JPH0947173A - 固形培地中で生育する多肉植物の培養方法 - Google Patents

固形培地中で生育する多肉植物の培養方法

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JPH0947173A
JPH0947173A JP19938295A JP19938295A JPH0947173A JP H0947173 A JPH0947173 A JP H0947173A JP 19938295 A JP19938295 A JP 19938295A JP 19938295 A JP19938295 A JP 19938295A JP H0947173 A JPH0947173 A JP H0947173A
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agar
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Chikako Sumi
智佳子 墨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形培地中で生育する多肉植物の発根を抑制
し、花芽形成を誘導して形状をより良好に保ち、また、
支持体の割れを防止する。 【解決手段】 1〜5mg/lのサイトカイニンを含む
培地で培養する。固形化剤としてゲランガムを培地の体
積に対する重量で0. 3〜0. 35%w/vの濃度で使
用する。1サイクルを24時間として、14〜18時間
明期、10〜6時間暗期の長日条件下での培養後、9〜
12時間明期、15〜12時間暗期の短日条件下での培
養を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物バイオテクノ
ロジー分野における植物体の培養方法について、特に、
固形培地中で生育する多肉植物の培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多肉植物とは、葉、茎や根などが肥大し
て水分を蓄積し、乾燥に耐える植物の総称である。多肉
植物は、多くの科と属の植物が含まれていて、その原種
は1万種以上になる。多肉植物は、病害虫にも強く、花
だけでなく葉や茎の形もエキゾチックなものが多く、ま
た、寄せ植えやハンギングバスケット植えといった鑑賞
の楽しみがあるため人気のある植物である。最近では、
園芸交配種も盛んに作られ、ベンケイソウ科の花月やト
ウダイグサ科のキリン類、ユリ科のアロエといった昔か
ら栽培されていたもの以外にも、メセンブリアンテマ科
のリトープスやベンケイソウ科の黒法師などが園芸品種
として有名である。
【0003】この植物は、雌雄異株のものがあったり、
種が細かかったり、交配の困難さや、また、種から増や
しても大きく成長するのに時間がかかるといった点か
ら、増やし方には、葉ざし、挿し木、株分け等が一般的
に行われている。しかし、新しい品種や優秀な個体を作
り出す場合、上記の方法では難しく、生産能率も極めて
低い。したがって、本発明者によって、草本類で行われ
ている組織培養技術を応用して、無菌的に組織培養する
方法が開発され、特願平6−232639号公報に開示
されている。
【0004】さらに、この植物の新しい育成方法とし
て、多肉植物の茎や葉の表面のクチクラ層が発達し、葉
からの蒸散を防ぐ性質を利用した、固形培地中で生育す
る多肉植物の培養方法が開発されている。この培養方法
による植物体は、固形培地中で花のように見えることか
ら「寒天花(かんてんか)」と名付けられている。寒天
花とは、上記培養方法を利用して、固形培地を使用した
組織培養において、本来支持体の働きをする寒天中に多
肉植物を生育させたものである。以下の本明細書中で
は、この固形培地中で生育する多肉植物を寒天花と呼ぶ
こととする。多肉植物が大気中ではなく、固形培地の表
面から培地内部に向かって成長していくという生育方法
の特異性から、寒天花培養の技術は、多肉植物の新たな
鑑賞方法を提供する。寒天花の形状及び植物体の上向き
の成長を抑制するための光の照射方法、置床方法、培地
量の調節などが特願平6−58542号公報に開示され
ている。この方法によれば、多肉植物を培地の表面から
培地内部に向かって成長させることができる。
【0005】培養容器内で生育させた組織や植物体は、
水分を含んだ緑色のガラス様の透明感ある状態になるビ
トリフィケーション(vitrification)を
起こすことがある。ビトリフィケーションを起こすと、
葉や茎の組織の内部に水が浸潤し、気孔の発達が貧弱と
なる。多肉植物を固形培地中で生育させた場合、ほかの
組織培養と比較してビトリフィケーションが生じやす
い。そのため、一般に使用されている0. 8%w/v寒
天濃度では100%の個体がビトリフィケーションを起
こすため、従来の多肉植物を固形培地中で生育させる技
術では、1%w/v寒天濃度の培地で培養を行ってい
る。
【0006】花芽形成を誘導するために、一般的に行わ
れている組織培養では、培地中に植物成長調節物質のア
ブシジン酸(abscisic acid、以下、「A
BA」と略す)を添加する方法が取られる場合がある。
鉢植えの多肉植物では、花芽形成の誘導には、水やりを
止めるなどの方法で水ストレス(水分欠乏)を起こさせ
る。これは、ABAが水ストレスによって急激に増加す
るという生理作用を利用したものである。
【0007】一般に、植物の組織培養では、組織片から
カルスを誘導し、そのカルスにインドール−3−酢酸、
1−ナフタレン酢酸、2, 4−ジクロロフェノキシ酢酸
などのオーキシン及びカイネチン、ゼアチン、ベンジル
アデニンなどのサイトカイニンを比率を変えて添加し、
根、茎葉などの器官を形成させる。オーキシン及びサイ
トカイニンの濃度はそれぞれ、0. 02〜5mg/lで
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特願平6−5
8542号公報に開示された方法では、図3の(A)に
示すように、支持体3中の新個体2の成長以上に根6が
成長し、発根量が増加してしまう。そのために、新個体
2の生育が阻害されたり、根6が培養容器4を覆ってし
まい、培養容器4の外から支持体3中の植物体が見えに
くくなり、鑑賞価値が下がる。
【0009】さらに、従来用いられる1%w/v寒天の
濃度では、寒天が固化するため、図3の(B)に示すよ
うに、植物体の成長に伴って、支持体3が割れてしま
い、この割れ目7によって生じた気層の影響で支持体3
内の植物にかかる圧力差が生じ、肥大した新個体8が生
じる場合があり、外見の見栄えが悪く商品価値が下が
る。
【0010】多肉植物でも、メセンブリアンテマ科のリ
トープスなどのように、花が咲く種があり、多肉植物栽
培における楽しみの1つとなっている。しかし、植物体
が固形培地中で成長していく場合、組織の老化や休眠促
進の作用も持つABAを置床時に培地中に添加すること
はできないし、新たにABA添加培地に植え替えること
も製作過程上、不可能である。また、植物を閉鎖系で培
養し、さらに十分に水を保持した固形培地中で生育させ
るため、水ストレスによって植物体内のABAを増加さ
せる手段を取ることもできない。そのため、固形培地中
に生育する多肉植物に花芽形成を起こさせることはでき
なかった。
【0011】したがって、本発明は、むやみな発根を抑
制し、支持体が割れることなく、花芽形成を起こすよう
な多肉植物の固形培地中での育成方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的解決のため、本
発明者らは、培地の組成、照明時間等の培養条件を新た
に設定して、多肉植物を固形培地中でさらに良好に培養
する技術を開発することができた。
【0013】すなわち、本発明は、1〜5mg/lのサ
イトカイニンを含む植物培養用固形培地中で植物体を培
養することを特徴とする固形培地中で生育する多肉植物
の培養方法を提供する。この培養方法によって固形培地
中で多肉植物を培養すると、図3の(A)に示すような
むやみな発根をせず、生じる新個体の数も増加するの
で、見栄えのよい植物体が得られる。
【0014】また、本発明は、固形化剤としてゲランガ
ムを0. 3〜0. 35%w/vの濃度で含むことを特徴
とする固形培地中で生育する多肉植物の培養方法を提供
する。この培養方法によって固形培地中で多肉植物を培
養すると、図3の(B)に示すような支持体の割れがな
く、支持体の透明度も増加するので鑑賞価値も上がる。
【0015】さらに、本発明は、組織片を照度3, 00
0〜10, 000lux、1サイクルを24時間として
14〜18時間明期、10〜6時間暗期の長日条件で培
養した後に、9〜12時間明期、15〜12時間暗期の
短日条件で培養することを特徴とする固形培地中で生育
する多肉植物の培養方法を提供する。この培養方法によ
って固形培地中で多肉植物を培養すると、メセンブリア
ンテマ科のリトープスなどのように、花が咲く種を固形
培地中で培養した場合には、従来の培養方法ではできな
かった花芽形成を誘導でき、花を咲かせることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】発根抑制処理 多肉植物の外植体を植物ホルモン無添加の培地、又はオ
ーキシン無添加の培地で培養した場合、カルスを形成せ
ずに、直接新個体を生じる。したがって、根の発根を促
進する作用を持つオーキシンを添加しないことによっ
て、発根を抑え、さらに、高濃度のサイトカイニンを添
加した培地で培養することによって、根の成長阻害が生
じ、根の本数を従来の1/10以下にすることができ
る。用いるサイトカイニンとしてはカイネチンが望まし
い。カイネチン濃度は1〜5mg/lが好ましく、5m
g/l以上であると植物体全体の成長が阻害され、1m
g/l以下であると望ましい発根抑制効果が得られな
い。
【0017】この場合、ホルモンを添加する培地の種類
は、一般的に植物組織培養に用いられているものならば
全て応用可能であるが、特にMurashige−Sk
oog培地(以下、「MS培地」と略す)を用いるのが
好ましい。さらに、1. 5〜3%w/vのショ糖を添加
するのが好適である。MS培地の組成は、現在一般的な
文献等(例えば、「生物工学実験書」、日本生物工学改
編、p381、1992年、培風館刊)に記載されてい
るものと同様である。
【0018】また、上記ホルモン濃度で多肉植物の外植
片1を培養すると、図1の(A)で示すように、新個体
2の頂芽の成長を抑え、従来では1つの外植片1から支
持体3の中に側芽が3〜4個しか生じなかったのに対
し、15〜40個の側芽を生じさせることができる。こ
れによって培養容器4内の新個体2の数を多くすること
ができるため、見栄えのよい寒天花ができる。さらに、
新個体2の葉が大きく成長するのが抑えられるために、
従来技術では葉が7mm幅平均のものが3mm幅平均と
なり、新個体2の数が増えても新個体2のそれぞれが重
なり合うのを防ぐことができる。
【0019】支持体の割れ防止処理 ゲランガム(Gellan gum)とは、シュードモ
ナス属のPseudomonas elodeaが生産
する多糖類を脱アセチル処理後、精製したもので、グル
コース、ラムノース、ウロン酸が主成分である。ゲラン
ガムは寒天に比べ、ゲルが透明であり、490nmの光
透過率が70%以上であるという特徴を持つ。本発明で
は、ゲランガムは、従来技術による固形化剤である寒天
に変わるものとして使用してもよく、寒天に加えて使用
することもできる。好ましくは、従来、固形化剤として
使用していた1%w/v寒天の代わりに、ゲルライト
(シグマケミカル社製、又はメルク社製)を、培地の体
積に対する重量で0. 3〜0. 35%w/vで添加す
る。それによって、新個体の成長に伴って生じる割れ目
を防止できる。また、ゲランガムを含む培地の透明度は
高いので、培地を通して新個体に当たる光の量が増加
し、新個体の成長が2割程度増加する。さらに、従来の
寒天を含む培地では、植物体が白いベールに包まれてい
るように見えたのに比べ、透明度の増加によって、寒天
花がよりクリアーに見えるため、商品としての価値が高
まる。
【0020】花芽形成の誘導 寒天花に花芽形成を起こさせるために、培養直後は長日
条件下で培養し、その後、短日処理下で培養するのが好
ましい。ここでの長日条件は、照度3, 000〜10,
000luxで1サイクルを24時間として、14〜1
8時間明期、10〜6時間暗期、特に、16時間の明期
と8時間の暗期が好ましく、短日条件は照度3, 000
〜10, 000luxで1サイクルを24時間として、
9〜12時間の明期、15〜12時間暗期、特に約10
時間の明期と約14時間の暗期が好ましい。長日条件及
び短日条件下での照度は5, 000luxがもっとも好
適である。3, 000lux未満であると、植物体の成
育状況が悪くなり、10,000lux以上であると、
葉が腐るなどの悪影響がでる。窒素量、温度、湿度など
については花芽形成が可能な条件を用いる。上記のよう
に培養すると、短日処理後、約3週間で花芽が形成さ
れ、その後、花を咲かせることができる。また、この条
件で培養すると、リトープス科の場合には見苦しい脱皮
をおこさず、鑑賞価値がより高まる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、これらにより本発明を制限するものでは
ない。発芽抑制処理 実施例1、2 虹の玉(ベンケイソウ科)の葉を切り出し、水道水で洗
い、超音波洗浄器で10〜30秒処理した。これをクリ
ーンベンチ内で、70%エタノールにより30〜60
秒、ついで、有効塩素量最小5%の次亜塩素酸ナトリウ
ム(アンチホルミン)を1%に希釈し、界面活性剤(P
olyoxyethylene(20)Sorbita
n Monolaurate:和光純薬製)を1滴加え
た溶液により15〜30分殺菌し、滅菌水で十分に洗浄
した。殺菌後、カイネチン濃度を実施例1では1. 0m
g/l、実施例2では5. 0mg/lとしたMS培地、
又は同じカイネチン濃度の1/2MS培地(無機塩類濃
度がMS培地の1/2で、ビタミン濃度はMS培地と同
様な培地)を調製し、固形化剤として寒天(植物培地用
Agar Powder、和光純薬社製)を添加した。
この培地を15〜20ml分注した直径25mm深さ1
50mmの培養用棒びんに1個体を全長の1/2が培地
内に埋まるように置床した。この培養用棒びんを培地の
入っているところ以外を覆って遮光し、培地の入ってい
る部分だけに光が当たるようにして25℃、5, 000
luxで18時間明期、8時間暗期の培養条件で70日
間培養し寒天花を作成した。
【0022】比較例1〜6 カイネチン濃度のみを表1のように変えて、実施例1、
2と同様な条件で培養した。実施例1、2及び比較例1
〜6の結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】発根率は置床した葉片から10本以上の根
が生じた個体数の全体に対する割合である。葉の大きさ
は、葉の長径を求めた。以上の結果から、カイネチンを
1〜5mg/lの濃度で培地に添加した場合、置床片か
らの発根を10本以下に抑えられることがわかった。1
/2MS培地よりMS培地を用いた場合の方が、発根率
及び葉の大きさの点で良好な結果が得られた。
【0025】支持体の割れ防止 実施例3 実施例1、2に示した方法で葉を殺菌し、70日間実施
例1、2に示した条件で培養した。培地は、MS培地に
カイネチン1. 0mg/l、スクロース3%w/vを添
加し、pH5. 8に調製したものに、固形化剤としてゲ
ランガムを培地の体積に対する重量で0. 3%w/v加
えたものを用いた。
【0026】比較例7〜9 固形化剤として、比較例7は寒天1%w/v、比較例8
はゲランガム0. 2%w/v、比較例9はゲランガム
0. 5%w/vを加えた以外は実施例3と同様の培地を
用いて、実施例3同様の条件で培養した。実施例3及び
比較例7〜9の結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】「+」はビトリフィケーションを起こした
ものを示し、「−」はビトリフィケーションを起こさな
かったものを示す。以上の結果より、固形化剤としてゲ
ランガムを0. 3%w/v添加すると、ビトリフィケー
ションをおこさず、割れ目も生じないことがわかった。
【0029】培地の透明度 実施例4 固形化剤としてゲランガムを0. 3%w/vの濃度で添
加したMS培地について、400〜700nmの波長の
光の吸光度を測定した。リファレンスは蒸留水を用い
た。結果は図2に示す。
【0030】比較例10 固形化剤として従来使われている寒天を1%w/vの濃
度で添加したMS培地について、波長400〜700n
mの波長の光の吸光度を測定した。リファレンスは蒸留
水を用いた。結果は図4に示す。実施例4及び比較例1
0の結果から、固形化剤としてゲランガムを用いた場合
は、従来使われていた寒天を用いた場合に比べて光の吸
収が起こらず、培養中の新個体に光が十分当たることが
わかった。
【0031】花芽形成誘導 実施例5、6 メセンブリアンテマ科のリトープス及びキク科のマツバ
ギクの葉片を実施例1、2の方法と同様に殺菌した。カ
イネチン1mg/l、スクロース3%w/v及びゲラン
ガム0. 3%w/vを含むMS培地に殺菌後の葉片を置
床し、実施1、2同様の遮光処理を行って、5, 000
luxで16時間明期、8時間暗期の長日条件下で、リ
トープスは30日間、マツバギクは70日間培養した。
この長日条件での培養後、実施例5は10時間明期、1
4時間暗期、実施例6は12時間明期、12時間暗期と
して、さらに30日間培養した。図1の(B)に花5の
咲いたリトープスを示す。
【0032】比較例11 実施例5、6と同様に、長日条件下で30日間培養した
リトープス及び70日間培養したマツバギクを長日条件
での培養後、8時間明期、16時間暗期としてさらに3
0日間培養した。実施例5、6及び比較例11の結果を
表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】上記したところから明らかなように、本
発明によれば、サイトカイニンを1〜5mg/l含む培
地で培養することによって、置床片からの発根、葉の重
なりを防止でき、葉の過成長を抑えることによって従来
の2分の1の大きさの寒天花が得られる。また、固形化
剤として、ゲランガムを0. 3〜0. 35%w/vの濃
度で使用することによって、支持体が割れるのを防止で
きると同時に、従来に比べ支持体の透明度が高く光を吸
収しないため、成長も良好な寒天花の培養技術が提供さ
れる。また、従来技術では不可能であった寒天花の花芽
形成を光処理により誘導でき、寒天培地中で開花させる
ことができる。さらに、リトープス科を培養した場合に
は、この光処理によって脱皮もおこさない。したがっ
て、これら本発明の技術によって、寒天花の鑑賞価値は
より一層高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって培養された寒天花(A)、及び
花の咲いた寒天花(B)を示す。
【図2】固形化剤として、ゲランガムを0.3%w/v
の濃度で添加した培地の吸光を示す。
【図3】従来の寒天花培養技術によって培養された、置
床片から多くの根が生じた寒天花(A)、及び支持体に
割れ目が生じた寒天花(B)を示す。
【図4】固形化剤として、寒天を1. 0%w/vの濃度
で添加した培地の吸光を示す。
【符号の説明】
1 外植片 2 新個体 3 支持体 4 培養容器 5 花 6 根 7 割れ目 8 肥大した新個体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1〜5mg/lのサイトカイニンを含む
    植物培養用固形培地中で植物体を培養することを特徴と
    する固形培地中で生育する多肉植物の培養方法。
  2. 【請求項2】 固形化剤としてゲランガムを0. 3〜
    0. 35%w/vの濃度で含むことを特徴とする固形培
    地中で生育する多肉植物の培養方法。
  3. 【請求項3】 組織片を照度3, 000〜10, 000
    lux、1サイクルを24時間として14〜18時間明
    期、10〜6時間暗期の長日条件で培養した後に、9〜
    12時間明期、15〜12時間暗期の短日条件で培養す
    ることを特徴とする固形培地中で生育する多肉植物の培
    養方法。
JP19938295A 1995-08-04 1995-08-04 固形培地中で生育する多肉植物の培養方法 Pending JPH0947173A (ja)

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