JP2000017025A - N−ビニルカルボン酸系共重合樹脂、その製造方法および用途 - Google Patents

N−ビニルカルボン酸系共重合樹脂、その製造方法および用途

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JP2000017025A
JP2000017025A JP10186562A JP18656298A JP2000017025A JP 2000017025 A JP2000017025 A JP 2000017025A JP 10186562 A JP10186562 A JP 10186562A JP 18656298 A JP18656298 A JP 18656298A JP 2000017025 A JP2000017025 A JP 2000017025A
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vinylcarboxylic acid
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Itaru Sakuma
到 佐久間
Takashi Motomura
隆司 本村
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面張力低下作用を有するNービニルカルボン
酸アミド系共重合樹脂を提供する。 【解決手段】下記式 (式中、R1は水素または炭素数1〜4のアルキル基で
あり、R2は炭素数8〜30のアルキル基を示す。)で
表されるアクリル酸エステルを2〜50重量部と、Nー
ビニルカルボン酸アミドを50〜98重量部とを重合さ
せた共重合体であって、かつ平均分子量が1,000〜
10,000であることを特徴とするNービニルカルボ
ン酸アミド系共重合樹脂。本共重合樹脂は、塩の存在下
でも、安定な表面張力低下作用を有し、高分子型界面活
性剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Nービニルカルボ
ン酸アミド系共重合樹脂、その製造方法および用途に関
する。さらに詳しくは、本発明は、耐塩性,耐アルコー
ル性に優れ、またpH依存性が小さく、高分子界面活性
剤として有用なNービニルカルボン酸アミド系共重合樹
脂とその製造方法、および該共重合樹脂を含有する界面
活性剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子界面活性剤としていくつか
のものが知られているが、良好な乳化特性を有し、しか
も同時に塩化ナトリウムなどの無機塩が相当量存在する
水溶液に溶解したときにも界面張力を低下させるような
実用性の高い製品の開発は、未だ十分に進んでいるとは
いい難い。例えば特開昭53−18490号公報には、
アルキル基が8乃至30個の炭素原子を含むアクリルエ
ステルモノマーを約20乃至60重量%、及び分子量が
約10,000以下であるオレフイン系不飽和カルボン
酸を80乃至40重量%含んでなるポリマー界面活性剤
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公開公報記載の界
面活性剤は、乳化特性が良好であり、水に溶解したとき
に界面張力の低下を示すが、耐イオン性が低いことやp
H変化に弱いといった問題点が挙げられる。このような
問題点を有せず、種々の分野で利用可能な高分子型界面
活性剤の開発が要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな状況に鑑みて鋭意研究した結果、ある種のアクリル
酸エステルを約2〜50重量%とNービニルカルボン酸
アミドを50〜98重量%とを含み、分子量が約10,
000以下であるポリマーを製造したところ、そのもの
は界面活性剤として耐イオン性があり,pH変化等にも
耐えうることを知り、さらに検討して有用性の高い高分
子型界面活性剤の開発に成功したものである。
【0005】すなわち、本発明は、 1)式(I) (式中、R1は水素または炭素数1〜4のアルキル基で
あり、R2は炭素数8〜30のアルキル基を示す。)で
表されるアクリル酸エステルを2〜50重量部と、Nー
ビニルカルボン酸アミドを50〜98重量部とを重合さ
せた共重合体であって、かつ平均分子量が1,000〜
10,000であることを特徴とするNービニルカルボ
ン酸アミド系共重合樹脂、 2)前記アクリル酸エステル中のR1が水素またはメチ
ル基であり、R2は炭素数8〜25のアルキル基である
ことを特徴とする請求項1記載のNービニルカルボン酸
アミド系共重合樹脂、 3)Nービニルカルボン酸アミドが式(II) (式中, R3およびR4は互いに独立して水素またはメチ
ル基を示す。)で表されることを特徴とする上記1)項
または2)項記載のNービニルカルボン酸アミド系共重
合樹脂、 4)式(I)で表されるアクリル酸エステルを2〜50
重量部とNービニルカルボン酸アミドを50〜98重量
部とを、Nービニルカルボン酸アミド系共重合樹脂を実
質的に溶解しない有機溶媒に溶解した後、重合開始剤の
存在下に、重合反応させることを特徴とするNービニル
カルボン酸アミド系共重合樹脂の製造方法、 5)前記有機溶媒のSP値が8.5〜10であることを
特徴とする上記4)項記載のNービニルカルボン酸アミ
ド系共重合樹脂の製造方法、および 6)上記1)から3)項のいずれかに記載のNービニル
カルボン酸アミド系共重合樹脂を含有してなる界面活性
剤、である。
【0006】本発明のNービニルカルボン酸アミド系共
重合樹脂は,上述のとおり、少なくとも二種の基本的モ
ノマーをそれぞれ特定の割合で含んでなり、その一方は
式(I)で表されるように長鎖脂肪族基を有するアクリ
ル酸エステルであり、他方はN−ビニルカルボン酸アミ
ドであることを特徴とする。
【0007】アクリル酸エステルとしては、式(I)の
ものが使用できるが、特にR1が水素あるいはメチル基
であり、R2は炭素数8〜25のアルキル基であるもの
が好ましく、とりわけR2が炭素数10〜25のものが
好ましい。その代表例としては、デシルアクリレート,
ラウリルアクリレート,ステアリルアクリレートまたは
ベヘニルアクリレート,およびこれらに対応するメタク
リレートが挙げられる。
【0008】一方、N−ビニルカルボン酸アミドとして
は、とりわけ式(II)で表されるものが好ましい。そ
の理由は、水溶性が高く、かつイオンによる影響を受け
にくいためである。
【0009】本発明のN−ビニルカルボン酸アミド系共
重合樹脂を構成するN−ビニルカルボン酸アミドとアク
リル酸エステルの各モノマーの比率は、前記のとおりで
ある。N−ビニルカルボン酸アミドが98重量%を越え
るときは得られる共重合樹脂が親水性に偏りすぎ、一方
50重量%未満であるときは逆に疎水性に偏りすぎるた
めに、いずれも良好な界面活性剤機能を果たせなくな
る。
【0010】本発明のNービニルカルボン酸アミド系共
重合樹脂の平均分子量は1,000〜10,000であ
るが、好ましくは1,000〜5,000、より好まし
くは1,000〜3,500である。平均分子量が1,0
00未満のとき、界面活性剤としての機能である水―油
系エマルジョンの安定化効果が低下し、一方において平
均分子量が10,000を越えると界面活性剤の機能を
果たさなくなるからである。ここでいう平均分子量は、
元素分析による末端硫黄分析の方法で測定された値を意
味する。
【0011】また、式(I)のアクリル酸エステルとN
−ビニルカルボン酸アミドに加えて、目的物である共重
合樹脂がその界面活性剤としての機能を阻害されない限
りにおいて、式(I)以外の重合性単量体あっても構成
単量体として含まれていてもよい。このような重合性単
量体の例として、アクリル酸、アクリル酸メチル、アク
リル酸ブチルなどを挙げることができる。 本発明にお
けるNービニルカルボン酸アミド系共重合樹脂は、実質
的に架橋結合を有していないものである。 架橋結合に
よってゲル状物を呈するようになれば、界面活性作用が
失われるからである。
【0012】本発明のN−ビニルカルボン酸系共重合樹
脂は、次のようにして製造される。式(I)のアクリル
酸エステルおよびN−ビニルカルボン酸アミドをモノマ
ーとして重合開始剤の存在下に重合反応に付する。この
反応は、生成する共重合樹脂を実質的に溶解しない有機
溶媒中で実施することが重要である。このような目的の
ためには、SP値が8.5〜10である有機溶媒を使用
することが好ましい。ここでいうSP値とは、凝集エネ
ルギー密度、すなわち1分子の単位体積当たりの蒸発エ
ネルギーを1/2乗したもので、単位体積当たりの極性
の大きさを示す。
【0013】このような範囲のSP値を有する具体的な
有機溶媒としては、ベンゼン(9.1),トルエン(8.
9)、キシレン(8.8)等の芳香族または脂肪族炭化
水素類、アセトン(9.8)、メチルエチルケトン(9.
2)等の脂肪族ケトン類、酢酸エチル(9.1),酢酸
メチル(9.6)等のエステル類、ジメチルフォルムア
ミド(12.0)等のアルキルアミド類等が挙げられる
[()内はSP値を示す]。これらのなかでも、とりわ
けベンゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン
あるいは酢酸エチル等を好ましく使用できる。
【0014】重合開始剤としては、例えばナトリウム,
カリウムおよびアンモニウムの過硫酸塩や、過酸化ラウ
ロイル、過酸化カプリリル、過酸化ベンゾイル、過酸化
水素、過酸化ペラルゴニル、クメンヒドロパーオキシ
ド、ターシャリーブチルパーフタレート、ターシャリー
ブチルパーベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキ
シピバレート、ナトリウムパーアセテート、ナトリウム
パーカーボネート等の過酸素化合物、あるいはアゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ化合物など、重合反応の技
術分野において当業者が汎用するものを限定なく使用で
きる。
【0015】上記の重合開始剤のうちでも、溶媒に溶解
可能な過酸化ラウロイル、過酸化カプリリルあるいはア
ゾビスイソブチロニトリル等を使用するのが最も好まし
い実施態様である。このような重合開始剤を使用するこ
とにより、目的物である共重合樹脂がしばしば毛羽立っ
た形状の沈殿物として生成されるので、反応後、使用溶
媒を除去することによって極めて微細な粉末になりやす
く、このために粉末化工程を要することなく、使いやす
い形状の製品が直接得られる。重合開始剤の使用量は、
その種類によっても異なるが、要は対象とする重合反応
が速やかに進行するように適宜、決定すればよいが、例
えば0.1〜1重量%程度用いればよい。
【0016】本重合反応は、通常、不活性雰囲気下で行
うことが好ましい。重合温度は、生成される共重合体の
分子量の大きさに影響を及ぼすが、本発明で目的とする
平均分子量の共重合体を得ようとする場合には、約0〜
100℃の間で反応させるのが好ましい。
【0017】次に、目的物である共重合樹脂の平均分子
量を1,000〜10,000の範囲に調整するため
に、分子量調整剤を使用することも有効である。該分子
量調整剤として具体的には、6〜20個の炭素原子、よ
り好ましくは約8〜16個の炭素原子を有するメルカプ
タン等であって、例えばドデシルメルカプタン,ターシ
ャリードデシルメルカプタンや、その他のアルキルメル
カプタンを使用することができる。その他の分子量調整
剤としてはハロゲン化物質,二硫化チウラム,二硫化ジ
アルキルキサントーゲン,二硫化ジアリル等の硫化物,
置換ホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。
【0018】分子量調整剤の使用量は、目的物である共
重合樹脂の平均分子量が上記の範囲となるように適宜選
択されるが、一般的に原料モノマーをベースとして0.
1〜10重量%を用いるのが好ましい。この使用量より
も少ないときには平均分子量が10,000を越え、逆
に多く加えるときには重合反応が充分に進行せずに平均
分子量が1,000に達しないものが生成され易くな
る。具体例として、アルキルメルカプタン使用時には添
加量が1〜5重量%であることが好ましい。
【0019】本重合反応は、重合が完了するまで、適宜
に実施すればよいが、反応時間は通常、1〜30時間程
度である。反応終了後、濾過等により溶媒を除去し、必
要により乾燥させることにより、粉体状のN−ビニルカ
ルボン酸アミド系共重合樹脂が得られる。
【0020】本発明のN−ビニルカルボン酸アミド系共
重合樹脂は、高分子型界面活性剤として有用である。そ
の特徴は耐塩性、耐アルコール性があり、またpH変化
に対しても耐性を有することから、土木建築、樹脂製造
等の分野において広く使用することができる。具体的な
用途としては、土木建築においては土壌安定剤や、セメ
ントの湿潤・分散剤に、また樹脂製造においては乳化重
合用乳化剤に用いることができる。使用量は、具体的な
用途によって異なるが、一般的には対象とする系全体に
対して約0.01〜5重量%を用いるのが好ましい。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】また、以下において共重合樹脂の評価試験
は、特にことわりのない限り、下記の方法で行った。 界面張力の測定 共重合樹脂の種々の量を脱イオン水あるいは4%塩化ナ
トリウム水溶液にそれぞれ加えて得られる液の界面張力
を、デュヌーイの界面張力計を用いて25℃で測定し
た。 乳化安定性試験 4%塩化ナトリウム水溶液100gまたは4%塩化カル
シウム水溶液100g中に、試料(共重合樹脂)0.1
gを加え、溶解した後オクタン酸セチル50gを加えて
ホモミキサーで乳化させてエマルジョンとした。このエ
マルジョンを室温で5日間放置した後、その変化を観察
した。
【0023】 ○・・・相分離しない ×・・・相分離する 平均分子量の測定方法 元素分析による末端硫黄分析を基準として数平均分子量
を測定した。
【0024】実施例1 酢酸エチル 100g ラウリルメタクリレート 20g N−ビニルアセトアミド 80g 過酸化ラウロイル 0.35g nードデシルメルカプタン 4.0g 酢酸エチル中に、モノマーであるラウリルメタクリレー
トおよびN−ビニルアセトアミド,重合開始剤である過
酸化ラウロイル、および分子量調整剤であるnードデシ
ルメルカプタンを溶解させ、窒素ガス置換を十分に行っ
た。この混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlの
セパラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合
を完了した。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行い粉体状のN−ビニルカルボン酸系共重
合樹脂を得た。このものの平均分子量は、5000であ
った。本共重合樹脂の評価試験の結果を表1〜3に示
す。 実施例2 ベンゼン 100g ラウリルメタクリレート 5g N−ビニルアセトアミド 95g 過酸化ラウロイル 0.35g nードデシルメルカプタン 4.0g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行い粉体状のN−ビニルカルボン酸系共重
合樹脂を得た。このものの平均分子量は、5200であ
った。本共重合樹脂の評価試験の結果を表1〜3に示
す。
【0025】実施例3 酢酸エチル 100g ラウリルメタクリレート 40g N−ビニルアセトアミド 60g 過酸化ラウロイル 0.35g nードデシルメルカプタン 4.0g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行って粉体状のN−ビニルカルボン酸系共
重合樹脂を得た。このものの平均分子量は、4900で
あった。本共重合樹脂の評価試験の結果を表1〜3に示
す。
【0026】実施例4 酢酸エチル 100g ラウリルメタクリレート 30g N−ビニルアセトアミド 55g アクリル酸 15g 過酸化ラウロイル 0.35g nードデシルメルカプタン 4.0g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行い、粉体状のN−ビニルカルボン酸系共
重合樹脂を得た。このものの平均分子量は、5100で
あった。本共重合樹脂の評価試験の結果を表1〜3に示
す。なお、この評価試験において、1%水溶液としたと
きには、水酸化ナトリウムを用いて中和した。
【0027】実施例5 アセトン 100g ベヘニルメタクリレート 10g N−ビニルアセトアミド 90g 過酸化ラウロイル 0.35g nードデシルメルカプタン 4.0g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行って粉体状のN−ビニルカルボン酸系共
重合樹脂を得た。このものの平均分子量は、5000で
あった。本共重合樹脂の評価試験の結果を表1〜3に示
す。
【0028】実施例6 アセトン 100g オクチルメタクリレート 10g N−ビニルアセトアミド 90g 過酸化ラウロイル 0.35g nードデシルメルカプタン 4.0g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行って粉体状のN−ビニルカルボン酸系共
重合樹脂を得た。このものの平均分子量は、5200で
あった。本共重合樹脂の評価試験の結果を表1〜3に示
す。
【0029】比較例1 N−ビニルアセトアミドの代わりにアクリル酸を、n−
ドデシルメルカプタンの代わりにチオグリセリンを用い
た以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。冷
却後、反応物をフラスコより取り出して濾過,乾燥を行
い粉体状の重合物を得た。このものについて、評価試験
の結果を表2、表3および表4に示す。なお、この評価
試験において、1%水溶液としたときには、水酸化ナト
リウムを用いて中和した 比較例2 ラウリルメタクリレートの代わりにメチルメタクリレー
トを、n−ドデシルメルカプタンの代わりにチオグリセ
リンを用いた以外は、実施例1と同様に重合反応を行っ
て粉体状の重合物を得た。このものについて、評価試験
の結果を表1および表3に示す。
【0030】比較例3 メタノール 100g ラウリルメタクリレート 70g N−ビニルアセトアミド 30g 過酸化ラウロイル 0.35g nードデシルメルカプタン 4.0g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で60℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
粉体を得たが、このものは水溶性を示さなかった。
【0031】比較例4 酢酸エチル 100g N−ビニルアセトアミド 100g 過酸化ラウロイル 0.35g チオグリセリン 4.0g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行い粉体を得た。このものについて、評価
試験した結果を表1〜3に示す。
【0032】比較例5 酢酸エチル 100g ラウリルメタクリレート 30g N−ビニルアセトアミド 70g 過酸化ラウロイル 0.35g n−ドデシルメルカプタン 1g 上記の混合物を、窒素ガスの雰囲気下、500mlのセ
パラブルフラスコ中で65℃、24時間加熱し、重合を
完了させた。冷却後、反応物をフラスコより取り出して
濾過,乾燥を行い粉体を得たが、このものは水溶性を示
さなかった。この重合物の平均分子量は、23000で
あった。
【0033】比較例6 n−ヘキサン 100g ラウリルメタクリレート 30g N−ビニルアセトアミド 70g 過酸化ラウロイル 0.35g n−ドデシルメルカプタン 4.0g 上記のとおり混合したが、モノマーがn−ヘキサンに溶
解しなかったため重合が行えなかった。
【0034】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の実施例で得ら
れた共重合樹脂は、その使用濃度の増加と共に界面張力
を低下させており、界面活性剤としての機能を有してい
る。しかも、従来、界面活性剤として一般的に使われて
いるラウリル硫酸ソーダよりも少ない添加量で界面張力
を低下させることができる。
【0035】
【表2】 表2の結果から明らかなように、本発明の実施例で得ら
れた共重合樹脂は、塩化ナトリウムの存在下でも、その
使用濃度の増加と共に界面張力を低下させており、耐塩
性のある界面活性剤として有用である。一方、N−ビニ
ルアセトアミドの代わりにアクリル酸を用いて作製され
た共重合樹脂(比較例1)は、その使用濃度を増加して
も界面張力の低下はあまり見られない。
【0036】
【表3】 表3の結果に示されるように、本発明の実施例で得られ
た共重合樹脂を用いて作成されたエマルジョンは、塩化
ナトリウムの存在下にもかかわらず、相分離することな
く安定に保存できる。一方、比較例1で得られた共重合
樹脂を使用した場合は、エマルジョンは短期間に相分離
を起こし、また比較例2および4で得られたものを使用
してもエマルジョン自体が形成されなかった。
【0037】
【表4】 表4の結果に示されるように、本発明の実施例で得られ
た共重合樹脂を用いて作成されるエマルジョンは、塩化
カルシウムの存在下にもかかわらず、相分離することな
く、安定に保存できる。一方、比較例1で得られた共重
合樹脂を使用してもエマルジョン自体が形成されなかっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明のNービニルカルボン酸アミド系
共重合樹脂は、強い界面張力低下作用を示し、特に無機
あるいは有機イオンの共存する水溶液に対しても従来に
ないような優れた界面張力低下能を有する。したがっ
て、高分子型界面活性剤として、従来品がこれまで使用
不可能であった分野においても新しい用途が期待でき
る。
【0039】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220:18) Fターム(参考) 4D077 AA10 AC01 AC05 BA02 BA07 BA15 CA03 CA13 DD03X DD03Y DD05X DD05Y DD09X DD09Y DD13X DD13Y DD18Y DE02X DE02Y DE24X DE24Y 4H003 AA02 FA48 4J011 HA03 HB16 4J100 AL03Q AN04P BA13P BA14P CA04 DA01 FA03 FA19 JA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式 (式中、R1は水素または炭素数1〜4のアルキル基で
    あり、R2は炭素数8〜30のアルキル基を示す。)で
    表されるアクリル酸エステルを2〜50重量部と、Nー
    ビニルカルボン酸アミドを50〜98重量部とを重合さ
    せた共重合体であって、かつ平均分子量が1,000〜
    10,000であることを特徴とするNービニルカルボ
    ン酸アミド系共重合樹脂。
  2. 【請求項2】前記アクリル酸エステル中のR1が水素ま
    たはメチル基であり、R2は炭素数8〜25のアルキル
    基であることを特徴とする請求項1記載のNービニルカ
    ルボン酸アミド系共重合樹脂。
  3. 【請求項3】Nービニルカルボン酸アミドが下記式 (式中, R3およびR4は互いに独立して水素またはメチ
    ル基を示す。)で表されることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のNービニルカルボン酸アミド系共重合樹
    脂。
  4. 【請求項4】下記式 (式中、R1は水素または炭素数1〜4のアルキル基で
    あり、R2は炭素数8〜30のアルキル基を示す。)で
    表されるアクリル酸エステルを2〜50重量部とNービ
    ニルカルボン酸アミドを50〜98重量部とを、Nービ
    ニルカルボン酸アミド系共重合樹脂を実質的に溶解しな
    い有機溶媒に溶解した後、重合開始剤の存在下に、重合
    反応させることを特徴とするNービニルカルボン酸アミ
    ド系共重合樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】前記有機溶媒のSP値が8.5〜10であ
    ることを特徴とする請求項4記載のNービニルカルボン
    酸アミド系共重合樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載のNービニ
    ルカルボン酸アミド系共重合樹脂を含有してなる界面活
    性剤。
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JP2014534152A (ja) * 2011-10-03 2014-12-18 ジーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト 固体懸濁物用分散剤
KR20210125535A (ko) * 2019-03-22 2021-10-18 쇼와 덴코 가부시키가이샤 N-비닐카르복실산아미드 공중합체 수용액의 제조 방법

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