JP2000010048A - 液晶装置及び投写型表示装置 - Google Patents

液晶装置及び投写型表示装置

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JP2000010048A
JP2000010048A JP10195008A JP19500898A JP2000010048A JP 2000010048 A JP2000010048 A JP 2000010048A JP 10195008 A JP10195008 A JP 10195008A JP 19500898 A JP19500898 A JP 19500898A JP 2000010048 A JP2000010048 A JP 2000010048A
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liquid crystal
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blue
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Toshiaki Hashizume
俊明 橋爪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投写画像の色バランスを向上させる。 【解決手段】 投写型表示装置は、照明光を射出する照
明光学系と、照明光学系から射出された照明光を3つの
色光に分離する色光分離光学系と、3つの色光をそれぞ
れ変調する3つのライトバルブと、3つのライトバルブ
からそれぞれ射出される変調光を合成する色光合成光学
系と、色光合成光学系から射出される合成光を投写する
投写光学系と、を備える。3つのライトバルブはそれぞ
れ、液晶パネルと、液晶パネルの入射面側と射出面側と
の少なくとも一方に設けられ、一方の偏光軸方向の光を
主に透過し、他方の偏光軸方向の光を主に遮光する偏光
板と、を備える。3つのライトバルブのうちの少なくと
も1つのライトバルブに備えられる偏光板は、該偏光板
に入射する特定の色光の透過率が、他のライトバルブに
備えられる偏光板における特定の色光の透過率に比べて
高くなるように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、照射された光
を、入力された画像信号に基づいて変調するライトバル
ブとしての液晶装置(以下、「液晶ライトバルブ」と呼
ぶこともある。)及びこれを用いた投写型表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】カラー画像を投写スクリーンに投写する
投写型表示装置として、液晶ライトバルブを光変調手段
として用いた投写型表示装置が提案されている。図6
は、従来の投写型表示装置の要部を示す概念図である。
この投写型表示装置は、3つの液晶ライトバルブ42,
44,46と、クロスダイクロイックプリズム48と、
投写レンズ系50とを備えている。クロスダイクロイッ
クプリズム48は、3つの液晶ライトバルブ42,4
4,46でそれぞれ変調された赤、緑、青の3色の光を
合成して、投写レンズ系50の方向に射出する。投写レ
ンズ系50は、合成された光を投写スクリーン52上に
結像させる。
【0003】液晶ライトバルブは、通常、2枚の偏光板
に液晶パネルが挟まれて構成されており、3つの液晶ラ
イトバルブ42,44,46には、同じ型の液晶ライト
バルブが用いられている。3つの液晶ライトバルブ4
2,44,46からは、それぞれの液晶装置および2枚
の偏光板によって、所定の偏光方向を有する直線偏光光
(図6ではs偏光光)の変調光が射出される。例えば、
全画面白色の画像信号が与えられた場合には、液晶ライ
トバルブに入射された光が透過するように動作し、全画
面黒色の画像信号が与えられた場合には、入射された光
を遮断するように動作する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、ライトバルブに
備える偏光板は、青色光と緑色光と赤色光のいずれの色
光においても、すなわち、広範囲の光の波長領域にわた
って、いずれか一方の偏光軸方向(以下、「透過軸」と
呼ぶこともある。)の光をある程度透過するように形成
されている。この結果、ある色光の波長領域における色
光の透過率が他の色光の波長領域の透過率に比べて悪く
なっている場合がある。このような偏光板を有するライ
トバルブを投写型表示装置に備えて白色の画像を表示さ
せると、比較的透過率の悪い色光が入射するライトバル
ブを透過する色光の量が、他のライトバルブを透過する
色光の量に比べて少なくなる。この結果、白色の画像が
投写スクリーン52に投写されるはずであるにも関わら
ず、異なった色の画像が投写されることになり、投写画
像の色バランスが悪くなってしまう。例えば、青色の液
晶ライトバルブ46から射出される光量が比較的低い場
合には、少し黄みがかった色の画像が投写されることに
なる。
【0005】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、投写画像の色バ
ランスを向上させる技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の投
写型表示装置は、画像を投写して表示する投写型表示装
置であって、照明光を射出する照明光学系と、前記照明
光学系から射出された照明光を3つの色光に分離する色
光分離光学系と、前記3つの色光をそれぞれ変調する3
つのライトバルブと、前記3つのライトバルブからそれ
ぞれ射出される変調光を合成する色光合成光学系と、前
記色光合成光学系から射出される合成光を投写する投写
光学系と、を備え、前記3つのライトバルブはそれぞ
れ、液晶パネルと、前記液晶パネルの入射面側と射出面
側との少なくとも一方に設けられ、一方の偏光軸方向の
光を主に透過し、他方の偏光軸方向の光を主に遮光する
偏光素子と、を備え、前記3つのライトバルブのうちの
少なくとも1つのライトバルブに備えられる偏光素子
は、該偏光素子に入射する色光の透過率が、他のライト
バルブに備えられる偏光素子における前記色光の透過率
に比べて高くなるように形成されている、ことを特徴と
する。
【0007】本発明の投写型表示では、従来のライトバ
ルブにおいて透過率の低い色光が入射する少なくとも1
つのライトバルブに備えられる偏光素子は、他のライト
バルブに備えられる偏光素子におけるその色光の透過率
よりも高い透過率を有するように形成されている。従っ
て、従来に比べて色バランスのよい投写画像を表示させ
ることができる。
【0008】上記投写型表示装置において、前記3つの
ライトバルブのうちの少なくとも1つのライトバルブに
備えられる偏光素子は、該偏光素子に入射する色光の透
過率が、他のライトバルブに備えられる偏光素子に入射
する色光の透過率にほぼ等しくなるように形成されてい
る、ことが好ましい。
【0009】上記構成によれば、さらに色バランスのよ
い投写画像を表示させることができる。
【0010】ここで、前記1つのライトバルブは、青色
光が入射するライトバルブであることが好ましい。
【0011】通常、偏光素子は、短波長側の光、すなわ
ち、青色光の透過率が他の色光の透過率に比べて悪いこ
とが多い。上記構成によれば、青色光が入射するライト
バルブの偏光素子が、青色光の透過率が他のライトバル
ブを透過する他の色光の透過率にほぼ等しくなるように
形成されているので、色バランスのよい投写画像を表示
させることができる。
【0012】特に、前記1つのライトバルブの偏光素子
は、青色光の透過率が約80%以上となるように形成さ
れている、ことが好ましい。
【0013】このようにすれば、色バランスがよく、か
つ、明るい投写画像を表示させることができる。
【0014】本発明の液晶装置は、与えられた画像情報
に応じて光を変調する液晶装置であって、液晶パネル
と、前記液晶パネルの入射面側と射出面側との少なくと
も一方に設けられ、いずれか一方の偏光軸方向の光を主
に透過し、他方の偏光軸方向の光を主に遮光する偏光素
子と、を備え、前記偏光素子は、青色光の透過率が約8
0%以上となるように形成されている、ことを特徴とす
る。
【0015】本発明の液晶装置によれば、青色光の明る
い画像をえることができる。また、この液晶装置を、本
発明の投写型表示装置の青色光用のライトバルブとして
用いれば、色バランスがよく、かつ、明るい投写画像を
表示させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。なお、以下の説明では、特に説明
のない限り、光の進行方向をz方向、光の進行方向(z
方向)からみて3時の方向をx方向、12時の方向をy
方向とする。
【0017】図1は、この発明の投写型表示装置の要部
を示す概略平面図である。この投写型表示装置は、照明
光学系100と、色光分離光学系200と、反射ミラー
218と、導光光学系220と、2枚のフィールドレン
ズ240,242と、3枚の液晶ライトバルブ250,
252,254と、クロスダイクロイックプリズム26
0と、投写レンズ系270とを備えている。
【0018】照明光学系100は、略平行な光束を射出
する光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2
のレンズアレイ130と、入射光を所定の直線偏光光に
変換する偏光変換素子140と、重畳レンズ150と、
反射ミラー160とを備えている。照明光学系100
は、照明領域である3枚の液晶ライトバルブ250,2
52,254をほぼ均一に照明するためのインテグレー
タ光学系である。
【0019】光源110は、放射状の光線を射出する放
射光源としての光源ランプ112と、光源ランプ112
から射出された放射光をほぼ平行な光線束として射出す
る凹面鏡114とを有している。光源ランプとしては、
ハロゲンランプやメタルハライドランプが用いられるこ
とが多い。凹面鏡114としては、放物面鏡を用いるこ
とが好ましい。
【0020】第1のレンズアレイ120は、光源110
からの射出光を複数の部分光束に分割するとともに、各
部分光束をそれぞれ第2のレンズアレイ130の近傍で
集光させる機能を有している。また、第2のレンズアレ
イ130は、第1のレンズアレイ120から射出された
各部分光束を照明領域である3枚の液晶ライトバルブ2
50,252,254に照射する機能を有している。ま
た、偏光変換素子140は、入射された非偏光な光束を
所定の直線偏光光に変換する機能を有している。さら
に、重畳レンズ150は、偏光変換素子140から射出
された複数の部分光束を、照明領域である液晶ライトバ
ルブ250,252,254上で重畳させる機能を有す
る。また、フィールドレンズ240,242,244
は、照明領域に照射される各部分光束をそれぞれの中心
軸に平行な光束に変換する機能を有する。
【0021】図2は、第1のレンズアレイ120の外観
を示す斜視図である。第1のレンズアレイ120は略矩
形状の輪郭を有する小レンズ122がM行N列のマトリ
クス状に配列された構成を有している。この例では、M
=10,N=8である。第2のレンズアレイ130も、
第1のレンズアレイ120の小レンズ122に対応する
ように、小レンズがM行N列のマトリクス状に配列され
た構成を有している。各小レンズ122は、光源110
(図1)から入射された平行な光束を複数の(すなわち
M×N個の)部分光束に分割し、各部分光束を第2のレ
ンズアレイ130の近傍で結像させる。各小レンズ12
2をz方向から見た外形形状は、液晶ライトバルブ25
0,252,254の形状とほぼ相似形をなすように設
定されている。例えば、液晶ライトバルブの照明領域
(画像が表示される領域)のアスペクト比(横と縦の寸
法の比率)が4:3であるならば、各小レンズ122の
アスペクト比も4:3に設定する。
【0022】図3は、偏光変換素子140(図1)の構
成およびその機能を示す説明図である。この偏光変換素
子140は、偏光ビームスプリッタアレイ141と、選
択位相差板142とを備えている。偏光ビームスプリッ
タアレイ141は、それぞれ断面が平行四辺形の柱状の
複数の透光性板材143が、交互に貼り合わされた形状
を有している。透光性板材143の界面には、偏光分離
膜144と反射膜145とが交互に形成されている。な
お、この偏光ビームスプリッタアレイ141は、偏光分
離膜144と反射膜145とが交互に配置されるよう
に、これらの膜が形成された複数枚の板ガラスを貼り合
わせて、所定の角度で斜めに切断することによって作製
される。
【0023】第1と第2のレンズアレイ120,130
を通過した光は、偏光分離膜144でs偏光光とp偏光
光とに分離される。p偏光光は、偏光分離膜144をそ
のまま透過する。一方、s偏光光は、偏光分離膜144
で反射され、さらに反射膜145で反射されて、偏光分
離膜144をそのまま通過したp偏光光とほぼ平行な状
態で射出される。選択位相差板142の偏光分離膜14
4を通過する光の射出面部分にはλ/2位相差層146
が形成されており、反射膜145で反射された光の射出
面部分にはλ/2位相差層が形成されていない。従っ
て、偏光分離膜144を透過したp偏光光は、λ/2位
相差層146によってs偏光光に変換されて射出する。
この結果、偏光変換素子140に入射したランダムな偏
光方向を有する光束は、ほとんどがs偏光光に変換され
て射出する。もちろん反射膜145で反射される光の射
出面部分だけに選択位相差板142のλ/2位相差層1
46を形成することにより、p偏光光に変換して射出す
ることもできる。
【0024】図3(A)から解るように、偏光変換素子
140から射出する2つのs偏光光の中心(2つのs偏
光光の中央)は、入射するランダムな光束(s偏光光+
p偏光光)の中心よりもx方向にずれている。このずれ
量は、λ/2位相差層146の幅Wp(すなわち偏光分
離膜144のx方向の幅)に等しい。このため、図1に
示すように、光源110の光軸(2点鎖線で示す)は、
偏光変換素子140以降のシステム光軸(一点鎖線で示
す)から、Wp/2に等しい距離Dだけずれた位置に設
定されている。
【0025】図1に示す投写型表示装置において、光源
110から射出された略平行な光束は、インテグレータ
光学系を構成する第1と第2のレンズアレイ120,1
30によって、複数の部分光束に分割される。第1のレ
ンズアレイ120の各小レンズから射出された部分光束
は、偏光変換素子140の偏光分離膜144の近傍で光
源110の光源像(2次光源像)が形成されるように集
光される。また、既に説明したように、偏光変換素子1
40に入射した各部分光束は、偏光分離膜144および
反射膜145によって、それぞれ2つの偏光光に分離さ
れる。したがって、偏光変換素子140の偏光分離膜1
44上に2次光源像がほぼ形成されるとともに、実効的
には反射膜145上にも2次光源像が形成されていると
みなすことができる。つまり、偏光変換素子140内に
は、第1と第2のレンズアレイ120,130を通過し
た部分光束の2倍の数の2次光源像が、偏光分離膜14
4上および反射膜145上の対応する各位置に形成され
る。
【0026】偏光変換素子140内に形成された2次光
源像から射出された部分光束は、重畳レンズ150によ
って照明領域である液晶ライトバルブ250,252,
254の表示領域上で重畳される。なお、反射ミラー1
60は、重畳レンズ150から射出された光束をダイク
ロイックミラー210の方向に反射する機能を有する
が、装置の構成によっては、必ずしも必要とされるもの
ではない。上記の結果、各液晶ライトバルブ250,2
52,254は、ほぼ均一に照明される。
【0027】色光分離光学系200は、2枚のダイクロ
イックミラー210,212を備えており、重畳レンズ
150で集光された白色光を、赤、緑、青の3色の色光
に分離する。第1のダイクロイックミラー210は、照
明光学系100から射出された白色光束の赤色光成分を
透過させるとともに、青色光成分と緑色光成分とを反射
する。第1のダイクロイックミラー210を透過した赤
色光は、反射ミラー218で反射され、フィールドレン
ズ240を通って赤光用の液晶ライトバルブ250に達
する。このフィールドレンズ240は、第2のレンズア
レイ130から射出された各部分光束をその中心軸に対
して平行な光束に変換する。他の液晶ライトバルブの前
に設けられたフィールドレンズ242,244も同様で
ある。第1のダイクロイックミラー210で反射された
青色光と緑色光のうちで、緑色光は第2のダイクロイッ
クミラー212によって反射され、フィールドレンズ2
42を通って緑光用の液晶ライトバルブ252に達す
る。一方、青色光は、第2のダイクロイックミラー21
2を透過して、導光光学系220に入射する。導光光学
系220に入射した青色光は、導光光学系220に備え
る入射側レンズ230、リレーレンズ232および反射
ミラー222,224および射出側レンズ(フィールド
レンズ)244を通って青色光用の液晶ライトバルブ2
54に達する。なお、青色光に導光光学系が用いられて
いるのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さ
よりも長いため、光の利用効率の低下を防止するためで
ある。すなわち、入射側レンズ230に入射した部分光
束をそのまま、射出側レンズ244に伝えるためであ
る。
【0028】3枚の液晶ライトバルブ250,252,
254は、与えられた画像情報(画像信号)に従って、
3色の色光をそれぞれ変調して画像を形成する光変調手
段としての機能を有する。クロスダイクロイックプリズ
ム260は、3色の色光を合成してカラー画像を形成す
る色光合成光学系としての機能を有する。なお、クロス
ダイクロイックプリズム260には、赤色光を反射する
誘電体多層膜と、青色光を反射する誘電体多層膜とが、
4つの直角プリズムの界面に略X字状に形成されてい
る。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成さ
れて、カラー画像を投写するための合成光が形成され
る。クロスダイクロイックプリズム260で生成された
合成光は、投写レンズ系270の方向に射出される。投
写レンズ系270は、この合成光を投写スクリーン30
0上に投写して、カラー画像を表示する投写光学系とし
ての機能を有する。
【0029】図1に示した投写型表示装置は、青色光用
の液晶ライトバルブ254の構成に特徴を有している。
【0030】図4は、液晶ライトバルブの機能を説明す
るための概念図である。図4は、液晶ライトバルブ25
0の1画素に対応する部分を分解して示している。液晶
ライトバルブ250は、液晶パネル250bと、液晶パ
ネル250bの入射面側に設けられた入射側偏光板25
0aと、液晶パネル250bの射出面側に設けられた射
出側偏光板250cとを備えている。偏光板250aお
よび250bに示された複数の平行線の向きは、偏光板
を透過する直線偏光光の透過軸の方向を示している。入
射側偏光板250aと射出側偏光板250cとは透過軸
が互いに垂直な方向に設定されている。図4は、入射側
偏光板250aの透過軸がs偏光の方向に設定され、射
出側偏光板250cの透過軸がp偏光の方向に設定され
ている。
【0031】非偏光光(s偏光+p偏光)が入射側偏光
板250aに入射すると、透過軸に垂直な偏光軸(以
下、「吸収軸」または「反射軸」とも呼ぶ。)の方向
(p偏光の方向)の偏光光が吸収または反射されて、ほ
とんど透過軸に平行な方向の偏光光、すなわちs偏光光
のみが射出される。入射側偏光板250aから射出され
たs偏光光は、液晶装置に与えられる電圧によって図4
(a),4(b)に示すように変換される。図4(a)
に示すように、液晶パネル250bに電圧が与えられな
い場合、すなわち、液晶パネルがオフ状態の場合には、
s偏光光に垂直なp偏光光に変換される。射出側偏光板
250cは、透過軸がp偏光の方向に設定されているの
で、偏光板250cからは、液晶パネル250bから射
出された光がほぼ透過して射出される。一方、液晶パネ
ル250bに電圧が与えられた場合、すなわち、液晶パ
ネルがオン状態の場合には、図4(b)に示すように、
液晶パネル250bからは入射光と同じs偏光光が射出
される。しかし、射出側偏光板250cは、透過軸がp
偏光の方向に設定されているので、液晶パネル250b
から射出されたs偏光光は、偏光板250cで吸収また
は反射されて遮断される。なお、液晶パネルは、印加さ
れる電圧に応じて、オフ状態とオン状態の中間の状態を
とりうる。これにより、液晶ライトバルブ250は、画
像信号に応じて変化する電圧を液晶パネル250bに与
えて射出される光の偏光成分を制御して、画像信号に応
じた輝度変化を発生させている。また、他の液晶ライト
バルブ252,254も、同様である。
【0032】また、図4では、入射側偏光板250aと
射出側偏光板250cの透過軸が互いに垂直に設定され
ている場合、すなわち、オフ状態で光を透過する場合を
例に説明したが、オン状態で光を透過するように設定さ
れる場合もある。この場合には、射出側偏光板250c
の透過軸は、入射側偏光板250aの透過軸にほぼ平行
な向きに設定される。
【0033】図5は、青色光用の液晶ライトバルブに設
けられた偏光板の特性を従来の液晶ライトバルブに設け
られた偏光板の特性と比較して示す説明図である。図5
の横軸は光の波長を示し、縦軸は光の透過率を示してい
る。実線で示した特性は、従来の液晶ライトバルブに設
けられている入射側偏光板および出射側偏光板の透過軸
方向の光の透過率と吸収軸方向の光の透過率とを示して
いる。また、破線で示した特性は、この実施例の青色光
用の液晶ライトバルブ254の入射側偏光板および出射
側偏光板の透過軸方向の光の透過率と吸収軸方向の光の
透過率とを示している。なお、本実施例の赤色光、緑色
光用の液晶ライトバルブ252,254は、従来の液晶
ライトバルブと同じものである。
【0034】図5からわかるように、従来の液晶ライト
バルブの偏光板(以下、「白色光用偏光板」とも呼
ぶ。)は、偏光材料として、染料や沃素などの材料を、
透明シートの間に挟んで、一方向に延伸して異方性を持
たせていた。この偏光材料により、青色光から赤色光ま
での波長領域の光において透過軸方向の光を主に透過
し、吸収軸方向の光を主に吸収することができるように
形成されている。このため、青色光の波長領域(約42
0nmから約480nmの波長領域)の透過軸方向の光
の透過率が他の波長領域の透過率に比べて悪くなってい
る。例えば、450nmの波長の光の透過率は、約70
%と、緑色光(約500nmから約550nmの波長領
域の光)や赤色光(約610nm以上の波長領域の光)
の透過率に比べて約20%程度低い。これは、緑色光
や、赤色光の偏光の吸収特性を出すために入れられた染
料などの偏光材料が、青色光の波長領域で、光の吸収を
起こすためである。偏光材料は、一方向に延伸され、分
子の配列方向が揃うと、その方向に振動する光成分に対
して、共振を起こし、吸収する働きを持つ。また、その
軸と直角方向の振動の光成分は透過する。この時、偏光
材料に共振を起こし、吸収される光は、一定の波長でそ
の効果が著しく大きくなる。可視光は、400nmか
ら、700nmに、広範囲に広がっている。この範囲を
カバーするには、偏光材料として、それぞれの波長を、
吸収できるものを複数混ぜ合わせて構成する必要があ
る。たとえば、400nmから500nmの青用偏光材
料、500nmから600nmの緑用偏光材料、600
nmから700nmの赤用偏光材料を混ぜ合わせて、白
色用偏光板をつくる。このとき、緑用や、赤用偏光材料
が、軸方向と直角な振動でも、青領域で弱い光の吸収を
起こし、青の透過率を落とす。偏光材料である高分子
は、その鎖の中で、一般に、短波長の光を吸収する性質
を持つ。したがって、青色光用の液晶ライトバルブ25
4にも白色用の偏光板の従来の液晶ライトバルブを用い
た場合に白色の画像を表示させると、青色光用の液晶ラ
イトバルブ254から射出された青色光の光量が、他の
液晶ライトバルブ250,252から射出された赤色光
や緑色光の光量に比べて低くなる。この結果、投写され
る画像は、白色ではなく全体に少し黄みがかった画像と
なり、全体に色バランスの悪い画像となる。
【0035】しかし、本実施例の投写型表示装置では、
青色光用の液晶ライトバルブ254に設けられた偏光板
(以下、「青色光用偏光板」とも呼ぶ。)は、青色光の
波長領域の透過軸方向の光の透過率が約80%以上に設
定されており、従来の液晶ライトバルブの偏光板におけ
る青色光の透過率に比べて高く設定されている。これ
は、偏光材料として、緑色用や、赤色用のものを除き、
青色用の偏光材料のみ、使用した結果である。従来緑色
用や赤色用の偏光材料で吸収されていた青色成分が、透
過し、青色に対しては、青色用の偏光材料で特性を出し
ている。その結果、緑色光および赤色光の波長領域にお
ける吸収軸方向の光の透過率が高く、すなわち、吸収率
が悪くなっている。しかし、青色光用偏光板の設けられ
た液晶ライトバルブ254には、緑色光や赤色光が入射
することはほとんどないので、問題ではない。以上のこ
とから、本実施例の投写型表示装置では、青色光用の液
晶ライトバルブ254から射出される青色光の光量を、
従来の液晶ライトバルブを青色光の液晶ライトバルブと
して用いた場合に比べて多くすることができる。これに
より、従来に比べて色バランスの良い投写画像を得るこ
とができる。
【0036】ここで、通常、偏光板は、1対の基板(樹
脂フィルム)に偏光子を挟むように構成されている。上
記のような青色光用偏光板は、偏光子の材料を適宜選択
することにより構成することができる。ただし、これに
限定されるものではなく、入射する光のうち一方の偏光
軸方向の光を主に透過し、他方の偏光軸方向の光を主に
遮光する偏光素子であればよい。
【0037】なお、画像の色バランスを向上させるため
には、各液晶ライトバルブに設けられた偏光板に入射す
る光の透過率が互いにほぼ等しくなるように、すなわ
ち、透過率の差が約10%以下となることが好ましい。
また、明るい画像を得るためには、できる限り各液晶ラ
イトバルブから射出される光の光量が多いほうが好まし
く、各液晶ライトバルブに設けられた偏光板に入射する
光の透過率が約80%以上であることが好ましい。従っ
て、青色光用偏光板は、青色光の透過軸方向の光の透過
率が約80%以上であることが好ましい。これらのよう
にすれば、色バランスの良い投写画像を得ることができ
る。
【0038】この発明は上記の実施例や実施形態に限ら
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において
種々の態様において実施することが可能であり、例えば
次のような変形も可能である。
【0039】(1)上記実施例において、入射側および
射出側偏光板を備える液晶ライトバルブを例に説明して
いるが、どちらか一方の偏光板のみを備え、他方の偏光
板を外部に備えるようにしてもよい。また、どちらの偏
光板も外部に備えるようにしてもよい。
【0040】(2)液晶ライトバルブ254は、青色光
用偏光板を入射側偏光板および出射側偏光板の両方に用
いたものではなく、どちらか一方に用いたものであって
もよい。このようにしても、従来の液晶ライトバルブを
用いた投写型表示装置に比べて色バランスの良い画像を
得ることができる。
【0041】(3)上記実施例において、従来の液晶ラ
イトバルブとして、青色光の光の透過率が他の色光の光
の透過率に比べて低い場合を例に説明しているが、これ
に限定されるものではない。例えば、赤色光の光の透過
率が比較的低い液晶ライトバルブが用いられている場合
には、赤色光用の液晶ライトバルブとして、赤色光の光
の透過率が緑色光用および青色光用の液晶ライトバルブ
に入射する緑色光や青色光の透過率とほぼ等しくなるよ
うに形成した赤色光用偏光板が設けられた液晶ライトバ
ルブを用いるようにすればよい。すなわち、3つのライ
トバルブのうちの少なくとも1つは、これに備えられる
偏光板に入射する色光の透過率が、他のライトバルブに
備えられる偏光板に入射する色光の透過率にほぼ等しく
なるように形成されていればよい。何色の透過率を上げ
るかは、主にランプの波長が少ない色、例えば、メタル
ハライドランプであれば、青色であり、水銀灯であれば
赤色、のように選択したり、光学系でも左右される。最
終的に、赤緑青の色バランスを取ればよい。
【0042】(4)上記実施例において、照明光学系と
して、偏光変換素子を備えて液晶ライトバルブの入射側
偏光板の透過軸方向に等しい直線偏光光のみを射出する
偏光照明光学系を例に説明しているが、非偏光光を液晶
ライトバルブに照射する照明光学系を用いてもよい。ま
た、本実施例では、光源から射出される照明光を複数の
部分光束に分割し、各部分光束それぞれを重畳して液晶
ライトライトバルブに照射するインテグレータ照明光学
系を例に説明しているが、これを用いない照明光学系で
あってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の投写型表示装置の要部を示す概略平
面図である。
【図2】第1のレンズアレイ120の外観を示す斜視
図。
【図3】偏光変換素子140の構成およびその機能を示
す説明図である。
【図4】液晶ライトバルブの機能を説明するための概念
図である。
【図5】青色光用の液晶ライトバルブに設けられた偏光
板の特性を従来の液晶ライトバルブに設けられた偏光板
の特性と比較して示す説明図である。
【図6】従来の投写型表示装置の要部を示す概念図であ
る。
【符号の説明】 42,44,46…液晶ライトバルブ 48…クロスダイクロイックプリズム 50…投写レンズ系 52…投写スクリーン 100…照明光学系 110…光源 112…光源ランプ 114…凹面鏡 120…第1のレンズアレイ 122…小レンズ 130…第2のレンズアレイ 140…偏光変換素子 141…偏光ビームスプリッタアレイ 142…選択位相差板 143…透光性板材 144…偏光分離膜 145…反射膜 150…重畳レンズ 160…反射ミラー 218,222,224…反射ミラー 210,212…ダイクロイックミラー 230…入射側レンズ 232…リレーレンズ 240,242…フィールドレンズ 244…フィールドレンズ(射出側レンズ) 250…液晶ライトバルブ 250a…入射側偏光板 250b…液晶パネル 250c…射出側偏光板 252…液晶ライトバルブ 252a…入射側偏光板 252b…液晶パネル 252c…射出側偏光板 254…液晶ライトバルブ 254a…入射側偏光板 254b…液晶パネル 254c…射出側偏光板 260…クロスダイクロイックプリズム 270…投写レンズ系 300…投写スクリーン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像を投写して表示する投写型表示装置
    であって、 照明光を射出する照明光学系と、 前記照明光学系から射出された照明光を3つの色光に分
    離する色光分離光学系と、 前記3つの色光をそれぞれ変調する3つのライトバルブ
    と、 前記3つのライトバルブからそれぞれ射出される変調光
    を合成する色光合成光学系と、 前記色光合成光学系から射出される合成光を投写する投
    写光学系と、 を備え、 前記3つのライトバルブはそれぞれ、 液晶パネルと、 前記液晶パネルの入射面側と射出面側との少なくとも一
    方に設けられ、一方の偏光軸方向の光を主に透過し、他
    方の偏光軸方向の光を主に遮光する偏光素子と、を備
    え、 前記3つのライトバルブのうちの少なくとも1つのライ
    トバルブに備えられる偏光素子は、該偏光素子に入射す
    る特定の色光の透過率が、他のライトバルブに備えられ
    る偏光素子における前記特定の色光の透過率に比べて高
    くなるように形成されている、 ことを特徴とする投写型表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の投写型表示装置であっ
    て、 前記3つのライトバルブのうちの少なくとも1つのライ
    トバルブに備えられる偏光素子は、該偏光素子に入射す
    る色光の透過率が、他のライトバルブに備えられる偏光
    素子に入射する色光の透過率にほぼ等しくなるように形
    成されている、 ことを特徴とする投写型表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の投写型表
    示装置であって、 前記1つのライトバルブは、青色光が入射するライトバ
    ルブであることを特徴とする投写型表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の投写型表示装置であっ
    て、 前記1つのライトバルブの偏光素子は、青色光の透過率
    が約80%以上となるように形成されている、ことを特
    徴とする投写型表示装置。
  5. 【請求項5】 与えられた画像情報に応じて光を変調す
    る液晶装置であって、 液晶パネルと、 前記液晶パネルの入射面側と射出面側との少なくとも一
    方に設けられ、一方の偏光軸方向の光を主に透過し、他
    方の偏光軸方向の光を主に遮光する偏光素子と、を備
    え、 前記偏光素子は、青色光の透過率が約80%以上となる
    ように形成されている、ことを特徴とする液晶装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7846614B2 (en) 2000-10-31 2010-12-07 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Electrode for solid polymer electrolyte fuel cell
US8427409B2 (en) 2007-03-28 2013-04-23 Seiko Epson Corporation Projector

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