JP2000196499A - スペクトラム拡散通信用相関回路 - Google Patents

スペクトラム拡散通信用相関回路

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JP2000196499A
JP2000196499A JP37146398A JP37146398A JP2000196499A JP 2000196499 A JP2000196499 A JP 2000196499A JP 37146398 A JP37146398 A JP 37146398A JP 37146398 A JP37146398 A JP 37146398A JP 2000196499 A JP2000196499 A JP 2000196499A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスライディングコリレータは相関を得
るのに時間が掛かり、マッチドフィルタは消費電力が増
大するという問題点があったが、本発明は、構成素子数
を小規模にして、相関を得ることができるスペクトラム
拡散通信用相関回路を提供する。 【解決手段】 A/D変換器11は受信したスペクトラ
ム拡散された信号をデジタル信号に変換し、制御部12
の制御により、S/H回路15に16MHzのクロック
で1シンボル分書き込み、S/H回路15から1.6G
Hzの高速クロックで1シンボル分の信号をサンプル毎
にシフトさせながら複数回高速コリレータ16に読み出
し、高速コリレータ16で1.6GHzのクロックで拡
散符号と積和演算を行い、読み出しと同時にS/H回路
15には次の1シンボル分の信号が書き込まれるスペク
トラム拡散通信用相関回路である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信や無線
LAN等におけるスペクトラム拡散通信システムの受信
機側で用いられるスペクトラム拡散通信用相関器に係
り、特に、この分野で不可欠とされるデジタルMF(Ma
tched Filter)に比べて大幅に論理回路規模を低減でき
るスペクトラム拡散通信用相関器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に移動体通信又は無線LAN等に用
いられるスペクトラム拡散(SpreadSpectrum:SS)通
信システムでは、送信側で送信データに対して狭帯域変
調(1次変調)を行い、更に拡散変調(2次変調)を行
う、2段階の変調を行ってデータを送信し、受信側で
は、受信データに対して逆拡散を行って1次変調に戻し
てから、通常の検波回路でベースバンド信号の再生を行
うようになっている。
【0003】そして、従来、スぺクトラム拡散された受
信信号の相関を得るためのスペクトラム拡散通信用相関
器は、逆拡散回路、符号分割多重変調波の復調回路で構
成され、具体的に、スペクトラム拡散通信用相関器は、
同期捕捉を行い、以降検出された同期位相て相関を取る
ために、論理回路で構成されたスライディングコリレー
タ(SC)が用いられている。
【0004】スライディングコリレータは、1ビットの
相関器を用いて局発符号系列(拡散符号)を1ビットづ
つシフトさせ、毎回受信の符号系列との相関を求めるも
のであり、符号系列長だけのビット数について相関を求
めれば、相関がピークとなる同期位相が求められ、同期
捕捉が行われるものである。
【0005】ここで、従来の逆拡散回路の1つであるス
ライディングコリレータについて図6を用いて説明す
る。図6は、従来のスライディングコリレータの一部分
の構成ブロック図である。従来のスライディングコリレ
ータにおける相関出力を取得する部分は、A/D変換器
31と、乗算器32と、PNコードレジスタ33と、加
算器34と、遅延要素35とから構成されている。
【0006】上記従来のスライディングコリレータの各
部を説明する。A/D変換器31は、符号分割多重(Co
de Division Multiple Access:CDMA)変調されて
送信され、アンテナ(図示せず)で受信されたアナログ
信号を、デジタル信号に変換する高精度のアナログ/デ
ジタル変換器である。PNコードレジスタ33は、送信
側でCDMA変調に用いられたのと同じ拡散符号である
PN(Pseudo Random Noise)符号コードを出力するレ
ジスタである。
【0007】乗算器32は、A/D変換器31から出力
されるデジタルの受信データに、PNコードレジスタ3
3から出力されるPNコードを乗算する乗算器である。
加算器34と遅延要素35は、乗算器32から出力され
る乗算結果を、1シンボル期間累積加算してその積分値
を相関出力として出力するものである。
【0008】従来のスライディングコリレータの動作
は、アンテナで受信された受信データのアナログ信号
が、A/D変換器31でデジタル信号に変換され、PN
コードレジスタ33から出力されるPNコードと乗算器
32で乗算され、加算器34と遅延要素35で累積加算
されて、1シンボル分の加算結果が相関出力として出力
されるようになっている。そして、乗算器32における
乗算のタイミングを1チップずらして位相を変化させな
がら乗算、累積加算が繰り返され、相関出力がピークと
なる同期位相が検出されるようになっている。
【0009】この逆拡散回路としてスライディングコリ
レータを用いる構成は、比較的簡易でゲート数も少な
く、そのため消費電力も少ないというものであるが、同
期捕捉を行うまでの時間は一般的には、1シンボル分の
時間×1シンボル内のチップ数分だけかかるため、相関
出力を得るまでの時間がかかるという問題がある。
【0010】相関出力を得るまでに時間がかかるという
問題点を解決するために、スライディングコリレータの
替わりに、マッチドフィルタ(整合フィル、若しくは M
atched Filter:MF)をスペクトラム拡散通信用相関
器に用いることが考えられている。マッチドフィルタ
は、位相をずらした場合の相関を一斉に取ることによ
り、1シンボル時間内に同期捕捉を行うものである。
【0011】ここで、従来の逆拡散回路の別の例である
マッチドフィルタについて、図7を用いて説明する。図
7は、従来のマッチドフィルタの構成例を示すブロック
図である。従来のマッチドフィルタは、A/D変換器4
1と、乗算器42と、PNコードレジスタ43と、加算
器44と、サンプルホールド(S/H)回路45とから
構成されている。
【0012】上記従来のマッチドフィルタの各部を説明
する。A/D変換器41は、CDMA変調されているア
ナログの入力信号をデジタル信号に変換する変換器であ
る。サンプルホールド(S/H)回路45は、複数個設
けられており、A/D変換器41からのデジタル信号を
順次取り込んで保持する回路である。
【0013】PNコードレジスタ43は、拡散符号であ
るPN符号(コード)を出力するレジスタである。乗算
器42は、各サンプルホールド回路45で保持されたデ
ジタル信号に対してPNコードレジスタ43からのPN
符号を乗算する乗算器である。加算器44は、乗算器4
2からの出力を一斉に加算する加算器である。
【0014】従来のマッチドフィルタの動作は、A/D
変換器41でデジタル変換された入力信号が複数のS/
H回路45に順次保持され、そのS/H回路45からの
出力とPNコードレジスタ43から出力されるPN符号
とが乗算器42で乗算され、更に乗算器42での乗算結
果を加算器44で一斉に加算して、加算結果が出力され
る。その加算結果から相関出力を得るようになってい
る。
【0015】しかしながら、一般的なマッチドフィルタ
では、一斉に位相をずらした場合の相関を取るため、例
えば上記説明したスライディングコリレータに対して、
1シンボル内のチップ数倍のゲート数が必要となり、ゲ
ート規模が増大し、消費電力の増大を招き、移動端末の
受信機に用いるには事実上因難となっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のス
ライディングコリレータでは、相関出力が得られるまで
の時間が掛かるという問題があり、また、従来のマッチ
ドフィルタでは、ゲート数が多くなり消費電力の増大を
もたらすという問題点があった。
【0017】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、マッチドフィルタに比べ構成素子数を小規模にして
相関出力を得ることができるスペクトラム拡散通信用相
関回路を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための請求項1記載の発明は、スペクトラム拡散
通信用相関回路において、スペクトラム拡散された受信
信号をメモリに書き込み、書き込まれたスペクトラム拡
散された信号を書き込み速度より高速に前記メモリから
読み出して拡散符号と積和演算を高速に行う処理を複数
回繰り返すことを特徴としており、マッチドフィルタに
比べ構成素子数を小規模にして相関出力を得ることがで
きる。
【0019】上記従来例の問題点を解決するための請求
項2記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路に
おいて、スペクトラム拡散された信号を受信する1つ以
上の受信部と、前記受信したスペクトラム拡散された信
号を保持する1つ以上のメモリ部と、前記メモリ部に保
持された信号と拡散符号との乗算を行う1つ以上の乗算
部と、前記乗算結果を加算する1つ以上の加算部とを備
え、前記1つ以上の受信部から入力されるスペクトラム
拡散された信号をチップ時間或いは当該チップ時間より
短い時間で時間分割し、時間分割した信号を前記メモリ
部に少なくとも1シンボル分以上保持し、当該保持後に
前記チップ時間より短い時間より更に短い時間で高速に
読み出し、前記乗算部にて拡散符号との乗算を行い、当
該乗算結果を前記加算部で加算して相関を得ることを特
徴としており、マッチドフィルタに比べ構成素子数を小
規模にして相関出力を得ることができる。
【0020】上記従来例の問題点を解決するための請求
項3記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通
信用相関回路において、メモリ部は、書き込みと読み出
しが同時に、しかも異なる時間幅で行うことができる2
ポートメモリであることを特徴としている。
【0021】上記従来例の問題点を解決するための請求
項4記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通
信用相関回路において、乗算部は、1ビットの拡散符号
と多ビットのスペクトラム拡散された信号とを乗算する
乗算器であり、拡散符号が「1」であれば多ビットをそ
のまま出力し、拡散符号が「0」であれば多ビットの反
転を出力する論理により動作する乗算器であることを特
徴としている。
【0022】上記従来例の問題点を解決するための請求
項5記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通
信用相関回路において、加算部は、多ビットの加算器
と、前記加算器からの出力を入力として1刻み時間だけ
遅延させて前記加算器に戻す遅延素子とを有する累加算
器であることを特徴としている。
【0023】上記従来例の問題点を解決するための請求
項6記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路に
おいて、請求項1記載のスペクトラム拡散通信用相関器
を2組設け、前記相関器における受信部を共通とし、前
記受信部で検波されたスペクトラム拡散された信号の直
交検波信号の同相成分(I)と直交成分(Q)とを、異
なる拡散符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算するこ
とを特徴としている。
【0024】上記従来例の問題点を解決するための請求
項7記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路に
おいて、請求項1のスペクトラム拡散通信用相関器を4
組設け、2組をペアとして、当該ペアの相関器における
受信部を共通とし、前記受信部で検波されたスペクトラ
ム拡散された信号の直交検波信号の同相成分(I)と直
交成分(Q)とを、各ペア内で第1、第2の異なる拡散
符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算して得られた4
つの相関出力を前記第1の拡散符号で演算した結果同士
と前記第2の拡散符号で演算した結果同士とを各々加算
して合成することを特徴としている。
【0025】上記従来例の問題点を解決するための請求
項8記載の発明は、請求項2記載のスペクトラム拡散通
信用相関回路において、メモリ部は、書き込みと読み出
しが同時にしかも異なる時間幅で行うことができる2ポ
ートメモリであり、読み出しは1シンボル分一時に多タ
ップ及び多ビットで読み出し可能なメモリであることを
特徴としている。
【0026】上記従来例の問題点を解決するための請求
項9記載の発明は、請求項8記載のスペクトラム拡散通
信用相関回路において、乗算部は、1ビットの拡散符号
と多ビットのスペクトラム拡散された信号の多タップ数
分とを乗算する乗算器であり、拡散符号が「1」であれ
ば多ビットをそのまま出力し、拡散符号が「0」であれ
ば多ビットの反転を出力する論理より動作する複数の乗
算器であることを特徴としている。
【0027】上記従来例の問題点を解決するための請求
項10記載の発明は、請求項9記載のスペクトラム拡散
通信用相関回路において、加算部は、複数の多ビットの
加算器であり、乗算部で為された多タップの乗算結果を
加算する複数加算器であることを特徴としている。
【0028】上記従来例の問題点を解決するための請求
項11記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路
において、スペクトラム拡散されたアナログの受信信号
をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタルに
変換された信号について少なくとも1シンボル分以上を
チップ時間或いは当該時間より短い時間で時間分割して
書き込んで保持し、前記書き込み速度より高速に前記時
間分割して保持したサンプル毎に順次読み出す複数のサ
ンプルホールド回路と、拡散符号を発生させるコード発
生器と、前記サンプルホールド回路から1シンボル分の
信号をサンプル毎に高速に順次入力し、前記コード発生
器から入力される拡散符号と高速に積和演算する高速コ
リレータと、前記複数のサンプルホールド回路に1シン
ボル分以上の信号を書き込ませ、前記サンプルホールド
回路から書き込み速度より高速にサンプル毎に前記高速
コリレータに信号の読み出しを開始させると共に、前記
複数のサンプルホールド回路に次の1シンボル分以上の
信号の書き込みを開始させる制御部とを有することを特
徴としており、構成素子数を小規模にして相関出力を得
ることができる。
【0029】上記従来例の問題点を解決するための請求
項12記載の発明は、スペクトラム拡散通信用相関回路
において、スペクトラム拡散されたアナログの受信信号
をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタルに
変換された信号について少なくとも1シンボル分以上を
チップ時間或いは当該時間より短い時間で時間分割して
書き込んで保持し、前記書き込み速度より高速に前記時
間分割して保持したサンプル毎に順次読み出す2ポート
メモリと、拡散符号を発生させるコード発生器と、前記
2ポートメモリから1シンボル分の信号をサンプル毎に
高速に順次入力し、前記コード発生器から入力される拡
散符号と高速に積和演算する高速コリレータと、前記2
ポートメモリに1シンボル分以上の信号を書き込ませ、
前記2ポートメモリから書き込み速度より高速にサンプ
ル毎に前記高速コリレータに信号の読み出しを開始させ
ると共に、前記2ポートメモリに次の1シンボル分以上
の信号の書き込みを開始させる制御部とを有し、前記2
ポートメモリが、スペクトラム拡散された信号を保持す
る複数のメモリセルと、前記制御部からの指示により前
記A/D変換器からの信号を該当するメモリセルに書き
込む第1のアドレスデコーダと、前記制御部からの指示
により該当するメモリセルから書き込み速度より高速に
信号を読み出す第2のアドレスデコーダと、前記第2の
アドレスデコーダからの出力を増幅するセンスアンプと
を備える2ポートメモリであることを特徴としており、
マッチドフィルタに比べ構成素子数を小規模にして相関
出力を得ることができる。
【0030】上記従来例の問題点を解決するための請求
項13記載の発明は、受信されたスペクトラム拡散され
た信号の直交検波信号の同相成分(I)と直交成分
(Q)とに対して各々マッチドフィルタを有する干渉キ
ャンセラユニットを複数備える干渉キャンセラにおい
て、前記マッチドフィルタの前段に書き込みと読み出し
が同時に、しかも書き込み速度より高速に読み出すこと
ができるメモリを設け、前記マッチドフィルタが、前記
メモリから高速に読み出される信号を高速に演算処理す
るマッチドフィルタであることを特徴としており、構成
素子数を小規模にして干渉のキャンセルを行うことがで
きる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るス
ペクトラム拡散通信用相関回路は、受信部から送出され
てくるスペクトラム拡散された信号について、通常、い
わゆるチップ時間間隔で拡散符号により処理されている
ところを、スペクトラム拡散された信号を一時的にメモ
リに記憶しておき、記憶されたスペクトラム拡散された
信号を高速に読み出し、読み出した信号と拡散符号との
積和演算を高速に行う処理を複数回繰り返すようにした
ものであり、構成素子数を小規模にして相関出力を得る
ことができるものである。
【0032】具体的には、スペクトラム拡散された信号
を少なくとも1シンボル分メモリに貯え、それを高速で
読み出しつつ、拡散符号と高速に積和演算することで、
受信部から入力されるスペクトラム拡散された信号の時
間変換を実現するものである。
【0033】現在IMT2000でARIB(電波産業
会)より提案されている、いわゆるW−CDMA(広帯
域CDMA)は、チップ速度は4M(メガ)cps(ch
ip per second)である。これに対し、W−CDMAが
実用化される2001年のLSI(大規模集積回路)の
製造プロセスを用いれば、CMOS(相補形MOS)の
場合、線幅が0.18μm程度となり、使用するクロッ
ク周波数は、500MHzから2G(ギガ)Hzが予想
されている。
【0034】すなわち、入力信号の周波数に比べはるか
に高い処理が回路内において可能となる。チップ速度は
4Mcpsであるので、信号処理上からこの4倍程度の
サンプリングで信号を刻み、拡散符号とのマッチングを
より精密に観察する必要があるが、それでも受信信号の
処理に用いられるクロックは16MHzで処理すること
になり、他方、回路の内部処理に用いられるクロックの
クロック速度として1.6GHzが使用可能となれば、
受信信号の処理に対して内部処理が100倍の処理能力
を備えることとなる。
【0035】マッチドフィルタと同一の機能を達成させ
る場合は、例えば、通常行われているように16MHz
刻みで受信したスペクトラム拡散された信号をメモリに
蓄積し、それを例えば、1.6GHzの高速で読み出し
て、高速処理のスライディングコリレータにて高速に積
和演算を行えば100倍の速度で処理可能である。従っ
て、チップ数(拡散率)が25の場合であれば4倍オー
バーサンプリングで、100サンプル存在することにな
るため、1シンボルの相関をマッチドフィルタと同一の
1シンボル時間で取ることが可能となる。
【0036】この場合、拡散コードは1シンボル分変化
させないで、100回繰り返し使用するものであるが、
スペクトラム拡散された信号は1サンプル刻みでスライ
ドさせる必要が有り、メモリとしては最低2シンボル分
用意しておく必要がある。
【0037】先ず、16MHzで1シンボル分を第1の
メモリに書き込んだら、次の1シンボル分を1サンプル
毎に第2のメモリに書き込みを行うと共に、第1及び第
2のメモリから1.6GHzで1シンボル分のデータを
1サンプルづつスライドさせて100回読み出しを行
う。
【0038】つまり、1シンボル分のデータが書き込ま
れた第1のメモリと1サンプル毎に書き込みが為される
第2のメモリから1シンボル分のデータを1サンプルづ
つスライドさせて1.6GHzで100回読み出しを行
うということは、第2のメモリについては書き込みと読
み出しが同時に行われていることになり、1シンボル分
のデータを読み出す時間にちょうど次の1シンボル分の
スペクトラム拡散された信号が第2のメモリに読み込ま
れることになる。この動作を第1のメモリと第2のメモ
リとで交互に行えば、連続してスペクトラム拡散された
信号のメモリへの書き込みと読み出しの動作を行うこと
ができる。従って、マッチドフィルタと同様、常時、相
関出力を送出することが可能になる。
【0039】上記拡散率はW−CDMAの場合、物理チ
ャネルにより異なるが、最低で4チップ、最大で256
チップ必要となる。但し、この場合、チップ速度は4.
096Mcpsで一定と考えて良い。尚、将来、可変レ
ートが想定されている16.384Mcpsまで高まる
可能性はある。従って、最大で256チップ必要とする
と、現実には一個の高速処理のスライディングコリレー
タ(高速SC)では処理できないことになる。その場合
には、複数の高速SCを用意し、同様の演算を1サンプ
ルづつずらして行えば良い。
【0040】具体的には、256チップの場合、102
4サンプル(256チップ×4オーバーサンプリング)
になるので、メモリからのデータ読み出しクロックとし
て、1.6GHzのクロックが使用可能であれは、1.
6GHzのクロックで100倍の処理を行うため、11
個の高速SCを必要とする。11個の高速SCで110
0サンプル(100サンプル×11個)に対応可能とな
る。この場合でも1024タップのマッチドフィルタ
(MF)を構成するハード規模に比べればはるかに少な
いハード規模で実現できることになる。
【0041】本発明の実施の形態に係る回路では、ハー
ド規模が1/10程度にはなるので、W−CDMAの復
調部の大半を占めているMF部が1/10程度になるこ
とは、LSIコストを低減する効果がある。
【0042】尚、上記の例では、拡散符号を取り替えな
い場合を説明したが、信号の方を固定し、拡散符号を取
り替えることを行えば、短時間で拡散符号の特定を行っ
て相関出力を得ることが可能になる。
【0043】また、高速SCの代わりにMF構成の積和
演算器を用意し、メモリからの読み出しをシンボル単位
の多タップで行えば、その相関出力を極めて短時間、例
えば、1GHzクロックの場合に、1ns(ナノ秒)で
出力することが可能になる。これは多数のメモリを用意
し、多数のシンボル単位の情報をそれらメモリに蓄積
し、その相関出力を得る場合に効果的である。すなわ
ち、本来であれば複数のMFが必要な場合でも1つのM
Fにて処理可能となる。
【0044】尚、W−CDMAシステムにおいてMF動
作が必要なのは、初期同期の内、最初の第1止まり木の
ロングマスクシンボルを捕まえに行く時、つまり、シン
ボル同期及びスロット同期の確立時だけであり、それ以
外は間欠的な動作が許される形態になっている。初期同
期は、この第1止まり木のロングマスクシンボルを捕ま
えた後、第2止まり木のロングマスクシンボルにてロン
グコードグループを特定する。これは同一時の入力信号
を別のショートコードで復調することにより達成でき
る。更に第1止まり木のパイロットシンボルの場所にて
ロングコードを特定する。これにより初期同期は、おお
よそ達成できる。
【0045】これらの動作を完了しなければならない時
間は、これらの動作を複数の基地局に対し行って3秒以
内とされている。この中で初期のロングマスクシンボル
を捕まえに行く時間は極めて少時間(少なくとも1秒以
内)であり、ここで消費電力が大きくなっても全体の通
話時間に対して、上記動作を行うのはスイッチをONし
た時だけであることを考慮すると、電池に対する影響は
ほとんど無いといえる。すなわち、通常はSC動作を間
欠的に実行するだけで良くなり、総合的に消費電力の低
減も達成することができる。
【0046】次に、本発明の実施の形態に係るスペクト
ラム拡散通信用相関回路について図1を用いて説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡
散通信用相関回路の構成ブロック図である。尚、ここで
は、先ず比較的動作が単純な、シンボル同期、無線スロ
ット同期、フレーム同期が確立した後の動作(通常通信
時)について説明する。本実施の形態のスペクトラム拡
散通信用相関回路(本回路)は、図1に示すように、時
系列のPN符号(PNコード)を発生するコード発生器
13と、PN符号により変調されたスペクトラム拡散信
号を入力し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換す
るA/D変換器11、そのデジタル信号を保持するメモ
リ部としての複数のサンプルホールド(S/H)回路1
5と、複数のS/H回路15からの出力とコード発生器
13から出力されるPNコードとを高速に積和演算処理
する高速コリレータ16と、S/H回路15及びコード
発生器13及び高速コリレータ16へのデータ等の入出
力を制御する制御部12とから構成されている。
【0047】通常通信時における本回路の動作を説明す
る。サンプルホールド(S/H)回路15は、入力され
るデジタル信号を一時的に保持するメモリ部の役割を果
たし、1シンボル分のデータが保持できるようにS/H
回路15を複数直列に接続したS/Hストリングを複数
列備えている。そして、制御部12の指示により、信号
の1シンボル分のデータを先頭サンプルから順次シフト
させながら各S/H回路15に取り込む。ここでは、シ
ンボル同期、無線スロット同期、フレーム同期が確立し
ていることを前提にしているので、どの位相に特定のシ
ンボルの先頭サンプルが存在するかは分かっているもの
である。
【0048】1シンボル分の信号をS/Hストリングに
取り込む。例えば、拡散率128の場合、4倍オーバー
サンプリングであれば、総数512個のS/H回路の直
列接続に取り込む。すると、制御部12は、S/H回路
15に対し、今までの取り込み速度、すなわちサンプル
速度(通常の4倍オーバーサンプリングであれば約16
MHz、正確には4.096MHzの4倍)に対して、
充分速い速度例えば1.6GHzで読み出しを行わせ
る。
【0049】その出力を受けて高速コリレータ16は、
1.6GHzの高速のクロックで積和演算を行う。この
時、コード発生器13より拡散符号(PNコード)を順
次1.6GHzのクロックで受け取る。ここで、コード
発生器13はコードレジスタであっても構わない。この
符号の発生及び読み出しも同じ制御部12よって制御さ
れる。尚、高速コリレータ16で為される乗算演算は、
拡散符号が「1」であればメモリ部からのデータ(多ビ
ット)をそのまま出力し、拡散符号が「0」であれば多
ビットの反転を出力するものである。
【0050】この結果、1シンボルの書き込みに用した
時間の1/100の時間内にS/H回路15からのデー
タ読み出し及び高速コリレータ16での積和演算処理が
完了する。従ってメモリ部の他のS/Hストリングに別
のシンボルを格納しておけば、順次その相関も高速コリ
レータ16にて得ることができる。
【0051】現実的には、同時刻に処理すべきシンボル
は結構多く、受信信号としてシンボル単位でメモリ部に
格納しなければならない信号は、アンテナ数が2本であ
るとすると、複素変調信号(I/Q)、遅延波成分で計
6本、更に、制御、トラフィックの複数チャネルを考慮
すると合計24〜48本である。
【0052】尚、DHO(タイバーシテイハンドオフ)
時には他の基地局を同時期に捕らえなければならなくな
るので、その1〜2倍になる。1倍とは、現在通信を実
行中の当該基地局の信号再生の1部を割愛して、例えば
パス数を低減するとか等を実施することによりハードを
増加させないでDHOを実行するものである。
【0053】また、拡散コードも複素変調化してあり、
さらに拡散コードを変えて同時刻に送信されてくるマル
チコードの場合や、第1止まり木と第2止まり木のロン
グコードマスクシンボルの場合には、入力信号を同じに
してコードのみ変えて相関出力を得る動作を行う必要が
ある。
【0054】従って、通常のSCを使用して相関を得よ
うとすると、SCの本数は少なくとも96本からその4
〜5倍の500本程度必要になる。更に、この他に、同
期を得るためのサーチャが必要であるが、通常サーチャ
にはマッチドフィルタ(MF)方式が使用されており、
ハード規模はSCに比べ100から300倍程度とな
る。
【0055】具体的には、SCのゲート数は約200ゲ
ート程度、同し演算精度のMFのゲート数は約60kゲ
ート程度必要である。但し、サーチャの動作ではW−C
DMAのデータ復調のための演算精度は必要としないの
で、10kゲート程度で足りることになる。また、アン
テナ毎にサーチャは必要であり、DHO時に対応するた
めには、もう1つ必要となる場合もある。
【0056】上記の状況において、本回路を使用すれ
ば、メモリ部は新設しなければならないが、高速コリレ
ータの本数は1桁にすることが可能になり、大幅なハー
ド規模の低減が可能である。更に後述するように、同期
捕捉のためのサーチャも不要となるので更に大幅なハー
ド規模の低減がもたらされる。
【0057】尚、ここでメモリ部としてS/H回路を説
明したが、勿論次の条件を満たすメモリなら何であって
も良い。第1の条件として、データの書き込み速度と読
み出し速度が可変にできる。第2の条件として、データ
の読み出しと書き込みが同時に実行できる。第3の条件
として、1サンプル当たりのビット長は1ビット以上で
あり、できれば4〜6ビットであり、サンプル単位に同
時書き込み読み出しが可能なこと。更に、以下は望まし
い条件(第4の条件)として、読み出しはシンボル単位
でも可能なこと(これは後述するマッチドフィルタ方式
に対応するためである)。
【0058】よって、2ポートのDRAM(Dynamic Ra
ndom Access Memory)等が十分使用可能であり、デジタ
ルのF/F(Flip-Flop)で組んだS/H回路に比べれ
ば大幅なチップ占有面積の低減や消費電力の低威が可能
となる。
【0059】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡
散通信用相関回路において、S/H回路の替わりに2ポ
ートメモリのメモリセルを用いた例について図2を使っ
て説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るスペク
トラム拡散通信用回路の別の例の構成ブロック図であ
る。図2に示すように、当該回路は、A/D変換器21
と、制御部22と、コード発生器23と、2ポートメモ
リ20と、高速コリレータ26とから構成されており、
2ポートメモリ20は、アドレスデコーダ24と、複数
のメモリセル25と、アドレスデコーダ27と、センス
アンプ28とから構成されている。
【0060】ここで、A/D変換器21と、コード発生
器23と、高速コリレータ26は、図1に示したA/D
変換器11と、コード発生器13と、高速コリレータ1
6と同様の構成となっている。図1の回路と相違する構
成は、2ポートメモリ20と制御部22である。以下、
これらについて説明する。
【0061】2ポートメモリ20におけるメモリセル2
5は、S/H回路15と同様にA/D変換器21からデ
ジタルの入力信号をアドレスデコーダ24を介して1サ
ンプルづつ1シンボル分書き込まれて保持し、アドレス
デコーダ27によって1シンボル分の信号を1サンプル
毎に読み出されるものである。
【0062】アドレスデコーダ24は、A/D変換器2
1から入力されるデジタル信号を制御部22から入力さ
れるアドレスに従ってメモリセル25に16MHzのク
ロックにて書き込むものである。また、アドレスデコー
ダ27は、制御部22から入力されるアドレスに従って
メモリセル25からデータを1.6GHzのクロックで
読み出してセンスアンプ28に出力するものである。セ
ンスアンプ28は、アドレスデコーダ27から入力され
るデータを基準値と比較してクロックタイミングでH
(High)又はL(Low)に増幅して高速コリレータ26
に出力するものである。
【0063】制御部22は、コード発生器23を制御し
て拡散符号(PNコード)を高速コリレータ26に出力
させると共に、アドレスデコーダ24,27に書き込み
又は読み出しのアクセスするメモリセル25のアドレス
を出力するものである。
【0064】図2における回路の動作を説明すると、受
信信号がA/D変換器21でデジタル信号に変換され、
制御部22で指定されたアドレスにアドレスデコーダ2
4が変換されたデジタル信号をメモリセル25に16M
Hzのクロックで1シンボル分書き込む。1シンボル分
書き込むと、続けて次の1シンボル分の書き込みを開始
するが、アドレスデコーダ27では制御部22から指定
されたアドレスに従ってメモリセル25から既に書き込
まれた1シンボル分のデータを1.6GHzのクロック
で1サンプルづつシフトさせながら読み出してセンスア
ンプ28に出力する。センスアンプ28では入力信号を
増幅して高速コリレータ26に出力し、高速コリレータ
26で1.6GHzのクロックで高速に積和演算を行っ
て相関を得て出力するものである。
【0065】以上では、シンボル同期、無線スロット同
期、フレーム同期が確立した後の動作(通常通信時)に
ついて説明したが、次に、これらの同期が確立していな
い、初期同期時について説明する。初期同期時には、移
動機の電源スイッチをONした状態で、未だシンボル同
期、無線スロット同期、フレーム同期が確立しておら
ず、その状態で同期を特定しなければならないものであ
る。ARIBの仕様では、以下の様にして、初期同期の
確立を行う。
【0066】第1ステップとして、チップ同期、シンボ
ル同期、無線スロット同期の確立を行う。まず、第1止
まり木のロングコードマスクシンボルを検出して、チッ
プ同期、シンボル同期及び無線スロット同期を確立す
る。以下、説明の条件として、第1止まり木のチップレ
ートは4Mcps、拡散率は256、とし、A/D変換
器11からの信号入力を4倍オーバーサンプリング(1
6Mcps)、6ビットとする。
【0067】そして、初期同期時の構成及び動作を以下
の(A)〜(N)に説明する。尚、図1の例を基にして
説明するが、各部の具体的構成及びデータの読み出し速
度の精度等は、上述の図1のものとは異なり、高機能、
高精度のものとなっている。
【0068】(A)メモリ部は、1024タップ(6ビ
ットが1024個横に並んているイメージ)+α(数タ
ップ)とする。 (B)このメモリ部にA/D変換器11からの出力を順
次書き込んで行く。書き込み速度は16MHzのクロッ
クを使用する。 (C)ちょうど1024タップ(ちょうど止まり木チャ
ンネルの1シンボル分)書き込んだら、最初の1タップ
から順次16.384GHz(16MHzの1024
倍)の速度で読み出し、高速コリレータ16に入力す
る。16MHzでの書き込みは継続して進める。
【0069】(D)高速コリレータ16は、16GHz
のクロックで積和演算を遂行する。この時の拡散コード
は共通のショートコードである。 (E)高速コリレータ16の速度は、サンプル速度の1
024倍で動作するので、1サンプル分の相関を取得し
終わった時に、丁度1サンプル時間掛かることになる。
この終了時点で、16MHzの速度で書き込みをしてい
るので、1サンプル分の新たな入力データが取り込まれ
ている。
【0070】(F)次に.1サンプル分ずらして、上記
(C)の段階で1番目(最初の1タップ)から読み出し
を開始したので、今度は2番目のタップから読み出しを
開始し、1025番目のタップまでの1シンボル分のデ
ータを16GHzで読み出し、高速コリレータ16にて
積和演算を行う。高速コリレータ16の加算回路は、
(D)段階での最終結果をクリアしてから、演算を行
う。 (G)このようにして、最初から順次演算を行い102
4回繰り返すと、1シンボル分の相関出力を得ることが
できる。 (H)上記(G)段階が終了する時間は、丁度1シンボ
ル時間に相当するのて、これを順次繰り返せは次のシン
ボルについても相関出力を得ることができる。
【0071】(I)ショートコードで拡散されているロ
ングコードシンボルは、10シンボルに1回だけ挿入さ
れているので、1番近い基地局を探し出すには少なくと
も10シンボル分繰り返さなければならない(0.62
5ms/10シンボル)。尚、この所要時間は通常のM
Fを使用する場合と変わらない。 (J)尚、メモリ部は、1024タップ有れば原理的に
充分であるが、信号処理遅延の関係で消去してはいけな
い場合が有るため、余裕を設けている。1025タップ
書き終えれば最初の1タップ目に帰って更新をして行け
ば良い。
【0072】(K)このようにして、少なくとも10シ
ンボル分見れば、隣接基地局も含め在籍基地局のチップ
同期とシンボル同期及びロングコードマスクシンボルの
位置から無線スロット同期を取ることが可能である。ク
ロックが16GHzであれば1つの高速コリレータにて
実時間内に処理可能となる。この処理はプロファイラに
より行われ、一番強い相関出力を比較して検出する論理
と、その時間を特定する。勿論、通信状況が悪ければ、
この10シンボル分(1無線スロットに相当)のデータ
だけで判断できない場合は次の10シンボル分を合わせ
て判断する。プロファイラ内では1無線スロット内の同
位相のサンプル刻みでの結果を加算等して判断するよう
にしている。いずれにせよ上記演算処理を連続して繰り
返せば良い。
【0073】(L)クロックが16GHzであれば、高
速コリレータは1個で良いが、それほど速いものが得ら
れない場合には、高速コリレータを複数用意することに
なる。例えば、1GHz程度のクロックでしか動作でき
ない場合には、合計で16個の高速コリレータが必要に
なる。 (N)この場合、メモリ部からの読み出しの仕方と、複
数の高速コリレータへの取り込み方法にいくつかの案が
考えられる。以下、(i)〜(iv)に説明する。
【0074】(i).16GHzと同様に、1シンボル
分(1024タップ)の1タップ(1サンプル)づつ1
〜16番目の高速コリレータから順次読み出しを行い、
17番目のサンプル以降も1〜16番目の高速コリレー
タから順次読み出しを行い、最終的には1シンボル分の
読み出しを行う。
【0075】高速コリレータへの取り込みを具体的に説
明すると、1番目の高速コリレータは最初のサンプルか
ら、2番目の高速コリレータは2サンプル目から行う。
3番目以降も同様に実行する。16番目の高速コリレー
タは16サンプル目から取り込みを開始する。16個の
高速コリレータへ入力される符号は同一(位相を含め
て)で良い。
【0076】この場合の問題点は、1番目以外の高速コ
リレータは、1シンボル分全部の相関を取れないことに
なる。例えば、2番目は1023サンプル分の相関を取
り、16番目は1024−15=1009サンプル分の
相関を取ることになる。いわゆる部分相関であるが、1
6番目も2%以下の減衰にしかならないので、初期同期
を取る目的からすると問題にするほどではない。
【0077】(ii).メモリ部に1024+16タップ
(サンプル)分を記憶しておき、1〜16番目の高速コ
リレータを用いて1サンプル毎に読み出しを行う。これ
が終了すると次は17番目のサンプルから1〜16番目
の高速コリレータを用いて1サンプル毎に読み出しを行
い、同様の処理を繰り返して1040タップ分の読み出
しを行う。このようにすれば、全ての16個の高速コリ
レータは1024サンプル分、すなわち1シンボル分の
相関を得ることができる。
【0078】具体的な取り込みの仕方は、(i)の場合
と同様に、1番目の高速コリレータは最初から1024
サンプルまで、2番目の高速コリレータは2サンプル目
から1025サンプルまで行う。但しこの場合、メモリ
部からの読み出し速度と高速コリレータにおける演算速
度は16タップ分だけ速くする必要がある。また、最初
にメモリ部に蓄積すべきタップ数も1シンボル分より1
6サンプル多く蓄積しておく必要があり、メモリ容量が
僅かに増加する。上記の場合も各高速コリレータに与え
る拡散符号は、位相も含め同一である。
【0079】(iii).メモリ部からの読み出しは
(i)と同様に行う。全ての高速コリレータへの取り込
みも同じサンプルを同時刻に取り込む。但し、各高速コ
リレータへの拡散符号は1サンプル時間だけ位相を変化
させて与えている。すなわち、1番目の高速コリレータ
には1番目(1サンプル目と同じ)の符号から順次供給
し、2番目の高速コリレータには2サンプル目の符号か
ら順次供給し、最後は戻って1サンプル目で終了する。
3番目の高速コリレータ以降も同様に符号を供給する。
【0080】この場合の問題点は、シンボルをまたいで
相関を2番目の高速コリレータ以降は取ってしまうこと
になるが、ロングコードマスクシンボルでは、このシン
ボルのみショートコードで拡散されているため、他のシ
ンボルをたとえまたいでも、そのまたいだ部分は単に雑
音となるだけであり、また、その量も2%以下と極めて
低いので、初期同期を取る目的からすると問題にするほ
どではない。
【0081】(iv).上記方式ではメモリを1面しか用
意していない場合を記述したが、メモリが多面必要なこ
とは既に述べた通りであり、その数は少なくとも24面
以上必要である。メモリを22面用意し、先ず、10シ
ンボル分(1無線スロット)を前半の11面に蓄積す
る。蓄積が完了したら例えばサンプル速度の100倍の
速度(1.6GHz)で1シンボルの先頭からシンボル
毎に10シンボルの読み出しを開始する。この10シン
ボルの出力を10個の高速コリレータで受ける。この場
合、同一の拡散符号を使用する。
【0082】1シンボル分の読み出し及び高速コリレー
タにおける演算が終了したら、次のサンプルからまた1
シンボル分の処理を繰り返す。この動作が1024回完
了して1シンボル分の相関出力を10シンボル分得るこ
とになる。後半の11面のメモリマットにも、この時、
次の1無線スロット分(10シンボル分)の情報が貯え
られている。
【0083】ここで、前半の11面のメモリマットの内
の1番目の情報と後半の11面のメモリマットの1番目
の情報内容は同じとする。したがって、両者のメモリに
は同時書き込みが行われており、この1番目のメモリマ
ットの情報は、常に1無線スロットにおける1番目の情
報を構成していることになる。このことはメモリマット
が合計21面有れば、順次読み出しが完了したメモリマ
ットに新たな情報を書き込んで行けば良いことにもな
る。1無線スロットの処理が完了したら、2番目の無線
スロットについて、同じ高速コリレータを使用して新し
い情報の蓄積されている11面のメモリからの情報を用
いて同じ動作を繰り返せば次の無線スロットの相関が得
られる。
【0084】MFのハード規模は復調部の半分を占めて
いるので、これが従来のハード規模に比べて1/10に
なることはLSIの価格低減に極めて有効である。
【0085】次に、第2ステップとして、ロングコード
グループの特定について説明する。無線スロットの同期
が確立できれば、第2止まり木のロングコードマスクシ
ンボルがどこに存在するかは分かるのでその情報をメモ
リに取り込む。実際には、第1止まり木のロングコード
マスクシンボルと同じ位置に存在するので、取得する情
報は同一位置にて得られることになる。
【0086】そして、メモリに取り込んだ情報を、例え
ば、1GHz若しくは16GHzのクロックを用いて高
速に読み出す。具体的には、1サンプル目から1024
サンプル目まで順次読み出す。この場合、シンボル同期
が確立しているので、1サンプル目が必ずシンボルの先
頭になっている。メモリから読み出された情報を高速コ
リレータを用いて16種類の拡散符号を取り替えて処理
をすればどれかで相関が得られるので、ロングコードグ
ループの特定を行うことができる。このロングコードク
ループの特定には、1GHzのクロックで動作させたと
しても1つの高速コリレータにて僅か16μsで完了で
きる。尚、1シンボル時間は62.5μsである。
【0087】次に、第3ステップとして、ロングコード
の特定及びフレーム同期の確立について説明する。無線
スロットの同期が確立できれば、第1止まり木のパイロ
ットシンボルがどこに存在するかは分かるので、その情
報をメモリに取り込む。今度は2シンボル分情報を取り
込んでもよいし、遊んでいるメモリがあるのなら全パイ
ロットシンボルの4シンボル分取り込むようにしてもよ
い。
【0088】情報の取り込みが完了したら、第2ステッ
プの場合と同様に高速に読み出しを行う。位相差を含む
ロングコードの種類は1ロングコードクループ内に全部
で32通り、位相は16無線スロットの繰り返しになる
ので16通り存在するから、1つのコリレータでロング
コードを取り替えて行っても32(32種類)×16
(16位相)×4(4シンボル分のパイロット)×1
(1μs:1GHzクロック使用の場合1シンボル分
[1024サンプル]の相関を得るための時間)=20
48μs(約2ms)で特定できることになる。
【0089】通常のコリレータを用いて実時間でロング
コードの特定を実行すると、1シンボル時間(64μ
s)×32(32種類)×16(16位相)=3276
8μs(約33ms)に、パイロットシンボルが10シ
ンボルに4回しか存在しないため、2.5(10/4)
倍、すなわち80ms以上(約33ms×2.5)はか
かることになるので、従来のコリレータと比較して本回
路を用いれば、大幅な時間短縮が可能である。
【0090】以上説明したように、高速で処理しなけれ
ばならないのは、実は第1ステップのみであることが判
る。現実問題として2001年に実用化できるプロセス
(CMOS 0.18μm)を使用しても16GHzの
クロックを生成することは因難である。そこで、上述し
たように高速コリレータを複数用いれば達成可能である
が、その他の方法として、第1ステップの動作を時間的
に間引いて、ロングコードマスクシンボルを見出すまで
の時間を延ばして実行する方法が考えられる。
【0091】以下、理想状態でのそれぞれのステップで
の所要時間を表記する。条件は1GHzクロックが使用
可能な場合とする。 第1ステップ:0.625ms(従来の方式と同一) 第2ステップ:0.016ms(従来の方式では1無線
スロット0.625ms) 第3ステップ:2ms(従来では80ms)
【0092】現実的には、1つの処理に1無線スロット
は必然であるので、無線スロット単位で表記する。 第1ステップ:1(従来の方式と同一) 第2ステップ:1(従来の方式と同一) 第3ステップ:4(従来では32×16=512(51
2無線スロット×0.625ms=320ms)とな
り、更に正確に処理するためにはこの4から5倍は掛か
ることになる。) いずれにせよ、第3ステップの時間が主であり、本回路
では第3ステップの時間を大幅に短縮しているので、第
1ステップの時間をたとえ1桁上げても従来の方式に比
べればなお勝っていることになる。
【0093】次に、第1ステップの時間を1桁上げて、
例えば、10倍の時間を掛けて処理する場合の例につい
て説明する。メモリ部には10シンボル分のデータが取
り込み可能となっており、通常の速度16MHzのクロ
ックにてまず2シンボル分のデータを取り込む。読み出
しのクロックは1.6GHzとする。尚、高速コリレー
タの数を例えば10個に増やせば、読み出しのクロック
は160MHzで可能なのは前述した方式を用いれば良
い。
【0094】メモリ部からの情報を1個の高速コリレー
タで1.6GHzのクロックで受け取り、1.6GHz
のクロックで1シンボル分(1024サンプル)の演算
を行う。次に、1サンプルずらして同様の処理を行う。
これを1024回行い、1シンボル分の相関を取得す
る。また、メモリ部には上記2シンボル分(第1,2シ
ンボル)のデータに続いて次の2シンボル分(第3,4
シンボル)のデータを取り込む。そして、第2シンボル
と第3シンボルのデータを用いて第2シンボルの相関を
演算する。以降同様として第3〜10のシンボルについ
て相関を得る。
【0095】そして、上記10シンボル分の処理時間に
おいて、9シンボル分の処理が終了した段階で、1無線
スロットにおける次の10シンボル分の情報の内、2シ
ンボル目の情報をメモリに書き込み始め、最初の10シ
ンボル目の情報の読み出しが完了する時点で書き込みを
終了する。これを10回繰り返せば10シンボル分の全
ての相関を取得するのに、100シンボル分の時間、す
なわち10倍の時間かけて完了できる。これでも第1〜
第3ステップの合計は20無線スロット以下に収まるの
で、大幅な改善になる。
【0096】結局、現状のプロセスでも可能なクロック
160MHzでも、高速コリレータを10個、メモリを
2面用意すれば、初期同期時間を1/10以上の大幅な
改善が可能となる。更にメモリ部のマット数を増加すれ
ば上述の方式と(iv)の方式を合わせて行うことがで
き、更なる改善が可能である。特に、第3ステップの時
間改善に寄与する。
【0097】次に、DHO(ダイバーシティハンドオー
バー或いはダイバーシティハンドオフ)時の動作につい
て説明する。現在通信を行っている基地局(現基地局)
との通信環境が悪化した場合(多くの場合が通信を行っ
ている基地局から遠ざかって近接する基地局(近接基地
局)に近づいた状況となった場合)で、近接基地局との
通信をした方が良い通信環境が得られる場合に、先ず近
接基地局を探し出し、その近接基地局との交信を始める
が、現基地局からの情報と同じ情報を近接基地局から送
ってもらい、両者を受信する。すなわちセルダイバーシ
ティ受信を行い、両受信信号のレベルが所定値以上にな
るまで継続し、その後、現基地局との通信を切り、新し
い隣接基地局との交信状態に移行する。これをソフトハ
ンドオーバーとかソフトハンドオフと呼び、切れ目の無
い交信を可能とするものである。このように、セルダイ
バーシティ受信を行ってソフトハンドオーバー若しくは
ソフトハンドオフを行うことがDHOである。
【0098】ARIBの仕様では、全ての基地局は非同
期で動作している。そのため隣接基地局のチップ同期、
シンボル同期、無線スロット同期を確立する過程は、上
記初期同期の場合と同様の処理が必要になる。従って、
通常DHO用に新たにハードを増設することが行われて
いる。具体的には、別に1アンテナ分を使用し、それを
近接基地局に向けるとかの対策が取られている。ここで
は、ハードの空時間を利用し、DHOを行う方式を述べ
る。
【0099】尚、本DHOに対応していないハード構成
であっても、前述したように、多数のメモリとその情報
を逆変換(復調)する多数のスライディングコリレータ
とを設置してある。これらの数の最大は、移動機がスイ
ッチONした時に止まり木チャネルを捕捉する時であ
り、その動作が完了すればメモリもスライディングコリ
レータも多くは休止状態でよくなる。それをDHO時に
使用すれば、問題なくハンドオーバー先の基地局からの
情報を復調することができるものである。
【0100】次に、本回路を干渉キャンセラとして用い
る場合について図3、図4を用いて説明する。図3は、
本発明の実施の形態に係る相関回路を干渉キャンセラユ
ニットに用いた構成ブロック図である。図4は、本実施
の形態に係る干渉キャンセラユニットを用いた干渉キャ
ンセラの構成ブロック図である。干渉キャンセラユニッ
ト(ICU)は、図3にその構成を示すようにMFを備
え、更に干渉キャンセラは、図4に示すように、多数の
ICUから構成されているため、LSI規模の増大、L
SI個数の増大をもたらしている。
【0101】具体的には、ユーザ数×ステージ数×整数
倍のMFが必要であり、ユーザ数は300又は600、
ステージ数は少なくとも3、整数は少なくとも4又は
8、従って3000から10000のMFが必要とな
る。本実施の形態においては、上記MF部に高速演算処
理可能な本回路を実施し、MFの数を大幅に低減するも
のである。
【0102】また、図4に示すように、受信部(RX)
と2つの加算器(+)の後段にメモリ部を設け、受信部
及と遅延回路(Delay)又は複数のICUとの間、加算
器と遅延回路又は複数のICUとの間、加算器と複数の
ICUとの間で処理速度の時間変換を行うようになって
いる。従って、図3に示すマッチドフィルタ(MF)
は、通常のMFと比べて高速積和演算の処理を行うもの
である。
【0103】尚、本特許の基本概念はメモリによる時間
変換を使用した相関器にあり、以下の概念を取り込んで
もその効果に変わりはない。 (1)高速コリレータを用いた高速読み出し及び演算の
際の多層クロックによる、クロック速度の低減。この場
合、高速コリレータの本数は増加するので、消費電力の
低減には直接結びつかない。 (2)オーバーサンプリングの倍数の可変。初期状態
は、2倍て実施し、概略確定した後、4倍にするなど。 (3)高速コリレータ及びMF(積和演算器)構成を複
素型にする場合。複素高速コリレータ(複素型高速S
C)は、図8のように、原理的に4つの高速コリレータ
により構成されるが、工夫することにより、ハード規模
は4倍より少なくなり、約2倍の規模で構成可能であ
る。尚、図8は、本発明の実施の形態に係るスペクトラ
ム拡散通信回路における高速コリレータを複素型とした
場合の回路構成ブロック図である。但し、図8において
は、1つの複素型高速SC内に、コリレータは2個とな
っているのは、これはコリレータの前段で、拡散コード
を乗算したI,Q信号の加減算を行うようにしているた
め、4つのI,Q信号について4つのコリレータを用い
る必要がなくなり、2個のコリレータで処理可能となっ
たものである。
【0104】つまり、複素乗算の場合、以下の式に示す
ような、時間加算を行うものである。 (AI +jAQ )(CI +jCQ ) =AII −AQQ +j(AIQ +AQI ) 複素でない場合の1つのコリレータでは、ACの時間加
算を行っているが、複素の場合、本来、4つのコリレー
タを用い、AII 、AQQ、AIQ 、AQIの時
間加算を行ってから加減算を行うようにすると、理論的
には4つのコリレータを必要とするが、図8に示す例で
は、AII −AQQとAIQ +AQI を演算して
から、時間加算を行えば、ハード規模を減少可能とする
ものである。
【0105】尚、図8の内容を説明すると、複素型の場
合の構成は、スペクトラム拡散信号を入力し、アナログ
信号をデジタル信号に変換する6bitA/D変換器8
1がI相信号とQ相信号とに対応して設けられ、この6
bitA/D変換器81から出力されるデジタル信号を
保持し、高速に出力するメモリ部82がそれぞれ設けら
れ、更に複素型SC80a,80b,80cに入力され
るデータ及びコードその他の信号のタイミングをクロッ
ク(CLK)によって調整するラッチ回路83が複数設
けられている。
【0106】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡
散通信用相関回路によれば、スペクトラム拡散された受
信信号を16MHzのクロックでA/D変換してメモリ
部に1シンボル分書き込み、100〜1000倍の1.
6GHz〜16GHzのクロックで1シンボル分のデー
タを複数回読み出すと共に、次の1シンボル分のデータ
をメモリ部に書き込みつつ、読み出した1シンボル分の
データを高速コリレータで高速演算処理を行うようにし
ているので、構成素子数を小規模にして相関出力を得る
ことができる効果がある。
【0107】
【実施例】次に、本回路を用いた復調部の具体的且つ基
本的な回路構成について図5を用いて説明する。図5
は、本発明の実施例に係るスペクトラム拡散通信用相関
回路の復調部の具体的構成ブロック図である。本実施例
の復調部は、図5に示すように、アンテナ51と、RF
部52と、A/D変換器53と、メモリ部54と、第1
の高速コリレータ55と、拡散符号発生器56と、プロ
ファイラ57と、第2の高速コリレータ58と、RAK
E合成器59と、データ及び音声処理部60と、制御部
61と、フィンガメモリ62とから基本的に構成されて
いる。
【0108】次に、図5に示した復調部の各部について
具体的に説明する。アンテナ51は、通常2本用意さ
れ、ダイバーシティ受信を行う。ダイバーシティ受信と
は、2本のアンテナで同一送信信号を受信し、復調した
結果を合成し受信感度の向上を図るものである。
【0109】RF(Radio Frequency:無線周波数)部
52は、ベースバンド(BB)信号を作成(復調)する
ものであり、直交検波を行いI成分(同相成分)とQ成
分(直交成分)に分離する。
【0110】A/D変換器53は、RF部52からのB
Bアナログ信号をデジタル信号に変換する。変換ビット
数は4〜6ビット必要である。変換周波数は、4倍オー
バーサンプリングであればW−CDMA(広帯域CDM
A)の場合には16MHzとなる。I/Q信号、アンテ
ナ毎に対し、それぞれ1個のA/D変換器が必要になる
が、高速処理が可能であれば、時分割処理を行わせるこ
とで1個のA/D変換器で足りることになる。
【0111】メモリ部54は、A/D変換器53で変換
されたデジタル信号を少なくとも1シンボル分以上であ
ってシンボル単位で保持し、それを高速で読み出すもの
である。書き込み速度は、チップ速度の1〜4倍程度、
読み出し速度は、その10倍以上は必要である。この処
理で、いわゆる時間変換を行う。具体的には、少なくと
も48シンボル〜100シンボル分のメモリ容量が必要
である。尚、高速コリレータの替わりにMF(マッチド
フィルタ)を用いる場合は、シンボル単位での一斉読み
出しが要求される。また、DHO用として、メモリ部5
4′を備えている。
【0112】第1の高速コリレータ(Digital SC)55
は、メモリ部54に保持されているスペクトラム拡散さ
れた信号と拡散符号発生器56からの拡散符号を取り込
み、その積和演算を1シンボル単位に行う。チップレー
トに比べ高速動作が行われる。また、第2の高速コリレ
ータ(Digital SC)58も第1の高速コリレータ55と
同様の動作を行うが、第2の高速コリレータの演算結果
はプロファイラ57に出力されるようになっている。
尚、第2の高速コリレータ58の替わりにマッチドフィ
ルタ(MF)を用いるようにしても構わない。また、D
HO用として、高速コリレータ58′を備えている。
【0113】拡散符号発生器56は、制御部61からの
指示により、指定された拡散符号を指定された位相で送
出する。尚、拡散符号発生器の替わりに拡散符号を格納
するレジスタであってもよい。
【0114】プロファイラ57は、第2の高速コリレー
タ58(若しくはMF)からの出力を取り込み演算を行
い、パスを特定する。これにより初期同期の段階では、
チップ同期、シンボル同期、無線スロット同期、フレー
ム同期を取ることができ、基地局の特定が可能になる。
また、接続先基地局が決まった通信状態においては、パ
スの検出を行う。これらの情報は制御部61に送られ、
制御部61から第1の高速コリレータ55、メモリ部5
4、拡散符号発生器56に指示が出力される。また、D
HO用として、プロファイラ57′を備え、DHO時に
は、隣接基地局の特定とそのパスの特定を行う。
【0115】第2の高速コリレータ58の替わりに用い
られるMFは、スペクトラム拡散された信号と拡散符号
を取り込み、その積和演算を1シンボル単位に行う。チ
ップレートに比べ高速動作が行われる。高速動作をする
ことにより複数のメモリからの情報を極めて高速に処理
できるようになるので、干渉キャンセラへの応用が可能
になる。
【0116】RAKE合成部59は、フィンガメモリ6
2に取り込まれた第1の高速コリレータ55からの相関
出力を、パイロットシンボルを用いた位相補正を実施
し、その後、複数パスの合成(RAKE合成)を行うも
のである。また、RAKE合成部59には、この他、受
信信号と周波数を合わせる為のAFC、受信信号と雑音
(他信号からの干渉を含む)の割合か現在どうなってい
るかを測定するSIR測定部などか含まれる。
【0117】データ及び音声処理部60は、誤り訂正を
行うため送信側で実施した各種信号処理の逆変換(復
調)を行う。これにはデインタリーブ、ビタビ復号、C
RCデコーダ、リードソロモン複号(又はターボ復
号)、音声CODECなとが存在する。
【0118】以上、詳細に説明した通り、本発明の実施
の形態に係るスペクトラム拡散通信用相関回路によれ
ば、少ないゲート規模でCDMAの復調回路を構成で
き、近い将来に、小規模で相関が得られる移動体端末用
のLSIを開発することができる効果がある。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、受信されたスペクトラ
ム拡散された信号を書き込みと読み出しが同時に行うこ
とができ、しかも書き込み速度より高速に読み出すこと
ができるメモリ部を備え、当該メモリ部から高速に信号
を取り込んで高速コリレータにて高速に積和演算を行う
スペクトラム拡散通信用相関回路としているので、構成
素子を小規模にして相関を得ることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通
信用相関回路の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る別のスペクトラム拡
散通信用相関回路の構成ブロック図である。
【図3】本回路を干渉キャンセラユニットに用いた場合
の構成ブロック図である。
【図4】本回路を干渉キャンセラに用いた場合の構成ブ
ロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通
信用回路の具体的一実施例を示す構成ブロック図であ
る。
【図6】従来のスライディングコリレータの一部分の構
成ブロック図である。
【図7】従来のマッチドフィルタの構成ブロック図であ
る。
【図8】本発明の実施の形態に係るスペクトラム拡散通
信回路における高速コリレータを複素型とした場合の回
路構成ブロック図である。
【符号の説明】
11,21,31,41…A/D変換器、 12,22
…制御部、 13,23…コード発生器、 15,25
…サンプルホールド(S/H)回路、 16,26…高
速コリレータ、 20…2ポートメモリ、 24,27
…アドレスデコーダ、 28…センスアンプ、 32,
42…乗算器、 33,43…PNコードレジスタ、
34,44…加算器、 35…遅延回路、 45…サン
プルホールド(S/H)回路、 51…アンテナ、 5
2…RF部、 53…A/D変換器、 54…メモリ
部、 55…第1の高速コリレータ、 56…拡散符号
発生器、 57…プロファイラ、 58…第2の高速コ
リレータ、 59…RAKE合成部、 60…データ及
び音声処理部、 61…制御部、 62…フィンガメモ
リ、 81…6bitA/D変換器、 82…メモリ
部、 83…ラッチ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安成 健次郎 東京都中野区東中野三丁目14番20号 国際 電気株式会社内 Fターム(参考) 5K022 EE02 EE33 EE36 5K047 AA02 BB01 GG34 HH15 MM24 MM33 MM36 MM38 MM45

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトラム拡散された受信信号をメモ
    リに書き込み、書き込まれたスペクトラム拡散された信
    号を書き込み速度より高速に前記メモリから読み出して
    拡散符号と積和演算を高速に行う処理を複数回繰り返す
    ことを特徴とするスペクトラム拡散通信用相関回路。
  2. 【請求項2】 スペクトラム拡散された信号を受信する
    1つ以上の受信部と、前記受信したスペクトラム拡散さ
    れた信号を保持する1つ以上のメモリ部と、前記メモリ
    部に保持された信号と拡散符号との乗算を行う1つ以上
    の乗算部と、前記乗算結果を加算する1つ以上の加算部
    とを備え、 前記1つ以上の受信部から入力されるスペクトラム拡散
    された信号をチップ時間或いは当該チップ時間より短い
    時間で時間分割し、時間分割した信号を前記メモリ部に
    少なくとも1シンボル分以上保持し、当該保持後に前記
    チップ時間より短い時間より更に短い時間で高速に読み
    出し、前記乗算部にて拡散符号との乗算を行い、当該乗
    算結果を前記加算部で加算して相関を得ることを特徴と
    するスペクトラム拡散通信用相関器。
  3. 【請求項3】 メモリ部は、書き込みと読み出しが同時
    に、しかも異なる時間幅で行うことができる2ポートメ
    モリであることを特徴とする請求項2記載のスペクトラ
    ム拡散通信用相関器。
  4. 【請求項4】 乗算部は、1ビットの拡散符号と多ビッ
    トのスペクトラム拡散された信号とを乗算する乗算器で
    あり、拡散符号が「1」であれば多ビットをそのまま出
    力し、拡散符号が「0」であれば多ビットの反転を出力
    する論理により動作する乗算器であることを特徴とする
    請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
  5. 【請求項5】 加算部は、多ビットの加算器と、前記加
    算器からの出力を入力として1刻み時間だけ遅延させて
    前記加算器に戻す遅延素子とを有する累加算器であるこ
    とを特徴とする請求項2記載のスペクトラム拡散通信用
    相関器。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のスペクトラム拡散通信用
    相関器を2組設け、前記相関器における受信部を共通と
    し、前記受信部で検波されたスペクトラム拡散された信
    号の直交検波信号の同相成分(I)と直交成分(Q)と
    を、異なる拡散符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算
    することを特徴とするスペクトラム拡散通信用相関器。
  7. 【請求項7】 請求項1のスペクトラム拡散通信用相関
    器を4組設け、2組をペアとして、当該ペアの相関器に
    おける受信部を共通とし、前記受信部で検波されたスペ
    クトラム拡散された信号の直交検波信号の同相成分
    (I)と直交成分(Q)とを、各ペア内で第1、第2の
    異なる拡散符号にて乗算し、各々の乗算結果を加算して
    得られた4つの相関出力を前記第1の拡散符号で演算し
    た結果同士と前記第2の拡散符号で演算した結果同士と
    を各々加算して合成することを特徴とするスペクトラム
    拡散通信用相関器。
  8. 【請求項8】 メモリ部は、書き込みと読み出しが同時
    にしかも異なる時間幅で行うことができる2ポートメモ
    リであり、読み出しは1シンボル分一時に多タップ及び
    多ビットで読み出し可能なメモリであることを特徴とす
    る請求項2記載のスペクトラム拡散通信用相関器。
  9. 【請求項9】 乗算部は、1ビットの拡散符号と多ビッ
    トのスペクトラム拡散された信号の多タップ数分とを乗
    算する乗算器であり、拡散符号が「1」であれば多ビッ
    トをそのまま出力し、拡散符号が「0」であれば多ビッ
    トの反転を出力する論理より動作する複数の乗算器であ
    ることを特徴とする請求項8記載のスペクトラム拡散通
    信用相関器。
  10. 【請求項10】 加算部は、複数の多ビットの加算器で
    あり、乗算部で為された多タップの乗算結果を加算する
    複数加算器であることを特徴とする請求項9記載のスペ
    クトラム拡散通信用相関器。
  11. 【請求項11】 スペクトラム拡散されたアナログの受
    信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジ
    タルに変換された信号について少なくとも1シンボル分
    以上をチップ時間或いは当該時間より短い時間で時間分
    割して書き込んで保持し、前記書き込み速度より高速に
    前記時間分割して保持したサンプル毎に順次読み出す複
    数のサンプルホールド回路と、拡散符号を発生させるコ
    ード発生器と、前記サンプルホールド回路から1シンボ
    ル分の信号をサンプル毎に高速に順次入力し、前記コー
    ド発生器から入力される拡散符号と高速に積和演算する
    高速コリレータと、前記複数のサンプルホールド回路に
    1シンボル分以上の信号を書き込ませ、前記サンプルホ
    ールド回路から書き込み速度より高速にサンプル毎に前
    記高速コリレータに信号の読み出しを開始させると共
    に、前記複数のサンプルホールド回路に次の1シンボル
    分以上の信号の書き込みを開始させる制御部とを有する
    ことを特徴とするスペクトラム拡散通信用相関回路。
  12. 【請求項12】 スペクトラム拡散されたアナログの受
    信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジ
    タルに変換された信号について少なくとも1シンボル分
    以上をチップ時間或いは当該時間より短い時間で時間分
    割して書き込んで保持し、前記書き込み速度より高速に
    前記時間分割して保持したサンプル毎に順次読み出す2
    ポートメモリと、拡散符号を発生させるコード発生器
    と、前記2ポートメモリから1シンボル分の信号をサン
    プル毎に高速に順次入力し、前記コード発生器から入力
    される拡散符号と高速に積和演算する高速コリレータ
    と、前記2ポートメモリに1シンボル分以上の信号を書
    き込ませ、前記2ポートメモリから書き込み速度より高
    速にサンプル毎に前記高速コリレータに信号の読み出し
    を開始させると共に、前記2ポートメモリに次の1シン
    ボル分以上の信号の書き込みを開始させる制御部とを有
    し、 前記2ポートメモリが、スペクトラム拡散された信号を
    保持する複数のメモリセルと、前記制御部からの指示に
    より前記A/D変換器からの信号を該当するメモリセル
    に書き込む第1のアドレスデコーダと、前記制御部から
    の指示により該当するメモリセルから書き込み速度より
    高速に信号を読み出す第2のアドレスデコーダと、前記
    第2のアドレスデコーダからの出力を増幅するセンスア
    ンプとを備える2ポートメモリであることを特徴とする
    スペクトラム拡散通信用相関回路。
  13. 【請求項13】 受信されたスペクトラム拡散された信
    号の直交検波信号の同相成分(I)と直交成分(Q)と
    に対して各々マッチドフィルタを有する干渉キャンセラ
    ユニットを複数備える干渉キャンセラにおいて、前記マ
    ッチドフィルタの前段に書き込みと読み出しが同時に、
    しかも書き込み速度より高速に読み出すことができるメ
    モリを設け、前記マッチドフィルタが、前記メモリから
    高速に読み出される信号を高速に演算処理するマッチド
    フィルタであることを特徴とする干渉キャンセラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1248381A3 (en) * 2001-04-03 2004-02-11 Hitachi Kokusai Electric Inc. Correlation circuit for spread spectrum communications systems
JP7450367B2 (ja) 2019-11-11 2024-03-15 三菱電機株式会社 同期捕捉回路

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EP1248381A3 (en) * 2001-04-03 2004-02-11 Hitachi Kokusai Electric Inc. Correlation circuit for spread spectrum communications systems
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