JP2000007584A - 難溶性薬物の可溶化方法及び皮膚外用剤組成物 - Google Patents

難溶性薬物の可溶化方法及び皮膚外用剤組成物

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JP2000007584A
JP2000007584A JP17727498A JP17727498A JP2000007584A JP 2000007584 A JP2000007584 A JP 2000007584A JP 17727498 A JP17727498 A JP 17727498A JP 17727498 A JP17727498 A JP 17727498A JP 2000007584 A JP2000007584 A JP 2000007584A
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menthol
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ethanol
poorly soluble
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Kenji Matsuda
賢治 松田
Ryoko Sugita
涼子 杉田
Reiko Ishii
玲子 石井
Manabu Hattori
学 服部
Reiko Kimura
玲子 木村
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 難溶性薬物を含有する皮膚外用剤組成物
に特定の構造を有するアミンオキシド類と特定のHLB
値を有する非イオン界面活性剤とを併用すると共に、l
−メントール及びエタノールを配合することによって、
組成物中の難溶性薬物を可溶化させる。 【効果】 本発明によれば、少量の可溶化剤及び溶解助
剤で難溶性薬物を安定に可溶化することができ、長期に
わたって皮膚外用剤の外観の透明性を維持することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難溶性薬物の可溶
化方法及び皮膚外用剤組成物に関し、更に詳述すると、
難溶性薬物をその効能を損なうことなく長期にわたり安
定に可溶化することができる可溶化方法及び該方法を利
用することによって組成物中の難溶性薬物が可溶化され
て、長期保存によっても濁りや沈殿を生じることなく外
観の透明性が維持される皮膚外用剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】皮膚疾
患、整形外科疾患が急増している今日、これらの疾患に
対しては、主に対処療法が施されており、皮膚科疾患に
対しては、痒みや発赤、肌の炎症等の改善に有効な薬物
を、また、整形外科疾患に対しては、筋肉の炎症や痛み
の緩和に有効な薬物を配合した製剤による治療がなされ
ている。
【0003】これらの治療薬に配合される有効成分の多
くは、水に対する溶解性が著しく低いため、透明な水溶
液又はゲル剤等の水性製剤として用いる場合、これらの
薬物を可溶化することが不可欠である。従来の可溶化技
術としては、可溶化剤として非イオン界面活性剤を用
い、適宜溶解助剤を添加する方法が一般的であった。
【0004】しかしながら、これらの技術では、低濃度
の非イオン界面活性剤による薬物の可溶化は難しく、濁
りや沈殿を生じるため、透明な水性製剤とすることが困
難であった。また、非イオン界面活性剤や溶解助剤を高
濃度にすると皮膚刺激性を生じるため、安全性の面で問
題となることがあった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、従来では多量に必要とされていた界面活性剤及び溶
解助剤の配合量を大幅に低減しても、難溶性薬物を安定
に可溶化することができる難溶性薬物の可溶化方法及び
該方法を利用することによって、経時的変化においても
濁りや沈殿を生じることなく、その外観の透明性を維持
することができる皮膚外用剤組成物を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を重ね
た結果、難溶性薬物の可溶化剤として特定のHLB値を
有する非イオン界面活性剤を配合し、その溶解助剤とし
て下記一般式(1)〜(4)のいずれかで示されるアミ
ンオキシド類を使用し、更にl−メントール、エタノー
ルを配合することにより、難溶性薬物の水に対する溶解
性が著しく向上することを見い出した。
【0007】即ち、本発明者らは、難溶性薬物を水に可
溶化する場合、後述する実施例で示したように、特定の
HLB値を有する非イオン界面活性剤の可溶化力が特定
の化学構造を有するアミンオキシド類を併用し、更に可
溶化力をより増強させる化合物としてl−メントールを
エタノールと共に配合することによって、これらのいず
れか1つでも併用しない場合に比べて格段に増強され
て、少量の可溶化剤及び溶解助剤を添加することで難溶
性薬物を安定に可溶化配合でき、しかも長期にわたって
外観が透明な可溶化組成物が得られることを知見し、本
発明をなすに至った。
【0008】
【化2】 (但し、上記式中R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐
アルキル基、R2はメチル基又はエチル基を示し、mは
1〜5の整数であり、nは2又は3である。)
【0009】従って、本発明は、難溶性薬物を水に可溶
化する方法であって、難溶性薬物に上記一般式(1)、
(2)、(3)及び(4)で示されるアミンオキシド類
から選ばれる1種又は2種以上、HLB値が13以上で
ある非イオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以
上、l−メントール及びエタノールを配合することを特
徴とする難溶性薬物の可溶化方法、及び難溶性薬物を含
有すると共に、上記一般式(1)〜(4)で示されるア
ミンオキシド類から選ばれる1種又は2種以上、HLB
値が13以上である非イオン界面活性剤から選ばれる1
種又は2種以上、l−メントール及びエタノールを配合
してなることを特徴とする皮膚外用剤組成物を提供す
る。
【0010】以下、本発明につき更に詳細に説明する。
【0011】本発明の可溶化方法は、難溶性薬物を水に
可溶化させる方法であって、水に難溶性薬物を添加する
と共に、上記式(1)〜(4)のいずれかで示されるア
ミンオキシド類、HLB値が13以上の非イオン界面活
性剤、l−メントール及びエタノールを共存させること
によって、上記難溶性薬物の水に対する溶解性を向上さ
せるものである。ここで、本発明の難溶性薬物は、水に
ほとんど溶けない薬物であり、このような薬物は、通
常、消炎鎮痛剤、抗炎症剤、角質溶解剤等の皮膚疾患治
療薬及び/又はケアに有効な成分とされている。本発明
の場合、このような薬物であればその種類は特に制限さ
れないが、難溶性の指標として、例えば日本薬局方の性
状試験に準じて水に対する溶解性を示すときに、「極め
て溶けにくい」又は「ほとんど溶けない」の用語が用い
られる薬物を可溶化するのに、特に好適であり、このよ
うな薬物として具体的には、例えばブフェキサマク、イ
ンドメタシン、トルフェナム酸、メフェナム酸、フルフ
ェナム酸、サリチル酸、アスピリン、サザピリン、アル
クロフェナク、スプロフェン、イブプロフェン、ナプロ
キセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェン
ブフェン、アセメタシン、メチアジン酸、プロチジン
酸、スリンダク、プラノプロフェン、フェンチアザク、
ジフルニサル、チアプロフェン酸、オキサプロジン等を
挙げることができ、これらの中でも特にブフェキサマ
ク、インドメタシン、サリチル酸、ケトプロフェン等が
効果的である。これらの薬物は1種単独で又は2種以上
を適宜組み合わせて使用することができる。
【0012】上記難溶性薬物を皮膚外用剤組成物に配合
する場合、その配合量は、特に限定されるものではない
が、安全性及び有効性を考慮すれば、通常組成物全体に
対して0.01〜10%(重量%、以下同様)、特に
0.1〜5%とすることが望ましい。配合量が多すぎる
と可溶化のために配合する成分の配合量が多量となる等
の不都合を生じる場合があり、少なすぎると十分な薬効
が得られない場合がある。
【0013】本発明で使用されるアミンオキシド類は、
下記一般式(1)〜(4)のいずれかで示されるもので
あり、これらは1種単独で又は2種を適宜組み合わせて
使用することができる。
【0014】
【化3】
【0015】上記一般式(1)〜(4)において、R1
は炭素数8〜18、特に12〜16の直鎖又は分岐のア
ルキル基である。また、上記式(2)において、R2
メチル基又はエチル基である。また、mは1〜5、特に
2〜3の整数であり、nは2又は3である。
【0016】上記一般式(1)で示されるアミンオキシ
ド類の具体例としては、例えばラウリルジメチルアミン
オキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、セチル
ジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオ
キシド、オレイルジメチルアミンオキシド、ヤシ油アル
キルジメチルアミンオキシド等の中鎖の炭化水素基を有
するアルキルジメチルアミンオキシド化合物を挙げるこ
とができ、上記一般式(2)で示されるアミンオキシド
類の具体例としては、例えばラウリルジメチルアミドプ
ロピルアミンオキシド、ラウリルジエチルアミドプロピ
ルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミドプロピル
アミンオキシド、ミリスチルジエチルアミドプロピルア
ミンオキシド、セチルジメチルアミドプロピルアミンオ
キシド、ラウリルジメチルアミドエチルアミンオキシ
ド、ラウリルジエチルアミドエチルアミンオキシド等の
中鎖の炭化水素基を有するアルキルアミドアミンオキシ
ド化合物を挙げることができる。
【0017】更に、上記一般式(3)で示されるアミン
オキシド類の具体例としては、例えば(ポリ)オキシエ
チレンラウリルジメチルアミンオキシド、(ポリ)オキ
シエチレンミリスチルジメチルアミンオキシド、(ポ
リ)オキシエチレンセチルジメチルアミンオキシド、
(ポリ)オキシエチレンステアリルジメチルアミンオキ
シド、(ポリ)オキシエチレンオレイルジメチルアミン
オキシド、(ポリ)オキシエチレンヤシ油アルキルジメ
チルアミンオキシド等の中鎖の炭化水素基を有する(ポ
リ)オキシエチレンアルキルジメチルアミンオキシド化
合物、上記一般式(4)で示されるアミンオキシド類の
具体例としては、例えばジヒドロキシエチルラウリルア
ミンオキシド、ジヒドロキシエチルミリスチルアミンオ
キシド、ジヒドロキシエチルセチルアミンオキシド、ジ
ヒドロキシエチルステアリルアミンオキシド、ジヒドロ
キシエチルオレイルアミンオキシド等の中鎖の炭化水素
基を有するジヒドロキシエチルアルキルアミンオキシド
化合物を挙げることができる。
【0018】本発明の場合、上記アミンオキシド類の中
でも、特にラウリルジメチルアミンオキシド、セチルジ
メチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミドプロピ
ルアミンオキシド、ラウリルジエチルアミドプロピルア
ミンオキシド、ラウリルジメチルアミドエチルアミンオ
キシド、ラウリルジエチルアミドエチルアミンオキシ
ド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリ
オキシエチレンラウリルジメチルアミンオキシド等がよ
り好適である。
【0019】上記アミンオキシド類は、上述したように
非イオン界面活性剤の難溶性薬物に対する可溶化力を増
強させる作用を有するものであり、上記難溶性薬物に対
する配合割合(2種以上を併用する場合は合計量)は、
特に制限されるものではないが、通常難溶性薬物:アミ
ンオキシド(重量比)=1:100〜50:1、特に
1:10〜5:1とすることが望ましい。上記範囲以外
では、本発明の効果が十分に得られない場合がある。ま
た、上記アミンオキシド類を皮膚外用剤組成物に配合す
る場合、その配合量は、組成物全体の0.01〜10
%、好ましくは0.1〜7%、より好ましくは0.5〜
5%であることが望ましい。配合量が少なすぎると、十
分な可溶化力が得られない場合があり、配合量が多すぎ
ると、製剤の使用感が損なわれる場合がある。
【0020】本発明の非イオン界面活性剤は、そのHL
B値が13以上であることが必要であり、特に好ましく
は15〜20である。HLB値が低すぎると難溶性薬物
を充分に可溶化することができない。このような非イオ
ン界面活性剤として、具体的には、例えばポリオキシエ
チレン(EO9〜50)アルキル(炭素数12〜22)
エーテル,ポリオキシエチレン(EO7〜50)アルキ
ル(炭素数8〜9)フェニルエーテル,(ポリ)オキシ
エチレン(EO1〜20)(ポリ)オキシプロピレン
(PO1〜30)アルキル(炭素数12〜16)エーテ
ル等のエーテル型非イオン界面活性剤、ポリオキシエチ
レン(EO5〜15)グリセリン脂肪酸(炭素数12〜
18)エステル,ポリオキシエチレン(EO6〜20)
ソルビタン脂肪酸(炭素数12〜18)エステル,ポリ
オキシエチレン(EO6〜60)ソルビット脂肪酸(炭
素数12〜18)エステル,ポリオキシエチレン(EO
40〜100)硬化ヒマシ油,ポリエチレングリコール
(EO10〜55)脂肪酸(炭素数12〜18)エステ
ル等のエステル型非イオン界面活性剤などを挙げること
ができ、これらの中でも特にポリオキシエチレン(EO
9〜50)アルキル(炭素数12〜22)エーテル、ポ
リオキシエチレン(EO40〜100)硬化ヒマシ油、
ポリエチレングリコール(EO10〜55)脂肪酸(炭
素数12〜18)エステル等が好適である。より具体的
には、例えばポリオキシエチレン(21)ラウリルエー
テル、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオ
キシエチレン(40)セチルエーテル、ポリオキシエチ
レン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(5
0)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリ
コール(25EO)、モノステアリン酸ポリエチレング
リコール(40EO)、モノステアリン酸ポリエチレン
グリコール(55EO)等を挙げることができ、更に、
これらの中でも特にポリオキシエチレン(21)ラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエー
テル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、モノステア
リン酸ポリエチレングリコール(25EO)、モノステ
アリン酸ポリエチレングリコール(40EO)等がより
効果的である。これらの非イオン界面活性剤は1種単独
で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができ
る。なお、単独ではHLB値が13未満の非イオン界面
活性剤であっても、上記例示の界面活性剤を併用して、
界面活性剤全体としてのHLB値が13以上となるよう
に調整して使用することができる。
【0021】本発明の可溶化方法における上記非イオン
界面活性剤の配合割合(2種以上を併用する場合、合計
量)は、特に制限されるものではないが、通常、難溶性
薬物:界面活性剤(重量比)=1:10〜1:100
0、特に1:30〜1:600、アミンオキシド類:界
面活性剤(重量比)=2:1〜1:50、特に1:1〜
1:10とすることが望ましい。上記範囲以外では、本
発明の効果が充分に得られない場合がある。また、上記
非イオン界面活性剤を皮膚外用剤組成物に配合する場
合、その配合量は、組成物全体の0.05〜10%、よ
り好ましくは0.1〜5%である。配合量が少なすぎる
と、十分な可溶化力が得られない場合があり、配合量が
多すぎると、それ以上の可溶化力の向上が得られない場
合がある。
【0022】そして、本発明の可溶化方法は、更にl−
メントール及びエタノールを配合するものであり、これ
らは通常皮膚外用剤に配合されているものが使用され、
例えばl−メントールとしては天然及び合成のものを、
エタノールとしては変性、未変性にかかわらず使用する
ことができ、具体的には高砂香料株式会社製のl−メン
トール、信和アルコール株式会社製の政府所定エタノー
ル等を好適に使用することができる。
【0023】本発明の可溶化方法におけるl−メントー
ル及びエタノールの配合割合は、特に制限されるもので
はないが、本発明の場合、l−メントールがエタノール
に完全に溶解することが必要であり、通常、l−メント
ール:エタノール(重量比)=1:6000〜1:2、
より好ましくは1:500〜1:3である。また、上記
難溶性薬物に対する配合割合は、難溶性薬物の種類等に
よって適宜選定されるが、通常、難溶性薬物:l−メン
トール(重量比)=1:1〜1:50、特に1:2〜
1:10、難溶性薬物:エタノール(重量比)=1:3
0〜1:120、特に1:40〜1:100とすること
が望ましい。上記範囲以外では、本発明の効果が充分に
得られない場合がある。また、l−メントール及びエタ
ノールを皮膚外用剤組成物に配合する場合、l−メント
ールの配合量は、組成物全体の0.01〜5%、より好
ましくは0.1〜3%であり、エタノールの配合量は、
組成物全体の5〜60%、より好ましくは10〜50%
である。これらの配合量が少なすぎると十分な可溶化力
が得られない場合があり、配合量が多すぎるとそれ以上
の配合の効果がないばかりではなく、製剤設計上の問題
が生じる場合がある。
【0024】以上説明したように、本発明の難溶性薬物
の可溶化方法は、難溶性薬物の水に対する溶解性を向上
させて、該薬物を水に可溶化させるものである。ここ
で、本発明の可溶化方法は、水に上記アミンオキシド類
等以外の成分が適宜配合された水性溶媒に上記難溶性薬
物を可溶化させる場合にも有効であり、上記難溶性薬物
を含有する種々の用途に使用される組成物において難溶
性薬物を可溶化させる方法として使用することができ、
特に皮膚外用剤組成物、より好ましくはローション剤等
のように透明な水溶液又はゲル(ジェル)剤などの剤型
に調製される水性皮膚外用剤組成物において難溶性薬物
を可溶化するために利用すると効果的である。
【0025】そして、本発明の皮膚外用剤は、上述した
ように、上記難溶性薬物、アミンオキシド類、非イオン
界面活性剤、l−メントール及びエタノールを含有し、
上記難溶性薬物が可溶化されたものである。ここで、本
発明の皮膚外用剤組成物は、上記難溶性薬物を安定に可
溶化できる限り、上記必須成分の他に通常の皮膚外用剤
に配合される水溶性成分、保存剤、pH調整剤、増粘
剤、酸化防止剤等を必要に応じて適宜配合することがで
きる。具体的には、水溶性成分としては、例えばグリセ
リン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、イソ
プロピルアルコール等、保存剤としては、例えばパラベ
ン類、安息香酸類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼ
トニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化アルキルトリ
メチルアンモニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリ
シン、塩酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、臭化
ドミフェン、フェノキシエタノール等、pH調整剤とし
ては、例えばクエン酸,リン酸,酒石酸,乳酸などの酸
性化合物、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,トリエ
タノールアミンなどのアルカリ性化合物等、増粘剤とし
ては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、
アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール等、酸
化防止剤としては、例えばトコフェロール、エリソルビ
ン酸、没食子酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエン
(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、
ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)等を挙げる
ことができ、これらの配合量は適宜選定することができ
る。なお、本発明の皮膚外用剤組成物をpH調整する場
合、pH4〜8、特に4.5〜7.5に調整すると、難
溶性薬物の薬効を損なうことなく可溶化できるので、よ
り効果的である。
【0026】本発明の皮膚外用剤組成物は、上記難溶性
薬物を可溶化配合し得る限り、その剤型は任意であり、
例えば、ローション剤、ジェル剤等の水性製剤などを挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。また、その調製方法は、特に制限されるものではな
く、例えば各種剤型の常法に従って調製することができ
る。
【0027】本発明の皮膚外用剤組成物の使用量、用法
は、特に制限されるものではなく、上記剤型等により適
宜選定することができ、例えば上記難溶性薬物配合の各
種皮膚外用剤の通常量、用法で適用することにより、製
剤中でその薬効が損なわれることなく安定に可溶化され
た上記難溶性薬物の優れた経皮吸収性等の有効性を充分
に得ることができる。
【0028】以上説明したように、本発明の皮膚外用剤
組成物によれば、各種皮膚科疾患治療薬の有効成分とし
て難溶性薬物を含有する皮膚外用剤組成物において、難
溶性薬物をその有効性を損なうことなく可溶化すること
ができ、特に水性製剤として調製すると、外観が透明な
水性皮膚外用剤組成物を提供することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0030】[実施例1,2及び比較例1〜4]表1に
示す処方により常法に従って実施例及び比較例の皮膚外
用剤組成物(透明可溶化水性皮膚外用剤;pH7.6)
を調製し、これらを40℃で1ヶ月保存した後、各組成
物の外観安定性を目視により観察して下記外観評価基準
により評価した。結果を表1に併記する。なお、表中、
「ニッコールHCO−60」は、ポリオキシエチレン
(60)硬化ヒマシ油(HLB=14.0)、ニッコー
ルMYS−25」はモノステアリン酸ポリエチレングリ
コール(25EO)(HLB=15.0)、「ニッコー
ルBC−7」はポリオキシエチレン(7)セチルエーテ
ル(HLB=11.5)であり、これらはいずれも日光
ケミカルズ株式会社製である。外観評価基準 ○;40℃、1ヶ月保存後、無色透明 ×;40℃、1ヶ月保存後、白濁/沈殿
【0031】
【表1】
【0032】表1に示す結果によれば、水性製剤中に難
溶性薬物であるインドメタシンを配合する場合、特定の
アミンオキシド類とHLB値が13以上である非イオン
界面活性剤とを併用すると共に、更にエタノール及びl
−メントールを配合した本発明の皮膚外用剤組成物は、
40℃で1ヶ月保存しても外観の透明性が維持されるこ
とから、本発明によれば非イオン界面活性剤の可溶化力
が増強されて、少量の可溶化剤の使用でも難溶性薬物を
水に安定に可溶化できることが認められる。これに対
し、特定のアミンオキシド類とHLB値が13以上であ
る非イオン界面活性剤とを併用しなかったり(比較例
1,2)、HLB値が13以上である非イオン界面活性
剤に代えてHLB値が13未満である非イオン界面活性
剤を使用したり(比較例3)、l−メントールを配合し
なかった場合(比較例4)、いずれも40℃、1ヶ月の
保存試験によって濁りや沈殿を生じることから充分な可
溶化効果が得られないことが認められる。
【0033】以下、更に実施例を示し、本発明をより具
体的に説明する。
【0034】 [実施例3]ジェル剤 組成(g/100g) スプロフェン 0.1 ラウリルジメチルアミンオキシド 1.0 ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル [ニッコールBL−25(HLB=19.5)] 1.5 l−メントール 1.0 エタノール 40.0 ヒドロキシエチルセルロース 1.5 精製水 残 量 上記成分のうち、ヒドロキシエチルセルロース以外の成
分を順次エタノールに溶解させた後、精製水で希釈し、
最後にヒドロキシエチルセルロースを添加してゲル化さ
せて、実施例3の皮膚外用剤組成物として透明ジェル剤
を得た。本製剤について、40℃、1ヶ月の保存試験を
行った結果、その外観安定性に問題はないことが認めら
れた。本製剤は、湿疹ケア剤として使用されるものであ
る。
【0035】 [実施例4]ローション剤 組成(g/100g) インドメタシン 0.1 グリチルリチン酸ジカリウム 0.5 ラウリルジメチルアミンオキシド 1.0 ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 [ニッコールHCO−60(HLB=14.0)] 1.0 l−メントール 3.0 エタノール 35.0 塩化ベンザルコニウム液(10%) 0.5 酢酸 0.15 トリエタノールアミン 0.1 精製水 残 量 上記成分を順次エタノールに溶解させた後、精製水で希
釈して、実施例4の皮膚外用剤組成物として透明ローシ
ョン剤を得た。本製剤について、40℃、1ヶ月の保存
試験を行った結果、その外観安定性に問題はないことが
認められた。本製剤は、外用消炎剤として使用されるも
のである。
【0036】 [実施例5]ローション剤 組成(g/100g) ケトプロフェン 0.1 ラウリルジメチルアミドプロピルアミンオキシド 1.0 ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル [ニッコールBO−20(HLB=18.0)] 2.0 塩化ベンザルコニウム液(10%) 1.0 l−メントール 2.0 エタノール 40.0 1,3−ブチレングリコール 8.0 メチルパラベン 0.1 精製水 残 量 上記成分を順次エタノールに溶解させた後、精製水で希
釈して、実施例5の外用剤組成物として透明ローション
剤を得た。本製剤について、40℃、1ヶ月の保存試験
を行った結果、その外観安定性に問題はないことが認め
られた。本製剤は、外用消炎剤として使用されるもので
ある。
【0037】 [実施例6]ジェル剤 組成(g/100g) ブフェキサマク 0.1 ラウリルジメチルアミンオキシド 1.0 モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO) [ニッコールMSY−25(HLB=15.0)] 2.0 l−メントール 2.0 エタノール 35.0 1,3−ブチレングリコール 5.0 濃グリセリン 5.0 メチルパラベン 0.2 カルボキシビニルポリマー (カーボポール940) 0.8 トリエタノールアミン 0.1 精製水 残 量 上記成分のうち、カルボキシビニルポリマー、トリエタ
ノールアミン以外の成分を順次エタノールに溶解させた
後、精製水で希釈し、次いでトリエタノールアミンによ
りpHを7.0に調整し、最後にカルボキシビニルポリ
マーを添加してゲル化させて、実施例6の皮膚外用剤組
成物として透明ジェル剤を得た。本製剤について、40
℃、1ヶ月の保存試験を行った結果、その外観安定性に
問題はないことが認められた。本製剤は、湿疹薬として
使用されるものである。
【0038】
【発明の効果】本発明の難溶性薬物の可溶化方法は、難
溶性薬物に対して特定の化学構造を有するアミンオキシ
ド類と特定のHLB値を有する非イオン界面活性剤とを
併用し、更にl−メントール及びエタノールを配合する
ことにより、非イオン界面活性剤の可溶化力が増強され
て、少量の可溶化剤及び溶解助剤で難溶性薬物を安定に
可溶化することができる。従って、本発明の皮膚外用剤
組成物によれば、上記難溶性薬物と共に、上記各成分が
配合されているので、製剤中の難溶性薬物が安定に可溶
化されて、長期にわたって外観の透明性を維持すること
ができ、各種皮膚科疾患用の治療薬として優れた薬効を
示すのみならず、安全性、使用性にも優れる皮膚外用剤
組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 玲子 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 服部 学 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 木村 玲子 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA09 AA12 BB31 CC01 CC03 CC05 DD37E DD48 DD48E DD52E EE23E FF15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難溶性薬物を水に可溶化する方法であっ
    て、難溶性薬物に下記一般式(1)、(2)、(3)及
    び(4)で示されるアミンオキシド類から選ばれる1種
    又は2種以上、HLB値が13以上である非イオン界面
    活性剤から選ばれる1種又は2種以上、l−メントール
    及びエタノールを共存させることを特徴とする難溶性薬
    物の可溶化方法。 【化1】 (但し、上記式中R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐
    のアルキル基、R2はメチル基又はエチル基を示し、m
    は1〜5の整数であり、nは2又は3である。)
  2. 【請求項2】 難溶性薬物を含有すると共に、上記一般
    式(1)〜(4)で示されるアミンオキシド類から選ば
    れる1種又は2種以上、HLB値が13以上である非イ
    オン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上、l−メ
    ントール及びエタノールを配合してなることを特徴とす
    る皮膚外用剤組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126423A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Mitsubishi Chemicals Corp エマルション並びにそれを用いた目的物質粒子の製造方法及び医薬品
JP2009096793A (ja) * 2007-06-01 2009-05-07 Rohto Pharmaceut Co Ltd プラノプロフェン含有水性医薬組成物
JP2011184412A (ja) * 2010-03-11 2011-09-22 Nippon Menaade Keshohin Kk 乳化組成物およびこれを含有する皮膚外用剤
JP2013063961A (ja) * 2011-08-26 2013-04-11 Lion Corp 外用消炎鎮痛剤製品
JP2017533921A (ja) * 2014-11-10 2017-11-16 アケリオス セラピューティクス,インコーポレーテッド 噴霧可能な鎮痛剤組成物

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