JP4764684B2 - スロットマシン - Google Patents
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このようなスロットマシンでは、通常、ゲームの面白さを増すために、複数のリールが一定の確率で自動的に制御されて、各リールに付された図柄が入賞ライン上で所定配列となるよう停止する、所謂「内部抽せん」と呼ばれる入賞制御が行われる。
より具体的には、内部抽せんの結果、ある内容に当せんすると、回転する複数のリールは、一定範囲内(例えば、該当する図柄の位置から図柄4コマ分の範囲内)で、遊技者の停止ボタンを押すタイミングに拘わらず、図柄が所定の入賞ライン上でその当せん内容に応じた所定の入賞配列(例えば「7・7・7」や「BAR・BAR・BAR」等)となるように停止制御(入賞制御)される。
この停止制御の結果、遊技の巧拙等に拘わらず、遊技者が一定範囲内で停止ボタンを押下すれば、図柄が所定の入賞配列となるようにリールが自動的に停止され、停止された入賞配列に応じて所定量の遊技媒体が払い出される。その結果、初心者や遊技に不慣れな者であっても、一定の確率で所定量の入賞遊技媒体を獲得できることになる。
特定遊技(役物)とは、内部抽せんの結果、所定の入賞役に当せんすると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することで特定遊技状態が開始し、通常遊技とは異なる制御で一回又は複数回のゲームが行われ、ある条件が成立することでその特定遊技状態が終了するというものである。
例えば、所謂「ボーナスゲーム」と呼ばれる遊技者に有利な特定遊技状態が知られている。このボーナスゲームには、例えば、「シングルボーナスゲーム(SB)」,「レギュラーボーナスゲーム(RB)」,「ビッグボーナスゲーム(BB)」などがある。
また、ビッグボーナス(BB)に当せん・入賞した場合は、上記のレギュラーボーナス(RB)が数セット(例えば3セット)連続する制御が行われ、例えば数百枚の大量の遊技媒体が払い出されるようにゲームが制御される。なお、ビッグボーナス(BB)は、第一種特別役物連続作動に該当するゲームとされる。
シングルチャレンジタイム(SCT)とは、内部抽せんの結果に関係なく停止ボタンの押下タイミングに応じて少なくとも一のリールが停止制御される遊技状態であって、次回のゲームのみをその状態とするものをいう。
このシングルチャレンジタイム(SCT)におけるリールの停止制御には、停止ボタンが押下された時点で入賞ライン上に位置していた図柄をそのまま入賞ライン上に停止させる制御(所謂「ビタ止め」)と、停止ボタンが押下された時点で入賞ライン上に位置していた図柄を基準としてこの図柄から所定図柄数(例えば、1コマや2コマなど)の範囲内にある図柄を入賞ライン上に停止させる制御(所謂「スベリ制御」)と、入賞ライン上の図柄の配列が所定の入賞配列とならないようにその図柄を入賞ライン上から外して停止させる制御(入賞阻止制御)とを含む。
また、停止ボタンが押下された時点で入賞ライン上に位置していた図柄の配列が「小役,小役,小役」ではなかったものの、その押下時点で入賞ライン上に位置していた図柄を基準として所定図柄数の範囲内に「小役」があるときは、内部抽せんの結果が例えば「ハズレ」であったとしても、その「小役」を入賞ライン上に停止させるようにスベリ制御を行い、この制御が三つのリールの全て又は一部に対して行われて「小役,小役,小役」が揃うことで、入賞する。
このような停止制御が行われるシングルチャレンジタイム(SCT)では、通常、スベリ制御の行われる図柄数の範囲が1コマ又は2コマ程度と少なくなっており、しかも、内部抽せんの結果の如何を問わず停止ボタンの押下タイミングにほぼ従うかたちでリールが停止するため、所謂目押しを得意とする熟練の遊技者に有利な遊技状態とされている。
なお、シングルチャレンジタイム(SCT)は、第二種特別役物に該当するゲームとされる。また、チャレンジタイム(CT)は、第二種特別役物連続作動に該当するゲームとされる。
このように、従来のスロットマシンでは、大当たり(特定遊技(役物)の入賞)により発生する特定遊技状態において、遊技者に有利な大量の遊技媒体の払い出しが行われるように制御されるものであり、このことがスロットマシンの最大の特徴となっている。
なお、例えば、ビッグボーナス(BB)の終了後、引き続きリプレイタイム(RT)が開始されるような場合には、それらビッグボーナス(BB)とリプレイタイム(RT)との間に通常遊技は存在しないことになり、この場合は、リプレイタイム(RT)が終了して次のゲーム以降が通常遊技となる。
一般に、スロットマシンゲームでは、一定確率で発生する特定遊技(役物)を除いては、この一ゲーム単位で行われる通常遊技の繰り返しが原則となる。
そして、停止制御により、入賞ライン上に所定の図柄が揃って特定遊技(役物)に入賞すると、次のゲームから特定遊技状態が開始され、遊技者に有利となるような制御が行われる。一方、リールの停止制御が行われても入賞ライン上に所定の図柄が揃わず特定遊技(役物)に入賞しなかったときは、特定遊技状態は開始されず、次のゲームも引き続き通常遊技状態による遊技が行われることになる。
この抽せん確率テーブルの具体例を、図12(a),(b)に示す。同図(a)は、3枚賭け専用機(通常遊技における遊技媒体(メダル)の賭け数が3枚に限定された遊技機)における遊技状態ごとの抽せん確率の具体例、同図(b)は、1枚〜3枚賭け機(通常遊技における遊技媒体(メダル)の賭け数が1枚,2枚,3枚のいずれをも可能とする遊技機)における遊技状態ごとの抽せん確率の具体例をそれぞれ示したものである。
なお、ビッグボーナス(BB)中及びレギュラーボーナス(RB)中は、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)について抽せんされないため、抽せん確率は定められていない。
また、1枚〜3枚賭け機の場合、通常遊技では、遊技媒体(メダル)の賭け数が少なくなるほど抽せん確率が次第に低くなっている。しかも、3枚賭けや2枚賭けに比べて、1枚賭けの抽せん確率が非常に低いものとなっている。これは、3枚賭けが遊技者にとって有利な状態となるように定められたものである。
このため、遊技者は、ボーナスゲームの当せん・入賞にある程度の期待はするものの、その期待度は抽せん確率に制約された期待度であり、それ以上の期待や興奮を高めながら遊技を行うことはできなかった。
ストック機は、当せんしたボーナスを一時貯めておき、後でまとめて放出するようにした遊技機である。これにより、擬似的に高確率状態をつくることはできる。
しかし、ストック機の場合、ボーナスのストックが貯まっているか貯まっていないかで遊技者にとって非常に不公平な状態をつくってしまうこととなっていた。
ところが、シングルボーナス(SB)等は、遊技者に有利な状態で行われるゲームが次回のゲームのみとなっているため、ビッグボーナス(BB)等のような大量獲得に結びつけることはできなかった。このため、シングルボーナス(SB)等は、ビッグボーナス(BB)等に比べて魅力の少ないゲームとなっていた。
こうした状況を改善して、遊技者にとって大量獲得の期待感の大きい魅力あるスロットマシン遊技を提供し、ホール側にとっても遊技者の来場を促して稼動率の向上を図ることができるスロットマシンとして、ビッグボーナス(BB)に依存しないゲーム性を有し、かつ、遊技媒体の大量獲得を実現可能とする新たなスロットマシンの提供が望まれるようになった。
ただし、このようなゲーム性のスロットマシンでは、チャレンジタイム(CT)において、早期にシングルボーナス(SB)に当せんした場合と、終了間際にシングルボーナス(SB)に当せんした場合とでは、遊技媒体の獲得数に大きな差が生じてしまう問題がある。
このようにすると、チャレンジタイム(CT)に移行した後、3枚賭けで小役を獲得し、チャレンジタイム(CT)の終了条件に近づいたら、1枚賭けでシングルボーナス(SB)を当せんさせることができるので、シングルボーナス(SB)の当せんでチャレンジタイム(CT)がすぐに終わってしまったり、シングルボーナス(SB)に当せんすることなくチャレンジタイム(CT)が終了してしまうことがなく、遊技者にとって、チャレンジタイム(CT)とシングルボーナス(SB)の双方のメリットを享受できるようになる。
なお、特許文献1には、遊技者に有利な賭け数を自動投入するスロットマシンが示されているが、このスロットマシンが自動投入する賭け数は、通常遊技状態における3枚賭けや、レギュラーボーナス(RB)における1枚賭けのように、遊技状態にもとづいて特定される最大賭け数(MAXベット)を自動投入するようにしたものであり、賭け数(規定数)に応じて各入賞の抽せん確率が異なるような場合には、同じ特定遊技状態においてもゲームの消化数等に応じて最も有利な賭け数は変わってくるものであり、このように最適賭け数が変化するような場合に、特許文献1の単なるMAXベット型のスロットマシンでは対応が不可能であった。
そして、遊技媒体の賭け数に応じて特定遊技状態における抽せん確率に変化を持たせることによっても、制御部で各ゲーム毎に最適賭け数が決定され、この最適賭け数の投入を促す最適投入支援が行われるので、遊技者は、どのような遊技状態にあっても、最も有利に最適賭け数を投入することができ、賭け数の誤りによって本来得られたであろう入賞や払出しを逸することがなくなり、遊技者の損失等を防止して魅力あるスロットマシン遊技を提供することができる。
このようにすると、遊技者は、常に最適ベットボタンを操作するだけで、最適賭け数分の遊技媒体を投入することが可能になる。
これにより、遊技媒体の投入が容易になるだけでなく、賭け数を間違える可能性が大幅に低減される。
このようにすると、例えば、遊技者の癖で最適ベットボタンが連打され等、不用意,不必要に最適ベットボタンが操作されても、最適賭け数の投入状態を維持することができる。
このようにすると、最適ベットボタンの操作時に、最適賭け数よりも少ない遊技媒体が投入され、遊技者がそれに気づかずにゲームを開始してしまう不都合を回避できる。
このようにすると、ランプが点灯又は点滅したベットボタンを押すだけで、最適賭け数分の遊技媒体を投入することが可能になる。
これにより、遊技媒体の投入が容易になるだけでなく、賭け数を間違える可能性が大幅に低減される。
このようにすると、表示された最適賭け数を参照することにより、最適な賭け数の遊技媒体を簡単に投入できるだけでなく、賭け数の間違いを防止できる。
このようにすると、特定遊技状態における遊技媒体の獲得数、特定遊技状態のゲーム数、及び/又は、遊技状態の移行確率にもとづいて最適賭け数が変化するようなゲーム性を実現しつつ、最適賭け数を誤りなく判断することができる。
このようにすると、第一の特定遊技状態を早期に終わらせることなく、第一の特定遊技状態と第二の特定遊技状態を繰り返し出現させ、遊技媒体の大量獲得が実現可能となる。
このようにすると、チャレンジタイム(CT)を早期に終わらせることなく、チャレンジタイム(CT)とシングルボーナス(SB)を繰り返し出現させ、遊技媒体の大量獲得が実現可能となる。
そして、遊技媒体の賭け数に応じて特定遊技状態における抽せん確率に変化を持たせつつも、各ゲームにおける遊技者にとって最適な遊技媒体の賭け数を支援することができる。
これにより、遊技者は常に最適な賭け数で遊技を行うことができ、賭け数の誤りによる遊技者の損失等を防止して、従来にはない魅力あるスロットマシン遊技を提供することができる。
ここで、以下の実施形態に示す本発明のスロットマシンは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、リールの回転開始処理,リールの停止制御処理,内部当たりの抽せん処理等を行わせる。このように、本発明にかかるスロットマシンにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク,その他コンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
まず、図1、図2を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシン本体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンを示す概略正面図、図2は、本実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
これら図に示すように、本実施形態のスロットマシンは、従来のスロットマシンと同様、スロットマシン1に備えられた複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって入賞遊技媒体を獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
具体的には、スロットマシン1は、内部にマイクロコンピュータ等で構成された制御部10及び必要な機械,装置等を収納可能な筐体状に構成されており、筐体の前面側が前扉1aによって開閉可能に覆われている。
前扉1aは、図1及び図2に示すように、スロットマシン1の筐体にヒンジ等を介して開閉自在に取り付けられる扉体で、この前扉1aに前面パネル2とその他各部が備えられてスロットマシン1の正面部を構成している。
表示器Lは、点灯・点滅するランプや液晶表示装置等からなる表示手段であり、大当たり当せん時や各種役の入賞時,遊技媒体の払出時等に、ランプが点灯・点滅したり、液晶表示装置に演出画像が表示されることによって所定の演出が行われるようになっている。
この表示器Lは、制御部10に備えられる表示器駆動回路18によって駆動制御される(図3参照)。
表示窓3は、スロットマシン1内部に配設された三つのリール(左)21a,リール(中)21b,リール(右)21c(図3参照)の視認用の窓部で、通常、無色透明又は有色透明な樹脂製パネル等からなり、三つの各リール21の周囲に描かれた複数の図柄のうち、縦方向に連続して隣接する複数(通常三つ)の図柄をそれぞれ視認,識別できるようになっている。
この表示窓3には、通常、入賞ライン表示が描かれており(図示省略)、所定の入賞ラインに沿って停止,配列されたリール21a〜21cの図柄の組合せによって、ゲームの入賞が決定されるようになっている。
スタートレバー4は、三つの各リール21の回転を開始させるゲームスタート手段であり、このスタートレバー4が遊技者の操作によって押下されることで、後述する制御部10にスタート信号が出力され(図3参照)、本体内部の各リール21a〜21cが一斉に(又は順次)回転するようになっている。
また、このスタートレバー4の押下によりスタート信号が入力されることで、制御部10において後述する内部抽せんが行われる。
従って、遊技者がこれらスタートレバー4及び停止ボタン5を操作することにより、三つのリール21a〜21cを回転及び停止させて、各リール21a〜21cに付された図柄を所定の入賞配列となるよう揃えるスロットマシン遊技を行うことができる。
また、メダル投入口6から投入されるメダルの数は、貯留メダル数として制御部10内のRAM12に記憶されるようになっており(図3参照)、遊技の開始に先立って、予め複数のメダルを投入し、貯留メダルとして貯留,記憶できるようになっている。この貯留メダル数は前面パネル2のクレジット表示部2bに数値として表示される。
ここで、最適賭け数とは、遊技状態にもとづいて一義的に特定される最適賭け数(通常遊技状態の3枚賭け、レギュラーボーナス(RB)の1枚賭け等)と、遊技状態にもとづいては一義的に特定できない最適賭け数があり、その詳細は後述する。
ベットボタン7が押下されると、その操作信号が制御部10に出力され(図3参照)、所定数のメダルが、RAM12に記憶された貯留メダルからゲームに投入される。そして、貯留メダルが投入されると、RAM12の貯留メダル数が投入数だけ減算され、クレジット表示部2bの表示数値も投入数だけ減ることになる。
遊技メダル払出口8は、停止ボタン5の押下によって停止されたリール21が所定の入賞配列となった場合に、筐体内のホッパー装置30から排出される入賞配列に応じた数量の入賞メダルが払い出されるようになっている。払い出されたメダル数は、リールの表示窓3の下側にある状態表示部を構成するペイアウト表示部2dに表示される。
このスピーカ9から発生される音声は、制御部10に備えられるサウンド回路17に生成・出力される(図3参照)。
ドラムユニット20は、三つのリール21a,21b,21cと、三つのリール21a〜21cを回転自在に保持し、各リール21a〜21cに対応するステッピングモータ23a〜23cを回転駆動することで各リール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御を行うモータ駆動回路22と、停止された各リール21a〜21cの停止位置を検出して位置信号を制御部10に出力する回胴位置検出部24を備えている(図3参照)。
各リール21a〜21cに備えられる図柄は、各リールごとに等間隔で配設され、例えば「チェリー」や「BAR」,「リプレイ」等の文字や、スロットマシンのキャラクターや果物等を示す絵柄等が、所定の順番で表示されており、通常、各リールに21個ずつの図柄が表示されるようになっている。
そして、それらリール21a〜21cの図柄が、対応する停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、上述した表示窓3の入賞ラインに沿って所定の組合せで停止されることで入賞が決定される。
ドラムユニット20では、三つのリール21a〜21cは対応する三つのステッピングモータ23a〜23cによってそれぞれ回転自在に保持されており、スタートレバー4及び停止ボタン5a〜5cが押下操作されることで、モータ駆動回路22が制御部10からパルス(駆動)信号を入力してステッピングモータ23a〜23cを駆動して(図3参照)、対応するリール21a〜21cの回転の始動,定速回転及び停止の制御が行われる。
これにより、スタートレバー4からのスタート信号を契機として制御部10で内部抽せんが行われ、制御部10からの制御信号によりドラムユニット20が制御されることで、停止ボタン5が押下されるタイミングに拘わらず、一定範囲内で内部抽せんの結果に応じた停止位置で各リール21a,21b,21cが停止されることになる。
このホッパー装置30から排出されるメダルが、前扉1aの遊技メダル払出口8からスロットマシン前面に払い出されて遊技者に提供されることになる。
内部当たり告知部2aは、スロットマシン1の制御部10における内部抽せんの結果、所定の大当たりに当選した場合に点灯又は点滅するランプと、ランプの光によって絵柄等を透光表示させる透光表示部とを有している。
すなわち、クレジット表示部2bは、貯留メダル数が表示され、状態表示部2cは、特定遊技状態中のメダルの払出総数や消化ゲーム数が表示され、ペイアウト表示部2dは、各入賞払出時の払出数が表示される。
以上の内部当たり告知部2aと、クレジット表示部2bと、状態表示部2cと、ペイアウト表示部2dの各表示部は、制御部10に備えられた表示駆動回路16によって駆動制御される(図3参照)。
次に、本実施形態のスロットマシン1を制御する制御部10について、図3を参照して説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部を示すブロック図である。
この図に示すように、制御部10は、上述したスロットマシン1の各部を制御する制御手段であって、CPU11,記憶手段となるRAM12及びROM13,基準クロックを発生するクロック発生回路14,内部抽せん用の乱数を発生する乱数発生回路15,各表示部2a〜2dを駆動する表示部駆動回路16,スピーカ9を介して音声を発生させるサウンド回路17,演出用の表示器Lを駆動させる表示器駆動回路18等を備えている。
そして、本実施形態では、最適ベットボタン7bが操作されると、制御部10が、遊技者にとって最も有利になる遊技媒体の最適賭け数を当該ゲーム毎に決定し(最適賭け数決定手段)、決定された最適賭け数となるようにメダルの投入処理を行うようになっている(最適賭け数投入支援手段)。
また、制御部10は、ドラムユニット20から入力されるマーカー信号により、各リール21a〜21cの停止図柄を認識し、この停止図柄が所定の入賞配列か否かを判定するようになっており、判定の結果、所定の入賞配列であるときは、入賞の種類に応じた枚数のメダルの払出処理を行うようになっている。
内部抽せんは、各ゲーム毎に行われる抽せん処理であり、カウンタIC等からなる乱数発生回路15とROM13に予め設定,記憶された抽せんテーブルにより実行され、抽出された乱数が抽せんテーブルのいずれの領域に属しているかで、その属する領域が示す内容が抽せん結果として決定・当選するようになっている。
具体的に説明すると、乱数発生回路15は、所定の乱数幅の範囲(例えば1〜16384)で乱数を発生させる。抽せんテーブルは、ROM13に格納されるデータテーブルからなり、乱数値が取り得る範囲(1〜16384等)に対応して所定の当選内容が割り当てられている。
そして、スタートレバー4が押下された瞬間に乱数発生回路15から一の乱数が抽出され、その抽出された乱数が抽せんテーブルの値と照合されることにより、その乱数が属する当選内容が抽せん結果として決定され、その当選内容に応じてリール21の停止位置が制御され、ある入賞内容に当選すると、遊技者の停止ボタン5を押すタイミングに拘わらず、一定範囲内で各リール21に付された図柄がその入賞内容に応じた配列となるように停止制御されることになる。
なお、本実施形態においては、それら抽せんテーブルと抽せん確率テーブルとを総称して「内部抽せん用テーブル」という。
ここで、本実施形態の内部抽せん用テーブルは、遊技者にとって最も有利になるメダルの最適賭け数が、遊技状態にもとづいて一義的に特定されないように、特定遊技状態(例えば、CT)における内部抽せんの抽せん確率を、メダルの賭け数に応じて変化させる設定となっている。このようにすると、ビッグボーナス(BB)のみに依存することなく、遊技媒体の大量獲得が可能なゲーム性を実現することができる。
そして、制御部10が、遊技状態によって一義的に特定されない遊技者にとって最も有利になる遊技媒体の最適賭け数を、ゲーム毎に決定する最適賭け数決定手段と、投入される遊技媒体が最適賭け数決定手段で決定された最適賭け数となるように支援する最適賭け数投入支援手段として機能するようになっている(図7〜図10参照)。
以下、本実施形態に係るビッグボーナス(BB)のみに依存することなく、遊技媒体の大量獲得が可能なゲーム性を実現する内部抽せん用テーブルの具体例について説明する。ただし、ここで適用する「特定遊技状態」,「抽せん確率」,「賭け数」等は任意に定めることができ、以下の例に限定されないことは言うまでもない。
図4の(a)は、本実施形態に係るスロットマシンで使用される内部抽せん用テーブルの第一具体例を示す説明図、図4の(b)は、第一具体例の内部抽せん用テーブルを使用した場合における獲得枚数期待値を示す説明図、図5の(a)は、本実施形態に係るスロットマシンで使用される内部抽せん用テーブルの第二具体例を示す説明図、図5の(b)は、第二具体例の内部抽せん用テーブルを使用した場合における獲得枚数期待値を示す説明図である。
また、図6は、本一実施形態に係るスロットマシンの遊技状態の移行を示す説明図である。
チャレンジタイム(CT)は、所定の終了条件が成立するまでゲームが続く特定遊技状態であって、この遊技状態では、原則として、内部抽せんの結果に拘わらず図柄を揃えることができるため、目押しによって小役をほぼ100%獲得できる。本実施形態では、小役の払い出し枚数を15枚とし、払い出し総数が120枚でチャレンジタイム(CT)を終了させる。
シングルボーナス(SB)は、一回のゲームで終了する特定遊技状態であって、ここでチャレンジタイム(CT)に当せんすると、再びチャレンジタイム(CT)を行うことが可能になる。
すなわち、メダル賭け数については、通常遊技状態で3枚、チャレンジタイム(CT)で3枚又は1枚、シングルボーナス(SB)で2枚と定めている。
一方、抽せん確率については、通常遊技中における小役の抽せん確率を1/6.0、リプレイ(RP)の抽せん確率を1/7.3、チャレンジタイム(CT)の抽せん確率を1/300と定め、チャレンジタイム(CT)中の1枚賭けにおけるシングルボーナス(SB)の抽せん確率を1/1.2(第二具体例では、1/1.0)と定め、更に、シングルボーナス(SB)中における小役の抽せん確率を1/6.0、リプレイ(RP)の抽せん確率を1/7.3、チャレンジタイム(CT)の抽せん確率を1/1.5と定める。
すなわち、チャレンジタイム(CT)中におけるシングルボーナス(SB)の抽せん確率は、メダルの賭け数に応じて変化する。これにより、遊技者に最も有利な遊技媒体の賭け数を、遊技状態にもとづいて一義的に特定することが困難になる。
まず、初期の遊技状態は通常遊技状態であり、遊技者は、チャレンジタイム(CT)の入賞を期待しながら遊技を行う。ここで、チャレンジタイム(CT)に入賞すると、遊技者に有利なチャレンジタイム(CT)に移行する。チャレンジタイム(CT)では、遊技者の目押しによって小役をほぼ100%獲得できるので、所定の終了条件(例えば、払い出し総数120枚)を満たすまでの間に、遊技者は多くのメダルを獲得できる。また、チャレンジタイム(CT)では、シングルボーナス(SB)の抽せん確率が高く設定されているので(図4(a)の例では「1/1.2」、図5(a)では「1/1.0」)、チャレンジタイム(CT)の終了後にシングルボーナス(SB)を行うチャンスが与えられる。
そして、シングルボーナス(SB)では、チャレンジタイム(CT)の抽せん確率(図4(a),図5(a)の例では「1/1.5」)が高く設定されているので、高い確率で再びチャレンジタイム(CT)に入賞することができる。これにより、チャレンジタイム(CT)とシングルボーナス(SB)が繰り返される連荘状態を出現させ、遊技媒体の大量獲得が可能になる。
具体的には、チャレンジタイム(CT)におけるシングルボーナス(SB)の当せん確率は、1枚賭けで高確率(図4(a)の例では「1/1.2」、図5(a)では「1/1.0」)とし、3枚賭けで低確率(図4(a),図5(a)の例では「0」)としてあるので、例えば、チャレンジタイム(CT)に移行した後、すぐに1枚賭けとすると、シングルボーナス(SB)に当せんすることでチャレンジタイム(CT)が終わってしまうことになる。
一方、チャレンジタイム(CT)に移行後、3枚賭けで小役を獲得し、チャレンジタイム(CT)の終了条件に近づいたら、賭け数を1枚賭けとすることでシングルボーナス(SB)を当せんさせるようにすれば、シングルボーナス(SB)の当せんでチャレンジタイム(CT)がすぐに終わってしまったり、シングルボーナス(SB)に当せんすることなくチャレンジタイム(CT)が終了してしまうことを回避して、可能な限り多くのメダルを獲得することできる。
このように、本実施形態のチャレンジタイム(CT)においては、各ゲーム毎に何枚賭けとするかで最終的なメダルの獲得枚数に大きな差が出るようになっており、各ゲームにおける最適なメダルの賭け数が重要なものとなる。
そして、本実施形態では、このメダルの最適賭け数が。制御部10によって決定される、遊技者のメダル投入を支援するようになっている。
なお、以下に示す最適賭け数の決定では、チャレンジタイム(CT)においては、小役(払い出し15枚)を100%獲得でき、払い出し総数が120枚になると終わることとする。また、賭け数が1枚のときは、シングルボーナス(SB)に当せんすると、必ずシングルボーナス図柄が揃い、小役は獲得できないものとし、そのときのシングルボーナス(SB)の払い出しは0枚とする。
従って、遅くとも8回目のゲームは、1枚賭けで行う必要がある。
このように、チャレンジタイム(CT)においては、何回目のゲームまで3枚賭けにし、何回目のゲームから1枚賭けにするかによって遊技者が獲得できるメダルの総数が異なることになり、いずれのゲームでメダルを何枚賭けるべきか、すなわち、当該ゲームにおける最適賭け数が何枚であるかが重要となり、この最適賭け数が、最適賭け数決定手段となる制御部10で決定されることになる。
これは、何ゲーム目で3枚賭けから1枚賭けに移行するかによって、図5(b)に示すように、CT1回の獲得枚数期待値,SBへの移行率,CT連荘(連続)回数が求められ、これらの値から求められるCT連荘中の総獲得枚数期待値の大きさによって決定される。
このようにして、最適賭け数は、チャレンジタイム(CT)におけるメダルの獲得数、チャレンジタイム(CT)のゲーム数、シングルボーナス(SB)への移行確率などにもとづいて確率的に決定される。
すなわち、図4の(a)に示す内部抽せん用テーブルを適用する場合、図4の(b)に示すように、1〜8回目のいずれのゲームで1枚賭けに切り換えたかによって、CT1回の獲得枚数期待値,SBへの移行率,CT連荘(連続)回数と、これらの値から求められるCT連荘中の総獲得枚数期待値の大きさ変動することになり、図5の場合と同様、CT連荘中の総獲得枚数期待値の大きさによって最適賭け数が決定されることになる。
従って、図4の(a)に示す内部抽せん用テーブルを適用したスロットマシン1では、チャレンジタイム(CT)における最適賭け数が、1〜6回目のゲームで3枚、7回目以降のゲームで1枚となり、この最適賭け数が最適賭け数決定手段となる制御部10で決定されることになる。
次に、本実施形態に係るスロットマシン1の遊技媒体投入処理について、図7〜図10を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係るスロットマシンの遊技媒体投入処理を示すフローチャート、図8は、本実施形態に係るスロットマシンの最適ベットボタン処理を示すフローチャート、図9は、本実施形態に係るスロットマシンの1ベットボタン処理を示すフローチャート、図10は、本実施形態に係るスロットマシンのメダル処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、制御部10は、まず、メダルの最適賭け数を決定する(S11:最適賭け数決定手段)。
ここで、決定される最適賭け数には、上述したように、遊技状態にもとづいて一義的に特定される最適賭け数(通常遊技状態の3枚賭け、シングルボーナス(SB)の1枚賭け)だけでなく、遊技状態にもとづいて一義的に特定できない最適賭け数(チャレンジタイム(CT)の3枚賭け又は1枚賭け)も含まれる(図4,図5参照)。
この判断結果がYESのときは、ただちに上位ルーチンに復帰し、結果的に最適ベットボタン7bの操作が無視される。また、クレジット不足でない場合は、最適賭け数分のメダルが既に投入済みであるか否かを判断する(S23)。この判断結果がYESのときは、ただちに上位ルーチンに復帰し、結果的に最適ベットボタン7bの操作が無視される。一方、クレジット不足でなく、かつ、最適賭け数分のメダルが未投入である場合は、貯留メダルの中から最適賭け数分のメダルを投入する(S24)。
そして、制御部10で各ゲーム毎に最適賭け数が決定され、この最適賭け数の投入を促す最適投入支援が行われるので、メダルの賭け数に応じて特定遊技状態における抽せん確率に変化を持たせることによっても、遊技者は、どのような遊技状態にあっても、最も有利に最適賭け数を投入することができる。
これによって、賭け数の誤りによって本来得られたであろう入賞や払出しを逸することがなくなり、遊技者の損失等を防止して魅力あるスロットマシン遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、最適賭け数分のメダルを投入した後、最適ベットボタン7bの操作を無視するので、遊技者の癖で最適ベットボタン7bが連打されても、最適賭け数の投入状態を維持することができる。
また、貯留メダル数が不足しているときも、最適ベットボタン7bの操作を無視するので、最適賭け数よりも少ないメダルが投入され、遊技者がそれに気づかずにゲームを開始してしまう不都合を回避できる。
また、特定遊技状態としては、所定の終了条件が成立するまでゲームが続くチャレンジタイム(CT)と、一回のゲームで終了するシングルボーナス(SB)とを含み、内部抽せん用テーブルは、通常遊技状態からチャレンジタイム(CT)への移行確率と、チャレンジタイム(CT)からシングルボーナス(SB)への移行確率と、シングルボーナス(SB)からチャレンジタイム(CT)への移行確率とを定めるとともに、チャレンジタイム(CT)からシングルボーナス(SB)への移行確率を、メダルの賭け数に応じて変化させ、制御部10は、チャレンジタイム(CT)におけるメダルの最適賭け数を、少なくともチャレンジタイム(CT)の終了条件にもとづいてゲーム毎に確率的に判断するので、チャレンジタイム(CT)を早期に終わらせることなく、チャレンジタイム(CT)とシングルボーナス(SB)を繰り返し出現させ、メダルの大量獲得が実現可能となる。
以下、最適賭け数投入支援手段の他の例について説明する。
図11の(a)は、本発明の他の実施形態に係るスロットマシンのベットボタンを示す説明図、図11の(b)は、本発明の他の実施形態に係るスロットマシンの最適賭け数表示部を示す説明図である。
このような最適賭け数表示部2eを備えることにより、表示された最適賭け数を参照することで、遊技者は最適な賭け数の遊技媒体を簡単に投入できるだけでなく、賭け数の間違いを防止できるようになる。
例えば、上述した実施形態では、スロットマシンの内部抽せんにより抽せん,決定される入賞内容としては、小役,リプレイ(RP),チャレンジタイム(CT),シングルボーナス(SB)などを挙げているが、ビッグボーナス(BB),レギュラーボーナス(RB),シングルチャレンジタイム(SCT)などを用いてもよい。
2 前面パネル
3 表示窓
4 スタートレバー
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 メダル投入口
7a 1ベットボタン
7b 最適ベットボタン
8 遊技メダル払出口
9 スピーカ
10 制御部
20 ドラムユニット
21(21a,21b,21c) リール
30 ホッパー装置
Claims (1)
- スタート操作により回転を開始する複数のリールを、各リール上の図柄が所定の入賞配列となるよう停止させることにより、入賞図柄に応じた遊技媒体が払い出されるスロットマシンであって、
ゲーム毎に行われる内部抽せんの抽せん確率を定めた内部抽せん用テーブルを記憶するとともに、内部抽せん用テーブルに定められた抽せん確率にもとづいて内部抽せんを行い、当該抽せんの結果に応じて、各ゲームを、通常遊技状態又は特定遊技状態に制御する制御部を備え、
前記内部抽せん用テーブルが、少なくとも一の特定遊技状態における内部抽せんの抽せん確率を、遊技媒体の賭け数に応じて異なる値に設定し、
前記制御部は、
前記内部抽せん用テーブルの抽せん確率にもとづいて、前記一の特定遊技状態における抽せん確率を遊技媒体の賭け数に応じて変化させる場合に、
当該一の特定遊技状態において獲得できるであろう遊技媒体数を示す所定の総獲得数期待値をゲーム毎に算出し、総獲得数期待値が最も多くなる各ゲーム毎の遊技媒体の賭け数を、遊技者にとって最も有利になる遊技馬体の最適賭け数としてゲーム毎に決定する最適賭け数決定手段と、
投入される遊技媒体が前記最適賭け数決定手段で決定された最適賭け数となるように支援する最適賭け数投入支援手段と、を備え、
前記特定遊技状態は、
所定の終了条件が成立するまでゲームが続く第一の特定遊技状態と、
一回のゲームで終了する第二の特定遊技状態とを含み、
前記内部抽せん用テーブルは、
通常遊技状態から第一の特定遊技状態への移行確率と、
第一の特定遊技状態から第二の特定遊技状態への移行確率と、
第二の特定遊技状態から第一の特定遊技状態への移行確率とを定めるとともに、
第一の特定遊技状態から第二の特定遊技状態への移行確率を、遊技媒体の賭け数に応じて変化させ、
前記最適賭け数決定手段は、第一の特定遊技状態における遊技媒体の最適賭け数を、少なくとも第一の特定遊技状態の終了条件にもとづいてゲーム毎に決定することを特徴とするスロットマシン。
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