JP3591672B2 - ポジ型感光性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷板やIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程に使用されるポジ型感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポジ型フォトレジスト組成物としては、一般にアルカリ可溶性樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物とを含む組成物が用いられている。例えば、「ノボラック型フェノール樹脂/ナフトキノンジアジド置換化合物」として米国特許第3,666,473号、米国特許第4,115,128号及び米国特許第4,173,470号等に、また最も典型的な組成物として「クレゾール−ホルムアルデヒドより成るノボラック樹脂/トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル」の例がトンプソン「イントロダクション・トゥー・マイクロリソグラフィー」(L.F.Thompson「Introduction to Microlithography」)(ACS出版、No.2,19号、p112〜121)に記載されている。
このような基本的にノボラック樹脂とキノンジアジド化合物から成るポジ型フォトレジストは、ノボラック樹脂がプラズマエッチングに対して高い耐性を与え、ナフトキノンジアジド化合物は溶解阻止剤として作用する。そして、ナフトキノンジアジドは光照射を受けるとカルボン酸を生じることにより溶解阻止能を失い、ノボラック樹脂のアルカリ溶解度を高めるという特性を持つ。
【0003】
これまで、かかる観点からノボラック樹脂とナフトキノンジアジド系感光物を含有する数多くのポジ型フォトレジストが開発、実用化され、0.8μm〜2μm程度までの線幅加工に於いては十分な成果をおさめてきた。
しかし、集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。この必要な解像力を達成するためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討されるまでになってきている。
従来のノボラックとナフトキノンジアジド化合物から成るレジストを遠紫外光やエキシマレーザー光を用いたリソグラフィーのパターン形成に用いると、ノボラック及びナフトキノンジアジドの遠紫外領域に於ける吸収が強いために光がレジスト底部まで到達しにくくなり、低感度でテーパーのついたパターンしか得られない。
【0004】
このような問題を解決する手段の一つが、米国特許第4,491,628号、欧州特許第249,139号等に記載されている化学増幅系レジスト組成物である。化学増幅系ポジ型レジスト組成物は、遠紫外光などの放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させパターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
【0005】
このような例として、光分解により酸を発生する化合物と、アセタールまたはO,N−アセタール化合物との組合せ(特開昭48−89003号)、オルトエステル又はアミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−120714号)、主鎖にアセタール又はケタール基を有するポリマーとの組合せ(特開昭53−133429号)、エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55−12995号)、N−アシルイミノ炭酸化合物化合物との組合せ(特開昭55−126236号)、主鎖にオルトエステル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−17345号)、第3級アルキルエステル化合物との組合せ(特開昭60−3625号)、シリルエステル化合物との組合せ(特開昭60−10247号)、及びシリルエーテル化合物との組合せ(特開昭60−37549号、特開昭60−121446号)等を挙げることができる。これらは原理的に量子収率が1を越えるため、高い感光性を示す。
【0006】
同様に、室温経時下では安定であるが、酸存在下加熱することにより分解し、アルカリ可溶化する系として、例えば、特開昭59−45439号、特開昭60−3625号、特開昭62−229242号、特開昭63−27829号、特開昭63−36240号、特開昭63−250642号、Polym.Eng.Sce.,23巻、1012頁(1983);ACS.Sym.242巻、11頁(1984);Semiconductor World 1987年、11月号、91頁;Macromolecules,21巻、1475頁(1988);SPIE,920巻、42頁(1988)等に記載されている露光により酸を発生する化合物と、第3級又は2級炭素(例えばt−ブチル、2−シクロヘキセニル)のエステル又は炭酸エステル化合物との組合せ系が挙げられる。これらの系も高感度を有し、且つ、ナフトキノンジアジド/ノボラツク樹脂系と比べて、Deep−UV領域での吸収が小さいことから、前記の光源短波長化に有効な系となり得る。
【0007】
上記ポジ型化学増幅レジストは、アルカリ可溶性樹脂、放射線露光によつて酸を発生する化合物(光酸発生剤)、及び酸分解性基を有するアルカリ可溶性樹脂に対する溶解阻止化合物から成る3成分系と、酸との反応により分解しアルカリ可溶となる基を有する樹脂と光酸発生剤からなる2成分系に大別できる。
これら2成分系あるいは3成分系のポジ型化学増幅レジストにおいては、露光により光酸発生剤からの酸を介在させて、熱処理により分解後現像してレジストパターンを得るものである。ここで、露光から熱処理(PEB処理)までの放置時間が長くなるに従い、この発生した酸が拡散したり、また雰囲気中の塩基性不純物によりレジスト表面部の酸が失活してしまい、感度、更に現像後のレジストパターンのプロファイル(T−トップ形状)や線幅等が変化してしまうという問題があった。特に、酸分解性基がt−BOC基、t−ブチルエステル基等の酸分解活性化エネルギーが比較的大きい基の場合、感度低下、T−トップの形成が大きな問題となる。これに対しアセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、シリルエーテル基等の酸分解活性化エネルギーが小さい基では、これらの問題は緩和される一方、パターンの線幅が細くなるという問題が生じる。更に、これらの基からは酸分解によりフェノール性OH基が生成する為、溶解促進効果が十分でなく、露光前後の溶解のディスクリミネーションが不十分で、解像度、デフォーカスラチチュード等にいまだ不十分なところがあった。
【0008】
これらを解決する手段として、発生した酸によりカルボン酸を発生する基を利用する技術が、特公平2−27660号、特開平5−181279号、特開平6−83059号、特開平6−282073号の各公報、欧州特許第366590号の明細書等に開示されている。
しかし、これらの技術では、上記のとおり露光後経時によりパターン形状変化(Tトップ形状)、感度の変動(低下)がいまだ改善されなかった。
【0009】
一方、酸の作用により分解し易く(酸分解活性化エネルギーが小さく)、パターン形状変化、感度の変動を起こし難い基を有する樹脂を用いる技術が、特開平2−25850号、特公平3−44290号、特開平4−211258号、特開平5−19482号、特開平5−249682号、特開平6−167811号、特開平6−273934号の各公報、欧州特許第447868号の明細書に開示されている。
しかし、これらの技術では、溶解促進効果が発現せず、アルカリ現像液による露光後の溶解性が不十分で、解像度、パターンプロファイルが満足できうるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、露光後の現像性が改善され溶解促進効果が向上し、更に露光後経時によるパターン形状変化、感度変化がなくなり、それにより感度、解像度、パターンプロファイルが向上したポジ型感光性組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、本発明の目的が、ポジ型化学増幅系において、下記の特定の成分を含む樹脂を用いることで達成されることを見いだし、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記構成である。
(1) 下記一般式(I)、(II)及び(III) で示される繰り返し単位を有する樹脂、及び活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
【0012】
【化2】
【0013】
ここで、
R1は水素原子又はメチル基を表す。
R2 は−C(=O)−O−C(R 6 )(R 7 )(R 8 )を表す。
R3 は−O−C(R6 )(R7 )(R8 )、−O−Si(R6 )(R7 )(R8 )又は−O−C(R9 )(R10)−OR11を表す。
R4 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基又はアシロキシ基を表す。
R6 〜R10は各々同じでも異なってもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基を表し、ここで、R6 〜R8 のうち少なくとも2つは水素原子以外の基である。
R11はアルキル基又はアリール基を表す。R6 〜R8 、及びR9 〜R11のうち2つが結合して環を形成してもよい。nは1〜3の整数を表す。
【0014】
(2) 酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3,000以下の低分子酸分解性溶解阻止化合物含有することを特徴とする上記(1)に記載のポジ型感光性組成物。
(3) 水に不溶でアルカリ水溶液に可溶な樹脂を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポジ型感光性組成物。
【0015】
上記のように、化学増幅型レジストにおいて、上記一般式(I)、(II)及び(III) の成分を含む高分子量の樹脂を用いることにより、詳細は不明であるが、上記各成分が樹脂の1分子中に存在することで、各成分が別々の分子中にある樹脂を混合する場合に比べ、分子間の相溶性が向上し且つ各成分が適切な相互作用できるようになり、露光後の溶解促進効果と、更に露光後経時によるパターン形状及び感度の変化の低減効果が著しく向上したものと考えられる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
上記一般式(I)、(II)及び(III) の繰り返し単位を有する樹脂について説明する。
上記式中のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素が好ましく、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル等のような炭素数1〜8個のものが好ましく、シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル等のような炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としては、ビニル、プロペニル、アリル、ブテニル等のような炭素数2〜4のものが好ましく、アリール基としては、フェニル、キシリル、トルイル、クメニル、ナフチル、アントラセニル等のような炭素数6〜14のものが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシエトキシ、プロポキシ、ヒドロキシプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ等のような炭素数1〜4個のものが好ましく、アシル基としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ベンゾイル等の炭素数1〜7のものが好ましく、アシロキシ基としては、アセトキシ、プロプノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ等の炭素数2〜7個のものが好ましい。
ここで、R5 のアルキレン基(置換基を有していてもよい2価の脂肪族基)としては、メチレン、1,2−エチレン、1,1−エチレン、1,3−プロピレン、2,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキシレン等の炭素数1〜6個のアルキレン基が挙げられる。
【0017】
これら一般式(I)〜(III) で示される繰り返し単位を含む樹脂は、例えば以下に示す方法により合成される。
即ち、一般式(I)で示される構造単位に由来する重合性モノマーを単独重合又は共重合させて得られたた樹脂中のOH基を、一般式(II)のR2 で示される基、更に一般式(III) のR3 で示される基になるように修飾、変換する方法、並びに一般式(I)で示される重合性モノマーと、一般式(II)で示される重合性モノマーと、一般式(III) で示される重合性モノマーとを共重合する方法、また更に、一般式(II)、(III) で示される重合性モノマーを単独重合又は共重合した後、R2 、R3 の一部を加水分解して一般式(I)の構造に変換する方法により合成できる。
【0018】
具体的には、上記一般式(I)で示される重合性モノマーを適当な溶媒及び触媒を用い、例えば、特開平2−25850号、同3−223860号、同4−211258号、同5−249682号等に記載されたラジカル重合法で単独重合又は他の重合性モノマーと共重合させた後、得られた樹脂中のOH基を例えば、特開昭60−52845号、特開平5−19482号、同4−219757号、同4−251259号、同5−249682号、同4−211258号、同5−181279号、同6−83059号、同6−194841号等に記載の方法により、R2 、R3 の基に修飾、変換する方法により合成される。また、一般式(I)、(II)、(III) 及び必要に応じて他の重合性モノマーを上記ラジカル重合法等で、共重合させることにより合成される。また、一般式(II)及び/又は(III) 及び必要に応じて他の重合性モノマーを上記ラジカル重合法、又は特開平4−350657号、同4−350658号、同6−41221号、同6−41222号、同6−65332号、同6−65333号等に記載されたリビングアニオン重合法で単独重合または共重合させた後、R2 及び/又はR3 の基の一部を加水分解して一般式(I)の構造に変換する方法、更に引き続き含量調整のため、再度R2 及び/又はR3 の基に修飾、変換する方法により合成される。
【0019】
このような一般式(I)で示される重合性モノマーの具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
一般式(II)で示される重合性モノマーの具体例としては、上記化合物例(I−1)〜(I−23)のOH基を以下の基で置換したものが挙げられる。
【0023】
【化5】
【0024】
また、更に以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
【化6】
【0026】
また、一般式(III) で示される重合性モノマーの具体例としては、上記化合物例(I−1)〜(I−23)のOH基を以下の基で置換したものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
【化7】
【0028】
またこれらの重合性モノマーと共重合し得る他の重合性モノマーとしては、以下に示すものが含まれる。例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0029】
具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−テトラヒドロピラニルアクリレートなど)、アリールアクリレート(例えばフェニルアクリレートなど)、シリルアクリレート(例えば、t−ブチルジメチルシリルアクリレートなど);メタクリル酸エステル類、例えば、アルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、t−アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−テトラヒドロピラニルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど)、シリルメタクリレート(例えば、トリメチルシリルメタクリレート、t−ブチルジメチルシリルメタクリレートなど);アクリルアミド類、例えばアクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリールアクリルアミド、(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−ジアリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;メタクリルアミド類、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、
【0030】
プロピル基、ブチル基などがある。)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど;アリル化合物、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;ビニルエーテル類、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど);ビニルエステル類、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなど;スチレン類、例えばスチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、
【0031】
メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、α−メチルスチレン;クロトン酸エステル類、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど);イタコン酸ジアルキル類(例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキル類(例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど);アクリル酸、メタクリル酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイノニトリル、フマロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−アルキルマレイミド、N−アリールマレイミド(アリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基などがある)等がある。その他、共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
【0032】
一般式(I)〜(III) で示される重合性モノマー又は他の重合性モノマーは、各々一種、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂における一般式(I)で示されるモノマー成分の含量は好ましくは30〜90モル%、より好ましくは40〜85モル%、更に好ましくは50〜80モル%である。
樹脂における一般式(II)で示されるモノマー成分の含量は好ましくは3〜40モル%、より好ましくは5〜30モル%、更に好ましくは10〜20モル%である。
樹脂における一般式(III) で示されるモノマー成分の含量は好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜35モル%、更に好ましくは15〜30モル%である。
また共重合体においては、アルカリ現像液に対する良好な現像性を維持する為にアルカリ可溶性基、例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基が導入され得るように他の重合性モノマーを選択することができる。
【0033】
上記の方法によって合成される本発明に係わる上記一般式(I)〜(III) のモノマー成分を有する樹脂の分子量は重量平均(Mw:ポリスチレン標準)で2,000以上、好ましくは3,000〜200,000であり、より好ましくは5,000〜70,000である。また、分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.0〜1.6であり、分散度が小さい程、耐熱性、画像形成性(パターンプロファイル、デフォーカスラチチュード等)が良好となる。
上記一般式(I)〜(III) のモノマー成分を有する樹脂の感光性組成物中(塗布溶媒を除く)の添加量としては、好ましくは50〜99重量%、更に好ましくは70〜97重量%である。
これらの一般式(I)〜(III) のモノマー成分を有する樹脂の具体例を以下に示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。
下記式中、l/m/nはモル比で70/10/20〜50/20/30であり、l/m/n/pはモル比で70/10/10/10〜40/20/20/20である。
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
次に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を説明する。
本発明で使用される活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物およびそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0041】
たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特願平3−140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049 号、同第410,201号、特開平2−150,848号、特開平2−296,514号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984) 、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同3,902,114 号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605 号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835 号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal,J.Rad.Curing,13(4),26(1986) 、T.P.Gill etal,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,J.Chem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.SoC.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker etalJ.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、 欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、 米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143 号、特開平2−245756号、特願平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号等に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0042】
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse etal,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas etal,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo etal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamadaetal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、獨国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038 号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0043】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0044】
上記活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0045】
【化14】
【0046】
式中、R1は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R2は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、又は−CY3をしめす。Y3 は塩素原子または臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0051】
【化18】
【0052】
式中、Ar1、Ar2は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。ここで、好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0053】
R3,R4,R5は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基およびそれらの置換誘導体である。ここで、好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0054】
Z−は対アニオンを示し、例えばBF4 −、AsF6 −、PF6 −、SbF6−、SiF6 2−、ClO4 −、CF3SO3 −等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0055】
またR3,R4,R5のうちの2つおよびAr1、Ar2はそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
【0056】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
【化19】
【0058】
【化20】
【0059】
【化21】
【0060】
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】
【化24】
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】
【0065】
【化27】
【0066】
【化28】
【0067】
【化29】
【0068】
【化30】
【0069】
一般式 (PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、たとえばJ.W.Knapczyk etal,J.Am.Chem.Soc.,91,145(1969)、A.L.Maycok etal, J.Org.Chem.,35,2532,(1970)、E.Goethas etal ,Bull.Soc.Chem.Belg.,73,546,(1964) 、H.M.Leicester、J.Ame.Chem.Soc.,51,3587(1929)、J.V.Crivello etal,J.Polym.Chem.Ed.,18,2677(1980)、米国特許第2,807,648 号および同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0070】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0071】
【化31】
【0072】
式中Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R6 は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
【化32】
【0074】
【化33】
【0075】
【化34】
【0076】
【化35】
【0077】
【化36】
【0078】
これらの活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の添加量は、感光性組成物の全重量(塗布溶媒を除く)を基準として通常0.01〜20重量%の範囲で用いられ、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%の範囲で使用される。
【0079】
次に、本発明において好ましく用いられる水不溶でアルカリ水溶液に可溶な樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂ともいう)について説明する。アルカリ可溶性樹脂の添加は、レジスト膜の耐熱性の向上、感度の向上、現像時のアルカリ溶解性の向上並びに調整等の点で好ましい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O−(1−エトキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロピラニル化物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボニル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
特に好ましいアルカリ可溶性樹脂はノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。該ノボラック樹脂は所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0080】
所定のモノマーとしては、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のクレゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノール等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソプロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトール等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0081】
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール等を使用することができるが、これらの中で、ホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。
これらのアルデヒド類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられる。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸等を使用することができる。
【0082】
こうして得られたノボラック樹脂の重量平均分子量は、1,000〜30,000の範囲であることが好ましい。1,000未満では未露光部の現像後の膜減りが大きく、30,000を越えると現像速度が小さくなってしまう。特に好適なのは2,000〜20,000の範囲である。
また、ノボラック樹脂以外の前記ポリヒドロキシスチレン、及びその誘導体、共重合体の重量平均分子量は、2000以上、好ましくは5000〜200000、より好ましくは10000〜100000である。また、レジスト膜の耐熱性を向上させるという観点からは、25000以上が好ましい。
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
本発明に於けるこれらのアルカリ可溶性樹脂は2種類以上混合して使用しても良い。アルカリ可溶性樹脂の使用量は、感光性組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
【0083】
次に本発明において、好ましく用いられる酸分解性溶解阻止化合物を説明する。酸分解性溶解阻止化合物を用いることは、露光後加熱時の膜収縮を低減し、また未露光部の溶解阻止性の向上、従って露光、未露光部間の溶解ディスクリミネーションの向上という点で好ましい。
本発明に用いられる酸分解性溶解阻止化合物としては、その構造中に酸で分解し得る基を少なくとも2個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも8個経由する化合物である。
本発明において、好ましくは酸分解性溶解阻止化合物は、その構造中に酸で分解し得る基を少なくとも2個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも10個、好ましくは少なくとも11個、更に好ましくは少なくとも12個経由する化合物、又は酸分解性基を少なくとも3個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも9個、好ましくは少なくとも10個、更に好ましくは少なくとも11個経由する化合物である。又、上記結合原子の好ましい上限は50個、更に好ましくは30個である。
本発明において、酸分解性溶解阻止化合物が、酸分解性基を3個以上、好ましくは4個以上有する場合、又酸分解性基を2個有するものにおいても、該酸分解性基が互いにある一定の距離以上離れている場合、アルカリ可溶性樹脂に対する溶解阻止性が著しく向上する。
なお、本発明における酸分解性基間の距離は、酸分解性基を除く、経由結合原子数で示される。例えば、以下の化合物(1),(2)の場合、酸分解性基間の距離は、各々結合原子4個であり、化合物(3)では結合原子12個である。
【0084】
【化37】
【0085】
また、本発明の酸分解性溶解阻止化合物は、1つのベンゼン環上に複数個の酸分解性基を有していても良いが、好ましくは、1つのベンゼン環上に1個の酸分解性基を有する骨格から構成される化合物である。更に、本発明の酸分解性溶解阻止化合物の分子量は3,000以下が好ましく、より好ましくは500〜3,000、更に好ましくは1,000〜2,500である。
【0086】
本発明の好ましい実施態様においては、酸により分解し得る基、即ち−COO−A0 、−O−B0基を含む基としては、−R0−COO−A0、又は−Ar−O−B0で示される基が挙げられる。
ここでA0は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もしくは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0は、A0又は−CO−O−A0基を示す。
R01、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R0は置換基を有していても良い2価以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族基を示す。
【0087】
ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。
また、置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フツ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フエネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0088】
好ましくは、シリルエーテル基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル基、第3級のアルキルカーボネート基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基、第3級アルキルカーボネート基、クミルエステル基、テトラヒドロピラニルエーテル基である。
【0089】
酸分解性溶解阻止化合物としては、好ましくは、特開平1−289946号、特開平1−289947号、特開平2−2560号、特開平3−128959号、特開平3−158855号、特開平3−179353号、特開平3−191351号、特開平3−200251号、特開平3−200252号、特開平3−200253号、特開平3−200254号、特開平3−200255号、特開平3−259149号、特開平3−279958号、特開平3−279959号、特開平4−1650号、特開平4−1651号、特開平4−11260号、特開平4−12356号、特開平4−12357号、特願平3−33229号、特願平3−230790号、特願平3−320438号、特願平4−25157号、特願平4−52732号、特願平4−103215号、特願平4−104542号、特願平4−107885号、特願平4−107889号、同4−152195号等の明細書に記載されたポリヒドロキシ化合物のフエノール性OH基の一部もしくは全部を上に示した基、−R0−COO−A0もしくはB0基で結合し、保護した化合物が含まれる。
【0090】
更に好ましくは、特開平1−289946号、特開平3−128959号、特開平3−158855号、特開平3−179353号、特開平3−200251号、特開平3−200252号、特開平3−200255号、特開平3−259149号、特開平3−279958号、特開平4−1650号、特開平4−11260号、特開平4−12356号、特開平4−12357号、特願平4−25157号、特願平4−103215号、特願平4−104542号、特願平4−107885号、特願平4−107889号、同4−152195号の明細書に記載されたポリヒドロキシ化合物を用いたものが挙げられる。
【0091】
より具体的には、一般式[I]〜[XVI]で表される化合物が挙げられる。
【0092】
【化38】
【0093】
【化39】
【0094】
【化40】
【0095】
【化41】
【0096】
ここで、R1,R2,R3,R4:同一でも異なっていても良く、水素原子、−R0 −COO−A0もしくはB0基、
R1:−CO−,−COO−,−NHCONH−,−NHCOO−,−O−,−S−,−SO−,−SO2 −,−SO3 −,もしくは
【0097】
【化42】
【0098】
ここで、G=2〜6 但し、G=2の時はR4,R5のうち少なくとも一方はアルキル基、
R4,R5:同一でも異なっていても良く、水素原子,アルキル基,アルコキシ基,−OH,−COOH,−CN,ハロゲン原子,−R6−COOR7,もしくは−R8−OH(R6,R8:アルキレン基、R7:水素原子,アルキル基,アリール基,もしくはアラルキル基)、
R2,R3,R9〜R12,R15,R17〜R21,R25〜R27,R30〜R32,R37〜R42,R46〜R49及びR51:同一でも異なっても良く、水素原子,水酸基,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,アシロキシ基,アリール基,アリールオキシ基,アラルキル基,アラルキルオキシ基,ハロゲン原子,ニトロ基,カルボキシル基,シアノ基,もしくは−N(R13)(R14)(R13,R14:H,アルキル基,もしくはアリール基)、
R16:単結合,アルキレン基,もしくは
【0099】
【化43】
【0100】
R22,R24:同一でも異なっても良く、単結合,アルキレン基,−O−,−S−,−CO−,もしくはカルボキシル基、
R23:水素原子,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,アシロキシ基,アリール基,ニトロ基,水酸基,シアノ基,もしくはカルボキシル基、但し、水酸基の水素がt−ブトキシカルボニル基で置換されていてもよい、
R28,R29:同一でも異なっても良く、メチレン基,低級アルキル置換メチレン基,ハロメチレン基,もしくはハロアルキル基、但し本願において低級アルキル基とは炭素数1〜4のアルキル基を指す、
R33〜R36:同一でも異なっても良く、水素原子,もしくはアルキル基、
R43〜R45:同一でも異なっても良く、水素原子,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,もしくはアシロキシ基、
R50:水素原子,t−ブトキシカルボニル基,もしくは
【0101】
【化44】
【0102】
R52,R53:同一でも異なっても良く、水素原子,低級アルキル基,低級ハロアルキル基,もしくはアリール基、
R54〜R57:同一でも異なっていても良く、水素原子,水酸基,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,カルボニル基,アルキル基,アルコキシ基,アルコキシカルボニル基,アラルキル基,アラルキルオキシ基,アシル基,アシロキシ基,アルケニル基,アルケニルオキシ基,アリール基,アリールオキシ基,もしくはアリールオキシカルボニル基、但し、各4個の同一記号の置換基は同一の基でなくても良い、
Y:−CO−,もしくは−SO2−、
Z,B:単結合,もしくは−O−、
A:メチレン基,低級アルキル置換メチレン基,ハロメチレン基,もしくはハロアルキル基、
E:単結合,もしくはオキシメチレン基、
a〜z,a1〜y1:複数の時、()内の基は同一または異なっていてもよい、
a〜q、s,t,v,g1〜i1,k1〜m1,o1,q1,s1,u1:0もしくは1〜5の整数、
r,u,w,x,y,z,a1〜f1,p1,r1,t1,v1〜x1:0もしくは1〜4の整数、
j1,n1,z1,a2,b2,c2,d2:0もしくは1〜3の整数、
z1,a2,c2,d2のうち少なくとも1つは1以上、
y1:3〜8の整数、
(a+b),(e+f+g),(k+l+m),(q+r+s),(w+x+y),(c1+d1),(g1+h1+i1+j1),(o1+p1), (s1+t1)≧2、
(j1+n1)≦3、
(r+u),(w+z),(x+a1),(y+b1),(c1+e1),(d1+f1),(p1+r1),(t1+v1),(x1+w1)≦4、但し一般式[V]の場合は(w+z),(x+a1)≦5、
(a+c),(b+d),(e+h),(f+i),(g+j),(k+n),(l+o),(m+p),(q+t),(s+v),(g1+k1), (h1+l1),(i1+m1),(o1+q1),(s1+u1)≦5、
を表す。
【0103】
【化45】
【0104】
【化46】
【0105】
【化47】
【0106】
【化48】
【0107】
好ましい化合物骨格の具体例を以下に示す。
【0108】
【化49】
【0109】
【化50】
【0110】
【化51】
【0111】
【化52】
【0112】
【化53】
【0113】
【化54】
【0114】
【化55】
【0115】
【化56】
【0116】
【化57】
【0117】
【化58】
【0118】
【化59】
【0119】
【化60】
【0120】
【化61】
【0121】
【化62】
【0122】
【化63】
【0123】
【化64】
【0124】
【化65】
【0125】
【化66】
【0126】
【化67】
【0127】
化合物(1)〜(63)中のRは、水素原子、
【0128】
【化68】
【0129】
を表す。但し、少なくとも2個、もしくは構造により3個は水素原子以外の基であり、各置換基Rは同一の基でなくても良い。
【0130】
酸分解性溶解阻止化合物の添加量は、感光性組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として3〜50重量%であり、好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは10〜20重量%の範囲である。
【0131】
本発明の感光性組成物には必要に応じて、更に染料、顔料、可塑剤、界面活性剤、光増感剤、有機塩基性化合物及び現像液に対する溶解性を促進させるフエノール性OH基を2個以上有する化合物などを含有させることができる。
【0132】
本発明で使用できるフェノール性OH基を2個以上有する化合物は、好ましくは分子量1000以上のフェノール化合物である。また、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有することが必要であるが、これが10を越えると、現像ラチチュードの改良効果が失われる。また、フェノ−ル性水酸基と芳香環との比が0.5未満では膜厚依存性が大きく、また、現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。この比が1.4を越えると該組成物の安定性が劣化し、高解像力及び良好な膜厚依存性を得るのが困難となって好ましくない。
【0133】
このフェノール化合物の好ましい添加量はアルカリ可溶性樹脂に対して2〜50重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%である。30重量%を越えた添加量では、現像残渣が悪化し、また現像時にパターンが変形するという新たな欠点が発生して好ましくない。
【0134】
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938、特開平2−28531、米国特許第4916210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者に於て容易に合成することが出来る。
フェノール化合物の具体例を以下に示すが、本発明で使用できる化合物はこれらに限定されるものではない。
【0135】
レゾルシン、フロログルシン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3′,4′,5′−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、アセトン−ピロガロール縮合樹脂、フロログルコシド、2,4,2′,4′−ビフェニルテトロール、4,4′− チオビス(1,3−ジヒドロキシ)ベンゼン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルフォキシド、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,2,2−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,2−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)ブタン、パラ〔α,α,α′,α′−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)〕−キシレン等を挙げることができる。
【0136】
本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい化学的環境として、下記式(XVII)〜(XXI)構造を挙げることがでる。
【0137】
【化69】
【0138】
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0139】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、組成物(溶媒を除く)100重量部に対し、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。0.001重量部未満では本発明の効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0140】
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0141】
さらに、下記に挙げるような分光増感剤を添加し、使用する光酸発生剤が吸収を持たない遠紫外より長波長領域に増感させることで、本発明の感光性組成物をiまたはg線に感度を持たせることができる。好適な分光増感剤としては、具体的にはベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等であるがこれらに限定されるものではない。
また、これらの分光増感剤は、光源の遠紫外光の吸光剤としても使用可能である。この場合、吸光剤は基板からの反射光を低減し、レジスト膜内の多重反射の影響を少なくさせることで定在波改良の効果を発現する。
【0142】
本発明の感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
【0143】
上記溶媒に界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100重量部当たり、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0144】
上記感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。
【0145】
本発明の感光性組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0146】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
本発明の樹脂(1)の合成例
ポリ(4−ヒドロキシスチレン)(重量平均分子量11,000(ポリスチレ
ン標準)) 48.1g(0.400モル)、
ブロモ酢酸t−ブチル 7.80g(0.0400モル)、
炭酸カリウム 6.1g(0.0440モル)
にDMAc250mlを加え、この混合物を120℃にて7時間加熱攪拌した。放冷後、酢酸2.64gを添加し、イオン交換水3L中に攪拌下投入した。析出した粉体を濾別し、イオン交換水にて水洗後、40℃にて減圧下乾燥した。その結果、白色樹脂(樹脂(a))51.2gを得た。GPC測定により、この樹脂の重量平均分子量は12,100であった。NMR並びにTGA測定により、この樹脂は原料OH基の10%がt−ブトキシカルボニルメチル基で置換されたものであることが確認された。
【0147】
樹脂(a)17.6gをTHF80mlに溶解した。この溶液にt−ブチルビニルエーテル5.0g(0.050モル)を添加し、更に触媒としてp−トルエンスルホン酸90mg/THF100g溶液を1.37g加え、室温下24時間攪拌した。反応液を塩基性イオン交換樹脂のカラムに通し、触媒を除去した後、イオン交換水3L中に攪拌下投入することにより、白色樹脂19gを得た。GPC測定により、この樹脂の重量平均分子量は13,200であった。またNMR並びにTGA測定により、この樹脂が本発明化合物例(1)の樹脂であることを確認した(2種の置換率の総計は30%であった)。
【0148】
本発明の樹脂(28)の合成例
4−ビニル安息香酸t−ブチル 2.06g(0.0150モル)、
4−アセトキシスチレン 21.9g(0.135モル)を
1−メトキシ−2−プロパノール 80ml
に溶解し、65℃に加熱した。重合開始剤としてV−65(和光純薬製)0.125gを窒素気流及び攪拌下、添加した。この反応溶液に
4−ビニル安息香酸t−ブチル 4.12g(0.0300モル)、
4−アセトキシスチレン 43.8g(0.270モル)、
V−65 0.250g
の1−メトキシ−2−プロパノール160ml溶液を2時間かけて滴下した。窒素気流下、2時間攪拌後、V−65 0.125gを追添加した。その後65℃にて2時間、更に90℃にて1時間攪拌した。放冷後、反応混合物をメタノール1.5L中に投入し、白色樹脂63g(樹脂(b))を得た。またGPC測定により、この樹脂の重量平均分子量は27,000であった。
【0149】
樹脂(b)33.2gに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液87.6g及びメタノール400mlを加え、5時間加熱還流させた。反応混合物を酢酸にて中和後、イオン交換水4L中に投入した。析出した樹脂を濾別し、水洗した。40℃にて減圧乾燥した結果、白色樹脂22g(樹脂(c))を得た。NMR測定により、樹脂(b)のアセトキシ基が加水分解され、OH基に変換されたことを確認した。またGPC測定により、この樹脂の重量平均分子量は24,500であった。
【0150】
樹脂(c)12.9gをTHF60mlに溶解した。この溶液にt−ブチルビニルエーテル3.0g(0.030モル)を添加し、更に触媒としてp−トルエンスルホン酸90mg/THF100g溶液を0.82g加え、室温下24時間攪拌した。反応液を塩基性イオン交換樹脂のカラムに通し、触媒を除去した後、イオン交換水3L中に攪拌下投入することにより、白色樹脂14gを得た。GPC測定により、この樹脂の重量平均分子量は25,800であった。またNMR並びにTGA測定により、この樹脂が本発明化合物例(28)の樹脂であることを確認した(2種の置換率の総計は30%であった)。
【0151】
上記樹脂の合成例と同様にして、化合物例(3)、(4)、(7)、(10)、(13)、(14)、(17)、(21)、(30)を合成した。
【0152】
〔溶解阻止剤化合物の合成例−1〕
α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフエニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン20g をテトラヒドロフラン400mlに溶解した。この溶液に窒素雰囲気下でtert−ブトキシカリウム14g を加え、室温にて10分間攪拌後、ジ−tert−ブチルジカーボネート29.2g を加えた。室温下、3時間反応させ、反応液を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を更に水洗浄し、乾燥させた後溶媒を留去した。得られた結晶性の固体を再結晶後(ジエチルエーテル)、乾燥させ、化合物例(31:Rは全てt−BOC基)25.6g を得た。
【0153】
〔溶解阻止剤化合物の合成例−2〕
α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフエニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン20g をジエチルエーテル400ml に溶解した。この溶液に窒素雰囲気下で3,4−ジヒドロ−2H−ピラン31.6g、触媒量 の塩酸を加え、リフラツクス下24時間反応させた。反応終了後、少量の水酸化ナトリウムを加え濾過した。濾液の溶媒を留去し、得られた生成物をカラムクロマトグラフイーで精製し、乾燥させ、化合物例(31:Rは総てTHP基)を得た。
【0154】
〔溶解阻止剤化合物の合成例−3〕
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフエニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン19.2g(0.040モル)のN,N−ジメチルアセトアミド120ml溶液に、炭酸カリウム21.2g(0.15モル)、更にブロモ酢酸t−ブチル27.1g(0.14モル)を添加し、120℃にて7時間撹拌した。その後反応混合物を水1.5lに投入し、酢酸エチルにて抽出した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、抽出液を濃縮し、カラムクロマトグラフイー(担体:シリカゲル,展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=3/7(体積比))にて精製した結果淡黄色粘稠固体30gを得た。NMRにより、これが化合物例(31:Rは総て−CH2COOC4H9 t基)であることを確認した。
【0155】
〔溶解阻止剤化合物の合成例−4〕
1−[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン42.4g(0.10モル)をN,N−ジメチルアセトアミド300mlに溶解し、これに炭酸カリウム49.5g(0.35モル)、及びブロモ酢酸クミルエステル84.8g(0.33モル)を添加した。その後、120℃にて7時間撹拌した。反応混合物をイオン交換水2lに投入し、酢酸にて中和した後、酢酸エチルにて抽出した。酢酸エチル抽出液を濃縮し、合成例[3]と同様に精製し、化合物例(18:Rは総て−CH2COOC(CH3)2C6H5基)70gを得た。
【0156】
〔溶解阻止剤化合物の合成例−5〕
α,α,α’,α’,α”,α”−ヘキサキス(4−ヒドロキシフエニル)−1,3,5−トリエチルベンゼン14.3g(0.020モル)のN,N−ジメチルアセトアミド120ml溶液に、炭酸カリウム21.2g(0.15モル)、更にブロモ酢酸t−ブチル27.1g(0.14モル)を添加し、120℃にて7時間撹拌した。その後、反応混合物を水1.5lに投入し、酢酸エチルにて抽出した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、抽出液を濃縮し、カラムクロマトグラフイー(担体:シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/8(体積比))にて精製した結果、淡黄色粉体24gを得た。NMRにより、これが化合物例(62:Rは総て−CH2−COO−C4H9 t基)であることを確認した。
【0157】
〔溶解阻止剤化合物の合成例−6〕
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフエニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン20g(0.042モル)をテトラヒドロフラン(THF)400mlに溶解した。この溶液に窒素雰囲気下でt−ブトキシカリウム9.3g(0.083モル)を加え、室温にて10分間撹拌後、ジ−t−ブチルジカーボネート19.5g(0.087モル)を加えた。室温下、3時間反応させ、反応液を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル抽出液を濃縮し、カラムクロマトグラフイー(担体:シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5(体積比))にて分別精製した結果、化合物例(31:2個のRはt−BOC基、1個のRは水素原子)7gを得た。
【0158】
〔溶解阻止剤化合物の合成例−7〕
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフエニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン48.1g(0.10モル)をジメチルアセトアミド300mlに溶解し、これに炭酸カリウム22.1g(0.16モル)、及びブロモ酢酸t−ブチル42.9g(0.22モル)を添加した。その後、120℃にて5時間撹拌した。反応混合物をイオン交換水2lに投入し、酢酸にて中和した後、酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル抽出液を濃縮し、カラムクロマトグラフイー(担体:シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5(体積比))にて分別精製した結果、化合物例(31:2個のRは−CH2−COO−C4H9 t基、1個のRは水素原子)10gを得た。
【0159】
実施例1〜20及び比較例1〜4
上記合成例で示した本発明の化合物を用いレジストを調製した。そのときの処方を表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
表1において使用した略号は下記の内容を表す。
【0162】
[感光性組成物の調製と評価]
表1に示す各素材に4−ジメチルアミノピリジン0.03gを加え、をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.5gに溶解し、0.2μmのフィルターで濾過してレジスト溶液を作成した。このレジスト溶液を、スピンコーターを利用して、シリコンウエハー上に塗布し、120℃60秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥して、膜厚0.83μmのレジスト膜を得た。
このレジスト膜に、248nmKrFエキシマレーザーステツパー(NA=0.42)を用いて露光を行った。露光直後、及び露光1時間後にそれぞれ100℃の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、ただちに2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンスして乾燥した。このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンの露光直後及び露光1時間後に加熱処理した場合のプロファイル、感度、解像力を各々下記のように評価し、比較した。その結果を表2に示す。
【0163】
〔プロファイル〕
このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストのプロファイルを評価した。
〔感度〕
感度は0.40μmのマスクパターンを再現する露光量をもって定義した。
〔解像力〕
解像力は0.40μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像力を表す。
【0164】
【表2】
【0165】
表2の結果から本発明のレジストは、良好なプロファイルと高感度、高解像力を有するポジ型感光性組成物であることがわかる。
一方、比較例1〜4は、表2が示すように、経時による解像力、プロファイルが、本発明に比べて不良であることが判る。
【0166】
【発明の効果】
本発明の化学増幅型のポジ型感光性組成物により、現像時の現像性が改善され溶解促進効果が向上し、更に露光後経時によるパターン形状変化、感度変化がなくなり、それにより感度、解像度、パターンプロファイルが向上したポジ型感光性組成物を提供することができる。
Claims (3)
- 下記一般式(I)、(II)及び(III)で示される繰り返し単位を有する樹脂、及び活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
R1は水素原子又はメチル基を表す。
R2 は−C(=O)−O−C(R 6 )(R 7 )(R 8 )を表す。
R3 は−O−C(R6 )(R7 )(R8 )、−O−Si(R6 )(R7 )(R8 )又は−O−C(R9 )(R10)−OR11を表す。
R4 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基又はアシロキシ基を表す。
R6 〜R10は各々同じでも異なってもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基を表し、ここで、R6 〜R8 のうち少なくとも2つは水素原子以外の基である。
R11はアルキル基又はアリール基を表す。R6 〜R8 、及びR9 〜R11のうち2つが結合して環を形成してもよい。nは1〜3の整数を表す。 - 酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3,000以下の低分子酸分解性溶解阻止化合物含有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
- 水に不溶でアルカリ水溶液に可溶な樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
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