JP2000048725A - 陰極線管の製造方法 - Google Patents

陰極線管の製造方法

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JP2000048725A
JP2000048725A JP10213882A JP21388298A JP2000048725A JP 2000048725 A JP2000048725 A JP 2000048725A JP 10213882 A JP10213882 A JP 10213882A JP 21388298 A JP21388298 A JP 21388298A JP 2000048725 A JP2000048725 A JP 2000048725A
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electron
electron guns
cathode ray
cathode
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Toru Takahashi
亨 高橋
Noriyuki Miyamoto
紀幸 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の画面を連続的に繋いで1つの画面を構成
する陰極線管の製造方法において、複数の電子銃の状態
差を最小限にすることが可能な陰極線管の製造方法を提
供することにある。 【解決手段】複数のネック内に電子銃をそれぞれ配置
し、複数の電子銃のヒータを直列に接続する。真空外囲
器内を排気しながら、複数のヒータに電流を供給し、複
数の電子銃の全てのカソードをほぼ同時に加熱分解処理
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は陰極線管の製造方
法、特に、1つのフェースプレートに対して複数個の電
子銃を設け、各電子銃から放出される電子ビームによ
り、1つの蛍光体スクリーンを複数の領域に分割して走
査し、各領域に描かれる画像を合成して1つの大きな画
像を描写する陰極線管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高品位放送用あるいはこれに伴う
大画面をもつ高解像度陰極線管が望まれており、そのス
クリーン表示性能については一段と厳しい性能が要望さ
れている。これらの要望を達成するためには、スクリー
ン面の平坦化、高解像度化、偏向収差低減が必須であ
り、同時に、陰極線管の軽量、薄型化も図る必要があ
る。
【0003】このような要望を満たす陰極線管として、
特開平5−36363号公報には、平坦なフェースプレ
ートの内面に形成された一体構造の蛍光体スクリーン
を、複数個の電子銃から射出される電子ビームを複数個
の偏向装置により偏向し複数個の領域に分割して走査す
るようにした陰極線管が示されている。
【0004】この陰極線管によれば、一体化構造の蛍光
体スクリーンが形成された平坦なフェースプレートと、
側壁を介してフェースプレートに対向配置された平坦な
リアプレートと、リアプレートに接合された複数のファ
ンネルと、各ファンネルに接合されたネックと、により
真空外囲器が構成されている。そして、各ネック内には
電子銃が封止されている。この電子銃は少なくとも1つ
のカソードを備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
構成を有する陰極線管を製造することは極めて難しいと
いう問題がある。すなわち、通常の陰極線管では、蛍光
体スクリーンの形成された1個のフェースパネルと、こ
のフェースパネルに溶着されているとともにネックを有
する1個のファンネルと、によって真空外囲器が構成さ
れ、ネック内には1つの電子銃が封止されている。
【0006】このような一般的な陰極線管を製造する場
合、フェースパネルとファンネルとをガラスにより接合
して外囲器を形成する。次に、ファンネルのネック内に
電子銃を挿入し、この電子銃に取付けられた排気管付き
ステムをネックに融着する。その後、排気管を介して外
囲器内を排気し、十分に排気された段階で、排気管を融
着して閉じる(チップオフ)。この際、排気効率を上げ
るために陰極線管を加熱しながら行うのが通常である。
【0007】また、電子銃の電子源であるカソードから
電子ビームを発生させるためには、真空中でライティン
グと呼ばれるカソードの加熱分解処理を行う必要があ
る。具体的には、外囲器の排気中の高真空時、カソード
に隣接配置されたヒーターに通電してカソードを加熱
し、電子放出物質を炭酸塩から酸化物に分解させる。通
常、酸化物陰極と呼ばれるカソードでは、上述した加熱
分解の際、 (Ba,Sr,Ca)C03 →(Ba,Sr,Ca)C
0+C02 とあらわせる反応が生じる。
【0008】この時、上記式からも明らかなようにカソ
ードの加熱分解処理により炭酸ガスが発生する。通常こ
のライティングは排気中に行われるため、発生する炭酸
ガスはそのまま排気管から外囲器の外へ排気されるため
問題とならない。
【0009】更に、排気した陰極線管は、カソードの電
子放出機能を安定かつ確実にするため、いわゆるエージ
ングを行う。一般に、エージング処理の目的は、1)カ
ソードの熱電子放出特性を更に向上、安定させる、2)
管内電極に電子ビームを照射し、電子エネルギにより電
極に付着した汚れやガスを分解、遊離させ、ゲッタに吸
着させる、3)管内に存在して、そのままではゲッタに
吸着されない炭化水素ガス、主としてメタンを電子ビー
ムの衝撃によりイオン化してゲッタに吸着させる、4)
電子銃電極にパルス状の電圧を加え、電子銃電極のバ
リ、ゴミ等を削除する耐圧処理、等の多岐に亘ってい
る。
【0010】一方、上述したような一体化構造の蛍光体
スクリーンを持つフェースプレートと、複数個のネック
と、複数の電子銃とを有する陰極線管では、次のような
方法で画像を形成する。すなわち、各電子銃から放出さ
れた電子ビームは、各ファンネル部に配置された偏向ヨ
ークによりそれぞれ走査され、分割された画像を描く。
この分割された画像がフェースプレートに形成された蛍
光体スクリーン上で繋ぎ合わされ、合成された1つの大
きな画面を構成する。
【0011】このような陰極線管の場合、問題となるの
は分割された各画像間の繋ぎ目が観察者に見えてしまう
事である。繋ぎ目が見えてしまう原因は複数あるが、そ
の内の1つとして電子銃特性が挙げられる。つまり、外
囲器内に複数配置された電子銃から放出された電子ビー
ムは、蛍光体スクリーンの各分割領域でそれぞれR、
G、Bを発光させる事になる。その際、隣接した領域間
で、対応する電子銃のカソードの状態にバラツキが発生
していると、これらの電子銃について同じ電圧制御を行
った場合でもカソードの特性にバラツキが生じる。そし
て、このバラツキにより、最終的に蛍光体スクリーンに
照射されるビーム量がバラツクことになり、このビーム
量のバラツキは輝度のバラツキとして蛍光体スクリ一ン
上に現れてしまう。
【0012】このような輝度のバラツキが隣り合う領域
間で生じると、例えば、同じ輝度の画像を隣り合った領
域に跨って表示する場合、双方で輝度が一致せず、その
結果、分割された領域間の繋ぎ目が観察者に見えてしま
うことになる。このような繋ぎ目の認知は、観察者にと
って常に不自然な映像をもたらし、好ましくない。
【0013】陰極線管の出荷時にある程度の輝度補正を
行うにしても、そのバラツキが大きければ補正困難とな
る。また、補正できたとしても、補正幅が大きければそ
れだけ大きな補正回路が必要となり、製造コストの上昇
を招く。このような理由から、陰極線管の製造時、複数
の電子銃の状態差を最小限にする必要が有る。
【0014】この発明は以上の点に鑑みなされてもの
で、その目的は、蛍光体スクリーンをもつ1個のフェー
スプレートに対して複数個の電子銃を配置し、各電子銃
から放出された電子ビームを走査することにより、複数
の画面を連続的に繋いで1つの画面を構成する陰極線管
の製造方法において、複数の電子銃の状態差を最小限に
することが可能な陰極線管の製造方法を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る陰極線管の製造方法は、蛍光体スク
リーンの形成されたフェースプレートを有する真空外囲
器と、上記真空外囲器内に設けられているとともに、上
記蛍光体スクリーンを複数に分割した各分割画面毎に電
子ビームを照射する複数の電子銃と、を備え、上記複数
の電子銃は、電子放出源を構成するカソードと、上記カ
ソードを加熱するヒータと、をそれぞれ備えている陰極
線管の製造方法において、上記真空外囲器内に配設され
た全ての電子銃のカソードをほぼ同時に加熱分解処理す
ることを特徴とするものである。
【0016】この場合、上記全電子銃の全てのヒータを
直列に接続して通電し、全電子銃のカソードをほぼ同時
に加熱分解処理することを特徴としている。上記のよう
に、真空外囲器内に配設された複数の電子銃のヒータを
直列に接続して加熱分解処理を行うことにより、各ヒー
タには同じ電流が印加され、各ヒータの温度も同一とな
る。そのため、カソードの加熱分解処理も同時に進行
し、全てのカソードについて同一条件で加熱分解処理が
行われる。その結果、全てのカソードの状態は均一化さ
れ、電子ビームの量は各電子銃間でほぼ同一となる。こ
れにより、分割画面間の輝度のバラツキを最小限に抑
え、高品位の画像表示が可能となる。
【0017】この発明に係る陰極線管の製造方法は、蛍
光体スクリーンの形成されたフェースプレートを有する
真空外囲器と、上記真空外囲器内に設けられているとと
もに、上記蛍光体スクリーンを複数に分割した各分割画
面毎に電子ビームを照射する複数の電子銃と、を備え、
上記各電子銃は、電子放出源を構成するカソードと、上
記カソードを加熱するヒータと、複数の電極と、をそれ
ぞれ備えている陰極線管の製造方法において、上記真空
外囲器内に設けられた複数の電子銃をほぼ同時にエージ
ング処理することを特徴とすることを特徴としている。
この場合、上記複数の電子銃の各電極をそれぞれ機能体
単位で互いに並列に接続して電圧を印加し、全電子銃を
ほぼ同時にエージングすることを特徴としている。
【0018】上記製造方法によれば、エージングを行う
際、真空外囲器内に配置された複数の電子銃の各電極に
は、それぞれ同一機能体単位では同じ電圧が印加され
る。そのため、各電極は、各機能体単位ではその処理条
件が同一となる。従って、エージングによる作用効果、
つまり、カソードの電子放出特性を向上、安定させ、各
電極に電子ビームを当て、電極に付着しているバリ、ゴ
ミ、ガス等を電子エネルギにより分解、遊離させ、ゲッ
タに吸着させて除去、という効果が各電子銃について同
時に進行する。その結果、複数の電子銃の状態が均一化
され、電子ビームの量は、各電子銃の間でほぼ同一とな
り、分割画面間の輝度のバラツキを最小限に抑え、高品
位の画像表示が可能となる。同時に、複数の電子銃をほ
ぼ同時に処理できるため、作業効率の向上を図ることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明を
実施の形態に係る陰極線管の製造方法について詳細に説
明する。まず、製造される陰極線管の構成について説明
する。図1および図2に示すように、陰極線管は真空外
囲器5を備え、この真空外囲器は、実質的に矩形状の平
坦なフェースプレート1と、このフェースプレート1の
周縁部に接合され、フェースプレート1に対して実質的
に垂直に延在する枠状の側壁2と、側壁2に接合されフ
ェースプレート1と平行に対向配置された実質的に矩形
状の平坦なリアプレート3と、リアプレート3に接合さ
れた複数個のファンネル4と、を有している。各ファン
ネル4にはネック6が接合されている。
【0020】リアプレート3には、複数個、例えば、2
0個の矩形状の開孔9がマトリックス状に並んで形成さ
れ、例えば、横5列、縦4列に並んで設けられている。
複数個のファンネル4は、それぞれ対応する開孔9を囲
むようにリアプレート3の外面に接合され、水平方向
(X方向)に5個、垂直方向(Y方向)に4個、計20
個設けられている。
【0021】フェースプレート1の内面には、青、緑、
赤に発光する垂直方向に延びたストライプ状の3色蛍光
体層と、この3色蛍光体層間に設けられたブラックスト
ライプ(光遮蔽層)と、を有する一体構造の蛍光体スク
リーン8が形成されている。また、真空外囲器5内に
は、蛍光体スクリーン8に対向して、平坦なシャドウマ
スク7が配置されている。シャドウマスク7には、多数
の電子ビーム通過孔が形成されている。
【0022】フェースプレート1とリアプレート3との
間には、これらフェースプレート1およびリアプレート
3に加わる大気圧荷重を支える複数個の金属柱からなる
プレート支持部材12が配置されている。
【0023】複数個のファンネル4に設けられた各ネッ
ク6内には、蛍光体スクリーン8に向けて電子ビームを
放出する電子銃14が配設され、真空外囲器5内には合
計20個の電子銃が配設されている。更に、各ネック6
の外側には偏向装置16が装着されている。
【0024】図3に示すように、各電子銃14は3本の
電子ビームを放出するタイプであり、電子放出源として
の3つのカソード20と、各カソードに隣接して配設さ
れたヒータ22と、複数の電子レンズ24等と、を備え
て構成されている。従って、真空外囲器5内には、合計
60個のカソード20が設けられている。
【0025】上記のように構成された陰極線管では、電
子銃14から放出される電子ビームは、偏向装置16の
発生する磁界により水平方向および垂直方向に偏向さ
れ、シャドウマスク7を介して蛍光体スクリーン8を複
数個の分割画面、図示例では水平方向に5個、垂直方向
に4個、計20個の領域R1〜R20に分割して走査す
る。そして、この分割走査によって蛍光体スクリーン8
上に描かれる複数の分割画像は、電子銃14や偏向装置
16に印加される信号により繋がり、蛍光体スクリーン
8の全面に切れ目のない1つの大きな画像を再生する。
【0026】次に、以上のように構成された陰極線管の
製造方法について説明する。まず、プレート支持部材1
2およびシャドウマスク7をセットした状態で、フェー
スプレート1、側壁2、リアプレート3、ネック6内に
電子銃14が配置されたファンネル4をフリットガラス
により接合して外囲器5を形成した後、外囲器5内を排
気する。図2に示すように、排気工程では、外囲器5の
側壁2部分に排気管26および真空ポンプ28を接続す
る。この状態で真空ポンプ28を駆動することにより、
外囲器5内を排気する。排気工程時、外囲器5内のガス
放出を短時間に効率よく行わせるため、外囲器全体を加
熱しながら排気を行う。
【0027】この際、外囲器5内の真空度がある程度良
くなったところで、電子銃14のヒータ21に通電し、
カソード20のライティング、つまり、加熱分解処理を
行う。ヒータ21に印加する電流は、通常陰極線管が使
用される場合に流れる電流よりも小さい電流量から開始
し、順次電流量を増大させる。そして、最終的には、通
常陰極線管を使用する電流よりもやや大きい電流をヒー
ター21に印加し、加熱分解処理を行う。
【0028】また、この熱分解処理は、複数の電子銃1
4の全てのカソード20について同時に行う。詳細に
は、図3に示すステム30に設けられヒータ21に電流
を供給するステムピン31を複数の電子銃14間に直列
に接続することにより、電子銃14の全てのヒータ21
を直列に接続する。すなわち、図2に示すように、蛍光
体スクリーンR1、R2、R3〜R20に対応する電子
銃14のヒータ21を順次直列に接続し、その両端を電
源32に接続する。
【0029】この状態で、電源30から各ヒータ21に
電流を印加してヒータを加熱し、各カソード20を加熱
分解処理する。この場合、各ヒータ21に流れる電流は
同一となり、その結果、全てのヒータ21の温度を容易
に同一の温度に制御することができる。そのため、各カ
ソード20の加熱分解処理も同時に、かつ、同一の条件
で進行する。そして、これらカソード20の加熱分解処
理が終了した後、排気管をチップオフし、真空外囲器5
内の真空度を維持する。
【0030】以上のように、真空外囲器5内に配設され
た複数の電子銃14のヒータ21を直列に接続してカソ
ード20の加熱分解処理を行うことにより、全てのカソ
ードについてほぼ同時に、かつ、同一条件で加熱分解処
理を行うことができる。その結果、全てのカソード20
の状態は均一化され、電子ビームの量は各電子銃14間
でほぼ同一となる。これにより、分割画面間の輝度のバ
ラツキを最小限に抑え、高品位の画像表示が可能な陰極
線管を得ることができる。
【0031】次に、この発明の他の実施の形態に係る陰
極線管の製造方法について説明する。製造する陰極線管
の構成は、上述した実施の形態と同一であり、その詳細
な説明は省略する。この製造方法によれば、まず、図4
に示すように、プレート支持部材12およびシャドウマ
スク7をセットした状態で、フェースプレート1、側壁
2、リアプレート3、ネック6内に電子銃14が配置さ
れたファンネル4をフリットガラスにより接合して外囲
器5を形成した後、外囲器5内を排気する。
【0032】排気工程では、外囲器5の側壁2部分に排
気管26および真空ポンプ28を接続する。この状態で
真空ポンプ28を駆動することにより、外囲器5内を排
気する。排気工程時、外囲器5内のガス放出を短時間に
効率よく行わせるため、外囲器全体を加熱しながら排気
を行う。この際、外囲器5内の真空度がある程度良くな
ったところで、電子銃14のヒータ21に通電し、カソ
ード20の加熱分解処理を行う。
【0033】真空外囲器5の排気が終了した後、真空外
囲器内のガスを除去するためゲッターを飛ばし、その
後、いわゆるエージングを行う。このエージングは、カ
ソードの電子放出特性の向上、安定、確実にするため、
ヒータや電子銃の各電極または必要な電極のみに直流状
の電圧を印加したり、電子銃14の電極類に付着したゴ
ミ、バリによって管内放電が生じることを防止するた
め、通常陰極線管の使用時に陽極に印加する最高電圧の
2〜3倍程度のパルス状高電圧を各電極に印加し、耐圧
処理を行うものである。
【0034】また、エージングは全ての電子銃14につ
いてほぼ同時に行う。詳細には、全ての電子銃14の電
極をそれぞれ各機能体単位で並列に接続する。具体的に
は、図5に示すように、各電子銃14が取り付けられて
いるステム30には、電圧を供給するステムピン31が
設けられており、例えば、G1電極に対応するステムピ
ン31a同志、およびG4電極に対応するステムピン3
1b同志を並列に接続する。この際、蛍光体スクリーン
の分割画面R1、R2、R3ないしR20に対応する電
子銃14を並列に接続し、その両端に電源30を接続す
る。この状態で、電源32から各電子銃14に電圧を印
加して全ての電子銃をほぼ同時にエージングする。
【0035】この場合、電子銃14の複数の電極は、そ
れぞれ各機能体単位で印加される電圧が同一となり、そ
の結果、各電子銃の状態を同一に制御することができ
る。そのため、エージングによる効果、すなわち、各電
極に電子ビームを当て、電極に付着した汚れやガスを電
子エネルギによって分解、遊離させ、ゲッタに吸着させ
る、という効果も全ての電子銃14でほぼ同時に進行
し、各電子銃は同一の状態にエージングされる。
【0036】以上のような製造方法においても、真空外
囲器内に配設された複数の電子銃14を同時にエージン
グすることにより、全ての電子銃の状態が均一化され、
電子ビームの量は各電子銃14間でほぼ同一となる。こ
れにより、分割画面間の輝度のバラツキを最小限に抑
え、高品位の画像表示が可能な陰極線管を得ることがで
きる。また、複数の電子銃をほぼ同時に処理できるた
め、製造効率の向上を図ることができる。
【0037】なお、この発明の陰極線管の製造方法は、
カソードとして酸化物電極あるいは含浸型の電極のいず
れを用いた陰極線管にも適用可能である。また、この発
明の製造方法は、シャドウマスクを持たない陰極線管、
および蛍光体スクリーンの分割数が異なる他の陰極線管
にも適用可能である。更に、電子銃のカソード数が異な
る陰極線管にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、複数の電子銃のカソードをほぼ同時に熱分解処理す
ることにより、あるいは、複数の電子銃をほぼ同時にエ
ージングすることにより、全ての電子銃の特性を均一化
し、分割画面の輝度のバラツキを低減した陰極線管を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る製造方法を適用す
る陰極線管の一例を示す斜視図。
【図2】上記陰極線管を一部破断して示す側面図。
【図3】上記陰極線管の電子銃を概略的に示す図。
【図4】この発明の他の実施の形態に係る製造方法を説
明するための、図2に対応の陰極線管の側面図。
【図5】エージング時における複数の電子銃の接続状態
の一例を概略的に示す図。
【符号の説明】
1…フェースパネル 3…リアパネル 4…ファンネル 5…真空外囲器 6…ネック 7…シャドウマスク 8…蛍光体スクリーン 12…プレート支持部材 14…電子銃 20…カソード 21…ヒータ 30…電源 R1〜R20…分割画面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光体スクリーンの形成されたフェースプ
    レートを有する真空外囲器と、 上記真空外囲器内に設けられているとともに、上記蛍光
    体スクリーンを複数に分割した各分割画面毎に電子ビー
    ムを照射する複数の電子銃と、を備え、 上記複数の電子銃は、電子放出源を構成するカソード
    と、上記カソードを加熱するヒータと、をそれぞれ備え
    ている陰極線管の製造方法において、 上記複数のネック内に電子銃をそれぞれ配置し、上記真
    空外囲器内に配設された全の電子銃のカソードをほぼ同
    時に加熱分解処理することを特徴とする陰極線管の製造
    方法。
  2. 【請求項2】上記複数の電子銃の全てのヒータを直列に
    接続して通電し、全ての電子銃のカソードをほぼ同時に
    加熱分解処理することを特徴とする請求項1に記載の陰
    極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】上記加熱分解処理は、上記真空外囲器内を
    排気しながら行うことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】蛍光体スクリーンの形成されたフェースプ
    レートを有する真空外囲器と、 上記真空外囲器内に設けられているとともに、上記蛍光
    体スクリーンを複数に分割した各分割画面毎に電子ビー
    ムを照射する複数の電子銃と、を備え、 上記各電子銃は、電子放出源を構成するカソードと、上
    記カソードを加熱するヒータと、複数の電極と、をそれ
    ぞれ備えている陰極線管の製造方法において、 上記真空外囲器内に設けられた全ての電子銃をほぼ同時
    にエージング処理することを特徴とすることを特徴とす
    る陰極線管の製造方法。
  5. 【請求項5】上記エージング処理を行う際、上記複数の
    電子銃の各電極をそれぞれ機能体単位で互いに並列に接
    続し、全ての電子銃にほぼ同時に電圧を印加して処理す
    ることを特徴とする請求項4に記載の陰極線管の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100778399B1 (ko) * 2001-03-14 2007-11-22 삼성에스디아이 주식회사 음극선관 및 이의 제조 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100778399B1 (ko) * 2001-03-14 2007-11-22 삼성에스디아이 주식회사 음극선관 및 이의 제조 방법

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