JP2000004134A - 高周波可変利得増幅器 - Google Patents

高周波可変利得増幅器

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JP2000004134A
JP2000004134A JP16728298A JP16728298A JP2000004134A JP 2000004134 A JP2000004134 A JP 2000004134A JP 16728298 A JP16728298 A JP 16728298A JP 16728298 A JP16728298 A JP 16728298A JP 2000004134 A JP2000004134 A JP 2000004134A
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capacitor
transfer gate
effect transistor
source
fet
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Masami Nagaoka
岡 正 見 長
Toshiki Seshimo
下 敏 樹 瀬
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力段で生じた低周波歪みが電源線を介して
初段側に帰還するのを防止し、隣接チャネルの漏洩電力
を無視できる程度に低減する。 【解決手段】 ゲートとドレインとが接続されたソース
接地FET1と、FET1のゲート・ドレイン間に接続
された第1キャパシタ3と、キャパシタ3とソース接地
FET1のドレインとの間にそのソースおよびドレイン
がそれぞれ接続されゲートが高抵抗(Rg)を介して接
地されたトランスファーゲートFET2(21〜2n)
と、FET2とソース接地FET1のドレインとの間に
設けられた直流遮断用の第2キャパシタ11と、キャパ
シタ11とFET2との接続点に接続された接地抵抗1
2とを備え、FET2のゲートソース間電圧により利得
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波可変利得増幅
器に係り、特に制御信号により利得を連続的に変更可能
な高周波可変利得増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】数100MHz以上の高周波信号を増幅
する高周波増幅器としては、例えばパーソナルハンディ
ホンシステム(personal handyphone system―PHS
―)の端末等に用いられる送信用増幅器が考えられ、こ
のような高周波増幅器としては、通常ソース接地された
ガリウム砒素電界効果トランジスタ(GaAsMESF
ET)が用いられている。このGaAsFETの1段当
たりの電力利得は10dB程度であるため、2段ないし
4段の増幅段を設けることにより、20dBないし40
dB程度の電力利得を得られるようにしたMMIC(Mo
nolithic MicrowaveIntegrated Circuit)増幅器が広
く用いられている。
【0003】増幅器の付加機能の1つとして利得可変機
能があり、これは高周波増幅器の入力電力レベルが変動
した際に出力電力を一定レベル(例えば21dBm)に
保つために利得を調整する機能である。増幅回路にこの
利得可変機能を持たせるためには、利得可変幅(例えば
10dB程度)の全域にわたって隣接チャネルの漏洩電
力を一定のスペック値(例えば−55dBc)以下に保
つことが要求されている。さらに近年、負電源が不要で
単一の電源により動作する増幅器が強く求められてお
り、この高周波可変利得増幅器についても負電圧を用い
ずに動作させることが求められている。
【0004】増幅器において上記のような利得可変機能
を実現するために、図5に示すように、電圧−並列帰還
型負帰還回路を用いた高周波増幅器が提案されている。
この電圧−並列帰還型負帰還回路を用いた高周波増幅器
は、ソースが接地されたFET(増幅回路)1のドレイ
ンに、トランスファーゲートFET(可変抵抗)2のソ
ースまたはドレインの一方が接続され、ソースまたはド
レインの他方は直流遮断用のキャパシタ(C1)3を介
してソース接地FET(増幅回路)1のゲートに接続さ
れている。
【0005】前記トランスファーゲートFET(可変抵
抗)2のゲートは高抵抗4を介して制御端子5に接続さ
れており、この制御端子5の電圧を変えることによりト
ランスファーゲートFET2は可変抵抗として機能す
る。つまり、トランスファーゲートFET2すなわち帰
還抵抗の値が変化することにより利得が変化することに
なるわけである。前記FET1のゲートと前記キャパシ
タ3との接続点には、入力側の整合回路6を介して入力
端子6が接続されており、また、FET1と2との接続
点は出力側の整合回路8を介して出力端子9に接続され
ている。
【0006】ところで、ソース接地FET(増幅回路)
1の入力と出力が直流遮断されなくてはならないのは当
然のことであるが、図5に示される回路においては直流
遮断用のキャパシタ3がソース接地FET1のゲート側
に接続され、トランスファーゲートFET2はソース接
地FET1のドレイン側に接続されている。この理由に
ついて、以下に説明する。
【0007】トランスファーゲートFET2がオフ状態
のときに利得は最大となり、FET2のゲートバイアス
電位を下げてそのオン抵抗を小さくするにつれて利得が
減少するので、利得の可変幅を大きくするにはトランス
ファーゲートFET2の御抵抗を下げる必要があり、負
側に大きいしきい値電圧Vthを、例えば−1Vないし−
2V程度で設定することになる。一方、ソース接地FE
T1のゲート電圧は、特にMESFETを用いている場
合などは、所定の正値例えば0.5V以上の値に設定す
ることはできない。
【0008】FET1のゲート電圧を所定の正値以上に
設定すると、有意なゲート電流が発生して消費電力を増
大せしめたり、歪みが発生する原因となったりして回路
の信頼性を損なうからである。したがって、負電圧を用
いずにトランスファーゲートFET2の制御を行なうた
めには、ソース接地FET1のゲート電位とは別個にト
ランスファーゲート2のソース電位あるいはドレイン電
位を設定しなければならず、ソース接地FET1のゲー
トとトランスファーゲートFET2との間は、直流遮断
されていなければならないことになる。
【0009】一方、トランスファーゲートFET2の制
御電圧は、0Vから電源電圧(例えば3V)の間で変化
させるべきものであり、1つの構成としてはトランスフ
ァーゲートFET2のドレインおよびソースの直流バイ
アス電位を電源電圧に設定しておくことが考えられる。
この場合、トランスファーゲートFETをソース接地F
ET1のドレインに直接接続する構成が考えられる。
【0010】しかしながら、このような利得可変制御機
能を有する高周波増幅器、特にPHS端末用の送信増幅
器においては、以下のような問題が発生するおそれがあ
る。多段(例えば4段)構成の増幅器を想定して説明す
ると、初段は振幅が小さくFETの非線形性の影響を受
けることが少ないことから、通常、利得可変機能は初段
に設けられることが多いので、利得可変回路は初段に設
けられているものとする。上記PHSにおいては、π/
4シフトQPSK(Quadriphase Phase ShiftKeying−
4位相偏位変調−)信号が用いられているが、これは
1.9GHzの中心周波数の両側にそれぞれ96KHz
の幅の帯域を有する信号である。
【0011】上記のPHS端末用送信増幅器において
は、その非線形性のために混変調歪みが発生することに
なるが、一般には最終段で最も大きい歪みが発生する。
例えば周波数fo と「fo +fs 」の2波入力の場合の
混変調歪みを考えると、混変調歪みの一部は搬送波周波
数fo を中心としてその回りに生じるスペクトル成分と
ベースバンド周波数fs の整数倍のスペクトル成分とし
て生じることになる。ここで、π/4QPSK信号入力
の場合には、前者の搬送波周波数のスペクトル成分は隣
接チャネルの漏洩電力に対応するものである。また、後
者のベースバンド周波数のスペクトル成分は直流遮断キ
ャパシタにより次段には伝わらないため、通常は問題と
はならない。
【0012】しかしながら、実際には電力供給用として
設けられているインダクタや伝送線路等のインピーダン
スは、信号周波数では充分に高い値であるが、例えば1
00kHz程度の低い周波数ではほぼ0に等しい値とな
ってしまう。また、PHSが時間分割により送受信を切
り換えて多重アクセスを行なうシステムであることに関
連して、増幅器の電源ラインに余りに大きなデカップリ
ングキャパシタを設けることは困難となるという問題が
ある。
【0013】また、送信されない時間スロットにおいて
は、送信用増幅器への電力供給が遮断されて、増幅器の
電源電圧はある周期でオン・オフ動作を繰り返してお
り、この動作を影響を及ぼし得るほどの大容量のキャパ
シタを携帯用の機器であるPHSに搭載することは実際
上は難しいという問題もある。
【0014】さらに、現実には電源も有意な内部インピ
ーダンスを有するために、理想的な接地状態を実現でき
るわけではない。これらの理由から、最終段で生じた低
周波歪み成分は、最終段のソース接地FETのドレイン
と電源との間に設けられたインダクタや伝送線路、さら
にここの電源線を介して初段FETの電源端子に帰還し
てしまうという事態が発生し得ることになる。
【0015】ただし、初段のソース接地FETは通常そ
れほど非線形な動作をしていないため、前記低周波歪み
成分が帰還しても初段FETでこの低周波帰還信号と高
周波入力信号とがミキシングを起こし、直ちに相互変調
歪みを発生させると云う危険性は少ない。問題となるの
はトランスファーゲートFETの存在であり、トランス
ファーゲートFETのチャネルがオンし始める制御電位
付近の領域においては非線形動作が大きくなり、このよ
うな領域では利得可変回路である初段FETにおいて低
周波信号とRF信号とのミキシングが生じることにな
る。上述のような2波入力の場合、fo とfs の混変調
歪みが発生することになる。この混変調歪みは帯域内ス
ペクトルを発生させ、隣接チャネル漏洩電力を増大せし
めることになる。
【0016】なお、低周波電圧歪み成分が初段ソース接
地FETのドレインに現れた場合、初段ソース接地FE
TのドレインとトランスファーゲートFETとの間が直
結されている場合だけでなく、キャパシタにより直流遮
断して抵抗などを介してトランスファーゲートFETの
ソースおよびドレインに供給する場合であっても、トラ
ンスファーゲートFETによる混変調歪みの発生を抑え
られなくなってしまうことがある。
【0017】これは、初段ソース接地FETのドレイン
とトランスファーゲートFETとの間に設けられたキャ
パシタと、初段ソース接地FETのゲートとトランスフ
ァーゲートFETとの間のキャパシタとによるインピー
ダンス分割によりトランスファーゲートFETのソース
およびドレインにも低周波電圧歪みが現れるからであ
る。
【0018】さらに、電源系に低周波歪み成分が発生し
ている以上、たとえ高抵抗を介したとしても現実にはト
ランスファーゲートFETのソース・ドレインに低周波
の振幅が現れるのは避けがたい。これはトランスファー
ゲートFETの両端に設けた直流遮断キャパシタが、こ
のような低周波に対しては上述の抵抗よりもはるかに高
インピーダンスとして作用してしまうためである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した電圧−並列帰
還型負帰還回路による従来の高周波可変利得増幅器にお
いては、出力段で発生した低周波歪みが電源線を通過し
て初段側に設けられた利得可変回路に帰還して、これに
より隣接チャネルの漏洩電力を増加させるという問題点
があった。
【0020】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、出力段の低周波歪みを初段側に帰還さ
せないようにして、隣接チャネル漏洩電力を低減させた
高周波可変利得増幅器を提供することを目的としてい
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る高周波可変利得増幅器は、ゲート電
極が入力端子に接続されドレイン電極が出力端子に接続
されソース電極が接地されると共にゲート電極とドレイ
ン電極とが接続されたソース接地電界効果トランジスタ
と、前記ソース接地電界効果トランジスタの前記ゲート
電極と前記ドレイン電極との間に接続された第1のキャ
パシタと、前記第1のキャパシタと前記ソース接地電界
効果トランジスタの前記ドレイン電極との間にソース電
極およびドレイン電極が接続されると共に前記ゲート電
極が高抵抗を介して接地された少なくとも1つのトラン
スファーゲート電界効果トランジスタと、前記トランス
ファーゲート電界効果トランジスタと前記ソース接地電
界効果トランジスタのドレイン電極との間に設けられて
直流を遮断する第2のキャパシタと、前記第2のキャパ
シタと前記トランスファーゲート電界効果トランジスタ
との接続点に接続された接地抵抗と、を備え、前記トラ
ンスファーゲート電界効果トランジスタのゲートソース
間電圧により利得を制御することを特徴としている。
【0022】請求項2に係る高周波可変利得増幅器は請
求項1に記載のものにおいて、前記トランスファーゲー
ト電界効果トランジスタが第1ないし第n(nは1以上
の整数)の複数個のトランスファーゲート電界効果トラ
ンジスタより構成され、第1のトランジスタのドレイン
電極は第2のトランジスタのソース電極に接続され、以
下順次、第(n−1)のトランジスタのドレイン電極に
第nのトランジスタのソース電極に接続されると共に、
第nのトランジスタのドレイン電極と前記ソース接地電
界効果トランジスタとの間に前記第2のキャパシタが接
続されていることを特徴としている。
【0023】請求項3に係る高周波可変利得増幅器は、
請求項2に記載のものにおいて、前記第nのトランスフ
ァーゲート電界効果トランジスタと前記接地抵抗の接続
点との間に直流電流が流れるのを防止する第3のキャパ
シタが設けられていることを特徴としている。
【0024】請求項4に係る高周波可変利得増幅器は、
請求項3に記載のものにおいて、前記第3のキャパシタ
と前記第nのトランスファゲート電界効果トランジスタ
との接続点に抵抗を介して利得制御信号の入力端子が接
続されていることを特徴としている。
【0025】請求項5に係る高周波可変利得増幅器は、
請求項2に記載のものにおいて、前記第nのトランスフ
ァーゲート電界効果トランジスタと前記接地抵抗の接続
点との間に抵抗を介して利得制御信号の入力端子が接続
されていることを特徴とする。
【0026】請求項6に係る高周波可変利得増幅器は、
請求項1に記載のものにおいて、トランスファーゲート
電界効果トランジスタと前記第2のキャパシタとの間に
直流電流が流れるのを防止する第3のキャパシタが設け
られていることを特徴としている。
【0027】請求項7に係る高周波可変利得増幅器は、
請求項6にものにおいて、第3のキャパシタと前記トラ
ンスファーゲート電界効果トランジスタとの接続点に抵
抗を介して利得制御信号の入力端子が接続されているこ
とを特徴としている。
【0028】請求項8に係る高周波可変利得増幅器は、
請求項1に記載のものにおいて、トランスファーゲート
電界効果トランジスタと接地抵抗の接続点との間に抵抗
を介して利得制御信号の入力端子が接続されていること
を特徴としている。
【0029】本発明に係る負帰還型利得可変回路を備え
る高周波増幅器と従来の増幅器との大きな相違点は、ト
ランスファーゲートFETのドレインソースの両側に直
流遮断用のキャパシタが設けられ、かつ、第2のキャパ
シタ(C2)とトランスファーゲートFETの接続点に
接地抵抗(R1)または1/4波長の線路長を有するシ
ョートスタブが設けられている点、および電源系をトラ
ンスファーゲートFETに直接接続していない点であ
る。
【0030】電源系をトランスファーゲートに直接接続
していないことにより、ソース接地FETのドレインに
接続された電源回路を介してのみ低周波帰還が起き得る
ことになる。しかしながら、第2のキャパシタ(C2)
と接地抵抗(R1)とはハイパスフィルタを構成してお
り、しかも、そのカットオフ周波数を帯域周波数よりも
大きく設定することは容易であり、その際トランスファ
ーゲートFETのソースあるいはドレイン端子には低周
波帰還がほとんど生じることはなくなる。
【0031】また、接地抵抗の代わりに、動作周波数に
おいて1/4波長となる線路長を有するショートスタブ
を用いた場合、動作周波数の信号に対してはほとんど影
響がないが、低周波信号はグラウンド側にバイパスされ
るので、接地抵抗を用いた場合と同様に、トランスファ
ーゲートFETのソースあるいはドレイン端子には低周
波の振幅はほとんど現れないことになる。
【0032】このような理由により、従来の高周波増幅
回路とは異なり、本発明に係る可変利得高周波増幅回路
においては低周波歪みとRF(Radio Frequency―無線
周波数―)信号との混変調歪みが発生することはない。
したがって、混変調歪みを要因とする隣接チャネルの漏
洩電力が増加することはなくなる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高周波可変利
得増幅器の好適な実施形態について、添付図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態
に係る高周波可変利得増幅器を示す回路図である。図1
において、従来の増幅器を示した図5と同一符号を付し
たものは、従来の増幅器と同一または相当する構成用件
を示している。
【0034】図1の高周波増幅器10は、増幅回路とし
てのソース接地型FET(Q0)1のゲートドレイン間
に直流遮断用の第1のキャパシタ(C1)3と、利得可
変用のトランスファーゲートFET(Q1)2と、直流
遮断用の第2のキャパシタ(C2)11と、がこの順序
で直列に接続されている。また、トランスファーゲート
FET(Q1)2と第2のキャパシタ(C2)11との
接続点に接地抵抗(R1)12が接続されている。な
お、接地抵抗12の接続点とトランスファーゲートFE
T2との接続点には抵抗(Rgc)13を介して利得制御
信号の入力端子14が接続されている。
【0035】第1実施形態に係る高周波可変利得増幅器
は上述のように構成したので、直流遮断用の第2のキャ
パシタ11と接地抵抗12とを設けたことにより従来の
増幅回路のような低周波信号とRF信号との混変調歪み
が発生することがなくなり、この混変調歪みを原因とす
る隣接チャネルの漏洩電力の増加を抑えることができ
る。
【0036】図2は本発明の第2実施形態に係る高周波
可変利得増幅器15を示す回路図である。図1に示され
た第1実施形態に係る増幅器10と第2実施形態に係る
増幅器15との相違点は、トランスファーゲートFET
(Q1)2と第2のキャパシタ(C2)11との間に、
直流遮断用の第3のキャパシタ(C3)16を設けた点
と、第2のキャパシタ(C2)11と第3のキャパシタ
(C3)16の接続点に、接地抵抗(R1)12が接続
されている点である。
【0037】上記構成を有する第2実施形態に係る高周
波可変利得増幅器によれば、特に制御端子14を介して
トランスファーゲートFET2のソース(またはドレイ
ン)に供給される利得制御信号の制御電位によって直流
電流が流れてしまうのを防止することができ、第1実施
形態に係る高周波増幅器10の効果に加えて更に優れた
効果を奏する。
【0038】なお、上述した第1実施形態および第2実
施形態にそれぞれ係る高周波可変利得増幅器はトランス
ファーゲートFET2が何れも1段だけ設けられていた
が、本発明はこれに限定されず、トランスファーゲート
FETを複数段にわたり設けるようにしても良い。以
下、図3および図4を参照しながら第1実施形態および
第2実施形態の変形例としての第3実施形態および第4
実施形態に係る高周波可変利得増幅器について説明す
る。
【0039】図3に示す第3実施形態に係る高周波可変
利得増幅器20は、第1実施形態に係る高周波可変利得
増幅器10におけるトランスファーゲートFET2の代
わりに第1ないし第nのトランスファーゲートFET
(Q1)21,(Q2)22,…,{Q(n−1)}2
(n−1),(Qn)2nが設けられ、最終段のトラン
スファーゲートFET2nに直流遮断用の第2のキャパ
シタ11と接地抵抗12が接続された構成となってい
る。第1ないし第nのトランスファゲートFET21な
いし2nのゲート電極には第1ないし第nのゲート接地
抵抗(Rg1ないしRgn)31ないし3nがそれぞれ接続
されている。
【0040】このように複数段にわたりトランスファー
ゲートFET21ないし2nを設ける場合、第1実施形
態の変形例である第3実施形態に限られず、図4に示す
第4実施形態のように構成しても良い。この第4実施形
態に係る高周波可変利得増幅器25は、図2に示された
第2実施形態の増幅回路15の変形例であり、図2のト
ランスファーゲートFET2の代わりに、第1ないし第
nのトランスファーゲートFET(Q1)21,(Q
2)22,…,{Q(n−1)}2(n−1),(Q
n)2nが設けられ、最終段のトランスファーゲートF
ET2nに直流遮断用の第2のキャパシタ11と接地抵
抗12が接続された構成となっている。第1ないし第n
のトランスファゲートFET21ないし2nのゲート電
極には第1ないし第nのゲート接地抵抗(Rg1ないしR
gn)31ないし3nがそれぞれ接続されている。
【0041】最終段のトランスファゲートFET2nと
利得制御信号入力端子の抵抗13の接続点と、第2のキ
ャパシタ11と接地抵抗12の接続点との間には直流遮
断用の第3のキャパシタ(C3)16が介挿されてお
り、この第3のキャパシタ16を設けた点が第3実施形
態と第4実施形態との相違点であることは、第1実施形
態と第2実施形態との関係と同一である。
【0042】上記第1実施形態ないし第4実施形態の高
周波可変利得増幅器において、増幅回路(ソース接地F
ET1)が多段に設けられる場合、利得制御用の接地抵
抗と直流遮断用の第2のキャパシタを備える利得可変用
のトランスファーゲートFET2は初段の増幅回路に設
けられていることが望ましい。その理由はRF信号は入
力される初段側の方が振幅が小さいが、このように振幅
が小さい方がトランスファーゲートFETで生じる歪み
も小さいからである。ただし、この場合利得を変えると
同時に入力インピーダンスも変化してしまうことにな
り、この入力インピーダンスの変化は電圧定在波比(V
SWR−Voltage Standing Wave Ratio ―)を劣化させ
ることになる。
【0043】入力インピーダンスの変化によるVSWR
の劣化を防止するためには、本来は無損失である入力整
合回路(図1ないし図4には図示されないが従来の回路
を示す図5の符号6に相当する)に、ある程度の損失分
を持たせることにより、入力インピーダンスの変動を抑
制することができる。例えば、入力整合回路の入出力端
子間を結ぶ信号パス上に抵抗素子を直列接続したり、整
合回路の構成素子自体に比較的損失の大きな素子を用い
たりする方法があるが、ある程度の損失分を持たせるこ
とができるという一定の効果さえ期待できれば何れの方
法を採用しても良い。
【0044】本発明の効果を実証するために初段に第2
実施形態に係る高周波可変利得増幅器を設けた4段構成
のアンプと従来の4段アンプを、両者共に最大電力利得
を40dB,可変利得幅を10dBとなるように設計
し、これらを試作して測定を行なった。具体的には、利
得を変化させたときに出力電力が常に21dBmとなる
ように入力電力を調整し、各点での隣接チャネル漏洩電
力を測定したときの測定結果は次の通りであった。従来
の増幅器は利得を変化させると隣接チャネル漏洩電力が
最大で8dBほど劣化した。これに対して、本発明の第
2実施形態に係る可変利得高周波増幅回路では、利得可
変領域における隣接チャネル漏洩電力の変動は僅かに
0.3dBであった。この僅かな変動は、トランスファ
ーゲートFETが本質的に有している非線形性によるも
のと考察される。
【0045】なお、以上に説明した第1ないし第4実施
形態に係る高周波可変利得増幅器はGaAsMESFE
Tを用いて製造するようにしていたが、本発明はこれに
限定されず、例えば、化合物半導体ヘテロ接合FETや
SiMOSFETのような他の電子デバイスを用いても
実現できることは勿論である。また、トランスファーゲ
ートFETの段数は、第1および第2実施形態のように
1段でもよく、また第3および第4実施形態のようにn
段でも良いが、一般には、トランスファーゲートFET
を多段に接続することにより、各トランスファーゲート
FETのドレイン・ソース間に印加される電圧振幅が低
減するので、トランスファーゲートFET本来の非線形
性により生じる歪みを低減することができる。また、第
2実施形態の場合、接地抵抗12に代えて動作周波数に
対して1/4波長程度の線路長を有するショートスタブ
線路を用いるようにしても良い。さらに、動作周波数に
おいて充分に高インピーダンスであり、かつ、帯域周波
数では低インピーダンスとなる素子値を有する誘導性素
子を用いるようにしても良い。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る高周波可変利得増幅器によれば出力段で発生した低周
波歪みが電源線を通過して初段側に設けられた利得可変
回路に帰還するのを防止することができ、これにより隣
接チャネルの漏洩電力をほとんど無視できる程度に低減
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る高周波可変利得増
幅器を示す回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る高周波可変利得増
幅器を示す回路図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る高周波可変利得増
幅器を示す回路図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係る高周波可変利得増
幅器を示す回路図である。
【図5】従来の利得可変機能を有する高周波増幅器を示
す回路図である。
【符号の説明】
1 (増幅用)ソース接地FET 2 トランスファーゲートFET 3 (直流遮断用)第1のキャパシタ(C1) 10 第1実施形態に係る高周波可変利得増幅器 11 (直流遮断用)第2のキャパシタ(C2) 12 接地抵抗(R1) 15 第2実施形態に係る高周波可変利得増幅器 16 (直流遮断用)第3のキャパシタ(C3) 20 第3実施形態に係る高周波可変利得増幅器 21〜2n 第1ないし第nのトランスファーゲートF
ET 25 第4実施形態に係る高周波可変利得増幅器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲート電極が入力端子に接続されドレイン
    電極が出力端子に接続されソース電極が接地されると共
    にゲート電極とドレイン電極とが接続されたソース接地
    電界効果トランジスタと、前記ソース接地電界効果トラ
    ンジスタの前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に
    接続された第1のキャパシタと、前記第1のキャパシタ
    と前記ソース接地電界効果トランジスタの前記ドレイン
    電極との間にソース電極およびドレイン電極が接続され
    ると共に前記ゲート電極が高抵抗を介して接地された少
    なくとも1つのトランスファーゲート電界効果トランジ
    スタと、前記トランスファーゲート電界効果トランジス
    タと前記ソース接地電界効果トランジスタのドレイン電
    極との間に設けられて直流を遮断する第2のキャパシタ
    と、前記第2のキャパシタと前記トランスファーゲート
    電界効果トランジスタとの接続点に接続された接地抵抗
    と、を備え、 前記トランスファーゲート電界効果トランジスタのゲー
    トソース間電圧により利得を制御することを特徴とする
    高周波可変利得増幅器。
  2. 【請求項2】前記トランスファーゲート電界効果トラン
    ジスタは、第1ないし第n(nは1以上の整数)の複数
    個のトランスファーゲート電界効果トランジスタより構
    成され、第1のトランジスタのドレイン電極は第2のト
    ランジスタのソース電極に接続され、以下順次、第(n
    −1)のトランジスタのドレイン電極に第nのトランジ
    スタのソース電極に接続されると共に、第nのトランジ
    スタのドレイン電極と前記ソース接地電界効果トランジ
    スタとの間に前記第2のキャパシタが接続されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の高周波可変利得増幅
    器。
  3. 【請求項3】前記第nのトランスファーゲートトランジ
    スタと前記接地抵抗の接続点との間に直流電流が流れる
    のを防止する第3のキャパシタが設けられていることを
    特徴とする請求項2に記載の高周波可変利得増幅器。
  4. 【請求項4】前記第3のキャパシタと前記第nのトラン
    スファゲート電界効果トランジスタとの接続点に抵抗を
    介して利得制御信号の入力端子が接続されていることを
    特徴とする請求項3に記載の高周波可変利得増幅器。
  5. 【請求項5】前記第nのトランスファーゲート電界効果
    トランジスタと前記接地抵抗の接続点との間に抵抗を介
    して利得制御信号の入力端子が接続されていることを特
    徴とする請求項2に記載の高周波可変利得増幅器。
  6. 【請求項6】前記トランスファーゲート電界効果トラン
    ジスタと前記第2のキャパシタとの間に直流電流が流れ
    るのを防止する第3のキャパシタが設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の高周波可変利得増幅器。
  7. 【請求項7】前記第3のキャパシタと前記トランスファ
    ーゲート電界効果トランジスタとの接続点に抵抗を介し
    て利得制御信号の入力端子が接続されていることを特徴
    とする請求項6に記載の高周波可変利得増幅器。
  8. 【請求項8】前記トランスファーゲート電界効果トラン
    ジスタと前記接地抵抗の接続点との間に抵抗を介して利
    得制御信号の入力端子が接続されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の高周波可変利得増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012019481A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Panasonic Corp パススルー付き増幅器

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