JP2003064390A - 潤滑剤組成物 - Google Patents

潤滑剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動面において低摩擦性および耐磨耗性を長
期的に維持できる潤滑剤組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(TAM)で表される化合物
を少なくとも構成要素とする分子錯合体を含有すること
を特徴とする潤滑剤組成物である。式中、R1、R2およ
びR3は各々独立に置換基を表し、x、yおよびzは各
々独立に1〜5のいずれかの整数を表す。好ましくは、
前記分子錯合体はその構成要素が幾何学的に相補的な位
置関係で分子間相互作用を発現する官能基の組合せを有
することにより平面的錯合体が形成可能であることを特
徴とする前記潤滑剤組成物である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的摩擦摺動部
に供給される潤滑剤組成物の技術分野に属し、より詳細
には、極圧下における低摩擦特性および耐摩耗性、なら
びにその効果の持続性に優れる潤滑剤組成物の技術分野
に属する。
【0002】
【従来の技術】潤滑剤に求められる性能は、広い温度範
囲および広い圧力範囲において、機械的摩擦摺動部の摩
擦係数を低下することができ、さらにその効果ができる
だけ持続することである。また、潤滑剤には、摩擦摺動
部材間の潤滑性を向上させるという効果だけでなく、そ
れによって摩擦摺動部材自体に耐磨耗性が付与できるこ
とも望まれる。エンジンオイル等の潤滑油の、摩擦摺動
部における摩擦係数の低減効果およびその長寿命化は、
機械駆動のための燃費の向上、すなわちエネルギーの節
約に直結する。エンジンオイルの長寿命化は、廃オイル
量の低減のみならず、CO2排出量の低減をも可能とす
るので、近年注目されている環境適合性の面でも好まし
い。また、産業機械系の摺動部の中でも、特に苛酷な摩
擦条件で摺動する軸受やギヤなどでは、従来の潤滑油や
グリースなどの潤滑剤を用いた場合、潤滑条件が苛酷に
なると、潤滑剤が膜切れや焼付けを起こし、摩耗傷のた
めに、所望の低摩擦係数を得られなくなる場合がある。
その結果、装置の信頼性を損ねることがあり、特に装置
を小型化した場合に、摺動部の摩擦条件が過酷化する傾
向になり、装置の小型化の妨げにもなっていた。従っ
て、苛酷な条件においても、摩耗や焼付きを生じず、装
置の信頼性を向上させることができ、さらに装置の小型
化に寄与することができるような省エネルギーな潤滑剤
が望まれている。
【0003】さらに、近年では、高密度磁気記録媒体の
表面、マイクロマシンにおける摺動部および回転部等に
供給される潤滑剤については、極少量で前記性能が維持
できることが要求される。即ち、潤滑剤には、必要最小
限度の量で摩擦面を覆い、摺動面の摩擦係数を低減する
とともに、耐磨耗性を向上させ、その効果をできるだけ
長く持続できる効果を有するものが望まれている。この
要望に応えるには、必然的に、容易に均質かつ平滑な薄
膜が形成可能な性質が、潤滑剤に要求される。
【0004】ところで、従来、潤滑剤としては、一般的
には、潤滑基油を主成分とし、これに有機化合物等の潤
滑助剤を配合したものが用いられる。潤滑助剤の代表的
なものとしては、ジオルガノジチオカルバミン酸が挙げ
られ、その金属塩が潤滑剤用の抗酸化剤や抗磨耗剤や腐
食抑制添加剤等の多数の機能を示すことが知られてい
る。例えば、米国特許第4278587号明細書に開示
されている亜鉛塩、米国特許第4290202号明細書
に開示されているアンチモン塩、米国特許第46043
8号明細書に開示されているモリブデン塩、および特表
平9−508156号公報に開示されている、ニッケ
ル、銅、コバルト、鉄、カドミウム、マンガンなどの金
属塩は、苛酷な条件においても、摺動部の低摩擦性およ
び低磨耗性が維持できるという顕著な効果を有してい
る。特に近年では、有機モリブデン化合物が、潤滑助剤
として注目されている。有機モリブデン化合物は、機械
装置の摺動部が、高温、高速または低速、高付加、小型
軽量化など、苛酷な摩擦条件で運動している場合も、な
お耐摩耗性、極圧性(耐荷重性)、低摩擦特性などの性
能に優れ、通常圧での流体潤滑条件より高圧下、即ち境
界潤滑条件において効果的に潤滑性能を発揮できる素材
として注目されている。
【0005】しかし、この有機モリブデン化合物は単独
で使用するより、ジチオリン酸亜鉛との併用での効果が
大きいことが知られている。村木正芳らは、トライボロ
ジスト 38巻、10頁(1993年)において、ジチ
オリン酸亜鉛が摩擦面に薄膜形成されることにより、モ
リブデンジチオカルバメートまたはモリブデンジチオリ
ン酸がそれに吸着・反応・分解して、硫化モリブデンと
酸化モリブデンの混合被膜を形成するという機構を報告
している。新井克矢らは、トライボロジスト44巻、4
6頁(1999年)において、摩擦摺動面の深さ方向の
元素構成をX線光電子分光法(XPS)を用いて行い、
表面からモリブデンジチオカルバメートに由来するモリ
ブデン、硫黄、酸素が次第に減少し、逆に鉄元素が増加
することを確かめ、摺動面の金属鉄がモリブデンと反応
した複合被膜の形成により、低摩擦係数と耐磨耗性が生
じていると説明している。また、菊池隆司らは、ジチオ
リン酸亜鉛以外に、硫化油脂、硫化オレフィンおよび硫
化フェネートのような硫黄化合物もモリブデンジチオカ
ルバメートの低摩擦性に相乗効果があると、JSAE
Paper 9537538(1995年)で述べてい
る。
【0006】モリブデンジチオカルバメートは、激しい
摩擦条件下でも優れた潤滑効果を奏する、優れた素材で
はあるが、潤滑油中にはモリブデンおよび亜鉛といった
重金属、容易に酸化されて潤滑油のみならず摺動部材そ
のもの、さらには環境にも悪影響を及ぼす硫黄酸化物の
もととなる硫化物、および河川や海を富栄養化してしま
うリン酸がかなり含まれていて、環境適合性の点からは
明らかに好ましくない。さらに、摺動面に形成される酸
化/硫化モリブデン被膜は、摩擦で徐々に削り取られ、
新たな被膜を形成するため、その元となる有機モリブデ
ン化合物や有機亜鉛化合物のいずれかが不足すると急激
にその効果を失う。しかし、有機モリブデン化合物およ
び有機亜鉛化合物を増量すると、その皮膜が削られるこ
とによって副生される副生物が系内に増え、摺動機械そ
のものに悪影響を及ぼすため、増量することは有効では
なく、前記有機モリブデン化合物を利用した系では、潤
滑剤の長寿命化による燃費改善等の効果はあまり期待で
きないのが実状である。この様に、従来の潤滑剤は、重
金属元素、リン酸化合物および硫化物等の環境有害物質
または環境汚染物質を含むことなく、潤滑剤としての優
れた性能を示すとともに、その性能を長期的に維持でき
る材料は、未だに提供されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記諸問題に
鑑みなされたものであって、従来の潤滑剤基油と混合し
た形態のみならず、潤滑剤基油を混合しない形態でも、
優れた潤滑剤性能を示す潤滑剤組成物を提供することを
課題とする。また、本発明は、摺動面において低摩擦性
および耐磨耗性を長期的に維持できる、特に極圧下にお
いても、低摩擦性および耐磨耗性を長期的に維持できる
潤滑剤組成物を提供することを課題とする。また、本発
明は、均質な薄膜を容易に形成可能であり、磁気記録媒
体の表面およびマイクロマシン等にも適用可能な潤滑剤
組成物を提供することを課題とする。さらに、本発明
は、環境適合性に乏しい重金属元素、燐酸基および硫化
物を排除することにより、長寿命化および環境適合性を
両立し得る潤滑剤組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の問題点を解決するため鋭意研究した結果、特定の
官能基部分構造を有する化合物を構成要素とする分子錯
合体は、優れた潤滑性能を有することを見出し、この知
見に基づいて、本発明を完成するに至った。さらに、前
記分子錯合体のうち、平面的錯合体を形成可能な官能基
の組合せからなる錯合体は、特に優れた潤滑性能を示す
ことを見出した。
【0009】即ち、前記課題を解決するため、本発明の
潤滑剤組成物は、下記一般式(TAM)で表される化合
物を少なくとも構成要素とする分子錯合体を含有するこ
とを特徴とする。
【0010】
【化6】
【0011】式中、R1、R2およびR3は各々独立に置
換基を表し、x、yおよびzは各々独立に1〜5のいず
れかの整数を表す。式中、R1、R2およびR3のうち少
なくとも1つが、総炭素数4以上のアルキル鎖、オリゴ
アルキレンオキシ鎖、総炭素数2以上のパーフルオロア
ルキル鎖、パーフルオロアルキルエーテル鎖もしくは有
機ポリシリル鎖を含む置換基を表すのが好ましい。ま
た、R1、R2およびR3のうち少なくとも1つが−(C
=O)O−基を含む置換基を表すのが好ましい。
【0012】本発明の潤滑剤組成物において、前記分子
錯合体は、その構成要素が幾何学的に相補的な位置関係
で分子間相互作用を発現する官能基の組合せを有するこ
とにより平面的錯合体を形成可能であるのが好ましい。
前記幾何学的に相補的な位置関係で分子間相互作用を発
現する官能基の組合せが、カルボニル基、チオカルボニ
ル基、ヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基から選
ばれる1種以上の基を含む官能基と、前記一般式(TA
M)中のメラミン基の一部または全部との組合せである
のが好ましい。
【0013】本発明の潤滑剤組成物において、前記分子
錯合体は、前記一般式(TAM)で表される化合物と、
下記一般式(I)〜(IV)のいずれかで表される化合物
を構成要素として含んでいるのが好ましい。
【0014】
【化7】
【0015】式中、R11は水素原子または置換基を表
し、Q11およびQ12は各々独立に酸素原子または硫黄原
子を表す。
【0016】
【化8】
【0017】式中、R21およびR22は各々独立に水素原
子または置換基を表し、R21とR22とは互いに連結して
環構造を形成していてもよい。Q21は酸素原子または硫
黄原子を表す。
【0018】
【化9】
【0019】式中、R31およびR32は各々独立に水素原
子または置換基を表し、R31とR32とは互いに連結して
環構造を形成していてもよい。Q31およびQ32は各々独
立に酸素原子または硫黄原子を表す。
【0020】
【化10】
【0021】式中、R41およびR42は各々独立に水素原
子または置換基を表し、R41とR42とは互いに連結し
て、環構造を形成していてもよい。Q41は酸素原子また
は硫黄原子を表す。
【0022】前記式(I)〜(IV)で表される化合物
は、炭素数4以上のアルキル鎖、オリゴアルキレンオキ
シ鎖、総炭素数2以上のポリフッ化アルキル鎖、ポリフ
ッ化アルキルエーテル鎖および有機ポリシリル鎖から選
ばれる少なくとも1種を構造中に含んでいるのが好まし
い。
【0023】本発明の潤滑剤組成物において、前記分子
錯合体の示差走査熱量測定(DSC)法における熱的相
転移温度パターンが、その構成要素の化合物の熱的相転
移温度パターンとは互いに異なっているのが好ましい。
【0024】本発明の潤滑剤組成物には、前記分子錯合
体とともに潤滑剤基油を含有する態様、および潤滑剤基
油を含有しない態様の双方が含まれる。前者の態様で
は、潤滑剤基油を50質量%以上含有するのが好まし
い。後者の態様では、前記分子錯合体を50質量%以上
含有するのが好ましい。また、本発明の潤滑剤組成物
は、見かけ粘度が40℃で1000mPa・s以下であ
り、且つ120℃で20mPa・s以上であるのが好ま
しい。さらに、本発明によって、下記一般式(TAM)
で表される化合物を摺動面に供給し、該摺動面上に前記
一般式(I)で表される化合物を少なくとも構成要素と
して含む分子諾合体を形成する工程を含む、摺動面の摩
擦係数の低減方法が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載
される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範
囲を示す。本発明の潤滑剤組成物は、下記一般式(TA
M)で表される化合物を構成要素として含む分子錯合体
を含有すること特徴とする。
【0026】
【化11】
【0027】式中、R1、R2およびR3は各々独立に置
換基を表し、x、yおよびzは各々独立に1〜5のいず
れかの整数を表す。
【0028】置換基R1〜R3の具体例には、ハロゲン原
子、アルキル基(直鎖、分岐、環構造のアルキル基を含
む)、アルケニル基(直鎖、分岐、環構造のアルケニル
基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオ
キシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含
む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよび
アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモ
イル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニ
ル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル
基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ
基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフ
ィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が含
まれる。さらに、置換基R1〜R3には、これらの置換基
から選ばれる1種以上の置換基によって置換されたこれ
らの置換基も含まれる。
【0029】さらに詳しくは、置換基R1〜R3は、ハロ
ゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無
置換のアルキル基を表す。アルキル基(好ましくは炭素
数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、
エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2
―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、
炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル
基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n
−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好
ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシ
クロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロア
ルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。
例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、
ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、さらに
環構造が多いトリシクロ構造なども包含する。以下に説
明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基
のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表
す。〕、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしく
は無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基(好まし
くは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル
基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オ
レイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3
〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つ
まり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一
個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペン
テン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビ
シクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロア
ルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしく
は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一
個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一
価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト
−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト
−2−エン−4−イル)]、アルキニル基(好ましく
は、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル
基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリ
ルエチニル基、
【0030】アリール基(好ましくは炭素数6〜30の
置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p
−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサ
デカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは
5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは
非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除
いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜3
0の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例え
ば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2
−ベンゾチアゾリル)、
【0031】シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カ
ルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜
30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メ
トキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n
−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリール
オキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは
無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−
メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニ
トロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキ
シ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20の
シリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t
−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基
(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換の
ヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オ
キシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキ
シ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の
置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭
素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニ
ルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキ
シ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイ
ルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の
置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、
N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチ
ルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、
N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N
−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカル
ボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換も
しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメ
トキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、
t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニ
ルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ま
しくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリー
ルオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカル
ボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキ
シ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニル
オキシ)、
【0032】アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数
1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭
素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例え
ば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリ
ノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシル
アミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜
30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ
基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカ
ルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチル
アミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾ
イルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフ
ェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基
(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の
アミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミ
ノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N
−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボ
ニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好まし
くは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカ
ルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニ
ルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、
N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオ
キシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30
の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミ
ノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロ
ロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキ
シフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミ
ノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置
換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイル
アミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N
−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキルお
よびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1
〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミ
ノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールス
ルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブ
チルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、
2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p
−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
【0033】メルカプト基、アルキルチオ基(好ましく
は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチ
オ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシ
ルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30
の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニ
ルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニ
ルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30
の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベ
ンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−
イルチオ)、
【0034】スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜
30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例え
ば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオ
キシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスル
ファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾ
イルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイ
ル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルおよびアリ
ールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置
換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の
置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、
メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルス
ルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アル
キルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数
1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、
6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、
例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニ
ルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、
【0035】アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数
2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、
炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボ
ニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロア
セチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチル
オキシフェニルカルボニル)、アリールオキシカルボニ
ル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置
換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシ
カルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニ
トロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシ
カルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、
炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボ
ニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキ
シカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数
1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例え
ば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−
ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカル
バモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
【0036】アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましく
は炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ
基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環ア
ゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルア
ゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2
−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイ
ミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましく
は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ
基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィ
ノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基
(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換の
ホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオ
キシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフ
ィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換も
しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェ
ノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィ
ニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭
素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミ
ノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチ
ルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましく
は、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、
例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリ
ル、フェニルジメチルシリル)を表す。
【0037】上記の置換基中で、水素原子を有するもの
は、これを取り去りさらに上記の置換基の1種以上で置
換されていてもよい。そのような置換基の例としては、
アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカル
ボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ
カルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基
が挙げられる。より具体的には、メチルスルホニルアミ
ノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカ
ルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミ
ノスルホニル基が挙げられる。
【0038】x、yおよびzは各々独立に1〜5のいず
れかの整数を表す。トリアジン環に連結するアミノ基に
対して、4−位、3,4−位、3,5−位、3,4,5
−位の置換体が好ましく、従って、x、yおよびzは1
〜3が好ましい。
【0039】置換基R1〜R3は、総炭素数4以上のアル
キル鎖、オリゴアルキレンオキシ鎖、総炭素数2以上の
パーフルオロアルキル鎖、パーフルオロアルキルエーテ
ル鎖または有機ポリシリル鎖を含む置換基であるのが好
ましい。前記総炭素数4以上のアルキル鎖は、直鎖状で
あっても分岐鎖状であってもよい。前記アルキル鎖がそ
のまま置換基R1〜R3としてフェニル基に結合していて
もよいし、連結基等を介してフェニル基と結合していて
もよい。前記連結基としては、酸素原子、硫黄原子、窒
素原子、カルボニル基またはこれらの組合せ(例えば、
カルボニルオキシ基等)からなる二価の連結基等が挙げ
られる。前記総炭素数4以上のアルキル鎖を含む置換基
としては、好ましくは、n−オクチル基、n−オクチル
オキシ基、n−オクチルチオ基、n−オクチルアミノ
基、n−ノニル基、n−ノニルオキシ基、n−デシル
基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシル基、n−ウン
デシルオキシ基、n−ドデシル基、n−ドデシルオキシ
基、n−ドデシルチオ基、n−ドデシルアミノ基、n−
ペンタデシル基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキ
サデシル基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘキサデ
シルチオ基、n−ヘキサデシルアミノ基が挙げられる。
また、総炭素数4以上の分岐状のアルキル鎖を含む置換
基としては、2−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシ
ルオキシ基、2−エチルヘキシルチオ基、2−エチルヘ
キシルアミノ基、2−ヘキシルデシル基、2−ヘキシル
デシルチオ基、2−ヘキシルデシルアミノ基、3,7,
11,15−テトラメチルヘキサデシル基、3,7,1
1,15−テトラメチルヘキサデシルオキシ基、3,
7,11,15−テトラメチルヘキサデシルチオ基、
3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシルアミノ
基が挙げられる。
【0040】前記オリゴアルキレンオキシ鎖のアルキル
部分は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。前
記オリゴアルキレンオキシ鎖がそのまま置換基R1〜R3
としてフェニル基に結合していてもよいし、連結基等を
介してフェニル基と結合していてもよい。前記連結基と
しては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、カルボニル基
またはこれらの組合せ(例えば、カルボニルオキシ基
等)からなる二価の連結基等が挙げられる。ジエチレン
オキシ基、トリエチレンオキシ基、テトラエチレンオキ
シ基、ジプロピレンオキシ基、ヘキシルオキシエチレン
オキシエチレンオキシ基が挙げられる。
【0041】前記総炭素数2以上のパーフルオロアルキ
ル鎖のアルキル部分は、直鎖状であっても分枝鎖状であ
ってもよい。前記パーフルオロアルキル鎖がそのまま置
換基R1〜R3としてフェニル基に結合していてもよい
し、連結基等を介してフェニル基と結合していてもよ
い。前記連結基としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原
子、カルボニル基またはこれらの組合せ(例えば、カル
ボニルオキシ基等)からなる二価の連結基等が挙げられ
る。分枝鎖状のパーフルオロアルキル鎖を含む置換基と
しては、好ましくは、ペンタデシルフルオロヘプチル
基、ペンタデシルフルオロヘプチルカルボニルオキシ
基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、ペンタデシルフ
ルオロオクチルスルホニル基が挙げられる。前記パーフ
ルオロアルキルエーテル鎖のアルキル部分は、直鎖状で
あっても分枝鎖状であってもよい。前記パーフルオロア
ルキルエーテル鎖がそのまま置換基R1〜R3としてフェ
ニル基に結合していてもよいし、連結基等を介してフェ
ニル基と結合していてもよい。前記連結基としては、酸
素原子、硫黄原子、窒素原子、カルボニル基またはこれ
らの組合せ(例えば、カルボニルオキシ基等)からなる
二価の連結基等が挙げられる。前記パーフルオロアルキ
ルエーテルを含む置換基としては、イソプロピレンオキ
シド、メチレンオキサイド、エチレンオキサイドおよび
その混合系、ならびにプロピレンオキサイドのアルキル
部分がフッ素置換された置換基が挙げられる。
【0042】前記有機ポリシリル鎖は、そのまま置換基
1〜R3としてフェニル基に結合していてもよいし、連
結基等を介してフェニル基と結合していてもよい。前記
連結基としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、カル
ボニル基またはこれらの組合せ(例えば、カルボニルオ
キシ基等)からなる二価の連結基等が挙げられる。ここ
で、有機ポリシリル鎖とは、ケイ素原子を含む原子団が
長鎖置換基の側鎖に存在しているもの(例えば、ポリ
(p−トリメチルシリルスチレン)、ポリ(1−トリメ
チルシリル−1−プロピン)等)、あるいは長鎖置換基
の主鎖中にケイ素原子を含むものである。好ましくは、
長鎖置換基の主鎖中にケイ素原子を含むものである。主
鎖中にケイ素を含む例としては、下式(X)で示される
構造の繰り返し単位を有する直鎖状、分岐鎖状、環状あ
るいは多環状の長鎖置換基が挙げられる。
【0043】
【化12】
【0044】式中、R51およびR52は各々独立に置換基
を表し、R51とR52は互いに連結して、環構造を形成し
てもよい。具体的には、前述の一般式(TAM)中の置
換基R1〜R3で例示した置換基が挙げられる。中でも、
アルキル基が好ましい。Xは、酸素原子、窒素原子、ア
ルキレン基、フェニレン基、ケイ素原子、金属原子、ま
たはこれらの組合せからなる原子団を表す。Xは好まし
くは、酸素原子、または酸素原子とアルキレン基との組
合せからなる原子団であり、特に好ましくは、酸素原子
である。pは1〜200の整数を表し、好ましくは3〜
30である。前記有機ポリシリル鎖の具体例としては、
ポリシロキサン、ポリシラザン、ポリシルメチレン、ポ
リシルフェニレン、ポリシラン、ポリメタロシロキサン
等が挙げられる。
【0045】また、R1、R2およびR3のうち少なくと
も1つが−(C=O)O−基を含んでいるのも好まし
い。−(C=O)O−基を含む置換基としては、例え
ば、−R a−(C=O)O−Rb(Raはオリゴアルキレ
ンオキシ鎖またはアルキル鎖を含む二価基を表し、Rb
はオリゴアルキレンオキシ鎖またはアルキル鎖を含む一
価基を表す)が挙げられる。
【0046】前記一般式(TAM)で表される化合物を
構成要素とする分子錯合体は、その構成要素が幾何学的
に相補的な位置関係で分子間相互作用を発現する官能基
の組合せを有しているのが好ましく、そのことによって
平面的錯合体を形成可能であるのが好ましい。ここで、
本明細書において、「幾何学的に相補的な位置関係で分
子間相互作用を発現する官能基の組合せ」とは、一般的
には、以下の(1)〜(5)の要件を満たす官能基の組
合せをいう。前記分子錯合体の構成要素である相互作用
する二つの分子を、基質σとレセプターρとする。レセ
プター分子ρによる高度の分子認識は、相手である基質
σとの結合自由エネルギーと、相互作用が相対的に小さ
いその他の基質との結合自由エネルギーとの大きな差に
依存し、その差が統計分布から大きくずれるほど大きい
のが好ましい。結合自由エネルギーに大きな差を出させ
るには、以下の(1)〜(5)の要件を満たす必要があ
る。
【0047】(1) σとρとに立体(形と大きさ)相
補性(steric complementarity)があること。即ち、σ
とρのそれぞれの適切な部位に凹凸が存在しているこ
と。ここで、凹凸は(2)でいう相補的結合部位(例え
ば、水素結合ドナー(凸)と水素結合アクセプター
(凹))をいう。 (2) σとρとに相互作用相補性(interactional co
mplementarity)があること。即ち、σとρが互いに結
合可能な相補性のある部位に、相補的な電子と原子核
(静電力、水素結合やvan der Waals 力)分布マップが
得られるように、σとρ上に(好ましくは正しく配列さ
れた)相補的結合部位(+/−、電荷/双極子、双極子
/双極子、水素結合ドナー/水素結合アクセプターなど
のような静電的なもの)が存在していること。 (3) ρとσとの間に広い接触面(large contact ar
ea)が存在していること。このことは、以下に述べる複
数の作用部位があることによって満足できる。 (4) ρとσに複数の相互作用部位(multiple inter
action sites)が存在すること。非共有結合性相互作用
は共有結合に比べて弱いため、複数の相互作用部位が求
められる。例えば、水素結合による相互作用の場合は、
双方に水素結合ドナー/水素結合アクセプターがあるこ
とが望ましい。 (5) ρとσとの結合は全体としては強い結合(stro
ng overall binding)になること。理論上、高い安定性
は必ずしも高い選択性を意味しないが、実際にはそうで
あることが多い。実際、結合自由エネルギーの差は、結
合が強くなるほど大きくなる傾向がある。つまり、高い
結合効率(遊離のσに比べて結合されたσの割合が大き
い)には強い相互作用が必要である。効率よく認識す
る、即ち、高い安定性と高い選択性の両方を実現するた
めには、ρとσとの間には強い結合が必要である。
【0048】また、「平面的錯合体」とは、分子錯合体
が、摩擦摺動面に吸着または接触した場合に、分子錯合
体を構成している分子の形状に応じた最も少ない数で前
記摩擦摺動面の単位面積を覆うことができるように配列
する状態にある分子錯合体のことをいう。従って、錯合
体を形成する分子が略棒状の場合は、その分子を形成す
る骨格部分の慣性軸が摩擦摺動面とほぼ同一平面内に存
在する、即ち、摩擦摺動面に平行に、また緻密に配列す
る状態をいう。また、錯合体を形成する分子を形成する
骨格部分が略平板状の場合は、その分子平面が摩擦摺動
面とほぼ同一平面内に存在する、即ち、摩擦摺動面に平
行に、また緻密に配列する状態をいう。但し、一般式
(TAM)の置換基としてのアルキル基、アルコキシ
基、パーフルオロアルキル基、ポリシリル基は上記骨格
部分とはみなさないものとする。本発明において、「平
面的錯合体を形成可能」としたのは、分子錯合体を摺動
面に供給した際に、前記平面的錯合体を形成すればよい
ことを意味し、摺動面に供給する前には平面的構造を形
成していないものも含まれることを意味する。
【0049】本発明の潤滑剤組成物は、前記一般式(T
AM)で表される化合物を構成要素とする分子錯合体を
含有することを特徴とする。前記分子錯合体は、効率的
に摩擦摺動面を被覆し、優れた潤滑効果を奏する。前記
一般式(TAM)で表される化合物は、分子中に静電的
相互作用が可能なメラミン基を有し、このメラミン基が
摺動面に吸着することにより潤滑効果が奏されるものと
推定される。本発明では、前記一般式(TAM)で表さ
れる化合物を含む錯合体を用いることで、分子内をさら
に分極させて、メラミン基の吸着による潤滑効果を格段
に向上させている。その結果、例えば、潤滑基油と混合
しない態様で用いた場合も、極めて優れた潤滑効果、摺
動面の耐磨耗性向上効果、およびそれらの効果を長期間
にわたって維持し得る。また、極圧下でも、前記効果を
奏することができる。特に前記一般式(TAM)で表さ
れる化合物を構成要素とする分子錯合体が、前記平面的
錯合体を形成可能である場合、その効果は顕著である。
【0050】前記一般式(TAM)中のメラミン基の一
部または全部は、前述の「幾何学的に相補的な位置関係
で分子間相互作用を発現する官能基の組合せ」を構成す
る一方の官能基となり得る。前記一般式(TAM)で表
される化合物中のメラミン基と、「幾何学的に相補的な
位置関係で分子間相互作用を発現する官能基の組合せ」
を構成可能な他方の官能基としては、カルボニル基、ヒ
ドロキシ基、チオール基およびアミノ基(無置換および
一置換アミノ基を含む)から選ばれる1種以上の基を含
む官能基が挙げられる。前述の(3)および(4)の要
件を満たすには、カルボニル基、ヒドロキシ基、チオー
ル基およびアミノ基から選ばれる2種以上の基を含む官
能基が好ましく、具体的には、カルボン酸基、チオカル
ボン酸基、カルボアミド基、チオカルボアミド基、カル
ボン酸イミド基、チオカルボン酸イミド基またはウレイ
ド基等が好ましい。
【0051】前記分子錯合体は、前記一般式(TAM)
で表される化合物と、下記一般式(I)〜(IV)で表さ
れる化合物から選ばれる少なくとも1種とを構成要素と
して含む分子錯合体であるのが好ましい。下記下記一般
式(I)〜(IV)で表される化合物は、前記一般式(T
AM)で表される化合物とともに、前述の(1)〜
(5)の要件を満たす相互作用によって分子錯合体を形
成可能な化合物である。
【0052】
【化13】 式中、R11は水素原子または置換基を表し、Q11および
12は各々独立に酸素原子または硫黄原子を表す。
【0053】
【化14】
【0054】式中、R21およびR22は各々独立に水素原
子または置換基を表し、R21とR22とは互いに連結して
環構造を形成していてもよい。Q21は酸素原子または硫
黄原子を表す。
【0055】
【化15】
【0056】式中、R31およびR32は各々独立して水素
原子または置換基を表し、R31とR 32とは互いに連結し
て環構造を形成していてもよい。Q31およびQ32は各々
独立に酸素原子または硫黄原子を表す。
【0057】
【化16】
【0058】式中、R41およびR42は各々独立に水素原
子または置換基を表し、R41とR42とは互いに連結し
て、環構造を形成していてもよい。Q41は酸素原子また
は硫黄原子を表す。
【0059】前記一般式(I)中、R11が表す置換基と
しては、前述の一般式(TAM)の置換基R1〜R3と同
義であるが、環状構造を有する置換基が好ましく、中で
もアリール基および芳香族複素環基がより好ましい。ア
リール基としては、フェニル基、インデニル基、α−ナ
フチル基、β−ナフチル基、フルオレニル基、フェナン
スレニル基、アントラセニル基およびピレニル基等が挙
げられる。中でも、フェニル基およびナフチル基が好ま
しい。これらのアリール基は、総炭素数4以上のアルキ
ル鎖、オリゴアルキレンオキシ鎖、総炭素数2以上のポ
リフッ化アルキル鎖、ポリフッ化アルキルエーテル鎖ま
たは有機ポリシリル鎖を含む置換基で置換されているの
が好ましく、2以上置換されているのがより好ましい。
これらの鎖を含む置換基の具体例については、前述と同
様である。特に、前記アリール基は、炭素数8以上の直
鎖状あるいは分枝鎖状のアルキル鎖を含む置換基、例え
ば、アルキル基(オクチル、デシル、ヘキサデシル、2
−エチルヘキシル等)、アルコキシ基(ドデシルオキ
シ、ヘキサデシルオキシ等)、スルフィド基(ヘキサデ
シルチオ等)、置換アミノ基(ヘプタデシルアミノ
等)、オクチルカルバモイル基、オクタノイル基および
デシルスルファモイル基等で置換されているのが好まし
い。また、前記アリール基には、炭素数8以上の直鎖状
あるいは分枝鎖状のアルキル鎖を含む置換基が2以上置
換しているのがより好ましい。前記前記アリール基は、
上記の置換基の他にも、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基等
で置換されていてもよい。
【0060】前記芳香族複素環基としては、5〜7員環
構造の複素環基が好ましく、5員環または6員環がより
好ましく、6員環が最も好ましい。これらの骨格の具体
的例は、岩波理化学辞典 第三版増補版 (岩波書店発
行)の付録11章 有機化学命名法 表4.主要複素単
環式化合物の名称 1606頁 および表5.主要縮合
複素環式化合物の名称 1607頁 に記載される複素
環が挙げられる。また、前記芳香族複素環基は、前記ア
リール基と同様に、総炭素数4以上のアルキル鎖、オリ
ゴアルキレンオキシ鎖、総炭素数2以上のポリフッ化ア
ルキル鎖、ポリフッ化アルキルエーテル鎖または有機ポ
リシリル鎖を含む置換基で置換されているのが好まし
く、2以上置換されているのがより好ましい。これらの
鎖を含む置換基の具体例については、前述と同様であ
る。前記芳香族複素環基は、これらの置換基の他にも、
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、
カルボキシル基、スルホ基等で置換されていてもよい。
【0061】前記一般式(II)〜(IV)中、R21
22、R31、R32、R41およびR42で各々表される置換
基としては、前記一般式(TAM)の置換基R1〜R3
同様である。また、R21とR22、R31とR32、およびR
41とR42はそれぞれ互いに連結して、環構造を形成して
いてもよい。このような環構造の例としては、ベンヅイ
ミダゾリノン、インダゾリノン、ウラシル、チオウラシ
ル、ベンヅオキサゾリノン、コハク酸イミド、フタル酸
イミド、ビオルル酸、バルビツール酸、ピラゾロン、ヒ
ダントイン、ローダニン、オロチン酸、ベンゾチアゾリ
ノン、アンメリン、クマリン、マレイン酸ヒドラジド、
イサチン、3−インダゾリノン、パラバン酸、フタラジ
ノン、ウラゾール、アロキサン、メルドラム酸、ウラミ
ル、カプロラクトン、カプロラクタム、チアペンジオ
ン、テトラヒドロ−2−ピリミジノン、2,5−ピペラ
ジンジオン、2,4−キナゾリンジオン、2,4−プテ
リジンジオール、葉酸、アセチレンウレア、グアニン、
アデニン、シトシン、チミン、2,4−ジオキソヘキサ
ヒドロ−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
【0062】前記一般式(I)〜(IV)中、Q11
12、Q21、Q31、Q32およびQ41は各々独立に酸素原
子または硫黄原子を表し、中でも、酸素原子が好まし
い。
【0063】なお、前記一般式(TAM)で表される化
合物と錯合体を形成可能な化合物は、低分子化合物であ
っても高分子化合物であってもよい。また、一般式(T
AM)で表される化合物と錯合体を形成可能な官能基を
有する限り、一般式(TAM)で表される化合物と同
様、トリアリールメラミンを含む構造であってもよい。
前記分子錯合体は、前記一般式(TAM)で表される化
合物と、2種類以上の化合物との分子錯合体であっても
よい。
【0064】前記一般式(TAM)で表される化合物
と、前記一般式(I)〜(IV)のいずれかで表される化
合物とは、以下の式(V)〜(VIII)に示す様に、有機
化学の古典的電子論で説明される電子の流れによって、
共鳴構造的に相補的に分子間相互作用して、安定化する
可能性が強く示唆される組合せである。なお、式(V)
においては、前記一般式(TAM)中、中央のトリアジ
ン環を構成する窒素−炭素二重結合と、その炭素原子
(トリアジン環の1,3,5−位炭素)に置換している
アニリノ基のアミノ基を含む(アミジノ基に相当する)
原子団のみを示した。また、式(VI)〜(VIII)では、
前記一般式(TAM)中、メラミン基の一部のみを示し
た。
【0065】
【化17】
【0066】
【化18】
【0067】以上の式(V)〜(VIII)によって、錯合
体形成のための前述の相補的要件である(1)〜(5)
を満足する具体例を示した。(1)の立体相補性につい
て、(VII)を例として説明する。2,4−ジアミノト
リアジン構造(σとする)および酸イミド(ρとする)
は双方が凹凸を有する。σでは凸がアミノ基でトリアジ
ン環の窒素が凹となる。一方、ρではカルボニル基が凹
で、中央のアミノ基が凸となる。σは凸凹凸の順で並ん
だ構造を、ρは凹凸凹の順で並んだ構造を有する。この
ことにより、σとρは3箇所で同程度の距離で、無理な
く水素結合可能となり、強い分子間結合を実現してい
る。
【0068】また、以上の式(V)〜(VIII)によっ
て、錯合体形成のための前述の相補的要件である(1)
〜(5)を満足する具体例を示した。(2)の相互作用
相補性に関しては、式(V)〜(VIII)では協奏的な電
子の流れとして記載したが、式(V)の→の出発点をδ
-、→の到着点をδ+として、下記式(IX)のように記載
すると、静電的な電子の授受で説明することもできる。
【0069】
【化19】
【0070】再び、式(V)〜(VIII)で示される一連
の電子の流れについて説明すると、前記電子の流れは、
三次元的より、二次元(平面)的に流れるのが、エネル
ギー的に有利であり、好ましい。この点から、式(II)
〜(IV)中のR21とR22、R 31とR32、R41とR42は互
いに結合して環を形成することが好ましく、共役してい
ること、また芳香族環を形成していることが好ましい。
また、式(I)中のR 11も環構造の基であることが好ま
しく、芳香族環基(アリール基および芳香族複素環基の
双方を含む)であることが好ましい。
【0071】これまで述べてきた錯合体形成のための要
件から、平面的結合形成および平面すなわち環構造置換
基を有する分子が好ましいことが分かるが、この因子は
錯合体形成のためのみならず、以下に述べるように、摩
擦摺動面との相互作用すなわち摩擦摺動面を効率的に被
覆するためにも好ましい。摩擦摺動面は、一般的に無機
物すなわち金属あるいはそれが酸化されてできる金属酸
化物薄膜やセラミックによって成り立っているが、有機
物間の一般的相互作用であるvan derWaals
力より強く、極性な静電的相互作用が支配的である。こ
のような面との強い相互作用を形成する有機化合物につ
いて前述の(1)〜(5)の要件に照らして考察すると
(摺動面をσこれを被覆する有機化合物をσとして考察
すると)、(1)に関しては、平面的構造が有利であ
り、(2)についてはvan der Waals力よ
り強い極性な静電的相互作用を発揮する部位を分子内に
有することであり、その点で水素結合で形成された錯合
体の極性結合は極性な摺動面に好ましい。さらに(3)
に関しては平面的構造であるのが好ましく、(4)に関
しては、錯合体がトリアリールメラミンの場合相補的原
子団が三方向から等価であり、二分子のみならず多分子
間で錯合体を形成する可能性があり、非常に有利であ
り、それゆえに(5)に関しても本発明の錯合体が摺動
面と強い相互作用するのに適していることは明白であ
る。このような要因が、前記分子錯合体のみによる被覆
でありながら、極めて高い耐磨耗性が極圧下でも得られ
るものと推定している。
【0072】前記分子錯合体が、非極性または疎水性の
基を有していると、双方の摺動面が接触するのをより防
止することができ、またその応力を緩和することができ
るので好ましい。前記非極性また疎水性の基としては、
長鎖アルキル基、ポリフッ化アルキル基、オリゴアルコ
キシ基、ポリフッ化アルキルエーテル基または有機ポリ
シロキサン基等を有しているのが好ましい。これらの疎
水性基は、非極性であるので、エネルギー安定化のた
め、極性な摺動面に反発するように配向する。前記分子
錯合体を構成する前記一般式(TAM)で表される化合
物または他の構造化合物の適切な位置に導入することに
よって、例えば、摺動面において図1に示すように配向
可能な潤滑剤とすることができる。摺動面上において、
図1に示す配向となる潤滑剤は、極めて低い摩擦係数を
奏するものと推定される。
【0073】分子間で強い相互作用を発揮する物質は、
一般的に、高結晶性、高融点で難溶解性、難分散性で取
り扱い性に劣る場合があるが、疎水性基を導入するこ
と、分子錯合体の潤滑剤基油への溶解性および分散性を
向上させることができ、また難結晶性とすることができ
るので、取り扱い性が良好になる。さらに、潤滑基油と
混合しない態様とした場合にも、摺動面上における薄膜
形成性に優れ、特に、低温での低粘性を維持できる点が
潤滑剤としての大きな利点となる。
【0074】前記一般式(TAM)で表される化合物が
分子錯合体を形成しているか否かは、例えば、結晶が得
られる場合には、該結晶を分析することによって錯合体
形成の有無を判断することができる。また、結晶が得ら
れない場合であっても、一般式(TAM)で表される化
合物(ρ)と、ρと相互作用可能な官能基を有する化合
物(σ)の錯合体形成による溶媒和も含めた分子間力
(結合自由エネルギー)と、ρとσ各々単独の溶媒和に
よる結合自由エネルギーが同程度であったり、後者のほ
うが大きい場合は、錯合体を形成しているものと推定で
きる。また、ρおよびσの各々の熱相転移温度パターン
と、ρおよびσを化学量論的な整数比で混合した後の熱
相転移温度パターンを比較し、ρおよびσの各々の熱相
転移温度パターンと明瞭に異なる錯合体独自の熱物性を
示すことを確認することによって、錯合体の形成の有無
を判断することができる。ρとσが相互作用を及ぼさな
い単なる混合状態にある場合は、凝固点降下のように転
移温度ピークが混合比に応じてずれるのみであるが、錯
合体を形成する場合は、ほとんどの場合にその熱転移ピ
ークが新たな温度域に発生する。さらに、錯合体と、ρ
およびσのFT−IRスペクトルを各々比較し、相互作
用する官能基の振動吸収スペクトルのシフトを確認する
ことによって、錯合体形成の有無を判断することができ
る。
【0075】以下に、前述の(1)〜(5)の要件を満
たす組合せからなる、前記一般式(TAM)で表される
化合物を構成要素とする分子錯合体の具体例を挙げる
が、本発明は以下の具体例によってなんら制限されるも
のではない。
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】
【化22】
【0079】
【化23】
【0080】
【化24】
【0081】
【化25】
【0082】
【化26】
【0083】
【化27】
【0084】
【化28】
【0085】
【化29】
【0086】
【化30】
【0087】
【化31】
【0088】
【化32】
【0089】
【化33】
【0090】
【化34】
【0091】
【化35】
【0092】
【化36】
【0093】
【化37】
【0094】
【化38】
【0095】
【化39】
【0096】
【化40】
【0097】
【化41】
【0098】
【化42】
【0099】
【化43】
【0100】
【化44】
【0101】
【化45】
【0102】
【化46】
【0103】
【化47】
【0104】
【化48】
【0105】
【化49】
【0106】
【化50】
【0107】
【化51】
【0108】
【化52】
【0109】
【化53】
【0110】
【化54】
【0111】
【化55】
【0112】
【化56】
【0113】
【化57】
【0114】
【化58】
【0115】
【化59】
【0116】
【化60】
【0117】
【化61】
【0118】
【化62】
【0119】
【化63】
【0120】
【化64】
【0121】
【化65】
【0122】
【化66】
【0123】
【化67】
【0124】
【化68】
【0125】
【化69】
【0126】
【化70】
【0127】
【化71】
【0128】前記一般式(TAM)で表される化合物お
よび該化合物と錯合体を形成可能な化合物は、従来公知
の製造方法を組み合わせることによって合成することが
できる。
【0129】本発明の潤滑剤組成物に用いられる分子錯
合体は、単独で潤滑剤として用いることができる。ま
た、前記分子錯合体は、潤滑助剤として潤滑剤基油と混
合した態様で、用いることもできる。双方の態様におい
て、潤滑剤組成物の見かけ粘度は、40℃で1000m
Pa・s以下であり且つ120℃で20mPa・s以上
あるのが好ましく、40℃で1000〜mPa・sであ
り且つ120℃で25mPa・s以上あるのがより好ま
しく、40℃で800〜100mPa・sであり且つ1
20℃で25mPa・s以上あるのがさらに好ましい。
【0130】前記潤滑剤基油としては、特に限定される
ものではなく、一般に潤滑剤基油として用いられている
ものならばいずれも使用することができ、鉱油、合成油
あるいはそれらの混合油が挙げられる。例えば、パラフ
ィン系、中間基系またはナフテン系原油の常圧または減
圧蒸留により誘導される潤滑油原料をフェノール、フル
フラール、N−メチルピロリドンの如き芳香族抽出溶剤
で処理して得られる溶剤精製ラフィネート;潤滑油原料
をシリカ−アルミナを担体とするコバルト、モリブデン
等の水素化処理用触媒の存在下において、水素化処理条
件下で水素と接触させて得られる水素化処理油;潤滑油
原料を水素化分解触媒の存在下において、過酷な分解反
応条件下において異性化条件下で水素と接触させて得ら
れる異性化油;潤滑油原料を溶剤精製工程および水素化
処理工程、または水素化分解工程および異性化工程等を
組み合わせて得られる潤滑油留分;等を挙げることがで
きる。特に、水素化分解工程および異性化工程によって
得られる高粘度指数鉱油が好適なものとして挙げられ
る。いずれの製造方法においても、脱蝋工程、水素化仕
上げ工程、白土処理工程等の工程を任意に付加すること
ができる。前記鉱油は、軽質ニュートラル油、中質ニュ
ートラル油、重質ニュートラル油およびブライトストッ
ク等に分類することもでき、要求性能に応じて適宜混合
することもできる。
【0131】前記合成油としては、ポリα−オレフィ
ン、α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、アルキル
ベンゼン、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、ポ
リオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレン
グリコールエーテル、シリコーン油等を挙げることがで
きる。これらの鉱油および合成油は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ、
鉱油と合成油を組み合わせて使用してもよい。このよう
な潤滑剤基油は、通常、温度100℃において、2〜2
0mm2/sの動粘度を有し、好ましくは3〜15mm2
/sの動粘度を有する。本発明の潤滑剤組成物が用いら
れる機械的摩擦摺動部の潤滑条件に適するように、適
宜、最適な動粘度を有した混合基油を選択することがで
きる。
【0132】本発明の潤滑剤組成物が、前記分子錯合体
と前記潤滑剤基油との混合物である場合、好ましい配合
量は、潤滑剤基油全質量を基準として、前記分子錯合体
が0.01質量%以上であり、より好ましくは、錯合体
化合物が0.01〜10質量%であり、最も好ましくは
0.05〜2質量%である。また、潤滑剤基油の含有量
は50質量%以上であるのが好ましい。潤滑剤基油を含
まない態様では、前記分子錯合体を50質量%以上含有
するのが好ましい。
【0133】本発明の潤滑剤組成物は、前記分子錯合体
を主成分として含有するものであるが、種々の用途に適
応した実用性能を確保するため、さらに必要に応じて、
本発明の効果を損なわない範囲内で、従来の潤滑剤、例
えば軸受油、ギヤ油、動力伝達油などに用いられている
各種添加剤、具体的には、摩耗防止剤、極圧剤、酸化防
止剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤、金属不活性化剤、
腐食防止剤、防錆剤、消泡剤等を添加することもでき
る。
【0134】本発明の潤滑剤組成物は、前記一般式(T
AM)で表される化合物を添加し、且つ前記一般式(T
AM)で表される化合物と分子間相互作用により分子錯
合体を形成可能な化合物を添加し、双方の化合物を構成
要素とする分子錯合体を生成する工程を経て製造するこ
とができる。例えば、潤滑剤基油と混合する態様の潤滑
剤組成物では、前記一般式(TAM)で表される化合物
と、該化合物と分子錯合体を形成可能な化合物(例え
ば、(チオ)カルボン酸化合物)を、潤滑剤基油に添加
することにより、潤滑剤基油中で分子錯合体を生成し、
製造することができる。また、あらかじめ分子錯合体を
生成した後、潤滑剤基油に添加することもできる。潤滑
剤基油を含まない態様では、前記一般式(TAM)で表
される化合物と、該化合物と分子錯合体を形成可能な化
合物(例えば、(チオ)カルボン酸化合物)とを混合す
ることによって分子錯合体を生成し、製造することがで
きる。
【0135】本発明の潤滑剤組成物は、接触して相対運
動する摺動面に供給することによって、摺動面の摩擦係
数を低下させるとともに、摺動面の耐磨耗性を向上させ
る効果を有する。さらに、この効果を長期的に維持する
という優れた効果をも有する。従来の潤滑油やグリース
などの潤滑剤を用いた場合に、油膜切れを生じるような
苛酷な摩擦条件で運動する摺動面に供給した場合も、焼
付きを軽減し、耐摩耗性を向上させ、低摩擦係数に維持
することができる。例えば、苛酷な摩擦条件で運動する
軸受やギヤなどにおいて、省エネルギーな潤滑剤として
好適に使用することができる。さらに、摺動部装置の信
頼性を向上させ、摺動部装置の小型化に寄与することが
できる。また、本発明の潤滑剤組成物は、苛酷な潤滑条
件において、摩擦係数が低いこと、耐摩擦性と極圧性に
優れていることなどの特徴を有している。本発明の潤滑
剤組成物は、種々の錯合体化合物を、適切に混合するこ
とにより、−40℃でも十分に粘性を保つことが可能
で、低温でも使用可能になり、実用的なものとできる。
【0136】本発明の潤滑剤組成物は、潤滑基油を使用
しない場合も優れた潤滑効果を奏するので、大量に潤滑
剤を供給できない、例えば、マイクロマシンにも好まし
く用いることができる。また、前記分子錯合体は、金属
および金属酸化物等の表面に容易に皮膜を形成し、潤滑
機能を発現するという性質を有するので、磁気記録媒体
の表面と、磁気記録ヘッドとの摩擦を軽減するための潤
滑剤として用いるのも好ましい。
【0137】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。
【0138】[実施例1〜8]以下に示す錯合体
(1)、(2)、(3)および(4)を、表1に示す様
に、各々単独でまたは潤滑剤基油に溶解させて実施例1
〜8の潤滑剤を調製した。なお、錯合体(1)、
(2)、(3)および(4)が錯合体を形成しているこ
とは、DSC(示差走査熱量測定)が示す相転移点に
は、対応するカルボン酸あるいはバルビツール酸単独の
相転移ピークが完全に消失して新たな錯合体の相転移ピ
ークが現れたことにより確認することができた。
【0139】
【化72】
【0140】
【化73】
【0141】[比較例1〜4]表2に示す様に、通常の
潤滑油基油のみを用いて潤滑剤を調製した。
【0142】得られた実施例1〜8および比較例1〜4
の潤滑剤について、以下の条件で往復動型(SRV)摩
擦摩耗試験を行い、摩擦係数および低摩耗性を各々評価
した。 [往復動型(SRV)摩擦摩耗試験の試験条件および測
定法] 試験条件 試験片(摩擦材): SUJ−2 プレート : 24mm径×7.9mm シリンダー : 11mm径×15mm 温度 : 150℃ 荷重 : 50N、400N 振幅 : 1.0mm 振動数 : 50Hz 試験時間 : 試験開始5分間 上記試験条件で、荷重50Nおよび400Nにおいて、
摩擦係数を測定した。また、耐摩耗性については、表面
粗さ計にて、摩耗痕の摩耗深さを測定し、評価した。実
施例1〜8の結果を表1に、比較例1〜4の結果を表2
に各々示した。
【0143】
【表1】
【0144】
【表2】
【0145】これらの実施例と比較例の評価結果から、
錯合体を潤滑剤に用いることにより、および潤滑剤の基
油に錯合体を主成分として用いることにより、高荷重条
件においても、耐摩耗性に優れ、かつ摩擦係数が低く、
実用的な潤滑剤組成物が得られることが判明した。
【0146】[実施例9〜14]錯合体(5)〜(1
0)を用いて、SRV試験機を用いて摩擦試験を行い、
摩擦係数を評価した。それぞれの40℃あるいは120
℃での見かけ粘度を測定した。 [試験条件] 試験条件はシリンダ−オンプレートの条件で行った。 試験片(摩擦材):SUJ−2 プレート:φ24×7.9mm シリンダー:φ11×15mm 温度:40℃あるいは120℃ 荷重:400N 振幅:1.0mm 振動数:50Hz 試験時間:試験開始5分間 上記試験条件で測定した結果を表3に各々示した。
【0147】
【表3】
【0148】
【化74】
【0149】
【化75】
【0150】これらの実施例の評価結果から、錯合体を
潤滑剤に用いることにより優れた耐摩擦性の潤滑剤組成
物が得られ、また、特定の粘度範囲にある本発明化合物
はさらに優れた性能であることが判った。
【0151】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、従
来の潤滑剤基油と混合した形態のみならず、潤滑剤基油
を混合しない形態でも、優れた潤滑剤性能を示す潤滑剤
組成物を提供することができる。また、本発明によれ
ば、摺動面において低摩擦性および耐磨耗性を長期的に
維持できる、特に極圧下においても、低摩擦性および耐
磨耗性を長期的に維持できる潤滑剤組成物を提供するこ
とができる。また、本発明によれば、均質な薄膜を容易
に形成可能であり、磁気記録媒体の表面およびマイクロ
マシン等にも適用可能な潤滑剤組成物を提供することが
できる。さらに、本発明によれば、環境適合性に乏しい
重金属元素、燐酸基および硫化物を排除することによ
り、長寿命化および環境適合性を両立し得る潤滑剤組成
物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の潤滑剤組成物の一配向例を示す模式
図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(TAM)で表される化合物
    を少なくとも構成要素とする分子錯合体を含有すること
    を特徴とする潤滑剤組成物。 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は各々独立に置換基を表
    し、x、yおよびzは各々独立に1〜5のいずれかの整
    数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記分子錯合体は、その構成要素が幾何
    学的に相補的な位置関係で分子間相互作用を発現する官
    能基の組合せを有することにより平面的錯合体を形成可
    能であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記一般式(TAM)において、R1
    2およびR3のうち少なくとも1つが、総炭素数4以上
    のアルキル鎖、オリゴアルキレンオキシ鎖、総炭素数2
    以上のパーフルオロアルキル鎖、パーフルオロアルキル
    エーテル鎖または有機ポリシリル鎖を含む置換基を表す
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記一般式(TAM)において、R1
    2およびR3のうち少なくとも1つが−(C=O)O−
    基を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記幾何学的に相補的な位置関係で分子
    間相互作用を発現する官能基の組合せが、カルボニル
    基、ヒドロキシ基、チオール基およびアミノ基から選ば
    れる1種以上の基を含む官能基と、前記一般式(TA
    M)中のメラミン基の一部または全部との組合せである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    潤滑剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記分子錯合体が、下記一般式(I)〜
    (IV)のいずれかで表される化合物を構成要素として含
    むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の潤滑剤組成物。 【化2】 (式中、R11は水素原子または置換基を表し、Q11およ
    びQ12は各々独立に酸素原子または硫黄原子を表す。) 【化3】 (式中、R21およびR22は各々独立に水素原子または置
    換基を表し、R21とR22とは互いに連結して環構造を形
    成していてもよい。Q21は酸素原子または硫黄原子を表
    す。) 【化4】 (式中、R31およびR32は各々独立に水素原子または置
    換基を表し、R31とR32とは互いに連結して環構造を形
    成していてもよい。Q31およびQ32は各々独立に酸素原
    子または硫黄原子を表す。) 【化5】 (式中、R41およびR42は各々独立に水素原子または置
    換基を表し、R41とR42とは互いに連結して、環構造を
    形成していてもよい。Q41は酸素原子または硫黄原子を
    表す。)
  7. 【請求項7】 前記式(I)〜(IV)で表される化合物
    が、炭素数4以上のアルキル鎖、オリゴアルキレンオキ
    シ鎖、総炭素数2以上のポリフッ化アルキル鎖、ポリフ
    ッ化アルキルエーテル鎖および有機ポリシリル鎖から選
    ばれる少なくとも1種を構造中に含むことを特徴とする
    請求項6に記載の潤滑剤組成物。
  8. 【請求項8】 前記分子錯合体の示差走査熱量測定(D
    SC)法における熱的相転移温度パターンが、その構成
    要素の化合物の熱的相転移温度パターンとは互いに異な
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の潤滑剤組成物。
  9. 【請求項9】 前記分子錯合体を50質量%以上含有す
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載
    の潤滑剤組成物。
  10. 【請求項10】 さらに潤滑剤基油を50質量%以上含
    有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の潤滑剤組成物。
  11. 【請求項11】 見かけ粘度が40℃で1000mPa
    ・s以下であり、且つ120℃で20mPa・s以上で
    あることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に
    記載の潤滑剤組成物。
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