JP2000002857A - 可変屈折角立体視眼鏡 - Google Patents

可変屈折角立体視眼鏡

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JP2000002857A
JP2000002857A JP10181367A JP18136798A JP2000002857A JP 2000002857 A JP2000002857 A JP 2000002857A JP 10181367 A JP10181367 A JP 10181367A JP 18136798 A JP18136798 A JP 18136798A JP 2000002857 A JP2000002857 A JP 2000002857A
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prism
refraction angle
refraction
angle
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Eriko Shimizu
栄理子 清水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、一般に固定プリズムが用いられていた
二眼式立体視方式の立体視プリズム眼鏡について、立体
左右画面を任意の観測位置で重ね合わせて見る事が出来
るようにするために、屈折角が自由に調整出来る可変屈
折角プリズム立体視眼鏡を実現する。 【構成】 一方が平面で他方が各々同じ曲率半径の凸及
び凹のレンズを、互いに凸及び凹面を合わせて組み合わ
せ対とする事により楔形プリズムレンズを形成し、この
対レンズを各々左右の眼鏡レンズ光学系として用いた立
体視用眼鏡を構成する。該楔形プリズムとなるこの対レ
ンズの一方のレンズを、その表面の球面に沿って上下左
右に動かす事によりプリズム面の傾斜角を変えて、必要
な屈折方向と屈折角を調整する事が出来る。従って、こ
れを立体視眼鏡のプリズム光学系として用いる事によ
り、任意の観測位置で立体左右画面を重ね合わせて見え
るようにプリズム屈折角を調整する事が可能な可変屈折
角立体視眼鏡が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は立体画像を観測する立体
視眼鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、立体画像を手軽に観測する方
法としては、2眼式により左右の立体両画面を左右又は
上下に並べて表示し(ここではこれを立体表示画面と呼
ぶ)、これをプリズム眼鏡を通して左右の目で重ねて見
る方法がとられている。しかし、この場合、観測する立
体表示画面については、その大きさや見る距離により画
面の見える大きさ(画角)が変わってくるため、通常の
プリズム眼鏡でこれを見る場合、通常その屈折角が固定
されてしまい、立体両画面を重ね合わせてちょうど立体
視して見える位置ないし距離は限られてしまっていた。
このため、観測する場所に応じてプリズムの屈折角が変
わる屈折角可変プリズムにより構成される立体視眼鏡が
望まれていた。更に、この立体視眼鏡の他にも、カメラ
自体を動かさない入力画像パンニング光学系や、カメラ
や望遠鏡などの手ブレ防止光学系等に、画像の光軸を連
続的に動かす可変屈折角プリズムが要求される。これに
対し、従来は2枚の楔形レンズを組み合わせ、これを光
軸に沿って相互に反対方向に回転させる事により屈折角
を変える方法、また、2枚の透明板を自由に伸縮出来る
部材で囲み、この中に透明な流動体を充填してプリズム
を形成し、この透明板の角度を変えてプリズム屈折角を
変える方法などが提案されている。しかし前者では2枚
のレンズを連動して動かす為に複雑でしかも大型のメカ
ニズムが必要である事、後者では流動体を充填密閉した
容器を自由に伸縮させる構造を高い強度と信頼度で実現
する事の困難さがあるため、いずれも手軽に実現する事
が困難であり、広く実用化されるに至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来このよ
うに強く要望されているにもかかわらず、簡単に実現す
る方法が無く、なかなか実用化されなかった可変屈折角
立体視眼鏡に対して、簡単な構造でしかも手軽にかつ広
い用途に応用出来る多機能性を備えた新しい構成方式の
可変屈折プリズムを創出する事により、これまでの課題
を解決し、これを用いた小型安価な可変屈折角立体視眼
鏡を実現するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明は先ず球面を持つレンズはその面に沿って
回転してもその形状が変わらないため、光学特性が変わ
らない事に着目し、一方の面が平面で他方の面が球面の
レンズを含み、該レンズを該球面に沿って回転させる事
により、その回転方向と量に応じ、該一方の平面を構成
要素とするプリズムの屈折角と屈折方向を連続的に変え
る可変屈折角プリズムを含む可変屈折角光学系を実現し
た。
【0005】また、ここで球面はレンズを回転させる為
の目的であり、球面自体の光学特性を打ち消すことをね
らい、一方の面が平面で他方の面が互いに凸凹相補完す
る形状の球面とする一対のレンズを合わせて楔形プリズ
ムを形成し、該対となる少なくとも一方のレンズをその
球面に沿って回転させる事により、その回転方向と量に
応じ、その一方の平面で規定される片方の平面を構成要
因とするプリズムの屈折角、屈折方向を連続的に変える
機能を持つ可変屈折角プリズムを実現した。
【0006】一方、球面の3次元の動きに対し、動きを
2次元に限定すれば面はシリンドリカル面になることに
着目し、一方の面が平面で他方の面がシリンドリカル面
とするレンズを含み、該レンズを該シリンドリカル面に
沿って回転させる事により、その回転量に応じ、該一方
の平面を構成要素とするプリズムの屈折角を連続的に変
える可変屈折角プリズムを含む可変屈折角光学系を実現
した。
【0007】さらに、このシリンドリカル面での光学特
性を打ち消し、かつ全方向への光軸屈折を可能とするこ
とをねらい、一方の面が平面で他方の面が互いに凸凹を
補完する形状のシリンドリカル面とする一対のレンズを
合わせて楔形プリズムを形成した。ここで、対となるレ
ンズの少なくとも一方をシリンドリカル面に沿って動か
す事により、その動く量に応じその一方の平面で規定さ
れるプリズムの屈折角を、また該対となるレンズ全体を
その光軸を中心に回転させる機能を有しこれを動かす事
により屈折方向を、連続的に変える機能を持つ可変角プ
リズムを実現した。
【0008】このようにして実現された可変屈折角光学
系をプリズム眼鏡光学系に導入する事により、簡単小型
な構造で、立体表示画面の立体表示方式に応じ、光軸の
屈折方向、屈折角を手軽に自由に調整出来る可変屈折角
立体視眼鏡を実現した。
【0009】
【発明の実施の形態】一方の面が平面で他方の面が球面
で構成されているレンズを、この球面に沿って動かす
と、レンズ自体はどちらの方向に動かしても表面の球面
自身の相対的な形状は全く変わらないため、この球面で
は回転に対し光学的には何ら変化を生じない。一方、こ
のレンズの一方の面である平面は、レンズの動きととも
に自由に回転するので、任意の角度に設定する事が可能
になる。また、この片方の面が球面で構成されたレンズ
の後に、この球面に対し補完的な球面を持つ対となるも
う一つのレンズ(先のレンズが凸面であれば、後のレン
ズは凹面)を持ってくれば、両球面は光学的に打ち消し
合って全体としては前のレンズの平面と後のレンズの平
面で構成される楔形プリズムが構成されることになる。
【0010】従って、これを利用して、少なくとも一方
のレンズをその球面に沿って動かす事により、レンズの
一方の平面の角度を任意に設定して屈折角を可変とする
プリズムの面を実現する事が可能になる。本発明はこの
ようなレンズを組み合わせた可変屈折角プリズムを構成
し、さらにこれを立体視レンズのプリズムレンズとして
用いる事により、垂直方向の画面屈折角と水平方向視差
屈折角との調整が同時に自由に可変調整出来る立体視眼
鏡を実現するものである。勿論、ここでのレンズの一方
の面は単に平面に限らず、通常の凸凹レンズなどの各種
レンズ機能を持たせる事が出来る。特に対となるレンズ
の一方を固定する場合は、このレンズでの各種レンズ機
能や収差補正機能の設定が非常に容易になり、可変屈折
率光学系としての応用面が大きく拡大される。
【0011】
【実施例】本発明の実施例について図面をもとに具体的
に説明する。先ず、図1は本発明の第4の実施例である
立体視眼鏡を示す図であるが、説明の便宜上、ここでは
最初に図2の本発明の第1の実施例から説明する。図2
は一方の面21が球面で他方の面がここでは平面22として
構成された、中心の光軸がX2の球面レンズ2Lの場合を示
す。これは曲率半径rの球面を表面に持った凸レンズに
相当するが、更に、このレンズは球面21に沿って上下左
右に自由に動き得る構成になっているものとする。これ
は正確には、曲率半径rの球面に沿ってレンズが回転す
るものであるが、後述の光軸方向へのレンズの回転動作
と混同しないように、ここでは動くと表現する。
【0012】この時、例えばレンズ2Lが球面21に沿って
下に動き、図2の2LDで示される位置に来たとすると、
その時の球面21Dは元の21の場合と形が全く変わらず、
平面22Dは元の位置の平面22に対して角度θだけ傾いた
位置に来る。従って、この時は、入力光軸は平面22Dの
傾斜に対応する屈折角で下方に屈折するので、点線で示
される下方X2Dから入る入力光が元の光軸X2の位置に至
る入力光軸となる。即ち、レンズ2Lは下方の2LDの位置
に球面に沿って動くこと、つまり球面の曲率半径rに沿
って角度θだけ回転することにより、プリズムを構成す
る平面22の傾斜角度が同じθだけ変化することになるの
で、この様なレンズ2Lの連続的な動きにより、等価的に
プリズムの屈折角を、従って入力光の光軸を連続的に変
える事が出来る。また、レンズの動く量が大きいほど屈
折角は大きくなり、しかも動く面は球面なので、この光
軸の変化は上下左右あらゆる方向に対し可能になる。例
えば、2LUで示されるように上に動く場合には、元の光
軸X2の位置に至る入力光軸は、同様に上方向X2Uにな
る。もちろん、このレンズ2Lはそのままでは単純な球面
レンズであるが、通常の複合レンズと同様に、この前後
に光軸に沿って補正レンズを組み合わせる事により、収
差の補正、焦点距離の調整等が可能である事は改めて説
明するまでもない。又、このレンズは凹面の球面となる
凹レンズでも同様の動作が可能である。
【0013】次に、図3に本発明の第2の実施例を示
す。先ず、図3aはレンズの光軸に沿った断面での動作
を説明する図である。これは、図2の場合のレンズ2Lに
相当する凸レンズ3L1に、同じ曲率半径の凹レンズ3L2を
組み合わせて対レンズ3Lとし、中心の光軸をX3としたも
ので、これにより両レンズの屈折特性を打ち消し合い、
凸レンズ3L1の平面32と凹レンズ3L2の平面33とで形成さ
れるプリズムを構成するものである。この場合、この平
面が両方とも平行であれば、このレンズ対は等価的には
平行板の板ガラスに相当する事になる。ここで例えば凸
レンズ3L1をその球面に沿って動かせば、先の図2の実
施例の場合と同様、レンズ全体の屈折特性は変化せずに
レンズの平面の角度を全方向に自由に変える事が出来
る。さらに同様に凹レンズ3L2についても、これを動か
す事によりその表面の平面角度をを独立に変える事が出
来る。図3の例の場合は、凹レンズ3L2は固定され、凸
レンズ3L1が球面31に沿って動く構成であるが、光軸X3
に来る入力光の光軸は、図2の場合と同様にレンズ3L1
の動く量による屈折角によって決まり、例えば3L1D、3L1
Uのレンズ位置に対応して、入力光軸はそれぞれX3D、X3U
となる。この場合もレンズ3L1を動かす位置に対応して
自由に屈折角を設定する事が出来る。図3bは図3aの
組み合わせレンズが球面に沿って動く様子を説明する対
レンズの正面図である。即ち、固定凹レンズ3L2の前に
球面31に沿って動くレンズ3L1があり、これが上下左右
に自由に動くものとする。例えば、3L1Uはレンズが上方
に動いた場合にあたり、この時は入力光軸はX3Uとなり
レンズの中心光軸X3に向かう。同様に、レンズ3L1が下
に動いた時は3L1Dとなり、この場合の入力光軸は上と反
対でX3Dとなり中心X3に向かって進む。この様に、レン
ズ3L1は斜めを含むすべての方向に動く事が出来る。
【0014】勿論これらの凸凹レンズはお互いに逆でも
良く、また、例えば図4に示される通り、対となる凸凹
レンズ4L1、4L2の表面の球面41、44を必ずしも同一の曲率
半径でなく、各々異なった曲率半径を持ったレンズとし
ても、各々の球面に沿ってレンズを動かしさえすれば、
対レンズ4L全体として一定の凸レンズ又は凹レンズの特
性を持たせる事も可能である。この時、一方のレンズ、
例えば4L2を固定すれば、これに球面収差等の補正を加
える事が出来ることは、先の図3で説明したのと同じで
ある。また、レンズの平面42、43については、特に画面
が広角になる場合、画角の差により平面との入射角に差
が生じ収差が生じるのを防ぐため、図の42W、43Wで示さ
れるように入射光方向に凸の構造とすることも出来る。
さらに図7に示されるように、例えば中心に固定された
レンズ7L3を挟んだ状態で両側のレンズ7L1、7L2を各々独
立して動かす形の対レンズ7Lも可能であり、これは図2
の組み合わせを2つ並べたものと等価になる。
【0015】図5には本発明の第3の実施例を示す。
これは、これまでの実施例ではレンズ表面が球面であっ
たのに対し、ここでは円柱状のシリンドリカル面を導入
したものである。具体的には、図5aに示される通り、
一方に凸面シリンドリカル面51と他方に平面52を持った
シリンドリカルレンズ5L1と、これと対をなしてこのシ
リンドリカル面と補完する形の凹面のシリンドリカル面
54と平面53とを持ったシリンドリカルレンズ5L2とを組
み合わせた対レンズ5Lにより、平面52と53とで成る楔形
プリズム光学系を構成し、更に該対レンズ全体を光軸X5
を中心に回転出来る構成としたものである。ここでは、
一方又は両方のレンズを各シリンドリカル面に沿って動
かす事により該楔形プリズムの屈折角を連続的に変える
事が出来ると共に、対レンズ全体を光軸中心に回転する
事により屈折方向を変える事が出来る。この場合、レン
ズを動かす方向はシリンドリカル面に沿った一方向のみ
に制限されるが、逆にそれだけ動かす制御機構は簡単に
出来る。勿論この場合も対レンズは一方又は両方を各々
シリンドリカル面に沿って動かす事が出来る。
【0016】また、図5bは図5aの対レンズプリズム
光学系を正面から見た図を示す。この対レンズ全体をそ
の光軸に沿って角度β1だけ回転させる機構を備える
と、このプリズムの屈折方向は同じβ1だけ回転する。
即ち、この対レンズプリズムはレンズをシリンドリカル
面に沿って動かす事により屈折角を変化させ、さらにこ
の対レンズプリズム光学系全体を回転させる機能を備え
る事により、屈折方向を可変にする事が出来る。従っ
て、これにより前述の球面レンズの場合と同様にすべて
の方向、角度に自由に屈折角を取れる楔形プリズムが構
成される。図5aではレンズ5L1をシリンドリカル面に
沿って下方に動かした事により、対レンズが下方にα1
の屈折角を持つ楔形プリズム光学系を構成し、光軸X5に
至る入力光軸がX5Dとなっているが、この対レンズ全体
をそのまま光軸に沿って角度β1だけ回転する事によ
り、屈折方向がそのまま角度β1だけ回転されている。
また先の図2の場合と同様に、図5aの光学系に於ける
レンズ5L1のみでも可変屈折角光学系を構成する事が出
来る。但しこの場合には、屈折プリズムとしての機能に
加え、シリンドリカルレンズとしての一方向への画像の
拡大・圧縮機能が伴うので、入力画像の光軸屈折ととも
に画像の一方向への拡大縮小を伴う用途に応用される。
なお、凸凹のシリンドリカル面のレンズを組み合わせ
て屈折角を変える構成については、これまでもカメラの
距離計ファインダー部等に応用されている例がある。し
かし、これはあくまで横方向に画面をわずかに動かす限
られた動作をするためのものであり、全方向に自由な画
像屈折動作を実現する本発明とは、その目的、機能を異
にするものである。
【0017】さらに、これを展開した応用例として、図
6に対となるシリンドリカルレンズ6Lの各々のシリンド
リカル面の曲率半径を変えた構成のものをその断面で示
す。この構成では、対のレンズ自身が各レンズのシリン
ドリカル面に沿った動きにより可変屈折角の楔形プリズ
ムとして働くとともに、両レンズの曲率半径の組み合わ
せにより対レンズ全体としてシリンドリカル凸又は凹レ
ンズとして機能させる事が出来る。さらにこの場合も、
動かすレンズ例えば6L1はシリンドリカル面とするが、
固定されるレンズ例えば6L2の方には、シリンドリカル
面に対し非球面構造を導入するなど、シリンドリカルレ
ンズとしての球面収差など収差補正の機能を組み込むこ
とが当然可能である。この対レンズの構成により、可変
屈折角の楔形プリズムとしての機能に加えて、対レンズ
全体としてその焦点距離を調整したシリンドリカルレン
ズ機能を用いて、観測する画面を上下又は左右など一方
向に拡大または圧縮して観測する事が出来る。なお、図
6の実施例では、回転するシリンドリカルレンズは凹型
レンズの場合を説明しているが、これは凸型であっても
良く、さらに対レンズ全体としてのレンズ機能を持たせ
るためには、各レンズのシリンドリカル面の曲率半径を
相互に変えることだけでなく、楔形プリズムを構成する
レンズの平面にさらに凸または凹のレンズ機能を付加出
来ることは改めて説明するまでもない。
【0018】次に、図1に本発明の第4の実施例を示
す。即ち、図1は本発明の第2の実施例である図3の可
変屈折角プリズムを光学系として構成された、立体左右
画面を上下に並べて表示する立体視方式用の立体視眼鏡
の実施例である。先ず図1aに於いて、立体表示面11に
表示された立体左右画面11L、11Rをそれぞれ立体視眼鏡
光学系1LL,1LRを通して観測する事により、左右画面11
L、11Rをそれぞれ左眼、右眼の正面の光軸X1L、X1Rの上に
見る様にするものである。この場合、各々の画面11L、11
Rの中心P1L、P1Rから左右の眼鏡レンズ1LL,1LRに至る入
力光軸X1LP、X1RPを、眼鏡レンズの光軸X1L、X1Rに合致さ
せるための眼鏡レンズの屈折角α2及び屈折方向回転角
度β2は、これらの画面の大きさ及び画面までの距離d
によって種々異なった値となるが、本発明の立体視眼鏡
では、これらの角度に合わせて楔形プリズムのレンズを
その球面に沿って動かす事により上下左右全方向に屈折
角を変化出来るので、任意の位置から立体表示面を観測
する事の出来る可変屈折角立体視眼鏡が実現される。図
1bは立体視眼鏡の正面図である。立体視眼鏡光学系1L
L、1LRはそれぞれ可動レンズ1LL1、1LR1と固定レンズ1LL
2、1LR2とから構成されているものとする。特にこの実施
例の場合、眼鏡の左右光学系に於ける光軸は相互に逆の
方向であるが等しい量の屈折となる。これを得るため
に、両光学系のレンズを一義的に相互に逆方向に同一量
でただ一回だけ動かすこととなり、従って、一回の単純
な動作で簡単に光軸屈折が出来る特長がある。具体的に
この角度の調整は、図1bで示される通り、上下左右全
方向に移動可能なレンズ1LL1,1LR1について、それぞれ
のレンズについて太い矢印で示されるように、光軸を屈
折すべき方向に相互に反対方向で同じ量だけ動かす事に
より設定する事が出来る。
【0019】なお、図1の実施例は図3に示される全方
位への可変屈折角プリズムにより立体視眼鏡を構成した
ものであるが、同様にして、本発明の一連の全方位可変
屈折角プリズムを用いる事により、カメラや望遠鏡等に
於ける手ブレ防止とか投影プロジェクタに於ける画面ブ
レ防止等の、光学系の光軸のブレを補正するブレ防止装
置、さらに光軸の偏向機能を積極的に応用したカメラを
動かさないパンニング装置等を簡単に構成する事が実現
出来る。
【0020】一方、図8に本発明の第5の実施例を示
す。即ち、図8は本発明の第3の実施例のシリンドリカ
ル面を持つ楔形プリズム光学系を用いた立体視眼鏡の実
施例である。これは図8aに示される通り、立体視眼鏡
の光学系として、図6の場合の球面により全方向に光軸
を屈折する事を可能にした可変屈折角プリズムに代わ
り、シリンドリカル面を持ちかつその面に沿って動かす
レンズ8LL1,8LR1を含む対レンズ8LL,8LRで構成される可
変屈折角プリズムを用いたものである。この場合も対レ
ンズの一方の8LL2、8LR2は固定されているものとする。
この場合も、立体表示画面81はその大きさ、画面の距離
dにより画面81L、81Rを重ね合わせて見る屈折角が種々
変わってくるので、これに対応した屈折角の変化調整が
必要になる。ここでは図8bの正面図で示される通り、
各対レンズ光学系8LL,8LRを各々光軸X8L、X8Rを中心に入
力光軸X8LP、X8RPの傾きに合わせて、必要な角度β3だけ
回転する事によりその屈折方向を定め、さらに各眼鏡光
学系に於けるシリンドリカル面を持つレンズ8LL1,8LR1
をそのシリンドリカル面に沿って動かす事により屈折角
α3を定めて、全方向に対し屈折角を変化調整する可変
屈折角立体視眼鏡を実現した。
【0021】
【発明の効果】立体左右画面を光学的に重ね合わせて見
る二眼式立体視方式の立体視眼鏡や光学画像のパンニン
グ、更には光学画像の手ぶれ防止等には、画像の光軸を
動かす可変屈折角プリズムは不可欠な光学系である。通
常の楔形プリズムを組み合わせる方式や、液体レンズ方
式等、これまでもいくつかの実施例はあるが、いずれも
構造が複雑であり、それぞれ特殊な用途に限られた分野
でしか利用されていなかった。特に従来のプリズムを用
いたプリズム眼鏡式立体視方式に於いては、通常は固定
プリズムによりその屈折角が固定され立体視し観測する
位置が限られ固定されてしまうため、立体視自身をなじ
みにくいものとし、その普及を阻害する最大の要因にな
っていたと言っても過言ではない。これに対し本発明
は、全方向に対して可変屈折角を可能にするプリズムを
小型安価に実現する事により、全方位可変屈折角のプリ
ズム立体視眼鏡が小型安価で実現出来るようになったた
め、3次元画像がその主役になる今後の情報化社会に於
いて、その立体視を身近に手軽に導入する事を可能にし
た。この結果、本発明の今後のマルチメディアを中心と
する一般情報化社会への貢献は計り知れないものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第4の実施例である立体視眼鏡を示す
図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す図。
【図3】本発明の第2の実施例を示す図。
【図4】表面曲率半径の異なるレンズを対とする構成の
対レンズを示す図。
【図5】本発明の第3の実施例を示す図。
【図6】シリンドリカル面の曲率半径の異なるシリンド
リカルレンズを対とする構成の対レンズを示す図。
【図7】固定されたレンズを挟んだ可動レンズを持つ構
成の対レンズを示す図。
【図8】本発明の第5の実施例である立体視眼鏡を示す
図。
【符号の説明】
1LL、1LR、8LL、8LR、 立体視
眼鏡光学系 5L1、5L2、6L1、6L2、8LL1、8LR1、8LL2、8LR2、 シリン
ドリカルレンズ 11、11L、11R、81、81L、81R、 立体表
示画面 21、21D、31、41、44、 球面レ
ンズ面 22、22D、32、33、42、42W、43、43W、52、53、 レンズ
面 51、54、 シリン
ドリカルレンズ面 3L、4L、5L、6L、7L、 対レン
ズ光学系 1LL1、1LR1、1LL2、1LR2、3L1、3L2、3L1D、3L1U、4L1、4L2、7L1、
7L2、7L3、 レンズ 2L、2LD、2LU、 球面レ
ンズ d 距離 P1L、P1R、P8L、P8R、 画面の
中心 r レンズ
球面曲率半径 X1L、X1R、X2、X3、X5、X8L、X8R、 レンズ
光軸 X1LP、X1RP、X2D、X2U、X3D、X3U、X5D、X8LP、X8LR、 入力光
軸 α1、α2、α3、 屈折角
度 β1、β2、β3、 回転角
度 θ、 傾斜角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面が球面で構成されるレンズを含
    み、該レンズを該球面に沿って動かす機能を有しこれを
    動かす事により、その動く方向と量に応じ該レンズの他
    方の面の屈折角と屈折方向を連続的に変える、可変屈折
    角機能を備えた可変屈折角光学系。
  2. 【請求項2】一方の面が平面で他方の面が互いに凸凹相
    補完する形状の球面とする一対のレンズを合わせて、該
    一方の平面の対で構成される楔形プリズムを形成し、該
    対となるレンズの少なくとも一方をその球面に沿って動
    かす機能を有しこれを動かす事により、その動く方向と
    量に応じその一方の平面の対で規定される該楔形プリズ
    ムの屈折角、屈折方向を連続的に変える機能を持つ可変
    屈折角プリズム。
  3. 【請求項3】一方の面がシリンドリカル面で構成される
    レンズを含み、該レンズをそのシリンドリカル面に沿っ
    て動かす機能を有しこれを動かす事により、その動く量
    に応じ該レンズの他方の面での屈折角を、また該レンズ
    をその光軸を中心に回転させる機能を有しこれを動かす
    事によりその屈折方向を、連続的に変える可変屈折角機
    能を備えた可変屈折角光学系。
  4. 【請求項4】一方の面が平面で他方の面が互いに凸凹を
    補完する形状のシリンドリカル面とする一対のレンズを
    合わせて、該一方の平面の対で構成される楔形プリズム
    を形成し、該対となるレンズの少なくとも一方をそのシ
    リンドリカル面に沿って動かす機能を有しこれを動かす
    事により、その動く量に応じ該楔形プリズムの屈折角
    を、また該対となるレンズ全体をその光軸を中心に回転
    させる機能を有しこれを動かす事により屈折方向を、連
    続的に変える機能を持つ可変屈折角プリズム。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4の何れかの可変屈折
    角光学系を含む事により屈折方向、屈折角を変える機能
    を持つ眼鏡光学系により構成されることを特長とする、
    可変屈折角立体視眼鏡。
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