潤滑剤溜まり部20)を満たして滞留状態をつくり、
そのうえで、なお且つ、軸受型本体部2の摺動面2aと
のすり合わせにおいて、流出部4まわりの細凹部6群と
しての第1の保湿部5へと浸透してゆき、ここでも暫時
的な滞留状態をつくるものとなる。
【0038】従って、その後、潤滑剤供給孔10への潤
滑剤の供給を継続する限りにおいて、軸受型本体部2の
摺動面2aと軸型本体部3の摺動面3aとの両者間で、
常時、保湿状態が維持されることになる。そのため、織
機の滑車のように一定角度範囲において、高速・高面圧
で繰り返し回動動作をするものにおいては、特に、顕著
な潤滑効果が得られるものとなる。
【0039】なお、この第1実施形態では、軸型本体部
3に装着される複数の軸受型本体部2が、それぞれに巻
き掛けられるワイヤ25(図2参照)の接続先配置の違
い等に起因して、軸型本体部3に対する取付角度を別々
に調節する必要がある。そこで、軸受型本体部2には目
印用の突起26を設け、また軸型本体部3には、その一
端部に工具27用の工具係合部28を設けて、その調節
作業の容易化を図ってある。特に、この工具係合部28
は、軸型本体部3において流出部4の方向性を知るうえ
でも有益なものとなっている。
【0040】また、軸受型本体部2には、ワイヤ25に
取り付けたワイヤ止め具29の係合部30を設けてあ
り、軸型本体部3に生じる瞬間的、衝撃的な反転回動力
を原因として軸受型本体部2とワイヤ25との間で滑り
が生じないようにして、ワイヤ25の保護を図ってあ
る。ところで、軸型本体部3と軸受型本体部2とが相対
回動する動作範囲は、調節により、又は開口駆動装置
(図示略)としての機種に応じて、当然に、広い場合や
狭い場合等があり得る。
【0041】そこで、相対回動の動作範囲が広い場合で
は、図10に示すように、軸型本体部3に設ける流出部
4において、第2ガイド16の主軸部16bを真っ直ぐ
のまま形成させる(即ち、返し部16cを設けないもの
とする)ものとし、これによって潤滑剤の供給方向を、
主軸部16bに沿って意図的に相反する方向へ指向させ
るようにすればよい。
【0042】また、図示は省略するが、図10に示す両
側の主軸部16bを左方及び右方の斜め下方へ折り曲げ
ると共に、軸型本体部3に設ける切欠11についても、
溝底を主軸部16bの折曲角度に合わせた「へ」字状の
山形傾斜面に形成させるようにしてもよい。また、これ
らとは反対に、相対回動の動作範囲が狭い場合や、摺動
面間に作用する面圧が高面圧になる場合、或いは相対回
動が高速で行われる場合等には、図11及び図12に示
すように、軸型本体部3に設ける流出部4において、第
2ガイド16の両側の主軸部16bを、図11における
左方及び右方の斜め上方へ向けて傾斜させるようにして
もよい。勿論、軸型本体部3に設ける切欠11について
も、溝底を主軸部16bに合わせた凹形状に形成させる
ものとする。
【0043】特に、この場合、図示したように第2ガイ
ド16の主軸部16b及び切欠11の溝底に対して湾曲
を持たせると、第2ガイド16に対して、主軸部16b
の先端から軸型本体部3の中心へ向かうように作用する
圧縮力(この圧縮力は、軸型本体部3と軸受型本体部2
との相対回動に伴って生ずる)が、主軸部16bの先端
から係止部16aへ向けた方角に近似するようになる。
【0044】そのため、図4や図10に示したように両
主軸部16bを一軸状にした場合に比べ、主軸部16b
に生じる撓みを小さく抑えることができ、その結果、第
2ガイド16としての耐久性を高めることに繋がる。な
お、図11及び図12に示した第2ガイド16では、主
軸部16bの先端部に、やはり返し部16cを設けない
ものとし、その代わり、第2ガイド16をニトリルゴム
等の軟質で且つ弾性を有する材質としたうえで、主軸部
16bに、圧縮力を吸収可能な緩衝部32を設け、更
に、両側の主軸部16bの先端から軸型本体部3の軸方
向両側に向けて棒状に突出するブレード部33を設ける
のが好適となる。
【0045】このブレード部33は、軸型本体部3の摺
動面3aから少し突出した状態でセットされ、軸受型本
体部2の摺動面2aに対して水密的に当接するようにし
ておく。軸型本体部3の摺動面3aに対して、ブレード
部33の位置ズレを防止できるような浅い溝(図示略)
を形成させておいてもよい。このような構造にすること
で、保湿部5(細凹部6群とした方)の形成領域を、軸
型本体部3と軸受型本体部2とが相対回動する動作方向
(両摺動面間の摺動方向)において有限のものとして、
その領域から領域外へ向けての潤滑剤の漏れを防止でき
るようになる。
【0046】軸型本体部3と軸受型本体部2とが、連続
的な相対回転をするような場合では、軸型本体部3の全
周面において高速且つ高面圧が作用することになり、従
って、この全周面的に潤滑状態の常時維持を図るのが好
適となるので、図13に示すように、軸型本体部3の同
一断面上に、複数(図例では4箇所)の流出部4を設け
ればよい。勿論、これら各流出部4に対して、上記した
ような各種保湿部5を設けるようにする。
【0047】この場合、軸型本体部3として、その周方
向で互いに隣接する切欠11が相互干渉しない程度に、
十分な直径を持たせられるときはよいが、それより径小
化せざるを得ないときには、流出部4を対向する2箇所
等として、その配置を軸方向でずらせばよい。また、軸
型本体部3の同一断面上に1つの流出部4を設けた上記
実施形態の場合(図1等)に、第1保湿部5(細凹部
6)を流出部4の開口に合わせた周方向所定範囲だけで
なく、軸型本体部3の全周に亘って形成することも可能
である。このようにすることで、軸型本体部3と軸受型
本体部2との間で連続的な相対回転をする場合の全周面
における潤滑状態の維持が図られるのは勿論のこと、一
定角度範囲において繰り返し回動動作をするものであっ
て高面圧部位が周方向に変化する場合等にも、該部位に
対して潤滑状態の維持が好適に図られるのである。
【0048】図14乃至図16は、本発明に係る潤滑構
造における第2実施形態を示している。この第2実施形
態では、主として、軸型本体部3に対する流出部4の設
け方に第1実施形態との違いがある。すなわち、軸型本
体部3には、その外面で軸方向に沿って開口する潤滑剤
供給溝37が形成されており、この潤滑剤供給溝37に
は、蓋部材38が嵌め付けられて溝開口部が閉塞されて
いる。
【0049】この蓋部材38は、樹脂やゴム、或いは適
宜金属材によって形成されたものであって、その裏面側
には長手方向に連通する横溝38aが形成されており、
蓋部材38の裏面を蓋部材38の底面に当接することに
より該底面と横溝38aとの間に流路41が形成される
こととなっている。また、蓋部材38には、軸型本体部
3の軸方向で互いに所定間隔をおいて潤滑剤供給溝37
の溝深さ方向に貫通する連通孔43が設けられており、
この連通孔43の下端は前記流路41に連通している。
なお、連通孔43において、蓋部材38の外側面に向く
開口部や、流路41に連通する開口部は、外側寄りほど
径大化するテーパー孔とされている。
【0050】これに対し、軸型本体部3には、その軸方
向両端部から所定長さの軸孔46が設けられており、こ
れら軸孔46と潤滑剤供給溝37内とが、枝通路47を
介して連通されている。このようなことから、この第2
実施形態では、軸孔46、枝通路47、潤滑剤供給溝3
7(流路41)を介し、更に、各連通孔43を介するか
たちで、複数の流出部4が形成されているのである。
【0051】上記蓋部材38には、その外面側に溝状の
潤滑剤溜まり部20を形成させてこれを第2保湿部5と
しており、また、図示は省略するが、軸型本体部3に対
して、流出部4のまわりに細凹部6による第1保湿部5
(図7等参照)を設けてもよい。特に、蓋部材38に潤
滑剤溜まり部20を設ける場合には、軸型本体部3に対
して複数装着する各軸受型本体部2の隣接間で潤滑剤の
漏出がないように、蓋部材38の外面部分を含め、軸型
本体部3の外周まわりにOリング等の漏洩防止材49を
設けるのが好ましい。
【0052】蓋部材38の潤滑剤溜まり部20における
長手方向に沿った両側位置には、断面半円形をなすブレ
ード部33が一体的に設けられており、該ブレード部3
3は軸型本体部3の摺動面3aから少し突出した状態と
され、軸受型本体部2の摺動面2aに対して水密的に当
接するようになっている。このブレード部33により潤
滑剤溜まり部20(第2保湿部5)からの潤滑剤の洩れ
を防止できるとともに、一対のブレード部33間にも潤
滑剤の保湿部が形成されることとなる。また、ブレード
部33を軸受型本体部2の摺動面2aによって外周側か
ら押さえつけることにより、蓋部材38が幅方向に広が
って潤滑剤供給溝37に圧接し、両者の間からの潤滑剤
の漏出が防止されるのである。
【0053】なお、このブレード部33を形成する場合
は、蓋部材38の材質をニトリルゴム等の軟質で且つ弾
性を有する材料で形成するのが好ましい。このような第
2実施形態では、第1実施形態とは異なり、軸型本体部
3の全長にわたって潤滑剤供給孔10を形成させる必要
がなく、これに代えて両端の短い軸孔46と枝通路47
と潤滑剤供給溝37とを設ければよいため、軸型本体部
3の軸長が長い場合等において好適に採用できるもので
ある。
【0054】また、軸型本体部3に対して比較的ラフな
加工で潤滑剤供給溝37を形成することを可能としなが
ら、潤滑剤供給溝37と蓋部材38との間に形成される
流路41を容易に小さく形成することができ、また蓋部
材38に対しても、その材質を樹脂や軟質金属等の加工
しやすい材料にて形成すれば、連通孔43を微小孔に容
易に形成できるようになる。
【0055】すなわち、微小な流出部4の加工が容易に
行うことができるようになって、高圧による送油を必要
とせずとも軸型本体部3の軸方向に亘る給油が可能とな
り、油切れによる焼きつき等が防止できるのである。図
17〜図19は本発明にかかる潤滑構造における第3の
実施形態を示している。
【0056】この第3実施形態も、上記第2実施形態と
同様に、軸型本体部3に対して潤滑剤供給溝37を設
け、この潤滑剤供給溝37に蓋部材38を嵌め付けたも
のである。但し、蓋部材38の裏面側には、軸型本体部
3の軸方向で互いに所定間隔をおいて円柱状をした脚部
40が突設されており、この脚部40形成部位に対して
潤滑剤供給溝37の深さ方向に貫通する連通孔43が設
けられている。
【0057】一方、潤滑剤供給溝37は、軸型本体部3
の軸方向に貫通する主孔37aと、蓋部材38の上部側
が嵌合する主溝37bと、前記脚部40の対応箇所に、
主孔37aから主溝37bに向けて径方向に貫通する枝
孔37cとによって構成されており、前記主溝37bに
蓋部材38の上部側を嵌め付けるとともに、脚部40を
枝孔37cに嵌め付け、該脚部40の下端部が主孔37
aの周面に至るようになっている。
【0058】したがって、本実施形態では、潤滑剤供給
溝37を閉鎖する蓋部材38の裏面側、すなわち主孔3
7aに流路41が形成されることとなる。なお、図例で
は、軸型本体部3に対し、軸方向に長い軸受型本体部2
を外嵌装着しており、第2実施形態に示した漏洩防止材
49を設けないものとしている。すなわち、全ての連通
孔43によって(潤滑剤溜まり部20の全体として)一
つの流出部4を構成させるようにしている。
【0059】但し、本実施形態においても、複数の軸受
型本体部2を装着するために漏洩防止材49を設けても
よいし、逆に第2実施形態において、軸型本体部3に対
し、軸方向に長い軸受型本体部2を外嵌装着する場合は
漏洩防止材49を省略できる。また、第2、第3実施形
態において、軸方向に長い軸受型本体部2を装着する場
合は、少なくとも1つの連通孔43を備えればよいもの
となる。
【0060】第3実施形態においては、脚部40を主溝
37bの範囲で軸方向に長く形成したもの(複数の脚部
40を軸方向に連続して繋げたかたち)とすることがで
きる。この場合、枝孔37cも脚部40に合わせて軸方
向に長く形成すればよく(なお、枝孔37cを軸全長に
わたらせずに両端部等において周壁を残すのが好適であ
る)、これによって軸長手方向に亘る溝深さが軸型本体
部3の半径を超えた非常に深いものとすることができ
る。
【0061】そのため、蓋部材38において全体的にそ
の肉厚寸法を大きくでき、その分、蓋部材38の外面側
に設ける潤滑剤溜まり部20も深く形成できることにな
っている。すなわち、この潤滑剤溜まり部20において
滞留させる潤滑剤の量を増量できるということになる。
上記第2、第3実施形態の構造は、蓋部材38の複数使
用化として敷衍させることができる(図20に代表とし
て第3実施形態の変形例を示す)。
【0062】この場合、2本の蓋部材38を使用すると
きに限定して更に付言すると、各蓋部材38において互
いに遠い方に位置するブレード部33だけを設けるよう
にすることで、各蓋部材38の潤滑剤溜まり部20で個
別的に保湿部5を形成させるだけでなく、両側のブレー
ド部33の相互間に亘る全体として、幅広い保湿部5を
形成することが可能となる。
【0063】図21〜図23は、本発明の第4の実施形
態を示すものであり、本実施形態においても軸型本体部
3に形成した潤滑剤供給溝37に対して蓋部材38を嵌
め付ける点で上記第2、第3実施形態と同様である。本
実施形態では、蓋部材38の裏面側に、軸型本体部3の
軸方向で互いに所定間隔をおいて円柱状をした脚部40
を設けた点で第3実施形態と同構成であり、軸型本体部
3に、その軸方向両端部から所定長さの軸孔46が設け
られ、これら軸孔46と潤滑剤供給溝37内とが枝通路
47を介して連通されている点で第2実施形態と構成を
同じとしている。
【0064】但し、前記脚部40の裏面側が潤滑剤供給
溝37の底面に当接しており、この底面と蓋部材38に
よって囲まれた部分が流路41となっている。また、連
通孔43は脚部40の下端部に形成した横口44を介し
て流路41と連通するようになっている。このようなこ
とから、この第4実施形態では、軸孔46、枝通路4
7、潤滑剤供給溝37(流路41)を介し、更に、各脚
部40の横口44及び連通孔43を介するかたちで、複
数の流出部4が形成されているものである。
【0065】なお、連通孔43は、脚部40の内部に形
成することが限定されるものではなく、脚部40と脚部
40との間に設けてもよい。この場合は、横口44等を
不要化できることは言うまでもない。また、蓋部材38
に脚部40を設けずに、軸型本体部3に設ける潤滑剤供
給溝37として、蓋部材38を所定高さで保持可能にす
る段付き構造にしておくことも可能である。
【0066】なお、本実施形態において、蓋部材38の
幅方向両端に下方へ突出する支持脚50を備え、該支持
脚50は軸型本体部3に軸受型本体部2を取り付けてい
ない状態で潤滑剤供給溝37の溝底から隙間zをもって
若干浮いた状態とされている。また、蓋部材38の上面
には潤滑剤溜まり部20が形成され、この潤滑剤溜まり
部20の両側には、軸型本体部3の摺動面3aから若干
突出するブレード部33が形成されている。
【0067】そして、軸型本体部3の摺動面3aに軸受
型本体部2を外嵌すると、ブレード部33が軸受型本体
部2の摺動面2aにより水密的に押さえつけられ、蓋部
材38の幅方向中央部が脚部40によって支持されてい
ることから両端側が下方に撓み、これによって支持脚5
0が潤滑剤供給溝37の溝底に当接して蓋部材38の幅
方向両端を支持できるようになっている。
【0068】図24は、本発明に係る潤滑構造における
第5実施形態を示している。この第5実施形態は、軸型
本体部3の摺動面3aに、上記第1乃至第3実施形態で
説明したような各種流出部4(図例は第1実施形態のも
のとしている)が設けられているものとして、これの相
手側となる軸受型本体部2の摺動面2aにも、保湿部5
を設けたものとしてある。
【0069】この第4実施形態の軸受型本体部2は、軸
型本体部3の軸方向に長く形成されたもので、その摺動
面2aは円筒内面状に形成され、両端部にはオイルシー
ル51が設けられている。これに対し、保湿部5は、摺
動面2aの軸方向に沿って螺旋形を描く細溝52として
形成されている。従って、軸型本体部3と軸受型本体部
2とが相対的に回動乃至回転又は揺動したときには、流
出部4に対してこの細溝52の一部が必ず交差した状態
となる。そのため、流出部4から流出した潤滑剤は、こ
の細溝52としての保湿部5に流入して滞留状態とさ
れ、軸型本体部3の全周面、即ち、摺動面2aと3aと
の当接域全面にゆきわたるようになる。
【0070】図25は、軸受型本体部2が揺動レバーと
して形成された場合の一例を示したもので、これは、織
機において用いられる開口駆動装置で言えば、積極式伝
動手段(いずれも図示略)等である場合に相当する。従
って、この軸受型本体部2において、上方へ突出するア
ーム部分55には開口駆動装置の押引リンク56が接続
され、側方へ突出するアーム部分57には綜絖枠(図示
略)との連接ロッド58が接続され、下方へ突出するア
ーム部分59には横並び状に設けられる他の軸受型本体
部2との連接ロッド60が接続されることになる。
【0071】このような軸受型本体部2では、揺動の支
点となる主軸61を軸型本体部3とする場合をはじめと
して、連接ロッド58や60との接続に用いられる軸6
2,63を軸型本体部3として、これらの接続部分で本
発明に係る潤滑構造を適用することができる。ところ
で、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではな
い。
【0072】例えば、保湿部5については、第1実施形
態で説明した細凹部6の集合した粗面で形成するもの
や、切欠11とパッド部材17との組み合わせで生じさ
せる潤滑剤溜まり部20によって形成するもの、或いは
第2実施形態や第3実施形態で説明した蓋部材38に設
けた溝状の潤滑剤溜まり部20によって形成するもの、
更には第4実施形態で説明した細溝52によって形成す
るもの等、その構造や配置、設ける摺動面(軸型本体部
3側とするか軸受型本体部2側とするか)等、何ら限定
されるものではなく、またこれらの単独使用や、複合的
な各種組み合わせ使用等、実施の態様に応じて、適宜、
取捨選択可能なものである。
【0073】摺動面3a,2aは、軸型本体部3や軸受
型本体部2に対して設けられていることが限定されるも
のではなく、例えば直線型の摺動をする部材相互や、面
中心を軸に回転する部材相互等において設けられたもの
とすることができる。摺動面3a,2aの双方に保湿部
5を設けることの他、摺動面3a,2aの双方に流出部
4を設けるようにすることも可能である。
【0074】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る摺動面の潤滑構造では、面対偶で摺動自在に当接
する一対の摺動面のうち、少なくとも一方に潤滑剤の流
出部を設け、この流出部まわりや相手側の摺動面に、流
出部から流出した潤滑剤を滞留させるための保湿部を設
けているので、流出部を介して摺動面相互間に供給され
た潤滑剤は、保湿部において暫時的に滞留されることに
なる。
【0075】従って、潤滑状態の常時維持が確実に得ら
れるものとなり、摺動面相互間において焼き付きや早期
磨耗等の発生を防止できるものとなる。また、潤滑剤の
供給のためにいちいち機械側での稼働停止を行う必要が
ないため、稼動効率の低下や作業の面倒化等を伴うこと
もない。保湿部の形成領域に対してこれを有限に規制す
るためのブレード部を設けておけば、不必要な領域に対
する潤滑剤の漏れ出しを阻止でき、潤滑剤の無駄を省け
るという利点に繋がる。
【0076】また、請求項10に係る本発明の摺動面の
潤滑構造では、軸型本体部に対する流出部の加工が容易
に行なえながら、高圧の給油圧を必要とせずに軸方向に
亘って潤滑剤を供給でき、潤滑剤の常時維持が確実に得
られるものとなり、摺動面相互間において焼き付きや早
期磨耗等の発生を防止できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摺動面潤滑構造の第1実施形態を
中間省略して示す正面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】第1実施形態で用いられる軸型本体部の平面拡
大図である。
【図4】図3のB−B線拡大断面図である。
【図5】図4のC−C線拡大断面図である。
【図6】第1実施形態で用いられる軸型本体部の一部を
切断し且つ分解して示す斜視図である。
【図7】第1実施形態において軸型本体部の摺動面に設
けられた保湿部(細凹部群としたもの)を拡大して示す
平面図である。
【図8】図5のD部を更に拡大して示す図である。
【図9】第1実施形態で用いられる軸型本体部の一端部
を示す斜視図である。
【図10】第1実施形態において図4に示したのとは形
状の異なる第2ガイドを用いた例について図4と比較し
易く描いた図である。
【図11】第2ガイドとして更に別形状のものを用いる
と共にこれに合わせて軸型本体部に設ける切欠も形状を
異ならせた場合の例について図4と比較し易く描いた図
である。
【図12】図11に示した第2ガイドの斜視図である。
【図13】軸型本体部に対して流出部を複数設ける場合
の例を示した断面図である。
【図14】本発明に係る摺動面潤滑構造の第2実施形態
を示す正面断面図である。
【図15】図14のE−E線拡大断面図である。
【図16】第2実施形態で用いられる蓋部材を示す断面
斜視図である。
【図17】本発明に係る摺動面潤滑構造の第3実施形態
を示す正面断面図である。
【図18】図17のF−F線拡大断面図である。
【図19】第3実施形態で用いられる蓋部材を示す断面
斜視図である。
【図20】第3実施形態において蓋部材を複数用いる場
合の例について図18と比較し易く描いた図である。
【図21】本発明に係る摺動面潤滑構造の第4実施形態
を示す正面断面図である。
【図22】(a)は図21のG−G線拡大断面図、
(b)は(a)の要部拡大図である。
【図23】第4実施形態で用いられる蓋部材を示す断面
斜視図である。
【図24】本発明に係る潤滑剤保湿構造の第5実施形態
を示す一部破砕平面図である。
【図25】本発明に係る潤滑剤保湿構造を適用可能な軸
型本体部と軸受型本体部との組み合わせ例を示した側面
図である。
【符号の説明】
2 軸受型本体部 2a 摺動面 3 軸型本体部 3a 摺動面 4 流出部 5 保湿部 6 細凹部 10 潤滑剤供給孔 11 切欠 15 第1ガイド 16 第2ガイド 17 パッド部材 19 隙間 20 潤滑剤溜まり部 23 隙間 32 緩衝部 33 ブレード部 37 潤滑剤供給溝 38 蓋部材 41 流路 43 連通孔 52 細溝

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面対偶で摺動自在に当接する一対の摺動
    面(2a,3a)のうち少なくとも一方に潤滑剤の流出
    部(4)が設けられていると共に、該流出部(4)まわ
    りに当該流出部(4)から流出した潤滑剤を他方の摺動
    面との間で滞留させる保湿部(5)が設けられているこ
    とを特徴とする摺動面の潤滑構造。
  2. 【請求項2】 面対偶で摺動自在に当接する一対の摺動
    面(2a,3a)のうち少なくとも一方に潤滑剤の流出
    部(4)が設けられ、他方の摺動面には、上記流出部
    (4)から流出した潤滑剤を該流出部(4)側の摺動面
    との間で滞留させる保湿部(5)が設けられていること
    を特徴とする摺動面の潤滑構造。
  3. 【請求項3】 前記保湿部(5)は、流出部(4)の開
    口部に対応して凹設された潤滑剤溜まり部(20)とし
    て形成されていることを特徴とする請求項1記載の摺動
    面の潤滑構造。
  4. 【請求項4】 前記保湿部(5)は、多数の細凹部
    (6)が集合した粗面として形成されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の摺動面の潤滑構造。
  5. 【請求項5】 前記保湿部(5)は、流出部(4)と交
    差する方向に設けられた細溝(52)により形成されて
    いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の摺動
    面の潤滑構造。
  6. 【請求項6】 前記保湿部(5)が設けられた方の摺動
    面には、摺動方向において保湿部(5)の形成領域が途
    切れる位置に、相手側の摺動面に対して水密当接可能な
    ブレード部(33)が設けられていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の摺動面の潤滑
    構造。
  7. 【請求項7】 前記流出部(4)を有する摺動面(3
    a)が軸型本体部(3)において形成され、他方の摺動
    面(2a)がこの軸形状に外嵌可能な軸受型本体部
    (2)において形成されているものにおいて、 前記流出部(4)は、軸型本体部(3)の軸方向に沿っ
    て形成される潤滑剤供給孔(10)と、該潤滑剤供給孔
    (10)に軸方向に沿って挿入保持される第1ガイド
    (15)と、軸型本体部(3)の摺動面(3a)から上
    記潤滑剤供給孔(10)を横断連通するかたちで形成さ
    れるスリット状の切欠(11)と、該切欠(11)内で
    上記第1ガイド(15)に係合しつつ切欠(11)の横
    断方向両側へ貫通状に保持される第2ガイド(16)
    と、上記切欠(11)内における第2ガイド(16)以
    外の不要部分に嵌合されるパッド部材(17)とによ
    り、 潤滑剤供給孔(10)から切欠(11)内面と第2ガイ
    ド(16)の外面との間で形成される隙間(23)を介
    して形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6
    のいずれかに記載の摺動面の潤滑構造。
  8. 【請求項8】 前記流出部(4)を有する摺動面(3
    a)が軸型本体部(3)において形成され、他方の摺動
    面(2a)がこの軸形状に外嵌可能な軸受型本体部
    (2)において形成されているものにおいて、 前記流出部(4)は、軸型本体部(3)の摺動面(3
    a)に軸方向に沿って形成される潤滑剤供給溝(37)
    と、該潤滑剤供給溝(37)の溝開口部を閉塞して溝底
    側に流路(41)を形成させる蓋部材(38)と、該蓋
    部材(38)における軸方向の必要箇所で溝深さ方向に
    貫通する連通孔(43)とにより、 潤滑剤供給溝(37)内の流路(41)から連通孔(4
    3)を介して形成されることを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれかに記載の摺動面の潤滑構造。
  9. 【請求項9】 前記軸型本体部(3)には、その軸方向
    に複数の流出部(4)が設けられており、各流出部
    (4)に一対一対応となって複数の軸受型本体部(2)
    が設けられていることを特徴とする請求項7又は請求項
    8記載の摺動面の潤滑構造。
  10. 【請求項10】 軸型本体部(3)と、該軸型本体部
    (3)に外嵌された軸受型本体部(2)との摺動面(2
    a,3a)において、軸型本体部(3)側の摺動面(3
    a)に潤滑剤の流出部(4)が形成されている摺動面の
    潤滑構造であって、 前記流出部(4)は、軸型本体部(3)の摺動面(3
    a)に軸方向に沿って形成される潤滑剤供給溝(37)
    と、該潤滑剤供給溝(37)の溝開口部を閉塞して溝底
    側に流路(41)を形成させる蓋部材(38)と、該蓋
    部材(38)における軸方向の必要箇所で溝深さ方向に
    貫通する連通孔(43)とにより、 潤滑剤供給溝(37)内の流路(41)から連通孔(4
    3)を介して形成されることを特徴とする摺動面の潤滑
    構造。
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