JP2000017207A - インクジェット記録用インク - Google Patents

インクジェット記録用インク

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JP2000017207A
JP2000017207A JP18762098A JP18762098A JP2000017207A JP 2000017207 A JP2000017207 A JP 2000017207A JP 18762098 A JP18762098 A JP 18762098A JP 18762098 A JP18762098 A JP 18762098A JP 2000017207 A JP2000017207 A JP 2000017207A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラープリンターのシアンインクとして使用
されているダイレクトブルー染料インクと同じ色域にあ
る色相を有するインクジェット記録用インクを提供す
る。 【解決手段】 CuKα線によるX線回折パターンに於
いてブラッグ角2θ(±0.2)のピークを6.9゜,
13.8゜,16.3゜,20.8゜,25.2゜及び
27.2゜に有するアルミニウムフタロシアニン顔料、
7.0゜,13.8゜,16.6゜及び26.2゜に有
するアルミニウムフタロシアニン顔料、又は6.9゜,
9.7゜,13.8゜,15.5゜,23.9゜及び2
5.8゜に有するアルミニウムフタロシアニン顔料を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用インクに関し、更に詳しくは、顔料を用いているに
もかかわらずノズルの目詰まりが起こらず、しかも、顔
料を調色することなく得ることができるインクジェット
記録用インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、騒音が小さ
く、しかも高速記録が可能であり、また普通紙に印刷で
きることから極めて有用な記録方式として注目されてい
る。インクジェット記録方式では、ノズルの目詰まりを
防ぐため、染料を着色剤として用いたインクジェット記
録用インクが従来より用いられてきた。しかしながら、
染料インクは耐水性、耐光性に劣るため、にじみや褪色
等の問題があり、近年では顔料を着色剤として用いたイ
ンクジェット記録用インクの開発が盛んに行われてい
る。
【0003】インクジェット記録により得られるカラー
画像は、マゼンタ、イエロー、シアンの3色(又はこれ
らにブラックを加えた4色)のインクを用いて作り出さ
れ、各インクは点で印刷される。印刷された各色の点の
重なった部分では減法混色が行われ、そこから反射され
る色光は加法混色を起こしながら目に入ってくる。この
各色の重なった部分の大小による反射光量の違いにより
豊富な色調が知覚され、カラー画像として認識される。
【0004】減法混色によりカラー画像を形成するに
は、マゼンタ、イエロー、シアンの各色のインクが、純
粋なマゼンタ、イエロー、シアンの色を発現することが
理想である。つまりマゼンタ色のインクは、可視光の内
の500〜600nmの波長の光を全て吸収するととも
にそれ以外の波長の可視光は全て反射し、同様にイエロ
ーでは、500nm以下の波長の可視光を全て吸収する
とともに500nm以上の波長の可視光を全て反射し、
シアンでは600nm以下の波長の可視光を全て反射す
るとともに600nm以上の波長の可視光を全て吸収す
るインクが望ましい。
【0005】しかしながら、実際にはこのようなインク
は存在しないため、各色のインクは理想とする色相との
色相誤差を持つことになる。そのため、カラープリンタ
ーに用いる各色のインクは、数ある染料、(及び顔料)
の中から、より色相誤差の小さいものを選択して着色剤
に用いているのが現状である。また、色相誤差を小さく
するために調色も行われているが、調色をする場合には
彩度が低下するという問題が生じる。また、色相誤差が
多少大きくても、色相誤差による影響(特に色彩再現範
囲を狭めるという影響)を小さくするように各色の組み
合わせを考慮し、着色剤を選択する場合もある。
【0006】銅フタロシアニン顔料は緑色から青色の色
相をもつ顔料であり、耐熱性、耐光性、耐溶剤性が高い
ため、青色系の塗料、インク等の着色剤として幅広く使
用されている。この銅フタロシアニン顔料をインクジェ
ット記録用インクのシアンの着色剤として応用した例
も、数多く報告されている。銅フタロシアニンは、現在
までの研究・開発の結果、種々の結晶形、分子構造等を
有するものが製造されているが、銅フタロシアニンのあ
る結晶形のものの単体、又はある分子構造のものの単体
では得られない色域があることもまた事実である。例え
ば、シアンインクとして多用されている銅フタロシアニ
ン系染料であるダイレクトブルーの持つ黄味の青色の色
相は、銅フタロシアニン顔料が持たない色域にある。従
って、このような色相の銅フタロシアニン顔料を着色剤
として含有するインクジェット記録用インクを用いる
と、これと共に用いられるイエロー及びマゼンタのイン
クの色相によっては、色彩再現範囲が狭くなることがあ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、着色
剤として耐水性、耐光性等の点で優れた顔料を用いたシ
アンのインクジェット記録用インクを提供することであ
り、更に、既にカラープリンターのシアンインクとして
使用されているダイレクトブルー染料インクと同じ色域
にある色相を有するインクジェット記録用インクを提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、CuKα線に
よるX線回折パターンに於いてブラッグ角2θ(±0.
2)=6.9゜,13.8゜,16.3゜,20.8
゜,25.2゜及び27.2゜にピークを有するアルミ
ニウムフタロシアニン顔料を着色剤としてインクジェッ
ト記録用インクに使用すれば、調色することなく、即ち
彩度を損なわずに、ダイレクトブルー染料を用いたイン
クと同じ色域にある色相のインクを得ることができるこ
とを見出したことに基づいて為されたものである。
【0009】また、本発明は、CuKα線によるX線回
折パターンに於いてブラッグ角2θ(±0.2)=7.
0゜,13.8゜,16.6゜及び26.2゜にピーク
を有するアルミニウムフタロシアニン顔料を、着色剤と
してインクジェット記録用インクに使用すれば、調色す
ることなく、即ち彩度を損なわずに、ダイレクトブルー
染料を用いたインクと同じ色域にある色相のインクを得
ることができることを見出したことに基づいて為された
ものである。
【0010】更に、本発明は、CuKα線によるX線回
折パターンに於いてブラッグ角2θ(±0.2)=6.
9゜,9.7゜,13.8゜,15.5゜,23.9゜
及び25.8゜にピークを有するアルミニウムフタロシ
アニン顔料を、着色剤としてインクジェット記録用イン
クに使用すれば、調色することなく、即ち彩度を損なわ
ずに、ダイレクトブルー染料を用いたインクと同じ色域
にある色相のインクを得ることができることを見出した
ことに基づいて為されたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用イ
ンクは、上述のようにCuKα線によるX線回折パター
ンに於いてブラッグ角2θ(±0.2)のピークを、上
記の3つの組の何れかの位置に有するアルミニウムフタ
ロシアニン顔料を着色剤として使用することにより得ら
れる。このようなブラッグ角の条件を満たすアルミニウ
ムフタロシアニンは黄味の強い青色の色調を有してお
り、これを用いてインクジェット記録用インクを調製す
れば、ダイレクトブルー染料インクと同じ色域にある色
相を有するものが得られる。本発明のインクに於けるア
ルミニウムフタロシアニン顔料は、上記の位置にブラッ
グ角2θ(±0.2)のピークを有しているものであれ
ば、どのような製造方法によって製造したものでも使用
することができる。
【0012】上記のブラッグ角2θ(±0.2)=6.
9゜,13.8゜,16.3゜,20.8゜,25.2
゜及び27.2゜にピークを有するアルミニウムフタロ
シアニン顔料を用いたインクジェット記録用インクで
は、用いられる上記アルミニウムフタロシアニン顔料
は、熱重量分析、即ち、熱天秤で毎分10℃で室温から
150℃まで昇温したときの初期重量に対する重量減少
率が5.0±0.5%の範囲のものであることが好まし
い。この熱重量分析から、このアルミニウムフタロシア
ニン顔料は、単量体のアルミニウムフタロシアニンであ
ると考えることができる。つまり、この単量体のアルミ
ニウムフタロシアニンはOH基と1個の配位水を有し、
熱重量分析の際の加熱により、アルミニウムフタロシア
ニンの2分子から水分子が脱離して2量化が起こり、さ
らにこの2量体アルミニウムフタロシアニンから2個の
配位水が脱離した結果、5.0±0.5%の範囲の重量
減少率が測定されるものと考えることができる。この重
量減少率は、理論値とほぼ一致している。
【0013】また、ブラッグ角2θ(±0.2)=7.
0゜,13.8゜,16.6゜及び26.2゜にピーク
を有するアルミニウムフタロシアニン顔料では、用いら
れる上記アルミニウムフタロシアニン顔料は、熱重量分
析、即ち、熱天秤で毎分10℃で室温から150℃まで
昇温したときの初期重量に対する重量減少率が3.5±
0.5%の範囲のものであることが好ましい。この熱重
量分析から、このアルミニウムフタロシアニン顔料は、
単量体のアルミニウムフタロシアニンの2分子から水分
子が脱離して2量化した2量体であると考えられる。つ
まり、この2量体のアルミニウムフタロシアニンは、熱
重量分析の際の加熱により、2個の配位水が脱離した結
果、3.5±0.5%の範囲の重量減少率が測定される
ものと考えることができる。この重量減少率は、理論値
とほぼ一致している。
【0014】更に、本発明のブラッグ角2θ(±0.
2)のピークを上記の3つの組の何れかの位置に有する
アルミニウムフタロシアニン顔料は、BET法による比
表面積が50〜150m2/gであることが好ましく、
更に70〜130m2/gであることが好ましい。比表
面積が50m2/g未満では、十分な着色力が得られ
ず、また、比表面積が150m2/gを超えると顔料粒
子の凝集が強くなり、分散に長時間を要するようになる
ので好ましくない。
【0015】本発明のインクジェット用記録インクに
は、上記アルミニウムフタロシアニンに加えて、公知の
構成主成分として、分散剤(界面活性剤又は水溶性樹
脂)、表面張力調整剤(界面活性剤)、水溶性有機溶
剤、防腐剤、pH調整剤、防錆剤などを必要により添加
してもよい。
【0016】本発明のインクジェット用記録インクに適
した分散剤としては、公知のものが全て使用可能であ
り、アニオン系又はノニオン系の界面活性剤であって顔
料の分散剤として用いられているものを全て使用するこ
とができる。例えば、アニオン性活性剤としては、脂肪
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキ
ルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフ
タレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレ
ンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸
エステルを挙げることができ、ノニオン性活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステルポリオキシエチレンアルキルアミン等を挙
げることができる。これらの分散剤は、シアンインクの
全重量に対して0.3〜40重量%、好ましくは5〜4
0重量%の範囲で使用される。
【0017】また、本発明のインクジェット用記録イン
クに適した分散剤として、分散能を有する水溶性樹脂を
使用することもできる。本発明において好適に使用され
る水溶性樹脂としては、一旦溶媒に溶けてしまえばイン
クジェットプリンターの使用温度又は室温で、顔料の析
出やゲル化が生じないものが選ばれる。使用し得る水溶
性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂を挙げることが
でき、具体的にはスチレン−アクリル酸共重合体、アク
リル酸−アクリル酸アクリルエステル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタ
クリル酸−アクリル酸アクリルエステル共重合体、スチ
レン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物の塩、
スチレン−マレイン酸共重合物の塩、マレイン酸−無水
マレイン酸共重合物の塩、ビニルナフタレン−マレイン
酸共重合物の塩などを挙げることができる。また、アク
リロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、エチレン、ヒドロキシエチルアク
リレートなどのモノマーが共重合されてもよい。さら
に、これらは、単独又は複数の組み合わせで添加しても
よい。これらの分散剤は、シアンタインクの全重量に対
して0.1〜30重量%、好ましくは1〜30重量%の
範囲で使用される。
【0018】本発明において好適に使用される表面張力
調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさな
いものであれば、公知のものを全て使用することができ
る。表面張力調整剤としては、アニオン系、カチオン
系、ノニオン系の何れの界面活性剤をも使用することが
できる。具体的には、アニオン系界面活性剤として、ポ
リエチレングリコールアルキルエーテル硫酸エステル
塩、高級アルコール硫酸塩、ナフタリンスルホン酸ホル
マリン縮合物等を例示することができ、カチオン系界面
活性剤としては、ポリ2−ビニルピリジン誘導体、ポリ
4−ビニルピリジン誘導体等を例示することができ、ノ
ニオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン等を例示することができる。
【0019】インクの物性を所望の値に調整するため、
及びインクの乾燥を防止するために、水と下記の水溶性
有機溶剤とを混合して使用することもできる。即ち、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコールのような炭素数1〜4の
アルキルアルコール、アセトンやアセトンアルコールの
ようなケトン又はケトンアルコール、テトラヒドロフラ
ンやジオキサンのようなエーテル、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等の多価ア
ルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル
−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノ
ン、ジメチルホルムアミド、トリエタノールアミン等の
含窒素化合物である。これらの水溶性有機溶剤は、一種
類または二種類以上を使用することができる。水溶性有
機溶剤の使用量は特に限定されないが、一般的にはシア
ンインクの全重量に対して3〜50重量%の範囲であ
る。
【0020】本発明に用いることのできる防腐剤として
は、調合されるインクに悪影響を及ぼさないものであれ
ば公知のものが全て使用することができる。例えば、デ
ヒドロ硫酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピ
リジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸
ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等を挙げることが
できる。
【0021】本発明において好適に使用されるpH調整
剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに所
望のpHに制御できるものであれば殆どのものを使用す
ることができる。具体的には、低級アルカノールアミン
や水酸化アンモニウム等が挙げられる。
【0022】本発明において好適に使用される防錆剤と
しては、調合されるインクに悪影響を及ぼさなければ公
知のものをすべて使用することができる。例えば、酸性
亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アン
モニウム、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四
硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニ
ウムニトライトなどがある。
【0023】また、印字物に光沢等を与えるために、必
要に応じて、たとえばビニルピロリドンの低縮合物、ア
クリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂等を使用するこ
とができる。
【0024】上記のアルミニウムフタロシアニン顔料を
分散させる媒体としては、純水及び一般的な有機溶剤を
使用することができる。例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリ
ン等を例示することができる。
【0025】
【実施例】以下に合成例、実施例及び比較例を示し、本
発明を具体的に説明する。以下の記載に於いては、
「部」は、特に断らない限り、全て「重量部」である。
【0026】(合成例1)市販のアルミニウムフタロシ
アニン粗顔料(山陽色素社製)50部を98%硫酸50
0部に溶解させ、50℃で2時間撹拌した。その後、5
℃の冷水に加えることにより、アルミニウムフタロシア
ニン顔料を再析出させ、これを濾過し、洗浄した。得ら
れたウェットケーキを水900部に再分散させ、25%
アンモニア水100部を加えて60℃で2時間撹拌し、
これを濾過し、洗浄し、更に減圧乾燥することにより、
アルミニウムフタロシアニン顔料42.5部を得た。
【0027】このアルミニウムフタロシアニン顔料のC
uKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図
1に示すように、ブラッグ角2θ(±0.2)=6.9
゜,13.8゜,16.3゜,20.8゜,25.2゜
及び27.2゜にピークを有していた。また、この顔料
のBET法により求めた比表面積は82.2m2/gで
あり、熱天秤で毎分10℃で室温から150℃まで昇温
したときの初期重量に対する重量減少率は、5.2%で
あった。
【0028】(合成例2)市販のアルミニウムフタロシ
アニン粗顔料(山陽色素社製)50部を90%硫酸50
0部に溶解させ、50℃で2時間撹拌した。その後、5
℃の冷水に加えることにより、アルミニウムフタロシア
ニン顔料を再析出させ、これを濾過し、洗浄した。得ら
れたウェットケーキを水900部に再分散させ、25%
アンモニア水100部を加えて60℃で2時間撹拌し、
これを濾過し、洗浄し、更に乾燥することにより、アル
ミニウムフタロシアニン顔料40部を得た。
【0029】このアルミニウムフタロシアニン顔料のC
uKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図
2に示すように、ブラッグ角2θ(±0.2)=7.0
゜,13.8゜,16.6゜及び26.2゜にピークを
有していた。また、この顔料のBET法により求めた比
表面積は81.5m2/gであり、熱天秤で毎分10℃
で室温から150℃まで昇温したときの初期重量に対す
る重量減少率は、3.3%であった。
【0030】(合成例3)合成例2で得られたアルミニ
ウムフタロシアニン顔料150部を食塩750部、トル
エン75部、エチレングリコール150部と共にニーダ
ーに入れ、70℃で6時間混練した。その後、この混合
物を3リットルの温水中に分散させ、濾過して、食塩、
トルエン及びエチレングリコールを除き、これを乾燥さ
せることによりアルミニウムフタロシアニン顔料140
部を得たこのアルミニウムフタロシアニン顔料のCuK
α線によるX線回折パターンを測定したところ、図3に
示すように、ブラッグ角2θ(±0.2)=6.9゜,
9.7゜,13.8゜,15.5゜,23.9゜及び2
5.8゜にピークを有していた。また、この顔料のBE
T法により求めた比表面積は86.5m2/gであっ
た。
【0031】(実施例1)合成例1で得た顔料を用い
て、表1に示す組成でインクジェット記録用インクを調
製した。インクの調製は、表1の原料をサンドミルに入
れ、5時間分散させことにより行った。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例2)表1に示すように、合成例1
の顔料に代えて合成例2で得た顔料を用い、実施例1と
同様にしてインクジェット記録用インクを調製した。
【0034】(実施例3)表1に示すように、合成例1
の顔料に代えて合成例3で得た顔料を用い、実施例1と
同様にしてインクジェット記録用インクを調製した。
【0035】(比較例)合成例1の顔料に代えてβ型銅
フタロシアニン顔料を用いて、実施例と同様にしてイン
クジェット記録用インクを調製した。
【0036】上記方法で調製したインクジェット記録用
インクを市販の上質紙に塗布した。この紙の反射スペク
トルを多光源分光測色計(スガ試験機株式会社製MSC
‐45−2B)で測定することにより色調を調べた。そ
の結果を表2及び3に示した。また、銅フタロシアニン
系の染料であるダイレクトブルーを使用したインクにつ
いても色調を調べ、その結果を表2及び3に併せて示し
た。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表2及び3の結果から、実施例1〜3のア
ルミニウムフタロシアニン顔料を含有するインクジェッ
ト記録用インクは、ダイレクトブルーを使用したインク
に近い色調を有していることが分かる。これに対して、
β型銅フタロシアニン顔料を用いた比較例のインクは、
L*の値については近い値を示すものの、その色調はダ
イレクトブルーを使用したインクの色調からかなりずれ
ていることが分かる。なお、上記で調製した各実施例1
〜3及び比較例のシアンインクは、印字品質、吐出性の
点に於いては特に問題は無かった。また、実施例1〜3
のインクを用いて得られたカラー画像は、ダイレクトブ
ルーを用いて得られたカラー画像と同様に鮮明であっ
た。これに対して、比較例のインクを用いた場合、ダイ
レクトブルーを用いて得られたカラー画像に比較し、シ
アンからイエローにかけての領域で色彩再現範囲の狭い
画像となった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録用インクでは、着色剤であるアルミニウムフ
タロシアニン顔料は、CuKα線によるX線回折パター
ンに於いてブラッグ角2θ(±0.2)のピークを上記
のような位置に有しているので、調色することなくダイ
レクトブルー染料を用いたインクと同じ色域にある色相
のインクを得ることができる。従って、本発明によれ
ば、上記のようなアルミニウムフタロシアニン顔料を着
色剤として用いることにより、ダイレクトブルー染料イ
ンクの代替となる顔料インクを得ることができる。しか
も、このインクは顔料を使用しているため、耐水性、耐
光性等の点で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録用インクに使用さ
れるアルミニウムフタロシアニン顔料の、CuKα線に
よるX線回折パターンの測定結果を示す図である。
【図2】本発明のインクジェット記録用インクに使用さ
れる他のアルミニウムフタロシアニン顔料の、CuKα
線によるX線回折パターンの測定結果を示す図である。
【図3】本発明のインクジェット記録用インクに使用さ
れる更に他のアルミニウムフタロシアニン顔料の、Cu
Kα線によるX線回折パターンの測定結果を示す図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムフタロシアニン顔料を着色
    剤として含有するインクジェット記録用インクであっ
    て、前記アルミニウムフタロシアニン顔料が、CuKα
    線によるX線回折パターンに於いてブラッグ角2θ(±
    0.2)=6.9゜,13.8゜,16.3゜,20.
    8゜,25.2゜及び27.2゜にピークを有すること
    を特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 【請求項2】 アルミニウムフタロシアニン顔料を着色
    剤として含有するインクジェット記録用インクであっ
    て、前記アルミニウムフタロシアニン顔料が、CuKα
    線によるX線回折パターンに於いてブラッグ角2θ(±
    0.2)=7.0゜,13.8゜,16.6゜及び2
    6.2゜にピークを有することを特徴とするインクジェ
    ット記録用インク。
  3. 【請求項3】 アルミニウムフタロシアニン顔料を着色
    剤として含有するインクジェット記録用インクであっ
    て、前記アルミニウムフタロシアニン顔料が、CuKα
    線によるX線回折パターンに於いてブラッグ角2θ(±
    0.2)=6.9゜,9.7゜,13.8゜,15.5
    ゜,23.9゜及び25.8゜にピークを有することを
    特徴とするインクジェット記録用インク。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウムフタロシアニン顔料
    は、熱天秤で毎分10℃で室温から150℃まで昇温し
    たときの初期重量に対する重量減少率が5.0±0.5
    %の範囲である請求項1に記載のインクジェット記録用
    インク。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウムフタロシアニン顔料
    は、熱天秤で毎分10℃で室温から150℃まで昇温し
    たときの初期重量に対する重量減少率が3.5±0.5
    %である請求項2に記載のインクジェット記録用イン
    ク。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウムフタロシアニン顔料の
    BET法による比表面積が、70〜130m2/gであ
    る請求項1乃至5の何れかに記載のインクジェット記録
    用インク。
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