JP4515987B2 - 反射防止膜材料、及びパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられる反射防止膜材料として好適な、珪素原子を含む置換基を含有する化合物を主成分とする反射防止膜材料及びこれを用いた例えば遠紫外線、ArFエキシマレーザー光(193nm)、F2レーザー光(157nm)、Kr2レーザー光(146nm)、Ar2レーザー光(126nm)での露光に好適な基板への集積回路等のパターン形成方法に関するものである。
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光を用いたリソグラフィーにおいては、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。
レジストパターン形成の際に使用するリソグラフィー用の光源として、水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられており、更なる微細化のための手段として、露光光を短波長化する方法が有効とされてきた。このため、例えば64MビットDRAM加工方法の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用されるようになった。しかし、更に微細な加工技術(例えば、加工寸法が0.13μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、特にArFエキシマレーザー(193nm)を用いたリソグラフィーが検討されてきている。
KrFリソグラフィーの初期の段階に於いて、色消しレンズ、あるいは反射光学系などと、ブロードバンド光との組み合わせのステッパーが開発された。しかし、色消しレンズあるいは非球面の反射光学系の精度が充分でなかったことから、狭帯域化したレーザー光と屈折光学系レンズの組み合わせが主流になった。一般に、単一波長露光においては、入射する光と、基板からの反射光とが干渉し、定在波を発生することは古くからよく知られた現象である。また、基板の凹凸によって光が集光あるいは散乱することによるハレーションと呼ばれる現象が起きることも知られている。定在波とハレーションは、どちらもパターンの線幅などの寸法変動や、形状の崩れなどを引き起こす。コヒーレントな単色光の使用は、短波長化とともに定在波やハレーションを更に増幅させる。このためハレーションや定在波を抑える方法として、レジストに吸光剤を入れる方法、レジスト上面、基板面に反射防止膜を敷く方法が提案された。
しかし、吸光剤を入れる方法は、レジストパターン形状がテーパー形状になる問題が生じた。近年の波長の短波長化と、微細化の進行とともに、定在波とハレーションがパターン寸法変動に及ぼす問題が深刻化し、吸光剤を入れる方法では十分には対応できなくなった。
フォトレジスト膜上面に反射防止膜を敷く方法では、反射防止膜(以下、上層透過型反射防止膜とする)は、原理的に定在波の低減だけに効果があり、ハレーションには効果がない。また、定在波を完全にうち消すための上層透過型反射防止膜の屈折率は、フォトレジスト膜の屈折率の平方根が理想的であるため、KrFリソグラフィーで用いられているポリヒドロキシスチレン系のフォトレジスト膜の屈折率1.8では、1.34が理想値である。ArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィー(以下、ArFリソグラフィーとする)に用いられている脂環族系アクリルのフォトレジスト膜の屈折率1.6では、理想値が1.27となる。このような低い屈折率を有する材料は、パーフルオロ系の材料に限定されるが、反射防止膜はアルカリ現像時に剥離が可能な方がプロセス的に有利であるため、水溶性材料であることが必要である。非常に疎水性の高いパーフルオロ系材料を水溶性にするために親水性置換基を導入すると、屈折率が増加し、KrFリソグラフィーでは1.42前後、ArFリソグラフィーにおいては1.5前後の値となる。このためKrFリソグラフィーで、0.20μm以下の加工寸法でパターン形成を行う場合は、吸光剤と上層透過型反射防止膜の組み合わせだけでは定在波の影響を抑えることができなくなっている。ArFリソグラフィーにおいては、前記理由により、上層透過型反射防止膜の効果は殆ど期待できず、KrFリソグラフィーにおいても今後のさらなる線幅の縮小により線幅の管理が厳しくなってくる。
そこで、基板面に反射防止膜を敷く方法、すなわちフォトレジスト膜の下地に反射防止膜を敷くことが必要になってきた。
フォトレジスト膜の下地とする反射防止膜は、その下がポリシリコンやアルミニウムなどの高反射基板の場合では、最適な屈折率(n値)、吸光係数(k値)の材料を適切な膜厚に設定することによって、基板からの反射を1%以下に低減でき、極めて大きな効果を発揮することができる。
図3は、波長193nmにおける反射防止膜の膜厚と反射率の関係を示すグラフである。図3から、例えば、波長193nmにおいて、フォトレジスト膜の屈折率が1.8である時、その下の反射防止膜の屈折率(屈折率の実数部)n=1.5、吸光係数(屈折率の虚数部)k=0.5、膜厚42nmであれば、反射率が0.5%以下になることが判る。
しかし、下地基板に段差がある場合は、段差上で反射防止膜の膜厚が大きく変動する。図3を見て判るように、反射防止膜の反射防止効果は、光の吸収だけでなく、干渉効果も利用しているため、干渉効果が強い膜厚40〜45nmの第一底辺はそれだけ反射防止効果も高いが、膜厚の変動によって大きく反射率が変動する。
そこで、反射防止膜材料に用いるベース樹脂の分子量を上げて段差上での膜厚変動を抑えコンフォーマル性を高めた材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この場合、ベース樹脂の分子量が高くなると、スピンコート後にピンホールが発生しやすくなるといった問題や、ろ過できなくなるといった問題、更には、経時的に粘度変動が生じ膜厚が変化するといった問題や、ノズルの先端に結晶物が析出するといった問題が生じる。しかも、コンフォーマル性が発揮できるのは比較的高さの低い段差に限定される。
そこで、次に、図3から膜厚変動による反射率の変動が比較的小さい第3底辺以上の膜厚(170nm以上)を採用する方法が考えられる。この場合、k値が0.2〜0.3の間で、膜厚が170nm以上であれば膜厚の変化に対する反射率の変動が小さく、しかも反射率を1.5%以下に抑えることができることになる。
また、反射防止膜の下地が酸化膜や窒化膜などの透明膜で、さらにその透明膜の下に段差がある場合、透明膜の表面がCMP(化学的機械研磨;Chemical Mechanical Polishing)などで平坦化されていたとしても、透明膜の膜厚が変動する。この場合、その上の反射防止膜の膜厚は一定にする事は可能であるが、反射防止膜の下の透明膜の膜厚が変動すると図3における最低反射率となる膜の厚みが透明膜の膜厚分だけλ/2n(λ:露光波長、n:露光波長における透明膜の屈折率)の周期でずれることになる。反射防止膜の膜厚を、下地が反射膜の時の最低反射率となる膜厚55nmに設定した場合、透明膜の膜厚変動によって反射率が高い部分が出現する。この場合、下地透明膜の膜厚の変化に対する反射率を安定化するためにも、前述と同様反射防止膜の膜厚を170nm以上の厚膜にする必要がある。
このような反射防止膜の材料は、無機系と有機系に大別できる。
無機系はSiON膜が挙げられる。これは、シランとアンモニアの混合ガスによるCVD(化学気相成長;Chemical Vapor Deposition)などで形成され、フォトレジスト膜に対するエッチング選択比が大きいため、フォトレジスト膜へのエッチングの負荷が小さい利点があるが、剥離が困難なため、適用できる場合に制限がある。また、窒素原子を含む塩基性のものであるため、ポジレジストではフッティング、ネガレジストではアンダーカットプロファイルになりやすいという欠点もある。
有機系はスピンコートが可能でCVDやスパッタリングなどの特別な装置を必要としない点、フォトレジスト膜と同時に剥離可能な点、裾引き等の発生が無く形状が素直でフォトレジスト膜との接着性も良好である点が利点であり、多くの有機材料をベースとした反射防止膜材料が提案された。例えば、ジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂と吸光剤とからなるもの(例えば、特許文献2参照。)や、無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物(例えば、特許文献3参照。)、樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの(例えば、特許文献4参照。)、カルボン酸基とエポキシ基と光吸収基を同一分子内に有するアクリル樹脂ベース型(例えば、特許文献5参照。)、メチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの(例えば、特許文献6参照。)、ポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの(例えば、特許文献7参照。)等が挙げられる。これら全ての有機材料をベースとした反射防止膜材料は、バインダーポリマーに吸光剤を添加、あるいはポリマーに置換基として光吸収基を導入する方法を採っている。しかし、吸光剤の多くが芳香族基、あるいは2重結合を有するため、吸光剤の添加によってドライエッチング耐性が高まり、フォトレジスト膜とのドライエッチング選択比がそれほど高くないという欠点がある。微細化が進行し、フォトレジスト膜の薄膜化にも拍車がかかっており、更に次世代のArFリソグラフィーに於いては、フォトレジスト膜材料にアクリルまたは脂環族のポリマーを使うことになるため、フォトレジスト膜のエッチング耐性が低下する。更に、前述の通り、反射防止膜の膜厚を厚くしなければならないという問題もある。このため、エッチングは深刻な問題であり、フォトレジスト膜に対してエッチング選択比の高い、即ちフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜をエッチングする時にはエッチングスピードが速い反射防止膜が求められている。
さらに、反射防止膜において最適な吸光係数を与えるための吸光剤が検討されている。KrFリソグラフィーでは特にアントラセン型、ArFリソグラフィーではフェニル型が提案されている。しかし、これらのものは、前述の通り、優れたドライエッチング耐性を有する置換基でもあり、ダイをペンダントさせたポリマーバックボーンをアクリルなどのエッチング耐性の低いポリマーにした場合においても実用的には限界がある。
一方、一般に、珪素を含む材料は、フルオロカーボン系のガスを用いたエッチング条件において、エッチング速度が速く、レジストに対して高い選択比が得られることが知られており、珪素原子を含む反射防止膜を用いることによってエッチングの選択比を飛躍的に高めることができると考えられる。例えば、フェニル基がペンダントされたポリシランを骨格とするKrF露光用の反射防止膜が提案され、高いエッチング選択比が達成されている(例えば、特許文献8参照)。
さらに、近年の高解像度化に伴ってフォトレジスト膜の薄膜化が進んでいる。薄膜化に伴ってフォトレジスト膜のエッチング耐性向上が求められているが、十分ではないのが現状である。そこで、薄膜フォトレジスト膜のパターン転写方法として、ハードマスク法が利用されている。
被加工基板がポリシリコン(p−Si)などではSiO膜、被加工基板がSiO膜ではSiN、W−Si、アモルファスSiなどがハードマスクとして検討されている。更に、反射防止膜としての機能を兼ねたSiON膜のハードマスクが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。ハードマスク法では、ハードマスクを残す場合と剥離する場合があるが、特に下地がSiO膜などの絶縁膜の場合、特にW−Si、アモルファスSi膜は良導膜なので剥離する事が必要である。ハードマスクがSiN膜の場合は、これは絶縁膜なので場合によっては剥離する必要がないが、SiOと構成元素が似ているため、ハードマスクとしての本来の機能としてのエッチング選択比が低いという欠点がある。
ここで、シリカ系絶縁膜形成用塗布液が提案されている(例えば、特許文献9−14参照)。この技術を用いて、多層レジストプロセスにおける下層膜として、珪素含有ポリマーを用いる多くのパターン形成方法が提案されている。例えば、基板上に有機膜を形成し、その上にシリカガラスをスピンコートし、その上のレジストパターンをシリカガラス層に転写、次に酸素ガスエッチングで有機膜層にパターン転写、最後に基板を加工する3層プロセスが提案されている(例えば、特許文献15、16参照)。反射防止膜としての効果も兼ねたシリカガラス層、シルセスキオキサンポリマー材料が提案されている(例えば、特許文献17−21参照)。更に、反射防止膜とハードマスクの機能を兼ねそろえたシルセスキオキサンポリマーまたはスピンオンガラス材料をベースとした組成物が提案されている(例えば、特許文献22、23参照)。しかしながら、いずれの珪素含有ポリマーにおいても、保存安定性に問題があり、実際の使用時に膜厚が変動するという致命的欠陥が存在していた。
特開平10−69072号公報 特公平7−69611号公報 米国特許第5294680号 特開平6−118631号公報 特開平6−118656号公報 特開平8−87115号公報 特開平8−179509号公報 特開平11−60735号公報 特開昭57−83563号公報 特開昭57−131250号公報 特開昭56−129261号公報 特許第3287119号公報 特開2001−22082号公報 特開2001−22083号公報 特許第3118887号公報 特開2000−356854号公報 特開平5−27444号公報 特開平6−138664号公報 特開平2001−53068号公報 特開平2001−92122号公報 特開2001−343752号公報 米国特許第6420088号 特表2003−502449号 SPIE2000 Vol.4226 p93
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、短波長の露光に対して優れた反射防止効果を有し、またエッチング選択比が高く、即ち、フォトレジスト膜に対してエッチング速度が十分に速く、被加工基板よりもエッチング速度が十分に遅く、さらに、長期の保存においても膜厚変動が少なく、さらに、反射防止膜の上のフォトレジスト膜に形成するレジストパターン形状を垂直形状にできる反射防止膜材料を提供し、且つこの反射防止膜材料を用いて基板上にパターンを形成する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、リソグラフィーで用いられる反射防止膜材料であって、少なくとも、炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基と、光吸収基と、末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)とを含む反射防止用シリコーン樹脂と、少なくとも分子内にエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合のいずれかを1種以上含み、および1個以上のヒドロキシ基を有するものである有機溶剤と、酸発生剤とを含有するものであり、かつ、前記少なくとも分子内にエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合のいずれかを1種以上含み、および1個以上のヒドロキシ基を有するものである有機溶剤が、全有機溶剤中60質量%以上含まれるものであることを特徴とする反射防止膜材料を提供する。
これらの反射防止膜材料を用いた反射防止膜は、適切な膜厚に設定することにより、特に短波長光を用いたリソグラフィーにおいて、露光時に、ハレーションや定在波を十分に抑えることができるといった優れた反射防止効果を有するものである。また、露光時に、前記反射防止膜からその上のフォトレジスト膜への酸拡散を防ぐことができるため、レジストパターンを垂直形状にできる。さらに、エッチング選択比が高いものであり、反射防止膜のエッチング時にはフォトレジスト膜に対してエッチングスピードが速く、基板のエッチング時には基板よりもエッチングスピードが遅い。さらに、この反射防止膜は長期の保存においても膜厚変動が少ないなど、保存安定性に優れる。従って、この反射防止膜は、被加工基板に対するハードマスクとしての効果も高いものとなる。
また、上記有機基が、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基のうち一以上を含むものであることが好ましい。
上記有機基が、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基のうち一以上を含むものであれば、特に架橋剤を添加しなくても、有機基とシラノール基との架橋反応によりフォトレジスト膜とのインターミキシングがなく、フォトレジスト膜層ヘの低分子成分の拡散がない反射防止膜を形成することができる。
また、上記光吸収基が、アントラセン環、ナフタレン環、べンゼン環のいずれか1種以上を含むものであることが好ましい。
このように上記光吸収基が、アントラセン環、ナフタレン環、べンゼン環のいずれか1種以上を含むものであれば、波長150〜300nmの間で吸収を有する基であり、特にKrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーを用いた露光で、適切に定在波とハレーションを抑えることができる。
また、上記末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)が、上記シリコーン樹脂に含まれる全ケイ素原子のうち0.1〜60モル%であることが好ましい。
このように、上記末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)が、上記シリコーン樹脂に含まれる全ケイ素原子のうち0.1〜60モル%であれば、末端Si-OH、Si-ORの架橋により反射防止膜が十分に硬化するため、次工程で使用されるレジストとのインターミキシングがほとんど発生せず、矩形性のよいレジストパターンを得ることができる。さらに、縮合により十分な強度を持った反射防止膜が得られ、パターン倒れなども発生しない。
また、上記末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)において、上記Si-OHとSi-ORのモル比率が、100/0から20/80であることが好ましい。
このように、末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)において、上記Si-OHとSi-ORのモル比率が、100/0から20/80であれば、Si-OH同士の縮合やSi-OHとSi-OR間での縮合が容易に進行し、十分な強度がありインターミキシングの発生しにくい反射防止膜を得ることができる。
また、上記反射防止膜材料が、さらに中和剤を含有するものであることが好ましい。
中和剤は、発生した酸が反射防止膜上層のフォトレジスト膜へ拡散していくのを防止する機能を持ち、反射防止膜材料が、さらに中和剤を含有することで、レジストパターンをより確実に垂直形状にできる。
また、本発明は、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に本発明の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜及び基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
このように、本発明の反射防止膜材料を用いて、リソグラフィーにより基板にパターンを形成すれば、基板に微細なパターンを高精度で形成することができる。
また、本発明は、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に本発明の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜をエッチングし、さらにパターンが形成された反射防止膜をマスクにして基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
このように、本発明の反射防止膜材料を用いて、これをマスクとして基板にパターンを形成することができ、基板に微細なパターンを高精度で形成することができる。
また、本発明は、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に有機膜を形成し、該有機膜の上に本発明の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜をエッチングし、パターンが形成された反射防止膜をマスクにして有機膜をエッチングし、さらに基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法を提供する。
このように、本発明の反射防止膜材料は、基板に有機膜を介して形成するようにしてもよく、これを用いてリソグラフィーにより基板にパターンを形成すれば、基板に微細なパターンを高精度で形成することができる。
また、本発明は、本発明の反射防止膜材料を基板上に塗布し、ベークして得られる反射防止膜を有するものであることを特徴とする基板を提供する。
このように、基板上に本発明の反射防止膜材料を塗布してベークして得られる反射防止膜を有する基板であれば、長期間保存しても反射防止膜の膜厚変動が小さく、したがって、保存後に当該基板にパターンを形成した場合でも、微細なパターンを高精度で形成することが可能である。
以上説明したように、本発明の反射防止膜材料を用いれば、適切に膜厚を設定することにより、特に短波長での露光に対して、十分な反射防止効果を発揮できるだけのn値、k値を有する上に、エッチング選択比が高い、即ち、フォトレジスト膜に対してエッチング速度が十分に速く、被加工基板よりもエッチング速度が十分に遅い反射防止膜を得ることができる。さらに、本発明の反射防止膜材料は、長期の保存においても膜厚変動が少ないなど、保存安定性に優れる。従って、この反射防止膜は、被加工基板に対するハードマスクとしての効果も高いものである。さらに、この反射防止膜の上のフォトレジスト膜に形成するレジストパターン形状も、逆テーパー、裾引き等の発生が無い垂直形状にでき、リソグラフィーにより、基板に微細なパターンを高精度で形成することが可能となる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
反射防止膜に要求される性能の一つとして、フォトレジスト膜とのインターミキシングがないこと、フォトレジスト膜層ヘの低分子成分の拡散がないことが挙げられる(Proc. SPIE Vol.2195、225―229(1994))。これらを防止するために、一般的に反射防止膜材料を基板等にスピンコート後、ベークして熱架橋するという方法が採られている。
一方、反射防止膜の上のレジストパターンは、裾引き或いはアンダーカットがない垂直な形状であることが望まれる。裾引き形状では、反射防止膜のエッチング後に寸法変換差が生じ、アンダーカット形状(逆テーパー形状ともいう)では現像後にレジストパターンの倒れが生じるからである。
酸による架橋がポジ型レジストにおいて、裾引き低減に有効であることが報告されている(Proc. SPIE Vol.3678、241―250(1999))。架橋剤を添加し、酸により架橋させる方法は反射防止膜材料において重要であり、裾引き低減のためには架橋剤の添加が有効とされている(例えば、米国特許6420088号明細書、特開2001−53068号公報参照。)。
現像後のフォトレジスト膜の断面パターンが逆テーパー形状になる問題が発生していることについては、これは、反射防止膜の架橋反応に用いられる酸がフォトレジスト膜層に移動し、ベーク時にフォトレジスト膜の酸不安定基を脱離させたこと、あるいはフォトレジスト膜中に添加されているアミン化合物を中和させてしまったことが原因と考えられる。フォトレジスト膜層に酸が移動しないようにするためには、反射防止膜に発生する酸をバルキーなものにする方法が挙げられるが、架橋反応も進行しにくくなり、フォトレジスト膜とのインターミキシングの原因となるので好ましくない。
ここで、ArFリソグラフィー用の有機反射防止膜として、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルアクリレート、スチレンの3元共重合体を用いた材料が提案されている(SPIE Vol.3678 p702 (1999))。架橋システムとしてはヒドロキシエチルメタクリレートとグリコールウリル系の架橋剤を用いている。ここで注目したいのはメチルアクリレートの存在であり、このものを共重合することによって、この反射防止膜の上のレジストパターンが逆テーパー形状になるのを防止している。メチルアクリレートはレジストとの密着性を向上させ、酸拡散を抑える効果もあると考えられる。
本発明者らは、鋭意検討及び研究を重ねた結果、反射防止膜の上のレジストパターンが逆テーパー形状になるのを防止するためには、架橋後の反射防止膜中に酸を閉じこめておく必要があり、このためには、カルボニル、エステル、ラクトン、エーテル基などの炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基を持つポリマーを用いることが有効であるとの結論に達した。これらのことから、本発明者らは、前記官能基をペンダントしたシロキサンポリマーを反射防止膜材料のベースとして用いることで、該反射防止膜材料から形成された反射防止膜は、短波長の露光に対して優れた反射防止膜として機能し、しかもエッチング選択比が非常に高いものとできる上に、反射防止膜の上のレジストパターン形状を垂直形状に保つことができることを考案している。
一方、本発明者らは、シリコーンポリマー中に残存しているシラノール基とエポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基の間の反応を利用して反射防止膜を得ることができることを考案した(特開2005−15779号公報)。しかしながら、シリコーンポリマー中に含まれるシラノール基が多くなると、長期保存中にシラノール基同士の縮合反応により膜厚変動が発生する場合があることが判明した。そこで、鋭意検討の結果、特定の有機溶剤が所定の濃度以上含有された反射防止膜材料は、一般的な使用温度である23℃において、非常に安定であることを見出して本発明を完成させた。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、リソグラフィーで用いられる反射防止膜材料であって、少なくとも、炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基と、光吸収基と、末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)とを含む反射防止用シリコーン樹脂と、少なくとも分子内にエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合のいずれかを1種以上含み、および1個以上のヒドロキシ基を有するものである有機溶剤と、酸発生剤とを含有するものであり、かつ、前記少なくとも分子内にエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合のいずれかを1種以上含み、および1個以上のヒドロキシ基を有するものである有機溶剤が、全有機溶剤中60質量%以上含まれるものであることを特徴とする反射防止膜材料を提供する。
このような反射防止膜材料を用いれば、適切な膜厚に設定することにより、特に短波長での露光に対して、十分な反射防止効果を発揮できるだけのn値、k値を有する上に、エッチング選択比が高い、即ち、フォトレジスト膜に対してエッチング速度が十分に速く、被加工基板よりもエッチング速度が十分に遅い反射防止膜を得ることができる。さらに、本発明の反射防止膜材料は、長期の保存においても膜厚変動が少ないなど、保存安定性に優れる。従って、この反射防止膜は、被加工基板に対するハードマスクとしての効果も高いものである。さらに、この反射防止膜の上のフォトレジスト膜に形成するレジストパターン形状も、逆テーパー、裾引き等の発生が無い垂直形状にでき、リソグラフィーにより、基板に微細なパターンを高精度で形成することが可能となる。
本発明に係る反射防止用シリコーン樹脂は、好ましくは、下記一般式(1)で示されるケイ素含有化合物の1種又は2種以上の混合物を加水分解、縮合して得たものである。
Figure 0004515987
(式中、R1aは炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基であり、R2は光吸収基を有する1価の有機基であり、Xは同一又は異種のハロゲン原子、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基である。mとnは各々0〜3の整数であって、0<(4-m-n)≦4の関係を満足する。)
上記一般式(1)で示されるケイ素含有化合物の好ましい質量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)に基づく測定でポリスチレン換算で500〜100万、より好ましくは1000〜50万である。
本発明に係る反射防止用シリコーン樹脂が含む炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基は、好ましくは炭素数2〜30であり、さらに好ましくは、エポキシ基とエステル基とアルコキシ基とヒドロキシ基のうち一以上を含む有機基である。有機基は、炭素を含む基の意味であり、さらに水素、窒素、硫黄等を含んでいてもよい。本発明の炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基は、例として以下を挙げることができる。
(P-Q1-(S1)v1-Q2-)u-(T)v2-Q3-(S2)v3-Q4-

上式中、Pは水素原子、ヒドロキシル基、エポキシ環(OCH2CH-)、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニル基であり、Q1とQ2とQ3とQ4は各々独立して-CqH(2q-p)Pp-(式中、Pは上記と同様であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜10の整数である。)、uは0〜3の整数であり、S1とS2は各々独立して-O-、-CO-、-OCO-、-COO-又は-OCOO-を表す。v1、v2、v3は、各々独立して0又は1を表す。これらとともに、Tの例を以下に示す。TにおいてQ2とQ3と結合する位置は、特に限定されないが、立体的な要因による反応性や反応に用いる市販試薬の入手性等を考慮して適宜選択できる。
Figure 0004515987
本発明の炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基の好ましい例として、以下が挙げられる。
Figure 0004515987
Figure 0004515987
(式中、(Si)はSiとの結合箇所を示す。)
次に、本発明の反射防止用シリコーン樹脂が含む光吸収基は、波長150〜300nmの間で吸収を有する基であり、好ましくは、アントラセン環、ナフタレン環又はべンゼン環のいずれか1種以上を含むものである。又はこれらの環に一個以上の置換基があってもよい。置換基としては炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシロキシ基又は炭素数1〜6のアセタール基が好ましく、より好ましくは、メチル基、メトキシ基、t-ブトキシ基、t-アミロキシ基、アセトキシ基、1-エトキシエトキシ基等である。光吸収基の例を以下に挙げることができる。
Figure 0004515987
上記光吸収基のメトキシ基、アセトキシ基、アセタール基は、重合中あるいは重合後脱保護化して、ヒドロキシ基にすることも可能である。
特に波長200nm以下のリソグラフィ用には、上記光吸収基がべンゼン環を含むものであることが好ましい。
上記芳香族系の光吸収基の他に、Si-Si結合を持つ光吸収基を用いることもできる。具体的には下記に挙げることができる。
Figure 0004515987
このような本発明に係る反射防止用シリコーン樹脂の合成方法としては、たとえば前記一般式(1)で示されるモノマーを加水分解により共縮合する方法を挙げることができる。加水分解反応における水の量は、モノマー1モル当たり0.2〜10モルを添加することが好ましい。この時に、触媒を用いることもでき、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、塩酸、硫酸、硝酸、スルホン酸、メチルスルホン酸、トシル酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの塩基、テトラアルコキシチタン、トリアルコキシモノ(アセチルアセトナート)チタン、テトラアルコキシジルコニウム、トリアルコキシモノ(アセチルアセトナート)ジルコニウムなどの金属キレート化合物を挙げることができる。
反応操作としては、たとえば有機溶媒に水及び触媒を溶解させ、そこにモノマーを添加してもよい。このとき、モノマーは有機溶媒で希釈してもおいてもよい。反応温度は好ましくは0〜100°C、より好ましくは10〜80°Cである。水の滴下時に10〜50°Cに加熱し、その後40〜80°Cに昇温させて熟成させる方法が好ましい。
反射防止用シリコーン樹脂の合成で用いる有機溶媒としては、水溶性のものが好ましく特に、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル及びこれらの混合物などが好ましい。
その後、水に難溶又は不溶の有機溶媒を添加し、有機溶媒層を分別、水洗して加水分解縮合に使用した触媒を除去する。このとき、必要に応じて触媒を中和してもよい。
上記の水に難溶又は不溶の有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチル-2-n-アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert―ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート、γ―ブチルラクトン及びこれらの混合物などが好ましい。
その後、有機溶媒層を分別し脱水する。水分の残存は、残存したシラノールの縮合反応を進行させるため、脱水を十分に行うのが望ましい。硫酸マグネシウムなどの塩やモレキュラーシーブによる吸着法や、溶媒を除去しながらの共沸脱水法が好ましく挙げられる。
また、別の操作方法として、モノマーの加水分解縮合に用いる有機溶媒として、水に難溶あるいは不溶のものを使用することもできる。例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチル-2-n-アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert―ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート、γ―ブチルラクトン及びこれらの混合物などが好ましい。
モノマーをこの有機溶媒に溶解させ、水を添加し加水分解反応を開始させる。触媒は水に添加していても良いし、有機溶媒中に添加しておいても良い。反応温度は好ましくは0〜100°C、より好ましくは10〜80°Cである。水の滴下時に10〜50°Cに加熱し、その後40〜80°Cに昇温させて熟成させる方法が好ましい。
このときの反応条件を調整することにより、末端がSi-OH及び/又はSi-ORになっているケイ素原子の割合が全ケイ素原子の0.1〜60モル%となるシリコーン樹脂を得ることができる。このときの末端基は29Si-NMRを使用することで簡単に求めることができる。末端がSi-OH及び/又はSi-ORになっているケイ素原子の割合をA(モル%)とすると、下記の式となる。
Figure 0004515987
ここで、Q1,Q2,Q3,Q4は4官能Si原子が形成しているシロキサン結合の数、T1,T2,T3は3官能Si原子が形成しているシロキサン結合の数、D1,D2は2官能Si原子が形成しているシロキサン結合の数を表す。それぞれの結合の量は29Si-NMRのピーク値を積分したものを使用して計算する。
このとき、Aが0.1モル%以上であれば、樹脂の架橋に使用される末端Si-OH、Si-ORの数が十分存在し、架橋により塗布膜が十分に硬化するため、次工程で使用されるレジストとのインターミキシングが発生する恐れが少なく、矩形性のよいレジストパターンを得ることができる。一方、Aが60モル%以下であれば、縮合により十分な強度を持った塗布膜が得られ、パターン倒れなどが発生する恐れが少ない。
更に、Aが0.1モル%以上60モル%以下の間であり、かつ、Si-OHとSi-ORの比率が所定の割合であればより十分に硬化した塗布膜を得ることができる。すなわち、Si-OH/Si-OR=(100/0)〜(20/80)の割合であることが好ましい。このとき、-SiOH/-SiORの比率は、13CNMRを用いてSi原子のα位の炭素原子1個当りの積分強度(B)を内部標準として用いて求めることができる。即ち、-SiORのRをRx-CH2とすると-SiOCH2-Rxとなり、下線部の炭素原子の積分強度(C)を用いると、下記の式で求めることができる。

-SiOH/-SiOR=(A/100-C/B)/(C/B)

Si-ORの割合がSi-OH/Si-OR=20/80であるかそれより低くなると、Si-OH同士の縮合やSi-OHとSi-OR間での縮合が容易に進行し、より十分な強度がありインターミキシングの発生しにくい塗布膜を得ることができる。
更に、炭素-酸素結合を含有する有機基にエポキシ基が含まれている場合、シリコーン樹脂を形成した後、変性反応させることにより種類の異なる炭素-酸素結合を有する有機基を持つ変性シリコーン樹脂に変換することができる。変性シリコーン樹脂の繰り返し単位の例を以下に挙げる。
Figure 0004515987
上記式中、Y、Zは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、2-エチルブチル基、3-エチルブチル基、2,2-ジエチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tブトキシカルボニル基などを例示することができる。
もとのシリコーン樹脂からの変換は、一般に知られている方法で可能である。例えば、酸、アルカリ又は4級アンモニウム触媒の存在下でアルコール類やカルボン酸類とを加熱することにより変性シリコーン樹脂に容易に変換することができる。また、カルボン酸類との反応では、カルボン酸自身が触媒となるので、触媒を添加する必要がない。
このとき使用される酸触媒として、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、べンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸などの酸を使用することができる。またアルカリ触媒としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、べンジルジエチルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの塩基、四級アンモニウム触媒として塩化べンジルトリエチルアンモニウム、臭化べンジルトリエチルアンモニウム等を挙げることができる。
このようにして得られる元のシリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂(以下、両者及び両者のブレンド物を含んでシリコーン樹脂と呼ぶ。)をブレンドして用いることもできる。このときのブレンド比は、得られる組成物の性能に影響するため、性能が最高になるように任意の割合でブレンドするのが好ましい。得られた混合物中を、加熱、攪拌、超音波照射、混練などの操作での高分子化合物を均一な組成にすると、より好ましい。
本発明の反射防止膜材料に含まれる有機溶剤は、塗布液の保存安定性を良好にするため、非常に重要である。ここで、使用される有機溶剤としては、少なくとも分子内にエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合のいずれかを1種以上含み、および1個以上のヒドロキシ基を有するものであり、このような有機溶剤が全有機溶剤中60質量%以上含まれていなければならない。また、酸発生剤、その他の添加剤等を溶解可能であることが望ましい。
このような少なくとも分子内にエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合のいずれかを1種以上含み、および1個以上のヒドロキシ基を有するものである有機溶剤としては、例えば、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(シクロヘキシロキシ)エタノール、プロピレングリコールブチルエーテル、1-tertーブチル-2-プロパノール、3-エトキシ-1-プロパノール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジ(プロピレングリコール)-tert-ブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-1,2-プロパンジオール、3-エトキシ-1,2-プロパンジオール、3-アリロキシ-1,2-プロパンジオール、ジ(エチレングリコール)、ジ(プロピレングリコール)、ジ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノエチルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノブチルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノプロピルエーテル、ジ(プロピレングリコール)モノメチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)モノエチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)モノプロピルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸tert-ブチル、2-ヒドロキシブタン酸メチル、2-ヒドロキシブタン酸エチル、2-ヒドロキシブタン酸プロピル、2-ヒドロキシブタン酸ブチル、2-ヒドロキシブタン酸イソブチル、2-ヒドロキシブタン酸tert-ブチル、3-ヒドロキシブタン酸メチル、3-ヒドロキシブタン酸エチル、3-ヒドロキシブタン酸プロピル、3-ヒドロキシブタン酸ブチル、3-ヒドロキシブタン酸イソブチル、3-ヒドロキシブタン酸tert-ブチル、アセトール、1-ヒドロキシ-2-ブタノン、3-ヒドロキシ-2-ブタノン、3-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン、4-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン、3-アセチル-1-プロパノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記有機溶剤が全有機溶剤中60質量%以上、好ましくは70質量%以上含有されていれば、保存安定性を保つことが十分に可能であるため、残りの成分としては、一般的にレジスト溶剤として知られている有機溶剤を使用することが出来る。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチル2-n-アミルケトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert―ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ―ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して添加しても良い。
本発明では、これらの有機溶剤の中でも保存安定性に最も優れているプロピレングリコールモノプロピルエーテル、乳酸エチル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、シリコーン樹脂100質量部に対して200〜10,000質量部、特に300〜5,000質量部が好適である。
本発明の反射防止膜材料は、熱による架橋反応を更に促進させるため、酸発生剤を含むものである。酸発生剤は、熱分解によって酸を発生するものや、光照射によって酸を発生するものがあるが、いずれのものも添加することができる。
本発明で使用される酸発生剤としては、
i.)下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)、(P1a−3)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.)下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.)下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.)下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.)下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.)β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.)ジスルホン誘導体、
viii.)ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.)スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
Figure 0004515987
(式中、R101a、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R101bとR101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。R101d、R101e、R101f、R101gは、R101a、R101b、R101cに水素原子を加えて示される。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基を示す。)
上記R101a、R101b、R101c、R101d、R101e、R101f、R101gは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルエチル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルエチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−エチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジエチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。
-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
(P1a−1)と(P1a−2)は光酸発生剤、熱酸発生剤の両方の効果があるが、(P1a−3)は熱酸発生剤として作用する。
Figure 0004515987
(式中、R102a、R102bはそれぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R104a、R104bはそれぞれ独立して炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。)
上記R102a、R102bとして具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルエチル基、4−エチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。
103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。
104a、R104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。
-は式(P1a−1)、(P1a−2)及び(P1a−3)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
Figure 0004515987
(式中、R105、R106は独立して炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
105、R106のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
105、R106のハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジエチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。
105、R106のハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。R105、R106のアラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
Figure 0004515987
(式中、R107、R108、R109は独立して炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R108、R109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R108、R109はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R105はP2式のものと同様である。)
107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
Figure 0004515987
(式中、R101a、R101bは前記と同様である。)
Figure 0004515987
(式中、R110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基若しくはアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基若しくはアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、フェニルエチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。
111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、ヘプチロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
酸発生剤は、具体的には、オニウム塩としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラn-ブチルアンモニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸テトラフェニルアンモニウム、p-トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p-tert-ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p-トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p-トルエンスルホン酸(p-tert-ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p-tert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p-tert-ブトキシフェニル)スルホニウム、p-トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p-トルエンスルホン酸(p-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p-トルエンスルホン酸ビス(p-tert-ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p-トルエンスルホン酸トリス(p-tert-ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルスルホニウム、p-トルエンスルホン酸トリエチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルエチル(2-オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p-トルエンスルホン酸シクロヘキシルエチル(2-オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジエチルフェニルスルホニウム、p-トルエンスルホン酸ジエチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p-トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2-ノルボニル)エチル(2-オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[エチル(2-オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2'-ナフチルカルボニルエチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩を挙げることができる。
ジアゾメタン誘導体としては、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体を挙げることができる。
グリオキシム誘導体としては、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−エチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−エチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジエチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体を挙げることができる。
ビススルホン誘導体としては、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロエチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体を挙げることができる。
β−ケトスルホン誘導体としては、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体を挙げることができる。
ジスルホン誘導体としては、ジフェニルジスルホン誘導体、ジシクロヘキシルジスルホン誘導体等のジスルホン誘導体を挙げることができる。
ニトロベンジルスルホネート誘導体としては、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体を挙げることができる。
スルホン酸エステル誘導体としては、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体を挙げることができる。
また、N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリエチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等が挙げられる。
特に、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルエチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)エチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルエチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、
ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、
ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジエチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、
ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、
N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。
なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤の添加量は、シリコーン樹脂100部(質量部、以下同様)に対して好ましくは0.1〜50部、より好ましくは0.2〜40部である。0.1部以上であれば酸発生量が十分で、架橋反応が不十分となる恐れが少なく、50部以下であればレジスト上層へ酸が移動することによるミキシング現象が起こる恐れが少ない。
さらに、本発明の反射防止膜材料が、さらに中和剤を含有するのが好ましい。
ここで中和剤は、発生した酸が次工程で塗布されるレジスト層へ拡散していくのを防止するための材料であり、例えば、メチロール基、アルコキシエチル基、アシロキシエチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたエポキシ化合物、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、などを挙げることができる。
中和剤のうち、エポキシ化合物を例示すると、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどが例示される。
中和剤のうち、メラミン化合物を具体的に例示すると、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜6個がメトキシエチル化した化合物及びその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシエチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシエチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。
中和剤のうち、グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がメトキシエチル化した化合物及びその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜4個のメチロール基がアシロキシエチル化した化合物及びその混合物が挙げられる。
中和剤のうち、グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシエチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がメトキシエチル基化した化合物、又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜4個がアシロキシエチル化した化合物又はその混合物が挙げられる。
中和剤のうち、ウレア化合物としては、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメトキシエチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜4個のメチロール基がメトキシエチル基化した化合物、又はその混合物などが挙げられる。
中和剤の添加量は、シリコーン樹脂100部(質量部、以下同様)に対して好ましくは0.1〜50部、より好ましくは0.5〜40部である。
次に、本発明では、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に本発明の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜及び基板をエッチングして基板にパターンを形成するパターン形成方法が提供される。
さらに、本発明では、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に本発明の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜をエッチングし、さらにパターンが形成された反射防止膜をマスクにして基板をエッチングして基板にパターンを形成するパターン形成方法も提供される。
これらのパターン形成方法について図1を参照して説明する。
先ず、図1(a)に示すレジストパターン形成までについて説明する。
反射防止膜10は、スピンコート法などで本発明の反射防止膜材料を基板12上に塗布して形成することが可能である。スピンコートなどで塗布後、有機溶剤を蒸発し、上層となるフォトレジスト膜11とのミキシング防止のため、ベークして架橋反応を促進させることが望ましい。ベーク温度は80〜300℃の範囲内で、ベーク時間は10秒から300秒の範囲内が好ましく用いられる。
反射防止膜10を形成した後、その上にフォトレジスト膜11を形成するが、反射防止膜の形成時と同様スピンコート法が好ましく用いられる。フォトレジスト膜材料をスピンコートなどで塗布後、プリベークを行うが、プリベーク条件としては、80℃から180℃の温度範囲で10秒から300秒の時間範囲が好ましい。その後、パターン回路領域の露光を行い、ポストエクスポジュアーベーク(PEB)、現像液での現像を行い、レジストパターンを得る(図1(a))。
次に、図1(b)に示すパターン形成までについて説明する。
フォトレジスト膜11をマスクとして反射防止膜10をエッチングするには、フロン系ガス、窒素ガス、炭酸ガスなどを使ってエッチングを行う。本発明の反射防止膜材料から形成された反射防止膜10は、前記ガスに対するエッチング速度が速く、上層のフォトレジスト膜11の膜減りが小さいという特徴がある。
次の基板12のエッチングは、下地層12b上の被加工層12aがSiO、SiNであればフロン系ガスを主体としたエッチング、p−Si(p型Si)やAl、Wでは塩素系、臭素系ガスを主体としたエッチングを行う。本発明の反射防止膜材料から形成された反射防止膜10は、塩素、臭素に対するエッチング耐性に優れ、特に被加工層がp−SiやAl、Wなどの場合、ハードマスクとして適用可能である。被加工層12aがSiO、SiN膜の場合においても、本発明の反射防止膜材料から形成された反射防止膜10は、フォトレジスト膜11よりはエッチング速度が速いが、基板12よりはエッチング速度が遅く、ハードマスクとして機能し得る。
従って、基板12の被加工層12aをエッチング除去してパターンを作成する場合、フォトレジスト膜11をマスクとしてもよいし、パターンが形成された反射防止膜10をマスクとして加工するようにしてもよい。
さらに、本発明では、リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に有機膜を形成し、該有機膜の上に本発明の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜をエッチングし、パターンが形成された反射防止膜をマスクにして有機膜をエッチングし、さらに基板をエッチングして基板にパターンを形成するパターン形成方法が提供される。
このように、本発明の反射防止膜材料から形成された反射防止膜は、例えば3層レジストプロセスといった多層レジストプロセスにおいて中間層としての適用も可能である。このパターン形成方法について図2を参照して説明する。
先ず、図2(a)に示すレジストパターン形成までについて説明する。
基板22上に有機膜23をスピンコート法などで形成する。この有機膜23は、基板22をエッチングするときのマスクとして作用するので、エッチング耐性が高いことが望ましく、上層の珪素含有反射防止膜20とミキシングしないことが求められるので、スピンコート等で塗布した後に熱あるいは酸によって架橋することが望ましい。この有機膜23の上に本発明の反射防止膜材料から形成する反射防止膜20、フォトレジスト膜21を前記方法と同様の方法で作成する。その後、パターン回路領域の露光、現像液での現像によってレジストパターンを得る(図2(a))。
ここで、有機膜としては、クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、カトールジシクロペンタジエンノボラック、アモルファスカーボン、ポリヒドロキシスチレン、アクリレート、メタクリレート、ポリイミド、ポリスルフォン等の樹脂が挙げられる。
次に、図2(b)に示すように、パターンが形成されたフォトレジスト膜21をマスクとして反射防止膜20のエッチングを行い、レジストパターンを反射防止膜20に転写する。次に、図2(c)に示すように、反射防止膜20に形成されたパターンを酸素プラズマエッチングなどによって有機膜23に転写する。この時、フォトレジスト膜21も同時にエッチング除去される。次に、図2(d)に示すように、下地層22bの上の被加工層22aのエッチングを行い、基板22にパターンを形成する。
各膜と各層の厚さは、例えば、有機膜が50〜2000nm、反射防止膜が10〜2000nm、フォトレジスト膜が0.1〜1μm(好ましくは100〜500nm)であるが、これに限定されるものではない。
このとき使用される基板としては、特に限定されず、シリコンウェーハ等が用いられる。
フォトレジスト膜層の形成に用いるレジスト組成物は、公知のものを使用でき、例えば、べース樹脂と有機溶媒と酸発生剤の組み合わせを用いることができる。べース樹脂としては、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタクリル酸及びその誘導体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸とメタクリル酸とそれらの誘導体から選ばれ形成される共重合体、シクロオレフィン及びその誘導体と無水マレイン酸とアクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体、シクロオレフィン及びその誘導体とマレイミドとアクリル酸及びその誘導体から選ばれる3以上の共重合体、ポリノルボルネン、及びメタセシス開環重合体からなる一群から選択される1種以上の高分子重合体が挙げられる。なお、ここにいう誘導体は、アクリル酸誘導体にはアクリル酸エステル等、メタクリル酸誘導体にはメタクリル酸エステル等、ヒドロキシスチレン誘導体にはアルコキシスチレン等が含まれるように、主要な骨格が誘導後に残っているものを意味する。
KrFエキシマレーザー用レジストとしては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)、ヒドロキシスチレンとスチレンとアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとマレイミドNカルボン酸エステルとから選ばれて形成される共重合体、ArFエキシマレーザー用レジストとしては、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ノルボルネンと無水マレイン酸との交互共重合系、テトラシクロドデセンと無水マレイン酸との交互共重合系、ポリノルボルネン系、開環重合によるメタセシス重合系があげられるが、これらの重合系ポリマーに限定されることはない。
ポジ型レジストの場合、フェノールあるいはカルボキシル基の水酸基を酸不安定基で置換することによって、未露光部の溶解速度を下げる場合が一般的である。即ち、カルボキシル基の水素原子又はフェノール性水酸基の水素原子がアルカリ溶解制御能を有する酸不安定基で置換され、露光により発生した酸の作用により該酸不安定基が解離しアルカリ水溶液への溶解度が増大するべース樹脂と組み合わせてポジ型レジスト材料として用いることができる。
レジスト組成物に用いる有機溶剤と酸発生剤としては、本発明に係る反射防止膜材料の有機溶剤と酸発生剤と同様なものが挙げられる。レジスト組成物の各成分の添加量は、例えば、べース樹脂の添加量は、反射防止膜材料中のシリコーン樹脂の添加量と同様であり、レジスト組成物に用いる有機溶剤と酸発生剤の添加量も、反射防止膜材料の有機溶剤と酸発生剤と同様である。
以下、合成例、実施例及び比較例を示してさらに本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
(合成例1)
3000mlのガラス製のフラスコに、メタノール1400g、純水700g及び25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン217gとフェニルトリメトキシシラン43gの混合物を、液温40°Cで滴下し、その後40°C、2時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でメタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、乳酸エチル(EL)を600g加え、液温を40°Cに加熱しながらの減圧下で、下に示されるポリマー1を得た。
Figure 0004515987
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求め、13C-NMRによって共重合比を下記の通りに求めた。
分子量(Mw)=2000
共重合比 a1:b1=0.2:0.8
続いて、29Si-NMRで末端基の割合を測定し、Aを計算したところA=10.2モル%であり、13C-NMRでSi-OH/Si-ORを計算したところSi-OH/Si-OR=100/0になった。
(合成例2)
3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1400g、純水700g及び25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン139gとフェニルトリメトキシシラン32gの混合物を、液温40°Cで滴下し、その後40°C、2時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PnP)を600g加え、液温を40°Cに加熱しながらの減圧下で、下に示されるポリマー2を得た。
Figure 0004515987
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求め、13C-NMRによって共重合比を下記の通りに求めた。
分子量(Mw)=2800
共重合比 a1:b2=0.25:0.75
続いて、29Si-NMRで末端基の割合を測定し、Aを計算したところA=3.2モル%であり、13C-NMRでSi-OH/Si-ORを計算したところSi-OH/Si-OR=90/10になった。
(合成例3)
3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1500g、純水750g及び25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液150gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン450g、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン162g及びフェニルトリメトキシシラン138gの混合物を、液温40°Cで滴下し、その後40°C、4時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を600g加え、液温を40°Cに加熱しながらの減圧下で、下に示されるポリマー3を得た。
Figure 0004515987
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求め、13C-NMRによって共重合比を下記の通りに求めた。
分子量(Mw)=3300
共重合比 a1:b1:b2=0.2:0.2:0.6
続いて、29Si-NMRで末端基の割合を測定し、Aを計算したところA=19モル%であり、13C-NMRでSi-OH/Si-ORを計算したところSi-OH/Si-OR=97/3になった。
(合成例4)
3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1400g、純水700g及び25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン133g、フェニルトリメトキシシラン32g及びテトラエトキシシラン63gの混合物を、液温40°Cで滴下し、その後40°C、6時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)を600g加え、液温を40°Cに加熱しながらの減圧下で、下に示されるポリマー4を得た。
Figure 0004515987
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求め、13C-NMRによって共重合比を下記の通りに求めた。
分子量(Mw)=5000
共重合比 a1:b2:c1=0.16:0.54:0.3
続いて、29Si-NMRで末端基の割合を測定し、Aを計算したところA=20.5モル%であり、13C-NMRでSi-OH/Si-ORを計算したところSi-OH/Si-OR=95/5になった。
(合成例5)
3000mlのガラス製のフラスコに、メタノール1400g、純水700g及び25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン49g、フェニルトリメトキシシラン28g及びメチルトリメトキシシラン90gの混合物を、液温40°Cで滴下し、その後40°C、6時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(PnP)を600g加え、液温を40°Cに加熱しながらの減圧下で、下に示されるポリマー5を得た。
Figure 0004515987
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求め、13C-NMRによって共重合比を下記の通りに求めた。
分子量(Mw)=8000
共重合比 a1:b2:c2=0.14:0.2:0.66
続いて、29Si-NMRで末端基の割合を測定し、Aを計算したところA=25.5モル%であり、13C-NMRでSi-OH/Si-ORを計算したところSi-OH/Si-OR=96/4になった。
(合成例6)
3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1400g、純水700g及び25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン49g、フェニルトリメトキシシラン28g、テトラエトキシシラン及びメチルテトラメトキシシラン90gの混合物を、液温40°Cで滴下し、その後40°C、6時間攪拌した。反応終了後、酢酸を35g加えて反応を停止させ、減圧でエタノールを留去した。得られた液に、酢酸エチル2000ml加え水層を分別し、有機液層を超純水で2回洗浄、乳酸エチル(EL)を600g加え、液温を40°Cに加熱しながらの減圧下で、下に示されるポリマー6を得た。
Figure 0004515987
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求め、13C-NMRによって共重合比を下記の通りに求めた。
分子量(Mw)=7000
共重合比 a1:b2:c1:c2=0.1:0.1:0.4:0.4
続いて、29Si-NMRで末端基の割合を測定し、Aを計算したところA=30.8モル%であり、13C-NMRでSi-OH/Si-ORを計算したところSi-OH/Si-OR=98/2になった。
(合成例7)
3000mlのガラス製のフラスコに、エタノール1400g、純水700g及び酢酸50gを仕込み、攪拌した。この混合物に、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン25g、フェニルトリメトキシシラン20g、テトラエトキシシラン167gの混合物を、液温40°Cで滴下し、その後40°C、24時間攪拌した。反応終了後、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(DAA)を1600g加え、液温を40°Cに加熱しながらの減圧下で、メタノール、エタノールおよび過剰の純水を留去し、下に示されるポリマー7を得た。
Figure 0004515987
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求め、13C-NMRによって共重合比を下記の通りに求めた。
分子量(Mw)=2000
共重合比 a1:b2:c1=0.1:0.1:0.8
続いて、29Si-NMRで末端基の割合を測定し、Aを計算したところA=58モル%であり、13C-NMRでSi-OH/Si-ORを計算したところSi-OH/Si-OR=100/0になった。
(実施例、比較例)
[反射防止膜材料の調製]
上記合成例1〜7で得られた反射防止用シリコーン樹脂(ポリマー1〜7)を用いて、FC−430(住友スリーエム社製)0.1質量%を含む有機溶剤中に表1に示す割合で溶解させ、0.1μmの弗素樹脂製のフィルターでろ過することによって反射防止膜材料(実施例1、6〜10、参考例2〜5、比較例1〜3)をそれぞれ調製した。
表1中の各組成は次の通りである。
ポリマー1〜7: 合成例1〜7より、
酸発生剤: AG1、AG2(下記構造式参照。)、
Figure 0004515987
中和剤:TEIC(トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート)
有機溶剤:EL(乳酸エチル)
DAA(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)
PnP(プロピレングリコールモノプロピルエーテル)
PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)。
このようにして調製した反射防止膜材料をシリコン基板上に塗布して、200℃で120秒間ベークして膜厚193nmの反射防止膜を形成した。
反射防止膜を形成後、J.A.ウーラム社の入射角度可変の分光エリプソメーター(VASE)で波長193nmにおける反射防止膜の屈折率(n,k)を求め結果を表1に示した。
一方、反射防止膜材料の保存安定性評価のために、上記と同様にしてシリコン基板上に膜厚80nmの反射防止膜を形成した。そして、180日、23℃に放置後、反射防止膜の膜厚を測定した。その結果も表1に合わせて示す。
Figure 0004515987
表1に示すように、実施例1、6〜10、参考例2〜5、比較例1〜3の反射防止膜は、屈折率のn値が1.5〜1.9、k値が0.15以上の範囲であり、十分な反射防止効果を発揮できるだけの最適なn値及びk値を有することが判る。さらに、実施例、参考例の反射防止膜では、180日、23℃で放置しておいても膜厚変化がほとんどないことが判った。一方、比較例の反射防止膜では、180日間、23℃に放置しておくと、膜厚上昇が確認された。
[フォトレジスト膜材料の調製]
フォトレジスト膜材料のベース樹脂として下記重合体(ポリマーA〜ポリマーC)を準備した。
Figure 0004515987
ポリマーAは、上に示される繰り返し単位s、tからなる重合体である。この重合体の共重合比及び質量平均分子量(Mw)を以下に示す。
共重合比 s:t=0.40:0.60
分子量(Mw)=8800
Figure 0004515987
ポリマーBは、上に示される繰り返し単位u、vからなる重合体である。この重合体の共重合比及び質量平均分子量(Mw)を以下に示す。
共重合比 u:v=0.50:0.50
分子量(Mw)=8300
Figure 0004515987
ポリマーCは、上に示される繰り返し単位w、xからなる重合体である。この重合体の共重合比及び質量平均分子量(Mw)を以下に示す。
共重合比 w:x=0.40:0.60
分子量(Mw)=18300
上記準備した重合体(ポリマーA〜ポリマーC)を用いて、下記表2に示す組成でArFリソグラフィー用のフォトレジスト膜材料1〜3をそれぞれ調製した。
表2中の各組成は次の通りである。
ポリマー:ポリマーA〜ポリマーC、
酸発生剤:PAG1(下記構造式参照。)
Figure 0004515987
塩基添加剤:トリエタノールアミン、
有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)。
Figure 0004515987
[パターン形状の観察、及びエッチング耐性試験]
(1)パターン形状の観察
上記調製した反射防止膜材料(実施例1、6、7、参考例2〜5、比較例1〜2)をシリコン基板上に塗布して、200℃で120秒間ベークして膜厚193nmの反射防止膜を形成した。
次に、反射防止膜の上に、表3に示される組合せで、上記調製したフォトレジスト膜材料1〜3を塗布して、120℃で60秒間ベークし、膜厚250nmのフォトレジスト膜を形成した。
次いで、ArF露光装置(ニコン社製;S305B、NA0.68、σ0.85、2/3輪体照明、Crマスク)で露光し、110℃で90秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で現像し、110nmラインアンドスペースのポジ型のレジストパターンを得た。得られたレジストパターン形状(フォトレジスト膜の断面形状)について、裾引きやアンダーカット、インターミキシング現象が起きていないかを観察し、結果を表3に示した。
Figure 0004515987
その結果、実施例1、6、7、参考例2〜5、比較例1〜2の反射防止膜材料を用いた場合では、フォトレジスト膜は反射防止膜との境界付近で裾引きやアンダーカット、インターミキシング現象が起きておらず、矩形のパターンが得られていることを確認した。続いて同じ材料を180日間、23℃で保存した後、前記の方法と同様の方法でレジストパターンを比較した。その結果、実施例1、6、7、参考例2〜5で使用した保存安定性に優れた溶剤を使用した場合は、レジストパターンの変化は無かったが、比較例1〜2の保存安定性に劣る有機溶剤を使用した場合は、レジストパターンに於いても、劣化が見られた。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明のパターン形成方法に関する説明図である。(a)現像後のレジストパターン、(b)基板ドライエッチング後のパターン。 本発明の別のパターン形成方法に関する説明図である。(a)現像後のレジストパターン、(b)反射防止膜に転写されたパターン、(c)有機膜に転写されたパターン、(d)基板ドライエッチング後のパターン。 反射防止膜の膜厚と反射率の関係を示すグラフである。
符号の説明
10、20…反射防止膜、 11、21…フォトレジスト膜、 12、22…基板、
12a,22a…被加工層、 12b,22b…下地層、 23…有機膜。

Claims (9)

  1. リソグラフィーで用いられる反射防止膜材料であって、少なくとも、炭素-酸素単結合及び/又は炭素-酸素二重結合を有する有機基と、光吸収基と、末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)とを含む反射防止用シリコーン樹脂と、乳酸エチル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン及びその混合溶剤から選ばれる有機溶剤と、酸発生剤とを含有するものであり、かつ、前記乳酸エチル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン及びその混合溶剤から選ばれる有機溶剤が、全有機溶剤中60質量%以上含まれるものであることを特徴とする反射防止膜材料。
  2. 上記有機基が、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基のうち一以上を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜材料。
  3. 上記光吸収基が、アントラセン環、ナフタレン環、べンゼン環のいずれか1種以上を含むものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射防止膜材料。
  4. 上記末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)が、上記シリコーン樹脂に含まれる全ケイ素原子のうち0.1〜60モル%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の反射防止膜材料。
  5. 上記末端がSi-OH及び/又はSi-ORであるケイ素原子(Rはアルキル基である)において、上記Si-OHとSi-ORのモル比率が、100/0から20/80であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の反射防止膜材料。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載した反射防止膜材料であって、さらにメチロール基、アルコキシエチル基、アシロキシエチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換されたエポキシ化合物、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物及びウレア化合物から選ばれる中和剤を含有するものであることを特徴とする反射防止膜材料。
  7. リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜及び基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  8. リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜をエッチングし、さらにパターンが形成された反射防止膜をマスクにして基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  9. リソグラフィーにより基板にパターンを形成する方法であって、少なくとも、基板上に有機膜を形成し、該有機膜の上に請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射防止膜材料を塗布し、ベークして反射防止膜を形成し、該反射防止膜上にフォトレジスト膜材料を塗布し、プリベークしてフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターン回路領域を露光した後、現像液で現像してフォトレジスト膜にレジストパターンを形成し、該レジストパターンが形成されたフォトレジスト膜をマスクにして反射防止膜をエッチングし、パターンが形成された反射防止膜をマスクにして有機膜をエッチングし、さらに基板をエッチングして基板にパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
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