JP2000017193A - 酸化カーボンブラックの製造方法 - Google Patents

酸化カーボンブラックの製造方法

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JP2000017193A
JP2000017193A JP18281798A JP18281798A JP2000017193A JP 2000017193 A JP2000017193 A JP 2000017193A JP 18281798 A JP18281798 A JP 18281798A JP 18281798 A JP18281798 A JP 18281798A JP 2000017193 A JP2000017193 A JP 2000017193A
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Nobutake Mise
信猛 見勢
Noboru Furuki
登 古木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全性に高いカーボンブラックの提供。 【解決手段】窒素酸化物濃度が80ppm以下のオゾン
含有ガスを用いることを特徴とする、酸化カーボンブラ
ックの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ、塗料等の
顔料として用いられる酸化カーボンブラックの製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】ファーネス法によるカーボンブラックは、
タイヤの補強性向上のため、あるいは樹脂着色、やイン
キ、塗料等に顔料として用いられている。このファーネ
ス法によるカーボンブラック製法は、チャンネル法に比
べ、歩留まり、生産性が良い、また製造の際、環境を汚
さないため、現在ではカーボンブラックの主流となって
いる。
【0003】しかしながら、ファーネス法のカーボンブ
ラックは燃料を燃やした高温ガス中で、炭化水素を還元
雰囲気で熱分解してつくるため、空気中の低温で作るチ
ャンネルブラックに比べて、酸素含有量が著しく少な
い。この、チャンネルブラックは酸素含有物を多く含む
ため、インクや塗料のビヒクル成分と馴染みが良く、そ
のためインクに使用した時は、印刷性を左右するインク
の流れが良くなったり、塗料に使用したときは、分散が
早くなり、その結果塗料皮膜に光沢が向上する。しかし
ながら、酸素含有量の少ないファーネスブラックはイン
キに使用した時はインクの流れが悪くまた塗料に使用し
た時は光沢が悪いものしか出来ない欠点をもっている。
【0004】この様な事から、ファーネス法のカーボン
ブラックの改質として様々な酸化方法が開示されてお
り、その酸化に使う酸化剤の種類は特に重要であり、そ
の酸化剤としては、硝酸を含む窒素酸化物、オゾン、次
亜塩素酸類、等数多くの酸化剤が使用可能であるが、処
理後のカーボンブラックに原料の酸化剤が残るため、現
在では、特殊な場合を除いて、窒素酸化物か、またはオ
ゾンが使用されている。
【0005】窒素酸化物を使用する場合には、まずカー
ボンブラックに硝酸水溶液を含浸し、100℃〜150
℃に加熱をして酸化反応を起こさせる。その後、空気等
を流しながら、120〜200℃に加熱をして、カーボ
ンブラックに吸着している窒素酸化物を脱離することが
一般に行われている。しかしながら、この様に脱離して
もカーボンブラック中にはまだ窒素化合物が残存する
し、さらに高温下で加熱をして除去しようとすると、一
旦、生成した酸素含有物が、分解してカーボンブラック
から取り除かれ、酸化をした効果が出なくなる。
【0006】また一方、カーボンブラック中には一般に
数ppm〜数100ppmの多環芳香族炭化水素が残存
しているため、窒素酸化物による酸化、あるいは引き続
いて行われる加熱脱離中に反応してニトロ化合物とな
り、発ガン性の強い多環芳香族ニトロ化合物に変化す
る。また、オゾン酸化をする際には、一般に無声放電式
のオゾナイザーで空気を原料とし発生したオゾンを、通
常は常温〜100℃の範囲で酸化反応を行う。この空気
を原料としたオゾン中には、無声放電の際、オゾンに加
え空気中の窒素と酸素が反応して、N2OやN2O5の分
子式で表せる、窒素酸化物が発生する。この窒素酸化物
はオゾンをカーボンブラックに反応させる際、同時にカ
ーボンブラックに取り込まれる。
【0007】この様な窒素酸化物は酸性を示し、さらに
は酸化力を持つため、インキや塗料のビヒクルとも反応
するし、設備を腐食するため好ましく無い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、カー
ボンブラック中に窒素酸化物が少なくまたは、多環芳香
族ニトロ化合物、あるいは多環芳香族炭化水素を従来の
もの以下で安全性に優れた上で、インキに分散した時流
動性を発揮し、また塗料に分散した時は光沢が増加し、
さらにはするカーボンブラックを製造することに使用す
る新しい酸化方法並びに安全性の高いカーボンブラック
の提示にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、原料として窒素ガス
の少ない酸素含有ガスを用い、無声放電方式でオゾンを
発生しこのガスを用いて酸化反応をするか、または電気
分解式のオゾン発生の際窒素酸化物を発生しないオゾン
発生器により発生した、低窒素酸化物含有オゾンを、カ
ーボンブラック100重量部にたいして、オゾンを2重
量部以上反応することで上記課題を達成する事を見出
し、本発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は、(1) 窒素酸化物
濃度が80ppm以下のオゾン含有ガスを用いることを
特徴とする、酸化カーボンブラックの製造方法、(2)
無声放電方式のオゾン発生器に原料として窒素ガス含
有量が50vol%以下の酸素含有ガスを用いてオゾン
を発生しそのオゾン含有ガスを用いる、(1)に該当す
る酸化カーボンブラックの製造方法、(3) 含有する
芳香族炭化水素の含有率が50ppm以下のカーボンブ
ラックを用いることを特徴とする、(1)または(2)
に該当するカーボンブラックの酸化処理方法、(4)
カーボンブラック100重量部に対し、オゾンを2重量
部以上反応させる(1)から(3)のいずれかに該当す
るカーボンブラックの製造方法。(5) カーボンブラ
ック比表面積に対し、オゾンを0.0002g/m2
上反応させる(1)から(4)のいずれかにに該当する
カーボンブラックの製造方法。(6) 全酸性基量が1
00μequ/g以上でかつ窒素酸化物含有量が20pp
m以下の(1)〜(5)のいずれかに製造方法で作った
カーボンブラック、(7) 多環芳香族炭化水素含有量
が30ppm以下の、(6)に該当する、または(1)
〜(5)の製造方法で作ったカーボンブラック、(8)
ニトロピレン含有量が3ppm以下の請求項6又は7
に該当する、または(1)〜(5)の製造方法で作った
カーボンブラック、(9) 全酸性基量が100μequ
/g以上、窒素酸化物含有量が20ppm、多環芳香族
炭化水素含有量が30ppm以下でかつニトロピレン量
が3ppm以下のカーボンブラック、に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】オゾンガス発生方法は、限定され
ないが、ガラスを挟んだ電極管に原料酸素含有ガスを流
しながら、無声放電により発生させる方法が、一般的で
あり、また、このオゾンガス中に窒素酸化物を発生させ
ないように、この原料酸素ガス中に極力窒素を含有しな
いようにする。
【0012】この窒素含有量は、オゾン発生器の性能に
もよるが、50vol%以下が好ましく、より好ましい
のは、20vol%以下で、最も好ましいのは液体酸素
を蒸発させた窒素を極力含まない酸素ガスを使用するこ
とである。この様な原料酸素ガスを用いて、無声放電に
より発生したオゾン含有ガス中には、装置の種類による
差は有るものの、窒素酸化物が発生し、この窒素酸化物
を80ppm以上含むオゾンガスでカーボンブラックを
酸化した時には、カーボンブラック中の芳香族炭化水素
と反応してニトロ化合物、特にニトロピレンが生成した
り、窒素酸化物がそのまま取りこまれたりして好ましく
ない。窒素酸化物の濃度は80ppm以下であれば特に
限定されないが、好ましくは30ppm以下が望まし
い。
【0013】カーボンブラックの酸化方法としては、オ
ゾンガスを使用し、各種の方法でカーボンブラックと接
触することで酸化を行うことができ、この際、温度は一
般的には常温で行えるが、0〜80℃が好ましく、10
0℃を越えるとオゾンの分解が起こり酸化効率が低下す
るため好ましくない。オゾンの反応割合はカーボンブラ
ック100重量部に対して2重量部以上、好ましは4重
量部以上が好ましい。これよりも少ないと、インキにし
た時にインキの流動性が出ないとか、塗料にした時の光
沢の向上が見られない。このとき、カーボンブラックの
表面には酸性官能基が生成するが、この官能基量は全酸
性基として測定され、この値が100μequ/g以上、
好ましくは150μequ/g以上ないと、インキや塗料
物性の向上が発揮されない。
【0014】酸化に使用するカーボンブラックは特に限
定はされず、ファーネス法、チャンネル法、アセチレン
法、サーマル法、等で製造された物が使用出来るが、す
でに硝酸処理等の酸化をし、すでにニトロピレンが存在
するカーボンブラックは好ましくない。また、カーボン
ブラックの粒子径、ストラクチャーは限定されず、粒子
径としては、5nm〜500nm、ストラクチャーとし
ては、その指標であるDBP吸油量として30〜400
ml/100gのものが使用出来るが、インキに用いる
場合には、粒子径が25nmから60nm、DBPが4
0〜100ml/100gのものがインキにした時の流
動性が良く、黒色度が高くなるため、好適に用いられ
る。一方、黒色度要求される、高級塗料の分野には、粒
子径が5〜20nmの小粒子径カーボンブラックで、D
BP吸油量が50〜130のものが、黒色度が高く、光
沢が良いため好適に用いられ、他の塗料と混合して使用
される調色用塗料には、粒子径が30〜60の比較的大
粒子径のカーボンブラックが塗料の分散性安定性良いた
め好適に用いられる。カーボンブラックの比表面積は1
0〜2000m2/gと幅広い範囲に分布しているが、
粒子径が小さい物は、一般に比表面積が大きくなる。こ
のため比表面積が大きいものは当たりに反応させるオゾ
ン量が多く必要になる。この反応量は、0.0002g
/m2以上が必要で、好ましくは0.0003g/m2
必要である。
【0015】さらに、カーボンブラック中の多環芳香族
炭化水素は可能な限り少ない方が良く、具体的には、5
0ppm以下であれば、窒素酸化物と反応する量も少な
く、好適には10ppm以下であれば、ほとんど反応で
生成するニトロ化合物は無視できる。この多環芳香族炭
化水素を少なくするためには、たとえばファーネス法で
は、高温燃焼ガス中に原料の炭化水素を噴霧し、その中
でカーボンブラックを不完全燃焼状態で生成し、その
後、水等の冷却で反応を停止しているが、カーボンブラ
ックを生成した後、冷却までの時間を長くして、縮合芳
香族炭化水素の脱水炭化を進めたり、燃焼ガス中に存在
する二酸化炭素や、水蒸気と反応させることで達成でき
る。またオゾンで酸化すると、多環芳香族炭化水素の一
部は分解されることは、発明者等により見いだされた。
【0016】このように、オゾン発生器で窒素含有量の
少ない酸素含有ガスを原料として、窒素酸化物の少ない
オゾンを発生し、縮合芳香族炭化水素の少ないカーボン
ブラックにこのオゾンを反応する事で、安全性に優れ、
インキに用いた時にインキ流動性に優れ、塗料に用いた
時に分散性に優れる酸化カーボンブラックが製造でき
る。
【0017】安全性に高いカーボンブラックとしては、
含有する多環芳香族炭化水素量が30ppm以下、好ま
しくは10ppm以下、またニトロピレン含有量として
は3ppm以下、好ましくは2ppm以下、さらに好ま
しくは1ppm以下、さらに窒素酸化物としては20p
pm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましく
は5ppm以下である。
【0018】各試験方法は以下の方法を用いた。 (1) カーボンブラックの粒子径 カーボンブラックをクロロホルムに投入し200KHz
の超音波を20分間照射して分散させた後、この分散試
料液を支持膜にふりかけ固定する。これを透過型電子顕
微鏡で写真撮影し、写真上の直径と写真の拡大倍率によ
り粒子径を計算する。この操作を1500個以上の粒子
にわたって実施し、それらの値の算術平均により平均粒
子径として求める。 (2)カーボンブラックのDBP吸油量 ASTM D2414ー88によった。 (3)縮合芳香族炭化水素含有量 乾燥したカーボンブラック5gを円筒状のガラス濾紙に
いれ、溶媒としてモノクロルベンゼンを180cc用いソ
ックスレー抽出を48時間行う。この抽出液を濃縮し、
液体クロマトグラムにより、抽出量を定量し、カーボン
ブラックの重量で割り含有量とした。液体クロマトグラ
ムの条件は次の通りである。
【0019】 液クロマトグラム分析計 島津製作所社製 LC−6A フローコントローラ 島津製作所社製 SCL−6A 検出器 ミリポアー社製 Watera 490E型 注入量 5μl (4)ニトロピレン 縮合芳香族炭化水素の測定と同様に抽出、濃縮を行った
液を用い次のガスクロマトグラム条件で定量をした。そ
の抽出量をカーボンブラックの重量で割り含有量とし
た。
【0020】 ガスクロマトグラム分析計 Hewlett Packard HPー1型 カラム 1%0Vー101 + 1%0Vー3 (5)オゾンガス中のNOx濃度測定法 JIS K0140のZnーNEDA法を用いた (6)カーボンブラック中の窒素酸化物の分析 カーボンブラック0.5gを100cc三角フラスコに
入れ、希硫酸を50ccを添加し、1分間振とうして窒
素酸化物を抽出する。この液を遠心分離器にかけ150
rpm×5分でカーボンブラックを分離する。この上澄
み液を20cc取り、この液にスルファニルアミドと亜
鉛粉末0.5gを添加した後、純水を加えて100cc
にして、振とうを行った後、No.6Cの濾紙で濾過を
行う。この濾液10ccに塩酸(1対1)3cc、ナフ
チルエチレンジアミン溶液を1cc加えた後、純水を加
えて全体量を25ccにする。この溶液を室温で15分
間静置した後、光度計で545nmの吸光度を測定す
る。標準溶液から求めた検量線を使用して、液のNO2
濃度を求め、カーボンブラック中の窒素酸化物濃度を下
記の計算で求める。
【0021】
【数1】
【0022】(7)カーボンブラックのインキ試験法 カーボンブラック20.0gとインキ用ワニスを予備混
合した後3本ロールミルを用いて分散を行う。インキは
は3本ロールのスリットに混合物を3回繰り返して通す
ことで得られる。このインクを2gと6号ソルベントを
混合する。この混合割合は、ワニスの粘度により変更す
るが、三菱化学カーボンブラックMA7を使用した場合
に、インキの流れが70mm/時間になる割合とする。
この希釈インキ0.7gをガラス板に乗せ、25℃の雰
囲気下3時間静置した後、ガラス板を90度に傾け、1
時間後にインキの流れた長さを測定する。1時間でガラ
ス板をオーバするときは、オーバする前の時間と流れ量
の比をとる。 (8)カーボンブラックの塗料試験法 カーボンブラックを105℃で乾燥し、このカーボンブ
ラックを2.5〜3.5mm径のガラスビーズ90gが
入った140ccの蓋付きガラス瓶に入れ、次いで関西
ペイント製アミラッククリアー溶剤型塗料用ワニス16
g、アミラックシンナーを10g入れた後レッドレビル
社製のペイントシェカーにセツトし、60分間分散を行
う。
【0023】分散が終了した後、アミラッククリアー5
0gを追加し希釈を行い塗料とする。この塗料の評価
は、塗料を#22のバーコータを用い、ペットフィルム
に塗布した後、20分間室内で静置し、その後120℃
の乾燥機中で20分間焼き付けを行いその塗膜をえる。
この塗膜を明るい光源の元で、目視により黒色度と光沢
を評価し指標付けした。
【0024】(9)全酸性基 この全酸性基を求める方法としては以下の通りである。
酸化処理したカーボンブラックを、0.2〜0.5g取
り、0.01NのNaOHを60cc入れた三角フラス
コに入れ、窒素を三角フラスコに流し、スターラで6時
間撹拌をして反応させる。この反応物を再び0.1ミク
ロンのメンブランフィルターを用い濾過を行い、濾過液
を得る。
【0025】この濾過液を40cc取り、0.025N
塩酸を用い自動中和滴定装置で滴定を行い濾過液のNa
OH濃度を求める。カーボンブラックの全酸性基は次の
計算により求めることが出来る。
【0026】
【数2】
【0027】
【実施例】実施例1 通常のファーネス炉を用い、粒子径30nm、比表面積
80m2/g、DBP吸油量65cc/100g、芳
香族炭化水素の含有量が30ppmのカーボンブラック
を作った。
【0028】このカーボンブラック中のニトロピレンは
検出限界(1ppm)以下であった。このカーボンブラ
ックを20g10cmの直径で高さ30cmの底部に目
皿を有するガラス反応器に入れ、その底から、100%
の酸素を原料ガスとして、米国PCI社製のGー2型オ
ゾン発生器により発生した、オゾン濃度10wt%のガ
スを1リットル/minで7分導入した。このオゾンガ
ス中の窒素酸化物量は0ppmであった。また、カーボ
ンブラックに作用させたオゾンは5.2重量部で、比表
面積当たり0.00065g/m2であった。
【0029】このカーボンブラック中のニトロピレン
は、検出限界(1ppm)以下で、芳香族炭化水素は2
0ppmでかつ窒素酸化物の含有量は検出限界(1pp
m)以下で、全酸性基量は120μequ/gであった。
このカーボンブラックのインキ試験を実施したところ、
その流動性は500mm/時間であった。 実施例2 通常のファーネス炉を用い、粒子径10nm、比表面積
450m2/g、DBP吸油量110ml/100g、
芳香族炭化水素の含有量が10ppmのカーボンブラッ
クを作った。
【0030】このカーボンブラック中のニトロピレンは
検出限界以下であった。このカーボンブラックを20g
10cmの直径で高さ30cmの底部に目皿を有するガ
ラス反応器に入れ、その底から、100%の酸素を原料
ガスとして、米国PCI社製のGー2型オゾン発生器に
より発生した、オゾン濃度10wt%のガスを3リット
ル/minで40分導入した。このオゾンガス中の窒素
酸化物量は0PPMであった。また、カーボンブラック
に作用させたオゾンは89重量部でり、比表面積当たり
0.0019g/m2であった。
【0031】このカーボンブラック中のニトロピレン
は、検出限界(1ppm)以下で、芳香族炭化水素は2
ppmでかつ窒素酸化物の含有量は検出限界(1pp
m)以下で全酸性基量は250μequ/gであった。この
カーボンブラックを用い塗料試験を実施したところ、黒
色度、光沢ともに良好な塗膜が得られた。
【0032】実施例3 通常のファーネス炉を用い、粒子径24nm、比表面積
125m2/g、DBP吸油量65cc/100g、芳
香族炭化水素の含有量が7ppmのカーボンブラック
を作った。このカーボンブラック中のニトロピレンは検
出限界以下であった。
【0033】このカーボンブラックを20g10cmの
直径で高さ30cmの底部に目皿を有するガラス反応器
に入れ、その底から、70%の酸素濃度で30%の窒素
を含有する空気を原料ガスとして、米国PCI社製のオ
ゾン発生器により発生した、オゾン濃度8wt%のガス
を1リットル/minで20分導入した。このオゾンガ
ス中の窒素酸化物量は30PPMであった。また、カー
ボンブラックに作用させたオゾンは11.7重量部であ
り、比表面積当たり0.00094g/m2であった。
【0034】このカーボンブラック中のニトロピレン
は、2ppmで、芳香族炭化水素は2ppmでかつ窒素
酸化物の含有量は3ppmで全酸性基は180μequ/g
であった。このカーボンブラックのインキ試験を実施し
たところ、その流動性は800mm/時間であった。 比較例1 通常のファーネス炉を用い、粒子径24nm、比表面積
129m2/g、DBP吸油量65cc/100g、芳
香族炭化水素の含有量が60ppmのカーボンブラッ
クを作った。
【0035】このカーボンブラック中のニトロピレンは
検出限界以下であった。このカーボンブラックを20g
10cmの直径で高さ30cmの底部に目皿を有するガ
ラス反応器に入れ、その底から、100%の酸素を原料
ガスとして、米国PCI社製のGー2型オゾン発生器に
より発生した、10wt%のガスに酸素ガスを添加して
得られた、オゾン濃度1wt%のガスを3l/minで
8分導入した。このオゾンガス中の窒素酸化物量は0P
PMであった。また、カーボンブラックに作用させたオ
ゾンは1.8wt%で、比表面積当たり0.00014
g/m2で、全酸性基量は50μequ/gであった。
【0036】このカーボンブラックのインキ試験を実施
したところ、その流動性は10mm/時間でインキの流
動性としては著しく悪く印刷用インキとしては使用出来
ないものであった。 比較例2 通常のファーネス炉を用い、粒子径24nm、比表面積
129m2/g、DBP吸油量65cc/100g、芳
香族炭化水素の含有量が60ppmのカーボンブラック
を作った。
【0037】このカーボンブラック中のニトロピレンは
検出限界以下であった。このカーボンブラックを20g
10cmの直径で高さ30cmの底部に目皿を有するガ
ラス反応器に入れ、その底から、酸素濃度21%の空気
を原料ガスとして、米国PCI社製のGー2型オゾン発
生器により発生した、10wt%のガスを3リットル/
minで10分導入した。このオゾンガス中の窒素酸化
物量は120PPMであった。このカーボンブラックに
作用したオゾン量は、13重量部で、比表面積当たり
0.001g/m2であった。
【0038】このカーボンブラック中のニトロピレン
は、4ppmで、芳香族炭化水素は50ppmでかつ窒
素酸化物の含有量は43ppmでニトロピレン、窒素酸
化物ともに増加していた。また全酸性基量は170μeq
u/gであった。このカーボンブラックのインキ試験を実
施したところ、その流動性は600mm/時間であっ
た。このカーボンブラックは印刷は可能であるが、安全
性には問題があり、印刷インキには適しない。 比較例3 実施例2のカーボンブラックをそのまま塗料試験を行っ
た。その結果、その塗料光沢は著しく悪かった。このカ
ーボンブラックの全酸性基は25μequ/gであり、全酸
性基が少ない物は塗料用カーボンブラックには適さなか
った。
【0039】
【発明の効果】本発明により、安全性に優れたカーボン
ブラックを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G046 AA06 4J037 BB15 BB37 CA08 DD20 DD27 EE19 EE44 FF09 4J038 EA011 HA026 KA08 KA14 NA01 NA23 4J039 BA04 BA12 BA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素酸化物濃度が80ppm以下のオゾン
    含有ガスを用いることを特徴とする、酸化カーボンブラ
    ックの製造方法。
  2. 【請求項2】無声放電方式のオゾン発生器に原料として
    窒素ガス含有量が50vol%以下の酸素含有ガスを用
    いてオゾンを発生しそのオゾン含有ガスを用いる、請求
    項1に該当する酸化カーボンブラックの製造方法。
  3. 【請求項3】含有する芳香族炭化水素の含有率が50p
    pm以下のカーボンブラックを用いることを特徴とす
    る、請求項1または2に該当するカーボンブラックの酸
    化処理方法。
  4. 【請求項4】カーボンブラック100重量部に対し、オ
    ゾンを2重量部以上反応させる請求項1から3のいずれ
    かに該当するカーボンブラックの製造方法。
  5. 【請求項5】カーボンブラック比表面積に対し、オゾン
    を0.0002g/m2以上反応させる請求項1から4
    のいずれかにに該当するカーボンブラックの製造方法。
  6. 【請求項6】全酸性基量が100μequ/g以上でかつ
    窒素酸化物含有量が20ppm以下の請求項1〜5のい
    ずれかに製造方法で作ったカーボンブラック。
  7. 【請求項7】多環芳香族炭化水素含有量が30ppm以
    下の請求項6に該当する、または請求項1〜5の製造方
    法で作ったカーボンブラック。
  8. 【請求項8】ニトロピレン含有量が3ppm以下の請求
    項6又は7に該当する、または請求項1〜5の製造方法
    で作ったカーボンブラック。
  9. 【請求項9】全酸性基量が100μequ/g以上、窒素
    酸化物含有量が20ppm、多環芳香族炭化水素含有量
    が30ppm以下でかつニトロピレン量が3ppm以下
    のカーボンブラック。
JP18281798A 1998-06-29 1998-06-29 酸化カーボンブラックの製造方法 Pending JP2000017193A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011068892A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Evonik Degussa Gmbh カーボンブラック、その製造方法並びにその使用

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