WO2024142978A1 - 交流通電加熱方法および交流通電加熱装置 - Google Patents
交流通電加熱方法および交流通電加熱装置Info
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Abstract
一実施形態に係る交流通電加熱方法は、導電性のワークを用意し、交流電流を供給可能な電源に接続された第1端子および第2端子を前記ワークに取り付け、電気的にフローティング状態である第1導体を前記ワークへの前記交流電流の通電時に近接効果を生じる位置に配置し、前記第1端子および前記第2端子を通じて前記ワークに前記交流電流を流すことにより前記ワークの少なくとも一部を加熱する、ことを含む。
Description
本発明は、ワークに交流電流を流すことにより当該ワークを加熱する交流通電加熱方法および交流通電加熱装置に関する。
導電性を有するワークに交流電流を流すことにより当該ワークを加熱する方法が知られている。
具体例を挙げると、特許文献1には、ワーク(被加熱体)の加熱面と略同形の導体を加熱面と平行に配置するとともに、これらワークと導体を逆方向の電流が流れるように結線した高周波抵抗加熱装置が開示されている。この加熱装置においては、ワークと導体を逆方向に電流が流れた際に両者の電流が接近するという現象を利用して、ワークの断面を均一に加熱している。
また、特許文献2には、交流電流によりメッキ鋼板を加熱するに際して、溶融したメッキがローレンツ力により偏ることを抑制するために、磁束誘導体によってメッキ鋼板の周囲の磁束を制御する直接通電加熱方法が開示されている。
交流通電加熱において、ワークの加熱温度分布を制御したいとの要望がある。加熱温度分布を制御するためには、ワークへの通電時の電流密度分布を制御する必要がある。しかしながら、従来の技術でこのような制御を実現するにあたっては、種々の課題が存在する。
例えば、特許文献1に開示された高周波抵抗加熱装置においては、ワークの周囲に配置される導体により通電時の抵抗が増加する。そのため、通電加熱の消費電力が増大してしまう。さらに、ワークと導体を配線にて接続する必要があるため、ワークや導体の移動が制限され得る。また、特許文献2に開示された直接通電加熱方法のように磁束誘導体を用いる場合には、磁束を制御することが可能であるものの、電流密度分布および加熱温度分布を正確に制御することが困難である。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、ワークの電流密度分布および加熱温度分布を制御可能な改善された交流通電加熱方法および交流通電加熱装置を提供することを目的の一つとする。
一実施形態に係る交流通電加熱方法は、導電性のワークを用意し、交流電流を供給可能な電源に接続された第1端子および第2端子を前記ワークに取り付け、電気的にフローティング状態である第1導体を前記ワークへの前記交流電流の通電時に近接効果を生じる位置に配置し、前記第1端子および前記第2端子を通じて前記ワークに前記交流電流を流すことにより前記ワークの少なくとも一部を加熱する、ことを含む。
前記交流通電加熱方法は、前記ワークの近傍に強磁性体を配置することをさらに含んでもよい。この場合において、前記第1導体と前記強磁性体の間に前記ワークが位置するように、前記ワーク、前記第1導体および前記強磁性体が配置されてもよい。
前記交流通電加熱方法は、前記第2端子および前記電源に接続された第2導体を、前記第1導体と電気的に絶縁された状態で配置することをさらに含んでもよい。この場合においては、前記ワークの少なくとも一部を加熱する際に、前記第1端子、前記ワーク、前記第2端子および前記第2導体を順に含む回路に前記交流電流が流れる。
一実施形態に係る交流通電加熱装置は、交流電流を供給可能な電源と、前記電源に接続され導電性のワークに取り付け可能な第1端子および第2端子と、電気的にフローティング状態であり前記ワークへの前記交流電流の通電時に近接効果を生じる位置に配置される第1導体とを備え、前記第1端子および前記第2端子を通じて前記ワークに前記交流電流を流すことにより前記ワークの少なくとも一部を加熱する。
例えば、前記第1導体は、周方向に分割された第1部分および第2部分を含む筒状である。この場合において、前記第1部分が前記周方向における端部に設けられた第1フランジ部を有し、前記第2部分が前記周方向における端部に設けられた第2フランジ部を有し、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部を接触させることにより前記第1部分および前記第2部分が導通してもよい。
他の例として、前記第1部分が前記周方向における端部に設けられ前記第1導体の半径方向に対して傾斜した第1テーパ面を有し、前記第2部分が前記周方向における端部に設けられ前記半径方向に対して傾斜した第2テーパ面を有し、前記第1テーパ面と前記第2テーパ面を接触させることにより前記第1部分および前記第2部分が導通してもよい。
さらに他の例として、前記第1部分および前記第2部分が弾性あるいは柔軟性を有する導電材によって接続されてもよい。
さらに他の例として、前記第1部分および前記第2部分の一方が前記周方向における端部に設けられた凹部を有し、前記第1部分および前記第2部分の他方が前記凹部に挿入可能な凸部を有してもよい。
さらに他の例として、前記第1部分および前記第2部分が導電性液体を介して接続されてもよい。
前記第1導体は、例えば銅、銅合金、アルミニウムまたは、アルミニウム合金などの導電性に優れた金属材料によって形成されることが好ましい。
前記交流通電加熱装置は、前記ワークの近傍に配置可能な強磁性体をさらに備えてもよい。また、前記交流通電加熱装置は、前記第2端子および前記電源に接続されるとともに、前記第1導体と電気的に絶縁された第2導体をさらに備えてもよい。
本発明によれば、ワークの電流密度分布および加熱温度分布を制御可能な改善された交流通電加熱方法および交流通電加熱装置を提供することができる。
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各実施形態においては、加熱処理対象のワーク(被加熱体)としてコイルばねを例示することがある。しかしながら、各実施形態にて開示する交流通電加熱装置およびこれを用いた交流通電加熱方法は、加熱処理が施される熱処理品全般に適用可能である。
例えば、コイルばね以外のワークとしては、板ばね、車両用のスタビライザー、各種の曲げ加工品、圧延材あるいは複合材などが挙げられる。すなわち、ワークの材質は、ばね鋼以外の金属であってもよい。また、ワークの素材は、コイルばねを形成する素線などの線材に限られず、板材であってもよいし、管材などの異形材であってもよい。
ワークに対する加熱処理の種類は、特に限定されるものではないが、一例では焼入れ、焼戻し、焼鈍、ワーク表面の軟化処理などが想定される。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る交流通電加熱装置1(以下、加熱装置1という。)の概略的な構成を示す図である。加熱装置1は、導体2(第1導体)と、第1端子3Aと、第2端子3Bと、制御装置4とを備えている。
図1は、第1実施形態に係る交流通電加熱装置1(以下、加熱装置1という。)の概略的な構成を示す図である。加熱装置1は、導体2(第1導体)と、第1端子3Aと、第2端子3Bと、制御装置4とを備えている。
導体2は、例えば筒状であり、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金またはそれらを一種以上含む複合材などの導電性に優れた金属材料によって形成されている。制御装置4は、交流電流を供給する電源41を備えている。第1端子3Aおよび第2端子3Bは、配線を介して電源41に接続されている。電源41が供給する交流電流の周波数は特に限定されないが、一例では1kHz以上の高周波を用い得る。
図1の例においては、第1端子3Aおよび第2端子3Bの各々が下部31と上部32に分割されている。第1端子3Aおよび第2端子3Bは、これら下部31および上部32の間にワークの一部を挟み込むことによりワークに対して取り付け可能である。ただし、第1端子3Aおよび第2端子3Bをワークに取り付けるための構造は、この例に限られない。
本実施形態に係る交流通電加熱方法(以下、加熱方法という。)による加熱処理は、加熱装置1を用いて実施される。本実施形態に係る加熱装置1によって加熱処理を実施する際には、先ずワークの一例であるコイルばねWが用意される。コイルばねWは、ばね鋼などの素線をコイリングマシンにより螺旋状に巻回することで成形されたものであり、導電性を有している。
さらに、第1端子3Aおよび第2端子3BがコイルばねWに取り付けられるとともに、コイルばねWが導体2の内側に配置される。なお、第1端子3Aおよび第2端子3BをコイルばねWに取り付ける工程と、コイルばねWを導体2の内側に配置する工程との実施順は特に限定されない。
図1の例においては、コイルばねWの端末E1,E2付近(座巻部の少なくとも一部)が導体2の両端部から突出している。この例に限られず、コイルばねWの全体が導体2によって囲われてもよい。
第1端子3Aおよび第2端子3Bは、例えばコイルばねWの端末E1,E2付近に取り付けられる。図1の例においては、第1端子3Aの下部31と上部32によってコイルばねWの端末E1付近が挟持されている。また、第2端子3Bの下部31と上部32によってコイルばねWの端末E2付近が挟持されている。
第1端子3Aおよび第2端子3BをコイルばねWに取り付けると、これらの要素と電源41とを直列に接続した回路が形成される。制御装置4は、作業員によるスイッチの操作や外部からの制御信号の受信に応じて、コイルばねWへの通電を開始する。図1においては、実線矢印によって電流の流れる方向の一例を示している。この方向は、電源41の周波数に応じて周期的に切り替わる。
このような通電により、コイルばねWの少なくとも一部が加熱される。このとき、導体2とコイルばねWの間には、後述する近接効果が生じる。導体2は、このような近接効果が生じる位置に配置されている。
交流電流の周波数、振幅および通電時間は、コイルばねWの特性(例えば線径、断面形状、コイル径、コイル長、ピッチ、巻き数、材質)、加熱すべき部位および加熱の目標温度などに応じて適宜に定め得る。加熱を停止すべきタイミングが到来すると、制御装置4は電源41からの電流供給を停止する。
その後、コイルばねWが冷却される。この冷却は、自然冷却であってもよいし、急速な冷却を要する場合には水や空気などの流体をコイルばねWに吹き付けることにより行われてもよい。図1の例において、加熱装置1は、このような流体の吹き付けを行うための冷却機構5を備えている。
例えば、冷却機構5は、導体2の内面に配置された多数のノズル51と、制御装置4に設けられた流体供給源52と、各ノズル51を流体供給源52に接続する配管53とを備えている。流体供給源52は、例えば制御装置4の制御の下で、配管53を介して各ノズル51に流体を供給する。このとき、各ノズル51からはコイルばねWに向けて流体が噴射される。なお、ノズル51は必ずしも導体2に設けられる必要はなく、導体2とは異なる部材に設けられてもよい。
加熱装置1は、コイルばねWの近傍に配置可能な強磁性体6をさらに備えてもよい。強磁性体6は、例えばフェライトによって形成することができるが、この例に限られない。図1の例においては、強磁性体6がコイルばねWの内側に挿入されている。
図2は、図1に示したように組み立てられたコイルばねW、導体2および強磁性体6の概略的な側面図である。なお、図2においては、導体2の一部の断面構造も示している。以下の説明においては、図2に示すように、コイルばねWの軸AXに沿う軸方向DX、軸AXを通りかつ軸AXと垂直を成す半径方向DR、および、軸AXを中心とした周方向Dθを定義する。
導体2は、例えば軸AXを中心とした円筒状である。図2の例においては、導体2が導電性の金属材料の単層構造を有している。導体2は、電気的にフローティング状態であり、コイルばねWなどの他の導電性の要素と絶縁されている。導体2は、例えば図示せぬ絶縁性の部材によって支持されている。
導体2とコイルばねWの間には、隙間G1が形成されている。すなわち、導体2の内面は、コイルばねWの外径側表面と隙間G1を介して対向している。図2の例においては、隙間G1の大きさが周方向Dθのいずれの位置においても一定であるが、この例に限られない。
強磁性体6は、例えば軸AXを中心とした円柱状である。強磁性体6は、軸AXを中心とした円筒状などの他の形状を有してもよい。強磁性体6も電気的にフローティング状態であり、導体2やコイルばねWなどの他の導電性の要素と絶縁されている。強磁性体6は、例えば図示せぬ絶縁性の部材によって支持されている。
強磁性体6とコイルばねWの間には、隙間G2が形成されている。すなわち、強磁性体6の外面は、コイルばねWの内径側表面と隙間G2を介して対向している。図2の例においては、隙間G2の大きさが周方向Dθのいずれの位置においても一定であるが、この例に限られない。
図3は、コイルばねW、導体2および強磁性体6に適用し得る他の構成を示す概略的な側面図である。この図においても、導体2の一部の断面構造を示している。図3の例においては、導体2が絶縁部分21および導電部分22を備えている。
絶縁部分21は、例えばプラスチックなどの絶縁性の材料によって円筒状に形成されている。導電部分22は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金またはそれらを一種以上含む複合材などの導電性の材料によって形成され、絶縁部分21の内面を覆っている。導電部分22は、隙間G1を介してコイルばねWの外径側表面と対向している。
導電部分22は、例えば絶縁部分21の内面に成膜あるいはコーティングされた薄膜である。導電部分22は、絶縁部分21の内面に接着層を介して貼り付けられたテープ状の部材であってもよい。また、導電部分22は、絶縁部分21とは別途に成形されて絶縁部分21の内側に嵌められた円筒状の部材であってもよい。
一例では、導電部分22は、絶縁部分21の内面の全体を覆っている。他の例として、導電部分22は、絶縁部分21の内面の一部を覆ってもよい。
続いて、導体2の役割について説明する。コイルばねWのようなワークに電流が流れたとき、その近傍に電気的にフローティング状態の導体が配置されていると、いわゆる近接効果が生じる。本実施形態においては、この近接効果を利用してコイルばねWの電流密度分布(加熱温度分布)が制御される。
図4は、近接効果を説明するための模式図であり、棒状のワークWsとその近傍に配置された導体2sを示している。ワークWsに電源からの電流IAが流れると、ワークWsの周囲に磁界HIAが発生する(アンペールの法則)。
導体2sにおいては、この磁界HIAに起因した渦電流IE1が発生する(レンツの法則)。さらに、渦電流IE1に起因した磁界HIEが導体2sの周囲に発生する。この磁界HIEがワークWsに作用すると、ワークWsにおいては渦電流IE2が発生する。
電流IA、渦電流IE1および渦電流IE2が流れる方向は、図中に矢印で示す通りである。すなわち、ワークWsにおいては、導体2sから遠い側の側面の近傍では電流IAが流れる方向と渦電流IE2が流れる方向とが逆となる。一方で、導体2sに近い側の側面の近傍では、電流IAが流れる方向と渦電流IE2が流れる方向とが一致する。これにより、ワークWsの電流密度は、導体2sに近い側の側面付近において高くなる。
このような近接効果を利用することで、ワークWsの電流密度分布および加熱密度分布を制御することが可能である。例えば、図4のようにワークWsの外面の一部に対向するように導体2sを配置した場合、ワークWsの表面および内部において、周方向の位置によって変化する電流密度分布および加熱密度分布を得ることができる。これらの分布は、例えば導体2sとワークWsの間の距離によって適宜に調整し得る。
また、ワークWsの長さ方向において、導体2sをワークWsの一部にのみ対向するように配置した場合には、ワークWsの表面および内部にて長さ方向の位置によって変化する電流密度分布および加熱密度分布を得ることができる。
次に、ワークがコイルばねWである場合の通電加熱と近接効果につき、図5および図6を用いて説明する。図5は、導体2が配置されていない場合のコイルばねWの電流密度分布(加熱温度分布)を示す概略的な斜視図である。図6は、導体2が配置されている場合のコイルばねWの電流密度分布(加熱温度分布)を示す概略的な斜視図である。これらの図においては、コイルばねWおよび導体2の一部のみを示している。また、コイルばねWにおいて電流密度が高い箇所(加熱温度が高い箇所)にドット模様を付している。
交流電流がコイルばねWなどのワークに流れる際には、表皮効果により、その表面における電流密度が高まる。さらに、コイルばねWのように非直線状の曲がり部を有するワークにおいては、曲げの内側の表面を通る電流経路が短いために、曲げの内側の表面付近の電流密度が高まりやすい。
具体的には、図5の例においては、コイルばねWの内径側表面S1(コイルばねWの表面のうち軸AXと対向する部分)付近における電流密度が外径側表面S2付近に比べて高くなる。そのため、内径側表面S1付近が優先的に加熱される。
これに対し、コイルばねWの周囲に導体2を配置した場合には、上述の近接効果により、内径側表面S1付近に片寄っていた電流が外径側に引き寄せられる。これにより、例えば図6に示すように、電流密度分布および加熱温度分布をコイルばねWの素線の周方向に均一化することができる。他の例として、導体2とコイルばねWの間の隙間G1の調整などにより、外径側表面S2付近の電流密度が内径側表面S1付近の電流密度よりも高くなるようにしてもよい。その他にも、加熱装置1によって実現する電流密度分布および加熱温度分布は、ワークに求められる特性に応じて適宜に調整し得る。
電流密度分布および加熱温度分布は、強磁性体6によっても制御可能である。図7は、導体2および強磁性体6が配置されていない場合のコイルばねWの電流密度分布(加熱温度分布)を示す概略的な斜視図である。図8は、強磁性体6が配置されている場合のコイルばねWの電流密度分布(加熱温度分布)を示す概略的な斜視図である。これらの図においては、コイルばねWおよび導体2の一部のみを示している。また、図5および図6と同じく、コイルばねWにおいて電流密度が高い箇所(加熱温度が高い箇所)にドット模様を付している。
上述の通り、導体2および強磁性体6が配置されていない場合には、図7に示すように内径側表面S1付近における電流密度が外径側表面S2付近に比べて高くなる。強磁性体6は、通電時に生じる磁束に影響を与え、図7のような片寄った電流密度をコイルばね2の外径側に広げる機能を有している。
そのため、図8に示すように強磁性体6を配置することによっても、導体2を配置する場合と同様に、電流密度分布および加熱温度分布を制御することができる。図8の例においては、電流密度分布および加熱温度分布がコイルばねWの素線の周方向に均一化されているが、この例に限られない。
図1乃至図3においては、導体2がシームレスな円筒状の部材である場合を例示した。これに限られず、導体2が複数の部分に分割されてもよい。図9は、分割された導体2を備える加熱装置1の一例を示す(a)正面図および(b)側面図である。この図の例において、導体2は、周方向Dθに分割された第1部分2Aおよび第2部分2Bを有している。
このような構成であれば、コイルばねWの周囲に導体2を配置する作業が容易となる。例えば、コイルばねWに第1端子3Aおよび第2端子3Bを取り付けた後であっても、これら端子3A,3Bや、これら端子3A,3Bと電源41とを繋ぐ配線に邪魔されずに導体2を設置することができる。
一方で、図9に示すように第1部分2Aおよび第2部分2Bが離間していると、コイルばねWへの通電時に導体2に生じる渦電流IE1が第1部分2Aおよび第2部分2Bの端部で折り返すこととなる。これにより、コイルばねWに対する近接効果も不均一となり、電流密度分布に不所望なむらが生じる。なお、第1部分2Aと第2部分2Bの端部同士が接触している場合でも、第1部分2Aと第2部分2Bの境界付近でコイルばねWの電流密度分布が乱れ得る。
図10は、分割された導体2を備える加熱装置1の他の例を示す(a)正面図および(b)側面図である。この図の例においても、導体2が第1部分2Aおよび第2部分2Bに分割されている。さらに、第1部分2Aが第1フランジ部23Aを有し、第2部分2Bが第2フランジ部23Bを有している。
第1フランジ部23Aは、第1部分2Aの周方向Dθにおける両端部から半径方向DRに突出している。第2フランジ部23Bは、第2部分2Bの周方向Dθにおける両端部から半径方向DRに突出している。これらフランジ部23A,23Bは、軸方向DXと平行に延びている。
フランジ部23A,23Bは、複数の連結部材24によって連結されてもよい。連結部材24は、例えばフランジ部23A,23Bを圧接するものであり、ボルトおよびナットの組み合わせや、フランジ部23A,23Bを挟み込むクリップ状の部材などを適用できる。
フランジ部23A,23Bが圧接されることにより、第1部分2Aおよび第2部分2Bが良好に導通し、これらの境界が渦電流IE1に与える影響が小さくなる。そのため、渦電流IE1は当該境界において折り返すことなく、概ねシームレスに導体2を流れる。これにより、コイルばねWに対する近接効果も均一化され、好適な電流密度分布を得ることができる。
図11は、分割された導体2を備える加熱装置1のさらに他の例を示す(a)正面図および(b)側面図である。この図の例においても、導体2が第1部分2Aおよび第2部分2Bに分割されている。さらに、第1部分2Aが第1テーパ面25Aを有し、第2部分2Bが第2テーパ面25Bを有している。
第1テーパ面25Aは、第1部分2Aの周方向Dθにおける両端部に設けられ、半径方向DRに対して傾斜している。第2テーパ面25Bは、第2部分2Bの周方向Dθにおける両端部に設けられ、半径方向DRに対して傾斜している。
第1部分2Aおよび第2部分2Bは、テーパ面25A,25Bが面接触するように配置される。テーパ面25A,25Bが圧接されるように第1部分2Aおよび第2部分2Bを押し合わせる連結部材がさらに設けられてもよい。
図11の例においては、テーパ面25A,25Bを設けたことにより、第1部分2Aおよび第2部分2Bの両端部の接触面積が増大する。これにより、第1部分2Aおよび第2部分2Bが良好に導通するため、図10の例と同様の効果を得ることができる。
図12は、分割された導体2を備える加熱装置1のさらに他の例を示す(a)正面図および(b)側面図である。この図の例においても、導体2が第1部分2Aおよび第2部分2Bに分割されている。さらに、第1部分2Aと第2部分2Bが複数の導電材26によって接続されている。
導電材26は、例えばシート状であり、その一端が第1部分2Aの周方向Dθにおける端部に接続され、他端が第2部分2Bの周方向Dθにおける端部に接続されている。導電材26は、例えば図12(b)に示すように第1部分2Aおよび第2部分2Bの端部同士を近接させた際に撓むことが可能な柔軟性を有している。なお、図12においては第1部分2Aおよび第2部分2Bの端部同士が離間した状態を示しているが、通電時にはこれら端部同士が接触するように第1部分2Aおよび第2部分2Bが押し合わされる。なお、導電材26は柔軟性を有するシート状のものに限られない。他の例として、導電材26は、弾性を有する板ばねなどであってもよい。
このような導電材26を設けることにより、例えば図12(b)に示すように第1部分2Aおよび第2部分2Bの端部同士が離間している場合でも、第1部分2Aと第2部分2Bとを確実に導通させることできる。これにより、図10および図11の例と同様の効果を得ることができる。
各導電材26は、図12(a)に示すように、第1部分2Aと第2部分2Bの境界がコイルばねWの外径側表面と対向する位置に配置されてもよい。これにより、コイルばねWに沿って生じる渦電流IE1の経路が乱されにくくなる。
図13乃至図15は、第1部分2Aおよび第2部分2Bの接続部に適用し得る構成の他の例を示す図である。これらの例においては、第1部分2Aの端部に凹部200Aが設けられ、第2部分2Bの端部に凸部200Bが設けられている。
凹部200Aおよび凸部200Bは、互いに嵌め合う形状を有している。具体的には、図13(a)の例における凹部200Aおよび凸部200Bは、いずれも断面形状がV字型である。また、図14(a)の例における凹部200Aおよび凸部200Bは、いずれも断面形状が矩形状である。
第1部分2Aおよび第2部分2Bを接続する際には、図13(b)および図14(b)に示すように、凹部200Aに凸部200Bが挿入される。これにより、第1部分2Aおよび第2部分2Bのずれが抑制されるとともに、第1部分2Aおよび第2部分2Bの端部が平坦な場合に比べて両者の接触面積が増大するため、第1部分2Aおよび第2部分2Bが良好に導通する。
図15(a)の例における凹部200Aおよび凸部200Bの形状は、図13の例と同様である。ただし、図15(b)の例においては、第1部分2Aと第2部分2Bの接続面の間に導電性液体201が配置されている。例えば、導電性液体201としては、導電性ペースト、導電性グリースまたは導電性接着材などを用いることができる。このような導電性液体201は、接続前の凹部200Aに塗布されてもよいし、凸部200Bに塗布されてもよいし、凹部200Aおよび凸部200Bの双方に塗布されてもよい。
なお、図13乃至図15においては、下方に位置する第1部分2Aに凹部が設けられ、上方に位置する第2部分2Bに凸部が設けられる構成を例示した。この例に限られず、第1部分2Aに凸部が設けられ、第2部分2Bに凹部が設けられてもよい。また、図10、図11、図12および図14に示した構成の第1部分2Aまたは第2部分2Bの端部に対し、図15に示した導電性液体201が配置されてもよい。
なお、図9乃至図15においては、導体2が周方向Dθにおいて2つの部分に分割される例を示した。これに限らず、導体2は、周方向Dθにおいて3つ以上の部分に分割されてもよい。また、導体2は、軸方向DXにおいて複数の部分に分割されてもよい。これらの場合において、分割された複数の部分の接続に図10乃至図15と同様の構造を適用してもよい。
図1および図2などにおいては、正円筒形状の導体2を例示した。しかしながら、導体2にはワークに応じて種々の形状を適用し得る。図16乃至図19は、導体2に適用し得る形状の変形例を示す概略的な断面図である。これらの図においては、ワークWtの一部の断面とその近傍の導体2の断面とを示している。例えばワークWtがコイルばねWである場合、各図のワークWtの断面はコイルばねWの素線の横断面に相当する。
図16乃至図19の例においては、導体2がワークWtの周囲の3方向を囲っている。具体的には、図16の例において、導体2は、一対の平坦部27a,27bと、これら平坦部27a,27bを繋ぐ曲げ部27cとを有している。曲げ部27cの断面形状は、ワークWtの外周面に沿って滑らかに曲がった円弧状である。
図17の例において、導体2は、互いに平行な一対の平坦部28a,28bと、これら平坦部28a,28bを繋ぐ平坦部28cとを有している。平坦部28cは、平坦部28a,28bと垂直を成している。
図18の例において、導体2は、互いに平行な一対の平坦部29a,29bと、これら平坦部29a,29bを繋ぐ曲げ部29cとを有している。曲げ部29cの断面形状は、ワークWtの外周面に沿って滑らかに曲がった円弧状である。
図19の例においては、導体2がワークWtの全周を覆っている。導体2の断面形状は、例えば正円形であるが、楕円形などの他の形状であってもよい。
例えばワークWtがコイルばねWである場合、導体2は、図16乃至図18のいずれかに示した形状を軸方向DXに連続的に配置した構造を有してもよい。また、導体2は、図16乃至図19に示した形状を適宜に組み合わせることにより形成されてもよい。その他にも、導体2には種々の形状を適用し得る。
以上説明した本実施形態に係る加熱装置1および加熱方法においては、電気的にフローティング状態である導体2とワークの間で生じる近接効果により、ワークにおける電流密度分布および加熱温度分布が制御される。これにより、ワークの各部における硬度、応力および組織などの特性分布を制御することが可能となる。導体2に加えて強磁性体6を用いる場合には、電流密度分布、加熱温度分布およびこれらによってもたらされる特性分布の制御精度が一層向上する。
より具体的には、導体2とワークの間の距離、導体2の形状、材質、ワーク表面において導体2を対向させる位置、強磁性体6とワークの間の距離、強磁性体6の形状、材質、ワーク表面において強磁性体6を対向させる位置、ワークへの通電時間(加熱時間)および電源41の周波数などの制御因子を調整することで、ワークの表面からの深さ方向、ワークの周方向、ワークの長さ方向などにおける特性分布を制御することができる。
以上説明した他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
以上説明した他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2実施形態について説明する。第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図20は、第2実施形態に係る加熱装置1の概略的な構成を示す図である。この加熱装置1は、第1実施形態と同じく、導体2(第1導体)と、第1端子3Aと、第2端子3Bと、制御装置4とを備えている。加熱装置1は、図1の例と同じく冷却機構5や強磁性体6を備えてもよい。
さらに、図20に示す加熱装置1は、導体7(第2導体)と、第3端子3Cとを備えている。導体7は、導体2およびコイルばねWを囲うように配置可能な形状を有している。例えば、導体7は両端が開口した円筒状であるが、他の形状であってもよい。
導体7は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金またはそれらを一種以上含む複合材などの導電性に優れた金属材料によって形成されている。導体7は、導体2と電気的に絶縁されている。これら導体2,7は、単に離間して配置されてもよいし、これらの間に絶縁層が配置されてもよい。
第2端子3Bは、配線を介して導体7と接続されている。導体7は、配線を介して第3端子3Cと接続されている。さらに、第3端子3Cは、配線を介して電源41と接続されている。
第1端子3Aおよび第2端子3BをコイルばねWに取り付けると、電源41、第1端子3A、コイルばねW、第2端子3B、導体7および第3端子3Cを順に接続した回路が形成される。図20においては、実線矢印によって当該回路に流れる電流の一例を示している。この電流が流れる方向は、電源41の周波数に応じて周期的に切り替わる。
本実施形態に係る加熱装置1の構成であっても、第1実施形態と同じく、導体2や強磁性体6によってコイルばねWの電流密度分布および加熱温度分布を制御することができる。第1実施形態にて開示した各種の構成は、いずれも第2実施形態に係る加熱装置1にも適用することが可能である。
導体7は、図9乃至図15に示した導体2のように複数の部分に分割されてもよい。この場合には、導体7をコイルばねWおよび導体2の周囲に設置する作業が容易となる。導体2、導体7、コイルばねWおよび強磁性体6の配置態様は、図20に示したものに限られない。例えば、コイルばねWの内側に導体7が配置されてもよい。この場合において、導体2がコイルばねWと導体7の間に配置され、強磁性体6がコイルばねWの外側に配置されてもよい。
[コイルばねの製造方法への適用例]
ここで、第1および第2実施形態にて開示した加熱装置1を用いた加熱方法を取り入れたコイルばねの製造方法を例示する。
ここで、第1および第2実施形態にて開示した加熱装置1を用いた加熱方法を取り入れたコイルばねの製造方法を例示する。
図21は、コイルばねの製造方法の一例を示すフローチャートである。この例は、いわゆる熱間成形に相当するものであり、先ずばね鋼などの素線が加熱される(工程P11)。さらに、工程P11の加熱によって高温となった素線がコイリングマシンにより螺旋状に成形される(工程P12)。これら工程P11,P12において、素線が焼入れされる。必要に応じて、工程P12の後に素線の表面寄りの内部の硬度を低下させるための表面焼入れが施される(工程P13)。その後、素線に対して焼戻しが施される(工程P14)。
工程P13以降に、素線の表面を軟化させる表面軟化処理が施されてもよい(工程P15)。この表面軟化処理の対象は、コイルばねの全体であってもよいし、座巻部などのコイルばねの長さ方向における一部であってもよい。
図22は、コイルばねの製造方法の他の例を示すフローチャートである。この例においては、先ず素線がコイリングマシンにより螺旋状に成形される(工程P21)。工程P21の後、素線に対して焼入れが施される(工程P22)。その後、必要に応じて工程P13と同様の表面焼入れが素線に対して施される(工程P23)。さらに、工程P14と同様の焼戻しが素線に対して施される(工程P24)。工程P23以降に、工程P15と同様の表面軟化処理が施されてもよい(工程P25)。
図23は、コイルばねの製造方法のさらに他の例を示すフローチャートである。この例は、いわゆる冷間成形に相当するものであり、先ず素線に対して焼入れが施される(工程P31)。焼入れの後、素線に対して焼戻しが施される(工程P32)。
工程P32の後、素線がコイリングマシンにより螺旋状に成形される(工程P33)。さらに、素線を所定温度に加熱することにより、素線に対する焼鈍が施される(工程P34)。工程P33以降に、工程P15と同様の表面軟化処理が施されてもよい(工程P35)。
各実施形態にて開示した加熱装置1を用いた加熱方法は、工程P13,P23の表面焼入れ、工程P14,P24の焼戻し、あるいは工程P15,P25,P35の表面軟化処理のように、素線が螺旋状に成形された後の熱処理に適用することができる。例えば、工程P15,P25,P35の表面軟化処理を座巻部などのコイルばねの長さ方向における一部に対して施す場合、第1端子3Aおよび第2端子3Bは、当該一部の両端に取り付ければよい。
なお、各実施形態にて開示した加熱装置1を用いた加熱方法は、工程P31の焼入れや工程P32の焼戻しなど、螺旋状に成形される前の素線に対する熱処理に適用されてもよい。
上述の第1および第2実施形態やコイルばねの製造方法への適用例は、本発明の範囲をこれら実施形態および適用例にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、これら実施形態および適用例にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
1…交流通電加熱装置、2…導体(第1導体)、3A…第1端子、3B…第2端子、4…制御装置、5…冷却機構、6…強磁性体、7…導体(第2導体)、41…電源、W…コイルばね(ワーク)、DX…軸方向、DR…半径方向、Dθ…周方向。
Claims (13)
- 導電性のワークを用意し、
交流電流を供給可能な電源に接続された第1端子および第2端子を前記ワークに取り付け、
電気的にフローティング状態である第1導体を、前記ワークへの前記交流電流の通電時に近接効果を生じる位置に配置し、
前記第1端子および前記第2端子を通じて前記ワークに前記交流電流を流すことにより、前記ワークの少なくとも一部を加熱する、
ことを含む交流通電加熱方法。 - 前記ワークの近傍に強磁性体を配置することをさらに含む、
請求項1に記載の交流通電加熱方法。 - 前記第1導体と前記強磁性体の間に前記ワークが位置するように、前記ワーク、前記第1導体および前記強磁性体が配置される、
請求項2に記載の交流通電加熱方法。 - 前記第2端子および前記電源に接続された第2導体を、前記第1導体と電気的に絶縁された状態で配置することをさらに含み、
前記ワークの少なくとも一部を加熱する際に、前記第1端子、前記ワーク、前記第2端子および前記第2導体を順に含む回路に前記交流電流が流れる、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の交流通電加熱方法。 - 交流電流を供給可能な電源と、
前記電源に接続され、導電性のワークに取り付け可能な第1端子および第2端子と、
電気的にフローティング状態であり、前記ワークへの前記交流電流の通電時に近接効果を生じる位置に配置される第1導体と、
を備え、
前記第1端子および前記第2端子を通じて前記ワークに前記交流電流を流すことにより、前記ワークの少なくとも一部を加熱する、
交流通電加熱装置。 - 前記第1導体は、周方向に分割された第1部分および第2部分を含む筒状であり、
前記第1部分は、前記周方向における端部に設けられた第1フランジ部を有し、
前記第2部分は、前記周方向における端部に設けられた第2フランジ部を有し、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部を接触させることにより、前記第1部分および前記第2部分が導通する、
請求項5に記載の交流通電加熱装置。 - 前記第1導体は、周方向に分割された第1部分および第2部分を含む筒状であり、
前記第1部分は、前記周方向における端部に設けられ、前記第1導体の半径方向に対して傾斜した第1テーパ面を有し、
前記第2部分は、前記周方向における端部に設けられ、前記半径方向に対して傾斜した第2テーパ面を有し、
前記第1テーパ面と前記第2テーパ面を接触させることにより、前記第1部分および前記第2部分が導通する、
請求項5に記載の交流通電加熱装置。 - 前記第1導体は、周方向に分割された第1部分および第2部分を含む筒状であり、
前記第1部分および前記第2部分は、弾性あるいは柔軟性を有する導電材によって接続されている、
請求項5に記載の交流通電加熱装置。 - 前記第1導体は、周方向に分割された第1部分および第2部分を含む筒状であり、
前記第1部分および前記第2部分の一方は、前記周方向における端部に設けられた凹部を有し、
前記第1部分および前記第2部分の他方は、前記凹部に挿入可能な凸部を有している、
請求項5に記載の交流通電加熱装置。 - 前記第1導体は、周方向に分割された第1部分および第2部分を含む筒状であり、
前記第1部分および前記第2部分は、導電性液体を介して接続される、
請求項5に記載の交流通電加熱装置。 - 前記第1導体は、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金である、
請求項5乃至10のうちいずれか1項に記載の交流通電加熱装置。 - 前記ワークの近傍に配置可能な強磁性体をさらに備える、
請求項5乃至10のうちいずれか1項に記載の交流通電加熱装置。 - 前記第2端子および前記電源に接続されるとともに、前記第1導体と電気的に絶縁された第2導体をさらに備える、
請求項5乃至10のうちいずれか1項に記載の交流通電加熱装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022-210057 | 2022-12-27 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
WO2024142978A1 true WO2024142978A1 (ja) | 2024-07-04 |
Family
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