WO2024142435A1 - 回転電機 - Google Patents

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祐 長谷川
啓祐 竹内
守 木村
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株式会社日立産機システム
株式会社日立製作所
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回転電機のロータの軽量化を図り、高速回転時のロータ変形量を少なくしながら、q軸の磁気抵抗を小さくする。回転子の磁石挿入孔126a~126cを磁極中心軸であるd軸を中心として線対称に複数位置し、q軸に近い磁石挿入孔126a、126cの内周側に、曲線を含んで構成される肉抜き穴128、129を形成する。肉抜き穴128、129の断面形状は、回転軸A1からの最近点70が曲率が最も大きい曲線部分になるように配置する。磁石挿入孔126a、126cと、肉抜き穴の直線部との対向部分の全域は、一定の距離Sを以って位置し、肉抜き穴を構成する辺のうち最外周位置50が、磁石挿入孔を構成する辺のうち回転子の中心軸に最も近い端部60よりも外周側に位置するように配置される。

Description

回転電機
 本発明は回転電機に関し、特に、回転子の内部に永久磁石が埋め込まれたロータを有するラジアルギャップ型の回転電機に関する。
 回転電機の回転子に永久磁石を埋め込むようにした永久磁石式の回転電機が知られている。この回転電機の回転子の構造は、所定の設計形状の電磁鋼板を積層して作ったコアに磁石挿入用の空間を設け、その空間に永久磁石を挿入して形成される。永久磁石の固定方法に関する従来技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1は、円筒状のコア外周面を有するロータコアと、ロータコアの内部に埋め込まれる複数の永久磁石と、を備えるインナーロータ型の回転電機のロータであって、ロータ磁極間でコア周方向に隣接する2つの永久磁石の間に設けられ、コア外周面からコア径方向内側へ延びる磁極間ブリッジと、ロータ磁極間における磁極間ブリッジのコア径方向内側に形成された磁極間空隙部を備えたロータが開示されている。この磁極間空隙部が、磁極間ブリッジの両側の永久磁石のそれぞれのコア径方向内側面に平行状に形成された平行状壁面を有し、コア径方向内側面と平行状壁面との間に形成された内側ブリッジが、磁極間ブリッジのコア径方向内側端部に接続される。永久磁石のコア径方向内側面の延在方向に平行な方向の長さは、当該延在方向に直交する方向の幅よりも長い形状とされる。このような構成により、強度的な低下を抑制しながらもq軸の磁気抵抗を高めるという課題を解決することができる。
 永久磁石の固定方法に関する別の従来技術として特許文献2がある。特許文献2に記載されたロータは、周方向に沿って形成された複数の開口部を有するロータコアと、各々が各複数の開口部に挿入されて磁極を構成する複数の永久磁石と、各複数の開口部の内周面と各複数の永久磁石の外周面との隙間にそれぞれ加圧充填された充填剤とを含み、ロータコアは、ロータコアの周方向に沿って配され、ロータコアの周方向外方の変形を吸収するように構成された孔部をさらに有するように構成される。このような構成により、ロータコアの変形を抑制するという課題を解決できる。
特開2012-75278号公報 特開2007-89291号公報
 回転電機は、高効率化による省エネルギー化を図り、CO2排出を削減するために、小型大出力化のための高速駆動が要求されている。高速回転に比例してモータは大きな逆起電力を発生するため、モータを駆動するインバータの電圧制限に合わせて逆起電力を抑制する弱め界磁制御を行うことが多い。このとき、埋込磁石型モータでは、弱め界磁によって磁石トルクは減少するが、磁気的な突極性を電磁力として利用したリラクタンストルクを併用することができる。リラクタンストルクの大きさは、電機子電流の位相と、磁気的な突極性に依存するため、q軸磁束の磁路を確保することでd軸磁束とq軸磁束の差を大きくすることが重要である。
 モータのロータには、高速回転時に大きな遠心力が作用するため、高速回転時の課題として、ロータコアの塑性変形による破損や、ロータコア内部に挿入された磁石の飛び出しを防止するための安全設計も必要である。一方で、高速回転時のトルクを維持するためにはリラクタンストルクの活用が必要であり、そのためにはロータのq軸磁束のパスを十分に確保する必要がある。これらの対策として、特許文献1および特許文献2に記載されるような構造では、磁石収納部に発生する応力集中を緩和するために、空隙部をロータコアの磁極間(q軸上)に設けている。しかし、ロータコアを肉抜きすることで磁石収納部にかかる応力を低減する効果が得られるものの、代わりに肉抜きした穴に応力が集中してしまい、応力集中箇所が破断してしまうという虞がある。また、肉抜き穴がq軸磁束の磁路にあるため、磁気抵抗となってモータ性能を劣化させてしまうという別の問題が発生する虞がある。
 本発明は上記の背景に鑑みてなされたもので、その目的は、高速回転時のロータ変形量を少なくしながらも、q軸の磁気抵抗が小さい埋込磁石型ロータを有するラジアルギャップ型の回転電機を提供することにある。
 本発明の別の目的は、ロータコアに回転軸方向に連続する肉抜き穴を形成した際に、肉抜き穴自体に応力が集中したり、肉抜き穴がq軸磁束の磁気抵抗となってモータ性能を劣化させないようにした回転電機を提供することにある。
 本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。本発明の一つの特徴によれば、回転電機は、固定子コイルを有する固定子と、磁極を構成する永久磁石が挿入されている磁石挿入孔を有するとともに、固定子の内側に、回転軸を中心に回転可能に保持されている回転子を備える。磁石挿入孔は、磁極中心軸であるd軸を中心として線対称に複数配置される。また、回転子の各磁極内において、q軸上から離れて位置している永久磁石の内周側(回転軸に近い側)の近傍に、肉抜き穴を形成した。肉抜き穴は、半円状又は涙滴形とすると良い。この肉抜き穴を構成する輪郭は曲線を含むように形成され、回転軸から肉抜き穴に最も近いところの地点は曲率が最も大きい曲線にて構成されるようにした。
 本発明の他の特徴によれば、回転子コアは回転軸線方向に積層される電磁鋼板によって形成され、回転子コアの各磁極中には、磁極中心軸であるd軸上に一つの永久磁石を配置し、残りの永久磁石をd軸に対して線対称(面対称)となるように磁極内にそれぞれ配置する。そして、磁極内に2つの肉抜き穴を設けるが、それらがq軸と最も近い永久磁石の内周側(回転軸に近い側)にわずかな距離を隔てて配置するようにした。永久磁石は、周方向の幅が径方向の厚さよりも大きくなるものを使用する。また、d軸上に位置する永久磁石を除いて、永久磁石の周方向の中心線の向きが、回転子コアの接線方向と所定の角度θを有するように斜めに配置される。斜めにする向きは、永久磁石のp軸に近い側が径方向外側に位置するように向けられる。磁石挿入孔と、肉抜き穴の内周側の辺との対向部分は、一定の距離を保つように位置しており、肉抜き穴の最外周位置は、磁石挿入孔を構成する辺のうち回転子の中心軸に最も近い端部よりも外周側に位置するようにした。
 本発明によれば、回転子コアの軽量化を図り、高速回転時のロータ変形量を少なくした埋込磁石型ロータを有するラジアルギャップ型の回転電機を提供できる。また、q軸上には肉抜き穴を形成しないようにしたので、磁気抵抗を小さくすることができ、高効率のモータ性能を維持した回転電機を提供できる。
本発明の第1の実施例に係る回転電機1の構成を示す図である。 図1のA-A部における断面図である。 図2の回転子20の部分拡大図である。 本発明の第2の実施例に係る回転電機1Aの断面図である。 図4の回転子20Aの部分拡大図である。 本発明の第3の実施例に係る回転電機1Bの断面図である。 図6の回転子20Bの部分拡大図である。
 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
 図1に、本発明の第1の実施例に係る回転電機(モータ)の構成を示す。図1は、回転電機1の回転軸A1を通る鉛直面における断面図である。回転電機1は、スロット数48、磁極数8の分布巻インナーロータ型永久磁石同期モータである。本発明ではスロット数と極数は特に限定されず、例えば24個のスロットと2極対の磁極を有したモータや、その他の数のスロット数、極数のモータであっても良い。
 図1に示すように、回転電機1は、固定子10と、固定子10の径方向内側に回転可能に支持される回転子20と、固定子10を覆うケース2と、回転子20に固定される回転軸4を含んで構成される。本実施例において、ケース2はアルミ合金等の非磁性体による金属製であって、固定子10の全体を覆うように形成される。部分的に図示した回転軸4は、出力軸として利用されるためケース2の一方側の外側まで飛び出すような長さに形成される。円柱状の回転子コア120は、円筒状の固定子10の内側において、固定子10の内周面と径方向にわずかなギャップ102を介して対向する。固定子10は周方向(回転方向)に等間隔で複数のスロット(図2参照)を有し、スロット内に一定のスロット間隔を亘って巻かれる電機子巻線112を備えている。
 回転子20は、薄い電磁鋼板を回転軸A1方向に多数積層して形成される回転子コア120と、回転子コア120の内部を回転軸A1方向に貫通する磁石挿入孔126に埋め込み固定される永久磁石122を有して構成される。永久磁石122は回転軸A1と直交する断面形状が図2で後述するような長方形であって、回転軸A1方向に細長い形状である。図1では永久磁石122が回転軸A1方向に連続するように見えるが、分割された永久磁石122を、回転軸A1方向に数個並べるように分割して形成しても良い。回転子コア120の内部であって、永久磁石122よりも回転軸4に近い側には、回転子コア内部を軸方向に貫通する肉抜き穴128、129が形成される。
 肉抜き穴128、129の回転軸A1方向の2つの端部は、永久磁石の回転軸線A1方向の移動を阻止する押さえ板(図示せず)が配置される場合は、肉抜き穴128、129の開口を塞ぐようにしても良いし、開放されたままとして、空気の流通を許容するように構成することも可能である。肉抜き穴128、129は、軽量化を図ることによって高速回転時の磁石挿入孔126の変形量を少なくし、さらにはq軸の磁気抵抗を増やさないようにするために形成される。尚、肉抜き穴128、129に別の用途を持たせることも可能である。例えば、回転する回転子コア120の回転軸線A1の一方側端部の開口から、冷却媒体(冷媒)、クーラント液、絶縁油等を流すような構造としても良い。肉抜き穴128、129に液体を流す場合は、ポンプ等で圧力をかけて流す構成とすることができる。また、液滴を肉抜き穴128、129の開口に向けて飛ばすようにして、回転子20の回転力を利用して肉抜き穴128、129の内部にて液体が移動するようにして、液滴が他方の開口から排出されるように構成しても良い。
 図2は、図1のA-A部における断面図であり、図1におけるケース2内側の構成を示す。図2において、回転子20は回転軸4に固定され、回転軸4と共に回転軸A1を中心に回転する。なお、以下の説明において、断りのない限り、「内周側」および「外周側」という記載は、それぞれ回転軸A1に対して距離が近い側と遠い側を意味する。また、「径方向」という記載は、回転軸と直角に交わる直線方向を意味し、「円周方向」という記載は、図2の矢印に図示したように回転子20の回転方向を意味するものとする。ロータの回転方向は、例えば図2の矢印の方向であるが、矢印と逆方向にも回転させることができる。
 回転子20は、回転軸4と、磁性体からなる円環状の回転子コア120と、磁石挿入孔126の内側に埋め込まれる永久磁石122によって構成される。回転子コア120に回転軸4を挿入して固定することによって、回転子コア120と回転軸4が同期して回転することになる。回転子コア120は、加工された磁性体で構成される。例えば、プレス加工やレーザ加工で任意の形状に形成された磁性体の鋼板を積層して構成する。磁性体の材質は、一般的に薄板のケイ素鋼板が用いられるが、本発明はこれに限らない。
 回転子コア120の内部には、複数の磁石挿入孔126と、複数の肉抜き穴128、129が形成される。本実施例の回転電機1は、磁極数が8であり、各磁極内にはそれぞれ、3つの永久磁石122(図3で示す122a、122b、122c)が配置される。このため、磁石挿入孔126は円周方向に1極あたり3個×8極=24個が配置される。それぞれの永久磁石122は、独立して形成される磁石挿入孔126にそれぞれ1本ずつ配置されるため、磁石挿入孔126も合計24本配置される。尚、本実施例では一つの磁極に3つの永久磁石122を配置しているが、磁極の数は任意であり、本発明では一つの磁極を構成する磁石数を2つ以上とする回転電機に適用が可能である。磁極内に配置される永久磁石122の数が奇数の場合は、少なくとも一つがd軸上に配置され、残りがd軸と重ならないように配置される。磁極内に配置される永久磁石122の数が偶数の場合は、全ての永久磁石122がd軸と重ならないように配置される。
 一つの磁極を構成する複数(ここでは3つ)の永久磁石122は、磁極の磁気的な中心軸であるd軸を中心として線対称に配置する。永久磁石122は、回転子コア120の内部において、磁極の向きが円周方向に各極ごとに交互になるように並んでいる。本実施例では4極対を構成する。永久磁石122の材質は、フェライト磁石系、ネオジム磁石系、サマリウムコバルト磁石系などのいずれでも良い。また、永久磁石122は、軸方向に回転子コア120と同じ又はほぼ同じ長さを有するが、この長さ分を複数に分割しても良いし、長さ方向に分割されるだけでなく、径方向や周方向に分割されていても良い。一つの磁極を構成する磁石数が奇数の場合は、その内の一つの磁石がd軸を跨いで中心に配置される。磁石挿入孔126は断面形状が略長方形の棒状の形状であり、棒状の長手方向が、回転軸A1と平行方向に延在する。永久磁石122の配置に合わせて磁石挿入孔126も同様の断面形状で、回転軸A1と平行方向に延在するように形成される。
 固定子10は、略円筒状の固定子ヨーク110と、固定子ヨーク110の外側円筒部分から径方向内側に突出する複数のティース116と、電機子巻線112とで構成される。ティース116は、円周方向に等間隔で48個並んでいる。ギャップ102の外周側であって、2つのティース116に囲まれた空間がスロット104であり、スロット104に電機子巻線112が収容される。スロット104の合計は48個である。電機子巻線112は、断面が略長方形の平角電線で構成できるが、この形状は必須ではなく、断面が円形の丸線や、細線を束にした撚り線で構成しても良い。また、電機子巻線112は、スロット104に絶縁体で固定されていても良い。電機子巻線112は、例えば、銅を主成分とした電気導体に絶縁被膜(例えば、エネメルやエンプラ等)がコーティングされた銅線が使用されるが、絶縁体で構成したボビン等に銅線を一本ずつ挿入する形態で絶縁保護すれば絶縁被膜のない裸線を使用しても良い。スロット104の断面は、略長方形になるようにギャップに面するティース先端が矩形に構成される。但し、本発明ではスロット104の形状はこれに限定されない。例えば、ティース先端に円周方向の両方に延びる略楕円状の鍔部を構成しても良い。
 図3(A)は、図2で示した回転子20を2極分だけ抜粋した部分拡大図であり、図3(B)は、そのうちの1極分の外周部分をさらに拡大した部分拡大図である。固定子10の一極分の磁極は、回転子コア120内に設けられた第1の磁石挿入孔126a、第2の磁石挿入孔126b、第3の磁石挿入孔126cと、それぞれの磁石挿入孔に埋め込まれた第1の永久磁石122a、第2の永久磁石122b、第3の永久磁石122cと、2つの肉抜き穴128、129で構成される。回転子コア120の回転軸近くには、組み立て時の位置決め用の孔等、その他の孔が形成されても良いが、ここでは図示していない。図3(A)では、第1から第3の永久磁石122a、122b、122cのそれぞれに永久磁石の磁化方向を示す矢印を表記している。図3(A)において、d軸が図示された側の磁極内の永久磁石122a~122cは、外周面がS極となり、内周面がN極になる。一方、d軸が図示されていない側の極内であって、黒矢印が径方向外向きに図示された永久磁石122a~122cは、外周面がN極となり、内周面がS極になる。
 第2の永久磁石122bは、一つの磁極の磁気的な中心軸をd軸として、磁化方向の中央がd軸と重なるように配置される。それぞれの永久磁石が挿入される磁石挿入孔126a、126b、126cは、配置される永久磁石122a~122cの配置方向に合わせて形成される。また、第1の永久磁石122aおよび第3の永久磁石122cは、回転面の接線方向から所定の角度θを有するように傾けられた状態で配置される。つまり、d軸に重なる位置に配置される永久磁石122bは、その径方向中心線とd軸となす角が90度になるように配置され、d軸に重ならない位置に配置される永久磁石122a、122cは、その径方向中心線124a、124cとd軸のなす角が、θだけ少ない90度未満の傾きとなる。永久磁石122aと122cの傾ける向きは逆にされ、これらがd軸に対して線対称となるように配置される。
 図3(B)にて示すように肉抜き穴128は、断面形状では半円状であって、直線部128aと円弧部128bを組み合わせた形状をしている。半円の直線部128aが外周側に位置し、円弧部128bが内周側に位置するように配置され、半円の内部空間が磁極が形成されない空洞部分となる。同様に、肉抜き穴129は、断面形状では半円状であって、直線部129aと円弧部129bを組み合わせた形状をしている。断面の形状は、回転軸A1上のどこの断面でも同一形状の空洞であり、回転子コアの回転軸方向の一方側から他方側まで連続するように、回転子コア120を貫通している。肉抜き穴128、129は、一つの磁極当たり2つずつ配置されており、第1の磁石挿入孔126aの内周側に一つの肉抜き穴128が配置され、第3の磁石挿入孔126cの内周側に一つの肉抜き穴129が配置される。
 肉抜き穴128は、断面形状が長方形である第1の永久磁石122aの内側の長辺に対向する位置に設けられ、第1の永久磁石122aの占める範囲を長辺部分から直交方向内側に投影した範囲(短辺を延長した一点鎖線で囲まれる図3(A)に示した投影範囲P1)に入るように設けられる。肉抜き穴129は、断面形状が長方形である第3の永久磁石122cの内側の投影範囲(短辺を延長した一点鎖線で囲まれる図3(A)に示した投影範囲P3)の範囲中に入るように設けられる。それぞれの肉抜き穴128、129を構成する外縁のうち、第1の磁石挿入孔126aおよび第3の磁石挿入孔126cの直線部123a、123cと対向する直線部128a、129aは、第1の磁石挿入孔126aおよび第3の磁石挿入孔126cの内周側の直線部123a、123cと平行であり、かつ、一定の距離Sだけ離れている。つまり、2つの平行な直線部123aと128a、123cと129aの幅はそれぞれSであり、平行部の長さ、即ち直線部128a、129aの長さよりも幅Sが小さくなるような位置関係になるよう形成される。それぞれの肉抜き穴128、129は、磁極の中心軸であるd軸と重ならない位置に配置され、隣接する極との境界線であるq軸とも重ならないように、d軸及びq軸から離れた位置に設けられる。
 肉抜き穴128、129の内部は空洞であるが、ポンプ等によって外部から運ばれる冷却媒体(例えば、空気やクーラント液や油)を内部に流動させるための通路として利用しても良い。肉抜き穴128、129の最外周点50を結んだ、破線で示す仮想円83は、第1の磁石挿入孔126a~第3の磁石挿入孔126cの中心軸A1に近い端部(矢印60で示す位置)を結んだ破線で示す仮想円82よりも外周側に位置する。すなわち、肉抜き穴の128、129の最外周点50を結んだ仮想円83の回転軸中心からの距離Bと、磁石挿入孔126a~126cの最内周側端部60を結んだ仮想円82の回転軸中心からの距離Aの関係とは、常にA<Bとなるように設定する。
 肉抜き穴128、129を構成する外縁の内、回転軸中心からの距離が最も近い点70を結んだ、破線で示す仮想円81は、中心軸A1からの距離がCである。距離Cは肉抜き穴128、129を構成する最内周部上にあり、その距離関係は常にC<A<Bとなる。この最内周部70は、肉抜き穴128を構成する半円の曲線にあり、その曲線は肉抜き穴128、129を構成する曲線の内で最も大きな曲率部分である。このような形状の回転子コア120とすることにより、肉抜き穴128によって第1の磁石挿入孔126aの付近を軽量化することができ、第3の磁石挿入孔126cの付近を軽量化することができる。さらには、回転電機1を駆動する際に、肉抜き穴128、129が電機子で発生したq軸磁束を阻害する磁気抵抗にもならない。これにより、回転電機の磁気的な突極性が大きくなり、活用可能なリラクタンストルクが大きくなる。それだけでなく、それぞれの磁石挿入孔の端部60には、回転子20が回転する際に遠心力が作用し、磁石挿入孔の端部60を挟んで両側に引張応力が発生するが、回転子コア120の軽量化により、引張応力が小さくなり、応力集中を緩和することができる。
 磁石挿入孔126a、126cの直線部と肉抜き穴128、129の直線部128a、129aの間の平行部には、回転子20の回転時に遠心力による引張応力が作用するが、平行部には狭窄部や凹凸部が形成されないため応力集中が発生しにくい構造になる。また、肉抜き穴128、129の内周側は、最内周点70が曲線部分(曲面部分)に位置するので応力が分散するため、応力集中が発生しにくい構造となり、肉抜き穴の変形や破断を防止することができる。なお、磁石挿入孔126a~126cの仮想円82上にある角部にかかる応力集中は、肉抜き穴128、129の大部分が磁石挿入孔126a~126cの仮想円81上にある角部よりも外周側にあることで、より大きく緩和される。これは、遠心力が応力集中点よりも外周側に作用するためである。この効果は、仮想円82と仮想円83の回転軸A1からの距離(半径Aと半径B)の関係が常にA<Bとなることで得られる。しかし、肉抜き穴128と磁石挿入孔126a、肉抜き穴129と磁石挿入孔126cの間の距離(平行部の距離S)が小さすぎると、永久磁石122a~122cに由来する磁石磁束を阻害し、平行部の応力が大きくなるため、回転電機の回転数や磁石形状に合わせて距離Aを適切に設計することが重要である。
 以上のように、本実施例により、回転電機1の高速回転時に回転子に作用する遠心力で回転電機を破損することを防ぐだけでなく、弱め界磁を行った際のリラクタンストルクが大きくなり、より高効率な回転電機を構成することができる。
 次に、図4及び図5を用いて本発明の第2の実施例を説明する。図4は、本発明の第2の実施例に係る回転電機1Aの断面図である。図4に示す回転電機1Aの固定子10の構成は、図2に示した第1の実施例の回転電機1の固定子10と全く同一である。回転子20Aの構成の一部だけが図2に示した回転子20と異なる。異なる構成は、図2の肉抜き穴128、129に相当する部位である。第2の実施例では、肉抜き穴228、229の回転軸A1方向の断面形状を半円形ではなく、涙滴型の形状とした。肉抜き穴228、229を、一つの極内に2つずつ設ける点と、永久磁石122aと122cの内周側の近傍にそれぞれ設けるという思想は第1の実施例と同じである。尚、磁石挿入孔126a~126cの形状や配置と、そこに挿入される永久磁石122a~122cの形状や傾ける向きは図2で示した第1の実施例と同じである。
 図5(A)は、本発明の第2の実施例における回転子20Aの2極分の拡大図である。一つの磁極内には周方向に向かって、それぞれ3つの永久磁石122a~122cが設けられる。永久磁石122a~122cは、それぞれ第1の磁石挿入孔126a、第2の磁石挿入孔126b、第3の磁石挿入孔126cに収容される。肉抜き穴228は、第1の実施例と同様に、磁石挿入孔126aの内周側に配置され、肉抜き穴229は、磁石挿入孔126cの内周側に配置される。肉抜き穴228、229は、肉抜き穴128、129と同様に、回転子コア220の貫通穴として構成される。回転子20Aは8極の回転子コア220を有するが、各極内の永久磁石122a~122cの形状や配置は第1の実施例と同じである。つまり、図5(A)に示すように回転軸A1と直交する断面で見た際に、回転子コア220の形状は、回転軸A1を中心に回転方向に回転対称形状であり、任意のd軸を基準にすると線対称の形状である。
 肉抜き穴228、229の最外周点250を結んだ、破線で示す仮想円283は、第1の磁石挿入孔226a~第3の磁石挿入孔226cの中心軸A1に近い端部(矢印260で示す位置)を結んだ破線で示す仮想円282よりも外周側に位置する。すなわち、肉抜き穴の228、229の最外周点250を結んだ仮想円283の回転軸中心からの距離Bと、磁石挿入孔226a~226cの最内周側位置260を結んだ仮想円282の回転軸中心からの距離Aの関係とは、常にA<Bとなるように設定する。
 肉抜き穴228、229を構成する外縁の内、回転軸中心からの距離が最も近い点270を結んだ、破線で示す仮想円281は、中心軸A1からの距離がCである。距離Cは肉抜き穴228、229を構成する最内周部上にあり、その距離関係は常にC<A<Bとなる。この最内周部270は、肉抜き穴228を構成する半円の曲線にあり、その曲線は肉抜き穴228、229を構成する曲線の内で最も大きな曲率部分である。
 肉抜き穴228の形状は、図5(B)で示すように2つの直線部228a、228bとそれらの端部を接続する2つの曲線部228c、228dで構成された、いわゆる涙滴型の形状である。第1の実施例と同様に、肉抜き穴228を構成する直線部の一つ(直線部228a)は外周側にあり、磁石挿入孔126aの内側の直線部(矢印130aで示す部分)と平行である。直線部228aと130aの距離はSである。直線部のもう一つ(直線部228b)は内周側にある。直線部228aと228bは平行ではなく、曲率半径の小さな曲線部228dに近づくにつれて直線部228aと228bの間隔が狭くなる。逆に、曲率半径の大きな曲線部228cに近づくにつれて直線部228aと228bの間隔が広くなる。肉抜き穴228を構成する直線部228a、228bの両端位置(点線とクロスする部分)のうち、間隔が離れて対向する側の端部間は、曲線部228cと接続され、間隔が近づくように対向する側の端部間は、曲線部228dと接続される。尚、図5(A)から一目瞭然なように、肉抜き穴229の形状は、肉抜き穴228と同様であり、同一極内の肉抜き穴228と肉抜き穴229は、d軸に対して線対称(3次元的に見たら面対称)の関係となる。肉抜き穴229を構成する直線部の一つ(直線部229a)は外周側にあり、磁石挿入孔126cの内側の直線部(矢印131aで示す部分)と距離Sを隔てる平行である。直線部のもう一つ(直線部229b)は内周側にある。
 一般に、回転電機の回転子コアは、回転磁界による鉄損の発生を抑制するために、プレス加工した薄い電磁鋼板のコアを積層して形成する。このとき、プレス加工する穴の形状に鋭角な部分があると、加工時に過大な応力がかかり、ヒビ割れや歪みが発生し、プレス加工に失敗する原因となる。このため、プレス加工で製作する穴の形状は、単純かつ曲線的な形状で形成される方が有利である。第1の実施例において、肉抜き穴128、129を形作る辺は、一つの曲線部と、一つの直線部とで構成された半円形状であった。このため、肉抜き穴128、129の曲線部と直線部の接続部には、鋭角な部分があり、プレス加工が難しい形状となっている。これに対して第2の実施例では、肉抜き穴228、229を鋭角状の角部がない形状にて構成することにより、第1の実施例と同じ効果が得られるだけでなく、プレス加工時にひび割れ等が発生しにくくて生産性の高い形状となり、回転子部品の歩留まり向上の効果が得られる。
 図6は、本発明の第3の実施例における回転子20Bの2極分の拡大図である。その構成は特に言及する以外は第1の実施例および2と同様である。回転子コア320における各極内の3つの永久磁石122a~122cの配置は、第1及び第2の実施例と同様である。また、各極内に2つずつ設けられる肉抜き穴228、229の形状及び、配置は第2の実施例と同様である。しかしながら、第3の実施例の回転子コア320においては、永久磁石122aを保持するための磁石挿入孔326と、永久磁石122cを保持するための磁石挿入孔328の形状が、第1の磁石挿入孔126a、第3の磁石挿入孔126cと異なる。第2の永久磁石122bを保持する磁石挿入孔327の形状は、図3で示した磁石挿入孔126bと同一である。
 第3の実施例では、3つの磁石挿入孔326~328のうち、d軸と重ならない磁石挿入孔326と328の角部付近に、永久磁石122、126から突起状に離れるように延伸する3つの空隙を形成した。即ち、磁石挿入孔326では第1の永久磁石122aを収容する長方形状の空間の、d軸に近い側の内側角部から突起状空隙336が形成される。また、q軸に近い側の外側角部から2つの空隙部、即ち、d軸に近い方向に向けて周方向に延在する突起状空隙346と、q軸に近い方向に向けて周方向に延在する突起状空隙356が形成される。
 同様に、磁石挿入孔328では第3の永久磁石122cを収容する長方形状の空間の、d軸に近い側の内側角部から突起状空隙338が形成される。また、q軸に近い側の外側角部から、d軸に近い方向に向けて周方向に延在する突起状空隙348と、q軸に近い方向に向けて周方向に延在する突起状空隙358が形成される。
 図7(A)は、図6の図から永久磁石122a~122bを取り外した状態の部分拡大図である。第3の実施例では、回転子コア320の内径側の応力を低減するため,極内のd軸と重ならない第1の磁石挿入孔326、第3の磁石挿入孔328の内周側に肉抜き穴228、229を配置した。肉抜き穴228、229を設けた結果、回転子コア320における磁石挿入孔326と磁石挿入孔327の間,あるいは磁石挿入孔328と磁石挿入孔327の間の磁石間ブリッジに集中する応力がより分散される効果がある。また、磁石挿入孔326と磁石挿入孔328の、d軸に近い内側角部を、永久磁石122a、122cに沿った略直角の形状ではなく、矢印338cにて太線で強調表示した部分のように、十分の大きな曲率の曲面にて形成することで、応力集中を分散させることができる。この矢印338cのように大きな曲率の曲面で形成することは、永久磁石122cとの隙間となる突起状空隙338を形成することにより実現できる。
 磁石挿入孔328のq軸に近い永久磁石の径方向外側角部を保持する磁石バリアの角部を、突起状空隙348と358で連続するような周方向に細長い空隙部である突起状空隙348と358を形成した。これは矢印348cにて太線で強調表示した部分のように、十分の大きな曲率の曲面(図7の形状ではほとんど直線形状)に形成したものである。このように、第3の永久磁石122cの最外部の外側に、周方向に細長く延在する突起状空隙348、358を設けたので、q軸の磁路を阻害せずに回転子コア320を軽量化できる。この軽量化は、肉抜き穴229による軽量化と合わせて磁石挿入孔326、328に作用する引張応力を低減させる効果がある。第1の磁石挿入孔326の形状は、第3の磁石挿入孔328とd軸(図6参照)に対して対称形状であって、突起状空隙336、346、356が形成される。
 図7(B)は第3の磁石挿入孔328の拡大図である。第3の磁石挿入孔326は、挿入される永久磁石122cを収容する空間(図3で示す磁石挿入孔126cに相当する形状)に、突起状空隙338、348、358が連結されたような形状である。図7(B)で示す磁石挿入孔の形状は、回転子コア320を構成する電磁鋼板をプレス加工する際に打ち抜くことによって製造できる。ここで、d軸に近い側に形成される突起状空隙338は、永久磁石122cの内周側角部の形状に合わせた直角形状ではなくて、図7(A)の矢印338cで示したような、曲率半径を大きくした曲線(曲面)にて形成されていることが理解できるであろう。また、突起状空隙338の角部付近の曲面部分を径方向外側にまで延長させて、永久磁石122cのd軸に近い短辺から離れるように延在し、且つ、径方向の外側に向かって延在するような切り欠きとして形成した。つまり、突起状空隙338の径方向へ延在部分が、永久磁石122cの短辺の投影範囲に入る部分338aに加えて、その先端が、永久磁石122cの外側面を延長した仮想線(仮想面)331よりも矢印342に示すように外側位置まで延在するように形成されるので、矢印338a付近にて発生する応力を十分低減させることが可能となる。
 q軸に近い側に形成される突起状空隙358は、永久磁石122cの外周側角部の周囲を直角形状ではなく、ほぼ直線状の大きな曲線(曲面)にて形成するための部位の約半分を形成するものである。突起状空隙358は、永久磁石122cのq軸に近い短辺の位置(一点鎖線333で示す位置)から矢印334の方向に延在する。その延在する範囲は、q軸に近い短辺の投影範囲(一点鎖線332と333にて囲まれる範囲)を超えて、矢印345の方向まで伸びる大きさに形成される。即ち、突起状空隙358は、永久磁石122cの短辺の投影範囲に入る部分358aに加えて、その先端が、永久磁石122cの内側面を延長した仮想線(仮想面)332よりも内側位置まで延在する部分358bまで形成される。
 q軸に近い側の外側角部付近から延在する突起状空隙348は、第3の永久磁石122cの径方向外側をd軸方向に向けて延在する。その延在する範囲は、永久磁石122cのq軸に近い短辺の投影線(一点鎖線333)をよりもd軸に近い側、即ち矢印343の方向に伸びるように形成される。突起状空隙348は突起状空隙358と周方向に連結されたような配置である。このように第3の永久磁石122cの大きさに比較して十分大きい突起状空隙348、突起状空隙358を連結させて形成することで、回転子コア320の十分な軽量化を図ることができる。第3の実施例では、肉抜き穴228、229による軽量化と合わせて、局所的に発生する応力を低減させることができたので、磁石挿入孔336~338の変形や破断を防ぐ効果が一層高くなる。
 以上、本発明を3つの実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、回転子コアの極数は8極だけでなく、他の数(但し偶数)であっても良い。また、一つの極内に配置する永久磁石の数は、3つだけでなく、4つ以上としても良い。一つの極内に4つ以上の永久磁石を配置する場合は、q軸に隣接する永久磁石の内周側にそれぞれ肉抜き穴を形成すれば良い。
1,1A,1B…回転電機、2…ケース、4…回転軸、10…固定子、20,20A,20B…回転子、50…肉抜き穴の最外周部、60…磁石挿入孔の最内周側端部、70…肉抜き穴の最内周部、81,82,83…仮想線、102…ギャップ、104…スロット、110…固定子ヨーク、112…電機子巻線、116…ティース、120,220,320…回転子コア、122a,122b,122c…永久磁石、123a,123c…永久磁石の内周側直線部、126a,126b,126c…磁石挿入孔、128,129…肉抜き穴、128a,129a…(肉抜き穴の)直線部、128b,129b…(肉抜き穴の)円弧部、228,229…肉抜き穴、228a,228b,229a,229b…(肉抜き穴の)直線部、228c,228d,229c,229d…(肉抜き穴の)円弧部、250…肉抜き穴の最外周部、260…磁石挿入孔の最内周側端部、270…肉抜き穴の最内周部、326,327,328…磁石挿入孔、336,338,346,348,356,358…突起状空隙、A,B,C…回転軸からの距離、A1…回転軸(回転軸線)

Claims (13)

  1.  磁極を構成する永久磁石が挿入されている磁石挿入孔を有するとともに、回転軸を中心に回転可能に保持される回転子と、前記回転子の外側に配置され、固定子コイルを有する固定子と、を備える回転電機であって、
     前記磁石挿入孔は、磁極中心軸であるd軸を中心として線対称に複数配置され、
     複数の前記磁石挿入孔のうち前記d軸上から離れて位置している前記磁石挿入孔の前記回転軸側に肉抜き穴を形成し、
     前記肉抜き穴は前記回転軸方向に連続する穴であって、前記回転軸と直交断面の形状が
    直線部と曲線部を含んで形成され、前記肉抜き穴の前記回転軸中心に最も近いところの最内周位置は前記曲線部にあって、その曲率が最も大きいように形成され、
     前記磁石挿入孔と、前記肉抜き穴の内周側の辺との対向部分は、一定の距離を以って位置しており、前記肉抜き穴の最外周位置は、前記磁石挿入孔を構成する辺のうち前記回転子の中心軸に最も近い端部よりも外周側に位置していることを特徴とする回転電機。
  2.  請求項1に記載の回転電機であって、前記肉抜き穴の断面形状は、直線部と、前記直線部の両端部を接続する曲線部にて形成されることを特徴とする回転電機。
  3.  請求項1に記載の回転電機であって、前記肉抜き穴の断面形状は、対向する2つの直線部と、2つの前記直線部の一方の端部間を接続する小さな曲率半径の曲線部と、他方の2つの前記直線部の端部を接続する大きな曲率半径の曲線部で形成されることを特徴とする回転電機。
  4.  請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機であって、d軸を中心として一つの極内にて線対称に複数配置される前記永久磁石の断面形状は、回転方向に長く、径方向に短い形状であって、
     前記d軸に重なる位置に配置される前記永久磁石は、その径方向中心線が前記d軸となす角が90度になるように配置され、
     前記d軸に重ならない位置に配置される前記永久磁石は、その径方向中心線が前記d軸に対して90度未満の傾きとなるように、前記d軸から離れた側の辺が径方向外側に位置するように配置されることを特徴とする回転電機。
  5.  請求項4に記載の回転電機であって、前記磁石挿入孔の前記d軸に近い側の内周側角部と、前記d軸から遠い側の外周側角部に対向する部位に、大きな曲率半径の曲面部を形成するための突出部を形成したことを特徴とする回転電機。
  6.  請求項4に記載の回転電機であって、前記肉抜き穴は、その断面形状において、2つの前記直線部は平行であって、前記平行部分の幅が、前記平行部分の長さよりも短くなるように形成されることを特徴とする回転電機。
  7.  請求項6に記載の回転電機であって、一つ磁極を構成する前記永久磁石の個数が奇数であって、複数の前記永久磁石の内の一つが前記d軸と重なるように配置され、残りの前記永久磁石が前記d軸に重ならない位置に配置されることを特徴とする回転電機。
  8.  請求項1に記載の回転電機であって、前記肉抜き穴は冷却媒体を流す通路として使用されることを特徴とする回転電機。
  9.  固定子コイルを有する固定子と
     磁極数がnであって各磁極中に複数の永久磁石が挿入される回転子と、
     前記回転子を固定する回転軸と、を有する回転電機であって、
     前記回転子は回転軸線方向に積層される電磁鋼板によって形成された回転子コアを有し、
     前記回転子コアの各磁極中には、磁極中心軸であるd軸上に第2の永久磁石を配置し、前記d軸と線対称となるように第1の永久磁石と第3の永久磁石を配置し、
     前記第1から第3の永久磁石は、周方向の幅が径方向の厚さよりも大きく形成され、周方向の中心線の向きが、前記回転子コアの接線方向と所定の角度θを有するようにp軸に近い側が径方向外側に位置するように配置され、
     前記回転子コアの前記第1及び第3の永久磁石の径方向の内周側には、断面形状が半円状又は水滴状の第1及び第2の肉抜き穴が形成され、
     前記第1の肉抜き穴は前記第1の永久磁石の内側に配置され、前記第2の肉抜き穴は前記第3の永久磁石の内側に配置され、
     前記第1の肉抜き穴と前記第2の肉抜き穴の断面形状の一部に直線部を形成し、前記直線部が、長方形状の断面を有する永久磁石の対向する長辺に対して平行になるように前記肉抜き穴が配置されることを特徴とする回転電機。
  10.  請求項9に記載の回転電機であって、
     前記第1の肉抜き穴は、前記第1の永久磁石と前記回転軸の軸心によって規定される領域内に部分的に重なるように配置され、
     前記第2の肉抜き穴は、前記第3の永久磁石と前記回転軸の軸心によって規定される領域内に部分的に重なるように配置されることを特徴とする回転電機。
  11.  請求項10に記載の回転電機であって、
     前記第1の肉抜き穴の最外周位置は、前記第1の永久磁石の挿入孔を構成する辺のうち前記回転子の中心軸に最も近い端部よりも前記回転子の外周側に位置し、
     前記第2の肉抜き穴の最外周位置は、前記第3の永久磁石の挿入孔を構成する辺のうち前記回転子の中心軸に最も近い端部よりも前記回転子の外周側に位置していることを特徴とする回転電機。
  12.  請求項11に記載の回転電機であって、
     前記第1の肉抜き穴と前記第2の肉抜き穴は、2つの平行ではない直線部と、2つの前記直線部の両端部を接続する2つの曲率半径の異なる曲線部にて形成され、
     同じ極内において前記第1の肉抜き穴と前記第2の肉抜き穴は前記d軸を基準に対称になるように配置されることを特徴とする回転電機。
  13.  請求項11に記載の回転電機であって、
     前記第1の肉抜き穴と前記第2の肉抜き穴は半円状に形成され、同じ極内において前記d軸を基準に対称になるように配置されることを特徴とする回転電機。
PCT/JP2023/023801 2022-12-29 2023-06-27 回転電機 WO2024142435A1 (ja)

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