JP2000006649A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000006649A JP17351298A JP17351298A JP2000006649A JP 2000006649 A JP2000006649 A JP 2000006649A JP 17351298 A JP17351298 A JP 17351298A JP 17351298 A JP17351298 A JP 17351298A JP 2000006649 A JP2000006649 A JP 2000006649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前席側空調ユニットと後席側空調ユニットと
を備える車両用空調装置において、前席側および後席側
双方の暖房時空調フィーリングを向上する。 【解決手段】 前席側空調ユニットおよび後席側空調ユ
ニットのヒータコア28、47にそれぞれ、補助暖房熱
源として3本の電気発熱体68a〜68c、69a〜6
9cを備え、車室内の前席側の目標吹出空気温度と後席
側の目標吹出空気温度の差(暖房負荷の差)を制御装置
75で判定し、前席側電気発熱体68a〜68cの通電
本数、および後席側電気発熱体69a〜69cの通電本
数を車室内前後の暖房負荷の差に応じて切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は前席側空調ユニット
と後席側空調ユニットとを備える車両用空調装置におい
て、前後の空調ユニットにそれぞれ、温水等を熱源とす
る暖房用熱交換器の他に、補助暖房熱源として複数本の
電気発熱体を備え、この電気発熱体の通電本数を自動制
御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両エンジンの高効率化に伴い、
エンジン暖機後においても車両エンジンの冷却水(温
水)温度が従前に比して低めの温度となる傾向にある。
そのため、エンジン冷却水からの廃熱を利用して車室内
の暖房を行う温水式空調装置においては、暖房能力不足
が課題になっている。
【0003】そこで、特開平9−20129号公報等に
見られるごとく、温水式の暖房用熱交換器に電気発熱体
を組み合せ、温水温度が低いときには電気発熱体に通電
して、電気発熱体の発熱により暖房空気を加熱すること
により、暖房能力の不足を解消するものが提案されてい
る。ところで、1ボックス車やミニバン車のように、前
後方向に長い車室空間を有する車両では、前席側、後席
側にそれぞれ空調ユニットを配置して、車室内の前後両
側で乗員の欲する温熱感が得られるようにして、空調フ
ィーリングの向上を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、前席側、
後席側にそれぞれ空調ユニットを配置する車両におい
て、暖房能力向上のために、前席側空調ユニットのみに
大容量の電気発熱体を配置すると、後席側空調ユニット
のフット吹出空気温度が前席側空調ユニットのフット吹
出空気温度より大幅に低くなってしまうので、車室内前
後の室温差が拡大する。従って、暖房時に後席側の快適
性が損なわれる。
【0005】これに加え、後席側では室温の上昇がゆる
やかであるので、暖房開始後、前席側に比べて風量レベ
ルの最大状態が長期間継続されるので、送風騒音が耳障
りであり、静粛性も損なわれる。本発明は上記点に鑑み
てなされたもので、前席側空調ユニットと後席側空調ユ
ニットとを備える車両用空調装置において、前席側およ
び後席側双方の暖房時空調フィーリングを向上すること
を目的とする。
【0006】また、本発明では、前後の空調ユニットに
それぞれ、補助暖房熱源として複数本の電気発熱体を配
備するに際して、前後の空調ユニットの電気発熱体によ
る消費電力の抑制を図ることを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、前席側空調ユニット(2
0)および後席側空調ユニット(40)にそれぞれ備え
られ、補助暖房熱源として作用する複数本の電気発熱体
(68a〜68c、69a〜69c)と、車室内の前席
側の暖房負荷と後席側の暖房負荷の差を判定する判定手
段(S220)と、前席側空調ユニット(20)内の電
気発熱体(68a〜68c)の通電本数、および後席側
空調ユニット(40)内の電気発熱体(69a〜69
c)の通電本数を暖房負荷の差に応じて切り替える発熱
体制御手段(S300)とを備えることを特徴としてい
る。
【0008】これによると、車室内の前後の暖房負荷の
差に応じて、前後の空調ユニット(20、40)内の電
気発熱体の通電本数を決定するから、車室の前後の領域
を同時に暖房する場合に、前後の電気発熱体による補助
暖房能力を暖房負荷に対応して適切に制御できる。従っ
て、車室の前後の領域を両方とも電気発熱体を用いて、
均一な温熱感でもって良好に暖房できる。
【0009】また、前後の電気発熱体による補助暖房能
力を暖房負荷に対応して制御するから、前後の空調ユニ
ット(20、40)の風量レベルを暖房負荷に対応して
制御する場合に、前後の空調ユニット(20、40)の
風量レベルが同様の変化となる。従って、車室前後の片
側のユニットのみで、風量レベルの最大状態が長期間継
続されて静粛性が損なわれるといった不具合も発生しな
い。
【0010】上記した暖房負荷の差は具体的には、請求
項2に記載のごとく前席側の目標吹出空気温度(TAO
(Fr))と前記後席側の目標吹出空気温度(TAO(Rr))
との差(ΔTAO)に基づいて行うことができる。ま
た、請求項3に記載のごとく車室内の前席側の室温(T
r(Fr))と車室内の後席側の室温(Tr(Rr))との差
(ΔTr)に基づいて、暖房負荷の差を判定してもよ
い。
【0011】請求項4記載の発明では、上記した両空調
ユニット(20、40)内の電気発熱体(68a〜68
c、69a〜69c)の合計設置本数Nに対して、両空
調ユニット(20、40)内の電気発熱体の合計通電本
数nがn=1/2Nの関係となるように、両空調ユニッ
ト(20、40)内の電気発熱体の通電本数を段階的に
切り替えることを特徴としている。
【0012】これによると、両空調ユニット(20、4
0)内の電気発熱体の合計通電本数nが常に電気発熱体
合計設置本数Nの1/2となり、電気発熱体全体の消費
電力の最大値を片側の空調ユニット内の電気発熱体の最
大値以内に抑えることができ、車載バッテリの過放電防
止に有利である。請求項5記載の発明では、前席側空調
ユニット(20)および後席側空調ユニット(40)に
それぞれ設けられ、暖房用熱交換器(28、47)によ
る加熱量を調整して車室内への吹出空気温度を調整する
温度調整手段(27、49)と、前席側空調ユニット
(20)および後席側空調ユニット(40)のいずれか
一方のみが作動するときは、その一方の作動する側の空
調ユニットにおける温度調整手段(27、49)の作動
位置に応じて電気発熱体(68a〜68c、69a〜6
9c)の通電本数を決定する制御手段(S320、S3
30)とを備えることを特徴としている。
【0013】これによると、両空調ユニットの一方のみ
が作動するときにおいても、その一方の作動する側の空
調ユニットにおける温度調整手段(27、49)の作動
位置に応じて、電気発熱体の通電本数を適切に決定でき
る。請求項6記載の発明では、前席側空調ユニット(2
0)および後席側空調ユニット(40)にそれぞれ備え
られ、補助暖房熱源として作用する複数本の電気発熱体
(68a〜68c、69a〜69c)と、車室内の前席
側の暖房負荷を判定する前席側暖房負荷判定手段(S2
10)と、車室内の後席側の暖房負荷を判定する後席側
暖房負荷判定手段(S210)とを備え、前席側空調ユ
ニット(20)内の電気発熱体(68a〜68c)の通
電本数を前席側の暖房負荷に応じて決定するとともに、
後席側空調ユニット(40)内の電気発熱体(69a〜
69c)の通電本数を後席側の暖房負荷に応じて決定す
ることを特徴としている。
【0014】これによると、車室内の前後の暖房負荷に
応じて、前後の空調ユニット(20、40)内の電気発
熱体の通電本数を決定するから、車室の前後の領域を同
時に暖房する場合に、前後の電気発熱体による補助暖房
能力を請求項1と同様に暖房負荷に対応して適切に制御
できる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する
実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。 (第1実施形態)図1、図2は、ワンボックス型のRV
車10に、前席側空調ユニット20および後席側空調ユ
ニット40を配置した配置レイアウトを例示する。車両
10は車室11内の前後方向に3列の座席12を有して
おり、前後方向に長い車室空間を形成している。
【0016】前席側空調ユニット20は、車室内の最前
部の計器盤13の内側部に配設されて、車室内前席側の
領域を空調するものであって、図3に示すごとき構成に
なっている。図3において、前席側空調ユニット20
は、大別して、送風機部21と、熱交換器部22とから
構成されている。なお、送風機部21は計器盤13の内
側部の助手席前方側に配置され、熱交換器部22は計器
盤13の内側部で、車両左右方向の略中央位置に配置さ
れる。
【0017】送風機部21は内気と外気を切替導入する
内外気切替箱23と、遠心式の送風ファン24とを有
し、送風ファン24はモータ24aにより回転駆動され
る。熱交換器部22は空調空気を冷却する冷房用熱交換
器として冷凍サイクルの蒸発器25をケース26内に配
置している。ここで、冷凍サイクルは図示しない周知の
構成であり、車両エンジンにて駆動される圧縮機と、こ
の圧縮機からの吐出ガス冷媒を凝縮する凝縮器と、この
凝縮器で凝縮された冷媒を貯留して冷媒の気液を分離す
る受液器と、この受液器からの液冷媒を減圧する温度式
膨張弁(減圧手段)とを備えている。
【0018】そして、上記した冷凍サイクルには、後述
の図4に示す後席側空調ユニット40の蒸発器(冷房用
熱交換器)46が上記した前席側空調ユニット20の蒸
発器25と並列に接続されている。次に、熱交換器部2
2において、蒸発器25の空気下流側には、エアミック
スドア27およびヒータコア28が配置されている。こ
こで、ヒータコア28は車両エンジンからの温水(冷却
水)により空調空気を加熱する温水式の暖房用熱交換器
であって、このヒータコア28の側方には蒸発器25を
通過した冷風を流すバイパス路29が並列に形成されて
いる。
【0019】ヒータコア28の上流側の部位には平板状
のエアミックスドア(温度調整手段)27が回動可能に
配置され、このエアミックスドア27の回動位置(開
度)の選択により、ヒータコア28を通過して加熱され
る温風とバイパス路29を通過する冷風との風量割合を
調整して吹出空気温度を調整する。27´はエアミック
スドア27がバイパス路29を全閉し、ヒータコア28
への空気路を全開する最大暖房状態(エアミックスドア
27の開度SW=100%)を示している。ヒータコア
28の下流側には、この温風と冷風とを混合する冷温風
混合室30が配置されている。
【0020】そして、ケース26の下流端には、デフロ
スタ吹出開口部31、フェイス吹出開口部32およびフ
ット吹出開口部33が開口しており、これらの開口部3
1〜〜33は3つの吹出モードドア34〜36により切
替開閉される。また、各開口部31〜33を通過した空
調空気は、図示しないデフロスタ吹出口、フェイス吹出
口およびフット吹出口から、それぞれ車両窓ガラスの内
面、前席側乗員の頭部、足元部に向けて吹き出される。
【0021】次に、後席側空調ユニット40は図1、2
に示すように車室内の後席(2番目、3番目の座席1
2)側に配設されて、後席側の領域を空調するものであ
って、より具体的には、本例によると、後席側空調ユニ
ット40は車室内最後列の座席12の右側方部に配置さ
れている。後席側空調ユニット40の具体的構成は例え
ば、図4に示すごときものであり、後席側空調ユニット
40は、大別して、車両前方側に配置された送風機部4
1と、車両後方側に配置された熱交換器部42とから構
成されている。送風機部41は、車室11内の空気(内
気)のみを吸入して送風する遠心式の送風ファン43
と、スクロールケーシング44とを備えており、送風フ
ァン43はファン駆動用モータ43aにより回転駆動さ
れる。そして、ファン43が回転することにより、吸込
空気をスクロールケーシング44から熱交換器部42へ
向かって送風する。
【0022】送風機部41の空気流れ下流側には、上記
した熱交換器部42のケース45が連結されており、こ
の熱交換器部42のケース45内において下方側部位に
は前席側空調ユニット20の冷凍サイクルから分岐され
た冷媒を蒸発させる蒸発器(冷房用熱交換器)46を収
容している。この蒸発器46は略長方形の薄型形状であ
り、略水平方向に配置されて、その熱交換部を空気が下
方から上方へと通過する。
【0023】そして、蒸発器46の空気流れ下流側、す
なわち、蒸発器46の上方側にヒータコア47が配設さ
れている。このヒータコア47も、車両エンジンからの
温水により空気を加熱する温水式の暖房用熱交換器であ
って、蒸発器46の上方側において水平に配置してあ
る。このヒータコア47の熱交換部も、空気が下方から
上方へと通過するようになっている。なお、前後の両空
調ユニット20、40のヒータコア28、47は基本的
には同一構成であり、後述の図5により詳述する。
【0024】ヒータコア47の側方には、ヒータコア4
7をバイパスして冷風を流すためのバイパス路48が形
成してあり、ヒータコア47の下方部にはスライド式の
エアミックスドア(温度調整手段)49が配置してあ
る。このエアミックスドア49は平板状の形状であり、
そして、略水平方向Aにスライド可能に構成されてい
る。このエアミックスドア49が略水平方向Aへスライ
ドすることにより、ヒータコア47を通過して加熱され
る温風とバイパス路48を通過する冷風との風量割合を
調整して吹出空気温度を調整する。
【0025】ヒータコア47の上側には、後席側のフェ
イス吹出開口部50および後席側のフット吹出開口部5
1が開口している。フェイス吹出開口部50は図示しな
い後席側フェイスダクトを介して後席側の上方部に空気
を吹き出すものであり、また、フット吹出開口部51は
図示しない後席側フットダクトを介して後席側の乗員足
元部に空気を吹き出すものである。
【0026】上記両開口部50、51の下側部にはスラ
イド式の吹出モードドア52が配置してある。この吹出
モードドア52は略水平方向Bへスライドすることによ
り、両開口部50、51を切替開閉する。図5は、上述
した前後の空調ユニット20、40のヒータコア(車両
暖房用熱交換器)28、47の正面図であって、このヒ
ータコア28、47は、温水入口側タンク60と、温水
出口側タンク61と、この両タンク60、61の間に設
けられた熱交換用コア部62とを有している。
【0027】温水入口側タンク60には、後述の図7に
示す水冷式の車両エンジン70からの温水(エンジン冷
却水)が流入する入口パイプ63が設けられ、温水出口
側タンク61には温水を外部へ流出させ、エンジン70
側に還流させる出口パイプ64が設けられている。各タ
ンク60、61はそれぞれタンク本体部60a、61a
と、このタンク本体部60a、61aの開口端面を閉じ
るシートメタル60b、61bとからなる周知のタンク
構造である。そして、シートメタル60b、61bには
偏平状のチューブ挿入穴(図示せず)が多数個、図5の
左右方向に並んで形成されている。熱交換用コア部62
は暖房用空気の流れ方向(図5の紙面垂直方向)に対し
て平行な偏平状に形成された偏平チューブ65を多数個
図5の左右方向に並列配置している。この多数個の偏平
チューブ65内を温水は図5の下側から上側への一方向
に流れる。そして、この多数個の偏平チューブ65相互
の間に波形状に成形されたコルゲートフィン(フィン部
材)66を配置し接合している。
【0028】偏平チューブ65の両端開口部はシートメ
タル60b、61bのチューブ挿入穴内にそれぞれ挿通
され、接合される。また、コア部62の最外側(図5の
左右両端部)のコルゲートフィン66のさらに外側には
サイドプレート67、67が配設され、このサイドプレ
ート67、67は最外側のコルゲートフィン66および
タンク60、61に接合される。
【0029】さらに、熱交換用コア部62の一部の部位
に、偏平チューブ65の代わりに、3本の電気発熱体6
8a、68b、68c(69a、69b、69c)を設
置している。この電気発熱体は温水温度の低温時に補助
暖房熱源としての役割を果たすものであって、符号68
a、68b、68cは、前席側ヒータコア28の電気発
熱体を示し、符号69a、69b、69cは後席側ヒー
タコア47の電気発熱体を示している。
【0030】図5の例では、熱交換用コア部62の3箇
所に上記電気発熱体を等間隔で、左右対称位置に設置し
ている。上記電気発熱体68a〜68c(69a〜69
c)の具体的構成を図6により説明すると、熱交換用コ
ア部62のうち、電気発熱体68a〜68c(69a〜
69c)が設置される部位では、隣接するコルゲートフ
ィン66の折り曲げ頂部に金属製保持板100を接合す
る。この保持板100は、所定間隔を開けたU状形状に
折り曲げ成形され、そして、その閉塞端部がヒータコア
への空気送風方向Cの上流側に位置するように配置され
ている。
【0031】そして、この保持板100の2枚の平板部
101、102の所定間隔内に各電気発熱体68a〜6
8c(69a〜69c)を組み付ける構造となってい
る。なお、ヒータコア28、47の各部品および保持板
100はいずれもアルミニウムからなり、一体ろう付け
にて接合され、このろう付け後に各電気発熱体を上記金
属製保持板100内に組み付ける。
【0032】電気発熱体68a〜68c(69a〜69
c)は、板状の発熱体素子103と、この発熱体素子1
03の表裏両面に配置された細長の平板状の電極板10
4、105との3層サンドウイッチ構造を電気絶縁材1
06で被覆した構造になっており、この電極板104、
105を介して外部回路に発熱体素子103が電気的に
接続される。そして、発熱体素子103は所定の設定温
度(キューリ点)にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特
性を有する抵抗体材料(例えば、チタン酸バリウム)か
らなるPTCヒータ素子である。また、前後のヒータコ
ア28、47の合計6本の電気発熱体68a〜68c
(69a〜69c)は車載電源(図7に示すバッテリ7
9)に対して電気的に並列接続される。
【0033】図7は電気発熱体を一体化した温水式の両
ヒータコア28、47を含む車両温水回路および電気制
御部の概略ブロックを示している。水冷式の車両エンジ
ン70の温水回路71には車両エンジン70により回転
駆動される温水ポンプ72が配置されており、この温水
ポンプ72の作動により温水(エンジン冷却水)が温水
回路71を循環する。
【0034】温水回路71において、車両エンジン70
で加熱された温水は、前席側温水弁73を介して前席側
ヒータコア28に流入する。ここで、温水弁73は、サ
ーボモータ等の電気アクチュエータにより開閉制御され
る。また、温水回路71において、後席側温水弁74お
よび後席側ヒータコア47が前席側温水弁73および前
席側ヒータコア28と並列に設けられている。
【0035】次に、空調装置の電気制御系を説明する
と、空調用電子制御装置75はマイクロコンピュータ等
から構成されるものであり、予め設定されたプログラム
に基づいて所定の演算処理を行って電気発熱体68a〜
68c、69a〜69c等への通電を制御する。電子制
御装置75の出力信号はリレー76a〜76cおよびリ
レー77a〜77cに加えられ、このリレー76a〜7
6cおよびリレー77a〜77cによって各電気発熱体
68a〜68c、69a〜69cへの通電が独立に断続
されるようになっている。
【0036】また、電子制御装置75には車両エンジン
70の運転を断続するイグニッションスイッチ78を介
して車載バッテリ79から電源が供給される。一方、電
子制御装置75には次の各種センサ類および空調操作パ
ネルからの信号が入力される。すなわち、センサ類とし
ては、外気温Tamを検出する外気温センサ80、車室
内前席側の内気温Tr(Fr)を検出する前席側内気温セン
サ81、車室内後席側の内気温Tr(Rr)を検出する後席
側内気温センサ82、車室内へ入射される日射量Tsを
検出する日射センサ83、水冷式車両エンジン70の温
水温度を検出する水温センサ84、前席側蒸発器25の
冷却温度(具体的には、蒸発器吹出空気温度)Te(Fr)
を検出する前席側蒸発器温度センサ85、および後席側
蒸発器46の冷却温度(具体的には、蒸発器吹出空気温
度)Te(Rr)を検出する後席側蒸発器温度センサ86が
備えられている。なお、日射センサ83を前席側および
後席側で共通とせずに、それぞれ独立に設けてもよい。
【0037】前席側空調操作パネル87には手動操作式
の前席側温度設定器88が備えられ、また、後席側空調
操作パネル89には手動操作式の後席側温度設定器90
が備えられ、それぞれ、乗員により設定された前席側設
定温度Tset(Fr)および後席側設定温度Tset(Rr)
が電子制御装置75に入力される。なお、両操作パネル
87、89からは、設定温度の他に、周知のごとく内外
気導入の切替、風量切替、吹出モードの切替等の手動操
作信号が電子制御装置75に入力される。
【0038】電子制御装置75は、前述のリレー76a
〜77cの他に、前後のファン駆動用モータ24a、4
3a、前席側エアミックスドア27の駆動用アクチュエ
ータ27a、後席側エアミックスドア49の駆動用アク
チュエータ49a、前後の温水弁73、74の駆動用ア
クチュエータ等を制御する。次に、上記構成において作
動を説明する。電気発熱体68a〜68c、69a〜6
9cへの通電制御を説明する前に、まず、最初に、各機
能部品による空調作動の概要を説明する。車室内前後の
暖房を行うときには、前後の空調ユニット20、40の
送風ファン24、43を作動させるとともに、温水弁7
3、74を開弁させる。送風ファン24、43の作動に
よって、前後のヒータコア28、47の偏平チューブ6
5とコルゲートフィン66との間の空隙部を暖房用空気
が通過する。
【0039】一方、車両用エンジン70の温水ポンプ7
2の作動によりエンジン70からの温水が温水弁73、
74を介して前後のヒータコア28、47の入口パイプ
63より温水入口側タンク60内に流入する。そして、
温水は、入口側タンク60にて多数本の偏平チューブ6
5に分配され、この偏平チューブ65を並列に流れる間
にコルゲートフィン66を介して暖房用空気に放熱す
る。多数本の偏平チューブ65を通過した温水は温水出
口側タンク61に流入し、ここで集合され、出口パイプ
64から温水はヒータコア外部へ流出し、エンジン70
側に還流する。
【0040】一方、暖房時において、温水温度が低く
て、電気発熱体68a〜68c、69a〜69cの発熱
による補助熱源を必要とするときは、リレー76a〜7
7cのうち、発熱の必要な電気発熱体に対応するリレー
をオンして、その電気発熱体に車載バッテリ79の電圧
を印加する。これにより、リレーを介して発熱の必要な
電気発熱体が通電され発熱する。
【0041】電気発熱体の発熱は両側のコルゲートフィ
ン66に伝導されて、このコルゲートフィン66から暖
房用空気に放熱される。従って、温水の低温時でも暖房
空気を速やかに加熱して即効暖房を行うことができる。
ここで、電気発熱体68a〜68c、69a〜69cの
発熱体素子103は所定のキューリ点(例えば、150
°C)にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特性を有する
PTC素子であるから、周知のごとく、その発熱温度を
キューリ点に自己制御する自己温度制御機能を備えてい
る。
【0042】次に、本発明の特徴とする電気発熱体の通
電制御の具体例を図8のフローチャートに基づいて説明
する。図8の制御ルーチンは、車両エンジン70のイグ
ニッションスイッチ78が投入されるとスタートし、ス
テップS200にて各種センサ、スイッチ類からの信号
読み込みを行う。次のステップS210にて、車室内の
前席側領域およひ後席側領域を、それぞれ前席側設定温
度Tset(Fr)および後席側設定温度Tset(Rr)に維
持するために必要な前席側目標吹出空気温度TAO(F
r)、後席側目標吹出空気温度TAO(Rr)を算出する。こ
の前後の目標吹出空気温度TAO(Fr)、TAO(Rr)は、
予めROMに記憶されている下記数式1、2に基づいて
算出する。
【0043】
【数1】TAO(Fr)=Kset (Fr)×Tset (Fr)−Kr (F
r)×Tr (Fr)−Kam(Fr)×Tam−Ks (Fr)×Ts +C(F
r)−Tc(Fr)+fFr(ΔTset )−Kw ×Tw
【0044】
【数2】TAO(Rr)=Kset (Rr)×Tset (Rr)−Kr (R
r)×Tr (Rr)−Kam(Rr)×Tam−Ks (Rr)×Ts +C(R
r)−Tc(Rr)+fRr(ΔTset ) なお、上記数式1、2において、Frは前席側であること
を表し、Rrは後席側であることを表している。そして、
前述の図7と同一符号は同一内容を表している。また、
Tcは冷凍サイクルの圧縮機のオン時とオフ時の補正を
行うための補正係数であり、ΔTset は前席側設定温度
Tset(Fr)と後席側設定温度Tset(Rr)との温度差
である。さらに、Kset 、Kr 、Kam、Ks 、Kw はす
べてゲインで、Cは補正用の定数である。
【0045】次に、ステップS220に進み、上記した
前後の目標吹出空気温度TAO(Fr)、TAO(Rr)の温度
差ΔTAO(=TAO(Fr)−TAO(Rr))を算出する。
次に、ステップS230にて、上記した前後の目標吹出
空気温度TAO(Fr)、TAO(Rr)に基づいて、予めRO
Mに記憶されている下記数式3、4により前後のエアミ
ックスドア27、49の開度SW(Fr)、SW(Rr)を算出
する。
【0046】
【数3】SW(Fr)=〔(TAO(Fr)−Te(Fr) )/(T
w −Te(Fr) )〕×100
【0047】
【数4】SW(Rr)=〔(TAO(Rr)−Te(Rr) )/(T
w −Te(Rr) )〕×100 なお、上記数式3、4においても、前述の図7と同一符
号は同一内容を表している。次に、ステップS240に
進み、温水温度Tw の判定基準値f(Tw)=1かどうか判
定する。ここで、判定基準値f(Tw)は図9(a)に示す
ように、温水温度Tw が所定温度(図示の例では、ヒス
テリシス幅を持つ70°Cないしは80°C)以下のと
き1となり、所定温度を越えると0となる。この判定基
準値f(Tw)は、温水熱源のヒータコア28、47による
暖房能力が不足する温水低温域で1となり、ヒータコア
28、47による暖房能力が十分である温水高温域で0
となるように、上記所定温度を設定している。
【0048】従って、温水温度Tw が上記所定温度を越
える高い温度のときは、ステップS240の判定がNO
となり、ステップS200に戻る。これに対し、温水温
度Tw が上記所定温度以下であるときは、次のステップ
S250に進み、外気温Tamの判定基準値f(Tam) =1
かどうか判定する。この判定基準値f(Tam) は図9
(b)に示すように、外気温Tamが所定温度(図示の例
では、ヒステリシス幅を持つ10°Cないしは15°
C)以下のとき1となり、所定温度を越えると0とな
る。この判定基準値f(Tam) は、電気発熱体による補助
熱源を必要とする外気温低温域で1となり、電気発熱体
による補助熱源を必要としない外気温高温域で0となる
ように上記所定温度を設定している。
【0049】従って、外気温Tamが上記所定温度を越え
る高い温度のときは、ステップS250の判定がNOと
なり、ステップS200に戻る。これに対し、外気温T
amが上記所定温度以下であるときは、次のステップS2
60に進み、前席側空調ユニット20の送風ファン24
が作動(ON)しているか判定する。前席側送風ファン
24が作動(ON)しているときは、次のステップS2
70に進み、後席側空調ユニット40の送風ファン43
が作動(ON)しているか判定する。後席側送風ファン
43が作動(ON)しているときは、次のステップS2
80に進み、前席側エアミックスドア27の開度SW(F
r)の判定基準値f(SW(Fr))=1かどうか判定する。
同様に、次のステップS290では、後席側エアミック
スドア49の開度SW(Rr)の判定基準値f(SW(Rr))
=1かどうか判定する。
【0050】この判定基準値f(SW(Fr))およびf
(SW(Rr))は、図9(c)に示すように、エアミック
スドア開度SWが所定開度(図示の例では、ヒステリシ
ス幅を持つ80%ないしは90%)以下のとき0とな
り、所定開度を越えると1となる。ここで、この判定基
準値f(SW)はエアミックスドア開度SWが最大暖房
状態(開度SW=100%)に近い状態にあるとき1と
なり、エアミックスドア開度SWが最大暖房近傍の状態
にないとき0となるように、上記所定開度を設定してい
る。
【0051】そして、ステップS280、S290でと
もに、判定基準値が1であるとき、すなわち、前後の空
調ユニット20、40がともに最大暖房近傍の状態にあ
るときは、次のステップS300に進み、前後の空調ユ
ニット20、40のヒータコア28、47の電気発熱体
68a〜68c、69a〜69cの通電本数を決定す
る。
【0052】すなわち、ステップS300においては、
上述のステップS220で算出された、前後の目標吹出
空気温度の温度差ΔTAO(=TAO(Fr)−TAO(R
r))に基づいて図9(d)のように電気発熱体68a〜
68c、69a〜69cの通電本数を決定する。つま
り、温度差ΔTAOが10°Cより大きいときは、目標
吹出空気温度の高い側の電気発熱体を3本(最多本数)
とも同時に通電して、目標吹出空気温度の高い側の空調
ユニットにおいて、電気発熱体による補助暖房能力を最
大限発揮して暖房能力の確保を図る。
【0053】これに対して、目標吹出空気温度が10°
C以上低い側の空調ユニットでは、電気発熱体への通電
を0本としている。そして、10°C>ΔTAO>0°
Cのときは、目標吹出空気温度の高い側の電気発熱体の
通電本数を2本とし、目標吹出空気温度の低い側の電気
発熱体の通電を1本とする。
【0054】このように、前後の目標吹出空気温度差Δ
TAOに応じて、前後の電気発熱体の通電本数を切替制
御することにより、温水低温時においても、車室内の前
後の室温を乗員により設定された前後の設定温度に近づ
けるよう良好に制御できる。しかも、上記通電本数の切
替制御は、車載電源バッテリ79の過放電を防止するた
めにも有利である。すなわち、前後の電気発熱体68a
〜68c、69a〜69cの合計設置本数N(本例では
6本)に対して、前後の両空調ユニット20、40内の
電気発熱体の合計通電本数nが常に、1/2N(本例で
は3本)となるように、電気発熱体の通電本数を切り替
えているから、温度差ΔTAOが10°Cより大きいと
きは車載電源バッテリ79の限られた電源容量を目標吹
出空気温度の高い側の空調ユニットの補助暖房熱源に集
中的に有効利用して、車載電源バッテリ79の過放電を
効果的に防止できる。
【0055】因みに、電気発熱体の1本当たりの電力消
費が300Wであるとすると、本例の制御によると、電
気発熱体全体の電力消費を常に900Wに抑えることが
できる。なお、目標吹出空気温度が10°C以上低い側
の空調ユニットで、電気発熱体への通電を0本として
も、温水を熱源とした暖房は可能であり、また、車室1
1内の前後の領域は1つの空間として繋がっているの
で、目標吹出空気温度の低い側の領域において、室温が
極端に低下する恐れはない。
【0056】ここで、車載電源バッテリ79の過放電を
より確実に防止するため、バッテリ79の充電状態(例
えば、バッテリ79の充電電圧)を検出し、バッテリ7
9の充電状態を判定して、電気発熱体の合計通電本数の
上限を定めるようにしてもよい。次に、上述のステップ
S260において、前席側送風ファン24が作動してい
ないときは、ステップS310に進み、後席側送風ファ
ン43が作動(ON)しているか判定する。後席側送風
ファン43も作動(ON)していないときは、ステップ
S200に戻る。これに反し、後席側送風ファン43が
作動(ON)しているときは、次のステップS320に
進み、後席側エアミックスドア49の開度SW(Rr)に従
って、後席側電気発熱体69a〜69cの通電本数を図
9(e)のように決定する。
【0057】すなわち、後席側エアミックスドア49の
開度SW(Rr)が80%より小さいときは、電気発熱体に
よる補助熱源を必要としない領域(温度制御域)である
ので、後席側電気発熱体69a〜69cの通電本数を常
に0本とする。これに反し、後席側エアミックスドア4
9の開度SW(Rr)が110%より大きいときは、電気発
熱体による補助熱源を最大にする必要な領域であるの
で、後席側電気発熱体69a〜69cの通電本数を最多
本数(3本)としている。そして、上記ドア開度SW(R
r)が80%と110%との間で増減する伴って、後席側
電気発熱体69a〜69cの通電本数を0本と3本との
間で増減させている。
【0058】これにより、後席側空調ユニット40のみ
の作動時に、後席側エアミックスドア開度SW(Rr)の変
化に基づいて、後席側電気発熱体69a〜69cの通電
本数を、必要な補助暖房能力に応じて適切に決定でき
る。また、上述のステップS270において、後席側送
風ファン43が作動していないときは、ステップS33
0に進み、前席側エアミックスドア27の開度SW(Fr)
に従って、前席側電気発熱体68a〜68cの通電本数
を図9(e)のように決定する。この通電本数の具体的
な決定方法は、上述の後席側電気発熱体69a〜69c
の場合と同一であるので、説明は省略する。
【0059】これにより、前席側空調ユニット20のみ
の作動時においても、前席側エアミックスドア開度SW
(Fr)の変化に基づいて、前席側電気発熱体68a〜68
cの通電本数を、必要な補助暖房能力に応じて適切に決
定できる。また、上述のステップS280、S290で
判定基準値が1でないとき(前後の空調ユニット20、
40がともに最大暖房近傍の状態にないとき)は、ステ
ップS200に戻る。
【0060】ここで、図8の各ステップと各請求項にお
ける機能実現手段との対応関係について説明すると、前
席側目標吹出空気温度TAO(Fr)を算出する前席側算出
手段、および後席側目標吹出空気温度TAO(Rr)を算出
する後席側算出手段は、ステップS210により構成さ
れる。そして、前席側の目標吹出空気温度TAO(Fr)と
後席側の目標吹出空気温度TAO(Rr)との差ΔTAOに
基づいて、車室内前後の暖房負荷の差を判定する判定手
段はステップS220により構成される。
【0061】また、前席側空調ユニット20内の電気発
熱体68a〜68cの通電本数、および後席側空調ユニ
ット40内の電気発熱体69a〜69cの通電本数を車
室内前後の暖房負荷の差に応じて切り替える発熱体制御
手段はステップS300により構成される。前後の空調
ユニット20、40のいずれか一方のみが作動するとき
は、その一方の作動する側の空調ユニットにおけるエア
ミックスドア開度SW(Fr)、SW(Rr)に応じて電気発熱
体の通電本数を決定する制御手段はステップS320、
S330により構成される。
【0062】次に、図10は本実施形態における前後の
空調ユニット20、40の送風ファン24、43の風量
と、水温(Tw)との制御特性を示すもので、図10の
縦軸は送風ファン24、43の駆動用モータ24a、4
3aへの印加電圧レベルであり、図中、縦軸の「31」
は印加電圧レベルの最高値、すなわち、モータ回転数
(風量)の最高レベルを示している。また、図中、縦軸
の「1」は印加電圧レベルの最低値で、モータ回転数
(風量)の最低レベルである。
【0063】図10の制御特性によると、前席側電気発
熱体68a〜68cまたは後席側電気発熱体69a〜6
9cの通電本数が0から1、2、3本と増加するにつれ
て、電気発熱体による補助暖房能力を増大できることに
着目して、前後の送風ファン24、43のモータ印加電
圧レベルが0から1に移行するとき、すなわち、送風フ
ァン24、43が始動するときの水温Twを電気発熱体
通電本数の増加とともに引き下げている。具体的には、
電気発熱体通電本数=0本のとき、ファン始動時水温T
w=35°C→電気発熱体通電本数=3本のとき、ファ
ン始動時水温Tw=26°Cに引き下げている。
【0064】同様に、前後の送風ファン24、43のモ
ータ印加電圧レベルが最高の31に到達する水温Twも
電気発熱体通電本数の増加とともに引き下げている。具
体的には、電気発熱体通電本数=0本のとき、ファン最
高速度時水温Tw=65°C→電気発熱体通電本数=3
本のとき、ファン最高速度時水温Tw=56°Cに引き
下げている。
【0065】このように、電気発熱体通電本数の増加と
ともに、ファン始動時水温およびファン最高速度時水温
を引き下げることにより、エンジン始動後、水温が上昇
する過程において、より低温側から送風ファン24、4
3の作動を開始できる。その結果、エンジン始動後、短
時間で車室内を快適温度に到達でき、空調フィーリング
を向上できる。
【0066】(第2実施形態)図11は第2実施形態で
あり、第1実施形態による図10の風量制御の例では、
水温Twが所定温度、例えば、35°Cに上昇するまで
は、送風ファン24、43を停止して、車室内への冷風
の吹出を防止するようにしているが、第2実施形態では
図11に示すごとく、水温Twが所定温度、例えば、3
5°Cに上昇するまでは前席側の空調ユニット20にお
いて、送風ファン24のモータ印加電圧レベルを最低レ
ベル「1」に固定するとともに吹出口モードをデフロス
タモードに固定して、送風ファン24による最小量の風
をデフロスタ吹出口のみから吹き出している。このと
き、前席側の空調ユニット20における前席側電気発熱
体68a〜68cの通電本数は図8のステップS330
により決定される。
【0067】(第3実施形態)図12は第3実施形態で
あり、前席側空調ユニット20において、内外気吸入モ
ードとして外気モードが選択されているときは、車速が
高くなると、送風ファン24の停止時でも車両走行動圧
(ラム圧)により外気がケース26内の通路に流入す
る。従って、図10に示すように、水温Twが所定温
度、例えば、35°Cに上昇するまでの低水温時にラム
圧により外気が流入すると、低温空気が車室内へ吹き出
すという不具合が生じることになる。
【0068】そこで、第3実施形態では上記の点に鑑み
て、前席側空調ユニット20の送風ファン24が低水温
のために停止している状態において、内外気吸入モード
が外気モードであり、かつ、車速が所定速度(例えば、
40km/h)以上であるときは、前席側の空調ユニッ
ト20における前席側電気発熱体68a〜68cに強制
的に通電して、低温空気の車室内への吹出を確実に防止
するようにしてもよい。
【0069】(他の実施形態)なお、上記の実施形態で
は、前席側の目標吹出空気温度TAO(Fr)と後席側の目
標吹出空気温度TAO(Rr)との差ΔTAOに基づいて、
前後の暖房負荷の差を判定しているが、室温(内気温)
は暖房負荷に大きな影響を与える環境因子であるので、
車室内の前席側の室温Tr(Fr)と後席側の室温Tr(Rr)
との差ΔTrに基づいて、暖房負荷の差を判定するよう
にしてもよい。
【0070】また、車室内の前席側の暖房負荷(TAO
(Fr)、Tr(Fr)等)、および後席側の暖房負荷(TAO
(Rr)、Tr(Rr)等)をそれぞれ算出し、前席側空調ユニ
ット20内の電気発熱体68a〜68cの通電本数を前
席側の暖房負荷に応じて決定するとともに、後席側空調
ユニット40内の電気発熱体69a〜69cの通電本数
を後席側の暖房負荷に応じて決定してもよい。
【0071】また、ヒータコア28、47に循環する熱
源流体としては、温水に限らず、エンジンオイル等の油
類であってもよいことはもちろんである。また、ヒータ
コア28、47に電気発熱体68a〜68c、69a〜
69cを一体化する場合に、この電気発熱体の設置形態
を図5の形態に限らず、ヒータコアの仕様の変化等に対
応して種々変更し得ることはもちろんである。
【0072】また、上記の実施形態では、ヒータコア2
8、47に複数の電気発熱体68a〜68c、69a〜
69cを一体化する場合について説明したが、ケース2
6、45内においてヒータコア28、47の前後等に複
数の電気発熱体を別途独立に設置してもよい。また、送
風ファン24、43の風量制御は、駆動用モータ24
a、43aの印加電圧レベルを変化させる方式に限ら
ず、駆動用モータ24a、43aに加えるパルス出力電
圧のパルス幅を変調させる、パルス幅変調(PWM)方
式を用いることもできる。
【0073】また、車室内への吹き出し空気温度を調整
する温度調整手段として、温風と冷風との風量割合を調
整して吹出空気温度を調整するエアミックスドア27、
49を用いる場合について説明したが、温水弁73、7
4として、ヒータコア28、47への温水流量を連続的
に調整できるタイプのものを用い、この温水弁73、7
4による温水流量の調整によって吹出空気温度を調整す
るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する、前席側空調ユニットおよび
後席側空調ユニットを配置した車両の概略平面配置図で
ある。
【図2】図1の車両の概略側面配置図である。
【図3】図1の前席側空調ユニットの通風系を例示する
概略断面図である。
【図4】図1の後席側空調ユニットの通風系を例示する
概略断面図である。
【図5】本発明における電気発熱体を一体化したヒータ
コアの正面図である。
【図6】図5のヒータコアにおける電気発熱体部分の拡
大斜視図である。
【図7】本発明の第1実施形態におけるヒータコアを含
む温水回路と電気制御系統を含む全体システム図であ
る。
【図8】本発明の第1実施形態における電気制御のフロ
ーチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態における電気制御特性図
である。
【図10】本発明の第1実施形態における水温と風量と
の関係を示す制御特性図である。
【図11】本発明の第2実施形態における風量制御特性
図である。
【図12】本発明の第3実施形態における電気発熱体通
電制御のフローチャートである。
【符号の説明】
20…前席側空調ユニット、40…後席側空調ユニッ
ト、27、49…エアミックスドア、28、47…ヒー
タコア、68a〜68c、69a〜69c…電気発熱
体。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内の前席側に配置され、かつ、暖房
    用熱交換器(28)を少なくとも内蔵し、前席側を空調
    する前席側空調ユニット(20)と、 車室内の後席側に配置され、かつ、暖房用熱交換器(4
    7)を少なくとも内蔵し、後席側を空調する後席側空調
    ユニット(40)とを備える車両用空調装置において、 前記前席側空調ユニット(20)および前記後席側空調
    ユニット(40)にそれぞれ備えられ、補助暖房熱源と
    して作用する複数本の電気発熱体(68a〜68c、6
    9a〜69c)と、 車室内の前席側の暖房負荷と後席側の暖房負荷の差を判
    定する判定手段(S220)と、 前記前席側空調ユニット(20)内の電気発熱体(68
    a〜68c)の通電本数、および前記後席側空調ユニッ
    ト(40)内の電気発熱体(69a〜69c)の通電本
    数を前記暖房負荷の差に応じて切り替える発熱体制御手
    段(S300)とを備えることを特徴とする車両用空調
    装置。
  2. 【請求項2】 前記前席側空調ユニット(20)から車
    室内の前席側へ吹き出す吹出空気の目標吹出空気温度
    (TAO(Fr))を算出する前席側算出手段(S210)
    と、 前記後席側空調ユニット(40)から車室内の後席側へ
    吹き出す吹出空気の目標吹出空気温度(TAO(Rr))を
    算出する後席側算出手段(S210)とを備え、 前記前席側の目標吹出空気温度(TAO(Fr))と前記後
    席側の目標吹出空気温度(TAO(Rr))との差(ΔTA
    O)に基づいて、前記暖房負荷の差を判定することを特
    徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 車室内の前席側の室温(Tr(Fr))を検
    出する前席側室温検出手段(81)と、 車室内の後席側の室温(Tr(Rr))を検出する後席側室
    温検出手段(82)とを備え、 前記前席側の室温(Tr(Fr))と前記後席側の室温(T
    r(Rr))との差(ΔTr)に基づいて、前記暖房負荷の
    差を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用
    空調装置。
  4. 【請求項4】 前記両空調ユニット(20、40)内の
    電気発熱体(68a〜68c、69a〜69c)の合計
    設置本数Nに対して、前記両空調ユニット(20、4
    0)内の電気発熱体の合計通電本数nが n=1/2Nの関係となるように、前記両空調ユニット
    (20、40)内の電気発熱体の通電本数を段階的に切
    り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1つに記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記前席側空調ユニット(20)および
    前記後席側空調ユニット(40)にそれぞれ設けられ、
    前記暖房用熱交換器(28、47)による加熱量を調整
    して車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段
    (27、49)と、 前記前席側空調ユニット(20)および前記後席側空調
    ユニット(40)のいずれか一方のみが作動するとき
    は、その一方の作動する側の空調ユニットにおける前記
    温度調整手段(27、49)の作動位置に応じて前記電
    気発熱体(68a〜68c、69a〜69c)の通電本
    数を決定する制御手段(S320、S330)とを備え
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに
    記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 車室内の前席側に配置され、かつ、暖房
    用熱交換器(28)を少なくとも内蔵し、前席側を空調
    する前席側空調ユニット(20)と、 車室内の後席側に配置され、かつ、暖房用熱交換器(4
    7)を少なくとも内蔵し、後席側を空調する後席側空調
    ユニット(40)とを備える車両用空調装置において、 前記前席側空調ユニット(20)および前記後席側空調
    ユニット(40)にそれぞれ備えられ、補助暖房熱源と
    して作用する複数本の電気発熱体(68a〜68c、6
    9a〜69c)と、 車室内の前席側の暖房負荷を判定する前席側暖房負荷判
    定手段(S210)と、 車室内の後席側の暖房負荷を判定する後席側暖房負荷判
    定手段(S210)とを備え、 前記前席側空調ユニット(20)内の電気発熱体(68
    a〜68c)の通電本数を前記前席側の暖房負荷に応じ
    て決定するとともに、前記後席側空調ユニット(40)
    内の電気発熱体(69a〜69c)の通電本数を前記後
    席側の暖房負荷に応じて決定することを特徴とする車両
    用空調装置。
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