JP2000014841A

JP2000014841A - ゴルフクラブヘッド

Info

Publication number: JP2000014841A
Application number: JP10189301A
Authority: JP
Inventors: Masayoshi Nishio; 公良西尾
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 1998-07-03
Filing date: 1998-07-03
Publication date: 2000-01-18

Abstract

(57)【要約】【課題】外観形状に違和感を生じさせることなく、慣
性モーメントが大きく、重心深度Ｄの深いゴルフクラブ
ヘッドを提供する。【解決手段】クラウン部４とサイド部７との境界稜線
に沿って、重量付加体９を固着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブヘッド
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ヘッドを返りやすくしてボール
を捕まり易くするためには、重心深度を深くすれば良
い。そこで、従来、ゴルフクラブヘッドのフェース─バ
ックフェース方向の長さを大きくしたクラブヘッドが知
られている。また、図11に示すように、サイドメタル31
等の重量物をバックフェース32側に付加しているものも
知られている。

【０００３】また、ボールの打出される方向性を良くす
るためには、慣性モーメントを大きくすれば良く、比重
の軽い材料を使用してヘッド全体の形状を大きくした
り、あるいは、サイド部に重量付加体を付設する方法が
知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘッド
が大きすぎると、ボールを打とうとして構えたときに、
違和感が生じて、構えずらくなる。また、フェース─バ
ックフェース方向の長さを大きくした場合、通常のヘッ
ドと前後、左右の比率が大きく異なるので違和感が生
じ、構えずらくなる。また、サイド部に重量付加体を付
設したヘッドでは、トウ─ヒール方向の慣性モーメント
が大きくならない等の問題がある。そこで、本発明は、
トウ─ヒール方向の慣性モーメントが大きく、打球時に
違和感を生じず、かつ、重心深度が深くて慣性モーメン
トの大きいゴルフクラブヘッドを提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るゴルフクラブヘッドは、クラウン部
とサイド部との境界稜線に沿って、重量付加体を、付設
したものである。また、クラウン部とサイド部との境界
稜線に沿って、該境界稜線の全長の30％以上の範囲に重
量付加体を付設したものである。また、境界稜線に沿っ
てクラブヘッドに10mm以下の幅寸法の凹溝を形成し、該
凹溝に、線条体状の重量付加体を、埋設したものであ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を詳説する。

【０００７】図１〜図４は、本発明の実施の一形態を示
し、このゴルフクラブヘッドは、ウッド型ゴルフクラブ
ヘッドであって、中空殻状のヘッド本体１と、シャフト
挿入のためのシャフト挿入部２から成る。上記ヘッド本
体１は、底面を成すソール部３と、上面を成すクラウン
部４と、ボールを打つフェース部５と、シャフト挿入部
２付近のネック部11と、ネック部11からソール部３にか
けてのヒール部６と、残部のサイド部７から成る。サイ
ド部７のうち、フェース部５から最も離れている部位周
辺部はバックフェース部８とされ、シャフト挿入部２か
ら最も離れている部位周辺部はトウ部12とされる。

【０００８】クラウン部４とサイド部７との境界稜線に
沿って、ヘッド本体１の構成部材よりも比重の重い金属
部材から成る重量付加体９が固着されている。具体的に
は、図５，図６に示すように、上記境界稜線に沿って、
クラブヘッドに形成された凹溝10に、線条体状の重量付
加体９を埋設または溶接等により固着する。この境界稜
線の全長の30％以上にわたって重量付加体９を配設す
る。

【０００９】なお、本発明に於て、「境界稜線」とは、
ヘッドを所定角度にセットしたとき真上から見たネック
部11から、トウ部12のフェース側端部までの輪郭を指
す。図２では、この境界稜線の全長の100 ％にわたって
重量付加体９が配設されている場合を図示する。また、
図７、図８では、境界稜線の全長の50％にわたって重量
付加体９が配設されている場合を図示する。

【００１０】ヘッド本体１の構成部材としては、例え
ば、チタン合金（比重4.42），ジュラルミン（比重2.8
0）等があり、重量付加体９の金属部材としては、例え
ば、真鍮（比重8.6 ），銅（比重8.93），タングステン
合金（比重18.0）等がある。

【００１１】図９に於て、Ｇはゴルフクラブヘッドの重
心の位置を示し、重心Ｇを通るトウ─ヒール方向の軸
（Ｘ軸）廻りの慣性モーメントをＭx 、重心Ｇを通り、
Ｘ軸に直交するクラウン─ソール方向の軸（Ｙ軸）廻り
の慣性モーメントをＭy とする。重量付加体９が上述の
ように固着されることにより、これらの慣性モーメント
Ｍx ，Ｍy は大きくなり、フェース面のスィートエリア
が広くなる。つまり、ミスショット時のボールの打出し
方向のずれ、スライスやフックによる打出し方向のぶれ
を、著しく減少できる。

【００１２】上記重量付加体９は、（上述のように、）
クラウン部４とサイド部７との境界稜線の全長の30％以
上の範囲に付設されているが、この重量付加体９が上記
境界稜線の全長に占める割合が30％未満だと、慣性モー
メントＭx ，Ｍy があまり大きくならない。つまり、サ
イドメタルを付加したものと、効果の差がない。

【００１３】また、凹溝10の溝幅寸法Ｗが、10mm以下に
設定されている。上記幅寸法Ｗが10mmより大きいと、重
量付加体９の埋込みや、溶接等による固着が上手くでき
ないからである。また、重量付加体９の全重量は、５〜
40ｇが好ましい。これは、５ｇより軽いと慣性モーメン
ト増大の効果が小さく、40ｇを越えると重量付加体９の
固着が上手くできないからである。

【００１４】また、重量付加体９のヘッド本体１への固
着方法は、接着剤やネジ等を使用したものや、圧入等で
も良い。なお、本発明に於て、「中空殻状」とは、必ず
しも中空のものを指さない。すなわち、内部に発泡樹脂
が充填されたもの等をも含む。

【００１５】

【実施例】ヘッド体積を300cc 、ヘッド本体構成部材
は、同一のチタン合金として、次のような従来例、従
来例、本発明実施例の３種類のテスト用ゴルフクラブ
を作製した。従来例は、サイドメタル等の重量付加部
材を有さない。従来例は、図11に示すようにサイドメ
タルとして真鍮を固着されている。本発明実施例は、図
１〜図４に示すように、クラウン部４とサイド部７との
境界稜線のうち、全長の90％に重量付加部材として10ｇ
の真鍮を固着されている。なお、上記３種類のテスト用
ヘッドは、上記のような相違点以外の、形状等は全て同
一のものとした。

【００１６】上記のようなヘッドについて、ヘッド重
量、重心深度、慣性モーメントを測定した。測定結果を
表１に示す。慣性モーメントは、ヘッドを平面に置いた
とき、重心点を通り、平面に垂直な軸の廻りの慣性モー
メントＭy を測定した。重心深度は、図10中のＤで示す
ように、ヘッドのリーディングエッジと重心位置との水
平方向の距離を測定した。

【００１７】

【表１】

【００１８】表１より、本発明の実施例のものは、従来
例、に較べて、重心深度Ｄが深くなり、慣性モーメ
ントＭy も大きくなっていることが分かる。次に、これ
ら３種類のヘッドに同一のシャフト等を装着して、ゴル
フクラブヘッドを作製し、各５回ずつ打撃するマシンテ
ストを行った。テストの結果を、表２に示す。なお、ズ
レは、センターを中心として、その中心から左右への距
離を計測した。

【００１９】

【表２】

【００２０】表２から、本発明実施例では、従来例、
に較べて、キャリー及びトータル共に増大し、かつ、
左右方向へのズレが小さくなっていることが分かる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。

【００２２】（請求項１によれば）ヘッド形状がゴルフ
ァーに違和感を与えること無く、慣性モーメントを大き
くして、ボールの打出される方向性を良くすることがで
きる。また、重心深度を大きくして、ヘッドが返りやす
くなり、ボールを捕まえやすくすることができる。（請
求項２によれば）ヘッドの慣性モーメントを適切に大き
くすることができる。

【００２３】（請求項３によれば）重量付加体９をヘッ
ド本体１に溶接、圧入等により容易に固着することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態を示す正面図である。

【図２】平面図である。

【図３】斜視図である。

【図４】右側面図である。

【図５】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図６】要部拡大断面図である。

【図７】他の実施の形態を示す平面図である。

【図８】別の実施の形態を示す平面図である。

【図９】慣性モーメントの説明図である。

【図10】重心深度の説明図である。

【図11】従来例を示す正面図である。

【符号の説明】

４クラウン部７サイド部９重量付加体 10 凹溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】クラウン部４とサイド部７との境界稜線
に沿って、重量付加体９を、付設したことを特徴とする
ゴルフクラブヘッド。
【請求項２】クラウン部４とサイド部７との境界稜線
に沿って、該境界稜線の全長の30％以上の範囲に重量付
加体９を付設したことを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド。
【請求項３】境界稜線に沿ってクラブヘッドに10mm以
下の幅寸法の凹溝10を形成し、該凹溝10に、線条体状の
重量付加体９を、埋設した請求項１，２記載のゴルフク
ラブヘッド。