JP2000007707A - グリコーゲン組成物 - Google Patents
グリコーゲン組成物Info
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Abstract
ン組成物を提供する。 【解決手段】 グリコーゲンに水溶性のイオン性界面活
性剤を組合せる。
Description
る分散性に優れたグリコーゲン組成物に関する。この組
成物は、例えば化粧品、医薬部外品、医薬品、飲料類、
食料品への利用をはじめとして多くの分野で用いられる
可能性を有している。
って、水系媒体に極めて安定なコロイド粒子として分散
(この状態を「溶解」と表現する場合もある)し、この
分散液は、濃度にもよるが、微濁ないし白濁しており、
かつ見る角度によって青系色や赤系色に見える優美なオ
パール色を呈することが知られている。また、上記分散
液は、グリコーゲン濃度が例えば約20重量%と高くて
もその粘度(20℃)が約100(mPa・s)以下程
度で、通常の水溶性高分子化合物の場合と比較して粘度
が極めて低く、そのためもあってほとんど粘着性を感じ
させないという特徴をも有している。
に滑り感を与えるという特有の性質をも有している。こ
のような種々の特徴的な性質を有するグリコーゲンが高
い安全性も有することとも相俟って、色々な用途、例え
ば化粧品、医薬部外品、飲食料品などの分野でグリコー
ゲンの利用が検討されはじめている。
討の過程において、例えば非イオン性のグリコーゲンコ
ロイド粒子が極めて安定に分散して存在する系に非イオ
ン性の界面活性剤や水溶性高分子化合物を水系で共存さ
せることが多く、その場合、それら非イオン性物質の影
響を受けて該粒子が凝集し、更には沈降分離してしま
い、オパール色も低下するという現象が発生することが
あり、これが問題となる場合がある。本発明は、グリコ
ーゲンの種々の性質を大幅に損なうことなく、上記する
ような安定性に関する問題を解決することを目的とす
る。
題を解決すべく種々検討の結果、意外にもグリコーゲン
に水溶性のイオン性界面活性剤を含有させたものが目的
を達成するものであることを知り、本発明を完成させた
ものである。即ち、本発明はグリコーゲンと水溶性のイ
オン性界面活性剤を含有して成るグリコーゲン組成物を
提供する。
本発明で用いるグリコーゲンは、通常、D−グルコース
単位が主としてα−1,4−グルコシド結合した連鎖を
主鎖及び分岐として有するものであって、主鎖にはD−
グルコース単位がα−1,4−グルコシド結合している
複数本の分岐が分岐点に於てα−1,6−グルコシド結
合しており、分岐の多くは更に分岐を有するものであ
る。このような構造特性を有していれば幾分かのα−
1,3−グルコシド結合を有するものもこのグリコーゲ
ンに包含される。
状構造の非イオン性の多糖体である。グリコーゲンは、
動植物など天然原料に由来する物質であるため、原料の
種類、採取の時期や場所などにより変動があるが、通
常、平均分子量は107 〜10 9 程度、また、平均鎖長
約10〜14、β−アミラーゼ分解の限度約45%であ
って、分岐度は類似物質のアミロペクチンよりかなり高
い。グリコーゲン水溶液は、非常に安定な分子コロイド
分散液となる。そして、グリコーゲンが高度に分岐した
球状分子であるためか、他の多糖体と比較して高分子量
の割に、その水溶液粘度が低く、また水溶液を乾燥して
得られるグリコーゲン皮膜は、脆いため容易に砕けて、
微細粉粒状となる。
臓、筋肉、白血球などに多く見出され、また、とうもろ
こしなどの植物にも存在する貯蔵多糖であって、ヒトの
肝臓に約10%以下、筋肉に約1%以下程度、また皮膚
にも含有されており、エネルギー源として消費される。
グリコーゲンは、水溶性(コロイド分散性)かつ大部分
の有機溶剤に不溶性であるので、グリコーゲンを含有す
る動植物類より、例えば、水で抽出し、その液を攪拌し
ながらそこにエタノールを添加すると粘稠なゲル状態を
経ることなくグリコーゲンの微粒子が懸濁ないし沈澱す
る。このようにして得られた微粒子は、例えば水溶解と
エタノール析出を繰返して精製後、脱液、乾燥などの操
作を経て、通常白色ないし黄褐色で、ほとんど無味の微
粉末として得られる。
る原料によって臭気や色が異なり、特に動物を原料とし
たものは特異な不快臭や着色が著しいため、その製造工
程に於て脱臭、脱色などの精製処理が、通常入念に行な
われるが充分とはいえず、この場合グリコーゲンの特徴
的構造である分岐を脱落させたり、更には主鎖の切断な
どを発生させ易い。従って本発明では、精製の容易さ、
精製品の臭気や色の点から、無臭で白色ないし微淡黄白
色の、トウモロコシなどを原料とする植物由来のグリコ
ーゲン(フィトグリコーゲン)が好ましく用いられる。
界面活性剤は水溶性でイオン性を有する界面活性剤であ
れば本質的にはいずれでも使用することができる。イオ
ン性としてはアニオン性、カチオン性及び両イオン性が
あり、より詳しくは次のようなものが例示される。
デンプン塩、カゼインナトリウム塩、ゼラチン、ニカ
ワ、水溶性コラーゲン、ポリ(メタ)アクリル酸塩及び
これらの構成単位を有する共重合体やその変性物、カル
ボキシビニルポリマー、アニオン変性PVA及びその
塩、カチオン変性PVAや塩及びその四級化物、スチレ
ン−マレイン酸共重合体塩など。
性界面活性剤を適宜選択して1種又は2種以上を組合せ
て用いることができるが、中でもアニオン性又はカチオ
ン性のものを使用することが好ましい。アニオン性のも
のとカチオン性のものを併用すると安定性を低下させる
場合がある。上記界面活性剤は、得られる組成物の用途
や使用目的に応じて適した界面活性剤、例えば化粧品の
場合は化粧品原料としての使用が許可されたものを、ま
た飲食料品の場合は食品添加物として許可されたものな
どを、それぞれ選択することが好ましい。また、イオン
性界面活性剤は使用する系のpHによって効果が大幅に
異なる場合があるので、本発明の組成物を使用する系の
pHをも考慮してイオン性を選択することが好ましい。
グリコーゲンと水溶性のイオン性界面活性剤を均一に混
合して成るもの、そのものに更に水系媒体を含むものな
どがあり、製造し易さや使い易さなどに応じて適宜選択
される。該組成物の製造には特別な方法を必要とせず、
例えばグリコーゲンと界面活性剤を、所望により加熱し
たり、水を加えたりして混練してもよいし、またグリコ
ーゲン及び界面活性剤のいずれか一方又は両方を水系媒
体に溶解分散し、これらを混合してもよい。上記で用い
るグリコーゲンは乾燥した粉粒状のもののみならず、水
系媒体や水溶性有機溶剤を含むウエットケーク状のもの
であっても支障はない。グリコーゲンのウエットケーク
は、例えばその製造工程中でも得ることができる。
水溶性のイオン性界面活性剤の割合は、使用する界面活
性剤によっても異なるので一概には決められないが、好
ましくはグリコーゲン重量を(G)、該界面活性剤重量
を(S)として、G/S=99.9/0.1〜10/9
0、より好ましくは99/1〜20/80の範囲であ
る。本発明の組成物には、所望により本発明の効果を阻
害しない範囲で種々の成分を含有させることができ、該
組成物の使用目的や用途分野などに応じて適宜の成分が
選択される。グリコーゲンは、人体中に存在したり、従
来から食用に供されている貝類やトウモロコシにも含有
されるなど安全性の高い物質であるが、多糖体であるの
で条件によっては腐敗したり、カビが発生したりするこ
とがある。そのため本発明の組成物を保存、貯蔵するよ
うな場合は、少量の防腐剤、殺菌剤、防黴剤を含有させ
ることが好ましい。これら各剤の物質的、量的選択は、
該組成物の用途などをも考慮して適宜決められる。
イオン性界面活性剤の中で、カチオン界面活性剤、特に
第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤は殺菌作用
も有しているので好都合である。本発明の組成物中のグ
リコーゲンコロイド粒子が水溶性の非イオン性界面活性
剤や非イオン性高分子物質の存在する水系に共存させて
も凝集したり、沈澱したりしない理由は必ずしも明確で
はないが、グリコーゲンコロイド粒子の表面に在るイオ
ン性界面活性剤がバリヤーとなって上記非イオン性物質
による凝集などを阻止しているものとも考えられる。
ド粒子は分散性に優れ、例えば水溶性の非イオン性界面
活性剤や非イオン性水溶性高分子物質の存在する水系に
共存させてもグリコーゲン粒子が凝集したり、沈澱した
りすることなく、オパール色を呈するなどグリコーゲン
の優れた性質を保持するという効果を奏する。
スバンタム、受粉40日後採取)を粉砕して得た粉末
に、その重量の3倍量の過塩素酸水溶液(総重量に対す
る過塩素酸濃度5重量%)を加えた。これをホモジナイ
ザーによりホモジナイズ処理(25℃×5分間)後、水
溶解と析出分離を繰り返して精製し、乾燥してほぼ白色
・無臭・無味のフィトグリコーゲンを得て、これを使用
した。尚、更に詳しくは、日本農芸化学会英文誌199
7年第61巻第455頁(Biosci.Biotec
h.Biochem.,61,455,1997)に記
述されている。 (2)イオン性界面活性剤 ラウリル硫酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)
の試薬グレードを特に精製せず、そのまま用いた。 (3)水 水はイオン交換水を蒸留したものを用いた。 (4)光透過率の測定 ダブルビーム分光光度計(島津製作所製、UV−210
0型)を用い、波長600nmの光の透過率を測定し
た。
活性剤ラウリル硫酸ナトリウムを、フィトグリコーゲン
の重量(G)と界面活性剤の重量(S)の合計重量(G
+S)の液中濃度が10重量%となり、かつフィトグリ
コーゲンと界面活性剤の合計重量(G+S)に対するフ
ィトグリコーゲンの重量(G)の割合〔G/(G+
S)〕が表1に示すようになるように、ガラス製試験管
に入れ、密栓した。この試験管を25℃の恒温水槽中で
よく震盪した後、温度25℃で1時間静置して混合溶液
試料とした。この試料をよく震盪後、直ちにダブルビー
ム分光光度計で波長600nmの光の透過率を測定し
た。また、フィトグリコーゲン(又は界面活性剤)のコ
ントロールは、混合溶液中の界面活性剤(又はフィトグ
リコーゲン)の量を相当量の水で置き換えた液の光透過
率を測定し、その値を併記した。これらの結果は表1に
示した。
中でアニオン性界面活性剤と共存させることにより該活
性剤を共存させない場合よりも光透過性が増大し、一層
高度に分散されていることがわかる。
てグリコーゲンの5重量%水溶液を作製し、これを3分
割した。その液の濁り(25℃、目視)を比較基準
〔(I)++〕とした(表2)。 (2)表2の3分割した(I)それぞれに表2に示すよ
うに(II)を加えて混合した。その際の各液の濁りは表
2の濁り(I)+(II)の通りで少量の水を加えたもの
は濁りは変わらなかった(++)が、イオン性界面活性
剤を加えたもの(実施例2及び3)はいずれも(II)添
加前より濁りが減少した(+)。 (3)上記(I)+(II)に更に水溶性の非イオン性界
面活性剤(III)を添加混合したした所、実施例2及び3
は(III)を添加前と同等の濁りの程度を維持したが、比
較例1では濁りが増大した。 上記実施例2,3及び比較例1の結果より、イオン性界
面活性剤により安定化されたグリコーゲンは非イオン性
界面活性剤を共存させても該活性剤添加前の高い分散状
態を維持することがわかる。
Claims (3)
- 【請求項1】 グリコーゲンと水溶性のイオン性界面活
性剤を含有して成ることを特徴とするグリコーゲン組成
物。 - 【請求項2】 グリコーゲンが植物由来のものであるこ
とを特徴とする請求項1記載のグリコーゲン組成物。 - 【請求項3】 水溶性のイオン性界面活性剤がアニオン
性又はカチオン性界面活性剤であること特徴とする請求
項1記載のグリコーゲン組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17336198A JP2000007707A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | グリコーゲン組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17336198A JP2000007707A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | グリコーゲン組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000007707A true JP2000007707A (ja) | 2000-01-11 |
JP2000007707A5 JP2000007707A5 (ja) | 2005-10-13 |
Family
ID=15958988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17336198A Pending JP2000007707A (ja) | 1998-06-19 | 1998-06-19 | グリコーゲン組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000007707A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10172946B2 (en) | 2013-04-26 | 2019-01-08 | Mirexus Biotechnologies Inc. | Monodisperse glycogen and phytoglycogen nanoparticles and use thereof as additives in cosmetics, pharmaceuticals, and food products |
-
1998
- 1998-06-19 JP JP17336198A patent/JP2000007707A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10172946B2 (en) | 2013-04-26 | 2019-01-08 | Mirexus Biotechnologies Inc. | Monodisperse glycogen and phytoglycogen nanoparticles and use thereof as additives in cosmetics, pharmaceuticals, and food products |
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