JPH0682540B2 - 厚膜抵抗素子及びそれを内蔵する電子管 - Google Patents

厚膜抵抗素子及びそれを内蔵する電子管

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JPH0682540B2
JPH0682540B2 JP61149573A JP14957386A JPH0682540B2 JP H0682540 B2 JPH0682540 B2 JP H0682540B2 JP 61149573 A JP61149573 A JP 61149573A JP 14957386 A JP14957386 A JP 14957386A JP H0682540 B2 JPH0682540 B2 JP H0682540B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、厚膜抵抗素子、及びそれを電圧分割供給用
として内蔵する例えばカラー受像管、撮像管などの陰極
線管、進行波管、クライストロン、X線管、あるいはX
線イメージインテンシファイア等の電子管に関する。
(従来の技術) 厚膜抵抗素子は、周知のように、種々の電子デバイスに
用いられ、中でも電子管においては真空容器内に配置さ
れて使用される。
従来、例えばカラー受像管において、陽極電圧以外に、
例えばコンバージェンス電極やフォーカス電極等に高電
圧を供給する場合、ステム部からリード線を介して高電
圧を供給すると不所望な放電などを生じるので、受像管
内の電子銃構体部分に分圧用の厚膜抵抗素子を組み込
み、これによって陽極電圧を分圧して夫々の電極に高電
圧を供給する構成が採用される。その一例は、特開昭55
−14627号公報に示されている。
管内に内蔵される分圧用の厚膜抵抗素子は、アルミナセ
ラミックス製の絶縁基板上に酸化ルテニウム(RuO2)−
ガラス系からなる抵抗層をジグザグパターン状に印刷塗
布し、これを焼成したうえこの抵抗層を覆うように硼硅
酸鉛ガラスからなる絶縁被覆層を形成する。そしてこれ
を550〜650℃でおよそ20〜30分間焼成する。また、この
絶縁被覆層の材料に酸化アルミニウムを含有させてカラ
ー受像管の製造工程のとくに高電圧ノッキングによる抵
抗値の変化を抑制するものである。
ところで、内部が真空の電子管に内蔵されるこの種分圧
用の厚膜抵抗素子に要求される条件としては、 電子管製造工程中の加熱工程などを経ても抵抗値が
安定であること、 動作中に発生するジュール熱や高電界中に晒されて
も抵抗値変化やガス放出が少ないこと、 散乱電子が当っても、二次電子放出源にならないこ
と、 等が挙げられる。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、従来から知られるこの種の厚膜抵抗素子を内
蔵する電子管では、第6図に点線曲線Pで示すように、
動作初期からおよそ200〜300時間内で抵抗値が大きく変
化する現象をもつことが確認される。またこの抵抗値の
変化は、高電圧がかかる部分でとくに顕著である。この
ように部分的に抵抗値が変化すると、各管内電極への供
給電圧配分が変化してしまう。このため電子レンズ作用
が劣化してしまい、例えばカラー受像管などでは画面の
フォーカス性能が劣化し、画質低下となってしまう。
この発明は以上のような事情に鑑み、厚膜抵抗素子の抵
抗値の変化がきわめて少なく、また、管内電極への電圧
配分が長時間の動作でもほとんど変化しない複数個の管
内電極を有する電子管を提供することを目的とする。
(発明の概要) この発明は、絶縁基板上の抵抗体層を覆う絶縁被覆層
が、酸化鉄と、ニッケル、クロム、コバルト、亜鉛、
銅、ジルコニウム、カドミウムの中から選択された少な
くとも1つの遷移金属酸化物とを含んでなる厚膜抵抗素
子、及びこの厚膜抵抗素子を複数個の管内電極有する真
空容器の内部に内蔵させた電子管である。
(作用) 後述するように、従来の構成の場合は抵抗体層からそれ
を覆う絶縁被覆層に、これら抵抗体層及び絶縁被覆層の
共通構成成分である酸化鉛が溶出し、これが原因となっ
て抵抗値を大きく変化させているものと考えられる。そ
れに対してこの発明によれば、厚膜抵抗素子の絶縁被覆
層が酸化鉄を必須とし、これにニッケル、クロム、コバ
ルト、亜鉛、銅、ジルコニウム、カドミウムの中から選
択された少なくとも1つの遷移金属酸化物を含有するこ
とにより、抵抗体層から絶縁被覆層への酸化鉛の溶出が
抑えられる。それによって、高温あるいは高電界中で長
時間動作させても抵抗値の変化がきわめて少ない厚膜抵
抗素子を得ることができる。その理由は、絶縁被覆層
が、いずれも塩基性酸化物である酸化鉄およびその他の
遷移金属酸化物を含むことにより、絶縁被覆層の酸性度
が低く抑えられており、抵抗体層中の酸化鉛(PbO)が
絶縁被覆層に溶出して行く反応が少ない。こうして、抵
抗体層の抵抗値の変化が抑制される。
また、この厚膜抵抗素子を分圧用として真空容器内に内
蔵して管内電極に電圧を供給するように構成した電子管
は、高温の製造工程を経たり、高真空で、高電圧が印加
される動作条件下で長時間動作させても、抵抗値の変化
がきわめて少なく、電子レンズ作用等の劣化を防止する
ことができる。したがってきわめて信頼性の高い電子管
の動作特性を得ることができる。
(発明の実施例) 以下図面を参照してその実施例を説明する。
第1図は、この発明をカラー受像管に適用した例であ
る。図中の符号11は真空容器を構成するガラス容器のネ
ック部、12はそれに連続するファンネル部、13はそれら
の内面に塗布されたアノード電極被膜、14はステム部、
15は外部リード、16は電子銃構体、Kはそのカソード電
極、G1は第1グリッド電極、G2は第2グリッド電極、G3
は第3グリッド電極、G4は第4グリッド電極、G5は第5
グリッド電極、G6は第6グリッド電極、G7は第7グリッ
ド電極、G8は第8グリッド電極、GCはコンバージェンス
電極、17はスプリング接触子、18、19は一対の電極支持
用絶縁ビードガラスをあらわしている。各電極は、3原
色に対応して3組整列されている。なお各電極間の管内
での電気的な短絡接続の構成は、図面および説明を簡単
にする意味で省略してある。
そこで、この電子銃構体の一部に、細長い板状の厚膜抵
抗素子21が、ビードガラスの1つの外側に沿わせて固定
されている。そしてこの抵抗素子21の高電圧側端子22が
コンバージェンス電極GCに、また分圧用中間端子23、2
4、25がそれぞれ第7グリッド電極G7、第6グリッド電
極G6、第5グリッド電極G5に、各接続導体を介して電気
的に接続されている。さらにステム側すなわち低電圧側
端子26は、ステムに貫通植設されたリード15の1つに接
続されている。こうして、複数個の管内電極には、厚膜
抵抗素子21によりアノード電圧から所定の分圧比で電圧
配分され、供給される。そして所要の電子レンズを構成
する。
さて、厚膜抵抗素子21は、第2図および第3図に示すよ
うな構成を有する。第2図はその中央縦断面図、第3図
は外表部を構成する絶縁被覆層上から透視した平面図で
ある。
好ましい製造手順にしたがって説明すると、まず酸化ア
ルミニウムが約96重量%のセラミックス製の細長い絶縁
基板27を用意する。なおこの絶縁基板の材料としては、
酸化アルミニウムを主成分に、他に酸化硅素、酸化マグ
ネシウム、あるいは酸化カルシウム等を含有したセラミ
ックスでもよく、あるいはまたガラス基板等であっても
よい。この絶縁基板27の所要複数箇所に抵抗抗の島状電
極28、28…を印刷塗布し、これら島状電極に貫通ピンを
含むステンレス製の端子22、23、24、25、26を電気的に
接続して設ける。
次にこの絶縁基板27の一面上に、酸化ルテニウム(Ru
O2)粉末と、酸化鉛(PbO)及び酸化硅素(SiO2)を主
成分とするガラス質材料粉末との無機混合物を溶融、混
練して得られる抵抗材料をジグザグパターン状に印刷塗
布する。これは各島状電極に接合されるとともに各島状
電極間に形成されて抵抗体層29となる。
この抵抗体層29は、酸化ルテニウム、酸化鉛及び酸化硅
素を主成分とするものであるが、これに酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化ビスマスの少なくとも一つを含有
させてもよい。そして、低抵抗の各島状電極28、28…
は、抵抗体層29と同様に、酸化ルテニウム、酸化鉛及び
酸化硅素を主成分とするが、それに酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化ビスマスの少なくとも一つを含有させ
てもよく、酸化ルテニウム/ガラス成分比を抵抗体層29
よりも大きくして低い面積抵抗値を得る。
そして次に、このように島状電極、抵抗体層等を塗布し
た絶縁基板を、大気中において、約550〜1000℃の範囲
の温度、例えば650℃で焼成する。そして抵抗体層の抵
抗値をレーザートリミングにより調整する。
次に、抵抗体層29及び島状電極28の一部を覆うように、
硼硅酸鉛ガラス材料である10重量%の酸化硼素(B
2O3)、27重量%の酸化硅素(SiO2)、55重量%の酸化
鉛(PbO)、5重量%の酸化アルミニウム(Al2O3)、さ
らにこれに3重量%(Fe2O3として添加されているもの
として算出)の酸化鉄を含有する絶縁被覆層30の材料
を、ペースト状にして厚膜印刷により塗布する。なお各
端子上には塗布せず露出したままとする。
次にこれを大気中において、約550〜1000℃の範囲の温
度、例えば600℃で焼成する。次いでさらにこれを、窒
素(N2)に約10体積%の水素(H2)を添加した雰囲気中
で、先の焼成温度よりも低い400〜550℃の範囲の温度、
例えば450℃で約30時間の熱処理をする。
なおこの絶縁被覆層30の熱処理は、塗布後に水素雰囲気
中において550〜1000℃の温度で処理してもよい。この
ような熱処理によってガラス質の絶縁被覆層30を得る。
以上の製造工程を経て、全抵抗値が500MΩの厚膜抵抗素
子を得た。
なお、抵抗体層および絶縁基板面を覆う絶縁被覆層30の
材料としては、硼硅酸鉛ガラスを主体とし、これに酸化
鉄、及びニッケル、クロム、コバルト、亜鉛、銅、ジル
コニウム、カドミウムの中から選択された少なくとも1
つの遷移金属酸化物を含有させる。このうちとくに酸化
鉄を必須とする。そして酸化鉄を0.5〜10重量%(Fe2O3
として添加されているものとして算出)、より好ましく
は2〜5重量%を含有させる。
このようにして得られる厚膜抵抗素子21を、第1図に示
すように電子管内の電子銃構体に沿わせて配設し、各電
極と分圧端子とを電気的に接続する。この発明の電子管
によれば、各管内電極に供給される分圧電位は長時間動
作でもほとんど変化しないことが確められた。すなわ
ち、電子管が比較的高温状態の製造工程を経たり、動作
中に抵抗体層自身に発生するジュール熱で高温となり、
また高電圧が印加される条件で長時間動作されても、抵
抗体層の抵抗値の変化を極めて小さな範囲にとどめるこ
とができた。
このようにこの発明により高温、高電界で長時間動作さ
れても抵抗体層の抵抗値変化を極めて小さな範囲にとど
めることができる理由について以下説明する。
本発明者らは、この抵抗値変動の要因に関し、ガラス中
に含まれる各種酸化物の性質との関係を考察した。その
結果、従来の単なる硼硅酸鉛ガラスを主体とする絶縁被
覆層をもつ厚膜抵抗素子では、抵抗体層中の酸化鉛(Pb
O)が絶縁被覆層に溶出して行く反応が起こり、抵抗値
を変えているものと推論できる。すなわち、従来の硼硅
酸鉛ガラスからなる絶縁被覆層は、塩基性の酸化鉛(Pb
O)を含むものの、強酸性である酸化硅素(SiO2)およ
び酸化硼素(B2O3)により酸性度が非常に高い。この絶
縁被覆層が単に抵抗体層上に載っている状態では両層間
の反応は進まない。しかし、厚膜抵抗素子の使用中にジ
ュール熱で両層が温度上昇すると、絶縁被覆層の酸性度
を中和する方向で抵抗体層の酸化鉛(PbO)が絶縁被覆
層に溶出する反応が起こる。それによって、抵抗体層の
抵抗値が変化するものと考えられる。
それに対してこの発明による厚膜抵抗素子は、その絶縁
被覆層がいずれも塩基性酸化物である酸化鉄と、酸化ニ
ッケル、酸化クロム、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化
銅、酸化ジルコニウム、酸化カドミウムのような遷移金
属酸化物とを含む構成であるため、絶縁被覆層の酸性度
が低く抑えられている。したがって、厚膜抵抗素子の使
用中に温度上昇しても、両層の反応即ち抵抗体層から絶
縁被覆層への酸化鉛(PbO)の溶出が抑制され、抵抗値
の変化が抑制される。なおとくに、絶縁被覆層に含まれ
る酸化鉄は、2価および3価(即ちFeOと、Fe2O3)とし
て共存する。これらはいずれも塩基性酸化物であるが、
塩基度は2価の鉄(Fe2+)の方が高いので、それだけ抵
抗体層中の酸化鉛(PbO)が絶縁被覆層に溶出する反応
が少なくなり、抵抗値の変化が抑制される。そのため、
酸化鉄中の鉄の90%以上が2価の鉄(Fe2+)となってい
るようにすることがより望ましい。
このような推論に基き、実証を試みた。種々の状態で含
有される酸化鉄を含む絶縁被覆層をもつ抵抗素子の、各
絶縁被覆層の状態を分析した。すなわち、電子管に抵抗
素子を内蔵させる前の段階で、各絶縁被覆層の断面の構
成元素の分布状態を電子線励起X線マイクロアナライザ
(EPMA)により分析した。なお使用した装置は、日本電
子(株)製の高速広域マルチアナライザー(JCMA-733)
で、元素分布をその元素の濃度分布として表示できる機
能を有する特殊なEPMAである。そして各抵抗素子を受像
管内に組込み、30kVのアノード電圧で約3000時間動作さ
せた。そして動作所期の抵抗値に対する3000時間後の抵
抗値の変化量に程度に応じてほぼ3つのランクに分類
し、抵抗値の変化量と動作前の絶縁被覆層の状態分布と
を対応させた。その結果、動作前に第4図のAに示すよ
うな鉄のL線スペクトルが確認されたものは、抵抗値の
変化量が約4%で、とくに200〜300時間付近で大きく抵
抗値が変化する傾向を示したものである。なおこの測定
は、化学結合の変化による影響がその波長や形状に敏感
に表われる鉄のL線を、加速電圧10keVで行なった。ま
た、同図Bに示すものは、抵抗値の変化が約2%のもの
である。さらにまた同図にCで示すものは約3000時間動
作させても抵抗値の変化がほとんどなかったものであ
る。そして対比のために第4図には標準試料として用い
たFeO及びFe2O3の鉄のL線スペクトルを示している。
第4図に示す分析の比較から、Aの状態のものは、FeO
(Fe2+)とFe2O3(Fe3+)とが共存しており、Bの状態
のものは、Fe2+およびF3+の共存が認められるもののFe
3+として存在する量が減っていること、Cの状態のもの
はFe2+だけの単一状態になっていることがわかる。した
がって、抵抗値の変化をより一層小さく抑えるために
は、初期から絶縁被覆層の酸化鉄の鉄がFe2+だけの単一
状態になっていることが望ましいことがわかる。
また本発明者らは、厚膜抵抗素子として、全抵抗値を50
0MΩとし、絶縁被覆層が酸化鉄を含むか、含まない以外
は同一の抵抗体素子を種々作製し、これらを第1図に示
したような構造を有する受像管内に取り付け、両端端子
間に受像管のアノード電圧である30kVの電圧を印加し約
3000時間動作させ、全抵抗値の変化量を調べた。第5図
に、絶縁被覆層の酸化鉄の含有量(Fe2O3として添加さ
れているものとして算出、重量比)と、その300時間動
作後の初期抵抗値に対する抵抗値変化量との関係につい
て示す。この第5図の結果から明らかな如く、絶縁被覆
層中の酸化鉄の量が0.5乃至10重量%の範囲にある場
合、特に2〜5重量%の範囲にある場合に、長時間動作
での抵抗値の変化を実用上問題にならない程度の小さい
値に抑えることができる。
また、絶縁被覆層に含まれる酸化鉄を形成する鉄イオン
の90%以上、さらにより望ましくは95%以上がFe2+であ
ることが望ましい。すなわち、絶縁被覆層に含まれる酸
化鉄を形成する鉄イオンの約90%がFe2+であるものは、
第6図に曲線Q1で示すように約3000時間の動作で抵抗値
の変化は約2%程度にとどめることができた。また同様
に95%がFe2+であるものは、同図に曲線Q2で示すように
1%程度に、さらに同様に100%がFe2+であるものは、
同図に曲線Q3で示すように動作初期からほとんど抵抗値
の変化が無視できる程度にとどめることができた。
そしてこのように動作初期から絶縁被覆層に含まれる酸
化鉄を形成する鉄イオンの90%以上がFe2+であるように
構成するには、前述のように絶縁被覆層が酸化鉄を0.5
乃至10重量%(Fe2O3の形で添加されているものとして
算出)含むようにし、あるいは少なくとも水素を含む雰
囲気で熱処理を施すことにより確実に得ることができ
る。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明によれば、厚膜抵抗素子を
構成する抵抗体層から絶縁被覆層への酸化鉛の溶出が抑
制され、比較的高温、高電圧のもとで長時間動作されて
も、抵抗値の変化を小さな範囲にとどめることができ
る。また、この厚膜抵抗素子を分圧用として内蔵する電
子管は、高温の製造工程を経たり、高真空で、高電圧が
印加される動作条件下で長時間動作させても、抵抗値の
変化がきわめて少なく、信頼性の高い動作特性を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す要部縦断面図、第2図
はその要部断面図、第3図はその平面図、第4図は状態
比較図、第5図および第6図はそれぞれ特性比較図であ
る。16 ……電子銃構体 K、G1〜G8、GC、13……管内電極、21 ……厚膜抵抗素子、 22〜26……端子、 27……絶縁基板、 28……島状電極、 29……抵抗体層、 30……絶縁被覆層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下間 武敏 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式 会社東芝深谷ブラウン管工場内 (72)発明者 蒲原 英治 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式 会社東芝深谷ブラウン管工場内 (72)発明者 菅原 繁 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式 会社東芝深谷ブラウン管工場内 (72)発明者 山口 秀樹 神奈川県川崎市幸区堀川町72 東芝電子デ バイスエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−121798(JP,A) 特開 昭53−100496(JP,A) 特開 昭55−14627(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に酸化ルテニウム、酸化鉛及び
    酸化硅素を主成分とする無機混合物からなる抵抗体層が
    付着形成され、この抵抗体層を覆って硼硅酸鉛ガラスを
    主体とする絶縁被覆層が設けられてなる厚膜抵抗素子に
    おいて、 上記絶縁被覆層は、酸化鉄と、ニッケル、クロム、コバ
    ルト、亜鉛、銅、ジルコニウム、カドミウムの中から選
    択された少なくとも1つの遷移金属酸化物とを含んでな
    ることを特徴とする厚膜抵抗素子。
  2. 【請求項2】絶縁被覆層は、酸化鉄が該絶縁被覆層全体
    の0.5乃至10重量%の範囲で含有されている特許請求の
    範囲第1項記載の厚膜抵抗素子。
  3. 【請求項3】絶縁被覆層は、酸化鉄中の鉄の90%以上が
    2価の鉄(Fe2+)である特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の厚膜抵抗素子。
  4. 【請求項4】真空容器と、 該真空容器内に設けられた複数個の管内電極と、 絶縁基板上に複数の島状電極が付着形成され、該島状電
    極間に抵抗体層が形成され、前記抵抗体層を覆って硼硅
    酸鉛ガラスを主体とする絶縁被覆層が設けられてなる上
    記真空容器内に配置された厚膜抵抗素子と、 上記管内電極と厚膜抵抗素子の島状電極とを電気的に接
    続する接続導体と備える厚膜抵抗素子を内蔵する電子管
    において、 上記厚膜抵抗素子は、その上記抵抗体層が酸化ルテニウ
    ム、酸化鉛及び酸化硅素を主成分とする無機混合物から
    なり、上記絶縁被覆層が酸化鉄と、ニッケル、クロム、
    コバルト、亜鉛、銅、ジルコニウム、カドミウムの中か
    ら選択された少なくとも1つの遷移金属酸化物とを含ん
    でなることを特徴とする厚膜抵抗素子を内蔵する電子
    管。
  5. 【請求項5】厚膜抵抗素子の絶縁被覆層は、酸化鉄が被
    覆層全体の0.5乃至10重量%の範囲で含有されている特
    許請求の範囲第4項記載の厚膜抵抗素子を内蔵する電子
    管。
  6. 【請求項6】厚膜抵抗素子の島状電極は、酸化ルテニウ
    ム、酸化鉛及び酸化硅素を主成分とする無機混合物から
    なるとともに抵抗体層よりも十分低い面積抵抗を有して
    なる特許請求の範囲第4項記載の厚膜抵抗素子を内蔵す
    る電子管。
  7. 【請求項7】厚膜抵抗素子の抵抗体層並びに島状電極
    は、各々が酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ビスマ
    スの少なくとも一つを含有する特許請求の範囲第6項記
    載の厚膜抵抗素子を内蔵する電子管。
JP61149573A 1986-06-27 1986-06-27 厚膜抵抗素子及びそれを内蔵する電子管 Expired - Lifetime JPH0682540B2 (ja)

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