WO2024143072A1 - 組成物及び硬化物 - Google Patents

組成物及び硬化物 Download PDF

Info

Publication number
WO2024143072A1
WO2024143072A1 PCT/JP2023/045535 JP2023045535W WO2024143072A1 WO 2024143072 A1 WO2024143072 A1 WO 2024143072A1 JP 2023045535 W JP2023045535 W JP 2023045535W WO 2024143072 A1 WO2024143072 A1 WO 2024143072A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
group
general formula
compounds
aliphatic hydrocarbon
methacrylate
Prior art date
Application number
PCT/JP2023/045535
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
里行 近岡
大介 澤本
俊輔 高日
Original Assignee
株式会社Adeka
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社Adeka filed Critical 株式会社Adeka
Publication of WO2024143072A1 publication Critical patent/WO2024143072A1/ja

Links

Abstract

(A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)前記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上と、(C)光ラジカル開始剤とを含有する組成物が提供される。 【化1】R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、X11及びX12は、それぞれ独立して、直接結合、炭素原子数1~20の脂肪族炭化水素基等を表す。n1は、1~5の整数である。 【化2】R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~20の脂肪族炭化水素基等を表す。n2は1~10の整数である。

Description

組成物及び硬化物
 本開示は、特定の化合物を含む組成物、該組成物を硬化させた硬化物に関する。本開示の組成物は、例えば、表面コート剤、塗料、接着剤、自己修復材料などの用途に用いることができる。
 高分子材料は、強固な共有結合に基づいて高い機械的強度や高い耐久性を示す一方、再加工性や、再利用性に乏しく、擦傷や破断を修復すること、特に自己修復することは困難である。
 耐久性や再加工性に優れた、修復が容易な、自己修復可能な材料としては、ホスト-ゲスト相互作用の様な分子間相互作用に基づくアプローチ(例えば、特許文献1及び2を参照)や、高分子架橋構造に結合したダングリング鎖を活用した自己修復材料(例えば、特許文献3を参照)、樹脂材料などのマトリックス中に重合可能なモノマーや触媒を封入したマイクロカプセル等を配合し、マイクロカプセル等の損壊を伴うマトリックスの損傷の際には新たなモノマー成分が補填されて重合し、マトリックスの機能を回復させる技術(例えば、特許文献4及び5を参照)が知られている。しかし、特許文献1~3の方法では、材料の製造に複雑な工程が必要であること、特許文献4及び5の方法では、マイクロカプセルの配合量等により、自己修復回数に制約があることなどの問題があった。また、近年では、これらを解決するため、動的共有結合を用いた材料に外部刺激を与え、可逆的な結合解離-再結合を用いた自己修復材料が知られている(例えば、特許文献6及び非特許文献1を参照)。しかし、特許文献等に記載のこれらの自己修復材料を含む材料は、その自己修復性が十分なものではなかった。
国際公開第2013/162019号 国際公開第2016/006413号 国際公開第2007/069765号 国際公開第2014/201290号 特開2017-218519号公報 特開2017-202980号公報
A. Takahashi, R. Goseki, K. Ito, H. Otsuka, ACS Macro Letters, 6, 1280(2017).
  従って、本開示は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、優れた自己修復性を有する材料を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について鋭意検討した結果、所定の化合物を含む組成物が上記課題を解決できることを見出した。
  すなわち、本開示は、(A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)上記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上と、(C)光ラジカル開始剤とを含有することを特徴とする組成物である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
(一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、X11及びX12は、それぞれ独立して、直接結合、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
 ただし、上記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上が下記群II-1から選択される原子又は基で置き換えられている。
 群I-1:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
 群II-1:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
 R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表し、R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
 n1は、1~5の整数である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
(一般式(2)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、下記一般式(2-1)で表される基、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-2から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
 ただし、上記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上が下記群II-2から選択される原子若しくは基で置き換えられている。
 群I-2:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
 群II-2:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
 R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表し、R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
 ただし、R21とR22とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表し、R23とR24とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表す。
 n2は、1~10の整数である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
  一般式(2-1)中、R31は水素原子又はメチル基を表し、L31は直接結合又は炭素原子数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、L32は炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基を表す。n3は0~5の整数を表す。n3が2以上の整数の場合、複数のL32は同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。*は、一般式(2)中の窒素原子との結合位置を表す。)
  本開示において、上記(A)が、一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
  本開示において、上記(A)が、一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
  本開示において、上記(B)が、二官能メタクリート化合物、三官能以上の多官能メタクリレート化合物、二官能アクリレート化合物及び三官能以上の多官能アクリレート化合物の群から選択される1種以上であることが好ましい。
  本開示において、上記二官能メタクリレート化合物、上記二官能アクリレート化合物、上記三官能以上の多官能メタクリレート化合物及び上記三官能以上の多官能アクリレート化合物が、分子中にウレタン結合を含むことが好ましい。
 本開示は、上記組成物をエネルギー線により硬化してなる硬化物である。
 本開示において、上記硬化物は塗膜用途であることが好ましい。
 本開示によれば、優れた自己修復性を有する材料を提供することができる。
 本開示は、組成物及び硬化物に関するものである。
 以下、本開示について詳細に説明する。
A.組成物
 まず、本開示の組成物について説明する。
 本開示の組成物は、(A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)上記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上と、(C)光ラジカル開始剤とを含有することを特徴とするものである。本開示の組成物は、一般式(1)で表される化合物のみを含むものであってもよく、一般式(2)で表される化合物のみを含むものであってもよく、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との両方を含むものであってもよい。本開示の組成物は、上記所定の化合物を含むことにより、自己修復性に優れたものを容易に形成できる。
  本開示において、優れた自己修復性とは、例えば、破損が大きくても修復することができる、修復し得る回数が多い、破損した状態から修復しても十分な力学強度を回復できる等の性能をいう。特に、本開示の組成物は、破損前の材料の状態にまで修復し得るという優れた自己修復性を有する。
  優れた自己修復性を示す評価方法としては、例えば、自己修復に要する時間、自己修復に要する温度を測定する等が挙げられる。
 1.(A)について
  本開示の組成物において、(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、(A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)上記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上との合計100質量部に対して、好ましくは1~80質量部、より好ましくは1~60質量部、更により好ましくは5~40質量部である。(A)の含有量が上記の範囲内である場合、本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できる。
 1-1.一般式(1)で表される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。
 X11及びX12は、それぞれ独立して、直接結合、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基、又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
 上記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上は、下記群II-1から選択される原子又は基で置き換えられている。
 群I-1:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
 群II-1:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
 R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表す。R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
  n1は、1~5の整数である。
  一般式(1)中、R11及びR12は、メチル基であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(1)中、X11及びX12で表される群II-1中のハロゲン原子(以下、「X11等に用いられるハロゲン原子」ともいう。)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
 一般式(1)中、X11及びX12は、それぞれ独立して、直接結合又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基であることが好ましく、直接結合であることがより好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(1)中、X11及びX12が上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基であるとき、上記脂肪族炭化水素基は、炭素原子数1~20の無置換のアルカンジイル基であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(1)中、X11及びX12が上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基であるとき、群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基は、-O-、-CO-NH-又は-NH-CO-であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(1)中、X11及びX12が上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基であるとき、上記脂肪族炭化水素基は、炭素原子数1~20の無置換のアルカンジイル基であり、かつ、群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基は、-O-、-CO-NH-又は-NH-CO-であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 本開示において、基の炭素原子数は、基中の水素原子が置換基で置換されている場合、その置換後の基の炭素原子数を規定する。例えば、上記炭素原子数1~20のアルキル基の水素原子が置換されている場合、炭素原子数1~20とは、水素原子が置換された後の炭素原子数を指し、水素原子が置換される前の炭素原子数を指すのではない。
 また、本開示において所定の炭素原子数の基中のメチレン基が二価の基で置き換えられた基に係る炭素原子数の規定は、その置換前の基の炭素原子数の規定と同じものとする。例えば、本明細書中、炭素原子数1~20のアルキル基中のメチレン基が二価の基で置き換えられた基の炭素原子数は1~20とする。
  また、本開示において、一般式中に同符号の基が一分子中に複数存在する場合があり得るが(例えばR’等)、その場合には、同符号の複数の基が同一である場合も異なる場合も本開示に含まれるものとする。
 一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記No.1-1~No.1-12が挙げられるが、本開示はこれらの化合物によって限定されるものではない。
 一般式(1)で表される化合物は、No.1-1、No.1-2、No.1-7及びNo.1-8であることが好ましく、No.1-1であることがより好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 一般式(1)で表される化合物は、従来の自己修復材料と比べ簡便な方法で製造することができる。例えば、化合物No.1-1の場合、反応容器にメタクリル酸2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル、酢酸ナトリウム及び脱水ジメチルホルムアミドを加え、窒素雰囲気下で0℃に維持して二塩化二硫黄を等圧滴下ロートにより滴下する。滴下後、0℃を維持したまま10分間攪拌した後、反応溶液に氷水を注ぎこみ、生じた沈殿を濾別して回収する。沈殿をヘキサンに溶解して硫酸ナトリウムにより乾燥、減圧下で濃縮した後、メタノールを用いて再結晶することにより得ることができる。他の化合物についても、対応する置換基を持つピペリジル誘導体を用いて合成することができる。
1-2.一般式(2)で表される化合物
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
 一般式(2)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、下記一般式(2-1)で表される基、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基、又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-2から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
 上記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上は、下記群II-2から選択される原子若しくは基で置き換えられている。
 群I-2:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
 群II-2:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
 R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表す。R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
 R21とR22とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表し、R23とR24とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表す。
 n2は、1~10の整数である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
  一般式(2-1)中、R31は水素原子又はメチル基を表し、L31は直接結合又は炭素原子数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、L32は炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基を表す。
  n3は、0~5の整数を表す。n3が2以上の整数の場合、複数のL32は同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
  *は、一般式(2)中の窒素原子との結合位置を表す。
 一般式(2)中、R21、R22、R23及びR24で表される群II-2中のハロゲン原子(以下、「R21等に用いられるハロゲン原子」ともいう。)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
 一般式(2)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、一般式(2-1)で表される基、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基、又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が群I-2から選択される二価の基で置き換えられた基であることが好ましく、一般式(2-1)で表される基、又は炭素原子数1~20の無置換の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2)中、例えば、R21及びR24が、それぞれ独立して、一般式(2-1)で表される基である場合、R22及びR23は、水素原子又は同一の炭素原子数1~20の無置換の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2)中のR21、R22、R23及びR24で表される炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基(以下、まとめて「R21等に用いられる脂肪族炭化水素基」ともいう)としては、芳香族炭化水素環又は複素環を含まないものであればよく、例えば、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数2~20のアルケニル基、炭素原子数3~20のシクロアルキル基、炭素原子数4~20のシクロアルキルアルキル基及びこれらの基の水素原子の1つ又は2つ以上が後述する置換基により置換された基等が挙げられる。
 一般式(2)において、R21等に用いられる脂肪族炭化水素基は、炭素原子数1~20の無置換の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1~20のアルキル基であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2)において、上記炭素原子数1~20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、アミル基、iso-ペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、ヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、iso-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、1-オクチル基、iso-オクチル基、tert-オクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。
 一般式(2)において、上記炭素原子数1~20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基又はiso-ブチル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基又はiso-ブチル基であることがより好ましく、tert-ブチル基であることが更により好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2)において、炭素原子数2~20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、エチレン基、2-プロペニル基、3-ブテニル基、2-ブテニル基、4-ペンテニル基、3-ペンテニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、2-ヘプテニル基、3-ヘプテニル基、4-ヘプテニル基、3-オクテニル基、3-ノネニル基、4-デセニル基、3-ウンデセニル基、4-ドデセニル基、4,8,12-テトラデカトリエニルアリル基、シクロペンタジニエル基等が挙げられる。
 一般式(2)において、炭素原子数3~20のシクロアルキル基とは、3~20の炭素原子を有する、飽和単環式又は飽和多環式アルキル基を意味する。上記炭素原子数3~20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、アダマンチル基、デカハイドロナフチル基、オクタヒドロペンタレン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル基等が挙げられる。
 一般式(2)において、炭素原子数4~20のシクロアルキルアルキル基とは、アルキル基の一部の水素原子が、シクロアルキル基で置換された炭素原子数4~20の基を意味する。上記炭素原子数4~20のシクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル基、2-シクロブチルエチル基、3-シクロペンチルプロピル基、4-シクロヘキシルブチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基、2-シクロノニルエチル基、2-シクロデシルエチル基、3-3-アダマンチルプロピル基、デカハイドロナフチルプロピル基等が挙げられる。
 一般式(2)において、n2は、1~3の整数であることが好ましく、1であることがより好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2)において、R31は、メチル基であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2-1)において、L31は、炭素原子数1~10の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2-1)において、上記炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基としては、メタンジイル基、1,2-エタンジイル基、1,2-プロパンジイル基、1,3-プロパンジイル基、1,4-ブタンジイル基、1,5-ペンタンジイル基等が挙げられる。
 一般式(2-1)において、上記炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基としては、メタンジイル基、1,2-エタンジイル基であることが好ましく、1,2-エタンジイル基であることがより好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2-1)において、L32で表される炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基としては、メタンジイル基、1,2-エタンジイル基、1,2-プロパンジイル基、1,3-プロパンジイル基、1,4-ブタンジイル基、1,5-ペンタンジイル基等が挙げられる。
 一般式(2-1)において、n3は、0~3の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0又は1であることが更により好ましく、0であることが最も好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 一般式(2)で表される化合物の具体例としては、下記No.2-1~No.2-14が挙げられるが、本開示はこれらの化合物によって限定されるものではない。なお、「tBu」はtert-ブチル基を表す。
 一般式(2)で表される化合物は、No.2-1、No.2-2、No.2-9及びNo.2-10であることが好ましく、No.2-1であることがより好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
  一般式(2)で表される化合物は、例えば、アクリレート基又はメタクリレート基を有するアミノ化合物に、酢酸ナトリウム及びジメチルホルムアミドを加え、窒素雰囲気下で、二塩化二硫黄を滴下し、生じた沈殿を濾別して回収し、水洗、濃縮により所望する化合物を製造する方法で製造することができる。
  より具体的には、上記化合物No.2-1を製造する場合、反応容器に2-(tert-ブチルアミノ)エチルメタクリレート、酢酸ナトリウム及びジメチルホルムアミドを加えた後、二塩化硫黄を滴下して反応させ、溶媒を留去して酢酸ブチル及び水で抽出後、水洗、乾燥させる方法によって得ることができる。他の化合物についても、対応するアクリレート基又はメタクリレート基を有するアミノ化合物を用いて合成することができる。
 2.(B)について
  本開示において、「(B)(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上の化合物」は、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上であり、上記(A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物のいずれとも異なるものである。
 本開示の組成物において、(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、(A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)上記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上との合計100質量に対して、好ましくは20~99質量部、より好ましくは40~99質量部、更に好ましくは60~95質量部である。(B)の含有量が上記の範囲内である場合、本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 本開示の組成物に用いることができるアクリレート化合物としては、例えば、単官能アクリレート化合物、二官能アクリレート化合物、三官能以上の多官能アクリレート化合物が挙げられる。本開示の組成物に用いることができるメタクリレート化合物としては、例えば、単官能メタクリレート化合物、二官能メタクリレート化合物、三官能以上の多官能メタクリレート化合物が挙げられる。
 (B)は、二官能メタクリート化合物、三官能以上の多官能メタクリレート化合物、二官能アクリレート化合物及び三官能以上の多官能アクリレート化合物の群から選択される1種以上であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 本開示において、上記単官能アクリレート化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、iso-ペンチルアクリレート、tert-ペンチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアルキルアクリレート、ベンジルアクリレート、アルキルフェノール(ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール又はドデシルフェノール等)、エチレンオキサイド付加物のアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、トリシクロデカンモノメチロールアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシペンチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、グリセリンモノアクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-アクリロイロキシプロピルフタレート、β-カルボキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
 本開示において、上記二官能アクリレート化合物としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,2-ヘキサンジオールジアクリレート、1,5-ヘキサンジオールジアクリレート、2,5-ヘキサンジオールジアクリレート、1,7-ヘプタンジオールジアクリレート、1,8-オクタンジオールジアクリレート、1,2-オクタンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,2-デカンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、1,2-デカンジオールジアクリレート、1,12-ドデカンジオールジアクリレート、1,2-ドデカンジオールジアクリレート、1,14-テトラデカンジオールジアクリレート、1,2-テトラデカンジオールジアクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジアクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジアクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジオールジアクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジアクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジアクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジアクリレート、ジメチロールオクタンジアクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジアクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジアクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジアクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,2-ヘキサンジオールジアクリレート、1,5-ヘキサンジオールジアクリレート、2,5-ヘキサンジオールジアクリレート、1,7-ヘプタンジオールジアクリレート、1,8-オクタンジオールジアクリレート、1,2-オクタンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,2-デカンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、1,2-デカンジオールジアクリレート、1,12-ドデカンジオールジアクリレート、1,2-ドデカンジオールジアクリレート、1,14-テトラデカンジオールジアクリレート、1,2-テトラデカンジオールジアクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジアクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジアクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジアクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジアクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジアクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジアクリレート、ジメチロールオクタンジアクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジアクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジアクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレートトリシクロデカンジメチロールジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体ジアクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体ジアクリレート、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加体ジアクリレート、水添加ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体ジアクリレート、水添加ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体ジアクリレート、水添加ビスフェノーAジアクリレート、水添加ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジアクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジアクリレート等が挙げられる。
 本開示において、上記多官能アクリレート化合物としては、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールヘキサントリアクリレート、トリメチロールオクタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラアクリレート、ジトリメチロールエタンテトラアクリレート、ジトリメチロールブタンテトラアクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラアクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタアクリレート等が挙げられる。
 本開示において、上記二官能アクリレート化合物、上記多官能アクリレート化合物としては、エポキシアクリレートも挙げられる。エポキシアクリレートは、アクリル酸と多官能エポキシ化合物との付加反応により得られる。上記多官能エポキシ化合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。該多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о-クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。多官能エポキシ化合物は、グリシジル基を有するグリシジル型エポキシ化合物であってもよく、シクロアルケンオキサイド構造を有するエポキシ化合物であってもよい。
 本開示において、上記単官能メタクリレート化合物としては、例えば、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ペンチルメタクリレート、iso-ペンチルメタクリレート、tert-ペンチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、アルキルフェノール(ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール又はドデシルフェノール等)、エチレンオキサイド付加物のメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、トリシクロデカンモノメチロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシペンチルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、アクリオロキシエチルフタレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-アクリロイロキシプロピルフタレート、β-カルボキシエチルメタクリレート、アクリル酸ダイマー、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
 本開示において、上記二官能メタクリレート化合物としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジメタクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタクリレート、1,2-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,5-ヘキサンジオールジメタクリレート、2,5-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,7-ヘプタンジオールジメタクリレート、1,8-オクタンジオールジメタクリレート、1,2-オクタンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,2-デカンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、1,2-デカンジオールジメタクリレート、1,12-ドデカンジオールジメタクリレート、1,2-ドデカンジオールジメタクリレート、1,14-テトラデカンジオールジメタクリレート、1,2-テトラデカンジオールジメタクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジメタクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジメタクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジオールジメタクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジメタクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジメタクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジメタクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジメタクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジメタクリレート、ジメチロールオクタンジメタクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジメタクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジメタクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジメタクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジメタクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジメタクリレート、1,2-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,5-ヘキサンジオールジメタクリレート、2,5-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,7-ヘプタンジオールジメタクリレート、1,8-オクタンジオールジメタクリレート、1,2-オクタンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,2-デカンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、1,2-デカンジオールジメタクリレート、1,12-ドデカンジオールジメタクリレート、1,2-ドデカンジオールジメタクリレート、1,14-テトラデカンジオールジメタクリレート、1,2-テトラデカンジオールジメタクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジメタクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジメタクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジメタクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジメタクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジメタクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジメタクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジメタクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジメタクリレート、ジメチロールオクタンジメタクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジメタクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジメタクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジメタクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジメタクリレートトリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジメタクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体ジメタクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体ジメタクリレート、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加体ジメタクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジメタクリレート、水添加ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体ジメタクリレート、水添加ビスフェノーAジメタクリレート、水添加ビスフェノールFジメタクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジメタクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジメタクリレート等が挙げられる。
 本開示において、上記多官能メタクリレート化合物としては、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールヘキサントリメタクリレート、トリメチロールオクタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラメタクリレート、ジグリセリンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラメタクリレート、ジトリメチロールエタンテトラメタクリレート、ジトリメチロールブタンテトラメタクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラメタクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタメタクリレート等が挙げられる。その他、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のメタクリレートも用いることができる。
 本開示において、上記二官能メタクリレート化合物、上記多官能メタクリレート化合物としては、エポキシメタクリレートも挙げられる。エポキシメタクリレートは、メタクリル酸と多官能エポキシ化合物との付加反応により得られる。上記多官能エポキシ化合物としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。該多官能エポキシ化合物としては、上記エポキシアクリレートで例示した化合物と同じものを使用することができるため、ここでの記載は省略する。
 本開示において、上記二官能メタクリート化合物、上記三官能以上の多官能メタクリレート化合物、上記二官能アクリレート化合物及び上記三官能以上の多官能アクリレート化合物は、その分子中にウレタン結合を含む化合物、即ち、ウレタン結合と、メタクリル基又はアクリル基とを同一分子内に有する化合物(以後、それぞれ、ウレタンメタクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物と記載することがある)であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 上記ウレタンメタクリレート化合物及び上記ウレタンアクリレート化合物は、ウレタン結合と、メタクリル基又はアクリル基とを同一分子内に有する化合物であれば特に限定されないが、メタクリル基又はアクリル基を含有するアルコールとイソシアネート化合物とを反応させることによって得ることができる。
 本開示において、ウレタンメタクリレート化合物及び上記ウレタンアクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。
 上記ウレタンメタクリレート化合物及び上記ウレタンアクリレート化合物としては、市販品を用いることもできる。具体的には、NKオリゴU-4HA、U-6HA、U-108A(以上、新中村化学工業(株)製)、AH-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H(以上、共栄社化学(株)製)、アートレジンUN-904、UN-9000PE、UN-9200A、UN-9000、UN-1255、UN-2601、UN-2310、UN-5200、UN-330、UN-333、UN-3320HA、UN-3320HB、UN-3320H、UN-3320H、UN-6060P、UN-6060PTM、SH-500(以上、根上工業(株)製)等を挙げることができる。
 本開示において、上記ウレタンメタクリレート化合物及び上記ウレタンアクリレート化合物は、重量平均分子量(Mw)が500~10,000であることが好ましく、700~8,000であることがより好ましく、1,000~6,000であることが更により好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 上記重量平均分子量は、下記の方法で測定することができる。
 GPC(日立製、型番:ELITE LaChrom L-2000、カラム:KF-805、804、803連結)を用い、クロロホルムを展開溶媒として、既知の分子量(分子量分布=1)の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。この検量線に基づいて、GPCのリテンションタイムから重量平均分子量を算出することができる。
3.(C)について
 本開示の組成物において、(C)光ラジカル開始剤は、ラジカル重合性基同士を重合可能なものである。本開示の組成物において、光ラジカル開始剤は、1種類のみを含むものであってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。
 本開示において、光ラジカル開始剤は、特に限定されるものではないが、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物が挙げられる。本開示において、光ラジカル開始剤は、アセトフェノン系化合物であることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 本開示において、アセトフェノン系化合物としては、例えば、1-ヒドロキシ-1-ベンゾイルシクロヘキサン、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシメチル-2-メチルプロピオフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p-ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p-アジドベンザルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。本開示において、光ラジカル開始剤は、1-ヒドロキシ-1-ベンゾイルシクロヘキサンであることが好ましい。本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
 本開示において、ベンジル系化合物としては、ベンジル、アニシル等が挙げられる。
 本開示において、ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。
 本開示において、チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、1-クロル-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
 上記光ラジカル開始剤としては、市販品を用いることもできる。具体的には、N-1414、N-1717、N-1919、PZ-408、NCI-831、NCI-930((株)ADEKA社製)、Omnirad651、Omnirad184、Omnirad1173、Omnirad2959、Omnirad907、Omnirad369、Omnirad TPO H、Omnirad819(igm resins b.v.社製)等が挙げられる。
 本開示において、(C)の含有量は、所望の自己修復性が得られるものであれば特に限定されるものではないが、(A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)上記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上との合計100質量部に対して、1~20質量部であることが好ましく、2~15質量部であることがより好ましく、2~12質量部であることが更により好ましい。(C)の含有量が上記の範囲内である場合、本開示の組成物が自己修復性に優れたものを容易に形成できるからである。
4.組成物の用途
 本開示の組成物の用途としては、例えば、シール材、断熱材、防音材、コーティング剤、衛生材料、ホースクリップ、流体輸送用パイプ、フレキシブルホース、ホットメルト接着剤、接着剤用添加剤、光学材料、電気機器、電池材料、車両、船舶、航空機、建物、住宅及び建築用材料、土木材料、衣料、カーテン、シーツ、容器、眼鏡、カバンケース、スポーツ用品等、耐破断性、耐疲労性が必要な用途に好適に用いることができる。
 さらに具体的な用途としては、光学フィルム、光学シート、光学フィルタ、高輝度プリズムシート、光学的集光体、防眩フィルム等の反射防止材料、照明器具、透明採光材、保護フィルム、ペン入力装置用表面材、電気ケーブル、シース、塗膜、電線被覆材、電気絶縁用部材、電子機器筐体、機械パーツ、耐振動疲労部材、キャパシタ、二次電池用セパレータ、二次電池用バインダー、固体電解質、繊維強化材料、防錆剤、腐食防止材、吹き付け顔料、バリヤー材(有機物、気体、湿度)等の塗料、ペット用建材、床、壁、ドア等の建材、遮水シート、防水シート、アクチュエーター、クリーニングパッド、バスタブ、たらい、桶、入浴介助品、自動車材、人工皮革、合成皮革、人工皮膚、血管内治療用ステント、歯科用複合修復材料、スリーブ材、積層ガラス、転写箔、難燃性フィルム、筆記具用軸筒、クッション材、緩衝剤、農業用フィルム、加飾フィルム、化粧シート、ビニールハウス用シート、防虫ネット、家具、衣服、鞄、靴、ゴーグル、スキー板、スノーボード、ラケット、テント、容器、まな板、カッティングボード、抗菌フィルム、抗菌成形体、バリアフィルム、パッキン等が挙げられる。これらの中でも、優れた自己修復性をより活用することができるという観点から、本開示の組成物は、塗膜用途に用いることが好ましい。
B.硬化物
 次に、本開示の硬化物について説明する。
 本開示の硬化物は、「A.組成物」に記載の組成物をエネルギー線により硬化したものである。本開示の硬化物は、上記の組成物に含まれる「(C)光ラジカル開始剤」を用いて重合反応することで得ることができる。重合反応の形態は、単独重合であってもよいし、共重合であってもよい。なお、本開示の硬化物は、硬度、強度等によって限定されるものではない。
 本開示の硬化物は、例えば、本開示の組成物を基材に塗布後、エネルギー線の照射によって本開示の組成物を硬化し、製造することができる。
 本開示の硬化物を製造する際に使用するエネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波等が挙げられるが、経済的な観点から紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、メタルハライドランプ、太陽光、レーザー光源、LED光源等が挙げられる。光源は、本開示の組成物に添加される(C)光ラジカル開始剤に応じて適宜選択すればよいが、操作性の点で、UV-LED(波長:350~450nm)が好ましい。積算照射量は、対象物の厚みによって適宜変更すればよいが、積算照射量が不十分な場合には硬化反応が十分に進行せず、積算照射量が大きすぎると対象物が着色する場合がある。一般的には、積算照射量は、1mJ/cm2~100,000mJ/cm2となる範囲が好ましい。
 硬化物を製造する際の圧力は、通常、大気圧で行うことができるが、1,000気圧以下の条件で圧力を印加して行うこともできる。硬化物を製造する際の雰囲気は、組成物の組成等に応じて適切な環境を選択すればよく、大気雰囲気下であってもよいし、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下であってもよい。
 本開示の硬化物は、有機溶剤を使用せずに組成物を成形、硬化させて製造してもよく、有機溶剤を使用して、組成物の粘度等を調整した後に成形、硬化させて製造してもよい。また、製造された硬化物を溶媒で溶解又は膨潤させ、成形、製膜してもよい。
 硬化物の用途としては、「A.組成物」の「4.組成物の用途」の項に記載の用途と同様であるため、ここでの説明は省略する。本開示の硬化物は、優れた自己修復性をより活用することができるという観点から、塗膜用途に用いることが好ましい。
C.その他
 本開示においては、以下の態様が挙げられる。
 [1](A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)前記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上と、(C)光ラジカル開始剤とを含有することを特徴とする組成物。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
(一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、X11及びX12は、それぞれ独立して、直接結合、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
 ただし、上記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上が下記群II-1から選択される原子又は基で置き換えられている。
 群I-1:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
 群II-1:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
 R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表し、R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
 n1は、1~5の整数である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
(一般式(2)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、下記一般式(2-1)で表される基、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基又は上記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-2から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
 ただし、上記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上が下記群II-2から選択される原子若しくは基で置き換えられている。
 群I-2:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
 群II-2:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
 R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表し、R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
 ただし、R21とR22とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表し、R23とR24とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表す。
 n2は1~10の整数である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 一般式(2-1)中、R31は水素原子又はメチル基を表し、L31は直接結合又は炭素原子数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、L32は炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基を表す。n3は、0~5の整数を表す。n3が2以上の整数の場合、複数のL32は同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。*は、一般式(2)中の窒素原子との結合位置を表す。)
 [2]上記(A)が、上記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする、[1]に記載の組成物。
 [3]上記(A)が、上記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする、[1]に記載の組成物。
 [4]上記(B)が、二官能メタクリート化合物、三官能以上の多官能メタクリレート化合物、二官能アクリレート化合物及び三官能以上の多官能アクリレート化合物の群から選択される1種以上であることを特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
 [5]上記二官能メタクリレート化合物、上記二官能アクリレート化合物、上記三官能以上の多官能メタクリレート化合物及び上記三官能以上の多官能アクリレート化合物が、分子中にウレタン結合を含むことを特徴とする、[4]に記載の組成物。
 [6][1]~[5]のいずれかに記載の組成物をエネルギー線により硬化したことを特徴とする硬化物。
 [7]上記硬化物が塗膜用途であることを特徴とする、[6]に記載の硬化物。
 本開示は、上記した実施形態に限定されるものではない。上記した実施形態は、例示であって、特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し且つ同様な作用効果を奏するものはすべて、本開示の技術的範囲に包含される。
 以下、実施例及び比較例により本開示を更に詳細に説明する。ただし、以下の実施例等により本開示は何ら制限されるものではない。なお、実施例中の「部」や「%」は、特にことわらない限り質量によるものである。
〔製造例1:化合物No.1-1の製造〕
 国際公開第2020/175321号公報の〔実施例1〕に準じた方法にて、化合物No.1-1を製造した。
〔製造例2:化合物No.2-1の製造〕
 国際公開第2022/230745号の〔実施例1〕に準じた方法にて、化合物No.2-1を製造した。
〔製造例3:化合物No.1-8の製造〕
 非特許文献1であるA. Takahashi, R. Goseki, K. Ito, H. Otsuka, ACS Macro Letters, 6, 1280(2017).に準じた方法にて、化合物No.1-8を製造した。
〔実施例〕
 基板(易接着処理PETフィルム、東洋紡(株)製、コスモシャインA4360、厚さ100μm)上に表1及び表2に示す実施例及び比較例の成分を混合して得た各組成物を、それぞれ、#8のバーコーターにより塗布し、80℃のオーブンにて1分間乾燥にて溶剤を除去した。その後、マスクを使用せずベルトコンベア式高圧水銀ランプラインにて250mJ/cm2照射を2度行い、各サンプル塗膜を作製した。なお、表中の配合量は、各成分の質量部を表す。
〔評価〕
 得られた各サンプル試料の中央をステンレス製のワイヤーブラシでこすり傷をつけた。
 その後、傷をつけたサンプルを室温又は60℃のオーブン中にて、それぞれ24時間静置し、その後、室温で24時間静置したダンベル試料と、60℃のオーブン中にて24時間静置したダンベル試料とを目視で比較し、下記評価基準に従って評価した。結果を表1及び表2に示す。
 また、同様に、傷をつけたサンプルを室温又は60℃のオーブン中にて、それぞれ120時間静置し、その後、室温で120時間静置したダンベル試料と、60℃のオーブン中にて120時間静置したダンベル試料とを目視で比較し、下記評価基準に従って評価した。結果を表1及び表2に示す。
 〇:室温で24時間又は120時間静置したダンベル試料は傷をつけた部分が修復しておらず、60℃のオーブン中に24時間又は120時間静置したダンベル試料は、傷をつけた部分が修復していた。
 △:室温で24時間又は120時間静置したダンベル試料は傷をつけた部分が修復しておらず、60℃のオーブン中に24時間又は120時間静置したダンベル試料は、傷をつけた部分が少し修復していた。
 ×:室温で24時間又は120時間静置したダンベル試料及び60℃のオーブン中に24時間又は120時間静置したダンベル試料共に傷をつけた部分が修復していなかった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000019
  A1:製造例1に記載の方法で製造した化合物No.1-1
  A2:製造例2に記載の方法で製造した化合物No.2-1
  A3:製造例3に記載の方法で製造した化合物No.1-8
  B1:ウレタンアクリレート(UN-333(根上工業(株)製)、官能基数2、ポリエステル系、重量平均分子量(Mw)5000)
  B2:ウレタンアクリレート(UN-904(根上工業(株)製)、官能基数10、高ウレタン化、重量平均分子量(Mw)4900)
  B3:ウレタンアクリレート(UN-2601(根上工業(株)製)、官能基数2、アダクト系ウレタンアクリレート、重量平均分子量(Mw)1600)
  B4:ウレタンアクリレート(UN-2310(根上工業(株)製)、官能基数3、アダクト系ウレタンアクリレート、重量平均分子量(Mw)1600)
  B5:ウレタンアクリレート(UN-3320HA(根上工業(株)製)、官能基数6、重量平均分子量(Mw)1500)
  B6:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(R-551(日本化薬(株)製))
 C1:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン(下記式(C1)で表される化合物)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 MEK:メチルエチルケトン
 上記結果より、本開示の組成物によれば、優れた自己修復性を有する材料を得ることができる。

Claims (7)

  1.  (A)一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の群から選択される1種以上と、(B)前記(A)とは異なる、メタクリレート化合物及びアクリレート化合物の群から選択される1種以上と、(C)光ラジカル開始剤とを含有することを特徴とする組成物。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (一般式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、X11及びX12は、それぞれ独立して、直接結合、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基又は前記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-1から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
     ただし、前記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上が下記群II-1から選択される原子又は基で置き換えられている。
     群I-1:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
     群II-1:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
     R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表し、R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
     n1は、1~5の整数である。)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (一般式(2)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、下記一般式(2-1)で表される基、炭素原子数1~20の無置換若しくは置換基を有している脂肪族炭化水素基又は前記脂肪族炭化水素基中のメチレン基の1つ以上が下記群I-2から選択される二価の基で置き換えられた基を表す。
     ただし、前記置換基を有している脂肪族炭化水素基中の水素原子の1つ以上が下記群II-2から選択される原子若しくは基で置き換えられている。
     群I-2:-O-、-COO-、-OCO-、-CO-、-CO-CO-、-CO-CO-O-、-CS-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR’-、-NR’-CO-、-CO-NR’-、-NR’-COO-、-OCO-NR’-又は-SiR’R”-。
     群II-2:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アクリル基、メタクリル基、-CO-H、-OH、-SH、-NH2、-C(R’)=N-OH、-COOH又は-SO3H。
     R’及びR”は、それぞれ独立して、水素原子又は無置換の脂肪族炭化水素基を表し、R’又はR”が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
     ただし、R21とR22とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表し、R23とR24とのうち、1つ以上は、下記一般式(2-1)で表される基を表す。
     n2は1~10の整数である。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
     一般式(2-1)中、R31は水素原子又はメチル基を表し、L31は直接結合又は炭素原子数1~20の脂肪族炭化水素基を表し、L32は炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基を表す。n3は0~5の整数を表す。n3が2以上の整数の場合、複数のL32は同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。*は、一般式(2)中の窒素原子との結合位置を表す。)
  2.  前記(A)が、前記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3.  前記(A)が、前記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4.  前記(B)が、二官能メタクリート化合物、三官能以上の多官能メタクリレート化合物、二官能アクリレート化合物及び三官能以上の多官能アクリレート化合物の群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5.  前記二官能メタクリレート化合物、前記二官能アクリレート化合物、前記三官能以上の多官能メタクリレート化合物及び前記三官能以上の多官能アクリレート化合物が、分子中にウレタン結合を含むことを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
  6.  請求項5に記載の組成物をエネルギー線により硬化したことを特徴とする硬化物。
  7.  前記硬化物が塗膜用途であることを特徴とする、請求項6に記載の硬化物。
PCT/JP2023/045535 2022-12-28 2023-12-19 組成物及び硬化物 WO2024143072A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022-211783 2022-12-28

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2024143072A1 true WO2024143072A1 (ja) 2024-07-04

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102791484B (zh) 车辆用部件及其制造方法
JP5664547B2 (ja) 転写シートおよびその製造方法
JP4003800B2 (ja) フィルム保護層用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びそれを用いたフィルム
US20100221552A1 (en) Photocurable Coating Materials
JP5283485B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物及び該組成物の硬化被膜を有する成形品
KR20160077580A (ko) 그래핀 코팅 조성물, 그래핀 코팅 강판 및 이들의 제조방법
KR101052223B1 (ko) 자동차용 듀얼 경화 이액형 클리어 코트 조성물
KR102337053B1 (ko) 액체 접착제 조성물, 접착제 시트, 및 접착 결합 방법
JP6217208B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物
TW200914549A (en) Modified acrylic oligomer and anti-fouling coating containing the same
WO2006115085A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、それを用いた物品及び成形体
CN105176154A (zh) 光固化性涂料组合物和涂覆的制品
JP2010260905A (ja) 光硬化性組成物
US10479855B2 (en) (Meth)acrylic copolymer, adhesive composition and adhesive sheet containing same, and coating material and coated product using same
JP5504988B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性化合物
WO2011111428A1 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物、並びに硬化膜付きポリカーボネート樹脂成形体及びその製造方法
JP2007182530A (ja) 硬化性組成物、硬化膜、反射防止膜積層体及び硬化膜の製造方法
JP2013234217A (ja) 活性エネルギー線硬化型コーティング剤組成物
JP2022133387A (ja) ウレタン(メタ)アクリレート重合体
JP2000143729A (ja) マレイミド誘導体を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
WO2018221405A1 (ja) 積層フィルム
JP2009173755A (ja) プラスチック基材用塗料組成物、およびこれより形成された複合塗膜
WO2024143072A1 (ja) 組成物及び硬化物
JP5159175B2 (ja) ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、及び活性エネルギー線硬化性組成物、並びにその用途
JP2016079363A (ja) 硬化性組成物及びその硬化物、ハードコート材及びハードコート膜、並びに積層体