JP7322424B2 - ネガ型感光性樹脂組成物、樹脂膜、および電子デバイス - Google Patents
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エポキシ樹脂と、
フェノキシ樹脂と、
光酸発生剤と、
式(I)で表されるポリカーボネートジオールと、を含み、
前記エポキシ樹脂は、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記ポリカーボネートジオールの重量平均分子量は、1800以下である、ネガ型感光性樹脂組成物が提供される。
nは、1以上10以下であり、
R1およびR2は、独立して、炭素数1以上8以下のアルキレン基である。
また、式(I)で表されるポリカーボネートジオールの重量平均分子量は、1800以下である。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物はエポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族多官能エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂などを挙げることができる。中でも、エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが、優れたパターン形成性を有する感光性樹脂組成物が得られるため好ましい。またエポキシ樹脂としては、25℃で固形のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、このようなエポキシ樹脂を用いることにより、得られる感光性樹脂組成物のタック性を低減することができる。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、光酸発生剤を含む。光酸発生剤は、活性光線(たとえば、紫外線、電子線、X線)の照射により光を発生する化合物であり、好ましくは、200~500nmの波長、特に好ましくは350~450nmの波長の放射線の照射により酸を発生する化合物である。このような光酸発生剤としては、感光性ジアゾキノン化合物、感光性ジアゾナフトキノン化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2-ニトロベンジルエステル化合物、N-イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン化合物、ジヒドロピリジン化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
R1およびR2は、炭素数1~8の直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、ポリカーボネートジオールの入手容易性や、得られる感光性樹脂組成物の適度な柔軟性の観点から、R1およびR2の炭素数は、好ましくは4~7、より好ましくは5~6である。
炭素数1~8の直鎖状または分岐状のアルキレン基としては、例えば、-(CH2)2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-、-C(CH3)2-、-CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH(CH3)-CH2-、-CH2-C(CH3)2-CH2-などを挙げることができる。
特に好ましくは、R1は、-(CH2)5-または-(CH2)6-である。R2についても同様である。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、フェノキシ樹脂を含んでもよい。フェノキシ樹脂を含むことにより、得られる感光性樹脂組成物の樹脂膜の可撓性を高めることができ、パターン形成性を向上することができる。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含んでもよい。これにより、感光性樹脂組成物を基板に塗布して得られる樹脂膜の厚みの均一性を向上させることができる。
界面活性剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全体を100質量部としたとき、通常0.01~10質量部、好ましくは0.05~5質量部である。この範囲とすることで、他の性能とのバランスを取りつつ、樹脂膜の厚みの均一性の向上等の効果を十分に得られると考えられる。
本実施形態のネガ型感光性樹脂組成物は、密着助剤を含んでもよい。これにより、感光性樹脂組成物で形成された樹脂膜やパターンの、基板との密着性を高めることができる。使用可能な密着助剤は特に限定されない。例えば、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、酸無水物官能型シラン、スルフィドシラン等のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エポキシシラン(すなわち、1分子中に、エポキシ部位と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)または酸無水物官能型シラン(すなわち、1分子中に、酸無水物基と、加水分解によりシラノール基を発生する基の両方を含む化合物)が好ましい。
密着助剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全体を100質量部としたとき、通常0.01~10質量部、好ましくは0.05~5質量部である。この範囲とすることで、他の性能とのバランスを取りつつ、密着助剤の効果である「密着性」を十分に得ることができると考えられる。
感光性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。使用可能な溶剤は、典型的には有機溶剤である。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ラクトン系溶剤、カーボネート系溶剤などを用いることができる。
溶剤を用いる場合、その使用量は特に限定されないが、不揮発成分の濃度が例えば10質量%以上70質量%以下、好ましくは15質量%以上60質量%以下となるような量で使用される。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記以外の種々の成分を含んでもよい。例えば、塩基性化合物、硬化促進剤、酸化防止剤、シリカ等の充填材、増感剤、フィルム化剤、溶解促進剤、溶解抑制剤などを含んでもよい。
上記のうち、塩基性化合物については、各種のアミン化合物(例えば1級アミン、2級アミン、3級アミンなど)を具体的に挙げることができる。
上記のうち、硬化促進剤については、アミジン骨格を含む含窒素複素環式化合物またはその塩(具体的には、ジアザビシクロウンデセンまたはその塩)を具体的に挙げることができる。
ネガ型感光性樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば、上述の材料を、溶媒中で均一に混合することにより得られる。
上記の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂膜を形成することができる。また、その感光性樹脂膜を露光・現像、および熱硬化することにより得られる樹脂膜は、例えば電子デバイスの永久レジスト膜として用いることができる。以下、感光性樹脂膜の形成、感光性樹脂膜の露光・現像などについて具体的に説明する。
感光性樹脂膜は、例えば、上記の感光性樹脂組成物を、任意の基板上に塗布し、必要に応じて乾燥させることで得ることができる。
基板は、未加工の基板であっても、電極や素子が表面に形成された基板であってもよい。接着性の向上のために表面処理さていてもよい。
露光は、典型的には、コンタクト露光法で実施される。コンタクト露光法では、感光性樹脂膜に、所定のパターンが描画されたフォトマスク(例えば、ガラスマスク)を接触させて、活性光線を照射する。本実施形態の感光性樹脂組成物は、活性光線に対して感光性であり、よってこの活性光線を用いるフォトリソグラフィー法を適用してパターンを形成することができる。
活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線などが挙げられる。波長でいうと200~500nmの光が好ましい。パターンの解像度や取り扱い性の点で、光源は水銀ランプのg線、h線又はi線であることが好ましく、特にi線が好ましい。また、2つ以上の光線を混合して用いてもよい。露光装置としては、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション又はステッパ-が好ましい。
露光の光量は、感光性樹脂膜中の感光剤の量などにより適宜調整すればよいが、例えば100~500mJ/cm2程度である。
露光された感光性樹脂膜を、適当な現像液により現像することで、パターンを得ること、また、パターンを備えた基板を製造することができる。
アルカリ水溶液として具体的には、(i)水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ水溶液、(ii)エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン水溶液、(iii)テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液などが挙げられる。
有機溶剤として具体的には、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)や酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、等が挙げられる。
現像液には、例えばメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や、界面活性剤などが添加されていてもよい。
以下、実施形態の例を付記する。
1. エポキシ樹脂と、
光酸発生剤と、
式(I)で表されるポリカーボネートジオールと、を含み、
前記ポリカーボネートジオールの重量平均分子量は、1800以下である、
ネガ型感光性樹脂組成物。
2. フェノキシ樹脂をさらに含む、1.に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
3. 界面活性剤をさらに含む、1.または2.に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
4. 密着助剤をさらに含む、1.~3.のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
5. 前記エポキシ樹脂が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含む、1.~4.のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
6. i線に対して感光性を有する、1.~5.のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
7. 1.~6.のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物の硬化物からなる、樹脂膜。
8. 50μm以上300μm以下の厚みを有する、7.に記載の樹脂膜。
9. 7.または8.に記載の樹脂膜を備える、電子デバイス。
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(長春人造樹脂社製、商品名CNE-195LL、重量平均分子量1120、エポキシ当量200)
・エポキシ樹脂2:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「EPPN201」、重量平均分子量4000~5000、エポキシ当量180~200、軟化点65~78℃)
・エポキシ樹脂3:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」、重量平均分子量800~900、エポキシ当量169、軟化点56~62℃)
・フェノキシ樹脂1:フェノキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「jER1256」、重量平均分子量50000)
・添加剤1:ポリカーボネートジオール1(宇部興産株式会社製、商品名「Eternacoll PH100」、重量平均分子量1000、上記式(I)において、n=6~7、R1およびR2が炭素数5~6のアルキレン基であるポリカーボネートジオール)
・添加剤2:ポリカーボネートジオール2(宇部興産株式会社製、商品名「Eternacoll PH200」、重量平均分子量2000、上記式(I)において、n=13~14、R1およびR2が炭素数5~6のアルキレン基であるポリカーボネートジオール)
・添加剤3:変性エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「YX7105」)
・添加剤4:液状エポキシ化合物(三菱化学株式会社製、商品名「YED216D」)
・光酸発生剤1:スルホニウム・ボレート塩類光酸発生剤(サンアプロ株式会社製、商品名「CPI-310B」)
・界面活性剤1:フッ素含有オリゴマー(DIC社製、商品名「R-41」)
・密着助剤1:3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(信越化学工業社製、商品名「X-12-967C」)
・溶剤1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製、商品名「AZ5200シンナー」)
各実施例、各比較例および各参考例において、表1に示すエポキシ樹脂100質量部に対し、表1に示す配合量の各成分と、溶剤1とを配合し、固形分濃度が50質量%のワニス状感光性樹脂組成物を調製した。
各実施例、各比較例および各参考例で得られた感光性樹脂組成物を、以下の項目について評価した。
上記感光性樹脂組成物を、シリコンウエハーに、3層に分けてスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で加熱し、厚さが115μm(実施例、比較例)、または30μm(参考例)の塗膜を作製した。各層の加熱時間は、それぞれ、2分間、3分間、10分間とした。作製した塗膜に、i線ステッパー(キヤノン製FPA-3000iW)を用いてi線(365nm)で、ガラスマスクを用いたコンタクト露光を行った。マスクとしては、直径50μmのビアパターンを有するものを用いた。また、露光量は、100~1100mJ/cm2の範囲で、100mJ/cm2ずつ変化させながら縮小投影露光を行った。このコンタクト露光の際に、ガラスマスクに感光性樹脂組成物が付着するかを観察した。
ガラスマスクに感光性樹脂組成物の付着が全くないものを「良好」、ガラスマスクに感光性樹脂組成物がわずかでも付着したものを「不良」として評価した。結果を表1に示す。
上記で得られた露光された塗膜を70℃で5分間加熱した(露光後加熱処理)。現像液としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いて、得られた塗膜に現像液をスプレーして未露光部を溶解除去した。次いで、200℃で90分間加熱処理をして、樹脂パターンを硬化した。得られた50μmビアパターンを、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて倍率800倍で観察し、未露光部がきれいに除去され開口が形成されているか否かを確認した。
未露光部がすべて除去され開口が形成されているものを「良好」、未露光部がわずかでも残存しているものを「不良」として評価した。結果を表1に示す。
上記のようにして得られた50μmビアパターンについて光学顕微鏡を用いて1000倍で表面観察し、クラックが生じているか否かを確認した。
クラックの発生が全くないものを「無し」、クラックの発生がわずかでもあるものを「有り」として評価した。結果を表1に示す。
Claims (7)
- 界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 密着助剤をさらに含む、請求項1または2に記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- i線に対して感光性を有する、請求項1~3のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載のネガ型感光性樹脂組成物の硬化物からなる、樹脂膜。
- 50μm以上300μm以下の厚みを有する、請求項5に記載の樹脂膜。
- 請求項5または6に記載の樹脂膜を備える、電子デバイス。
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