JP2000007578A - C型肝炎ウイルスの陰性化のための投薬システム - Google Patents
C型肝炎ウイルスの陰性化のための投薬システムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 C型慢性肝炎に対する有効な治療剤を提供す
ること、ならびに当該治療剤を用いるC型慢性肝炎の治
療を行うための投薬システムの提供。 【解決手段】 インターフェロン(IFN)の1日有効
投与量を1日1回あるいは複数回に分割して投与するC
型肝炎ウイルス(HCV)−RNA陰性化を行うための
治療剤であり、また、当該治療剤を投与する投薬システ
ム、その投薬システムによるHCV−RNAの陰性化方
法、ならびにC型慢性肝炎の治療方法である。そのIF
Nとしては、IFN−αまたはIFN−βである。
ること、ならびに当該治療剤を用いるC型慢性肝炎の治
療を行うための投薬システムの提供。 【解決手段】 インターフェロン(IFN)の1日有効
投与量を1日1回あるいは複数回に分割して投与するC
型肝炎ウイルス(HCV)−RNA陰性化を行うための
治療剤であり、また、当該治療剤を投与する投薬システ
ム、その投薬システムによるHCV−RNAの陰性化方
法、ならびにC型慢性肝炎の治療方法である。そのIF
Nとしては、IFN−αまたはIFN−βである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、C型慢性肝炎の原
因ウイルスであるC型肝炎ウイルス(HCV)−RNA
を陰性化させることからなるC型慢性肝炎の治療剤に係
わり、詳細には、C型慢性肝炎に対する有効なインター
フェロン(IFN)療法のために使用する治療剤、なら
びにそのための投薬システム(投薬ユニット)、当該投
与システムによるHCV−RNAの陰性化方法、さらに
はHCV−RNAの陰性化に基づくC型慢性肝炎の治療
方法に関する。
因ウイルスであるC型肝炎ウイルス(HCV)−RNA
を陰性化させることからなるC型慢性肝炎の治療剤に係
わり、詳細には、C型慢性肝炎に対する有効なインター
フェロン(IFN)療法のために使用する治療剤、なら
びにそのための投薬システム(投薬ユニット)、当該投
与システムによるHCV−RNAの陰性化方法、さらに
はHCV−RNAの陰性化に基づくC型慢性肝炎の治療
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】肝臓の炎症として把握される肝炎は、一
般にウイルス感染に起因することが多く、A型肝炎ウイ
ルス(HAV)によるA型肝炎、B型肝炎ウイルス(H
BV)によるB型肝炎は古くから知られていた。しかし
ながら、明らかにウイルス性でありながら、A型でもB
型でもないと判定される非A非B型肝炎が問題視される
ようになり、その後、この非A非B型肝炎の主たる原因
ウイルスとしてC型肝炎ウイルス(HCV)の存在が明
らかにされたことより、HCVを原因とするC型慢性肝
炎が急速に注目を浴びてきている。
般にウイルス感染に起因することが多く、A型肝炎ウイ
ルス(HAV)によるA型肝炎、B型肝炎ウイルス(H
BV)によるB型肝炎は古くから知られていた。しかし
ながら、明らかにウイルス性でありながら、A型でもB
型でもないと判定される非A非B型肝炎が問題視される
ようになり、その後、この非A非B型肝炎の主たる原因
ウイルスとしてC型肝炎ウイルス(HCV)の存在が明
らかにされたことより、HCVを原因とするC型慢性肝
炎が急速に注目を浴びてきている。
【0003】HCVによるC型肝炎の特徴は、急性肝炎
からの慢性化率が他の型の肝炎に比較して高いものであ
る。このC型慢性肝炎を放置しておくと、肝硬変、さら
には肝癌への進行をきたす危険性が高く、したがって早
期にHCVに対する有効な治療を行わなければならない
ものである。
からの慢性化率が他の型の肝炎に比較して高いものであ
る。このC型慢性肝炎を放置しておくと、肝硬変、さら
には肝癌への進行をきたす危険性が高く、したがって早
期にHCVに対する有効な治療を行わなければならない
ものである。
【0004】このC型慢性肝炎に対する効果的な治療剤
として、抗ウイルス薬である各種のIFNが登場してい
る。すなわち、IFNは、細胞内RNAaseを活性化
させることにより、RNAウイルスや、RNAに逆転写
することによって複製されるDNAウイルスの増殖を抑
制することが知られている。C型肝炎の原因ウイルスで
あるHCVもRNAウイルスであることより、上記のI
FNのウイルス増殖抑制作用を根拠に、種々のIFNが
C型肝炎の治療に使用されてきている。
として、抗ウイルス薬である各種のIFNが登場してい
る。すなわち、IFNは、細胞内RNAaseを活性化
させることにより、RNAウイルスや、RNAに逆転写
することによって複製されるDNAウイルスの増殖を抑
制することが知られている。C型肝炎の原因ウイルスで
あるHCVもRNAウイルスであることより、上記のI
FNのウイルス増殖抑制作用を根拠に、種々のIFNが
C型肝炎の治療に使用されてきている。
【0005】これまでにC型肝炎の治療として使用され
ているIFNは、IFN−αとして天然型IFN−α、
遺伝子組換え型IFN−α2a、IFN−α2bがあ
り、さらに天然型IFN−β等がある。これらのIFN
は、特にC型慢性肝炎のウイルス血症の改善に有効なも
のであるとされている。
ているIFNは、IFN−αとして天然型IFN−α、
遺伝子組換え型IFN−α2a、IFN−α2bがあ
り、さらに天然型IFN−β等がある。これらのIFN
は、特にC型慢性肝炎のウイルス血症の改善に有効なも
のであるとされている。
【0006】しかしながら、IFNの種類によってはそ
の臨床的な効果にかなりの差異があることも判明してい
る。特に、複数のタイプのIFNが登場しているIFN
−αの使い分けは、極めて重要なものでもあるにもかか
わらず、これまであまり明確化されていない。またIF
N−αとIFN−βとの間の臨床的な反応性およびウイ
ルス学的治療効果に差異があるのも事実である。
の臨床的な効果にかなりの差異があることも判明してい
る。特に、複数のタイプのIFNが登場しているIFN
−αの使い分けは、極めて重要なものでもあるにもかか
わらず、これまであまり明確化されていない。またIF
N−αとIFN−βとの間の臨床的な反応性およびウイ
ルス学的治療効果に差異があるのも事実である。
【0007】ところでIFNによる治療効果には、用量
依存性が認められており、高用量のIFNを用いるほど
抗ウイルス効果が高いとされている。したがって、C型
慢性肝炎の治療に適用されているIFN−αでは、1回
投与量として300万単位〜1000万単位が認可され
ているが、副作用に注意しながらも、上限の1000万
単位を用いる場合が多い。また、IFN−βにあって
も、1回投与量として300万単位〜600万単位が認
可されているが、この場合にあっても上限の600万単
位を用いる場合が多い。これは、IFNの抗ウイルス作
用により早期の段階で効果的にHCVを陰性化させ、ウ
イルスを排除してしまおうとする考え方による。
依存性が認められており、高用量のIFNを用いるほど
抗ウイルス効果が高いとされている。したがって、C型
慢性肝炎の治療に適用されているIFN−αでは、1回
投与量として300万単位〜1000万単位が認可され
ているが、副作用に注意しながらも、上限の1000万
単位を用いる場合が多い。また、IFN−βにあって
も、1回投与量として300万単位〜600万単位が認
可されているが、この場合にあっても上限の600万単
位を用いる場合が多い。これは、IFNの抗ウイルス作
用により早期の段階で効果的にHCVを陰性化させ、ウ
イルスを排除してしまおうとする考え方による。
【0008】しかしながら、IFN−αによる治療は、
筋肉内投与(筋注)によらざるを得ず、血中IFNの持
続性(濃度のピーク時間、半減期等)が長く、患者に対
する負担(食欲不振、全身倦怠感、うつ症状等)が大き
く、時には投与を中止せざるを得ない症例もいくつか存
在する。
筋肉内投与(筋注)によらざるを得ず、血中IFNの持
続性(濃度のピーク時間、半減期等)が長く、患者に対
する負担(食欲不振、全身倦怠感、うつ症状等)が大き
く、時には投与を中止せざるを得ない症例もいくつか存
在する。
【0009】これに対して、IFN−βは静脈内投与
(静注あるいは点滴静注)されるものであり、血中での
IFNの持続性はIFN−αに比較して短く、したがっ
て、患者に対する負担はかなり少なく、副作用も軽度の
ものである。例えば、IFN−βを投与した患者をみて
みると、投与開始後に、軽い発熱や頭痛が認められるも
のの、短期間のうちに軽減している。
(静注あるいは点滴静注)されるものであり、血中での
IFNの持続性はIFN−αに比較して短く、したがっ
て、患者に対する負担はかなり少なく、副作用も軽度の
ものである。例えば、IFN−βを投与した患者をみて
みると、投与開始後に、軽い発熱や頭痛が認められるも
のの、短期間のうちに軽減している。
【0010】この両者の差異は、IFN−αとIFN−
βの血中濃度の持続性の差であることより、その投与経
路に起因しているものといえる。しかしながら、もとも
とIFNの抗ウイルス効果の発現は、IFNの直接作用
というよりは、IFNが細胞表面上のIFN−レセプタ
ーに結合して、細胞内に2’−5’−オリゴアデニレー
ト(2,5−AS)、プロテインキナーゼまたは2’−
ホスホジエステラーゼ等の抗ウイルス蛋白を誘導するこ
とによりウイルスの増殖を抑制することからみれば、レ
セプターと十分に結合し得る濃度でIFNを投与して、
種々のシグナルを作動させた後は、レセプターのdow
n regulationを防ぐために、IFN濃度は
速やかに低下したほうがむしろ好ましいものといえる。
βの血中濃度の持続性の差であることより、その投与経
路に起因しているものといえる。しかしながら、もとも
とIFNの抗ウイルス効果の発現は、IFNの直接作用
というよりは、IFNが細胞表面上のIFN−レセプタ
ーに結合して、細胞内に2’−5’−オリゴアデニレー
ト(2,5−AS)、プロテインキナーゼまたは2’−
ホスホジエステラーゼ等の抗ウイルス蛋白を誘導するこ
とによりウイルスの増殖を抑制することからみれば、レ
セプターと十分に結合し得る濃度でIFNを投与して、
種々のシグナルを作動させた後は、レセプターのdow
n regulationを防ぐために、IFN濃度は
速やかに低下したほうがむしろ好ましいものといえる。
【0011】その点から判断すれば、筋肉内投与では、
血中濃度が長く保たれるため、レセプターのup re
gulationが起こりにくく、さらには患者の負担
が強く、副作用の頻度も高いものと考えられる。
血中濃度が長く保たれるため、レセプターのup re
gulationが起こりにくく、さらには患者の負担
が強く、副作用の頻度も高いものと考えられる。
【0012】以上のように、これまでに各種IFN製剤
が、C型慢性肝炎の治療のために使用されてはいるが、
IFNの抗ウイルス作用の作用機序を効果的に発揮さ
せ、かつ患者の負担を軽減させた治療法はいまだ明確に
確立されていないのが現状である。
が、C型慢性肝炎の治療のために使用されてはいるが、
IFNの抗ウイルス作用の作用機序を効果的に発揮さ
せ、かつ患者の負担を軽減させた治療法はいまだ明確に
確立されていないのが現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑み、IFNによるより効果的なC型慢性肝炎の治療
手段を提供することを基本的課題とする。
に鑑み、IFNによるより効果的なC型慢性肝炎の治療
手段を提供することを基本的課題とする。
【0014】かかる課題を解決するために、本発明者等
はIFNによるC型慢性肝炎の治療に際して、以下の点
に着目した。
はIFNによるC型慢性肝炎の治療に際して、以下の点
に着目した。
【0015】先ず第一点として、IFNの抗ウイルス作
用が感染細胞表面上のレセプターを介し、特に2,5−
AS等の抗ウイルス蛋白を誘導するものである特性に着
目した。かかる場合にあっては、IFNのレセプターの
down regulationを防ぐためにも、投与
後におけるIFN濃度は速やかに低下したほうがむしろ
好ましく、そのため、IFNの本来の投与経路として
は、静脈内投与によることが好ましいといえる。
用が感染細胞表面上のレセプターを介し、特に2,5−
AS等の抗ウイルス蛋白を誘導するものである特性に着
目した。かかる場合にあっては、IFNのレセプターの
down regulationを防ぐためにも、投与
後におけるIFN濃度は速やかに低下したほうがむしろ
好ましく、そのため、IFNの本来の投与経路として
は、静脈内投与によることが好ましいといえる。
【0016】第二点として、IFNを投与した場合のC
型慢性肝炎の治療効果としては、肝機能検査値であるG
PTの正常化(トランスアミナーゼ降下作用による)の
有無が一つの指標として採用されているが、このGPT
の正常化とHCVに対するウイルス学的治癒率との間に
は明確な関連性は認められていない現状に着目した。例
えば、C型慢性肝炎に対するIFNの種類別有効性の比
較を、全国治験成績からみると、各種のIFNの投与終
了後おけるGPTの正常化率は約52〜67%と比較的
高いものではあるが、この場合におけるウイルス学的治
癒率は平均20〜40%と低いものである。
型慢性肝炎の治療効果としては、肝機能検査値であるG
PTの正常化(トランスアミナーゼ降下作用による)の
有無が一つの指標として採用されているが、このGPT
の正常化とHCVに対するウイルス学的治癒率との間に
は明確な関連性は認められていない現状に着目した。例
えば、C型慢性肝炎に対するIFNの種類別有効性の比
較を、全国治験成績からみると、各種のIFNの投与終
了後おけるGPTの正常化率は約52〜67%と比較的
高いものではあるが、この場合におけるウイルス学的治
癒率は平均20〜40%と低いものである。
【0017】もともとC型肝炎がHCVによるウイルス
感染であることから判断すれば、IFNの抗ウイルス効
果はGPTの推移を指標とするのではなく、IFN投与
早期のHCV−RNA陰性化をもって抗ウイルス効果の
指標とすべきものといえる。
感染であることから判断すれば、IFNの抗ウイルス効
果はGPTの推移を指標とするのではなく、IFN投与
早期のHCV−RNA陰性化をもって抗ウイルス効果の
指標とすべきものといえる。
【0018】第三点として、C型慢性肝炎は肝臓におけ
る炎症ではあるが、その主たる原因はC型肝炎ウイルス
によるものである。したがって、C型肝炎それ自体は、
もともとウイルス感染症として認識すべきであり、その
ための治療は、一般の細菌感染症あるいはウイルス感染
症に対する治療と同様なものと考えるべきである。
る炎症ではあるが、その主たる原因はC型肝炎ウイルス
によるものである。したがって、C型肝炎それ自体は、
もともとウイルス感染症として認識すべきであり、その
ための治療は、一般の細菌感染症あるいはウイルス感染
症に対する治療と同様なものと考えるべきである。
【0019】すなわち、通常の感染症における治療の基
本は、抗生物質等の抗菌剤を投与して、感染部位組織に
薬剤を高濃度で移行させ細菌排除を行うが、C型肝炎も
感染症である以上、このような一般的感染症に対する治
療と同様に、HCV感染した標的臓器、すなわち肝臓組
織に抗ウイルス剤であるIFNを良好に移行させること
が基本的な治療方法となること。
本は、抗生物質等の抗菌剤を投与して、感染部位組織に
薬剤を高濃度で移行させ細菌排除を行うが、C型肝炎も
感染症である以上、このような一般的感染症に対する治
療と同様に、HCV感染した標的臓器、すなわち肝臓組
織に抗ウイルス剤であるIFNを良好に移行させること
が基本的な治療方法となること。
【0020】ところで、村らにより、雄性ラットについ
てIFN−α(FPI−31)を筋肉内投与した場合
と、静脈内投与した場合の差異を比較するために、血中
および主要組織におけるIFN濃度を経時的に測定して
いる検討がなされている。その結果、肝臓組織における
IFN濃度は、静脈内投与した場合には認められるが、
筋肉内投与の場合には検出限界以下であったことが報告
されている(薬理と治療、21:185−200,19
93)。
てIFN−α(FPI−31)を筋肉内投与した場合
と、静脈内投与した場合の差異を比較するために、血中
および主要組織におけるIFN濃度を経時的に測定して
いる検討がなされている。その結果、肝臓組織における
IFN濃度は、静脈内投与した場合には認められるが、
筋肉内投与の場合には検出限界以下であったことが報告
されている(薬理と治療、21:185−200,19
93)。
【0021】このことは、IFNを筋肉内投与する場合
には、明らかにウイルス感染組織である肝臓へのIFN
の移行は不十分なものであり、それを補うために必然的
に高用量のIFNを投与せざるを得ず、ますます患者の
負担が増大するとともに、副作用発現も多くなる危険性
がある。
には、明らかにウイルス感染組織である肝臓へのIFN
の移行は不十分なものであり、それを補うために必然的
に高用量のIFNを投与せざるを得ず、ますます患者の
負担が増大するとともに、副作用発現も多くなる危険性
がある。
【0022】したがって、C型肝炎をウイルス感染症と
してとらえた場合には、ウイルス感染した標的臓器であ
る肝臓にIFNを良好に移行させる必要があり、そのた
めには、静脈投与可能なIFNを選択したほうが好まし
いものといえる。この場合、現在のところ静脈内投与が
可能なIFNは、IFN−βのみであるが、IFN−β
に限らず、静脈内投与が可能であればIFN−α等であ
ってもかまわないものといえる。
してとらえた場合には、ウイルス感染した標的臓器であ
る肝臓にIFNを良好に移行させる必要があり、そのた
めには、静脈投与可能なIFNを選択したほうが好まし
いものといえる。この場合、現在のところ静脈内投与が
可能なIFNは、IFN−βのみであるが、IFN−β
に限らず、静脈内投与が可能であればIFN−α等であ
ってもかまわないものといえる。
【0023】これらの観点に基づき、C型慢性肝炎の治
療に対する第一選択薬を考えると、IFNのなかでもI
FN−βが最も好ましいものとなる。すなわち、IFN
−βは唯一静脈内投与可能なIFNであり、加えて、I
FN−βを投与した場合における患者の負担は他のIF
Nに比較してかなり少ないものだからである。
療に対する第一選択薬を考えると、IFNのなかでもI
FN−βが最も好ましいものとなる。すなわち、IFN
−βは唯一静脈内投与可能なIFNであり、加えて、I
FN−βを投与した場合における患者の負担は他のIF
Nに比較してかなり少ないものだからである。
【0024】以上より本発明者等は、C型慢性肝炎に対
しては、各種IFNのなかでもIFN−βを使用するこ
とがより効果的な治療方法になると判断した。その上
で、このIFN−βの投与にあたっては、C型肝炎が感
染症であるとの認識で、感染症に対する投与方法と同様
の工夫を加えれば、従来以上のさらに効果的な治療結果
が得られるのではないかと考えた。
しては、各種IFNのなかでもIFN−βを使用するこ
とがより効果的な治療方法になると判断した。その上
で、このIFN−βの投与にあたっては、C型肝炎が感
染症であるとの認識で、感染症に対する投与方法と同様
の工夫を加えれば、従来以上のさらに効果的な治療結果
が得られるのではないかと考えた。
【0025】これまでのIFN−βを用いたC型慢性肝
炎に対する治療では、その1日有効投与量(特に、最大
有効投与量)を1日1回投与する6週間連日静注が一般
的に行われてきており、1日複数回の分割投与という概
念は存在しなかった。しかしながら、IFN−βの静注
による肝臓組織への移行性が高いことと、血中半減期の
短いことを考え合わせると、なにも1日有効投与量を1
回で静脈内投与する必要はないといえる。特にIFN−
βの薬物動態を考慮すれば、1日有効量を1日複数回の
分割投与をすることが可能であり、むしろかかる分割投
与のほうが感染症に対する治療方法として、理にかなっ
たものではないかと判断した。
炎に対する治療では、その1日有効投与量(特に、最大
有効投与量)を1日1回投与する6週間連日静注が一般
的に行われてきており、1日複数回の分割投与という概
念は存在しなかった。しかしながら、IFN−βの静注
による肝臓組織への移行性が高いことと、血中半減期の
短いことを考え合わせると、なにも1日有効投与量を1
回で静脈内投与する必要はないといえる。特にIFN−
βの薬物動態を考慮すれば、1日有効量を1日複数回の
分割投与をすることが可能であり、むしろかかる分割投
与のほうが感染症に対する治療方法として、理にかなっ
たものではないかと判断した。
【0026】そこで、IFN−βの1日有効投与量を複
数回、例えば2〜3回に分けて、この1日複数回にわた
る分割投与行ったところ、2,5−ASである抗ウイル
ス蛋白が効率的に誘導され、それによりIFN−βの抗
ウイルス効果が持続され、比較的早期にHCV−RNA
の陰性化が確認された。ウイルス学的治癒率であるHC
V−RNAの陰性化は、従来の1日1回の投与方法から
予想し得ないほど高いものであり、本発明はかかる全く
新たな知見に基づき完成されたものである。
数回、例えば2〜3回に分けて、この1日複数回にわた
る分割投与行ったところ、2,5−ASである抗ウイル
ス蛋白が効率的に誘導され、それによりIFN−βの抗
ウイルス効果が持続され、比較的早期にHCV−RNA
の陰性化が確認された。ウイルス学的治癒率であるHC
V−RNAの陰性化は、従来の1日1回の投与方法から
予想し得ないほど高いものであり、本発明はかかる全く
新たな知見に基づき完成されたものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、その
第一の態様として、IFNを1日複数回、例えば1日2
ないし4回に分けて分割投与可能とし、その総投与量が
IFNの1日有効投与量となるようにしたことを特徴と
するC型慢性肝炎治療剤を提供する。
第一の態様として、IFNを1日複数回、例えば1日2
ないし4回に分けて分割投与可能とし、その総投与量が
IFNの1日有効投与量となるようにしたことを特徴と
するC型慢性肝炎治療剤を提供する。
【0028】さらに本発明は、その第二の態様として、
上記する治療剤を用いたC型慢性肝炎の治療として、I
FNの1日有効投与量を1日複数回に分け分割投与する
HCV−RNAの陰性化を行うための投薬システム(投
薬ユニット)を提供する。
上記する治療剤を用いたC型慢性肝炎の治療として、I
FNの1日有効投与量を1日複数回に分け分割投与する
HCV−RNAの陰性化を行うための投薬システム(投
薬ユニット)を提供する。
【0029】また本発明は、さらに別の態様として、前
記した投薬システムに基づく治療剤を用いたIFNの投
与によりHCV−RNAの効果的な陰性化法を提供す
る。
記した投薬システムに基づく治療剤を用いたIFNの投
与によりHCV−RNAの効果的な陰性化法を提供す
る。
【0030】本発明が提供する、この複数回投与による
HCV−RNAの陰性化、ならびにそれに使用する治療
剤にあっては、IFN−αでもIFN−βでも可能なも
のであるが、なかでもIFN−βによるものが好まし
く、本発明は特に、IFN−βの1日有効投与量を1日
複数回に分け分割投与するHCV−RNAの陰性化を行
うための投薬システム、当該投薬システムに使用する治
療剤を提供する。
HCV−RNAの陰性化、ならびにそれに使用する治療
剤にあっては、IFN−αでもIFN−βでも可能なも
のであるが、なかでもIFN−βによるものが好まし
く、本発明は特に、IFN−βの1日有効投与量を1日
複数回に分け分割投与するHCV−RNAの陰性化を行
うための投薬システム、当該投薬システムに使用する治
療剤を提供する。
【0031】本発明が提供する、IFNの1日有効投与
量の1日複数回による治療剤、ならびに該治療剤を用い
た投与システムにおける具体的投与回数は、特に限定さ
れるものではない。当該投与システムにより目的とする
HVC−RNAの陰性化が確保される回数であればよ
く、使用するIFNの種類、対象患者の状態によって適
宜選択される。IFN−βを使用する場合には1日2〜
4回程度の分割投与が好ましく、なかでも特に1日2回
の分割投与が好ましい。
量の1日複数回による治療剤、ならびに該治療剤を用い
た投与システムにおける具体的投与回数は、特に限定さ
れるものではない。当該投与システムにより目的とする
HVC−RNAの陰性化が確保される回数であればよ
く、使用するIFNの種類、対象患者の状態によって適
宜選択される。IFN−βを使用する場合には1日2〜
4回程度の分割投与が好ましく、なかでも特に1日2回
の分割投与が好ましい。
【0032】また、IFNの1日有効投与量も特に限定
はされない。通常C型慢性肝炎の治療に際して使用され
ている1日有効投与量、例えば、IFN−αであれば3
00万単位〜1000万単位、IFN−βであれば30
0万単位〜600万単位の範囲内で適宜選択することが
できる。
はされない。通常C型慢性肝炎の治療に際して使用され
ている1日有効投与量、例えば、IFN−αであれば3
00万単位〜1000万単位、IFN−βであれば30
0万単位〜600万単位の範囲内で適宜選択することが
できる。
【0033】さらにまた、従来からのIFN投与による
C型慢性肝炎の治療には6ヶ月までの投与が認可されて
おり、この投与によっても効果が認められない場合には
投与中止等の手段が採用されている。
C型慢性肝炎の治療には6ヶ月までの投与が認可されて
おり、この投与によっても効果が認められない場合には
投与中止等の手段が採用されている。
【0034】本発明の治療剤を用いた投与システムによ
り、比較的早期にHCV−RNAの陰性化が認められる
ものであるが、要はHVC−RNAの陰性化が得られる
期間本発明の投薬システムによる治療剤を投与すればよ
く、好ましくは1〜4週にわたり連日行うのがよい。
り、比較的早期にHCV−RNAの陰性化が認められる
ものであるが、要はHVC−RNAの陰性化が得られる
期間本発明の投薬システムによる治療剤を投与すればよ
く、好ましくは1〜4週にわたり連日行うのがよい。
【0035】したがって、本発明の好ましい具体的投与
システムとしては、IFN−βの1日有効投与量(30
0万単位〜600万単位)を1日2または3回に分け分
割投与し、該1日の分割投与を1〜6週間にわたり行う
HCV−RNAの陰性化を行うための投薬システムであ
る。
システムとしては、IFN−βの1日有効投与量(30
0万単位〜600万単位)を1日2または3回に分け分
割投与し、該1日の分割投与を1〜6週間にわたり行う
HCV−RNAの陰性化を行うための投薬システムであ
る。
【0036】本発明の上記した特異的投与システムによ
り、C型肝炎の原因ウイルスであるHCV−RNAは、
早期に陰性化される。
り、C型肝炎の原因ウイルスであるHCV−RNAは、
早期に陰性化される。
【0037】したがって、本発明は、さらに別の態様と
して、上記の投薬システムにより、HCV−RNAを陰
性化させ、それによりC型慢性肝炎を治療する方法をも
提供するものである。より具体的には、IFN−βの1
日有効投与量を1日複数回、好ましくは1日2または3
回に分け分割投与し、該1日複数回の分割投与を1〜6
週間にわたり行う投薬システムによりHCV−RNAの
陰性化を行いC型慢性肝炎を治療する方法を提供する。
して、上記の投薬システムにより、HCV−RNAを陰
性化させ、それによりC型慢性肝炎を治療する方法をも
提供するものである。より具体的には、IFN−βの1
日有効投与量を1日複数回、好ましくは1日2または3
回に分け分割投与し、該1日複数回の分割投与を1〜6
週間にわたり行う投薬システムによりHCV−RNAの
陰性化を行いC型慢性肝炎を治療する方法を提供する。
【0038】本発明が提供する治療剤によるIFNの特
異的投薬システムは、これまで何ら検討されていなかっ
た投薬方法である。かかる1日複数回の分割投与によ
り、HCV感染細胞内において抗ウイルス蛋白である
2,5−ASが効率よく誘導されて、HCV−RNAを
早期に陰性化する。また、それに合わせて肝機能値であ
るトランスアミナーゼ値、例えばGPT値も効率よく正
常化される。したがって、本発明はまた別の観点からみ
れば、IFNの特異的投与システムによる2,5−AS
の効率的な誘導方法をも提供するものでもある。
異的投薬システムは、これまで何ら検討されていなかっ
た投薬方法である。かかる1日複数回の分割投与によ
り、HCV感染細胞内において抗ウイルス蛋白である
2,5−ASが効率よく誘導されて、HCV−RNAを
早期に陰性化する。また、それに合わせて肝機能値であ
るトランスアミナーゼ値、例えばGPT値も効率よく正
常化される。したがって、本発明はまた別の観点からみ
れば、IFNの特異的投与システムによる2,5−AS
の効率的な誘導方法をも提供するものでもある。
【0039】これまでIFNの1日1回の投与によるC
型慢性肝炎の治療では、そのウイルス学的治癒率が平均
20数%前後でしかなかった点を考えると、本発明の治
療剤による投薬システムは、特に優れたものであり、C
型慢性肝炎の治療に一つの新しい指針を与える画期的な
ものであるといえる。
型慢性肝炎の治療では、そのウイルス学的治癒率が平均
20数%前後でしかなかった点を考えると、本発明の治
療剤による投薬システムは、特に優れたものであり、C
型慢性肝炎の治療に一つの新しい指針を与える画期的な
ものであるといえる。
【0040】以上のように、本発明の治療剤を用いたI
FNの特異的投与システムにより誘導される一群の蛋白
質、例えば2,5−ASの効率的な誘導方法をも提供す
るものでもあるが、かかる2,5−ASの誘導は、本発
明が提供するIFN−βの1日複数回の分割投与システ
ムによるHCV−RNAの陰性化に有効なものであるこ
とが確認された。
FNの特異的投与システムにより誘導される一群の蛋白
質、例えば2,5−ASの効率的な誘導方法をも提供す
るものでもあるが、かかる2,5−ASの誘導は、本発
明が提供するIFN−βの1日複数回の分割投与システ
ムによるHCV−RNAの陰性化に有効なものであるこ
とが確認された。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のC型慢性肝炎に
対するIFNの特異的治療剤、および当該治療剤を用い
た投薬システムの実際と、それによるHCV−RNAの
陰性化について、IFNとしてIFN−βを用いた投与
システム例を具体的に明らかにすることにより実施例に
代える。
対するIFNの特異的治療剤、および当該治療剤を用い
た投薬システムの実際と、それによるHCV−RNAの
陰性化について、IFNとしてIFN−βを用いた投与
システム例を具体的に明らかにすることにより実施例に
代える。
【0042】なお、他のIFNの場合にあっても基本的
投与システムは以下に説明するIFN−βの場合と何ら
変わるものではない点に注意すべきである。
投与システムは以下に説明するIFN−βの場合と何ら
変わるものではない点に注意すべきである。
【0043】今日、世界的に認可されているIFN−β
の1日有効投与量は、300万単位〜600万単位であ
る。したがって、C型肝炎が、HCVによる感染症であ
ると考えれば、早期に感染組織におけるHCV感染を陰
性化させればよいことより、本発明の1日有効投与量と
しては、より効果的な投与量である1日最大有効投与量
の600万単位を用いるのが好ましく、かかる投与量を
1日複数回に分け分割投与するのがよい。
の1日有効投与量は、300万単位〜600万単位であ
る。したがって、C型肝炎が、HCVによる感染症であ
ると考えれば、早期に感染組織におけるHCV感染を陰
性化させればよいことより、本発明の1日有効投与量と
しては、より効果的な投与量である1日最大有効投与量
の600万単位を用いるのが好ましく、かかる投与量を
1日複数回に分け分割投与するのがよい。
【0044】しかしながら、対象患者のウイルス量の測
定であるHCV−RNA半定量法による−ないし5+の
6段階評価により、1日有効投与量である300万単位
〜600万単位の範囲内で適宜投与量を選択し得ること
はいうまでもない。
定であるHCV−RNA半定量法による−ないし5+の
6段階評価により、1日有効投与量である300万単位
〜600万単位の範囲内で適宜投与量を選択し得ること
はいうまでもない。
【0045】一例として具体的には、IFN−βの1日
最大有効量である600万単位を2回に分け、この各3
00万単位を5%ブドウ糖液100mlに溶解し、朝夕
(例えば、9:00および19:00)の1日2回(計
600万単位/日)を、例えば20〜30分間かけて点
滴静注を行うのがよい。かかる投与を行った結果、従来
に比し投与早期にHCV−RNAが陰性化し、特に分岐
DNAプローブ法(bDNA−第一化学薬品)での値が
1.0Meq/ml以下の症例では、投与開始後1週時
でも高いHCV−RNA陰性化が得られる場合が多いこ
とが判明し、2週後には完全にHCV−RNAが陰性化
した。
最大有効量である600万単位を2回に分け、この各3
00万単位を5%ブドウ糖液100mlに溶解し、朝夕
(例えば、9:00および19:00)の1日2回(計
600万単位/日)を、例えば20〜30分間かけて点
滴静注を行うのがよい。かかる投与を行った結果、従来
に比し投与早期にHCV−RNAが陰性化し、特に分岐
DNAプローブ法(bDNA−第一化学薬品)での値が
1.0Meq/ml以下の症例では、投与開始後1週時
でも高いHCV−RNA陰性化が得られる場合が多いこ
とが判明し、2週後には完全にHCV−RNAが陰性化
した。
【0046】この実施例においてはIFN−βの分割投
与を、朝の9:00および夕方の19:00としたが、
この間隔は、IFN−βの薬物動態を考慮して、分割投
与量と、投与回数により適宜決定されることはいうまで
もない。
与を、朝の9:00および夕方の19:00としたが、
この間隔は、IFN−βの薬物動態を考慮して、分割投
与量と、投与回数により適宜決定されることはいうまで
もない。
【0047】なお本実施例では、HCVウイルス量の測
定には、上記のbDNAプローブ法以外に、neste
dRT−PCR法を用いたHCV−RNA半定量法(シ
オノギ)ならびにPCR法を用いたHCV−RNA定量
法(Amplicor HCVモニター法:定性、定
量:ロッシュ)等を併用して用いた。
定には、上記のbDNAプローブ法以外に、neste
dRT−PCR法を用いたHCV−RNA半定量法(シ
オノギ)ならびにPCR法を用いたHCV−RNA定量
法(Amplicor HCVモニター法:定性、定
量:ロッシュ)等を併用して用いた。
【0048】以上のように、bDNAが1.0Meq/
ml以下の症例では、ほぼ完全にHCV−RNAの陰性
化が得られたが、高ウイルス量のいわゆる難治性の症例
(bDNAが1.0Meq/ml以上で、かつgeno
type1b型)についても、本発明が提供するIFN
−βの1日複数回の分割投与システムによるHCV−R
NAの陰性化は有効なものであることが確認された。す
なわち、1日2回の分割投与により、難治性症例に対し
ては、投与開始後2週時でのHCV−RNAの陰性化
は、治験対象とした全19症例中15症例に認められ、
その陰性化率は78.9%(15/19)と良好な抗ウ
イルス効果が認められた。その結果をまとめれば、以下
の表1のようになる。
ml以下の症例では、ほぼ完全にHCV−RNAの陰性
化が得られたが、高ウイルス量のいわゆる難治性の症例
(bDNAが1.0Meq/ml以上で、かつgeno
type1b型)についても、本発明が提供するIFN
−βの1日複数回の分割投与システムによるHCV−R
NAの陰性化は有効なものであることが確認された。す
なわち、1日2回の分割投与により、難治性症例に対し
ては、投与開始後2週時でのHCV−RNAの陰性化
は、治験対象とした全19症例中15症例に認められ、
その陰性化率は78.9%(15/19)と良好な抗ウ
イルス効果が認められた。その結果をまとめれば、以下
の表1のようになる。
【0049】
【表1】表1:抗ウイルス量(b DNA 1.0Meq/ml)、1b
型における本発明の投与システムによる投与開始後早期
のHCV−RNA陰性化率
型における本発明の投与システムによる投与開始後早期
のHCV−RNA陰性化率
【0050】本発明が提供する、上記の具体的IFN−
βの1日複数回、例えば1日2回の分割投与システムに
基づく、C型肝炎の特異的な治療効果を確認するため
に、HCV−RNAの陰性化とともに血小板数、GPT
および2’−5’−オリゴアデニレート(2,5−A
S)の経時的推移を合わせて検討した。
βの1日複数回、例えば1日2回の分割投与システムに
基づく、C型肝炎の特異的な治療効果を確認するため
に、HCV−RNAの陰性化とともに血小板数、GPT
および2’−5’−オリゴアデニレート(2,5−A
S)の経時的推移を合わせて検討した。
【0051】その結果、血小板数の推移は、投与開始後
1週時にある程度血小板数が下がった後、2週時にやや
もちこたえようとするかにみえたものの、3週時、4週
時と血小板数の下げが止まらなくなってくる傾向が観察
された。しかしながら、この状態は、本発明による1日
2回の分割投与に代え、その後は1日有効投与量の1日
1回投与を連日行うことにより血小板数の回復が得られ
ることが判明した。
1週時にある程度血小板数が下がった後、2週時にやや
もちこたえようとするかにみえたものの、3週時、4週
時と血小板数の下げが止まらなくなってくる傾向が観察
された。しかしながら、この状態は、本発明による1日
2回の分割投与に代え、その後は1日有効投与量の1日
1回投与を連日行うことにより血小板数の回復が得られ
ることが判明した。
【0052】また、GPTの推移は、投与開始後2週
時、3週時と上昇するものの、4週時には下降現象を示
した。この2週時ないし3週時におけるGPTの上昇傾
向は、早期にHCV−RNAが陰性化することに合わ
せ、肝組織内におけるIFN−βの抗ウイルス効果の発
現を示しているものと考えられる。
時、3週時と上昇するものの、4週時には下降現象を示
した。この2週時ないし3週時におけるGPTの上昇傾
向は、早期にHCV−RNAが陰性化することに合わ
せ、肝組織内におけるIFN−βの抗ウイルス効果の発
現を示しているものと考えられる。
【0053】事実、2,5−ASの誘導の推移をみる
と、2,5−ASはIFN−β投与開始後から効率的に
誘導されており、その後も比較的高力価で持続している
ことが判明した。その結果をまとめれば、以下の表2の
ようになる。
と、2,5−ASはIFN−β投与開始後から効率的に
誘導されており、その後も比較的高力価で持続している
ことが判明した。その結果をまとめれば、以下の表2の
ようになる。
【0054】
【表2】単位:pmpl/dl
【0055】本発明が提供するIFNの1日複数回の分
割投与システムとして、上記の場合にはIFN−βの投
与量を1回300万単位として1日2回(1日量として
600万単位)用いているが、この投与量の場合には投
与開始後2週間程度で有効なHCV−RNAの陰性化が
確認される。
割投与システムとして、上記の場合にはIFN−βの投
与量を1回300万単位として1日2回(1日量として
600万単位)用いているが、この投与量の場合には投
与開始後2週間程度で有効なHCV−RNAの陰性化が
確認される。
【0056】もっとも、蛋白尿強陽性や血小板減少をき
たし、1回300万単位/1日2回の投与が継続できな
い場合には、適宜投与量を減量した分割投与、例えば、
1回200万単位として1日複数回、例えば1日2回の
分割投与を行うことが好ましい。
たし、1回300万単位/1日2回の投与が継続できな
い場合には、適宜投与量を減量した分割投与、例えば、
1回200万単位として1日複数回、例えば1日2回の
分割投与を行うことが好ましい。
【0057】以上から判断すると、本発明が提供する治
療剤を用いた投与システムによるC型慢性肝炎の治療
は、血小板数減少、その他の尿蛋白の発現等を考慮する
と、HCV−RNAの陰性化を測定しつつ、平均的には
1日〜6週間、好ましくは2〜6週間にわたる投与がよ
い。なお、免疫応答の疲労からみれば、本発明の分割投
与システムに基づく治療は、4〜6週間が最適であり、
かかる本発明の分割投与システムにより、HCV−RN
Aが4+までのC型慢性肝炎は、ほぼ完全にHCV−R
NAの陰性化が得られるものである。
療剤を用いた投与システムによるC型慢性肝炎の治療
は、血小板数減少、その他の尿蛋白の発現等を考慮する
と、HCV−RNAの陰性化を測定しつつ、平均的には
1日〜6週間、好ましくは2〜6週間にわたる投与がよ
い。なお、免疫応答の疲労からみれば、本発明の分割投
与システムに基づく治療は、4〜6週間が最適であり、
かかる本発明の分割投与システムにより、HCV−RN
Aが4+までのC型慢性肝炎は、ほぼ完全にHCV−R
NAの陰性化が得られるものである。
【0058】一方、HCV−RNAが5+の難治例(b
DNAが1.0Meq/ml以上で、かつgenoty
pe1b型)についても、上記したIFNの1日有効量
を1日複数回に分け分割投与するシステムを採用し、1
〜6週間にわたる投与を行うことにより、効果的にHC
V−RNAの陰性化が得られる。かかる投与を実施した
後、さらに抗ウイルス効果を持続する場合には、その後
IFNの1日有効投与量の1日1回投与を行い、この投
与サイクルを適宜繰り返すことにより、難治例に対して
も良好なウイルス学的治癒が得られることが判明した。
DNAが1.0Meq/ml以上で、かつgenoty
pe1b型)についても、上記したIFNの1日有効量
を1日複数回に分け分割投与するシステムを採用し、1
〜6週間にわたる投与を行うことにより、効果的にHC
V−RNAの陰性化が得られる。かかる投与を実施した
後、さらに抗ウイルス効果を持続する場合には、その後
IFNの1日有効投与量の1日1回投与を行い、この投
与サイクルを適宜繰り返すことにより、難治例に対して
も良好なウイルス学的治癒が得られることが判明した。
【0059】したがって、本発明はまた別の態様とし
て、上記したIFNの1日有効投与量を1日複数回に分
け分割投与する投薬システムを行い、さらに継続してI
FNの1日有効投与量の1日1回投与を行うHCV−R
NAの陰性化を行うための投薬システムを提供するもの
でもある。
て、上記したIFNの1日有効投与量を1日複数回に分
け分割投与する投薬システムを行い、さらに継続してI
FNの1日有効投与量の1日1回投与を行うHCV−R
NAの陰性化を行うための投薬システムを提供するもの
でもある。
【0060】この1日複数回の投薬システムに継続して
実施されるIFNの1日有効量の1日1回の投与は、1
日〜6週間、好ましくは2〜6週間程度にわたる連日投
与であり、そこで使用されるIFNとしては、IFN−
αであってもIFN−βであってもよい。
実施されるIFNの1日有効量の1日1回の投与は、1
日〜6週間、好ましくは2〜6週間程度にわたる連日投
与であり、そこで使用されるIFNとしては、IFN−
αであってもIFN−βであってもよい。
【0061】しかしながら、最初に行う1日複数回の分
割投与にIFN−βが好ましく使用される点を考える
と、これに継続して実施される1日1回の投与でもIF
N−βを使用するのが好ましいものといえる。
割投与にIFN−βが好ましく使用される点を考える
と、これに継続して実施される1日1回の投与でもIF
N−βを使用するのが好ましいものといえる。
【0062】かかる投与システムによる難治性C型慢性
肝炎の治療の実際を、別な実施例として以下の具体的治
験例にて説明する。
肝炎の治療の実際を、別な実施例として以下の具体的治
験例にて説明する。
【0063】C型慢性肝炎として、HCV−RNAが5
+の(bDNAが7.0Meq/mlで、かつgeno
type1b型)、CRT−PCR法が108copi
es/ml、Ampricor HCVモニター法62
0Kcopies/mlの患者(男性、52歳)に対し
て、IFN−βの1日有効量である600万単位を2回
に分け、この各300万単位を5%ブドウ糖液100m
lに溶解し、朝夕(9:00および19:00)の1日
2回(計600万単位/日)各20〜30分間かけて点
滴静注を連日にわたり、4週間継続して行った。
+の(bDNAが7.0Meq/mlで、かつgeno
type1b型)、CRT−PCR法が108copi
es/ml、Ampricor HCVモニター法62
0Kcopies/mlの患者(男性、52歳)に対し
て、IFN−βの1日有効量である600万単位を2回
に分け、この各300万単位を5%ブドウ糖液100m
lに溶解し、朝夕(9:00および19:00)の1日
2回(計600万単位/日)各20〜30分間かけて点
滴静注を連日にわたり、4週間継続して行った。
【0064】IFN−βの投与開始後2週時において、
HCV−RNAの陰性化が確認された。一方、GPT値
は、投与開始時(320IU/L)より下降したが、2
週時より徐々に上昇傾向を示し、血小板数の下降(投与
開始時:12.5×104/mm3;4週時:3.0×1
04/mm3)が観察された。
HCV−RNAの陰性化が確認された。一方、GPT値
は、投与開始時(320IU/L)より下降したが、2
週時より徐々に上昇傾向を示し、血小板数の下降(投与
開始時:12.5×104/mm3;4週時:3.0×1
04/mm3)が観察された。
【0065】4週間にわたる1日2回の分割投与後に、
IFN−βの1日有効投与量である600万単位を5%
ブドウ糖液100mlに溶解し、朝(9:00)の1回
20〜30分間かけて点滴静注を連日にわたり行い、2
週間継続した。
IFN−βの1日有効投与量である600万単位を5%
ブドウ糖液100mlに溶解し、朝(9:00)の1回
20〜30分間かけて点滴静注を連日にわたり行い、2
週間継続した。
【0066】この1日1回の投与の継続により、上昇傾
向を示したGPT値が下降し始め、合わせて血小板数の
下げが止まり、上昇傾向を示し始めた。なお、この投与
期間においても、HCV−RNAは陰性化を保ってい
た。
向を示したGPT値が下降し始め、合わせて血小板数の
下げが止まり、上昇傾向を示し始めた。なお、この投与
期間においても、HCV−RNAは陰性化を保ってい
た。
【0067】さらに引き続いて、上記と同様のIFN−
βの1日2回の分割投与を1週間実施し、その後1日1
回の投与を5週間実施した(IFN−βの総投与量:5
04MIU)。
βの1日2回の分割投与を1週間実施し、その後1日1
回の投与を5週間実施した(IFN−βの総投与量:5
04MIU)。
【0068】その結果、IFN−βの全投与終了後にお
いて、HDV−RNAの陰性化は持続しており、GPT
値は正常値範囲(43IU/L以下)であり、血小板数
の回復(投与終了時:12.5×104 /mm3 )も認
められ、その後6か月間にわたる診断の結果、何らC型
肝炎の再発を認めず、完治を確認した。
いて、HDV−RNAの陰性化は持続しており、GPT
値は正常値範囲(43IU/L以下)であり、血小板数
の回復(投与終了時:12.5×104 /mm3 )も認
められ、その後6か月間にわたる診断の結果、何らC型
肝炎の再発を認めず、完治を確認した。
【0069】以上の実施例の結果からみれば、より具体
的な本発明の別の態様としては、IFN−βの1日有効
投与量を1日複数回、好ましくは2回に分け分割投与
し、該1日複数回の分割投与を1日〜6週間にわたり連
日行った後、さらに継続してIFN−βの1日有効投与
量の1日1回投与を1日〜4週間にわたり連日行い、こ
の1日複数回の分割投与および1日1回の投与サイクル
を必要により適宜繰り返す投薬システムを提供するもの
である。さらに、本発明は、該投薬システムによるHC
V−RNAの陰性化方法、ならびにHCV−RNAの陰
性化を行うC型慢性肝炎の治療方法をも提供するもので
ある。
的な本発明の別の態様としては、IFN−βの1日有効
投与量を1日複数回、好ましくは2回に分け分割投与
し、該1日複数回の分割投与を1日〜6週間にわたり連
日行った後、さらに継続してIFN−βの1日有効投与
量の1日1回投与を1日〜4週間にわたり連日行い、こ
の1日複数回の分割投与および1日1回の投与サイクル
を必要により適宜繰り返す投薬システムを提供するもの
である。さらに、本発明は、該投薬システムによるHC
V−RNAの陰性化方法、ならびにHCV−RNAの陰
性化を行うC型慢性肝炎の治療方法をも提供するもので
ある。
【0070】なお、この場合の1日複数回の分割投与、
および1日1回の投与の投与サイクルの繰り返しは、患
者に対する負担を考慮すれば、総投与期間として12週
間内におさめることが好ましく、したがってIFNの総
投与量も、HCV−RNAの陰性化であるウイルス学的
治癒を勘案して適宜決定するのがよい。
および1日1回の投与の投与サイクルの繰り返しは、患
者に対する負担を考慮すれば、総投与期間として12週
間内におさめることが好ましく、したがってIFNの総
投与量も、HCV−RNAの陰性化であるウイルス学的
治癒を勘案して適宜決定するのがよい。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明はC型慢性肝炎の
IFNによる治療剤ならびに該治療剤を用いる特異的な
投与システム(投与ユニット)を提供するものである。
かかる投与システムにより感染細胞内において2,5−
AS等の抗ウイルス蛋白が効率よく誘導され、これによ
りHCV−RNAが早期に陰性化され、結果的にC型慢
性肝炎が治療される。
IFNによる治療剤ならびに該治療剤を用いる特異的な
投与システム(投与ユニット)を提供するものである。
かかる投与システムにより感染細胞内において2,5−
AS等の抗ウイルス蛋白が効率よく誘導され、これによ
りHCV−RNAが早期に陰性化され、結果的にC型慢
性肝炎が治療される。
【0072】これまでIFNの投与によるC型慢性肝炎
の治療では、20%程度の有効率しかなく、IFN療法
における限界があった点を考慮すると、本発明の治療剤
は、特に優れたものであり、IFNによるC型慢性肝炎
の治療に一つの新しい指針を与えるものであり、医療上
の貢献度は多大なものであるといえる。
の治療では、20%程度の有効率しかなく、IFN療法
における限界があった点を考慮すると、本発明の治療剤
は、特に優れたものであり、IFNによるC型慢性肝炎
の治療に一つの新しい指針を与えるものであり、医療上
の貢献度は多大なものであるといえる。
【0073】本発明が提供する、特異的治療剤、ならび
に該治療剤を用いた投与システムによるHCV−RNA
の陰性化は、必然的にC型慢性肝炎の有効な治療となる
が、驚くべきことに、この投与システムによるIFN、
特にIFN−βの投与は、肝癌あるいは肝癌に近似する
症例、さらには肝硬変に対しても有効なものであること
が判明した。
に該治療剤を用いた投与システムによるHCV−RNA
の陰性化は、必然的にC型慢性肝炎の有効な治療となる
が、驚くべきことに、この投与システムによるIFN、
特にIFN−βの投与は、肝癌あるいは肝癌に近似する
症例、さらには肝硬変に対しても有効なものであること
が判明した。
【0074】C型慢性肝炎を放置しておくと、肝硬変〜
肝癌への移行率がかなり高いが、この場合の肝硬変への
移行あるいは肝癌への移行はHCVによるものである。
その点からみれば、すでに肝硬変の状態であっても、H
CV−RNAの陰性化を図ることは有効的な治療方法で
ある。さらに、肝癌の場合には癌組織の摘出手術にが行
われているが、術後の肝癌の再発率はかなり高いもので
ある。これは、癌組織の摘出後の正常非癌組織にあって
も、癌化へ移行するHCVによる感染がすでに生じてお
り、このHCVを陰性化させなければ、結果的に癌の再
発を抑えることができないことによる。
肝癌への移行率がかなり高いが、この場合の肝硬変への
移行あるいは肝癌への移行はHCVによるものである。
その点からみれば、すでに肝硬変の状態であっても、H
CV−RNAの陰性化を図ることは有効的な治療方法で
ある。さらに、肝癌の場合には癌組織の摘出手術にが行
われているが、術後の肝癌の再発率はかなり高いもので
ある。これは、癌組織の摘出後の正常非癌組織にあって
も、癌化へ移行するHCVによる感染がすでに生じてお
り、このHCVを陰性化させなければ、結果的に癌の再
発を抑えることができないことによる。
【0075】本発明のIFNの特異的投与システムは、
早期にHCV−RNAの陰性化が図れる点を考慮すれ
ば、この肝硬変あるいは肝癌への治療、特に肝癌の手術
後におけるHCV−RNAの陰性化に特に有効なもので
ある。
早期にHCV−RNAの陰性化が図れる点を考慮すれ
ば、この肝硬変あるいは肝癌への治療、特に肝癌の手術
後におけるHCV−RNAの陰性化に特に有効なもので
ある。
Claims (14)
- 【請求項1】 インターフェロン(IFN)を1日複数
回に分けて分割投与可能とし、その総投与量がIFNの
1日有効投与量となるようにしたことを特徴とするC型
慢性肝炎治療剤。 - 【請求項2】 1日2ないし4回に分けIFNの1日有
効投与量を分割投与する請求項1に記載の治療剤。 - 【請求項3】 1ないし6週間にわたり連日投与される
請求項1または2に記載の治療剤。 - 【請求項4】 IFNがIFN−αまたはIFN−βで
ある請求項1ないし3のいずれか1項に記載の治療剤。 - 【請求項5】 IFNの1日有効投与量を1日1回ある
いは複数回に分割して投与するHCV−RNA陰性化を
行うための投薬システム。 - 【請求項6】 1日1回あるいは複数回の分割投与を1
日から複数日にわたり行う請求項5に記載の投薬システ
ム。 - 【請求項7】 1日複数回の分割投与が、1日2または
3回の投与である請求項5または6に記載の投薬システ
ム。 - 【請求項8】 IFNの1日有効投与量を1日複数回に
分け分割投与し、その後、さらに継続してIFNの1日
有効投与量を1日1回投与により行うHCV−RNAの
陰性化を行うための請求項5ないし8項のいずれか1項
に記載の投薬システム。 - 【請求項9】 IFNの1日有効投与量を1日2または
3回に分割して1日〜6週間にわたり投与を行った後、
さらに継続してIFNの1日有効投与量の1日1回投与
を1日〜6週間にわたり行うHCV−RNAの陰性化を
行うための請求項5ないし8のいずれか1項に記載の投
薬システム。 - 【請求項10】 IFNの1日複数回の分割投与、およ
び1日1回の投与を適宜繰り返す請求項5ないし9のい
ずれか1項に記載の投薬システム。 - 【請求項11】 IFNがIFN−αまたはIFN−β
である請求項5ないし10のいずれか1項に記載の投薬
システム。 - 【請求項12】 請求項5ないし11のいずれか1項に
記載の投薬システムによるHCV−RNAの陰性化方
法。 - 【請求項13】 請求項5ないし11に記載の投薬シス
テムに使用する請求項1ないし4のいずれか1項に記載
の治療剤。 - 【請求項14】 請求項5ないし11のいずれか1項に
記載の投薬システムによるHCV−RNAの陰性化を行
うC型慢性肝炎の治療方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10176852A JP2000007578A (ja) | 1998-06-24 | 1998-06-24 | C型肝炎ウイルスの陰性化のための投薬システム |
US09/950,774 US20020022015A1 (en) | 1998-06-24 | 2001-09-13 | Administration system for seronegative of hepatitis C virus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10176852A JP2000007578A (ja) | 1998-06-24 | 1998-06-24 | C型肝炎ウイルスの陰性化のための投薬システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000007578A true JP2000007578A (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=16020967
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10176852A Pending JP2000007578A (ja) | 1998-06-24 | 1998-06-24 | C型肝炎ウイルスの陰性化のための投薬システム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20020022015A1 (ja) |
JP (1) | JP2000007578A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001080877A1 (fr) * | 2000-04-20 | 2001-11-01 | Toray Industries, Inc. | Mesures preventives contre une reinfection apres une transplantation hepatique |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW200633718A (en) * | 2004-12-16 | 2006-10-01 | Applied Research Systems | Treatment of hepatitis c in the asian population |
AR088463A1 (es) | 2011-10-21 | 2014-06-11 | Abbvie Inc | Metodos para el tratamiento de hcv |
ES2527544T1 (es) | 2011-10-21 | 2015-01-26 | Abbvie Inc. | Tratamiento mono (PSI-7977) o de combinación con AAD para su uso en el tratamiento del VHC |
US8492386B2 (en) | 2011-10-21 | 2013-07-23 | Abbvie Inc. | Methods for treating HCV |
US8466159B2 (en) | 2011-10-21 | 2013-06-18 | Abbvie Inc. | Methods for treating HCV |
WO2017189978A1 (en) | 2016-04-28 | 2017-11-02 | Emory University | Alkyne containing nucleotide and nucleoside therapeutic compositions and uses related thereto |
-
1998
- 1998-06-24 JP JP10176852A patent/JP2000007578A/ja active Pending
-
2001
- 2001-09-13 US US09/950,774 patent/US20020022015A1/en not_active Abandoned
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001080877A1 (fr) * | 2000-04-20 | 2001-11-01 | Toray Industries, Inc. | Mesures preventives contre une reinfection apres une transplantation hepatique |
JP5500751B2 (ja) * | 2000-04-20 | 2014-05-21 | 東レ株式会社 | 肝移植後の再感染防御剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20020022015A1 (en) | 2002-02-21 |
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