JP2000014263A - ユーカリ属植物の発根方法 - Google Patents

ユーカリ属植物の発根方法

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哲 河津
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敬悟 土肥
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ユーカリ属植物の外植体から健全な根系を効率
良く、しかも簡便に誘導し、さらに活着率の高い成苗を
得る方法を提供する。 【解決手段】ユーカリ属植物の外植体を、無機塩類、炭
素源およびビタミン類を含有する液体培地を含浸させた
バーミキュライトとセルロース繊維からなる固体培地に
置床し、無菌性を維持し、かつ通気性を有する紙類を用
いた光透過性容器で発根させる発根方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、ユーカリ属植物の発根方法に関
し、更に詳しくはユーカリ属植物由来の外植体を液体培
地を含浸させた固体培地に置床することによって、優れ
た根系を有するクローン植物体を効率的に成苗とする方
法に関するものであり、育種や繁殖等の農学、林学、生
物学の分野に広く応用できる技術である。
【0002】
【従来の技術】フトモモ科ユーカリ属植物は、500種
以上から構成され、オセアニアを原産として湿潤、乾
燥、熱帯から温帯に到る様々な環境に適応できる多種属
植物である。このユーカリ属植物は、成長性はもとより
パルプ適性においても優れることから、世界各地で80
0万ヘクタールを越える植林が行われている。そして得
られる木材は、パルプ材を中心として様々な建築材料、
薪炭材やオイル生産等に利用され、植林に利用される植
物としては極めて重要な位置を占めている(FAO編,FAO
Forestry Series, Rome, Italy, "Eucalypts for plant
ing", No.11, p.677 (1979))。ユーカリ属植物のう
ち、ユーカリプタス・カマルドレンシス、特にはユーカ
リプタス・グロブラスあるいはユーカリ交雑種は、容積
重、繊維長、パルプ収量等のパルプ適性に優れ、また成
長性も極めて高いことが知られている。また、ユーカリ
プタス・カマルドレンシスは耐塩性、耐乾燥性が高く、
様々な不良環境地に植林されることもある。そのため、
これらのユーカリはパルプ産業における植林樹種として
重要視され、オーストラリア、パプアニューギニア等の
オセアニア、ブラジル、アルゼンチン、チリ、メキシコ
等の中南米、ベトナム、中国、タイ、インド等のアジ
ア、フランス、ポルトガル、スペイン等のヨーロッパ、
モロッコ、南アフリカ等のアフリカ、さらにアメリカで
も精力的に植林されている。
【0003】ユーカリ属植物を含む木本性植物は一般的
に他殖性であるため、実生による繁殖では成長性やパル
プ適性等の遺伝的に支配される形質にバラツキが生じ
る。この問題を解決する方法として、成長性あるいは耐
病性等の特定形質において優れた個体(プラス木)を選
抜し、さらに挿し木法によりそのクローンを増殖した
後、植林に利用する方法で全体として優れた林分が生産
されている(斉藤ら、林木の育種、156:34 (1990))。
このように木本性植物では、挿し木法によるクローン増
殖が広く利用されているが、増殖率が悪いこと、発根性
が低いこと、挿穂を生産するための採穂園の設置が必要
であること、さらには挿し木の時期が限られること等の
欠点を改善することが必要である。
【0004】一方、木本性植物のクローン増殖技術とし
ては組織培養による方法があり、挿し木法の欠点を克服
する方法として一部実用化されている。一般的な木本性
植物の組織培養法としては、組織片を培養して不定芽を
分化させ、芽、根を成長させて完全植物を得るか、ある
いは芽培養または茎頂培養により苗条を育て、発根させ
て完全植物を得る方法が実施されている(竹内、中島、
古谷編、新植物組織培養、朝倉書店、1979年)。木本性
植物の組織培養における発根工程では、無菌化した苗条
を植物ホルモンと寒天あるいはゲランガム(Gellan gu
m)等を添加したムラシゲ・スクーグのMS(Murashige
& Skoog, Physiol. Plant, 15 : 473 (1962))培地、
ガンボーグのB5(Gamborg et al., Exp. Cell Res.,
50 : 151(1968))培地等の植物組織培養培地に植え付け
ることによって発根させる。
【0005】ユーカリ属植物の組織培養においても、特
開昭62‐55020号、特開平9‐98684号等に
開示されているように、その発根工程において寒天ある
いはゲランガムを用いる方法が行われているが、得られ
た根が水中根性を示し、側根の分化が少ない。そのた
め、根の分化促進あるいは伸長促進を図る方法として、
組織培養に使用する液体培地における植物ホルモンの種
類や濃度について多数の検討がなされている。また本発
明者等も特開平4‐311328号公報において、低分
子の多価フェノール類とゲランガムを含有する発根培地
を使用することによって、発根数とその根長が増加する
効果を確認している。しかし、これらの方法では水中根
性や側根の分化を飛躍的に改善する効果は得られなかっ
た。
【0006】寒天やゲランガムを支持体材として使用す
ることによって生じる根系不良の原因としては、支持体
材の空隙性等の物理的性質による可能性が高いことが推
測されており(Herman編、Recent Advances in Plant T
issue Culture III、p112、Agritech Consultants社、1
995年)、寒天やゲランガムに変わる支持体材の開発が
進められている。本発明者等も支持体材の物理性の改良
を検討した結果、特開平3‐7515号公報において苗
条原基から形成される苗条をセラミックファイバーから
なる植物組織培養用培地支持繊維材に置床して発根させ
る方法を提案している。支持体材の物理性に着目した同
様の改良としては、園芸用資材として利用されているパ
ーライトとバーミキュライトを支持体材として使用した
例(Motooka et al., J. of Jap. Soc. Hort. Sci. 60
: 971 (1992))があり、苗条の生育が速くなったこと
が報告されている。
【0007】さらに組織培養工程における増殖から順化
工程での作業性の向上を目的とし、バーミキュライトと
セルロース繊維を成型した支持体材に関する製造方法お
よびそれを用いた培養方法(WO97/48271号)
が開示されている。さらにその支持体は、発根工程にお
ける培養時に通気条件が重要であることも開示してい
る。組織培養における通気条件については、本発明者等
も特願平9‐116870号において、寒天等を支持体
材にする場合でも重要であることを記載しており、さら
に本発明者らは、通気のために一般的に利用されている
多孔膜よりはるかに安価な紙類を用いた通気方法を示し
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、バー
ミキュライトとセルロース繊維を成型した支持体材を用
いたユーカリ属植物の発根工程における培養条件を至適
化するものである。すなわち、無菌化したユーカリ属植
物の外植体をバーミキュライトとセルロース繊維を成型
した支持体材に置床する際の、無機塩類および炭素源を
含有する液体培地組成、通気方法、培養温度、培養照
度、発根に用いる苗条の状態を明らかにし、順化後の活
着率の高いユーカリ属植物の発根方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題につい
て検討した結果、成長性、材質、造林特性に優れたユー
カリ属植物の無菌化した外植体を、無機塩類および炭素
源を含有する液体培地を含浸させたバーミキュライトと
セルロース繊維からなる固体培地に置床して、照度2,
000〜30,000ルクス、温度15〜35℃で発根
させることを特徴とするユーカリ属植物の発根方法に関
する。
【0010】さらに、本発明におけるユーカリ属植物の
外植体が、ユーカリプタス・カマルドレンシス、ユーカ
リプタス・グロブラスあるいはユーカリ交雑種から得ら
れた外植体であるユーカリ属植物の発根方法に関する。
【0011】さらに、本発明の発根処理に使用する液体
培地を含浸させた固体培地を収納した光透過性容器のガ
ス透過性素材は、無菌性を維持し、かつ通気性を有する
紙類であることを特徴とするユーカリ属植物の発根方法
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。ユーカリ属植物の外植体の調製方法 発根に使用する無菌化したユーカリ属植物の外植体とし
ては、野外に生育する植物体、無菌的な播種によって得
られた植物体、あるいは組織培養や器官培養によって得
られる無菌的な多芽体、不定苗条や早生分枝を用いるこ
とが可能である。屋外に生育しているユーカリ属植物を
材料とする場合、当年枝の成長点あるいは腋芽を含む1
0〜30mmの外植体を、通常の殺菌処理を行い外植体と
する。一方、無菌播種した材料を用いる場合、例えばユ
ーカリ属植物の種子を通常の殺菌方法により殺菌後、例
えばWPM(Loyd & McCown, Proc. Int. Plant Prop.
Soc., 30 : 421 (1980))、B5、MS培地等に、炭素
源として、例えばショ糖等を加えた固形培地上に無菌的
に播種して、得られた10〜20mmの苗条を外植体とす
る。さらに不定苗条、早生分枝や多芽体は、特開昭62
‐55020号、特開平9‐98684号、特願平9‐
116870号等に記載された方法に従って誘導するこ
とが可能である。
【0013】外植体の発根方法 上記方法によって得られた外植体を発根培地に置床して
発根させるが、そこで使用する外植体は誘導方法に依存
せず、発根処理としては同等に取り扱うことができる。
ついで本発明で使用する発根培地としては、例えば1〜
1/5倍に希釈したWPM、MS、B5培地等に、植物
ホルモンであるオーキシン類として、ナフタレン酢酸
(NAA)、インドール酪酸(IBA)、インドール酢酸(IA
A)等を0.01〜4mg/l添加し、さらに炭素源と
して例えばショ糖1〜3%を添加した液体培地を使用す
る。この液体培地をバーミキュライトとセルロース繊維
を成型した支持体材(日清紡社製、フロリアライト、以
下、バーミキュライト成型材と略す)に含浸させて発根
培地とする。その混合割合は植物種によって若干異なる
が、バーミキュライト成型材10g当たり30〜70m
lの液体培地の添加が適当である。これに上記の方法に
より得た外植体を植え付ける。
【0014】ここで外植体の植え付けを行う光透過性容
器のガス透過性素材としては、通常の組織培養に使用さ
れガス透過性のないアルミ箔、キャップ等でも可能であ
るが、アルミ箔に通気膜(孔径3mm、メンブレンの最大
孔径0.02μm)を有するサンキャップシート(岩城
硝子製‐SUN-SHEET 12-12)を用いることが好ましい。ま
た無菌性を維持し、かつ通気性を有する紙類、例えばロ
紙、上質紙、薬包紙、半紙、グラシン紙、セルロース等
を用いることがさらに好ましい。発根工程での培養条件
は、照度2,000〜30,000ルクスが良く、さら
に照度10,000〜20,000ルクスが好ましい。
温度15〜35℃の条件があげられるが、植物種によっ
て若干異なる。つまり熱帯性のユーカリ属植物の一例と
してユーカリプタス・カマルドレンシスは、照度5,0
00〜30,000ルクスと温度25〜35℃といずれ
も高い方が好ましく、温帯性のユーカリ属植物の一例と
してユーカリプタス・グロブラスは、照度2,000〜
20,000ルクスと温度15〜25℃の設定はいずれ
も低い方が好ましい。以上の条件で発根処理を行い、2
0〜50日で発根する。
【0015】順化方法 発根した植物体は、温度20〜35℃、湿度が70%以
上に保った環境下で約1カ月かけて順化した後、バーミ
キュライト成型材のまま鉢出しが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0017】[実施例1]早生分枝の誘導方法 無菌状態にあるユーカリプタス・カマルドレンシス(Eu
calyptus camaldulensis)の5クローン(クローンAか
らE)から切り取った成長点を含む外植体を、1%のシ
ョ糖を添加したB5培地(pH5.6)を30mm(外径)×
200mmの試験管に25ml加え、そこに外植体を植え付
けた。次いで、28℃の温度、下辺が2,000ルクス
上辺が10,000〜20,000ルクスの照度の光照
射下で、2rpmの回転速度で3〜5週間竪型回転培養し
た。回転培養によって得られた早生分枝は、成長点を含
む外植体を約1カ月ごとに植え継ぐことで、増殖と伸長
を繰り返し行うことができる。
【0018】発根方法 回転培養によって得られた5クローンの早生分枝を茎頂
を含む長さ10〜30mmに切り取り、1/4濃度に希釈
したB5培地にNAA0.01mg/l、ショ糖1%を添
加してpH5.6に調製した液体培地40mlを8〜1
0gのバーミキュライト成型材に加え、発根培地とし
た。光透過性容器のガス透過性素材には、無菌性を維持
しかつ、通気性を有する薬包紙を用い、その培養を照度
20,000ルクス、16時間の明条件、温度29℃
(培地温度32℃)で行った。発根処理後、20〜40
日間で発根培地下部からの発根を認めた。発根処理を行
って30日目の苗高、発根状態と順化後の活着率を表1
に示した。ここでの活着率は以下の方法で算出した。ま
た、本実施例の結果を表1に示した。 活着率(%)=(順化30日後に生存した個体数÷順化
に供試した個体数)×100
【0019】
【表1】
【0020】[実施例2]野外植物からの外植体の調製方法 野外で生育しているユーカリ交雑種(Eucalyptus grand
is ×Eucalyptus urophylla)の成長点を含む外植体を
切り取り、外部の汚れを水で洗い流した後、70%エタ
ノールに30秒間、次いで5倍に希釈した次亜塩素酸ナ
トリウム溶液に、ポリオキシエチレン(20)ソルビタ
ンモノラウレート(Tween20)を0.1%加えた液で10
分間浸漬して殺菌後、滅菌水で3回洗浄した。ここで得
られた外植体はそのまま発根の材料となるが、増殖を目
的とした場合、この外植体をB5培地に対して、NAA
0.02mg/l、ベンジルアデニン0.2mg/l、
ショ糖1%、ゲランガム0.2%を添加してpH5.6
に調製した増殖培地に置床して、増殖を行ってから発根
材料とした。
【0021】発根方法 茎頂を含む長さ15mmの外植体を切り取り、1/4濃度
に希釈したB5培地にNAA0.01mg/l、ショ糖1
%を添加してpH5.6に調製した液体培地40mlを
8〜10gのバーミキュライト成型材に加え、発根培地
とした。光透過性容器のガス透過性素材には、無菌性を
維持しかつ、通気性を有する薬包紙を用い、その培養を
照度15,000ルクス、16時間の明条件、温度25
℃(培地温度27℃)で行った。発根処理後、20〜4
0日間で発根培地下部からの発根を認めた。
【0022】[実施例3]無菌播種した植物体からの外植体の調製方法 ユーカリプタス・グロブラス(Eucalyptus globulus)
の種子を7倍に希釈した次亜塩素酸ナトリウム溶液に、
Tween20を0.1%加えた液で40分間浸漬し、次い
で、無菌的に70%のエタノールで2分間、さらに5倍
に希釈した次亜塩素酸ナトリウム溶液にTween20を0.
1%加えた液で30分間浸漬して殺菌後、滅菌水で3回
洗浄した。つぎに、無菌的に1%ショ糖および0.6%
の寒天を含むB5培地上に種子を置床した。培養条件
は、24℃の温度、4,000ルクスの照度、16時間
の明条件下で行った。播種後、約2週間生育させた幼植
物体の成長点を含む外植体5〜10mmを切り取り、これ
を発根材料とした。
【0023】発根方法 茎頂を含む長さ15mmの外植体を切り取り、1/4濃度
に希釈したB5培地にIBA0.1mg/l、ポリビニル
ピロリドン0.1%、ショ糖1%(pH5.6)を含有
する液体培地40mlを8〜10gのバーミキュライト
成型材に加え、発根培地とした。光透過性容器のガス透
過性素材には、無菌性を維持しかつ、通気性を有する薬
包紙を用い、その培養を照度10,000ルクス、16
時間の明条件、温度25℃(培地温度27℃)で行っ
た。発根処理後、20〜40日間で発根培地下部からの
発根を認めた。
【0024】[比較例1]発根培地における固体培地に
0.45%の寒天を用いた以外の条件は、実施例1と同
様の方法で実施した結果を表1に示した。供試した5ク
ローンについて実施例1の結果と比較した結果、苗高、
主根数、主根長において、寒天を支持体材とした方が、
バーミキュライト成型材を用いた場合より優れるように
も見られたが、供試したすべてのクローンで側根数の減
少が見られ、形態的にも水中根状を呈することが明らか
になった。この根系不良によって、最終的には寒天を支
持体とした場合の活着率が、バーミキュライト成型材を
用いた場合より低下した。
【0025】[比較例2]発根工程における光透過性容
器の薬包紙の代わりにアルミ箔あるいはサンキャップシ
ートを用いた以外の条件は、実施例1と同様の方法で実
施した結果を表2に示した。光透過性容器のガス透過性
素材には、アルミ箔よりもサンキャップシートさらに薬
包紙を用いた方が、側根数、主根長それから活着率が増
大することが明らかになった。
【0026】
【表2】
【0027】[比較例3]発根培地におけるショ糖を無
添加にする以外の条件は、実施例1と同様の方法で実施
した結果を表3に示した。供試した2クローンについ
て、ショ糖を無添加にした場合、苗高、主根数、側根
数、主根長の生育要因において実施例1より低下し、そ
の結果、順化後の活着率においてもショ糖濃度を1%に
した場合よりも劣った。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。ユーカ
リ属植物の外植体を液体培地を含浸させたバーミキュラ
イトとセルロース繊維からなる固体培地に置床して発根
させることにより、従来法である寒天やゲランガムを用
いる発根方法より、健全な根系を誘導し、さらに活着率
の高い成苗を得ることができる利点をもつ。また発根を
誘導する時には、光透過性容器のガス透過性素材に従来
のアルミ箔等より通気性が優れている紙類を用いること
で、健全な成苗をより安価に得るのに有効であることが
明らかとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B030 AA03 AB03 AD20 CA28 CB02 CD03 CD07 CD10 CD18 4B065 AA89X BB02 BB13 BB26 BB34 BC41 BC44 BC48 CA53

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無菌化したユーカリ属植物の外植体を、無
    機塩類および炭素源を含有する液体培地を含浸させたバ
    ーミキュライトとセルロース繊維からなる固体培地に置
    床して、照度2,000〜30,000ルクス、温度1
    5〜35℃で発根させることを特徴とするユーカリ属植
    物の発根方法。
  2. 【請求項2】前記ユーカリ属植物の外植体が、ユーカリ
    プタス・カマルドレンシス、ユーカリプタス・グロブラ
    スあるいはユーカリ交雑種から得られた外植体である請
    求項1記載のユーカリ属植物の発根方法。
  3. 【請求項3】前記発根処理に使用する液体培地を含浸さ
    せた固体培地を収納した光透過性容器のガス透過性素材
    は、無菌性を維持し、かつ通気性を有する紙類であるこ
    とを特徴とする請求項1および請求項2記載のユーカリ
    属植物の発根方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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