JP2000009614A - Temおよびsem用観察試料とその作製方法 - Google Patents

Temおよびsem用観察試料とその作製方法

Info

Publication number
JP2000009614A
JP2000009614A JP10177501A JP17750198A JP2000009614A JP 2000009614 A JP2000009614 A JP 2000009614A JP 10177501 A JP10177501 A JP 10177501A JP 17750198 A JP17750198 A JP 17750198A JP 2000009614 A JP2000009614 A JP 2000009614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
magnetic powder
formula
compound
iodine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10177501A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sagawa
広行 佐川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10177501A priority Critical patent/JP2000009614A/ja
Publication of JP2000009614A publication Critical patent/JP2000009614A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁性粉を均一に2次元的に分散させること
で、優れたTEMおよびSEM観察用の試料を提供す
る。 【解決手段】 塗布型磁気記録媒体用磁気テープの主に
主層、中間層、下層の磁性層を構成する強磁性のメタル
および鉄系酸化物および顔料の観察用試料の分散におい
て、上記磁性粉の少なくともいずれかに、有効ヨウ素と
して、0.0035〜0.0140wt%を含有する顔
料分散剤から選ばれる少なくとも1種を0.0350〜
0.1400wt%含有した、水、メタノール、エタノ
ール、またはこれらの混合溶液のいずれかの溶媒を用
い、超音波ホモジナイザーなどの分散機を用いて分散す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布型磁気記録媒
体用磁気テープの主に主層、中間層、下層の磁性層を構
成する時に用いられる強磁性のメタルおよび鉄系酸化物
および顔料のTEMおよびSEM用観察試料とその作製
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気テープ、磁気シート(フロッ
ピーディスク用のシート)メーカーは磁気記録媒体のよ
り高密度・高出力の実現、より鮮明な画像や音声あるい
は大記録容量や高信頼性の情報媒体の提供という社会的
要求に応える目的で、磁性粉の微粒子化の研究開発を進
めてきた。
【0003】これらの社会に有用な磁気記録媒体を開発
するために、磁性粉の形態や寸法測定は重要な測定項目
であるが、その評価方法としてTEM(透過型電子顕微
鏡)やSEM(走査型電子顕微鏡)での写真撮影後に、
写真を直接観察あるいは画像取り込みなどの間接観察に
よる測定をすることが非常に有効な方法である。
【0004】この磁気記録媒体の高出力を達成すること
を目標として、微粒子化された磁性粉を用いて開発を行
ってきたが、磁性粉の微粒子化が進むにつれて、その分
散方法はますます困難になってきている。
【0005】この傾向は、これまで塗布型磁気記録媒体
用磁気テープの、主に主層、中間層、下層の磁性層を構
成する強磁性のメタルおよび鉄系酸化物の磁性粉および
顔料に特に顕著であり、TEMおよびSEMによる磁性
粉の観察は、益々その重要性を増している。
【0006】しかしながら、TEMおよびSEM観察を
行うに当たっても、磁気記録媒体の開発で抱える問題と
同様の問題である、磁性粉の分散が困難になってきてい
る。
【0007】従来のTEMおよびSEMによる磁性粉の
観察を行うための試料作製方法は、例えば公知の水ペー
スト法、あるいは粉末堆積・スプレー除去法が良く知ら
れている。このようにして作製した観察試料をTEMお
よびSEMで観察していた。
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法で
はメッシュ(TEMおよびSEM観察用の試料台)に載
った磁性粉の全てが分散したわけではないので、観察に
適した箇所を非常な忍耐を持って探さねばならず、再度
試料を作製してTEMおよびSEM観察を行うことも度
々あり、作業効率が非常に悪いという問題を抱えてい
た。また、試料を作製するに当たって長時間の分散が必
要であり、同じく作業効率が非常に悪いという問題を抱
えていた。
【0008】この問題は、磁性粉が微粒子化すればする
ほど、高倍率で観察すれば観察視野が狭くなり、益々、
作業効率が悪化している。さらに、この問題を困難にさ
せている点は、テープの出力性能の向上を目的に、磁性
粉の高保磁力化がなされ、益々凝集しやすい状況にな
り、磁性粉の分散を難しくしているため、観察に適した
箇所がますます少なくなってきている。
【0009】さらに、TEMおよびSEM用の観察試料
作製は、磁性塗料に比べて困難な問題も抱えている。そ
れは、磁性塗料は3次元的に分散していれば良いが、T
EMおよびSEM用の観察試料は2次元的に分散してい
なればならないことである。例えば3次元的に分散して
いたとしても、メッシュに磁性粉が堆積された状態であ
れば、TEMでは重なった状態で観察されるため、磁性
粉の正確な寸法が測れなくなる。
【0010】以上の経緯から、本発明の課題は前記従来
技術の問題点を解決するために、磁性粉を均一に2次元
的に分散させることで、優れたTEMおよびSEM観察
用の試料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は塗布型磁気記録
媒体用磁気テープの主に主層、中間層、下層の磁性層を
構成する強磁性のメタルおよび鉄系酸化物の磁性粉およ
び顔料の観察用試料の分散において、上記磁性粉の少な
くともいずれかに、有効ヨウ素として0.0035〜
0.0140wt%含有する下記一般式(1)および
(2)で示される顔料分散剤から選ばれる少なくとも1
種を0.0350〜0.1400wt%含有した、水、
メタノールまたはエタノールもしくは、これらの混合溶
液のいずれかの溶媒を用い、超音波ホモジナイザーなど
の分散機を用いて分散することにより、上記問題に対処
できることを見いだしたものである。
【0012】一般式(1) 一般式(2) 式中、R1,R2:水素、水酸基およびアルキル基のい
ずれか Y1:1個以上の官能基を有し、かつ窒素を含む5員環
化合物基(官能基の種類は何でも良い) Y2:1個以上の官能基を有し、かつベンゼン環をも有
する窒素を含む5員環化合物基(官能基の種類は何でも
良い) n:重合度 10〜3000の整数 x:重合度nの5〜20%の範囲内の任意の整数 I:有効ヨウ素(本明細書では、式(1)、(2)内の
化合物の官能基ではなく、式(1)、(2)の化合物の
付加物として含有されるヨウ素を意味する。)
【0013】本発明における一般式(2)の化合物のY
1基ないしY2基は、さらに具体的には、Y1基は、 (1)2−ピロールカルボン酸基 (2)2、3、4、5−テトラヨードピロール基 (3)2−ピロリジンカルボン酸基 (4)2−ピロリドン基 (5)4−ヒドロキシプロリン基 (6)5−ピラゾロン基 (7)2、4−イミダゾリジンジオン基 (8)2−イミダゾリドン基 のいずれかであり、また、Y2基は (9)硫酸水素3−インドリル基 (10)2−インドリノン基 (12)2、3−インドリンジオン基 (13)2−ベンゾイミダゾリノン基 (14)2、3−インドリンジオン2−オキシム基 (15)2、3−インドリンジオン3−オキシム基 のいずれかである。
【0014】本発明に用いられる顔料分散剤の官能基と
しては、特に規定はなくあらゆる官能基が使用でき、ま
た、その数は1個以上であれば良く、他の種類の官能基
を1個以上合わせ持った複数個の官能基を有する化合物
でも本発明の効力を発揮する。
【0015】具体的には、カルボニル基、カルボキシル
基、水酸基、硫酸基またはヒドロキシイミノ基などであ
り、またヨウ素を官能基としたものでも良い。但し、前
記式(1)、(2)の化合物の官能基の位置に存在する
ヨウ素(例えば式(2)のY1が2、3、4、5−テト
ラヨードピロール基である場合など、官能基として作用
し、本発明の説明にある有効ヨウ素としての作用は示さ
ないため、有効ヨウ素の含有量には含めない。
【0016】本発明に用いられる顔料分散剤の重合度
(一般式(1)および(2)のn)としては、本発明に
用いた溶媒に0.035wt%以上溶解する程度の分子
量を構成する重合度であればよく、具体的には3000
以下が好ましい。
【0017】本発明で用いられる磁性粉としては、塗布
型磁気記録媒体の主層、中間層又は下層を構成するもの
が該当する。磁性粉としては特に制限はなく、材質・保
磁力・比表面積に係らず現在使われている磁気シート、
磁気テープ又は磁気カードなどの主層、中間層又は下層
などを構成する磁性粉全てに適用が可能である。具体的
には、メタル磁性粉、γ−Fe23、Co−γ−Fe2
3、α−Fe23、ゲーサイト、マグネタイト、バリ
ウムフェライトまたはストロンチウムフェライトなどが
挙げられる。
【0018】本発明で用いられる溶媒としては、上記一
般式(1)および(2)で表される有機化合物を0.0
35wt%まで溶解する溶媒であればよく、具体的に
は、水・メタノール・エタノールもしくは、これらの混
合溶液などが挙げられる。
【0019】本発明で用いられる化合物に含有される有
効ヨウ素の代わりに塩素または臭素を用いても良いが、
塩素、臭素を使用した場合には、極微量ながら人体に悪
影響を生ずるホスゲン等の有毒ガスの発生が考えられる
ため、人体に対する安全衛生上並びに地球環境や社会環
境に対する安全衛生上、塩素、臭素を含有するものは使
用は控えた方が良く、ヨードチンキなどによる使用例が
ある通り、極微量であれば一般に人体に悪影響を及ぼす
可能性が非常に低いことが広く知られているヨウ素が望
ましい。本発明に用いられる化合物に含有される有効ヨ
ウ素は0.0035〜0.040wt%が最適な添加範
囲であり、この添加範囲を外れると、本発明の効果が期
待できない。
【0020】本発明に用いられる溶媒に添加する添加剤
(例えば、公知の界面活性剤、帯電防止剤、粘度調整
剤、起泡剤、消泡剤、pH調節剤、分散剤又は抑制剤な
ど)としては、その構成する重量比が0.02wt%以
下ならば溶媒の分散効力を何ら阻害しないため、添加し
てもかまわない。しかしながら、本発明で用いる界面活
性剤ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルや有機
錫などの有機金属などの中には、環境ホルモンとして最
近注視されているものがあり、その使用を控えることが
好ましく、また、本発明の実施例の通り添加しなくても
その効力に影響はない。
【0021】本発明に用いられる分散機としては、粉砕
器、撹拌機、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、
アジテーター、ディスパーサーなどが挙げられる。本発
明に用いた評価方法としては、直接倍率4万倍の写真を
撮り、任意に拡大プリント(本発明では4万9千倍に拡
大、観察視野として2.34μm2)して、明瞭に観察
される単独の磁性粉の個数を数えて頻度とし、この観察
視野内の個数100個以上を良好、50〜99個を不
良、50個未満をNGと判定した。その理由として、磁
性粉や顔料などの粒子サイズの測定には、100個以上
の平均値から算出することが慣習となっているため、1
00個以上を良好と判定した。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。本発明に係わる磁性粉の分散方法の一例として
は、3.5ccのガラス管瓶にメタル磁性粉を0.5g
入れ、さらに有効ヨウ素を含有した上記一般式(1)お
よび(2)で示される顔料分散剤から選ばれる少なくと
も1種の有機化合物を含んだ水溶液を1cc投入し、例
えば超音波ホモジナイザーで約1分間分散させて、良好
な磁性粉顔料の分散体を得る方法がある。
【0023】この分散体をスポイトで吸い取りメッシュ
に一滴垂らし、もしくはその分散体にピンセットで挟ん
だメッシュをジャブ浸けして、自然乾燥後、TEMもし
くはSEMで観察すると、2次元的に良好に分散された
観察像が得られる。
【0024】より具体的には、図1のような3.5cc
のガラス管瓶1に、溶液として有効ヨウ素0.0070
wt%、ピロール系化合物(ポリ−2−カルボキシル−
1−ピロールエチレン)0.0700wt%を含有した
水溶液1ccをスポイト3で滴下し、磁性粉として比表
面積45m2/gのメタル磁性粉0.5gをスパチュラ
2で投入し、図2に示したように「超音波ホモジナイザ
ー」のパワーを6にしてその溶液を1分間分散し、磁性
粉分散溶液を作製する。
【0025】図5のような、あらかじめコロジオン膜を
堆積させてカーボンを蒸着させたシートメッシュ4「1
50メッシュ」に、図3でスポイト3で採取した磁性粉
分散溶液を滴下し、図4のように自然乾燥後、そのメッ
シュ4をTEMのサンプルホルダーに装着し、直接倍率
1万倍および4万倍または1万5千倍および4万9千倍
に任意に拡大して観察した。
【0026】そのときの写真を図6と図8に示す。これ
らの写真から解るように、広範囲で2次元にほぼ一様に
綺麗に分散しているのが解る。このシートメッシュのグ
リッドセルを拡大観察し、写真に撮るだけで、容易に磁
性粉の観察ができる。
【0027】次に、本発明の実施の形態で用いた治具・
装置について説明する。「メッシュ」(TEM観察用の
試料台)は、応研商事(株)社製のシートメッシュ、1
50メッシュを使用した。上記メッシュにコロジオン膜
またはポリビニルアルコール膜を堆積させ、カーボンを
蒸着させたものを、TEM観察用のメッシュとして使用
した。このメッシュは、SEMでも観察可能であること
はもちろんである。
【0028】「超音波ホモジナイザー」は、(株)SM
T社製の出力50W、周波数20KHzのUH−50を
使用した。「TEM(透過型電子顕微鏡)」は日立製作
所(株)社製のH−7000を使用した。
【0029】なお、上記の治具や装置等は、本発明を何
ら限定・制約するものではない。「分散機」について
は、「超音波ホモジナイザー」についてはメーカーによ
って、パワー、パワーの表示形式、周波数、エネルギー
の変換効率などが異なっている。そのため、本実施の形
態で記載された条件は、「超音波ホモジナイザー」の機
種やメーカーが異なれば、最適条件が異なることは容易
に想像できる。
【0030】また、「超音波ホモジナイザー」を印加す
れば磁性粉の分散性が向上することはよく知られたこと
であり、本実施の形態の「超音波ホモジナイザー」のパ
ワーや分散時間の最適条件は、本発明を何ら限定・制約
するものではなく、各々の機種による最適条件で、本発
明で用いる装置を使用することができる。
【0031】また「超音波ホモジナイザー」に限らず、
分散機として粉砕器、撹拌機、ホモジナイザー、アジテ
ーター及びディスパーサーなども等量の分散効果を得る
のに適した能力を持っているので使用できる。
【0032】以下、本発明の最良の実施例を比較例と共
に説明する。 比較例1 3.5ccのガラス管瓶に、溶液としてヨウ素0.00
70wt%を含有した水溶液を1cc、磁性粉として比
表面積45m2/gのメタル磁性粉を0.5g投入し、
「超音波ホモジナイザー」のパワーを6にして、1分間
分散し、分散溶液を作製する。あらかじめコロジオン膜
を堆積させてカーボンを蒸着させたシートメッシュ「1
50メッシュ」に、その分散溶液をスポイトで滴下もし
くは、上記メッシュをピンセットで挟んで直接分散溶液
に浸染し、自然乾燥後、メッシュをTEMのサンプルホ
ルダーに装着し、直接倍率1万倍および4万倍にて観察
し、さらに1万5千倍および4万9千倍に拡大した。そ
のときの観察写真を、図7および図9に示す。
【0033】実施例1〜15 有効ヨウ素0.0070wt%を含有し、一端に1個以
上の官能基を有し、かつ窒素を含む5員環化合物基
(1)〜(9)を有する一般式(1)の有機化合物もし
くは、一端に1個以上の官能基を有し、かつベンゼン環
をも有する窒素を含む5員環化合物基(10)〜(1
5)を有する一般式(2)の有機化合物を0.0700
wt%含有した水溶液を用いた他は、比較例1と同様な
方法により作製した。
【0034】一般式(1) 一般式(2) 式中、R1,R2:水素、水酸基およびアルキル基のい
ずれか Y1:1個以上の官能基を有し、かつ窒素を含む5員環
化合物基(官能基の種類は何でも良い) Y2:1個以上の官能基を有し、かつベンゼン環をも有
する窒素を含む5員環化合物基(官能基の種類は何でも
良い) n:重合度 10〜3000の整数 x:重合度nの5〜20%の範囲内の任意の整数 I:有効ヨウ素(式(1)、(2)の化合物の官能基の
位置に存在するヨウ素は官能基としての作用はするが、
本発明の目的に合致した主たる効果に直接寄与せず、本
明細書では有効ヨウ素とはしない。)
【0035】本発明における物資のY1基ないしY2基
は、さらに具体的には、Y1基は、 (1)2−ピロールカルボン酸基 (2)2、3、4、5−テトラヨードピロール基 (3)2−ピロリジンカルボン酸基 (4)2−ピロリドン基 (5)4−ヒドロキシプロリン基 (6)5−ピラゾロン基 (7)2、4−イミダゾリジンジオン基 (8)2−イミダゾリドン基 Y2基は (9)硫酸水素3−インドリル基 (10)2−インドリノン基 (11)3−ヒドロキシインドール基 (12)2、3−インドリンジオン基 (13)2−ベンゾイミダゾリノン基 (14)2、3−インドリンジオン2−オキシム基 (15)2、3−インドリンジオン3−オキシム基 で表される。
【0036】以上の比較例1および実施例1〜15で作
製したメッシュをTEMで観察し、ネガフィルムに撮影
し、写真にプリントした後、明瞭に観察される単独の磁
性粉の個数を数えた結果を表1に記す。このときの実施
例1の1万5千倍の観察写真を図6に示し、4万9千倍
の観察写真を図8に示し、また比較例1の1万5千倍の
観察写真を図7に示し、4万9千倍の観察写真を、図9
に示す。
【0037】前記した評価方法で、明瞭に観察される単
独の磁性粉の個数を数え、頻度とし、判定した。
【0038】
【表1】 表1並びに後述する表6から明らかなように本発明顔料
分散剤を用いることにより磁性粉の分散性が非常に良好
になり、また、本作製方法からわかるとおり、容易にし
かも短時間で明瞭な試料作製が可能であることがわか
る。
【0039】また、本発明の顔料分散剤の窒素を含む5
員環化合物基のその一端に1個以上を有する官能基もし
くは、ベンゼン環をも有する窒素を含む5員環化合物基
のその一端に1個以上を有する官能基は、官能基の数、
種類およびそれらの組み合わせによって本発明の顔料分
散剤の分散効果が著しく低下することがなく、明瞭な観
察試料の提供が可能であることを表している。
【0040】また、図6、図8に示す写真からわかるよ
うに、広範囲で2次元的にほぼ一様に綺麗に磁性粉が分
散しているのがわかる。このシートメッシュのグリッド
セルを拡大観察し、写真を撮るだけで、容易に磁性粉の
観察ができる。
【0041】しかし、本発明の顔料分散剤の代わりに、
ヨウ素単独だけではその効力を発揮せず、何ら効果のな
いことが図7、図9からわかる。
【0042】比較例2 化合物の濃度を0.2100wt%にした他は実施例4
と同様な方法により試料を作製した。
【0043】実施例16 化合物の濃度を0.0350wt%にした他は実施例4
と同様な方法により試料を作製した。
【0044】実施例17 化合物の濃度を0.1400wt%にした他は実施例4
と同様な方法により試料を作製した。
【0045】以上の比較例2および実施例4、16〜1
7で作製したメッシュをTEMで観察した後、ネガフィ
ルムに撮影し、写真にプリントした後、明瞭に観察され
る単独の磁性粉の個数を数えた結果を表2に記す。
【0046】本発明の前記した評価方法で、明瞭に観察
される単独の磁性粉の個数を数え、頻度とし、判定し
た。
【0047】
【表2】 表2から明らかなように本発明顔料分散剤を0.035
0〜0.1400wt%用いることにより磁性粉の分散
性が非常に良好で明瞭な試料作製が可能であり、また、
本発明顔料分散剤を0.2100wt%以上使用しても
その効力を発揮せず、何ら効果のないこととがわかる。
【0048】比較例3 磁性粉として比表面積40m2/gのα−Fe23粒子
を用い、溶液に含まれるヨウ素の濃度を0wt%(有効
ヨウ素を含まない)にした他は実施例4と同様な方法に
より試料を作製した。
【0049】比較例4 磁性粉として比表面積40m2/gのα−Fe23粒子
を用い、溶液に含まれる有効ヨウ素の濃度を0.021
0wt%にした他は実施例4と同様な方法により試料を
作製した。
【0050】実施例18 磁性粉として比表面積40m2/gのα−Fe23粒子
を用い、溶液に含まれる有効ヨウ素の濃度を0.003
5wt%にした他は実施例4と同様な方法により試料を
作製した。
【0051】実施例19 磁性粉として比表面積40m2/gのα−Fe23粒子
を用い、溶液に含まれる有効ヨウ素を0.0140wt
%含有した他は実施例4と同様な方法により試料を作製
した。
【0052】以上の比較例3〜4および実施例18〜1
9で作製したメッシュをTEMで観察後にネガフィルム
に撮影し、写真にプリントした後、明瞭に観察される単
独の磁性粉の個数を数えた結果を表3に示す。このとき
の実施例19の4万9千倍の観察写真を図10に示す。
また比較例3の4万9千倍の観察写真を、図11に示
す。
【0053】前記した評価方法で、明瞭に観察される単
独の磁性粉の個数を数え、頻度とし、判定した。その結
果を表3に示す。
【0054】
【表3】 表3から明らかなように本発明の顔料分散剤に含有され
る有効ヨウ素の最適な濃度は0.0035〜0.014
0wt%であり、この範囲をはずれた領域の有効ヨウ素
濃度では何ら効果のないことがわかる。
【0055】実施例20 溶媒をメタノールにし、メッシュの支持膜をポリビニル
アルコール膜にした他は実施例4と同様な方法により試
料を作製した。
【0056】実施例21 溶媒をエタノールにし、メッシュの支持膜をポリビニル
アルコール膜にした他は実施例4と同様な方法により試
料を作製した。
【0057】以上の実施例4および実施例20〜21で
作製したメッシュをTEMで観察後、ネガフィルムに撮
影し、写真にプリントした後、明瞭に観察される単独の
磁性粉の個数を数えた結果を表4に記す。
【0058】前記した評価方法で、明瞭に観察される単
独の磁性粉の個数を数え、頻度とし、判定した。
【0059】
【表4】 表4から明らかなように溶媒にアルコールを用いても、
本発明顔料分散剤の効力には、何ら問題のないことがわ
かる。
【0060】比較例5 添加剤として市販のグリセリン0.02wt%、ヨウ素
0.0070wt%を添加した他は比較例1と同様な方
法により試料を作製した。
【0061】比較例6 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王
(株)製の界面活性剤、エマルゲン904)0.02w
t%。ヨウ素0.0070wt%添加した他は比較例1
と同様な方法により試料を作製した。
【0062】比較例7 市販の添加剤グリセリン、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(花王(株)製の界面活性剤、エマルゲ
ン904)を各0.01wt%。ヨウ素0.0070w
t%添加した他は比較例1と同様な方法により試料を作
製した。
【0063】実施例22 市販の添加剤グリセリンを0.005wt%を化合物に
添加した他は実施例4と同様な方法により試料を作製し
た。
【0064】実施例23 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王
(株)製の界面活性剤、エマルゲン904)0.005
wt%を化合物に添加した他は実施例4と同様な方法に
より試料を作製した。
【0065】実施例24 添加剤グリセリン、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(花王(株)製界面活性剤、エマルゲン90
4)を各0.005wt%を化合物に添加した他は実施
例4と同様な方法により試料を作製した。
【0066】以上の比較例5〜7および実施例22〜2
4で作製したメッシュをTEMで観察後ネガフィルムに
撮影し写真にプリントした後、明瞭に観察される単独の
磁性粉の個数を数えた結果を表5に記す。この時の実施
例24の4万9千倍の観察写真を図12に、また比較例
7の4万9千倍の観察写真を、図13に記す。
【0067】前記評価方法で、明瞭に観察される単独の
磁性粉の個数を数え、頻度とし、判定した。
【0068】
【表5】 表5の実施例22〜24から明らかなように、本発明顔
料分散剤に添加剤を0.005wt%添加した程度では
本発明の効力に何ら影響の無いことが明瞭にわかる。ま
た表5の比較例5〜7から明らかなように、本発明の顔
料分散剤の代わりに界面活性剤や粘度調整剤などのいず
れか1種類もしくは1種類以上を混合したヨウ素含有水
溶液で分散を行っても、本発明の顔料分散剤と同程度の
濃度0.005〜0.02wt%Wでは本発明の顔料分
散剤程の効力は全く見られない。
【0069】以上述べたように、また、表1〜5や図6
〜図13の写真からわかるように、本発明の実施例で
は、塗布型磁気記録媒体用磁気テープの主に主層、中間
層、下層に使用される、強磁性のメタルおよび鉄系酸化
物の磁性粉および顔料の大きさに関係なく、TEM観察
するに当たって、有効ヨウ素0.0035〜0.014
0wt%を含有した、0.0350〜0.1400wt
%の一般式(1)および(2)に示される化合物の水、
メタノール、エタノールおよび、これらの混合溶液を用
い,分散機にて分散することにより、広範囲で2次元的
にほぼ一様に綺麗に分散した試料作成が可能になること
を示している。このシートメッシュのグリッドセルを拡
大観察し、写真に撮るだけで、容易に磁性粉の観察がで
きる。
【0070】以上の実施例と比較例の化合物基(Y1、
Y2)と化合物濃度、有効ヨウ素濃度、溶媒、官能基な
どについてまとめて表に示す。
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、広範囲で2次元的にほ
ぼ一様に綺麗に分散した磁性粉試料の作製が可能にな
り、塗布型磁気記録媒体用磁気テープを開発する上でま
すます重要になりつつあるTEMおよびSEMによる磁
性粉の観察を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態で使用する観察用磁性粉
試料の作製過程である磁性粉と溶媒をガラス管瓶に投入
する状態を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態で使用する観察用磁性粉
試料の作製過程で磁性粉溶液を超音波ホモジナイザーで
分散する概略図である。
【図3】 本発明の実施の形態で使用する観察用磁性粉
試料の作製過程で磁性粉の分散溶液の採取の概略図であ
る。
【図4】 本発明の実施の形態で使用する観察用磁性粉
試料の作製過程で磁性粉分散溶液のメッシュに積載、乾
燥する概略図である。
【図5】 本発明の実施の形態で使用する観察用磁性粉
試料の作製過程でメッシュの概略図である。
【図6】 本発明の実施例1の観察用磁性粉試料の顕微
鏡写真である。
【図7】 比較例1の観察用磁性粉試料の顕微鏡写真で
ある。
【図8】 本発明の実施例1の観察用磁性粉試料の顕微
鏡写真である。
【図9】 比較例1の観察用磁性粉試料の顕微鏡写真で
ある。
【図10】 本発明の実施例19の観察用磁性粉試料の
顕微鏡写真である。
【図11】 比較例3の観察用磁性粉試料の顕微鏡写真
である。
【図12】 本発明の実施例24の観察用磁性粉試料の
顕微鏡写真である。
【図13】 比較例7の観察用磁性粉試料の顕微鏡写真
である。
【符号の説明】
1 ガラス管瓶 2 スパチュラ 3 スポイト 4 メッシュ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有効ヨウ素として、0.0035〜0.
    0140wt%を含有する、下記の一般式(1)で表さ
    れる化合物0.0350〜0.1400wt%を用いて
    強磁性のメタルおよび鉄系酸化物の磁性粉および顔料を
    溶媒中に分散させて得られるTEMおよびSEM用観察
    試料。 式中、R1、R2:水素、水酸基およびアルキル基 Y1:1個以上の官能基を有しかつ窒素を含む5員環化
    合物基 n:重合度 10〜3000の整数 x:重合度nの5〜20%の範囲内の任意の整数 I:有効ヨウ素(式(1)の化合物内の官能基ではな
    く、式(1)の化合物の付加物として含有されるヨウ素
    の意味で用いる。)
  2. 【請求項2】 有効ヨウ素として、0.0035〜0.
    0140wt%を含有する、下記の一般式(2)で表さ
    れる化合物0.0350〜0.1400wt%を用いて
    強磁性のメタルおよび鉄系酸化物の磁性粉および顔料を
    溶媒中に分散させて得られるTEMおよびSEM用観察
    試料。 式中、R1、R2:水素、水酸基およびアルキル基 Y2:1個以上の官能基を有し、かつベンゼン環を有す
    る窒素を含む5員環化合物基 n:重合度 10〜3000の整数 x:重合度nの5〜20%の範囲内の任意の整数 I:有効ヨウ素(式(2)の化合物内の官能基ではな
    く、式(2)の化合物の付加物として含有されるヨウ素
    の意味で用いる。)
  3. 【請求項3】 有効ヨウ素として、0.0035〜0.
    0140wt%を含有する、下記の一般式(1)で表さ
    れる化合物0.0350〜0.1400wt%を用いて
    強磁性のメタルおよび鉄系酸化物の磁性粉および顔料を
    溶媒中に分散機により分散させるTEMおよびSEM用
    観察試料の作製方法。 式中、R1、R2:水素、水酸基およびアルキル基 Y1:1個以上の官能基を有しかつ窒素を含む5員環化
    合物基 n:重合度 10〜3000の整数 x:重合度nの5〜20%の範囲内の任意の整数 I:有効ヨウ素((式(1)の化合物内の官能基ではな
    く、式(1)の化合物の付加物として含有されるヨウ素
    の意味で用いる。)
  4. 【請求項4】 有効ヨウ素として、0.0035〜0.
    0140wt%を含有する、下記の一般式(2)で表さ
    れる化合物0.0350〜0.1400wt%を用いて
    強磁性のメタルおよび鉄系酸化物の磁性粉および顔料を
    溶媒中に分散機により分散させるTEMおよびSEM用
    観察試料の作製方法。 式中、R1、R2:水素、水酸基およびアルキル基 Y2:1個以上の官能基を有し、かつベンゼン環を有す
    る窒素を含む5員環化合物基 n:重合度 10〜3000の整数 x:重合度nの5〜20%の範囲内の任意の整数 I:有効ヨウ素((式(2)の化合物内の官能基ではな
    く、式(1)の化合物の付加物として含有されるヨウ素
    の意味で用いる。)
JP10177501A 1998-06-24 1998-06-24 Temおよびsem用観察試料とその作製方法 Pending JP2000009614A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177501A JP2000009614A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 Temおよびsem用観察試料とその作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177501A JP2000009614A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 Temおよびsem用観察試料とその作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000009614A true JP2000009614A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16032019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10177501A Pending JP2000009614A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 Temおよびsem用観察試料とその作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000009614A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104535384A (zh) * 2014-12-13 2015-04-22 云南磷化集团有限公司 一种粉末状非金属矿制备sem样品的方法
CN113834831A (zh) * 2020-06-08 2021-12-24 宸鸿科技(厦门)有限公司 制备透射电子显微镜样品的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104535384A (zh) * 2014-12-13 2015-04-22 云南磷化集团有限公司 一种粉末状非金属矿制备sem样品的方法
CN113834831A (zh) * 2020-06-08 2021-12-24 宸鸿科技(厦门)有限公司 制备透射电子显微镜样品的方法
CN113834831B (zh) * 2020-06-08 2023-07-21 全德科技(厦门)有限公司 制备透射电子显微镜样品的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103338884B (zh) 包覆金属微粒及其制造方法
US11542174B2 (en) Ferrite particles, resin compositions and electromagnetic wave shielding material
WO2013115495A1 (en) Core-shell structured nanoparticle having hard-soft magnetic heterostructure, magnet prepared with said nanoparticle, and preparing method thereof
TWI271240B (en) Method for surface treatment of nickel nanoparticles, nickel nanoparticles prepared by the method, and conductive paste and multi-layer ceramic capacitor containing the nickel nanoparticles
CN109830685A (zh) 一种复合导电浆料、其制备方法及用途
CN106463201A (zh) 导电性组合物
CN110006937A (zh) 利用扫描电镜在极限分辨率下测试样品的方法
JP2000009614A (ja) Temおよびsem用観察試料とその作製方法
Tegafaw et al. Ligand-size and ligand-chain hydrophilicity effects on the relaxometric properties of ultrasmall Gd2O3 nanoparticles
KR101298833B1 (ko) 토너용 외첨제 및 그 제조 방법
JPH05213620A (ja) マグネタイト粒子およびその製造方法
JP5588826B2 (ja) 磁性酸化鉄粒子分散液及びその製造方法
US11367548B2 (en) E-iron oxide type ferromagnetic powder, method for manufacturing same, and composition containing e-iron oxide type ferromagnetic powder
JPH0711856B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH10318892A (ja) Temおよびsem用観察試料の作製法
JPH0834617A (ja) 黒色磁性酸化鉄粒子粉末
DE102015110869A1 (de) Magnesiumionenbatterien und Magnesiumelektroden, die über ein neues Reagenz synthetisierte Magnesiumnanopartikel verwenden
JP2019003988A (ja) 磁性体膜及びその製造方法
JP2756845B2 (ja) 六面体を呈したマグネタイト粒子粉末及びその製造法
JP4121273B2 (ja) 酸化鉄粒子
CN109932378B (zh) 一种量子点表面配体覆盖率的测定方法
JP2003183027A (ja) 酸化鉄粒子
DE2520379A1 (de) Mit kobalt modifiziertes, nadelfoermiges gamma-ferrioxyd
Srivastava et al. Size effect ordering in [FePt] 100− xCrx nanoparticles
JP2743028B2 (ja) 酸化鉄超常磁性体微粒子粉末及びその製造法