表の簡単な説明
表1は、マウス、キメラ、およびヒト化抗PD−1抗体分子のアミノ酸およびヌクレオチド配列の概要である。抗体分子は、マウスmAb BAP049、キメラmAbs BAP049−chi、およびBAP049−chi−Y、ならびにヒト化mAbs BAP049−hum01〜BAP049−hum16およびBAP049−クローン−A〜BAP049−クローン−Eを含む。重鎖および軽鎖CDRのアミノ酸およびヌクレオチド配列、重鎖および軽鎖可変領域のアミノ酸およびヌクレオチド配列、ならびに重鎖および軽鎖のアミノ酸およびヌクレオチド配列をこの表に示す。
表2は、ヒト化mAb BAP049−hum01〜BAP049−hum16、およびBAP049−クローン−A〜BAP049−クローン−Eの重鎖および軽鎖フレームワーク領域のアミノ酸およびヌクレオチド配列を示す。
表3は、ヒトIgG重鎖およびヒトカッパ軽鎖の定常領域アミノ酸配列を示す。
表4は、ヒト化BAP049−クローン−A〜BAP049−クローン−Eの重鎖および軽鎖リーダー配列のアミノ酸配列を示す。
表5は、一律の投与スケジュールに基づく例示的なPKパラメーターを示す。
表6は、抗体分子Aにおける予想されるジスルフィド連結を示す。
詳細な説明
本明細書において、高い親和性および特異性でプログラム細胞死1(PD−1)に結合する抗体分子(例えば、ヒト化抗体分子)を、少なくとも部分的に開示する。抗体分子をコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、および抗体分子を作製する方法も同様に提供する。抗体分子を含む医薬組成物および投与製剤も同様に提供する。本明細書において開示される抗PD−1抗体分子は、障害、例えばがん様障害(例えば、固形および軟部組織腫瘍)ならびに感染疾患(例えば、慢性感染障害または敗血症)を処置、予防、および/または診断するために使用することができる(単独で、または他の薬剤もしくは治療モダリティとの組合せで)。このように、抗PD−1抗体分子を使用して、PD−1を検出するための組成物および方法、ならびにがんおよび/または感染疾患を含む様々な障害を処置する方法を本明細書において開示する。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、一律用量または固定用量で投与または使用される。
同様に、以下のカテゴリー(i)〜(iii):(i)抗原提示(例えば、腫瘍抗原の提示)を増強する薬剤(例えば、樹状細胞の活性または成熟、抗原の取り込み、または抗原プロセシングのうちの1つまたは複数を増強することによって);(ii)エフェクター細胞応答(例えば、免疫エフェクター細胞応答、例えば、リンパ節におけるB細胞および/またはT細胞の活性化および/または動員)を増強する薬剤;(iii)腫瘍の免疫抑制を減少させる(例えば、T細胞浸潤および腫瘍細胞の死滅を増加させる)薬剤のうちの1つ、2つ、または全てから選択される2つ、3つ、または3つ超の治療剤の組合せを含む方法および組成物も本明細書において開示される。一部の実施形態において、組合せは、PD−1阻害剤(例えば、本明細書に記載の抗PD−1抗体分子)を含む。理論に拘束されたくはないが、免疫応答が、免疫応答の様々な段階で多数の標的を介して最適化される場合には、抗腫瘍免疫を増強する治療アプローチは、より有効に作用すると考えられる。これらのステージのそれぞれを、図21において略図で示す。例えば、樹状細胞の活性化が起こるアプローチを、細胞および液性免疫を増強するアプローチと組み合わせると、より有効なおよび/または持続的な治療応答が起こりうる。
さらなる用語を以下におよび本明細書を通して定義する。
本明細書において使用される、冠詞「1つの」および「1つの(an)」は、冠詞の文法上の目的語の1つまたは1つ超(例えば、少なくとも1つ)を指す。
用語「または」は、本明細書において、本文が明らかにそれ以外であることを示している場合を除き、用語「および/または」を意味するために使用され、「および/または」と互換的に使用される。
「約」および「およそ」は、一般的に測定の性質または精度を考慮して測定された量に関する誤差の許容可能な程度を意味する。例示的な誤差の程度は、所定の値または値の範囲の20パーセント(%)以内であり、典型的に10%以内、およびより典型的には5%以内である。
「組合せ」または「組合せで」は、治療または治療剤を、同時に投与しなければならないおよび/または共に送達するために製剤化しなければならないことを意味することを意図するものではなく、これらの送達方法は本明細書に記載の範囲内である。組合せでの治療剤は、1つまたは複数の他のさらなる治療または治療剤と同時に、前に、または後に投与することができる。治療剤または治療プロトコールは任意の順序で投与することができる。一般的に、それぞれの薬剤は、その薬剤に関して決定された用量および/または時間スケジュールで投与される。この組合せに利用されるさらなる治療剤を、単一の組成物で共に投与してもよく、または異なる組成物で個別に投与してもよいとさらに認識される。一般的に、組合せに利用されるさらなる治療剤は、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用されると予想される。一部の実施形態において、組合せに利用されるレベルは、個々に利用されるレベルより低い。
実施形態において、さらなる治療剤は、治療用量または治療用量より低い用量で投与される。ある特定の実施形態において、阻害、例えば成長阻害を達成するために必要な第二の治療剤の濃度は、第二の治療剤を第一の治療剤、例えば抗PD−1抗体分子との組合せで投与する場合、第二の治療剤を個別に投与する場合より低い。ある特定の実施形態において、阻害、例えば成長阻害を達成するために必要な第一の治療剤の濃度は、第一の治療剤を第二の治療剤との組合せで投与する場合、第一の治療剤を個別に投与する場合より低い。ある特定の実施形態において、組合せ治療において、阻害、例えば成長阻害を達成するために必要な第二の治療剤の濃度は、単剤治療としての第二の治療剤の治療用量より、例えば10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、または80〜90%低い。ある特定の実施形態において、組合せ治療において、阻害、例えば成長阻害を達成するために必要な第一の治療剤の濃度は、単剤治療としての第一の治療剤の治療用量より、例えば10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、または80〜90%低い。
用語「阻害」、「阻害剤」、または「アンタゴニスト」は、ある特定のパラメーター、例えば所定の分子、例えば免疫チェックポイント阻害剤の活性の低減を含む。例えば、活性、例えばPD−1またはPD−L1活性の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%または40%超の阻害がこの用語に含まれる。このため、阻害は100%である必要はない。
用語「活性化」、「活性化剤」、または「アゴニスト」は、ある特定のパラメーター、例えば所定の分子、例えば共刺激分子の活性の増加を含む。例えば、活性、例えば共刺激活性の少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、または75%超の増加がこの用語に含まれる。
用語「抗がん効果」は、例えば腫瘍体積の減少、がん細胞数の減少、転移数の減少、余命の増加、がん細胞増殖の減少、がん細胞生存の減少、またはがん様状態に関連する様々な生理的症状の改善を含むがこれらに限定されない様々な手段によって明らかにすることができる生物学的効果を指す。「抗がん効果」はまた、ペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、および抗体が最初の場所でのがんの発生を予防する能力によっても明らかにすることができる。
用語「抗腫瘍効果」は、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、腫瘍細胞増殖の減少、または腫瘍細胞生存の減少を含むがこれらに限定されない様々な手段によって明らかにすることができる生物学的効果を指す。
用語「がん」は、異常な細胞の急速かつ制御されていない増殖によって特徴付けられる疾患を指す。がん細胞は、局所にまたは血流およびリンパ系を通して体の他の部分に広がりうる。様々ながんの例を本明細書において記載し、これらには、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮頸がん、皮膚がん、膵臓がん、結腸直腸がん、腎臓がん、肝臓がん、脳がん、リンパ腫、白血病、肺がん等が含まれるがこれらに限定されない。用語「腫瘍」および「がん」は、本明細書において互換的に使用され、例えばいずれの用語も固形および液体の、例えばびまん性または循環中の腫瘍を包含する。本明細書において使用される用語「がん」または「腫瘍」は、前悪性、ならびに悪性のがんおよび腫瘍を含む。
用語「抗原提示細胞」または「APC」は、その表面上で主要組織適合遺伝子複合体(MHC)と複合体を形成した外来抗原を示すアクセサリー細胞(例えば、B細胞、樹状細胞等)などの免疫系の細胞を指す。T細胞は、そのT細胞受容体(TCR)を使用してこれらの複合体を認識しうる。APCは、抗原を処理して、それらをT細胞に提示する。
用語「共刺激分子」は、共刺激リガンドに特異的に結合し、それによって増殖などの、しかしこれらに限定されない、T細胞による共刺激応答を媒介するT細胞上の同起源の結合パートナーを指す。共刺激分子は、効率的な免疫応答にとって必要な、抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子である。共刺激分子には、MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナリングリンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、活性化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、OX40、CD2、CD7、CD27、CD28、CD30、CD40、CDS、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、4−1BB(CD137)、B7−H3、CDS、ICAM−1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA−6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA−1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA−1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB−A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO−3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP−76、PAG/Cbp、CD19a、およびCD83に特異的に結合するリガンドが含まれるがこれらに限定されない。
本明細書において使用される用語「免疫エフェクター細胞」または「エフェクター細胞」は、免疫応答、例えば免疫エフェクター応答の促進に関係する細胞を指す。免疫エフェクター細胞の例には、T細胞、例えばアルファ/ベータT細胞、およびガンマ/デルタT細胞、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、肥満細胞、および骨髄由来食細胞が含まれる。
本明細書において使用される用語「免疫エフェクター」または「エフェクター」、「機能」、または「応答」は、例えば標的細胞の免疫攻撃を増強または促進する免疫エフェクター細胞の機能または応答を指す。例えば、免疫エフェクター機能または応答は、標的細胞の死滅または成長もしくは増殖の阻害を促進するTまたはNK細胞の特性を指す。T細胞の場合、一次刺激および共刺激は、免疫エフェクター機能または応答の例である。
用語「エフェクター機能」は、細胞の専門化された機能を指す。T細胞のエフェクター機能は、例えば細胞溶解活性またはサイトカインの分泌を含むヘルパー活性でありうる。
本明細書において使用される用語「処置する」、「処置」、および「処置している」は、障害、例えば増殖性障害の進行、重症度、および/もしくは持続の低減もしくは改善、または1つもしくは複数の治療の投与に起因する、障害の1つもしくは複数の症状(好ましくは、1つもしくは複数の識別可能な症状)の改善を指す。特定の実施形態において、用語「処置する」、「処置」、および「処置している」は、患者が必ずしも識別する必要はない、腫瘍の成長などの増殖性障害の少なくとも1つの測定可能な身体的パラメーターの改善を指す。他の実施形態において、用語「処置する」、「処置」、および「処置している」は、例えば識別可能な症状の安定化によって身体的に、例えば身体的パラメーターの安定化によって生理的に、またはその両方による増殖障害の進行の阻害を指す。他の実施形態において、用語「処置する」、「処置」、および「処置している」は、腫瘍サイズまたはがん様細胞数の低減または安定化を指す。
本発明の組成物および方法は、明記された配列またはそれと実質的に同一または類似である配列、例えば明記された配列と少なくとも85%、90%、95%同一または95%超同一である配列を有するポリペプチドおよび核酸を包含する。アミノ酸配列の文脈において、用語「実質的に同一」は、本明細書において、第一と第二のアミノ酸配列が共通の構造ドメインおよび/または共通の機能的活性を有することができるように、第二のアミノ酸配列における整列させたアミノ酸残基にi)同一である、またはii)その保存的置換である、十分なまたは最少限の数のアミノ酸残基を含む第一のアミノ酸を指すために使用される。例えば、アミノ酸配列は、参照配列、例えば、本明細書に提供される配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する共通の構造ドメインを含む。
ヌクレオチド配列の文脈において、用語「実質的に同一」は、本明細書において、第一と第二のヌクレオチド配列が共通の機能的活性を有するポリペプチドをコードするか、または共通の構造ポリペプチドドメインもしくは共通の機能的ポリペプチド活性をコードするように、第二の核酸配列における整列させたヌクレオチドと同一である十分なまたは最少限の数のヌクレオチドを含む第一の核酸配列を指すために使用される。例えば、ヌクレオチド配列は、参照配列、例えば、本明細書に提供される配列と少なくとも約85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。
用語「機能的変種」は、天然起源の配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する、または実質的に同一のヌクレオチド配列によってコードされ、天然起源の配列の1つまたは複数の活性を有することができるポリペプチドを指す。
配列間の相同性または配列同一性(用語は本明細書において互換的に使用される)の計算は、以下のように実施する。
2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するために、配列を最適な比較目的のために整列させる(例えば、最適なアライメントのために第一および第二のアミノ酸または核酸配列の1つまたは両方にギャップを導入することができ、非相同配列を比較目的のために廃棄することができる)。好ましい実施形態において、比較目的のために整列させる参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%、およびさらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列における位置が、第二の配列における対応する位置で同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有されている場合、分子はその位置で同一である(本明細書において使用されるアミノ酸または核酸「同一性」は、アミノ酸または核酸「相同性」と同等である)。
2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列の最適なアライメントのために導入する必要がある、ギャップの数、およびそれぞれのギャップの長さを考慮に入れた、配列が共有する同一の位置の数の関数である。
2つの配列間の配列の比較およびパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して実行することができる。好ましい実施形態において、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれている、NeedlemanおよびWunsch((1970) J. Mol. Biol. 48:444-453)のアルゴリズムを使用して、Blossum 62行列またはPAM250行列のいずれか、およびギャップ加重16、14、12、10、8、6、または4、およびギャップ長加重1、2、3、4、5,または6を使用して決定される。なお別の好ましい実施形態において、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを使用して、NWSgapdna.CMP行列、およびギャップ加重40、50、60、70、または80、およびギャップ長加重1、2、3、4、5、または6を使用して決定される。特に好ましい組のパラメーター(およびそれ以外であると明記されている場合を除き使用すべきであるパラメーター)は、Blossum 62スコア行列、ギャップペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ4、およびフレームシフトギャップペナルティ5である。
2つのアミノ酸またはヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)の中に組み込まれているE.MeyersおよびW.Miller((1989) CABIOS, 4:11-17)のアルゴリズムを使用して、PAM120加重残基表、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4を使用して決定することができる。
本明細書に記載の核酸およびタンパク質配列は、例えば他のファミリーメンバーまたは関連配列を同定するための公共のデータベースに対して検索を実行するための「クエリ配列」として使用することができる。そのような検索は、Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-10のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して実行することができる。BLASTヌクレオチド検索は、本発明の核酸(配列番号1)分子と相同なヌクレオチド配列を得るために、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12によって実行することができる。BLASTタンパク質検索は、本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3によって実行することができる。比較目的のためのギャップを有するアライメントを得るために、Altschul et al., (1997) Nucleic Acids Res. 25:3389-3402に記載されるGapped BLASTを利用することができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメーターを使用することができる。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
本明細書において使用される、「低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または超高ストリンジェンシー条件でハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を説明する。ハイブリダイゼーション反応を実施するための指針は、参照により本明細書に組み込まれている、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に見出されうる。水溶性方法および非水溶性方法が、その参考文献に記述されており、いずれかを使用することができる。本明細書において言及される特異的ハイブリダイゼーション条件は、以下のとおりである:1)6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃での低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件後に、0.2×SSC、0.1%SDS中、少なくとも50℃での2回の洗浄(洗浄温度は低ストリンジェンシー条件の場合、55℃に増加させることができる);2)6×SSC、約45℃での中ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件後、0.2×SSC、0.1%SDS中、60℃での1回または複数回の洗浄;3)6×SSCで約45℃での高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件後、0.2×SSC、0.1%SDS中、65℃での1回または複数の洗浄;および好ましくは4)超高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDSで65℃の後に0.2×SSC、1%SDS中、65℃での1回または複数回の洗浄である。超高ストリンジェンシー条件(4)が、好ましい条件であり、それ以外であると明記している場合を除き、使用すべき条件である。
本発明の分子は、その機能に実質的な効果を及ぼさないさらなる保存的または非必須アミノ酸置換を有してもよいと理解される。
用語「アミノ酸」は、アミノ官能性および酸官能性の両方を含み、天然に存在するアミノ酸のポリマーに含まれうる、天然または合成であるかによらず、全ての分子を包含すると意図される。例示的なアミノ酸には、天然起源のアミノ酸、そのアナログ、誘導体、および同属種;変種側鎖を有するアミノ酸アナログ;ならびに前述のいずれかの全ての立体異性体が含まれる。本明細書において使用される用語「アミノ酸」は、D−またはL−光学異性体およびペプチド模倣体の両方を含む。
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基に交換されている置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野において定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」(単一の鎖である場合)は、本明細書において、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために互換的に使用される。ポリマーは、直鎖または分岐鎖であってもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、および非アミノ酸によって中断されてもよい。この用語はまた、修飾されているアミノ酸ポリマー、例えばジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または他の任意の操作、例えば標識成分とのコンジュゲーションを包含する。ポリペプチドは、天然起源から単離することができ、真核宿主もしくは原核宿主から組換え技術によって産生することができ、または合成手技の産物でありうる。
用語「核酸」、「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、または「ポリヌクレオチド配列」、および「ポリヌクレオチド」は、互換的に使用される。それらは、デオキシリボヌクレオチド、またはリボヌクレオチド、またはそのアナログのいずれかの任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖でありえて、さらに一本鎖がコード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であってもよい。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログなどの修飾ヌクレオチドを含みうる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドは、標識成分とのコンジュゲーションなどによって、重合化後にさらに修飾されてもよい。核酸は、組換えポリヌクレオチドでありうるか、またはゲノム、cDNA、半合成、もしくは天然に存在しないかもしくは非天然の構成で別のポリヌクレオチドに連結している合成起源のポリヌクレオチドでありうる。
本明細書において使用される用語「単離された」は、その当初のまたは本来の環境(例えば、天然起源である場合には天然の環境)から除去されている材料を指す。例えば、生きている動物に存在する天然起源のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、天然の系で同時に存在する材料の一部または全てからヒトの介入によって分離されている同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されている。そのようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部でありえて、および/またはそのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは、組成物の一部でありうるが、それでもなおそのようなベクターまたは組成物は、それが天然で見出される環境の一部ではないという点において単離されている。
本発明の様々な態様を、以下に詳細に説明する。さらなる定義は、本明細書を通して記載する。
抗体分子
一実施形態において、抗体分子は哺乳動物、例えばヒトPD−1に結合する。例えば、抗体分子は、PD−1上のエピトープ、例えば直線状、またはコンフォメーションエピトープ(例えば、本明細書に記載のエピトープ)に特異的に結合する。
本明細書において使用される用語「抗体分子」は、タンパク質、例えば少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む、免疫グロブリン鎖またはその断片を指す。用語「抗体分子」は、例えばモノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)を含む。一実施形態において、抗体分子は、完全長抗体、または完全長免疫グロブリン鎖を含む。一実施形態において、抗体分子は、完全長抗体または完全長免疫グロブリン鎖の抗原結合または機能的断片を含む。一実施形態において、抗体分子は、多特異性抗体分子であり、例えば抗体分子は、複数の第一の免疫グロブリン可変ドメイン配列が、第一のエピトープに対して結合特異性を有し、複数の第二の免疫グロブリン可変ドメイン配列が、第二のエピトープに対して結合特異性を有する、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む。一実施形態において、多特異性抗体分子は、二特異性抗体分子である。二特異性抗体は、2つ以下の抗原に対して特異性を有する。二特異性抗体分子は、第一のエピトープに対して結合特異性を有する第一の免疫グロブリン可変ドメイン配列と、第二のエピトープに対して結合特異性を有する第二の免疫グロブリン可変ドメイン配列とによって特徴付けられる。
一実施形態において、抗体分子は、単特異的抗体分子であり、単一のエピトープに結合する。例えば、単特異的抗体分子は、そのそれぞれが同じエピトープに結合する複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を有する。
一実施形態において、抗体分子は、多特異性抗体分子であり、例えば抗体分子は、複数の第一の免疫グロブリン可変ドメイン配列が、第一のエピトープに対して結合特異性を有し、複数の第二の免疫グロブリン可変ドメイン配列が、第二のエピトープに対して結合特異性を有する、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む。一実施形態において、第一および第二のエピトープは、同じ抗原上、例えば同じタンパク質(または多量体タンパク質のサブユニット)上に存在する。一実施形態において、第一および第二のエピトープは重なり合う。一実施形態において、第一および第二のエピトープは重なり合わない。一実施形態において、第一および第二のエピトープは、異なる抗原上、例えば異なるタンパク質(または多量体タンパク質の異なるサブユニット)に存在する。一実施形態において、多特異性抗体分子は、第三、第四、または第五の免疫グロブリン可変ドメインを含む。一実施形態において、多特異性抗体分子は、二特異性抗体分子、三特異性抗体分子、または四特異性抗体分子である。
一実施形態において、多特異性抗体分子は、二特異性抗体分子である。二特異性抗体は、2つ以下の抗原に対して特異性を有する。二特異性抗体分子は、第一のエピトープに対して結合特異性を有する第一の免疫グロブリン可変ドメイン配列と、第二のエピトープに対して結合特異性を有する第二の免疫グロブリン可変ドメイン配列とによって特徴付けられる。一実施形態において、第一および第二のエピトープは、同じ抗原上、例えば同じタンパク質(または多量体タンパク質のサブユニット)上に存在する。一実施形態において、第一および第二のエピトープは重なり合う。一実施形態において、第一および第二のエピトープは重なり合わない。一実施形態において、第一および第二のエピトープは、異なる抗原上、例えば異なるタンパク質(または多量体タンパク質の異なるサブユニット)に存在する。一実施形態において、二特異性抗体分子は、第一のエピトープに対して結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列および軽鎖可変ドメイン配列、ならびに第二のエピトープに対して結合特異性を有する重鎖可変ドメイン配列および軽鎖可変ドメイン配列を含む。一実施形態において、二特異性抗体分子は、第一のエピトープに対して結合特異性を有する半抗体と、第二のエピトープに対して結合特異性を有する半抗体とを含む。一実施形態において、二特異性抗体分子は、第一のエピトープに対して結合特異性を有する半抗体またはその断片と、第二のエピトープに対して結合親和性を有する半抗体またはその断片とを含む。一実施形態において、二特異性抗体分子は、第一のエピトープに対して結合特異性を有するscFvまたはその断片と、第二のエピトープに対して結合特異性を有するscFvまたはその断片とを含む。一実施形態において、第一のエピトープは、PD−1上に位置し、第二のエピトープは、TIM−3、LAG−3、CEACAM(例えば、CEACAM−1および/またはCEACAM−5)、PD−L1、またはPD−L2上に位置する。
一実施形態において、抗体分子は、ダイアボディ、および一本鎖分子、ならびに抗体の抗原結合断片(例えば、Fab、F(ab’)2、およびFv)を含む。例えば、抗体分子は、重(H)鎖可変ドメイン配列(本明細書においてVHと省略する)、および軽(L)鎖可変ドメイン配列(本明細書においてVLと省略する)を含みうる。一実施形態において、抗体分子は重鎖および軽鎖(本明細書において半抗体と呼ぶ)を含むまたはからなる。別の例において、抗体分子は、抗体全体の改変によって産生されうるか、または組換えDNA技術を使用してデノボで合成されうる、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fc、Fd、Fd’、Fv、一本鎖抗体(例えばscFv)、単一可変ドメイン抗体、ダイアボディ(Dab)(二価および二特異的)、およびキメラ(例えば、ヒト化抗体)などの、2つの重(H)鎖可変ドメイン配列と2つの軽(L)鎖可変ドメイン配列とを含み、それによって2つの抗原結合部位を形成する。これらの機能的抗体断片は、そのそれぞれの抗原または受容体に対する選択的結合能を保持している。抗体および抗体断片は、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEを含むがこれらに限定されない抗体の任意のクラス、ならびに抗体の任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4)に由来しうる。抗体分子の調製物は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体でありうる。抗体分子はまた、ヒト、ヒト化、CDR移植、またはin vitro作製抗体でありうる。抗体は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4から選択される重鎖定常領域を有しうる。抗体はまた、例えばカッパまたはラムダから選択される軽鎖を有しうる。用語「免疫グロブリン」(Ig)は、本明細書において用語「抗体」と互換的に使用される。
抗体分子の抗原結合断片の例には:(i)Fab断片、VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなる一価の断片、(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体のシングルアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるダイアボディ(dAb)断片、(vi)ラクダまたはラクダ化可変ドメイン、(vii)一本鎖Fv(scFv)、例えばBird et al. (1988) Science 242:423-426; and Huston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照されたい、(viii)シングルドメイン抗体、を含む。これらの抗体断片は、当業者に公知の通常の技術を使用して得られ、断片を、インタクト抗体と同じ方法で有用性に関してスクリーニングする。
用語「抗体」は、インタクト分子ならびにその機能的断片を含む。抗体の特性を改変するため(例えば、Fc受容体結合、抗体のグリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能、または補体機能のうちの1つまたは複数を増加または減少させるため)に、抗体の定常領域を変更する、例えば変異させることができる。
抗体分子はまた、シングルドメイン抗体でありうる。シングルドメイン抗体は、その相補性決定領域がシングルドメインポリペプチドの一部である抗体を含むことができる。例には、重鎖抗体、天然に軽鎖を欠如する抗体、従来の4本鎖抗体に由来するシングルドメイン抗体、操作された抗体、および抗体に由来するもの以外のシングルドメインスキャホルドが含まれるがこれらに限定されない。シングルドメイン抗体は、当技術分野の任意の抗体または任意の将来的なシングルドメイン抗体でありうる。シングルドメイン抗体は、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、魚、サメ、ヤギ、ウサギ、およびウシを含むがこれらに限定されない任意の種に由来しうる。本発明の別の態様に従って、シングルドメイン抗体は、軽鎖を欠如する重鎖抗体としても知られる天然起源のシングルドメイン抗体である。そのようなシングルドメイン抗体は、例えば特許出願国際公開第9404678号パンフレットに開示されている。明快にする理由のために、軽鎖を天然に欠如する重鎖抗体に由来するこの可変ドメインは、これを4本鎖の免疫グロブリンの通常のVHと識別するために、本明細書においてVHHまたはナノボディとして知られる。そのようなVHH分子は、ラクダ種(Camelidae)、例えばラクダ、ラマ、ヒトコブラクダ、アルパカ、およびグアナコで作製された抗体に由来しうる。ラクダ種(Camelidae)以外の他の種も、軽鎖を天然に欠如する重鎖抗体を産生しうる;そのようなVHHは本発明の範囲内である。
VHおよびVL領域は、より保存された「フレームワーク領域」(FRまたはFW)と呼ばれる領域が介在する「相補性決定領域(CDR)」と呼ばれる超可変領域に細分することができる。
フレームワーク領域およびCDRの程度は、いくつかの方法によって正確に定義されている(Kabat, E. A., et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242; Chothia, C. et al. (1987) J. Mol. Biol. 196:901-917;およびOxford Molecular’s AbM抗体モデリングソフトウェアによって使用されるAbM定義を参照されたい)。一般的に、例えばProtein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains. In: Antibody Engineering Lab Manual (Ed.: Duebel, S. and Kontermann, R., Springer-Verlag, Heidelbergを参照されたい)。
本明細書において使用される用語「相補性決定領域」および「CDR」は、抗原特異性および結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の配列を指す。一般的に、それぞれの重鎖可変領域には3つのCDR(HCDR1、HCDR2、HCDR3)およびそれぞれの軽鎖可変領域には3つのCDR(LCDR1、LCDR2、LCDR3)が存在する。
所定のCDRの正確なアミノ酸配列の境界は、Kabat et al. (1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」ナンバリングスキーム)、Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948(「Chothia」ナンバリングスキーム)に記載されるスキームを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して決定することができる。本明細書において使用されるように、「Chothia」ナンバリングスキームに従って定義されるCDRは、時に「超可変ループ」とも呼ばれる。
例えば、Kabatに従うと、重鎖可変ドメイン(VH)におけるCDRアミノ酸残基は、31〜35(HCDR1)、50〜65(HCDR2)、および95〜102(HCDR3)と番号付けされ;ならびに軽鎖可変ドメイン(VL)におけるCDRアミノ酸残基は、24〜34(LCDR1)、50〜56(LCDR2)、および89〜97(LCDR3)と番号付けされる。Chothiaに従うと、VHにおけるCDRアミノ酸は、26〜32(HCDR1)、52〜56(HCDR2)、および95〜102(HCDR3)と番号付けされ;ならびにVLにおけるアミノ酸残基は、26〜32(LCDR1)、50〜52(LCDR2)、および91〜96(LCDR3)と番号付けされる。KabatとChothiaの両方のCDR定義を組み合わせることによって、CDRは、ヒトVHにおいてアミノ酸残基26〜35(HCDR1)、50〜65(HCDR2)、および95〜102(HCDR3)、ならびにヒトVLにおいてアミノ酸残基24〜34(LCDR1)、50〜56(LCDR2)、および89〜97(LCDR3)からなる。
一般的に、特に示していない限り、抗PD−1抗体分子は、例えば表1に記載のように、1つまたは複数のKabat CDRおよび/またはChothia超可変ループの任意の組合せを含みうる。一実施形態において、表1に記載の抗PD−1抗体分子に関して以下の定義を使用する:KabatとChothiaの両方のCDR定義の組合せに従うHCDR1、ならびにKabatのCDR定義に従うHCCDR2〜3およびLCCDR1〜3。全ての定義に従うと、それぞれのVHおよびVLは、典型的にアミノ末端からカルボキシ末端へと以下の順で配置された3つのCDRと4つのFRとを含む:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
本明細書に使用される「免疫グロブリン可変ドメイン配列」は、免疫グロブリン可変ドメインの構造を形成することができるアミノ酸配列を指す。例えば、配列は、天然起源の可変ドメインのアミノ酸配列の全てまたは一部を含みうる。例えば、配列は、1つ、2つ、または2つ超のNまたはC末端アミノ酸を含んでもよく、もしくは含まなくてもよく、またはタンパク質構造の形成と適合する他の変更を含んでもよい。
用語「抗原結合部位」は、PD−1ポリペプチドまたはそのエピトープに結合する接点を形成する決定因子を含む抗体分子の部分を指す。タンパク質(またはタンパク質模倣体)に関して、抗原結合部位は典型的にPD−1ポリペプチドに結合する接点を形成する1つまたは複数のループ(少なくとも4つのアミノ酸またはアミノ酸模倣体の)を含む。典型的に、抗体分子の抗原結合部位は、少なくとも1つまたは2つのCDRおよび/または超可変ループ、またはより典型的には少なくとも3、4、5、または6個のCDRおよび/または超可変ループを含む。
用語「競合する」または「交差競合する」は、本明細書において互換的に使用され、抗体分子が抗PD−1抗体分子、例えば本明細書に提供される抗PD−1抗体分子の標的、例えばヒトPD−1に対する結合を妨害する能力を指す。結合の妨害は、直接または間接的(例えば、抗体分子または標的のアロステリック調節を通して)でありうる。抗体分子が別の抗体分子の標的に対する結合を妨害することができる程度、したがって競合することができるか否かは、競合結合アッセイ、例えばFACSアッセイ、ELISA、またはBIACOREアッセイを使用して決定することができる。一部の実施形態において、競合結合アッセイは、定量的競合アッセイである。一部の実施形態において、第一の抗PD−1抗体分子は、標的に対する第一の抗体分子の結合が、競合結合アッセイ(例えば、本明細書に記載の競合アッセイ)において10%または10%超、例えば20%または20%超、30%または30%超、40%または40%超、50%または50%超、55%または55%超、60%または60%超、65%または65%超、70%または70%超、75%または75%超、80%または80%超、85%または85%超、90%または90%超、95%または95%超、98%または98%超、99%または99%超低減される場合、標的との結合に関して第二の抗PD−1抗体分子と競合すると言われる。
本明細書において使用される用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、単一の分子組成の抗体分子の調製物を指す。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示す。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術によって、またはハイブリドーマ技術を使用しない方法(例えば、組換え方法)によって作製することができる。
「有効にヒトである」タンパク質は、中和抗体応答、例えばヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を誘発しないタンパク質である。HAMAは、例えば慢性または再発性の疾患状態の処置において、例えば抗体分子を反復投与する場合などのいくつかの状況において問題でありうる。HAMA応答によって、血清からの抗体クリアランスが増加するため(例えば、Saleh et al., Cancer Immunol. Immunother., 32:180-190 (1990))、および同様におそらくアレルギー反応のため(例えば、LoBuglio et al., Hybridoma, 5:5117-5123 (1986)を参照されたい)に、抗体の反復投与がおそらく無効となりうる。
抗体分子は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体でありうる。他の実施形態において、抗体は、組換えによって産生することができ、例えばファージディスプレイまたはコンビナトリアル方法によって産生することができる。
抗体を作製するためのファージディスプレイおよびコンビナトリアル方法は、当技術分野で公知である(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Ladnerら、米国特許第5,223,409号明細書;Kangら、特許出願国際公開第92/18619号パンフレット;Dowerら、特許出願国際公開第91/17271号パンフレット;Winterら、特許出願国際公開92/20791号パンフレット;Marklandら、特許出願国際公開第92/15679号パンフレット;Breitlingら、特許出願国際公開第93/01288号パンフレット;McCaffertyら、特許出願国際公開第92/01047号パンフレット;Garrardら、特許出願国際公開第92/09690号パンフレット;Ladnerら、特許出願国際公開第90/02809号;Fuchs et al. (1991) Bio/Technology 9:1370-1372; Hay et al. (1992) Hum Antibod Hybridomas 3:81-85; Huse et al. (1989) Science 246:1275-1281; Griffths et al. (1993) EMBO J 12:725-734; Hawkins et al. (1992) J Mol Biol 226:889-896; Clackson et al. (1991) Nature 352:624-628; Gram et al. (1992) PNAS 89:3576-3580; Garrad et al. (1991) Bio/Technology 9:1373-1377; Hoogenboom et al. (1991) Nuc Acid Res 19:4133-4137; and Barbas et al. (1991) PNAS 88:7978-7982に記載される)。
一実施形態において、抗体は完全なヒト抗体(例えば、ヒト免疫グロブリン配列から抗体を産生するように遺伝的に改変されているマウスにおいて作製された抗体)または非ヒト抗体、例えば齧歯類(マウスまたはラット)、ヤギ、霊長類(例えば、サル)、ラクダ抗体である。好ましくは、非ヒト抗体は齧歯類(マウスまたはラット抗体)である。齧歯類抗体を作製する方法は、当技術分野で公知である。
ヒトモノクローナル抗体は、マウス系よりむしろヒト免疫グロブリン遺伝子を有するトランスジェニックマウスを使用して作製することができる。目的の抗原で免疫したこれらのトランスジェニックマウスからの脾細胞を使用して、ヒトタンパク質からのエピトープに対して特異的親和性を有するヒトmAbを分泌するハイブリドーマを産生する(例えば、Woodら、特許出願国際公開第91/00906号パンフレット、Kucherlapatiら、特許出願国際公開第91/10741号パンフレット;Lonbergら、特許出願国際公開第92/03918号パンフレット;Kayら、特許出願国際公開第92/03917号パンフレット;Lonberg, N. et al. 1994 Nature 368:856-859; Green, L.L. et al. 1994 Nature Genet. 7:13-21; Morrison, S.L. et al. 1994 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855; Bruggeman et al. 1993 Year Immunol 7:33-40; Tuaillon et al. 1993 PNAS 90:3720-3724; Bruggeman et al. 1991 Eur J Immunol 21:1323-1326を参照されたい)。
抗体は、可変領域またはその一部、例えばCDRが非ヒト生物、例えばラットまたはマウスにおいて作製されている抗体でありうる。キメラ、CDR移植、およびヒト化抗体は本発明の範囲内である。非ヒト生物、例えばラットまたはマウスにおいて作製され、次に、例えば可変フレームワークまたは定常領域においてヒトでの抗原性を減少させるように改変された抗体は、本発明の範囲内である。
キメラ抗体は、当技術分野で公知の組換えDNA技術によって産生することができる(例えば、Robinsonら、米国特許出願PCT/US86/02269号明細書;Akiraら、欧州特許出願公開第184,187号明細書;Taniguchi,M.、欧州特許出願公開第171,496号明細書;Morrisonら、欧州特許出願公開第173,494号明細書;Neubergerら、特許出願国際公開第86/01533号パンフレット;Cabillyら、米国特許第4,816,567号明細書;Cabillyら、欧州特許出願公開第125,023号明細書;Better et al. (1988 Science 240:1041-1043); Liu et al. (1987) PNAS 84:3439-3443; Liu et al., 1987, J. Immunol. 139:3521-3526; Sun et al. (1987) PNAS 84:214-218; Nishimura et al., 1987, Canc. Res. 47:999-1005; Wood et al. (1985) Nature 314:446-449; and Shaw et al., 1988, J. Natl Cancer Inst. 80:1553-1559を参照されたい)。
ヒト化またはCDR移植抗体は、ドナーCDRと交換される少なくとも1つまたは2つ、しかし一般的に3つ全てのレシピエントCDR(重鎖および/または軽鎖免疫グロブリン鎖の)を有する。抗体は、非ヒトCDRの少なくとも一部が交換されてもよく、またはCDRのごく一部が非ヒトCDRに交換されてもよい。ヒト化抗体がPD−1に結合するために必要なCDRの数を交換することが単に必要である。好ましくは、ドナーは、齧歯類抗体、例えばラットまたはマウス抗体であり、レシピエントは、ヒトフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークである。典型的に、CDRを提供する免疫グロブリンは、「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供する免疫グロブリンは、「アクセプター」と呼ばれる。一実施形態において、ドナー免疫グロブリンは、非ヒト(例えば、齧歯類)である。アクセプターフレームワークは天然起源の(例えば、ヒト)フレームワークまたはコンセンサスフレームワークであるか、またはそれらと約85%または85%超、好ましくは90%、95%、99%または99%超同一である配列である。
本明細書において使用される用語「コンセンサス配列」は、関連する配列のファミリーにおける最も頻繁に存在するアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker, From Genes to Clones (Verlagsgesellschaft, Weinheim, Germany 1987を参照されたい)。タンパク質ファミリーにおいて、コンセンサス配列におけるそれぞれの位置は、ファミリーにおけるその位置で最も頻繁に存在するアミノ酸によって占有される。2つのアミノ酸が等しい頻度で存在する場合、いずれかをコンセンサス配列に含めることができる。「コンセンサスフレームワーク」は、コンセンサス免疫グロブリン配列におけるフレームワーク領域を指す。
抗体は、当技術分野で公知の方法によってヒト化することができる(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、Morrison, S. L., 1985, Science 229:1202-1207, by Oi et al., 1986, Bio Techniques 4:214、ならびにQueenら、米国特許第5,585,089号明細書、米国特許第5,693,761号明細書、および米国特許第5,693,762号明細書を参照されたい)。
ヒト化またはCDR移植抗体は、免疫グロブリンの1つ、2つ、または全てのCDRを交換することができるCDR移植またはCDR置換によって産生することができる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,225,539号明細書;Jones et al. 1986 Nature 321:552-525; Verhoeyan et al. 1988 Science 239:1534; Beidler et al. 1988 J. Immunol. 141:4053-4060;Winter、米国特許第5,225,539号明細書を参照されたい。Winterは、本発明のヒト化抗体を調製するために使用することができるCDR移植方法を記述している(その全体が参照により本明細書に組み込まれている、1987年3月26日に提出された、英国特許出願公開第2188638号明細書;Winter、米国特許第5,225,539号明細書)。
同様に、特定のアミノ酸が置換、欠失、または付加されているヒト化抗体も、本発明の範囲内に含まれる。ドナーからのアミノ酸を選択する基準は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,585,089号明細書、例えば米国特許第5,585,089号明細書の12〜16段に記載されている。抗体をヒト化するための他の技術は、1992年12月23日に公開された、Padlanらの欧州特許出願公開第519596号明細書に記載されている。
抗体分子は、一本鎖抗体でありうる。一本鎖抗体(scFv)は、操作されていてもよい(例えば、Colcher, D. et al. (1999) Ann N Y Acad Sci 880:263-80; and Reiter, Y. (1996) Clin Cancer Res 2:245-52を参照されたい)。一本鎖抗体を二量体化または多量体化して、同じ標的タンパク質の異なるエピトープに対して特異性を有する多価抗体を作製することができる。
なお他の実施形態において、抗体分子は、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEの重鎖定常領域から選択される、特に、例えばIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4の(例えば、ヒト)重鎖定常領域から選択される重鎖定常領域を有する。別の実施形態において、抗体分子は、例えばカッパまたはラムダの(例えばヒト)軽鎖定常領域から選択される軽鎖定常領域を有する。定常領域は、抗体の特性を改変するために(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基数、エフェクター細胞機能、および/または補体機能のうちの1つまたは複数を増加または減少させるために)変化させることができ、例えば変異させることができる。一実施形態において、抗体は、エフェクター機能を有し、補体を固定することができる。他の実施形態において、抗体は、エフェクター細胞を動員せず、または補体を固定しない。別の実施形態において、抗体は、Fc受容体に対する結合能が低減されているかまたは有しない。例えば、これは、Fc受容体に対する結合を支持しないアイソタイプまたはサブタイプ、断片、または他の変異体であり、例えばこれは変異したまたは欠失されたFc受容体結合領域を有する。
抗体定常領域を変化させる方法は当技術分野で公知である。変化した機能を有する抗体、例えば細胞上のFcRまたは補体のC1成分などのエフェクターリガンドに対する親和性が変化した抗体は、抗体の定常部分の少なくとも1つのアミノ酸残基を異なる残基に交換することによって産生することができる(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、欧州特許出願公開第388,151号明細書、米国特許第5,624,821号明細書、および米国特許第5,648,260号明細書を参照されたい)。マウスまたは他の種の免疫グロブリンに適用する場合に、これらの機能を低減または消失させる類似のタイプの変更が記載されている。
抗体分子を、別の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)に誘導体化または連結することができる。本明細書において使用される「誘導体化」抗体分子は、改変されている分子である。誘導体化の方法には、蛍光部分、放射性核種、毒素、酵素、またはビオチンなどの親和性リガンドの付加が含まれるがこれらに限定されない。したがって、本発明の抗体分子は、免疫接着分子を含む、本明細書に記載の抗体の誘導体化型およびそれ以外の改変型を含むと意図される。例えば、抗体分子を、別の抗体(例えば、二特異性抗体またはダイアボディ)などの1つまたは複数の他の分子実体、検出可能剤、細胞傷害剤、薬剤、および/または抗体または抗体部分と別の分子(ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグなど)との会合を媒介することができるタンパク質もしくはペプチドに、機能的に連結(化学カップリング、遺伝子融合、非共有的会合、またはそれ以外)させることができる。
1つのタイプの誘導体化抗体分子は、2つ以上の抗体(同じタイプまたは異なるタイプの抗体、例えば二特異性抗体を作製するため)を架橋することによって産生される。適した架橋剤は、適切なスペーサー(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)で隔てられた2つの個別の反応基を有するヘテロ二官能性であるか、またはホモ二官能性(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)である架橋剤を含む。そのようなリンカーは、Pierce Chemical Company,Rockford,Illから入手可能である。
それによって本発明の抗体分子を誘導体化(例えば、標識)するために有用な検出剤は、蛍光化合物、様々な酵素、補欠分子族、発光材料、生物発光材料、蛍光発光金属原子、例えばユーロピウム(Eu)、および他のランタニド、および放射活性材料(以下に記載)を含みうる。例示的な蛍光検出剤には、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリスリン等が含まれる。抗体はまた、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グルコースオキシダーゼ等などの検出可能な酵素によって誘導体化されうる。抗体を検出可能な酵素で誘導体化する場合、酵素が検出可能な反応産物を産生するために使用するさらなる試薬を添加することによって抗体を検出する。例えば、検出可能な薬剤である西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加によって、着色反応産物が得られ、これを検出することができる。抗体分子はまた、補欠分子族(例えば、ストレプトアビジン/ビオチン、およびアビジン/ビオチン)によって誘導体化することもできる。例えば、抗体をビオチンによって誘導体化して、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定を通して検出してもよい。適した蛍光材料の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリド、またはフィコエリスリンが含まれ;発光材料の例には、ルミノールが含まれ;生物発光材料の例には、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが含まれる。
標識抗体分子は、(i)標準的な技術、例えばアフィニティクロマトグラフィーまたは免疫沈降によって既定の抗原を単離するため、(ii)タンパク質の発現量および発現パターンを評価するために、既定の抗原(例えば、細胞溶解物中または細胞上清中の)を検出するため、(iii)例えば所定の処置レジメンの有効性を決定するため、臨床検査手技の一部として組織中のタンパク質レベルをモニターするためなどの、いくつかの文脈において、例えば診断的および/または実験的に使用することができる。
抗体分子を、別の分子実体、典型的に標識された薬剤または治療剤(例えば、細胞傷害性または細胞抑制性の)または部分にコンジュゲートしてもよい。放射活性同位元素を、診断または治療応用に使用することができる。
本発明は、放射標識された抗体分子および抗体分子を標識する方法を提供する。一実施形態において、抗体分子の標識方法を開示する。方法は、抗体分子にキレート剤を接触させて、それによってコンジュゲート抗体を産生することを含む。
上記で考察したように、抗体分子を、治療剤にコンジュゲートすることができる。治療活性の放射性同位元素については既に言及している。他の治療剤の例には、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド、メイタンシノール(例えば、米国特許第5,208,020号明細書を参照されたい)、CC−1065(例えば、米国特許第5,475,092号明細書、米国特許第5,585,499号明細書、米国特許第5,846,545号明細書を参照されたい)、およびそのアナログまたはホモログが含まれる。治療剤には、抗代謝剤(例えば、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシル、デカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ、クロラムブシル、CC−1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、およびシスジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、ならびに抗分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール、およびメイタンシノイド)が含まれるがこれらに限定されない。
一態様において、本発明は、本明細書に開示の標的、例えばPD−1受容体に特異的に結合する標的結合分子を提供する方法を特徴とする。例えば、標的結合分子は抗体分子である。方法は、ヒト標的タンパク質の対応する部分と相同である(少なくとも70、75、80、85、87、90、92、94、95、96、97、98%同一である)が、少なくとも1つのアミノ酸(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、または9個のアミノ酸)が異なる非ヒトタンパク質の少なくとも一部を含む標的タンパク質を提供すること;抗原に特異的に結合する抗体分子を得ること;および標的タンパク質の活性の調節における結合剤の有効性を評価することを含む。方法は、ヒト対象に結合剤(例えば、抗体分子)または誘導体(例えば、ヒト化抗体分子)を投与することをさらに含みうる。
多特異性抗体分子
ある特定の実施形態において、抗体分子は、多特異性(例えば、二特異性または三特異性)抗体分子である。二特異性またはヘテロ二量体抗体分子を生成するプロトコールは、当技術分野で公知であり、これには、例えば米国特許第5731168号明細書に記載の「knob in a hole」アプローチ;例えば特許出願国際公開第09/089004号パンフレット、特許出願国際公開第06/106905号パンフレット、および特許出願国際公開第2010/129304号パンフレットに記載の静電気的ステアリングFcペアリング(electrostatic steering Fc pairing);例えば特許出願国際公開第07/110205号パンフレットに記載の鎖置換改変ドメイン(SEED)ヘテロ二量体形成;例えば、特許出願国際公開第08/119353号パンフレット、特許出願国際公開第2011/131746号パンフレット、および特許出願国際公開第2013/060867号パンフレットに記載のFabアーム交換;例えば米国特許第4433059号明細書に記載の、例えばアミン反応基とスルフヒドリル反応基とを有するヘテロ二官能試薬を使用する抗体の架橋により二特異性構造を生成する、二重抗体コンジュゲート;例えば米国特許第4444878号に記載の、2つの重鎖間のジスルフィド結合の酸化還元サイクルを通して異なる抗体からの半抗体(重鎖−軽鎖対またはFab)の組換えによって生成される、二特異性抗体決定基;例えば米国特許第5273743号に記載の、三官能性抗体、例えばスルフヒドリル反応基を通して架橋された3つのFab’断片;例えば米国特許第5534254号明細書に記載の、生合成結合タンパク質、例えば好ましくはジスルフィドまたはアミン反応性化学的架橋を通してのC末端テールを通して架橋されたscFv対;例えば米国特許第5582996号明細書に記載の、二官能性抗体、例えば定常ドメインを置換したロイシンジッパー(例えばc−fosおよびc−jun)を通して二量体化された異なる結合特異性を有するFab断片;例えば米国特許第5591828号明細書に記載の、二特異性およびオリゴ特異性一価およびオリゴ価受容体、例えば典型的に関連する軽鎖と共に、1つの抗体のCH1領域と他の抗体のVH領域との間がポリペプチドスペーサーを通して連結された2つの抗体(2つのFab断片)のVH−CH1領域;例えば米国特許第5635602号明細書に記載の、二特異性DNA−抗体コンジュゲート、例えばDNAの二本鎖小片を通しての抗体またはFab断片の架橋;例えば米国特許第5637481号明細書に記載の、二特異性融合タンパク質、例えば2つのscFvとそれらの間の親水性ヘリカルペプチドリンカーおよび完全な定常領域を含む発現構築物;例えば米国特許第5837242号明細書に記載の、多価および多特異性結合タンパク質、例えば、一般的にダイアボディ(二特異性、三特異性、または四特異性分子を作製する高次構造も同様に開示される)と呼ばれる、Ig重鎖可変領域の結合領域を有する第一のドメインと、Ig軽鎖可変領域の結合領域を有する第二のドメインとを有するポリペプチドの二量体;例えば米国特許第5837821号明細書に記載の、連結されたVLおよびVH鎖がペプチドスペーサーによって抗体ヒンジ領域およびCH3領域にさらに結合し、二量体を形成して二特異性/多価分子を形成することができる、ミニボディ構築物;二量体を形成して、二特異性ダイアボディを形成することができる、短いペプチドリンカー(例えば、5または10アミノ酸)によって、または全くリンカーなしでいずれかの方向に連結されたVHおよびVLドメイン;例えば米国特許第5844094号明細書に記載の三量体および四量体;例えば米国特許第5864019号明細書に記載の、C末端で架橋可能な基によってペプチド結合によって接続され、VLドメインとさらに会合して一連のFV(またはscFv)を形成する、一連のVHドメイン(またはファミリーメンバーのVLドメイン);ならびに例えば米国特許第5869620号明細書に記載の、scFvまたはダイアボディタイプフォーマットの両方を使用して、VHおよびVLドメインの両方がペプチドリンカーを通して連結された一本鎖結合ポリペプチドを、非共有結合または化学的架橋を通して多価構造に結合し、例えばホモ二価、ヘテロ二価、三価、および四価構造を形成することが含まれるがこれらに限定されない。さらに例示的な多特異性および二特異性分子およびこれらを作製する方法は、例えば米国特許第5910573号明細書、米国特許第5932448号明細書、米国特許第5959083号明細書、米国特許第5989830号明細書、米国特許第6005079号明細書、米国特許第6239259号明細書、米国特許第6294353号明細書、米国特許第6333396号明細書、米国特許第6476198号明細書、米国特許第6511663号明細書、米国特許第6670453号明細書、米国特許第6743896号明細書、米国特許第6809185号明細書、米国特許第6833441号明細書、米国特許第7129330号明細書、米国特許第7183076号明細書、米国特許第7521056号明細書、米国特許第7527787号明細書、米国特許第7534866号明細書、米国特許第7612181号明細書、米国特許出願公開第2002004587号明細書、米国特許出願公開第2002076406号明細書、米国特許出願公開第2002103345号明細書、米国特許出願公開第2003207346号明細書、米国特許出願公開第2003211078号明細書、米国特許出願公開第2004219643号明細書、米国特許出願公開第2004220388号明細書、米国特許出願公開第2004242847号明細書、米国特許出願公開第2005003403号明細書、米国特許出願公開第2005004352号明細書、米国特許出願公開第2005069552号明細書、米国特許出願公開第2005079170号明細書、米国特許出願公開第2005100543号明細書、米国特許出願公開第2005136049号明細書、米国特許出願公開第2005136051号明細書、米国特許出願公開第2005163782号明細書、米国特許出願公開第2005266425号明細書、米国特許出願公開第2006083747号明細書、米国特許出願公開第2006120960号明細書、米国特許出願公開第2006204493号明細書、米国特許出願公開第2006263367号明細書、米国特許出願公開第2007004909号明細書、米国特許出願公開第2007087381号明細書、米国特許出願公開第2007128150号明細書、米国特許出願公開第2007141049号明細書、米国特許出願公開第2007154901号明細書、米国特許出願公開第2007274985号明細書、米国特許出願公開第2008050370号明細書、米国特許出願公開第2008069820号明細書、米国特許出願公開第2008152645号明細書、米国特許出願公開第2008171855号明細書、米国特許出願公開第2008241884号明細書、米国特許出願公開第2008254512号明細書、米国特許出願公開第2008260738号明細書、米国特許出願公開第2009130106号明細書、米国特許出願公開第2009148905号明細書、米国特許出願公開第2009155275号明細書、米国特許出願公開第2009162359号明細書、米国特許出願公開第2009162360号明細書、米国特許出願公開第2009175851号明細書、米国特許出願公開第2009175867号明細書、米国特許出願公開第2009232811号明細書、米国特許出願公開第2009234105号明細書、米国特許出願公開第2009263392号明細書、米国特許出願公開第2009274649号明細書、欧州特許出願公開第346087号明細書、国際公開第0006605号パンフレット、国際公開第02072635号パンフレット、国際公開第04081051号パンフレット、国際公開第06020258号パンフレット、国際公開第2007044887号パンフレット、国際公開第2007095338号パンフレット、国際公開第2007137760号パンフレット、国際公開第2008119353号パンフレット、国際公開第2009021754号パンフレット、国際公開第2009068630号パンフレット、国際公開第9103493号パンフレット、国際公開第9323537号パンフレット、国際公開第9409131号パンフレット、国際公開第9412625号パンフレット、国際公開第9509917号パンフレット、国際公開第9637621号パンフレット、国際公開第9964460号パンフレットに見出される。上記参照の出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
他の実施形態において、抗PD−1抗体分子(例えば、単特異的、二特異的、または多特異性抗体分子)は、別のパートナー、例えばタンパク質、例えば1つ、2つ、または2つ超のサイトカインと共有結合され、例えば融合分子、例えば融合タンパク質として、例えば融合される。他の実施形態において、融合分子は、1つまたは複数のタンパク質、例えば1つ、2つ、または2つ超のサイトカインを含む。一実施形態において、サイトカインは、IL−1、IL−2、IL−12、IL−15、またはIL−21のうちの1つ、2つ、3つ、または3つ超から選択されるインターロイキン(IL)である。一実施形態において、二特異性抗体分子は、第一の標的(例えば、PD−1)に対して第一の結合特異性を有し、第二の標的(例えば、LAG−3またはTIM−3)に対して第二の結合特異性を有し、任意選択でインターロイキン(例えば、IL−12)ドメイン、例えば完全長のIL−12またはその一部に連結される。
「融合タンパク質」および「融合ポリペプチド」は、部分のそれぞれが異なる特性を有するポリペプチドである、共に共有結合により連結された少なくとも2つの部分を有するポリペプチドを指す。特性は、in vitroまたはin vivoでの活性などの生物特性でありうる。特性はまた、標的分子に対する結合、反応の触媒等などの単一の化学または物理学的特性を有しうる。2つの部分は、単一のペプチド結合によって直接、またはペプチドリンカーを通して連結することができるが、互いに読み取り枠に存在する。
本発明は、上記の抗体分子をコードする単離核酸分子、ベクター、およびその宿主細胞を提供する。核酸分子は、RNA、ゲノムDNA、およびcDNAを含むがこれらに限定されない。
例示的なPD−1阻害剤
PD−1は、例えば、活性化CD4+およびCD8+T細胞、Tregs、ならびにB細胞上に発現されるCD28/CTLA−4ファミリーメンバーである。PD−1は、エフェクターT細胞シグナリングおよび機能を抑制性に調節する。PD−1は、腫瘍浸潤性T細胞において誘導され、機能の消耗または機能障害をもたらしうる(Keir et al. (2008) Annu. Rev. Immunol. 26:677-704; Pardoll et al. (2012) Nat Rev Cancer 12(4):252-64)。PD−1は、その2つのリガンド、プログラム細胞死リガンド1(PD−L1)またはプログラム細胞死リガンド2(PD−L2)のいずれかに結合すると共抑制シグナルを送達する。PD−L1は、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、樹状細胞(DC)、B細胞、上皮細胞、血管内皮細胞を含むいくつかの細胞タイプ、ならびに多数のタイプの腫瘍に発現される。マウスおよびヒト腫瘍におけるPD−L1の高い発現は、多様ながんにおいて不良な臨床アウトカムに関連している(Keir et al. (2008) Annu. Rev. Immunol. 26:677-704; Pardoll et al. (2012) Nat Rev Cancer 12(4):252-64)。PD−L2は、樹状細胞、マクロファージ、および一部の腫瘍に発現される。PD−1経路の遮断は、がんの免疫治療にとって前臨床および臨床で有効性が確認されている。前臨床および臨床試験はいずれも、抗PD−1の遮断がエフェクターT細胞の活性を回復し、強い抗腫瘍応答をもたらしうることを証明している。例えば、PD−1経路の遮断は、消耗した/機能障害のエフェクターT細胞機能(例えば、増殖、IFN−γ分泌、または細胞溶解機能)を回復する、および/またはTreg細胞機能を阻害することができる(Keir et al. (2008) Annu. Rev. Immunol. 26:677-704; Pardoll et al. (2012) Nat Rev Cancer 12(4):252-64)。PD−1経路の遮断は、PD−1、PD−L1および/またはPD−L2の抗体、その抗原結合断片、イムノアドヘシン、融合タンパク質、またはオリゴペプチドによってもたらされうる。
本明細書において使用される用語「プログラム細胞死1」または「PD−1」は、哺乳動物アイソフォーム、例えばヒトPD−1、ヒトPD−1の種相同体、およびPD−1と少なくとも1つの共通のエピトープを含むアナログを含む。PD−1、例えばヒトPD−1のアミノ酸配列は当技術分野、例えば、Shinohara T et al. (1994) Genomics 23(3):704-6; Finger LR, et al. Gene (1997) 197(1-2):177-87において公知でありうる。
本明細書に記載の抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の方法に従って、単独でまたは本明細書に記載の1つもしくは複数のさらなる薬剤との組合せで使用することができる。ある特定の実施形態において、本明細書に記載の組合せは、PD−1阻害剤、例えば本明細書に記載の抗PD−1抗体分子(例えば、ヒト化抗体分子)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子(例えば、単離または組換え抗体分子)は、以下の特性の1つまたは複数を有する:
(i)高い親和性で、例えば、少なくとも107M−1、典型的に約108M−1、およびより典型的に約109M−1〜1010M−1またはそれより高い親和性定数でPD−1、例えばヒトPD−1に結合する;
(ii)CD28、CTLA−4、ICOS、またはBTLAに実質的に結合しない;
(iii)PD−1のPD−1リガンド、例えばPD−L1またはPD−L2、またはその両方に対する結合を阻害または低減する;
(iv)PD−1上のエピトープ、例えばマウスモノクローナル抗体BAP049またはキメラ抗体BAP049、例えばBAP049−chiまたはBAP049−chi−Yによって認識されるエピトープと同じまたは類似のエピトープに特異的に結合する;
(v)BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかと同じまたは類似の結合親和性または特異性、またはその両方を示す;
(vi)表1に記載の抗体分子(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)と同じまたは類似の結合親和性または特異性、またはその両方を示す;
(vii)表1に示されるアミノ酸配列を有する抗体分子(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)と同じまたは類似の結合親和性または特異性、またはその両方を示す;
(viii)表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされる抗体分子(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)と同じまたは類似の結合親和性または特異性、またはその両方を示す;
(ix)PD−1に対する第二の抗体分子の結合を阻害する、例えば競合的に阻害し、第二の抗体分子が、本明細書に記載の抗体分子、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体分子である;
(x)PD−1に対する第二の抗体分子と同じまたは重なり合うエピトープに結合し、第二の抗体分子が、本明細書に記載の抗体分子、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体分子である;
(xi)PD−1に対する第二の抗体分子と結合に関して競合する、および/または同じエピトープに結合し、第二の抗体分子が、本明細書に記載の抗体分子、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体分子である;
(xii)本明細書に記載の抗体分子、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体分子の1つまたは複数の生物特性を有する;
(xiii)本明細書に記載の抗体分子、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体分子の1つまたは複数の薬物動態特性を有する;
(xiv)PD−1の1つまたは複数の活性を阻害する、例えば腫瘍浸潤性リンパ球の増加、T細胞受容体媒介増殖の増加、またはがん様細胞による免疫回避の減少、の1つまたは複数をもたらす;
(xv)ヒトPD−1に結合し、カニクイザルPD−1と交差反応性である;
(xvi)PD−1のCストランド、CC’ループ、C’ストランド、もしくはFGループ内の1つまたは複数の残基に結合する、またはPD−1のCストランド、CC’ループ、C’ストランド、もしくはFGループの2、3個、もしくは全ての組合せに結合し、例えば結合がELISAまたはBiacoreを使用してアッセイされる;または
(xvii)PD−1に対する結合にVH領域より多く寄与するVL領域を有する。
一部の実施形態において、抗体分子は、高い親和性、例えばマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子、例えば本明細書に記載のマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDとほぼ同じ、または少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、または90%超高いまたは低いKDでPD−1に結合する。一部の実施形態において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、例えばBiacore方法によって測定した場合に、約0.4、0.3、0.2、0.1、または0.05nM未満である。一部の実施形態において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、約0.2nM未満、例えば約0.135nMである。他の実施形態において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、例えばPD−1を発現する細胞(例えば、300.19細胞)に対する結合によって測定した場合に、約10、5、3、2、または1nM未満である。一部の実施形態において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のKDは、約5nM未満、例えば約4.60nM(または約0.69μg/mL)未満である。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、1×10−4、5×10−5、または1×10−5s−1より遅いKoff、例えば約1.65×10−5s−1のKoffでPD−1に結合する。一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、1×104、5×104、1×105、または5×105M−1s−1より速いKonで、例えば約1.23×105M−1s−1のKonでPD−1に結合する。
一部の実施形態において、抗体分子の発現レベルは、マウスまたはキメラ抗体分子、例えば本明細書に記載のマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子の発現レベルより高い、例えば少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍高い。一部の実施形態において、抗体分子はCHO細胞において発現される。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子、例えば本明細書に記載のマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のIC50とほぼ同じであるかまたはそれより低い、例えば少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%低いIC50(50%阻害濃度)で1つまたは複数のPD−1関連活性を低減させる。一部の実施形態において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のIC50は、PD−1を発現する細胞(例えば、300.19細胞)上での結合によって測定した場合に、約6、5、4、3、2、または1nM未満である。一部の実施形態において、マウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子のIC50は、約4nM未満、例えば約3.40nM(または約0.51μg/mL)である。一部の実施形態において、低減されるPD−1関連活性は、PD−1に対するPD−L1/PD−L2の結合である。一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、ブドウ球菌(Staphylococcal)エンテロトキシンB(SEB)によって活性化される末梢血単核球(PBMC)に結合する。他の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、全血においてSEBによって活性化されるIL−2の発現を増加させる。例えば、抗PD−1抗体は、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用した場合のIL−2の発現と比較して、IL−2の発現を少なくとも約2、3、4、または5倍増加させる。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、改善された安定性を有し、例えばマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子、例えば本明細書に記載のマウスまたはキメラ抗PD−1抗体分子よりin vivoまたはin vitroで少なくとも約0.5、1、2、3、4、6、7、8、9、または10倍安定である。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、ヒト化抗体分子であり、T細胞エピトープ解析に基づくリスクスコア300〜700、400〜650、450〜600、または本明細書に記載のリスクスコアを有する。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、または表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、または上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の少なくとも1つの抗原結合領域、例えば可変領域またはその抗原結合断片を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、または表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、または上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の少なくとも1、2、3、または4個の可変領域を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、または表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、または上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%または99%超同一)である配列の少なくとも1つまたは2つの重鎖可変領域を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、または表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、または上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変領域を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、IgG4、例えばヒトIgG4の重鎖定常領域を含む。一実施形態において、ヒトIgG4は、EUナンバリングに従う228位で置換(例えば、SerのProへの置換)を含む。なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、IgG1、例えばヒトIgG1の重鎖定常領域を含む。一実施形態において、ヒトIgG1は、EUナンバリングに従う297位で置換(例えば、AsnからAlaへの置換)を含む。一実施形態において、ヒトIgG1は、EUナンバリングに従う265位で置換、EUナンバリングに従う329位で置換、またはその両方(例えば、265位でのAspからAlaへの置換、および/または329位でのProからAlaへの置換)を含む。一実施形態において、ヒトIgG1は、EUナンバリングに従う234位で置換、EUナンバリングに従う235位で置換、またはその両方(例えば、234位でのLeuからAlaへの置換、および/または235位でのLeuからAlaへの置換)を含む。一実施形態において、重鎖定常領域は、表3に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一(例えば、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、カッパ軽鎖定常領域、例えばヒトカッパ軽鎖定常領域を含む。一実施形態において、軽鎖定常領域は、表3に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一(例えば、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、IgG4、例えばヒトIgG4の重鎖定常領域、およびカッパ軽鎖定常領域、例えばヒトカッパ軽鎖定常領域、例えば表3に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一(例えば、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列を含む重鎖および軽鎖定常領域を含む。一実施形態において、ヒトIgG4は、EUナンバリングに従う228位で置換(例えば、SerのProへの置換)を含む。なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、IgG1、例えばヒトIgG1の重鎖定常領域、およびカッパ軽鎖定常領域、例えばヒトカッパ軽鎖定常領域、例えば表3に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一(例えば、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列を含む重鎖および軽鎖定常領域を含む。一実施形態において、ヒトIgG1は、EUナンバリングに従う297位で置換(例えば、AsnのAlaへの置換)を含む。一実施形態において、ヒトIgG1は、EUナンバリングに従う265位で置換、EUナンバリングに従う329位で置換、またはその両方(例えば、265位でのAspからAlaへの置換、および/または329位でのProからAlaへの置換)を含む。一実施形態において、ヒトIgG1は、EUナンバリングに従う234位で置換、EUナンバリングに従う235位で置換、またはその両方(例えば、234位でのLeuからAlaへの置換、および/または235位でのLeuからAlaへの置換)を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049クローン−A、BAP049クローン−B、BAP049クローン−C、BAP049クローン−D、もしくはBAP049クローン−Eのアミノ酸配列を含む、または表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、または上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の重鎖可変ドメインおよび定常領域、軽鎖可変ドメインおよび定常領域、またはその両方を含む。抗PD−1抗体分子は、任意選択で表4に示される重鎖、軽鎖、もしくは両方からのリーダー配列、またはそれらと実質的に同一である配列を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、または表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、または上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の重鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個の相補性決定領域(CDR)を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に示されるアミノ酸配列、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態において、CDR(または集合的に全てのCDR)の1つまたは複数は、表1に示されるアミノ酸配列または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6個、または6個より多くの変化、例えばアミノ酸置換または欠失を有する。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、または表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、または上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRを含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に示されるアミノ酸配列、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態において、CDR(または集合的に全てのCDR)の1つまたは複数は、表1に示されるアミノ酸配列または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6個、または6個より多くの変化、例えばアミノ酸置換または欠失を有する。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖CDRにおいて置換、例えば軽鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3において1つまたは複数の置換を含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖可変領域の102位で軽鎖CDR3において置換、例えば表1に従う軽鎖可変領域(例えば、マウスもしくはキメラ、非改変配列に関して配列番号16もしくは24;または改変配列に関して配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74、もしくは78のいずれか)の102位で、システインのチロシンへの置換、またはシステインのセリン残基への置換を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に示されるアミノ酸配列、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5、または6個のCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態において、CDR(または集合的に全てのCDR)の1つまたは複数は、表1に示されるアミノ酸配列、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列と比較して、1、2、3、4、5、6個、または6個より多くの変化、例えばアミノ酸置換または欠失を有する。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列からの6個全てのCDR、または近縁のCDR、例えば同一であるCDR、もしくは少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、もしくは挿入、例えば保存的置換)を有するCDRを含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の任意のCDRを含みうる。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖CDRに置換、例えば軽鎖のCDR、CDR2、および/またはCDR3に1つまたは複数の置換を含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、軽鎖可変領域の102位で軽鎖CDR3において置換、例えば表1に記載の軽鎖可変領域(例えば、マウスもしくはキメラ、非改変配列に関して配列番号16もしくは24;または改変配列に関して配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74、もしくは78のいずれか)の102位でシステインのチロシンへの置換、またはシステインのセリン残基への置換を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくは上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の重鎖可変領域からの、Kabatらに従う少なくとも1、2、もしくは3個のCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う、少なくとも1、2、または3個のCDR)、または表1に示されるKabatらに従う1、2、もしくは3個のCDRと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する重鎖可変領域からの、Kabatらに従う少なくとも1、2、または3個のCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う、少なくとも1、2、または3個のCDR)を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくは上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の軽鎖可変領域からの、Kabatらに従う少なくとも1、2、もしくは3個のCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う、少なくとも1、2、または3個のCDR)、または表1に示されるKabatらに従う1、2、もしくは3個のCDRと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する軽鎖可変領域からの、Kabatらに従う少なくとも1、2、または3個のCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う少なくとも1、2、または3個のCDR)を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくは上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の重鎖および軽鎖可変領域からの、Kabatらに従う少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6個のCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う少なくとも1、2、3、4、5、または6個のCDR)、または表1に示されるKabatらに従う1、2、3、4、5、もしくは6個のCDRと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの、Kabatらに従う少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6個のCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う少なくとも1、2、3、4、5、または6個のCDR)を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくは上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の重鎖および軽鎖可変領域からの、Kabatらに従う6個全てのCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う6個全てのCDR)、または表1に示されるKabatらに従う6個全てのCDRと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの、Kabatらに従う6個全てのCDR(例えば、表1に記載のKabatの定義に従う6個全てのCDR)を含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の任意のCDRを含みうる。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくはPD−1に接触する超可変ループからの少なくともアミノ酸の重鎖可変領域からの少なくとも1、2、もしくは3個のChothia超可変ループ(例えば、表1に記載のChothiaの定義に従う少なくとも1、2、または3個の超可変ループ)、または表1に示されるChothiaらに従う1、2、もしくは3個の超可変ループと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2、もしくは3個のChothia超可変ループ(例えば、表1に記載のChothiaの定義に従う少なくとも1、2、または3個の超可変ループ)を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくはPD−1に接触する超可変ループからの少なくともアミノ酸の軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、もしくは3個のChothia超可変ループ(例えば、表1に記載のChothiaの定義に従う少なくとも1、2、または3個の超可変ループ)、または表1に示されるChothiaらに従う1、2、もしくは3個の超可変ループと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、もしくは3個のChothia超可変ループ(例えば、表1に記載のChothiaの定義に従う少なくとも1、2、または3個の超可変ループ)を含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくはPD−1に接触する超可変ループからの少なくともアミノ酸の重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6個の超可変ループ(例えば、表1に記載のChothiaの定義に従う少なくとも1、2、3、4、5、または6個の超可変ループ)、または表1に示されるChothiaらに従う1、2、3、4、5、もしくは6個の超可変ループと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5、もしくは6個の超可変ループ(例えば、表1に記載のChothiaの定義に従う少なくとも1、2、3、4、5、または6個の超可変ループ)を含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体の6個全ての超可変ループ(例えば、表1に記載のChothiaの定義に従う6個全ての超可変ループ)、または近縁の超可変ループ、例えば表1に示されるChothiaらに従う6個全ての超可変ループと比較して、同一であるか、または少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する超可変ループ、または少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する超可変ループを含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の任意の超可変ループを含みうる。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えばBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体の対応する超可変ループと同じカノニカル構造、例えば本明細書に記載の抗体の重鎖および/または軽鎖可変ドメインの少なくともループ1および/またはループ2と同じカノニカル構造を有する少なくとも1、2、または3個の超可変ループを含む。超可変ループカノニカル構造の説明に関しては、例えば、Chothia et al., (1992) J. Mol. Biol. 227:799-817; Tomlinson et al., (1992) J. Mol. Biol. 227:776-798を参照されたい。これらの構造は、これらの参考文献に記載の表を精査することによって決定することができる。
ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、KabatらおよびChothiaらに従って定義されるCDRまたは超可変ループの組合せを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えば、KabatおよびChothiaの定義に従う、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、もしくは上記の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、または99%超同一)である配列の重鎖可変領域からの少なくとも1、2、もしくは3個のCDRもしくは超可変ループ(例えば、表1に記載のKabatおよびChothiaの定義に従う少なくとも1、2、または3個のCDRまたは超可変ループ)、または表1に示されるKabat/Chothiaに従う1、2、もしくは3個のCDRもしくは超可変ループと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、もしくは4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2、もしくは3個のCDRもしくは超可変ループ(例えば、表1に記載のKabatおよびChothiaの定義に従う少なくとも1、2、または3個のCDRまたは超可変ループ)を含む。
例えば、抗PD−1抗体分子は、例えば表1に示されるように、Kabatらに従うVH CDR1またはChothiaらに従うVH超可変ループ1、またはその組合せを含みうる。一実施形態において、VH CDR1のKabatおよびChothiaのCDRの組合せは、アミノ酸配列GYTFTTYWMH(配列番号224)、またはそれと実質的に同一である(例えば、少なくとも1つのアミノ酸変化を有するが、2、3、または4個以下の変化(例えば、置換、欠失、または挿入、例えば保存的置換)を有する)アミノ酸配列を含む。抗PD−1抗体分子は、例えば表1に示されるように、例えばKabatらに従うVH CDR2〜3、およびKabatらに従うVL CDR1〜3をさらに含みうる。したがって、一部の実施形態において、フレームワーク領域は、Kabatらに従って定義されるCDRと、Chothiaらに従って定義される超可変ループの組合せに基づいて定義される。例えば、抗PD−1抗体分子は、表1に示されるように、Chothiaらに従うVH超可変ループ1に基づいて定義されるVH FR1、およびKabatらに従うVH CDR1〜2に基づいて定義されるVH FR2を含みうる。抗PD−1抗体分子はさらに、Kabatらに従うVH CDR2〜3に基づいて定義されるVH FR3〜4、およびKabatらに従うVL CDR1〜3に基づいて定義されるVL FR1〜4を含みうる。
抗PD−1抗体分子は、KabatおよびChothiaの定義に従ってCDRまたは超可変ループの任意の組合せを含みうる。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えば、KabatおよびChothiaの定義に従う、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体の軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDR(例えば、表1に記載のKabatおよびChothiaの定義に従う少なくとも1、2、または3個のCDR)を含む。
一実施形態において、可変領域、CDR(例えば、ChothiaまたはKabat CDR)、または例えば本明細書において、例えば表1で言及した他の配列を含む実施形態において、抗体分子は、単特異的抗体分子、二特異的抗体分子であるか、または抗体の抗原結合断片、例えば半抗体もしくは半抗体の抗原結合断片を含む抗体分子である。ある特定の実施形態において、抗体分子は、PD−1に対する第一の結合特異性と、TIM−3、LAG−3、CEACAM(例えば、CEACAM−1、および/またはCEACAM−5)、PD−L1、またはPD−L2に対する第二の結合特異性とを有する二特異的抗体分子である。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は:
(a)配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と;
(b)配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと;
(c)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと;または
(d)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと
を含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLとを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLとを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLとを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLとを含む。
一実施形態において、抗体分子は、ヒト化抗体分子である。別の実施形態において、抗体分子は単特異的抗体分子である。なお別の実施形態において、抗体分子は二特異的抗体分子である。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列;および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、
(ii)配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と
を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列;および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、
(ii)配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と
を含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列を含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子の軽鎖または重鎖可変フレームワーク(例えば、少なくともFR1、FR2、FR3、および任意選択でFR4を包含する領域)は、(a)ヒト軽鎖または重鎖可変フレームワークのアミノ酸残基、例えばヒト成熟抗体、ヒト生殖系列配列、またはヒトコンセンサス配列からの軽鎖または重鎖可変フレームワーク残基の少なくとも80%、85%、87%、90%、92%、93%、95%、97%、98%、または好ましくは100%を含む軽鎖または重鎖可変フレームワーク、(b)ヒト軽鎖または重鎖可変フレームワークのアミノ酸残基、例えばヒト成熟抗体、ヒト生殖系列抗体、またはヒトコンセンサス配列の軽鎖または重鎖可変フレームワーク残基の20〜80%、40%〜60%、60%〜90%、または70%〜95%を含む軽鎖または重鎖可変フレームワーク、(c)非ヒトフレームワーク(例えば、齧歯類フレームワーク)、または(d)例えば、抗原性または細胞傷害性決定因子を除去するために改変されている、例えば脱免疫または部分的にヒト化されている非ヒトフレームワーク、から選択することができる。一実施形態において、重鎖または軽鎖可変フレームワーク領域(特にFR1、FR2、および/またはFR3)は、ヒト生殖系列遺伝子のVLまたはVHセグメントのフレームワークと少なくとも70、75、80、85、87、88、90、92、94、95、96、97、98、99%同一である軽鎖または重鎖可変フレームワーク配列を含む。
ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−HCのアミノ酸配列、例えば全可変領域、例えば図9Aから9Bに示す、または配列番号18、20、22、もしくは30におけるFR領域のアミノ酸配列から、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、10、15、20個、または20個より多くの変化、例えばアミノ酸置換または欠失を有する重鎖可変ドメインを含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−HCのアミノ酸配列、例えば全可変領域、例えば図9Aから9Bに示す、または配列番号18、20、22もしくは30におけるFRのアミノ酸配列の、1位のE、5位のV、9位のA、11位のV、12位のK、13位のK、16位のE、18位のL、19位のR、20位のIもしくはV、24位のG、37位のI、40位のAもしくはS、41位のT、42位のS、43位のR、48位のMもしくはL、68位のVもしくはF、69位のT、70位のI、71位のS、72位のAもしくはR、74位のKもしくはN、76位のTもしくはK、77位のSもしくはN、79位のL、81位のL、82位のEもしくはQ、83位のM、84位のSもしくはN、87位のR、88位のA、または91位のT、の1つまたは複数を有する重鎖可変ドメインを含む。
あるいは、または本明細書に記載のBAP049−chi−HCの重鎖置換との組合せで、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−LCのアミノ酸配列、例えば図10Aから10Bに示す、または配列番号24もしくは26に示されるアミノ酸配列から、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、10、15、20個、または20個より多くのアミノ酸変化、例えばアミノ酸置換または欠失を有する軽鎖可変ドメインを含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−chi−LCのアミノ酸配列、例えば図10Aから10Bに示す、または配列番号24もしくは26のアミノ酸配列の、1位のE、2位のV、3位のQ、4位のL、7位のT、9位のDもしくはLもしくはA、10位のFもしくはT、11位のQ、12位のSもしくはP、13位のLもしくはA、14位のS、15位のPもしくはLもしくはV、16位のK、17位のQもしくはD、18位のR、19位のA、20位のS、21位のIもしくはL、22位のT、43位のL、48位のK、49位のAもしくはS、51位のRもしくはQ、55位のY、64位のI、66位のSもしくはP、69位のS、73位のY、74位のG、76位のE、79位のF、82位のN、83位のN、84位のLもしくはI、85位のE、86位のSもしくはP、87位のD、89位のAもしくはFもしくはI、91位のTもしくはY、93位のF、または102位のY、の1つまたは複数を有する重鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、1、2、3または4個の重鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示されるVHFWアミノ酸配列、または表2に示されるヌクレオチド配列によってコードされるVHFWアミノ酸配列)、またはそれと実質的に同一である配列を含む。
なお他の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、1、2、3または4個の軽鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示されるVLFWアミノ酸配列、または表2に示されるヌクレオチド配列によってコードされるVLFWアミノ酸配列)、またはそれと実質的に同一である配列を含む。
他の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、1、2、3または4個の重鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示されるVHFWアミノ酸配列、または表2に示されるヌクレオチド配列によってコードされるVHFWアミノ酸配列)、またはそれと実質的に同一である配列と、1、2、3または4個の軽鎖フレームワーク領域(例えば、表2に示されるVLFWアミノ酸配列、または表2に示されるヌクレオチド配列によってコードされるVLFWアミノ酸配列)、またはそれと実質的に同一である配列とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域1(VHFW1)(例えば、配列番号147)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum14、またはBAP049−hum15の重鎖フレームワーク領域1(VHFW1)(例えば、配列番号151)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum09、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域2(VHFW2)(例えば、配列番号153)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum08、BAP049−hum10、BAP049−hum14、BAP049−hum15、またはBAP049−クローン−Dの重鎖フレームワーク領域2(VHFW2)(例えば、配列番号157)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum16の重鎖フレームワーク領域2(VHFW2)(例えば、配列番号160)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum09、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域3(VHFW3)(例えば、配列番号162)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum08、BAP049−hum10、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、またはBAP049−クローン−Dの重鎖フレームワーク領域3(VHFW3)(例えば、配列番号166)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域4(VHFW4)(例えば、配列番号169)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum15、BAP049−hum16、またはBAP049−クローン−Cの軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号174)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum07、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum14、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号177)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum06の軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号181)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum13の軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号183)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum02、BAP049−hum03、またはBAP049−hum12の軽鎖フレームワーク領域1(VLFW1)(例えば、配列番号185)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum06、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域2(VLFW2)(例えば、配列番号187)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum07、BAP049−hum13、またはBAP049−クローン−Cの軽鎖フレームワーク領域2(VLFW2)(例えば、配列番号191)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum12の軽鎖フレームワーク領域2(VLFW2)(例えば、配列番号194)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号196)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum02、またはBAP049−hum03の軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号200)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum01、またはBAP049−クローン−Aの軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号202)を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum04、BAP049−hum05、またはBAP049−クローン−Bの軽鎖フレームワーク領域3(VLFW3)(例えば、配列番号205)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域4(VLFW4)(例えば、配列番号208)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP−hum07、BAP049−hum09、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum08、BAP049−hum10、またはBAP049−クローン−Dの重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum14、またはBAP049−hum15の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号151(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum16の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号160(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子はさらに、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域4(VHFW4)(例えば、配列番号169)を含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01またはBAP049−クローン−Aの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号202(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum02またはBAP049−hum03の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号200(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum04、BAP049−hum05、またはBAP049−クローン−Bの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)、および配列番号205(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum06の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号181(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum07の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum15、BAP049−hum16、またはBAP049−クローン−Cの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum14、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum12の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号194(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum13の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号183(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))を含む。一部の実施形態において、抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域4(VLFW4)(例えば、配列番号208)をさらに含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01またはBAP049−クローン−Aの重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum01またはBAP049−クローン−Aの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号202(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum02の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum02の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号200(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum03の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))と、BAP049−hum03の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号200(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum04の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))と、BAP049−hum04の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)、および配列番号205(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum05またはBAP049−クローン−Bの重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum05またはBAP049−クローン−Bの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)、および配列番号205(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum06の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum06の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号181(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum07の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum07の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum08の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))と、BAP049−hum08の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum09またはBAP049−クローン−Cの重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum09またはBAP049−クローン−Cの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum10またはBAP049−クローン−Dの重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))と、BAP049−hum10またはBAP049−クローン−Dの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum11またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum11またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum12の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum12の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号185(VLFW1)、配列番号194(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum13の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号153(VHFW2)、および配列番号162(VHFW3))と、BAP049−hum13の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号183(VLFW1)、配列番号191(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum14の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号151(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))と、BAP049−hum14の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号177(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum15の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号151(VHFW1)、配列番号157(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))と、BAP049−hum15の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum16の重鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号147(VHFW1)、配列番号160(VHFW2)、および配列番号166(VHFW3))と、BAP049−hum16の軽鎖フレームワーク領域1〜3(例えば、配列番号174(VLFW1)、配列番号187(VLFW2)、および配列番号196(VLFW3))とを含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの重鎖フレームワーク領域4(VHFW4)(例えば、配列番号169)と、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eの軽鎖フレームワーク領域4(VLFW4)(例えば、配列番号208)とをさらに含む。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、図5または7に示されるフレームワーク領域FW1、FW2、およびFW3の組合せを有する重鎖フレームワーク領域を含む。他の実施形態において、抗体分子は、図5または7に示されるフレームワーク領域FW1、FW2、およびFW3の組合せを有する軽鎖フレームワーク領域を含む。なお他の実施形態において、抗体分子は、図5または7に示されるフレームワーク領域FW1、FW2、およびFW3の組合せを有する重鎖フレームワーク領域と、図5または7に示されるフレームワーク領域FW1、FW2、およびFW3の組合せを有する軽鎖フレームワーク領域とを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子の重鎖または軽鎖可変ドメインまたはその両方は、本明細書に開示されるアミノ酸と実質的に同一である、例えば、本明細書に記載の抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、もしくは表1に記載される、もしくは表1のヌクレオチド配列によってコードされる配列、可変領域と少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、もしくは99%超同一であるアミノ酸配列、または本明細書に記載の抗体の可変領域から少なくとも1もしくは5残基が異なるが、40残基、30、20、もしくは10残基未満が異なるアミノ酸配列を含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子の重鎖または軽鎖可変領域またはその両方は、本明細書に記載の核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、または本明細書に記載の核酸配列(例えば、表1および2に示される核酸配列)もしくはその相補体と、例えば低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、もしくは高ストリンジェンシー、または本明細書に記載の他のハイブリダイゼーション条件でハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む。
別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、または表1に示される配列から1、2、5、10、もしくは15個以下のアミノ酸残基が異なる配列)を有する、少なくとも1、2、3、または4個の抗原結合領域、例えば可変領域を含む。別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に記載のヌクレオチド配列、またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、または表1に示される配列から3、6、15、30、もしくは45個以下のヌクレオチドが異なる配列)を有する核酸によってコードされるVHおよび/またはVLドメインを含む。
なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRを含む。なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRを含む。なお別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表1に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5、または6個のCDRを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えば、表1に要約した、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体のアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRおよび/または超可変ループを含む。別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、例えば、表1に要約した、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体のアミノ酸配列、またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRおよび/または超可変ループを含む。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の、例えば表1に記載の6個全てのCDRおよび/または超可変ループを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、配列が同一である、または本明細書に記載の可変領域(例えば、本明細書に開示されるFR領域)とは1、2、3、または4個のアミノ酸が異なる、可変領域を有する。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、完全な抗体またはその断片(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、または一本鎖Fv断片(scFv))である。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、モノクローナル抗体または単一の特異性を有する抗体である。抗PD−1抗体分子はまた、ヒト化、キメラ、ラクダ化、サメ、またはin vitroで生成される抗体分子でありうる。一実施形態において、その抗PD−1抗体分子はヒト化抗体分子である。抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖は、完全長(例えば、抗体は、少なくとも1つ、好ましくは2つの完全な重鎖と、少なくとも1つ、好ましくは2つの完全な軽鎖とを含みうる)でありうるか、または抗原結合断片(例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、または一本鎖Fv断片、単一ドメイン抗体、ダイアボディ(dAb)、二価抗体、または二特異的抗体またはその断片、その単一ドメイン変種、またはラクダ化抗体)を含みうる。
なお他の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgEの重鎖定常領域;詳しくは、例えばIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4の重鎖定常領域、より詳しくは、IgG1またはIgG2(例えば、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4)の重鎖定常領域から選択される重鎖定常領域(Fc)を有する。一実施形態において、重鎖定常領域はヒトIgG1である。別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、例えばカッパまたはラムダの軽鎖定常領域、好ましくはカッパ(例えば、ヒトカッパ)から選択される軽鎖定常領域を有する。一実施形態において、定常領域は、抗PD−1抗体分子の特性を修飾するために(例えば、以下の1つまたは複数:Fc受容体結合、抗体のグリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞機能、または補体機能、を増加または減少させるために)変化している、例えば変異している。例えば、定常領域は、Fc受容体結合を変化させるため、296位(MからY)、298位(SからT)、300位(TからE)、477位(HからK)および478位(NからF)で変異している(例えば、変異した位置は、配列番号212または214の132位(MからY)、134位(SからT)、136位(TからE)、313位(HからK)および314位(NからF)、または配列番号215、216、217、もしくは218の135位(MからY)、137位(SからT)、139位(TからE)、316位(HからK)、および317位(NからF)位に対応する)。別の実施形態において、IgG4、例えばヒトIgG4の重鎖定常領域は、例えば表3に示されるようにEUナンバリングに従う228位で変異している(例えば、SからP)。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、表3に示される、EUナンバリングに従う228位で変異した(例えば、SからP)ヒトIgG4と、例えば表3に示されるカッパ軽鎖定常領域とを含む。なお別の実施形態において、IgG1、例えばヒトIgG1の重鎖定常領域は、表3に示される、EUナンバリングに従う297位(例えば、NからA)、EUナンバリングに従う265位(例えば、DからA)、EUナンバリングに従う329位(例えば、PからA)、EUナンバリングに従う234位(例えば、LからA)、またはEUナンバリングに従う235位(例えば、LからA)の1つまたは複数で変異している。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、例えば表3に示される、上記の位置の1つまたは複数で変異したヒトIgG1と、例えば表3に示されるカッパ軽鎖定常領域とを含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は単離または組換えである。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、ヒト化抗体分子である。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、T細胞エピトープ解析に基づいて、700未満、600、500、400、または400未満のリスクスコアを有する。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、ヒト化抗体分子であり、T細胞エピトープ解析に基づいて300〜700、400〜650、450〜600、または本明細書に記載のリスクスコアを有する。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は:
(a)配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と;
(b)配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと;
(c)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと;または
(d)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと
を含む。
ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、
(ii)配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と
を含む。
他の実施形態において、抗PD−1抗体分子は:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、
(ii)配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と
を含む。
上記の抗体分子の実施形態において、VHCDR1は、配列番号1のアミノ酸配列を含む。他の実施形態において、VHCDR1は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。なお他の実施形態において、VHCDR1は、配列番号224のアミノ酸配列を含む。
実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号147、151、153、157、160、162、166、もしくは169のいずれかのアミノ酸配列、またはそれと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、もしくは配列番号147、151、153、157、160、162、166、もしくは169のいずれかのアミノ酸配列と比較して2個以下のアミノ酸置換、挿入、もしくは欠失を有するアミノ酸配列を含む、少なくとも1つのフレームワーク(FW)領域を含む重鎖可変領域を有する。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号147、151、153、157、160、162、166、または169のいずれかのアミノ酸配列を含む少なくとも1つのフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を有する。
なお他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号147、151、153、157、160、162、166、または169のいずれかのアミノ酸配列を含む、少なくとも2、3、または4個のフレームワーク領域を含む重鎖可変領域を有する。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号147または151のVHFW1アミノ酸配列、配列番号153、157、または160のVHFW2アミノ酸配列、および配列番号162または166のVHFW3アミノ酸配列を含み、任意選択で配列番号169のVHFW4アミノ酸配列をさらに含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205、もしくは208のいずれかのアミノ酸配列、またはそれと少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、もしくは配列番号174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205、もしくは208のいずれかのアミノ酸配列と比較して2個以下のアミノ酸置換、挿入、もしくは欠失を有するアミノ酸配列、を含む少なくとも1つのフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を有する。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205、または208のいずれかのアミノ酸配列を含む少なくとも1つのフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を有する。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号174、177、181、183、185、187、191、194、196、200、202、205、または208のいずれかのアミノ酸配列を含む少なくとも2、3、または4個のフレームワーク領域を含む軽鎖可変領域を有する。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号174、177、181、183、または185のVLFW1アミノ酸配列、配列番号187、191、または194のVLFW2アミノ酸配列、および配列番号196、200、202、または205のVLFW3アミノ酸配列を含み、任意選択で配列番号208のVLFW4アミノ酸配列をさらに含む。
他の実施形態において、上記の抗体は、配列番号38、50、82、または86のいずれかと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38、50、82、または86のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号42、46、54、58、62、66、70、74、または78のいずれかと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号42、46、54、58、62、66、70、74、または78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号52または配列番号102のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号48のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号58のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号60のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号46のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号58のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号50のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号78のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号82のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号86のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインと、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインとを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号91のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号102のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号44のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号48のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号48のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号56のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号60のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号80のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体は、配列番号84のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、配列番号88のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、Fab、F(ab’)2、Fv、または一本鎖Fv断片(scFv)から選択される。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から選択される重鎖定常領域を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、カッパまたはラムダの軽鎖定常領域から選択される軽鎖定常領域を含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、EUナンバリングに従う228位または配列番号212もしくは214の108位で変異を有するヒトIgG4重鎖定常領域とカッパ軽鎖定常領域とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、EUナンバリングに従う228位または配列番号212もしくは214の108位でセリンからプロリンへの変異を有するヒトIgG4重鎖定常領域と、カッパ軽鎖定常領域とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、EUナンバリングに従う297位または配列番号216の180位でアスパラギンからアラニンへの変異を有するヒトIgG1重鎖定常領域と、カッパ軽鎖定常領域とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、EUナンバリングに従う265位または配列番号217の148位でアスパラギン酸塩からアラニンへの変異を有し、かつEUナンバリングに従う329位または配列番号217の212位でプロリンからアラニンへの変異を有するヒトIgG1重鎖定常領域と、カッパ軽鎖定常領域とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、EUナンバリングに従う234位または配列番号218の117位でロイシンからアラニンへの変異を有し、かつEUナンバリングに従う235位または配列番号218の118位でロイシンからアラニンへの変異を有するヒトIgG1重鎖定常領域と、カッパ軽鎖定常領域とを含む。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、約0.2nM未満の解離定数(KD)でヒトPD−1に結合することができる。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばBiacore方法によって測定した場合に、ヒトPD−1に、約0.2nM未満、0.15nM、0.1nM、0.05nM、または0.02nM、例えば約0.13nM〜0.03nM、例えば約0.077nM〜0.088nM、例えば約0.083nMのKDで結合する。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばBiacore方法によって測定した場合に、カニクイザルPD−1に、約0.2nM未満、0.15nM、0.1nM、0.05nM、または0.02nM、例えば約0.11nM〜0.08nM、例えば約0.093nMのKDで結合する。
ある特定の実施形態において、上記の抗体分子は、Biacore方法によって測定した場合に、ヒトPD−1とカニクイザルPD−1の両方に、類似のKD、例えばnM範囲のKDで結合する。一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばELISAによって測定した場合に、ヒトPD−Ig融合タンパク質に、約0.1nM未満、0.075nM、0.05nM、0.025nM、または0.01nM、例えば約0.04nMのKDで結合する。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばFACS分析によって測定した場合に、ヒトPD−1を発現するJurkat細胞(例えば、ヒトPD−1トランスフェクトJurkat細胞)に、約0.1nM未満、0.075nM、0.05nM、0.025nM、または0.01nM、例えば約0.06nMのKDで結合する。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばFACS分析によって測定した場合に、カニクイザルT細胞に、約1nM未満、0.75nM、0.5nM、0.25nM、または0.1M、例えば約0.4nMのKDで結合する。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばFACS分析によって測定した場合に、カニクイザルPD−1を発現する細胞(例えば、カニクイザルPD−1をトランスフェクトした細胞)に、約1nM未満、0.75nM、0.5nM、0.25nM、または0.01M、例えば約0.6nMのKDで結合する。
ある特定の実施形態において、上記の抗体分子は、マウスまたはラットPD−1と交差反応しない。他の実施形態において、上記の抗体は、アカゲザルPD−1と交差反応する。例えば、交差反応性は、Biacore方法またはPD−1を発現する細胞(例えば、ヒトPD−1発現300.19細胞)を使用する結合アッセイによって測定することができる。他の実施形態において、上記の抗体分子は、PD−1の細胞外Ig様ドメインに結合する。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、PD−L1、PD−L2、もしくは両方、またはPD−L1、PD−L2もしくは両方を発現する細胞に対するPD−1の結合を低減させることができる。一部の実施形態において、上記の抗体分子は、PD−1を発現する細胞(例えば、ヒトPD−1発現300.19細胞)に対するPD−L1の結合を、約1.5nM未満、1nM、0.8nM、0.6nM、0.4nM、0.2nM、または0.1nM、例えば約0.79nM〜約1.09nMの間、例えば約0.94nM、または約0.78nM、またはそれ未満、例えば約0.3nMのIC50で低減させる(例えば遮断する)。一部の実施形態において、上記の抗体は、PD−1を発現する細胞(例えば、ヒトPD−1発現300.19細胞)に対するPD−L2の結合を、約2nM未満、1.5nM、1nM、0.5nM、または0.2nM、例えば約1.05nM〜約1.55nMの間、または約1.3nMまたはそれ未満、例えば約0.9nMのIC50で低減させる(または遮断する)。
他の実施形態において、上記の抗体分子は、抗原特異的T細胞応答を増強することができる。
実施形態において、抗体分子は、単特異的抗体分子または二特異的抗体分子である。実施形態において、抗体分子は、PD−1に対して第一の結合特異性を有し、TIM−3、LAG−3、CEACAM(例えば、CEACAM−1、CEACAM−3、および/またはCEACAM−5)、PD−L1またはPD−L2に対して第二の結合特異性を有する。実施形態において、抗体分子は、抗体の抗原結合断片、例えば、半抗体または半抗体の抗原結合断片を含む。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばブドウ球菌(Staphylococcal)エンテロトキシンB(SEB)T細胞活性化アッセイまたはヒト全血ex vivoアッセイにおいて測定した場合に、SEB(例えば、25μg/mLで)によって活性化した細胞からのIL−2の発現を、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用した場合のIL−2の発現と比較して、少なくとも約2、3、4、5倍、例えば約2〜3倍、例えば約2〜2.6倍、例えば約2.3倍増加させる。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばIFN−ガンマ活性アッセイにおいて測定した場合に、抗CD3(例えば、0.1μg/mL)によって刺激したT細胞からのIFN−ガンマの発現を、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用した場合のIFN−ガンマの発現と比較して、少なくとも約2、3、4、5倍、例えば約1.2〜3.4倍、例えば約2.3倍増加させる。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばIFN−ガンマ活性アッセイにおいて測定した場合に、SEB(例えば、3pg/mL)によって活性化したT細胞からのIFN−ガンマの発現を、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用した場合のIFN−ガンマの発現と比較して、少なくとも約2、3、4、5倍、例えば約0.5〜4.5倍、例えば約2.5倍増加させる。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばIFN−ガンマ活性アッセイにおいて測定した場合に、CMVペプチドによって活性化したT細胞からのIFN−ガンマの発現を、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用した場合のIFN−ガンマの発現と比較して、少なくとも約2、3、4、5倍、例えば約2〜3.6倍、例えば約2.8倍増加させる。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えば少なくともn(例えば、n=2または4)回の細胞分裂を経たCD8+T細胞の百分率によって測定した場合に、CMVペプチドによって活性化したCD8+T細胞の増殖を、アイソタイプ対照(例えば、IgG4)を使用した場合のCD8+T細胞の増殖と比較して、少なくとも約1、2、3、4、5倍、例えば約1.5倍増加させる。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、サルにおいて測定した場合に、約100μg/mL〜約500μg/mLの間、約150μg/mL〜約450μg/mLの間、約250μg/mL〜約350μg/mLの間、または約200μg/mL〜約400μg/mLの間、例えば約292.5μg/mLのCmaxを有する。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、サルにおいて測定した場合に、約250時間〜約650時間の間、約300時間〜約600時間の間、約350時間〜約550時間の間、または約400時間〜約500時間の間、例えば、約465.5時間のT1/2を有する。
一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばBiacore方法によって測定した場合に、5×10−4、1×10−4、5×10−5、または1×10−5s−1より遅いKDで、例えば約2.13×10−4s−1のKDでPD−1に結合する。一部の実施形態において、上記の抗体分子は、例えばBiacore方法によって測定した場合に、1×104、5×104、1×105、または5×105M−1s−1より速いKaで、例えば約2.78×105M−1s−1のKaでPD−1に結合する。
一部の実施形態において、上記の抗PD−1抗体分子は、PD−1のCストランド、CC’ループ、C’ストランド、およびFGループ内の1つまたは複数の残基に結合する。PD−1のドメイン構造は、例えば、Cheng et al., “Structure and Interactions of the Human Programmed Cell Death 1 Receptor” J. Biol. Chem. 2013, 288:11771-11785に記載されている。Chengらに記載されているように、Cストランドは、残基F43〜M50からなり、CC’ループはS51〜N54からなり、C’ストランドは残基Q55〜F62からなり、およびFGループは残基L108〜I114(アミノ酸のナンバリングは上記のChangらに従う)からなる。したがって、一部の実施形態において、本明細書に記載の抗PD−1抗体は、PD−1のF43〜M50、S51〜N54、Q55〜F62、およびL108〜I114の範囲の1つまたは複数における少なくとも1つの残基に結合する。一部の実施形態において、本明細書に記載の抗PD−1抗体は、PD−1のF43〜M50、S51〜N54、Q55〜F62、およびL108〜I114の範囲の2、3、または4個全てにおける少なくとも1つの残基に結合する。一部の実施形態において、抗PD−1抗体は、PD−L1およびPD−L2の1つまたは両方の結合部位の一部でもあるPD−1の残基に結合する。
別の態様において、本発明は、上記の抗体分子のいずれかをコードする単離核酸分子、ベクター、およびその宿主細胞を提供する。
上記の抗体分子のいずれかの抗体重鎖可変領域または軽鎖可変領域、またはその両方をコードする単離核酸も同様に提供される。
一実施形態において、単離核酸は、重鎖CDR1〜3をコードし、前記核酸は、配列番号108〜112、223、122〜126、133〜137、または144〜146のヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態において、単離核酸は、軽鎖CDR1〜3をコードし、前記核酸は、配列番号113〜120、127〜132、または138〜143のヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態において、上記の核酸は、重鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号39、51、83、87、90、95、または101のいずれかと少なくとも85%同一である。
他の実施形態において、上記の核酸は、重鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号39、51、83、87、90、95、または101のいずれかを含む。
他の実施形態において、上記の核酸は、重鎖をコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号41、53、85、89、92、96、または103のいずれかと少なくとも85%同一である。
他の実施形態において、上記の核酸は、重鎖をコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号41、53、85、89、92、96、または103のいずれかを含む。
他の実施形態において、上記の核酸は、軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号45、49、57、61、65、69、73、77、81、94、98、100、105、または107のいずれかと少なくとも85%同一である。
他の実施形態において、上記の核酸は、軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号45、49、57、61、65、69、73、77、81、94、98、100、105、または107のいずれかを含む。
他の実施形態において、上記の核酸は、軽鎖をコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号45、49、57、61、65、69、73、77、81、94、98、100、105、または107のいずれかと少なくとも85%同一である。
他の実施形態において、上記の核酸は、軽鎖をコードするヌクレオチド配列をさらに含み、前記ヌクレオチド配列は、配列番号45、49、57、61、65、69、73、77、81、94、98、100、105、または107のいずれかを含む。
ある特定の実施形態において、上記の核酸を含む1つまたは複数の発現ベクターおよび宿主細胞が提供される。
本明細書に記載の宿主細胞を、遺伝子発現にとって適した条件で培養することを含む、抗体分子またはその断片を作製する方法も同様に提供される。
一態様において、本発明は、本明細書に記載の抗体分子を提供する方法を特徴とする。方法は、PD−1抗原(例えば、PD−1エピトープの少なくとも一部を含む抗原)を用意すること;PD−1ポリペプチドに特異的に結合する抗体分子を得ること;および抗体分子がPD−1ポリペプチドに特異的に結合するか否かを評価すること、またはPD−1の活性の調節、例えば阻害における抗体分子の効能を評価することを含む。方法はさらに、対象、例えばヒトまたは非ヒト動物に抗体分子を投与することを含みうる。
別の態様において、本発明は、薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤、および少なくとも1つの治療剤、例えば本明細書に記載の抗PD−1抗体分子を含む組成物、例えば医薬組成物を提供する。一実施形態において、組成物、例えば医薬組成物は、抗体分子と、1つまたは複数の薬剤、例えば治療剤または本明細書に記載の他の抗体分子との組合せを含む。一実施形態において、抗体分子は、標識または治療剤にコンジュゲートされる。
C−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤
本発明のc−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、例えばその全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,767,675号明細書に開示されている。
好ましい実施形態において、c−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、2−フルオロ−N−メチル−4−[7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2イル]ベンズアミドまたはその薬学的に許容される塩である。
好ましい実施形態において、c−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、2−フルオロ−N−メチル−4−[7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2イル]ベンズアミド二塩酸塩である。
好ましい実施形態において、c−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、カプマチニブである。
好ましい実施形態において、c−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、カプマチニブ二塩酸塩である。一実施形態において、カプマチニブは、約400〜600mg(例えば、1日あたり)、例えば約400、500、または600mg、または約400〜500、または500〜600mgの用量で投与される。
一実施形態において、カプマチニブは経口投与される。
医薬組成物およびキット
別の態様において、本発明は、薬学的に許容される担体と共に製剤化された本明細書に記載の抗体分子を含む組成物、例えば薬学的に許容される組成物を提供する。本明細書において使用される「薬学的に許容される担体」には、生理的に適合性であるありとあらゆる溶媒、分散媒体、等張剤、および吸収遅延剤などが含まれる。担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、直腸、脊髄、または表皮投与(例えば、注射または注入)にとって適切でありうる。
本発明の組成物は、多様な剤形でありうる。これらには、例えば液体、半固体、および固体投与剤形、例えば液体溶液(例えば、注射可能および注入可能溶液)、分散剤または懸濁剤、リポソーム、および坐剤などが含まれる。好ましい剤形は、意図される投与様式および治療応用に依存する。典型的な好ましい組成物は、注射可能または注入可能溶液の剤形である。好ましい投与様式は非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施形態において、抗体は静脈内注入または注射によって投与される。別の好ましい実施形態において、抗体は、筋肉内または皮下注射によって投与される。
本明細書において使用される語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」とは、通常、注射による、腸および局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢内、クモ膜下、脊椎内、硬膜外、および胸骨内注射および注入を含むがこれらに限定されない。
治療組成物は典型的に、製造および保存条件で無菌的かつ安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルション、分散剤、リポソーム、または高い抗体濃度にとって適した他の規則正しい構造に製剤化することができる。滅菌注射可能溶液は、活性化合物(すなわち抗体または抗体部分)の必要量を、上記で列挙した成分の1つまたは組合せと共に適切な溶媒に組み入れた後、必要に応じて濾過滅菌することによって調製することができる。一般的に、分散剤は、基本の分散媒体と、上記で列挙した成分からの必要な他の成分とを含む滅菌ビヒクルに活性化合物を組み入れることによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、予め濾過滅菌したその溶液から、活性成分に加えて任意の追加の望ましい成分の粉末を生じる真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散剤の場合には必要な粒子径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持することができる。注射可能組成物の持続的な吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物に含めることによってもたらされうる。
抗体分子は、当技術分野で公知の多様な方法によって投与することができるが、多くの治療応用に関して好ましい投与経路/投与様式は、静脈内注射または注入である。例えば、抗体分子は、約35〜440mg/m2、典型的には約70〜310mg/m2、およびより典型的には約110〜130mg/m2の用量に達するように、20mg/分を超える速度で、例えば20〜40mg/分、典型的には40mg/分より速いかまたはこれに等しい速度で静脈内注入によって投与することができる。実施形態において、抗体分子は、約1〜100mg/m2、好ましくは約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2、およびより好ましくは約10mg/m2の用量に達するように、10mg/分未満の速度で、好ましくは5mg/分より遅いかまたはこれに等しい速度で静脈内注入によって投与することができる。当業者によって認識されるように、投与経路および/または投与様式は、所望の結果に応じて変化する。ある特定の実施形態において、活性化合物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達系を含む徐放性製剤などの、急速な放出に対して化合物を保護する担体と共に調製されうる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生分解性で生体適合性のポリマーを使用することができる。そのような製剤を調製する多くの方法が特許取得されているか、または一般的に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照されたい。
ある特定の実施形態において、抗体分子は、例えば不活性希釈剤または同化可能な食用担体と共に経口投与することができる。化合物(および他の成分、望ましければ)はまた、硬または軟ゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、または対象の食事に直接組み入れてもよい。治療的経口投与の場合、化合物を賦形剤に組み入れて、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェーハ等の剤形で使用してもよい。本発明の化合物を非経口投与以外で投与するために、化合物を、その不活化を防止する材料でコーティングする必要がありうるか、またはその材料と共に同時投与する必要がありうる。治療組成物はまた、当技術分野で公知の医療用デバイスによって投与することができる。
最適な望ましい応答(例えば、治療応答)を提供するために、投与レジメンを調整する。例えば、単回ボーラスを投与してもよく、複数回の分割用量を経時的に投与してもよく、または用量を、治療状況の緊急性に応じてそれに比例して低減もしくは増加させてもよい。投与の容易さおよび投与量の均一性のために、非経口組成物を単位投与剤形で製剤化することは特に有用である。本明細書において使用される単位投与剤形は、それぞれの単位が、必要な薬学的担体に関連して所望の治療効果を生じるように計算された活性化合物の既定量を含む、処置される対象にとって単位用量として適した物理的に個別の単位を指す。本発明の単位投与剤形の仕様は、(a)活性化合物の独自の特徴および達成される特定の治療効果、ならびに(b)個体における感受性の処置のためにそのような活性化合物を合成する技術分野における固有の制限、に左右され、直接依存する。
抗体分子の治療または予防有効量の例示的な非制限的な範囲は、0.1〜30mg/kg、より好ましくは1〜25mg/kgである。抗PD−1抗体分子の投与量および治療レジメンは、当業者が決定することができる。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、注射(例えば、皮下または静脈内)によって、約1〜40mg/kg、例えば1〜30mg/kg、例えば約5〜25mg/kg、約10〜20mg/kg、約1〜5mg/kg、1〜10mg/kg、5〜15mg/kg、10〜20mg/kg、15〜25mg/kg、または約3mg/kgの用量で投与される。投与スケジュールは、例えば1週間に1回から2、3、または4週間毎に1回まで変化しうる。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、約10〜20mg/kgの用量で2週間毎に1回投与される。
別の例として、抗体分子の治療または予防有効量の非制限的な範囲は、200〜500mg、より好ましくは300〜400mg/kgである。抗PD−1抗体分子の投与量および治療レジメンは、当業者が決定することができる。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、注射(例えば、皮下または静脈内)によって、約200mg〜500mg、例えば約250mg〜450mg、約300mg〜400mg、約250mg〜350mg、約350mg〜450mg、または約300mgまたは約400mgの用量(例えば、一律用量)で投与される。投与スケジュール(例えば、一律の投与スケジュール)は、例えば1週間に1回から2、3、4、5、または6週間に1回まで変化しうる。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、約300〜400mgの用量で3週間毎に1回または4週間毎に1回投与される。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、約300mgの用量で3週間毎に1回投与される。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、約400mgの用量で4週間毎に1回投与される。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、約300mgの用量で4週間毎に1回投与される。一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、約400mgの用量で3週間毎に1回投与される。理論に拘束されたくはないが、一部の実施形態において、一律投与または固定投与は、例えば薬物の供給を節約するためおよび薬局の誤りを低減させるために患者にとって有益でありうる。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子のクリアランス(CL)は、約6〜16mL/時間、例えば約7〜15mL/時間、約8〜14mL/時間、約9〜12mL/時間、または約10〜11mL/時間、例えば、約8.9mL/時間、10.9mL/時間、または13.2mL/時間である。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子のCLに及ぼす体重の指数は、約0.4〜0.7、約0.5〜0.6、または0.7もしくはそれ未満、例えば、0.6もしくはそれ未満、または約0.54である。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子の定常状態での分布容積(Vss)は、約5〜10V、例えば、約6〜9V、約7〜8V、または約6.5〜7.5V、例えば、約7.2Vである。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子の半減期は、約10〜30日、例えば、約15〜25日、約17〜22日、約19〜24日、または約18〜22日、例えば約20日である。
一部の実施形態において、抗PD−1抗体分子のCmin(例えば、80kgの患者に関して)は、少なくとも約0.4μg/mL、例えば、少なくとも約3.6μg/mL、例えば、約20〜50μg/mL、例えば、約22〜42μg/mL、約26〜47μg/mL、約22〜26μg/mL、約42〜47μg/mL、約25〜35μg/mL、約32〜38μg/mL、例えば約31μg/mL、または約35μg/mLである。一実施形態において、抗PD−1抗体分子を約400mgの用量で4週間毎に1回投与する患者において、Cminを決定する。別の実施形態において、抗PD−1抗体分子を約300mgの用量で3週間毎に1回投与する患者において、Cminを決定する。一部の実施形態において、ある特定の実施形態において、Cminは、例えばSEB ex vivoアッセイにおけるIL−2の変化に基づいて決定した場合に、抗PD−1抗体分子のEC50より少なくとも50倍高い、例えば少なくとも約60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、または100倍高い、例えば少なくとも約77倍高い。他の実施形態において、Cminは、例えばSEB ex vivoアッセイのIL−2の変化に基づいて決定した場合に、抗PD−1抗体分子のEC90より少なくとも5倍高い、例えば少なくとも約6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍高い、例えば少なくとも約8.6倍高い。
抗体分子は、約35〜440mg/m2、典型的には約70〜310mg/m2、およびより典型的には約110〜130mg/m2の用量に達するように、20mg/分を超える速度で、例えば20〜40mg/分、典型的には40mg/分より高いかまたは40mg/分に等しい速度で静脈内注入によって投与することができる。実施形態において、約110〜130mg/m2の注入速度は、約3mg/kgのレベルを達成する。他の実施形態において、抗体分子は、約1〜100mg/m2、例えば約5〜50mg/m2、約7〜25mg/m2、または約10mg/m2の用量に達するように、10mg/分より遅い速度で、例えば5mg/分より遅いかまたは5mg/分に等しい速度で静脈内注入によって投与することができる。一部の実施形態において、抗体は、約30分間かけて注入される。投与量の値は、軽減される状態のタイプおよび重症度によって変化しうることに注目されたい。任意の特定の対象に関して、特定の投与レジメンを、個体の必要性および組成物を投与するまたは投与を管轄する人の専門的判断に従って、経時的に調整すべきであること、および本明細書において設定した投与量の範囲は、例示的に過ぎず、特許請求される組成物の範囲または実践を限定しないと意図されることをさらに理解されたい。
本発明の医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分の「治療有効量」または「予防有効量」を含みうる。「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するために必要な用量および期間で有効である量を指す。改変された抗体または抗体断片の治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重などの要因、ならびに抗体または抗体部分が個体において所望の反応を誘発する能力に従って変化しうる。治療有効量はまた、改変された抗体または抗体断片の任意の毒性または有害な効果を、治療上有益な効果が上回る量でもある。「治療有効量」は、好ましくは測定可能なパラメーター、例えば腫瘍の成長速度を、無処置対象と比較して少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、およびなおより好ましくは少なくとも80%阻害する。化合物が測定可能なパラメーター、例えばがんを阻害する能力は、ヒト腫瘍における有効性を予測する動物モデル系において評価することができる。あるいは、組成物のこの特性は、化合物が阻害する能力を、当業者に公知のアッセイによってin vitroで阻害する能力を調べることによって評価することができる。
「予防有効量」は、所望の予防的結果を達成するために必要な用量および期間で有効である量を指す。典型的に、予防用量は、対象において疾患の前または疾患の初期で使用されることから、予防有効量は、治療有効量より低いであろう。
同様に、本明細書に記載の抗体分子を含むキットも本発明の範囲内である。キットは、使用説明書;他の試薬、例えば標識、治療剤、または抗体を標識もしくは治療剤、もしくは放射線保護組成物にキレート化もしくはそうでなければ結合するために有用な薬剤、または投与のために抗体を調製するためのデバイスもしくは他の材料、薬学的に許容される担体、および対象に投与するためのデバイスもしくは他の材料を含む1つまたは複数の他の要素を含みうる。
組合せ治療の使用
例えば本明細書に開示の抗PD−1抗体分子の組合せは、in vitroおよびin vivoでの診断上の有用性ならびに治療上および予防上の有用性を有する。例えば、これらの分子を、がんおよび感染障害などの多様な障害を処置、予防、および/または診断するために、in vitroもしくはex vivoで培養細胞に投与することができ、または対象、例えばヒト対象に投与することができる。
したがって、一態様において、本発明は、対象における免疫応答が改変されるように、本明細書に記載の組合せを対象に投与することを含む、対象における免疫応答を改変する方法を提供する。一実施形態において、免疫応答は増強、刺激、またはアップレギュレートされる。
本明細書において使用される用語「対象」は、ヒトおよび非ヒト動物を含むと意図される。一実施形態において、対象はヒト対象、例えば異常なPD−1機能によって特徴付けられる障害または状態を有するヒト患者である。用語「非ヒト動物」は、非ヒト霊長類などの哺乳動物および非哺乳動物を含む。一実施形態において、対象はヒトである。一実施形態において、対象は、免疫応答の増強を必要とするヒト患者である。一実施形態において、対象は免疫不全であり、例えば対象は、化学療法または放射線療法を受けているか、または受けたことがある。あるいはまたは組み合わせて、対象は、感染症の結果として免疫不全であるか、または免疫不全のリスクがある。本明細書に記載の方法および組成物は、T細胞媒介免疫応答を増強することによって処置することができる障害を有するヒト患者を処置するために適している。例えば、本明細書に記載の方法および組成物は、いくつかの免疫活性を増強することができる。一実施形態において、対象は、腫瘍浸潤Tリンパ球(TIL)の数または活性が増加している。別の実施形態において、対象は、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)の発現または活性が増加している。なお別の実施形態において、対象は、PD−1発現または活性が減少している。
治療的使用
PD−1の遮断は、対象におけるがん様細胞に対する免疫応答を増強することができる。PD−1のリガンドであるPD−L1は、正常なヒト細胞において発現されないが、多様なヒトがんにおいて豊富に存在する(Dong et al. (2002) Nat Med 8:787-9)。PD−1とPD−L1との間の相互作用によって、腫瘍浸潤リンパ球の減少、T細胞受容体媒介増殖の減少、および/またはがん様細胞による免疫回避が起こりうる(Dong et al. (2003) J Mol Med 81:281-7; Blank et al. (2005) Cancer Immunol. Immunother. 54:307-314; Konishi et al. (2004) Clin. Cancer Res. 10:5094-100)。免疫抑制は、PD−1とPD−L1との局所相互作用を阻害することによって元に戻すことができ;PD−1とPD−L2との相互作用も同様に遮断される場合には、効果は相加的である(Iwai et al. (2002) PNAS 99:12293-7; Brown et al. (2003) J. Immunol. 170:1257-66)。このように、PD−1の阻害によって、免疫応答の増強が起こりうる。
一態様において、本発明は、がん様腫瘍の成長が阻害または低減されるように抗PD−1抗体分子を使用するin vivoでの対象の処置に関する。抗PD−1抗体は、がん様腫瘍の成長を阻害するために単独で使用してもよい。あるいは、抗PD−抗体は、標準治療の処置(例えば、がんまたは感染障害に関して)、別の抗体またはその抗原結合断片、免疫調節剤(例えば、共刺激分子の活性化剤または抑制性分子の阻害剤)、ワクチン、例えば治療用がんワクチン、または以下に記述される他の形態の細胞免疫療法、のうちの1つまたは複数との組合せで使用してもよい。
したがって、一実施形態において、本発明は、本明細書に記載の治療有効量の抗PD−1抗体分子を対象に投与することを含む、対象における腫瘍細胞の成長を阻害する方法を提供する。
一実施形態において、方法は、in vivoでのがんの処置にとって適している。免疫の抗原特異的増強を達成するために、抗PD−1抗体分子を目的の抗原と共に投与することができる。PD−1に対する抗体を、1つまたは複数の薬剤との組合せで投与する場合、組合せを、順にまたは同時のいずれかで投与することができる。
別の態様において、対象を処置する方法、例えば対象における過増殖状態または障害(例えば、がん)、例えば固形腫瘍、血液のがん、軟部組織腫瘍、または転移病変を低減または改善する方法が提供される。方法は、本明細書に開示の組合せの1つまたは複数を対象に投与することを含む。
本明細書において使用される用語「がん」は、組織病理学的タイプまたは浸潤のステージにかかわらず、全てのタイプのがん様の成長または腫瘍形成プロセス、転移組織または悪性に形質転換された細胞、組織、または臓器を含むことを意味する。がん様障害の例には、固形腫瘍、血液のがん、軟部組織腫瘍、および転移病変が含まれるがこれらに限定されない。固形腫瘍の例には、悪性腫瘍、例えば肉腫、および様々な臓器系の癌腫(腺癌および扁平上皮がんを含む)、例えば肝臓、肺、乳房、リンパ、消化管(例えば、結腸)、尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮細胞)、前立腺および咽頭に罹患する癌腫が含まれる。腺癌には、ほとんどの結腸がん、直腸がん、腎細胞癌、肝臓がん、非小細胞肺癌、小腸がん、および食道がんなどの悪性腫瘍が含まれる。扁平上皮癌には、悪性腫瘍、例えば肺、食道、皮膚、頭頚部領域、口腔、肛門、および子宮頚部が含まれる。一実施形態において、がんは黒色腫、例えば進行期黒色腫である。上記のがんの転移病変もまた、本発明の方法および組成物を使用して処置または予防することができる。
本明細書に開示の抗体分子を使用してその成長を阻害することができる例示的ながんには、典型的に免疫療法に応答性のがんが含まれる。処置にとって好ましいがんの非制限的な例には、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫)、腎臓がん(例えば、明細胞癌)、前立腺がん(例えば、ホルモン不応性前立腺癌)、乳がん、結腸がん、および肺がん(例えば、非小細胞肺がん)が含まれる。さらに、不応性または再発性の悪性腫瘍は、本明細書に記載の抗体分子を使用して処置することができる。
処置することができる他のがんの例には、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頚部のがん、皮膚または眼内の悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門がん、胃食道、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頚部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、メルケル細胞がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟部組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性または急性白血病、小児の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱のがん、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、腎臓または尿管のがん、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されたがん(例えば、中皮腫)を含む環境によって誘発されたがん、および前記がんの組合せが含まれる。
一部の実施形態において、本明細書における治療は、感染症、例えばウイルスまたは細菌感染症に関連するがんを有する(または有すると同定されている)患者を処置するために使用することができる。例示的ながんには、子宮頸がん、肛門がん、HPV関連頭頚部扁平上皮がん、HPV関連食道乳頭腫、HHV6−関連リンパ腫、EBV関連リンパ腫(バーキットリンパ腫を含む)、胃MALTリンパ腫、他の感染症関連MALTリンパ腫、HCC、およびカポジ肉腫が含まれる。
他の実施形態において、がんは、白血病またはリンパ腫を含むがこれらに限定されない血液の悪性腫瘍またはがんである。例えば、抗PD−1抗体分子を使用して、例えばB細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)を含むがこれらに限定されない急性白血病;例えば慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の慢性白血病;例えばB細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ヘアリーセル白血病、小細胞型または大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖障害、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成および骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様受容細胞腫瘍、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、および骨髄性血球の無効な産生(または異形成)によってまとめられる血液学的状態の多様な集合体である「前白血病」などを含むがこれらに限定されないさらなる血液のがんまたは血液学的状態、を含むがこれらに限定されないがんおよび悪性腫瘍を処置することができる。
一実施形態において、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)(例えば、扁平上皮および/または非扁平上皮組織学を有するNSCLC、またはNSCLC腺癌))、黒色腫(例えば、進行性黒色腫)、腎臓がん(例えば、腎細胞癌、例えば明細胞腎細胞癌)、肝臓がん(例えば、肝細胞癌)、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、前立腺がん、乳がん(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、またはHer2/neuの1つ、2つ、または全てを発現しない乳がん、例えばトリプルネガティブ乳がん)、結腸直腸がん、膵臓がん、頭頚部がん(例えば、頭頚部扁平上皮癌(HNSCC))、肛門がん、胃食道がん、甲状腺がん、子宮頸がん、リンパ増殖疾患(例えば、移植後リンパ増殖性疾患)、または血液のがん、T細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、または白血病(例えば、骨髄性白血病)から選択される。
別の実施形態において、がんは、癌腫(例えば、進行性または転移性がん)、黒色腫、または肺がん、例えば非小細胞肺癌から選択される。
一実施形態において、がんは肺がん、例えば非小細胞肺がんである。
別の実施形態において、がんは肝細胞癌、例えばウイルス感染症、例えば慢性ウイルス性肝炎を伴うまたは伴わない進行性肝細胞癌である。
別の実施形態において、がんは前立腺がん、例えば進行性前立腺がんである。
なお別の実施形態において、がんは骨髄腫、例えば多発性骨髄腫である。
なお別の実施形態において、がんは腎臓がん、例えば腎細胞がん(RCC)(例えば、転移性RCCまたは明細胞腎細胞癌)である。
本明細書に開示の方法および組成物は、上記のがんに関連する転移病変を処置するために有用である。
感染疾患
本発明の他の方法は、特定の毒素または病原体に曝露されている患者を処置するために使用される。したがって、本発明の別の態様は、対象が感染疾患に関して処置されるように、本明細書に開示の組合せ、例えば抗PD−1抗体分子を含む組合せを対象に投与することを含む、対象における感染疾患を処置する方法を提供する。
感染症(例えば、急性および/または慢性)の処置において、抗PD−1抗体分子の投与を、感染症に対する天然の宿主免疫防御を刺激することに加えて、または刺激する代わりに、従来の治療と組み合わせることができる。感染症に対する天然の宿主免疫防御には、リンフォカイン分泌および細胞傷害性T細胞(特にウイルス感染症の間)、補体媒介性溶解およびオプソニン化(食作用の促進)、ならびに食作用を含めた炎症、発熱、抗体媒介性宿主防御、Tリンパ球媒介性宿主防御が含まれるがこれらに限定されない。抗PD−1抗体分子が機能障害T細胞を再度活性化する能力は、慢性感染症、特に完全に回復するためには細胞性免疫が重要である感染症を処置するために有用であろう。
上記の腫瘍に対するその適用と同様に、抗体媒介性PD−1遮断を、単独で、またはアジュバントとして、ワクチンとの組合せで、病原体、毒素、および自己抗原に対する免疫応答を刺激するために使用することができる。この治療アプローチが特に有用でありうる病原体の例には、現在有効なワクチンがない病原体、または従来のワクチンが完全には有効でない病原体が含まれる。これらには、HIV、肝炎(A、B、およびC型)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア、リーシュマニア、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas Aeruginosa)が含まれるがこれらに限定されない。PD−1の遮断は、感染症の過程において変化した抗原を提示するHIVなどの作用剤による確立された感染症に対して特に有用である。これらの新規エピトープは、抗ヒトPD−1投与時に異物として認識され、このためPD−1を通しての負のシグナルによって弱められない強いT細胞応答を誘発する。
組合せ治療
本明細書に開示の組合せ、例えばPD−1抗体分子と1つまたは複数のさらなる治療薬との組合せを本明細書において提供する。この節における組合せの多くは、がんを処置するために有用であるが、他の適応も同様に記述する。この節は、抗PD−1抗体分子の組合せを中心に述べる。本明細書における以下の組合せにおいて、一実施形態において、抗PD−1抗体分子は:
(a)配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と;
(b)配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと;
(c)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと;または
(d)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVHと、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVLと
を含む。
本明細書における以下の組合せにおいて、別の実施形態において、抗PD−1抗体分子は、(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列;配列番号2、または配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列;および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、
(ii)配列番号10または配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11または配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32または配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)と
を含む。
別の実施形態において、組合せ、例えば本明細書に記載の抗PD−1抗体分子を含む組合せは、障害、例えば本明細書に記載の障害を処置するために、c−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤、2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(カプマチニブ)またはその二塩酸塩、または特許出願国際公開第2007/070514号パンフレットに開示される化合物との組合せで使用される。一実施形態において、c−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(カプマチニブ)またはその二塩酸塩、または特許出願国際公開第2007/070514号パンフレットに開示の化合物である。一実施形態において、PD−1抗体分子は、結腸直腸がん、骨髄性白血病、肝臓がん、肺がん、血液のがん、自己免疫疾患、非ホジキンリンパ腫、または血小板血症などの障害を処置するために、2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(カプマチニブ)またはその二塩酸塩、または特許出願国際公開第2007/070514号パンフレットに開示される化合物との組合せで使用される。
一実施形態において、c−Met受容体チロシンキナーゼ阻害剤、または2−フルオロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(カプマチニブ)またはその二塩酸塩は、約200〜600mg、好ましくは400〜600mg(例えば、1日あたり)、例えば約400、500、または600mg、または約400〜500または500〜600mgの用量で投与される。
一実施形態において、カプマチニブは経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、1日2回(BID)経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、100mgを1日2回(BID)経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、150mgを1日2回(BID)経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、200mgを1日2回(BID)経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、300mgを1日2回(BID)経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、1日2回(BID)連続的に経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、100mgを1日2回(BID)連続的に経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、150mgを1日2回(BID)連続的に経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、200mgを1日2回(BID)連続的に経口投与される。
一実施形態において、カプマチニブは、300mgを1日2回(BID)連続的に経口投与される。
例示的なhuMLRアッセイおよびBまたはT細胞増殖アッセイを以下に提供する。
ヒトリンパ球混合培養反応
リンパ球混合培養反応(MLR)は、1つの個体からのリンパ球(反応体)の、別の個体からのリンパ球(刺激体)に対する増殖応答を測定する機能的アッセイである。同種異系MLRを実施するために、3人のドナーからの末梢血単核球(PBMC)を、HLA型不明のバフィーコート(Kantonspital Blutspendezentrum from Bern and Aarau, Switzerland)から単離した。細胞を、10%ウシ胎仔血清(FCS)、100Uペニシリン/100μgストレプトマイシン、50μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI 1640 GlutaMAX(商標)を含む培養培地0.2mL中、2.105で調製した。2人の異なるドナーからのPBMCを1:1の比率で混合することによって個々の二方向反応を設定し、96ウェル平底組織培養プレートにおいて試験化合物の8点濃度範囲の存在下または非存在下、37℃、5%CO2で3回の反復実験による6日間の同時培養を実施した。細胞に3H−TdR(1μCi/0.2mL)を培養の最後の16時間パルスして、取り込まれた放射活性を細胞増殖の測定値として使用した。huMLRの最大反応を50%阻害する濃度(IC50)を各化合物に関して計算した。シクロスポリンをhuMLR阻害の陽性対照として使用した。
ヒトB細胞増殖アッセイ
PBMCを、ヒト血液のFicoll−Paque密度勾配から新たに単離し、ネガティブB細胞単離に供した。B細胞を、96ウェル平底培養プレートにおいて培養培地(RPMI1640、HEPES、10%FCS、50μg/mLゲンタマイシン、50μM 2−メルカプトエタノール、1×ITS(インスリン、トランスフェリン、およびセレン酸ナトリウム)、1×非必須アミノ酸)中に9.104個/ウェルの濃度で再懸濁した。B細胞の刺激を、ヒト抗IgM抗体分子(30μg/mL)およびIL−4(75ng/mL)によって、またはCD40リガンド(3μg/mL)およびIL−4(75ng/mL)によって、試験化合物の7点濃度範囲の存在下または非存在下で実施した。37℃、10%CO2で72時間培養後、細胞に3H−TdR(1μCi/ウェル)を培養の最後の6時間にパルスした。次に、B細胞を回収して、チミジンの取り込みを、シンチレーションカウンターを使用して測定した。それぞれの2回の反復処置に関して、平均値を計算して、これらのデータをXLfit4にプロットして、それぞれのIC50値を決定した。
ヒトT細胞増殖アッセイ
PBMCを、ヒト血液のFicoll−Paque密度勾配から新たに単離し、T細胞のネガティブ単離に供した。T細胞を、96ウェル平底培養プレートにおいて培養培地(RPMI1640、HEPES、10%FCS、50μg/mLゲンタマイシン、50μM 2−メルカプトエタノール、1×ITS(インスリン、トランスフェリン、およびセレン酸ナトリウム)、1×非必須アミノ酸)中に8.104個/ウェルの濃度で調製した。T細胞の刺激を、ヒト抗CD3抗体分子(10μg/mL)によって、またはヒト抗CD3抗体分子(5μg/mL)および抗CD28抗体分子(1μg/mL)によって、試験化合物の7点濃度範囲の存在下または非存在下で実施した。37℃、10%CO2で72時間培養後、細胞に3H−TdR(1μCi/ウェル)を培養の最後の6時間にパルスした。細胞増殖をチミジンの取り込みによって測定し、それぞれの試験化合物のIC50を決定した。
核酸
本発明はまた、本明細書に記載の抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域およびCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含む核酸も特徴とする。例えば、本発明は、本明細書に開示の抗体分子の1つまたは複数から選択される抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域をそれぞれコードする第一および第二の核酸を特徴とする。核酸は、本明細書に記載の表に記載されるヌクレオチド配列、または本明細書に記載の表に示される配列と実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%または99%超同一である配列)、もしくは3、6、15、30もしくは45個以下のヌクレオチドが異なる配列を含みうる。
ある特定の実施形態において、核酸は、本明細書に記載の表に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1つもしくは複数の置換、例えば保存的置換を有する配列)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含みうる。他の実施形態において、核酸は、本明細書に記載の表に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1つもしくは複数の置換、例えば保存的置換を有する配列)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含みうる。なお別の実施形態において、核酸は、本明細書に記載の表に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1つもしくは複数の置換、例えば保存的置換を有する配列)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5、または6個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含みうる。
ある特定の実施形態において、核酸は、本明細書に記載の表に記載のヌクレオチド配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または本明細書に記載のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる配列)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含みうる。別の実施形態において、核酸は、本明細書に記載の表に記載のヌクレオチド配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または本明細書に記載のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる配列)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含みうる。なお別の実施形態において、核酸は、本明細書に記載の表に記載のヌクレオチド配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または本明細書に記載のストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる配列)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5、または6個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含みうる。
別の態様において、本出願は、本明細書に記載の核酸を含む宿主細胞およびベクターを特徴とする。核酸は、本明細書において以下に詳細に記載するように、単一のベクターまたは同じ宿主細胞もしくは異なる宿主細胞に存在する異なるベクターに存在してもよい。
ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域、CDR、超可変ループ、フレームワーク領域をコードする1つまたは両方のヌクレオチド配列を含む1つまたは複数の核酸分子を提供する。ある特定の実施形態において、抗PD−1抗体分子をコードするヌクレオチド配列はコドン最適化されている。例えば、本発明は、例えば、表1に要約されているBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのうちのいずれか、またはそれらと実質的に同一である配列の1つまたは複数から選択される抗PD−1抗体分子の重鎖および軽鎖可変領域をそれぞれコードする第一および第二の核酸を特徴とする。例えば、核酸は、表1および2に記載のヌクレオチド配列、またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、または表1および2に示す配列と3、6、15、30もしくは45個以下のヌクレオチドが異なる配列)を含みうる。
他の実施形態において、核酸分子は、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのアミノ酸配列、または表1に記載されるアミノ酸配列、または表1のヌクレオチド配列;または上記の配列のいずれかと実質的に同一である配列(例えば、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列)を含む、重鎖可変ドメインおよび/または重鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態において、核酸分子は、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのアミノ酸配列、または表1に記載されるアミノ酸配列、または表1に記載のヌクレオチド配列;または上記の配列のいずれかと実質的に同一である配列(例えば、少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列)を含む、軽鎖可変ドメインおよび/または軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む。
抗PD−1重鎖および軽鎖可変ドメインおよび定常領域をコードする上記のヌクレオチド配列は、異なる核酸分子、または同じ核酸分子に存在しうる。ある特定の実施形態において、核酸分子は、リーダー配列、例えば表4に示されるリーダー配列またはそれと実質的に同一である配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
ある特定の実施形態において、核酸分子は、表1に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する重鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態において、核酸分子は、表1に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、または3個のCDR、または超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含む。
なお別の実施形態において、核酸分子は、表1に記載のアミノ酸配列、またはそれと実質的に相同な配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、および/または1、2、3個、もしくは3個超の置換、挿入、もしくは欠失、例えば保存的置換を有する配列)を有する重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1、2、3、4、5、または6個のCDRまたは超可変ループをコードするヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、核酸分子は、軽鎖可変領域の102位で軽鎖CDR3において置換、例えば表1に従う軽鎖可変領域(例えば、マウスもしくはキメラ、非改変配列に関して配列番号16もしくは24;または改変配列に関して配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74、もしくは78のいずれか)の102位で、システインのチロシンへの置換、またはシステインのセリン残基への置換を含む、抗PD−1抗体分子をコードするヌクレオチド配列を含む。
別の実施形態において、核酸分子は、表1および2に要約されるBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれか、またはそれと実質的に同一である配列の1つまたは複数の重鎖フレームワーク領域(例えば、VHFW1(a型)、VHFW1(b型)、VHFW2(a型)、VHFW2(b型)、VHFW2(c型)、VHFW3(a型)、VHFW3(b型)、またはVHFW4、またはその任意の組合せ、例えば本明細書に記載のフレームワークの組合せ)を含む。例えば、核酸分子は、表1および2に記載のヌクレオチド配列、またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、または表1および2に示される配列から3、6、15、30、もしくは45個以下のヌクレオチドが異なる配列)を含みうる。
別の実施形態において、核酸分子は、表1および2に要約されるBAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、またはBAP049−クローン−Eのいずれか、またはそれと実質的に同一である配列の1つまたは複数の軽鎖フレームワーク領域(例えば、VLFW1(a型)、VLFW1(b型)、VLFW1(c型)、VLFW1(d型)、VLFW1(e型)、VLFW2(a型)、VLFW2(b型)、VLFW2(c型)、VLFW3(a型)、VLFW3(b型)、VLFW3(c型)、VLFW3(d型)、またはVLFW4、またはその任意の組合せ、例えば本明細書に記載のフレームワークの組合せ)を含む。例えば、核酸分子は、表1および2に記載のヌクレオチド配列、またはそれと実質的に同一である配列(例えば、それと少なくとも約85%、90%、95%、99%、もしくは99%超同一である配列、または表1および2に示される配列から3、6、15、30、もしくは45個以下のヌクレオチドが異なる配列)を含みうる。
別の実施形態において、核酸分子は、本明細書に記載の1つまたは複数の重鎖フレームワーク領域と、1つまたは複数の軽鎖フレームワーク領域とを含む。重鎖および軽鎖フレームワーク領域は、同じベクターまたは異なるベクターに存在してもよい。
ベクターおよび宿主細胞
別の態様において、本出願は、本明細書に記載の核酸を含む宿主細胞およびベクターを特徴とする。核酸は、単一のベクターまたは同じ宿主細胞もしくは異なる宿主細胞に存在する異なるベクターに存在してもよい。
一実施形態において、ベクターは、本明細書に記載の抗体分子をコードするヌクレオチドを含む。一実施形態において、ベクターは、本明細書に記載のヌクレオチド配列を含む。一実施形態において、ベクターには、ウイルス、プラスミド、コスミド、ラムダファージ、または酵母人工染色体(YAC)が含まれるがこれらに限定されない。
多数のベクター系を使用してもよい。例えば、1つのクラスのベクターは、例えばウシ乳頭腫ウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス、レトロウイルス(ラウス肉腫ウイルス、MMTV、またはMOMLV)、またはSV40ウイルスなどの動物ウイルスに由来するDNAエレメントを利用する。別のクラスのベクターは、セムリキ森林ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、およびフラビウイルスなどのRNAウイルスに由来するRNAエレメントを利用する。
さらに、その染色体にDNAが安定に組み込まれている細胞を、トランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能にする1つまたは複数のマーカーを導入することによって選択してもよい。マーカーは、例えば栄養素要求性宿主に対する原栄養性、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質)、または銅などの重金属に対する耐性等を提供しうる。選択可能マーカー遺伝子は、発現されるDNA配列に直接連結してもよく、または同時形質転換によって同じ細胞に導入してもよい。mRNAの最適な合成のために、さらなるエレメントも同様に必要でありうる。これらのエレメントは、スプライスシグナル、ならびに転写プロモーター、エンハンサー、および終止シグナルを含みうる。
構築物を含む発現ベクターまたはDNA配列を発現のために調製した後、発現ベクターを適切な宿主細胞にトランスフェクトまたは導入してもよい。これを行うために、例えばプロトプラスト融合、リン酸カルシウム沈殿、電気穿孔、レトロウイルス形質導入、ウイルストランスフェクション、遺伝子銃、脂質に基づくトランスフェクション、または他の従来の技術などの、様々な技術を使用してもよい。プロトプラスト融合の場合、細胞を培地中で成長させて、適切な活性に関してスクリーニングする。
得られたトランスフェクト細胞を培養する方法および条件、ならびに産生された抗体分子を回収する方法および条件は、当業者に公知であり、本明細書の記述に基づいて、使用される特異的発現ベクターおよび哺乳動物宿主細胞に応じて変化させてもよく、または最適化してもよい。
本発明はまた、本明細書に記載の抗体分子をコードする核酸を含む宿主細胞も提供する。
一実施形態において、宿主細胞は、抗体分子をコードする核酸を含むように遺伝子操作されている。
一実施形態において、宿主細胞は、発現カセットを使用して遺伝子操作されている。語句「発現カセット」は、そのような配列と適合性である宿主において遺伝子の発現を行うことができるヌクレオチド配列を指す。そのようなカセットは、プロモーター、イントロンを伴うまたは伴わないオープンリーディングフレーム、および終止シグナルを含みうる。例えば誘導型プロモーターなどの、発現を行うために必要なまたは役立つさらなる要因もまた使用してもよい。
本発明はまた、本明細書に記載のベクターを含む宿主細胞も提供する。
細胞は、真核細胞、細菌細胞、昆虫細胞、またはヒト細胞でありうるが、これらに限定されない。適した真核細胞には、Vero細胞、HeLa細胞、COS細胞、CHO細胞、HEK293細胞、BHK細胞、およびMDCKII細胞が含まれるがこれらに限定されない。適した昆虫細胞には、Sf9細胞が含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態において、宿主細胞は真核細胞、例えば哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、または原核細胞、例えば大腸菌(E.coli)である。例えば、哺乳動物細胞は、培養細胞または細胞株でありうる。例示的な哺乳動物細胞には、リンパ球細胞株(例えば、NSO)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、COS細胞、卵母細胞、およびトランスジェニック動物からの細胞、例えば乳腺上皮細胞が含まれる。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載され、本発明の範囲をいかなるようにも制限しないと意図され、制限しないと解釈すべきである。
[実施例1]
一律投与スケジュールでの薬物動態解析
薬物動態(PK)モデリングに基づいて、一律用量を利用することは、適切なCmin濃度で患者に曝露を提供すると予想される。患者の99.5%超がEC50を超えており、患者の93%超がEC90を超えている。300mgを3週間毎に1回(Q3W)または400mgを4週間毎に1回(Q4W)のいずれかを利用する例示的な抗PD−1抗体分子の予測される定常状態Cmin平均値は、平均で約20μg/mL超(最高体重、150kg)であると予想される。
いずれかの用量/レジメン(300mg q3Wまたは400mg q4w)で観察された例示的な抗PD−1抗体分子の予想される平均定常状態Cmin濃度は、EC50(0.42μg/mL)より少なくとも77倍高く、EC90より約8.6倍高い。Ex vivo効力は、SEB ex vivoアッセイにおけるIL−2の変化に基づく。
患者の10%未満が、300mg q3Wまたは400mg q4wのいずれかで3.6μg/mL未満のCmin濃度を達成すると予想される。患者の0.5%未満が、300mg q3Wまたは400mg q4wのいずれかで0.4μg/mL未満のCmin濃度を達成すると予想される。
例示的な抗PD−1抗体分子の同じ用量を投与されている患者の異なる体重に関して予測されるCトラフ(Cmin)濃度を、図12に示す。体重に基づく投与を、固定用量(3.75mg/kgQ3Wと300mg Q3Wとの比較、および5mg/kg Q4Wと400mg Q4Wの比較)と比較する。図12は、例示的な抗PD−1抗体分子の一律投与を支持する。
PKモデルをさらにバリデートする。図13に示すように、観察された濃度とモデル予測濃度との比較は、単一の線に存在する。図14は、モデルが蓄積、時間経過、および対象内変動を捉えていることを示している。
[実施例2]
進行性肝細胞癌における抗PD−1抗体分子(以下に詳述する「抗体分子A」)と組み合わせたカプマチニブ、または抗体分子A単剤のフェーズIb/IIオープンラベル多施設試験
抗体分子A:
抗体分子Aは、IgG4/κアイソタイプサブクラスに属する高親和性の完全にヒト化された抗ヒトPD−1モノクローナル抗体である。これは、チャイニーズハムスター卵巣細胞株(CHO−C8TD)において発現され、2つの重鎖および2つの軽鎖からなる。抗体分子Aの重鎖はいずれも、Asn294でタンパク質骨格に連結したオリゴ糖鎖を含む。
DNA配列から推定した、軽鎖(220個のアミノ酸)および重鎖(443個のアミノ酸)のアミノ酸配列をそれぞれ、図15および16に示す。一次配列から誘導される予想されるジスルフィド連結を表6に記載する。
DNA配列から推定したアミノ酸組成に基づく抗体分子Aの理論的平均分子量は、145759Daである。この分子量は、予想されるペプチド結合およびジスルフィド結合の形成を考慮に入れる。他の翻訳後修飾を無視し、例えばN末端グルタミンは、ピログルタメートとして考慮せず、アスパラギングリコシル化部位は不変であると考えられ(Aspの代わりにAsn)、他の化学的修飾を計算において考慮しない。
i.v.注入のためのバイアル中での凍結乾燥剤形の抗体分子A。開始用量は300mgであり、これを3週間毎(Q3W)に投与する。
抗体分子Aを、3週間毎に30分間(臨床的に適応される場合、最長2時間)かけてi.v.注入により投与する。次の予定用量は、前回のAEから回復するように最大7日間遅らせてもよい。次の用量を、上記の7日間の遅延内に投与することができない場合、それに従って評価をシフトさせるべきである。
カプマチニブ
カプマチニブ錠は、mg/日の一律スケールの連続的な1日2回(BID)投与スケジュールで経口投与され、体重または体表面積によって個別に調整しない。
PK試料採取日を除き、患者はカプマチニブ錠を、サイクル1の1日目から開始して1日2回(BID)、毎日ほぼ同じ時間に服用すべきである。
カプマチニブの各用量は、コップ1杯の水(少なくとも8オンス−およそ250mL)と共に服用すべきであり、可能な限り短時間に(すなわち、2分毎に1錠より遅くない)に摂取すべきである。
カプマチニブの用量は200mg BIDである。
患者には、錠剤全体を噛まずに飲み込むように指示すべきである。
カプマチニブは、絶食状態で、食前少なくとも1時間または食後2時間で投与すべきである。朝および夕方の用量は12(±4)時間離すべきであるが、12時間間隔が非常に推奨される。用量を、計画される投与時間の4時間以内に服用しなかった場合、飲み忘れ用量を置き換えてはならない。
PK血液試料を採取する当日、患者に、試験施設に到着するまでその用量を服用しないように指示する。カプマチニブを朝に試験施設で投与する。薬物投与の正確な時間を適切なeCRFに記録すべきである。PK採血は、研究チームのメンバーが監督する。患者がカプマチニブ投与の4時間以内に嘔吐した場合、嘔吐の時間をeCRFに記録すべきである。
患者には、飲み忘れまたは部分服用(すなわち、用量全体を指示通りに服用しなかった場合)の埋め合わせをしてはならないと指示すべきである。飲み忘れまたは部分服用は、予定される1日2回投与の4時間以内に完全な用量が服用されなかった症例として定義される。そのようなことが起こる場合、用量(または部分的に残っている用量)を服用してはならず、投与は次の予定用量から再開すべきである。嘔吐が起こる場合、次の予定用量まで、嘔吐した用量を交換しようとしてはならない。
カプマチニブによる処置の全期間において、患者は、紫外線曝露に対して予防的手段(例えば、日焼け止め、保護する衣服、日光浴またはナス科野菜の使用を避ける)を使用するように推奨される。
治験の目的
主要目的
1.フェーズIbパート:
抗体分子Aとカプマチニブの組合せの安全性および忍容性を特徴付けすることおよびMTDおよび/またはRP2Dを同定すること。
2.フェーズIIパート
(a)cMETが低いHCC患者に関して、抗体分子Aとカプマチニブの組合せと、抗体分子A単剤の有効性を比較すること。
(b)cMETが高いHCC患者に関して、抗体分子Aとカプマチニブの組合せと、抗体分子A単剤の有効性をそれぞれ評価すること。
副次目的
1.フェーズIb/IIパート:
cMETが高いおよび低いHCCにおける抗体分子Aとカプマチニブの組合せおよび抗体分子A単剤の有効性を特徴付けすること。
2,フェーズIIパート:
抗体分子Aとカプマチニブの組合せおよび抗体分子A単剤の安全性および忍容性を特徴付けすること。
3.フェーズIIパート:
HCC患者における、抗体分子A単剤の有効性とcMET状態との間の関連を調べること。
4.フェーズIb/IIパート:
カプマチニブおよび抗体分子Aの薬物動態プロファイルを特徴付けすること。
5.フェーズIb/IIパート:
cMETが高いおよび低いHCCにおける腫瘍生検および末梢血における、抗体分子Aとカプマチニブの組合せおよび抗体分子A単剤の薬力学効果を評価すること。
6.フェーズIIパート
第一選択のアジア人HCC患者におけるカプマチニブ単剤試験からの歴史的データを使用することによる、cMETが高いHCC患者における、抗体分子Aとカプマチニブの組合せと、カプマチニブ単剤の有効性を比較すること。
参加基準
1.組織学的に証明された局所進行性再発性または転移性HCC。現在の硬変状態は、チャイルド・ピュー(Child Pugh)分類A(5〜6ポイント)で、脳症および/または腹水は認められない。チャイルド・ピューのステータスは、スクリーニング期間の間の理学的検査および臨床検査に基づいて計算しなければならない。
2,スクリーニング時に、ベースライン腫瘍組織(新たに得た)が利用できなければならない。患者は、治療施設のガイドライン、およびそのような手順の要件に従って、生検を行うことができる疾患部位を有しなければならず、腫瘍生検の候補でなければならない。
3.フェーズII:指定された研究室による、FISHによるcMET増幅(遺伝子コピー数)およびIHCによるcMet発現の証明された証拠。
cMETステータスは、IHCによって評価されるcMET発現およびFISHによって評価される遺伝子増幅に従って高いまたは低いとして分類される。
cMET高い:以下の基準のいずれか1つを満たす場合:
・ IHC=腫瘍細胞の少なくとも50%および任意の遺伝子において(遺伝子のコピー数(GCN)によらず)3+
・ IHC=腫瘍細胞の少なくとも50%において2+、およびGCN≧5
cMET低い:以下の基準のいずれか1つを満たす場合:
・ IHC=腫瘍細胞の少なくとも50%において2+、およびGCN<5
・ IHC=腫瘍細胞の50%未満において2+、および任意のGCN
・ IHC=0または+1(GCNによらず、および任意のGCN)
4.患者は、試験中(試験処置の開始後6〜9週目、医学的に可能であれば)新規腫瘍生検を受ける意思がなければならない。
試験のフェーズIIパートの患者に関して、Novartis社に考察を報告後、例外が認められる場合がある。十分数の対の生検を収集した後、生検の収集を停止する決定を下してもよい。
5.患者は、HCCのために前処置としてソラフェニブの全身処置を受けていて、ソラフェニブ処置の間または中止後に進行が報告されていなければならず(フランスの場合に限り、患者はソラフェニブの前処置を少なくとも8週間受けていなければならない)、ソラフェニブに対して不耐性である(ソラフェニブの中止に至るグレード3または4の有害事象の報告として定義される)、またはソラフェニブ処置を拒絶する
6.患者を、スクリーニング時にB型肝炎ウイルス表面抗原(HbsAg)の状態に関して試験しなければならない。患者が、以下によって定義されるように、B型肝炎に関して適切に制御されている場合、試験に含める:
− 3カ月または3カ月超の期間ヌクレオシドアナログ抗ウイルス薬を投与されている、および
− 血清中B型肝炎ウイルス(HBV)デオキシリボ核酸(DNA)レベルが、登録前にポリメラーゼ連鎖反応定量アッセイによって100IU/ml未満である。
7.患者を、スクリーニング時にC型肝炎ウイルスリボ核酸(HCV RNA)の状態に関して試験しなければならず、登録前の血清中HCV RNAレベルの検出不能レベルを有することとして定義される、適切に制御されたC型肝炎を有する場合、試験に含める。
除外基準
1.患者が試験処置の初回用量の前に以下の治療を受けている:
− ソラフェニブ(ソラフェニブは、試験処置の初回用量の1週間より前に終了しなければならない)またはカプマチニブ以外の前治療の全身抗がん治療(治療用がんワクチンおよび免疫療法を含む)
− 以下の場合の、前治療の局所治療(例えば、肝動脈塞栓、高周波アブレーション、放射線治療)
− 骨痛の処置のためなどの、限定的な領域への待期的放射線療法を除くソラフェニブ処置後に投与される場合。局所的な痛みを伴う肝臓腫瘍塊の局所限局治療は、症例毎に治験依頼者と考察する。
− 投与前4週間以内に終了していて、およびグレード1を超える何らかの関連する急性毒性を示す場合
− 試験処置開始の4週間以内の任意のワクチンの使用(不活化された季節性インフルエンザワクチンを除く)
− 試験処置の初回用量の2週間以内の大手術(縦隔鏡検査、中心静脈アクセスデバイスの挿入、および栄養チューブの挿入は大手術とは認められない)
− 治験依頼者の同意がない場合の、試験処置の初回用量の2週間以内の介入性の治験の参加
− 治験依頼者の同意がない場合の、前治療のがん治療によるCTCAEグレード1以上の毒性の存在(脱毛、末梢ニューロパシー、および聴覚毒性を除く、CTCAEグレードが3以上の場合は除外する)
− 治験薬の開始前2週間以内の造血コロニー刺激増殖因子(例えば、G−CSF、GM−CSF、M−CSF)の使用。赤血球刺激剤は、試験処置の初回用量の少なくとも2週間前に開始している限り、および患者が安定な用量を投与されている場合、許容される。
2.他のmAbに対する重度の過敏反応の既往
3.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の試験陽性の既知の既往または既知の後天性免疫不全症候群(試験は不要)
4.胸腔穿刺を必要とするか、または息切れに関連する臨床的に有意な胸水
5.治療指数の狭いCYP3A、またはCYP3AまたはCYP1A2基質の強い誘導剤または阻害剤のいずれかである投薬による処置を受けていて、カプマチニブによる処置の開始前少なくとも1週間および試験期間中、中止することができない患者
6.PKまたはPD生薬/食品−薬物相互作用のいずれかを有意に引き起こすことができると考えられる生薬/食品サプリメントまたは処置を中止できないこと
7.潰瘍性大腸炎およびクローン病、または全身ステロイドもしくは任意の免疫抑制治療を必要とする任意の状態を含む、活動性の自己免疫疾患または報告された自己免疫疾患の既往、白斑または気管支拡張剤(例えば、アルブテロール)によって処置される寛解した喘息/アトピーを除く
8.臨床的に有意な、制御されていない心疾患
− スクリーニング前6カ月以内の不安定狭心症
− スクリーニング前6カ月以内の心筋梗塞
− 報告されたうっ血性心不全の既往(ニューヨーク心臓協会機能分類III−IV)
− 降圧剤の投薬を伴う、または伴わない、収縮期血圧(SBP)が160mmHg以上で拡張期血圧(DBP)が100mmHg以上である、制御されていない高血圧症。スクリーニング前の降圧剤投薬の開始または調整は許容される。
− 心室性不整脈
− 投薬によって制御されていない上室性および結節性不整脈
− 投薬によって制御されていない他の心不整脈
− スクリーニングECG(3回測定ECGの平均値として)でのQTcFが450ms以上(男性患者)、460ms以上(女性患者)
評価項目
主要評価項目
フェーズIbパート:
安全性:臨床検査値、バイタルサイン、およびECGの変化を含むAEおよびSAEの発生率および重症度。処置の最初の2サイクルの間のDLTの発生率。
忍容性:投与の中断、低減、および用量強度
フェーズIIパート:
固形腫瘍における反応評価基準(RECIST v1.1)に従う奏効率(ORR)。
副次評価項目
1.最良総合効果(BOR)、効果持続期間(DOR)、無作為化から初回奏効までの期間(TTR)、無増悪生存(PFS)、無増悪期間(TTP)、全生存(OS)、奏効率(ORR)。
2.安全性:臨床パラメーター、バイタルサイン、および心電図(ECG)の変化を含む、有害事象(AE)および重篤な有害事象の発生率および重症度。
忍容性:投与の中断、低減、および用量強度。
3.最良総合効果(BOR)、無増悪期間(TTP)、cMET IHCスコアおよびGCN。
4.血漿/血清PKパラメーター(例えば、AUC、Cmax、Tmax)。血漿/血清中濃度対時間プロファイル。
5.腫瘍生検(IHC)におけるH&E TIL&TIL特徴付け(CD8、CD3、CD4)、TReg(FoxP3)、PDL1、p−cMet
6.最良総合効果(BOR)およびTTP
予備的な臨床所見
2016年12月中旬現在、患者4人が登録し、本試験で処置し、確認された部分奏効の基準を満たす1例の腫瘍縮小が観察されている。臨床試験はなおも継続中である。
参照による組み込み
図面および表を含む他の実施形態および実施例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、「Antibody Molecules to PD-1 and Uses Thereof」と題する、国際特許出願国際公開第2015/112900号パンフレットおよび米国特許出願公開第2015/0210769号明細書に開示されている。
本明細書において言及した全ての刊行物、特許、および受託番号は、あたかもそのそれぞれの個々の刊行物または特許が具体的におよび個々に参照により本明細書に組み込まれているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
均等
本発明の特定の実施形態を考察してきたが、上記の詳述は説明であり、制限ではない。本発明の多くの変更が、本明細書および以下の特許請求の範囲を検討することにより、当業者に明らかとなるであろう。本発明の完全な範囲は、その完全な均等の範囲と共に特許請求の範囲を参照することによって、およびそのような変更と共に明細書を参照することによって決定されるべきである。