WO2024122171A1 - 基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラム - Google Patents

基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラム Download PDF

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秀治 板谷
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Abstract

少なくとも1つの基板を支持可能な基板支持具と、複数の前記基板支持具が個々に搬入され、前記基板支持具に支持された前記基板を処理する処理容器と、前記処理容器、及び複数の前記基板支持具の各々の膜厚の累積値を記憶する記憶部と、前記処理容器の前記累積値が予め定義された閾値以上となった場合に、予め定義された前記処理容器のクリーニング時間を前記基板支持具の前記累積値に基づいて前記基板支持具毎に振り分けを行い、振り分けた前記基板支持具の各々のクリーニング時間に合わせて前記基板支持具の前記処理容器への出し入れを行って、前記処理容器及び前記基板支持具のクリーニング処理を実行するように制御することが可能なように構成される制御部、を備える技術が提供される。

Description

基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラム
 本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラムに関する。
 基板の処理を行う基板処理装置として、処理容器と、基板を多段に保持する基板保持具(基板支持具とも呼ぶ)を有し、基板保持具を処理容器内に挿入した状態で基板の成膜処理を行うように構成されるものがある。このような基板処理装置では基板の成膜処理を繰り返し行うと処理容器や基板保持具にも膜が累積されることがある。この場合、処理容器と基板保持具の両方に対して累積した膜を除去するクリーニングを実施することがある。
特開2013-214726号公報
 本開示は、1つの処理容器に対して、複数の基板支持具を運用する基板処理装置において、効率的に累積膜を除去するクリーニングを実行する技術を提供する。
 本開示の一態様によれば、
 少なくとも1つの基板を支持可能な基板支持具と、
 複数の前記基板支持具が個々に搬入され、前記基板支持具に支持された前記基板を処理する処理容器と、
 前記処理容器、及び複数の前記基板支持具の各々の膜厚の累積値を記憶する記憶部と、
 前記処理容器の前記累積値が予め定義された閾値以上となった場合に、予め定義された前記処理容器のクリーニング時間を前記基板支持具の前記累積値に基づいて前記基板支持具毎に振り分けを行い、振り分けた前記基板支持具の各々のクリーニング時間に合わせて前記基板支持具の前記処理容器への出し入れを行って、前記処理容器及び前記基板支持具のクリーニング処理を実行するように制御することが可能なように構成される制御部と、
 を備える技術が提供される。
 本開示によれば、1つの処理容器に対して、複数の基板支持具を運用する基板処理装置において、効率的に累積膜を除去するクリーニングを実行することができる。
基板処理装置の全体斜視図である。 基板処理装置の平断面図である。 基板処理装置の処理炉の縦断面図である。 基板処理装置のコントローラ部を示すブロック図である。 膜厚監視処理のフロー図である。 クリーニング信号受信後の主制御部の処理の一部フロー図である。 クリーニング時間の振り分け処理のフロー図である。 クリーニング時間の振り分けの具体例についての表である。 クリーニング処理のフロー図である。 クリーニング処理における、ボートの位置を示す説明図であり、(A)は第1ボートが処理室内に配置され、(B)は第2ボートが処理室内に配置され、(C)は第3ボートが処理室内に配置されている様態示す。
 以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。また、本明細書における処理温度とは基板(ウエハ7)の温度または処理室(処理室101)内の温度のことを意味する。
 (基板処理装置の構成)
 本実施形態に係る基板処理装置1は、処理手順及び処理条件が定義されたレシピに基づく基板処理プロセスを実行することで、基板に対する処理を行うものであり、複数枚の基板に対して同時に処理を行う縦型のバッチ式基板処理装置として構成されたものである。
 処理対象となる基板としては、例えば、半導体集積回路装置(半導体装置(デバイス))が作り込まれる半導体ウエハ基板(以下、単に「ウエハ」という)が挙げられる。また、基板処理装置が行う処理としては、典型的な例として、ウエハの表面に薄膜を形成する処理等の成膜処理が挙げられる。
 図1は、デバイスの製造方法を実施するための基板処理装置1の全体斜視図である。
 基板処理装置1は、耐圧容器として構成された筐体2を備えている。筐体2の正面(図1の左斜め奥)には、基板収納容器であるポッド50を授受するための授受ステージ8が設けられている。
 ポッド50は、処理対象となるウエハ7を所定数収納した状態で搬送される密閉式の搬送容器であり、開閉可能な蓋を有している。具体的には、ポッド50として、例えばFOUP(front opening unified pod)が使用される。
 授受ステージ8は、基板処理装置1と外部との間でポッド50を授受するためのものであり、ポッド50の蓋(不図示)を開閉するためのドア開閉装置(不図示)を具備している。また、授受ステージ8に対応して、筐体2の正面壁には、ウエハ搬入搬出口(不図示)が、筐体2内外を連通するように開設されている。
 筐体2内には、大別すると、ウエハ移載部11と、ボート移送部12と、処理炉13とが配置されている。なお、処理炉13の構成については後述する。
(ウエハ移載部)
 ウエハ移載部11は、図1または図2に示すように、ウエハ搬入搬出口を挟んで授受ステージ8と対向するように配置されたもので、授受ステージ8上のポッド50と、後述するボート移送部12に支持される基板保持具としてのボート21との間で、ウエハ7の移載を行うように構成されている。より具体的には、ウエハ移載部11は、昇降機構を有するエレベータ42と、このエレベータ42により昇降される昇降ベース43と、この昇降ベース43に回転可能に設けられた回転テーブル44と、この回転テーブル44に進退可能に設けられたウエハ移載ヘッド46とを具備する。ウエハ移載ヘッド46には、ウエハ7を保持するウエハ移載プレート47が、上下方向に所定段数設けられている。そして、ウエハ移載部11は、昇降、回転、進退の協働により、ウエハ7をボート21に対して装填及び脱装することが可能に構成されている。
 なお、ウエハ移載部11は、後述するコントローラ部200における機械制御部205と電気的に接続されており、当該機械制御部205からの指示により昇降、回転、進退等の動作が制御されるように構成されている。
(ボート移送部)
 ボート移送部12は、図1または図2に示すように、ウエハ移載部11の後方領域(筐体2の正面前方からみた場合の背面側)に配置されたもので、ボート21を支持する4つのステージ4A、4B、4C、5を備えるとともに、各ステージ4A、4B、4C、5の間でボート21の移送を行うように構成されている。
 ボート21は、複数枚(例えば、50枚以上200以下枚程度)のウエハ7を、その中心を揃えて垂直方向に整列させた状態でそれぞれ水平に保持するように構成されている。なお、ボート21は、例えば石英(SiO)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成されている。
 4つのステージ4A、4B、4C、5としては、最もウエハ移載部11の側で当該ウエハ移載部11によりウエハ7の装填または脱装が行われる位置となる移載位置(以下「TR」と略す)ステージ5と、ウエハ移載部11から離れた箇所に位置するエスケープ位置(以下「ES」と略す)ステージ4B、4Cと、これらの間で処理炉13の直下に位置するボートロード位置(以下「BL」と略す)ステージ4Aとがある。
 また、ボート移送部12は、BLステージ4Aに対応して設けられたボートエレベータ20を備えている。ボートエレベータ20は、ボート21を、BLステージ4Aの位置から処理炉13内に搬入し、また処理炉13内からBLステージ4Aの位置へ搬出するように構成されている。
 さらに、ボート移送部12は、図2に示すように、ボートエレベータ20とBLステージ4Aを挟んで対向する位置に設けられたボート移送機構30A、30Bを備えている。ボート移送機構30A、30Bは、TRステージ5、BLステージ4A及びESステージ4B、4Cの間で、ボート21の移送を行うように構成されている。ボート移送機構30Aは、上アーム32、下アーム31を有している。ボート移送機構30Bは、アーム33を有している。上アーム32、下アーム31、アーム33は、ボート21の所定位置に嵌合可能となるように、いずれも円弧形状に形成されている。
 なお、ボート移送部12は、ボートエレベータ20やボート移送機構30A、30B等が後述するコントローラ部200における機械制御部205と電気的に接続されており、当該機械制御部205からの指示によりボート21の昇降、移送等の動作が制御されるように構成されている。
(処理室)
 図3に示すように、処理炉13は、プロセスチューブ103を備えている。プロセスチューブ103は、インナーチューブ104と、その外側に設けられたアウターチューブ105と、を備えている。インナーチューブ104は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成されている。インナーチューブ104は、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。インナーチューブ104内の筒中空部には、基板としてのウエハ7を処理する処理室101が形成される。そのために、インナーチューブ104は、ボート21が搬入され、その搬出されたボート21を収容可能なように構成されている。アウターチューブ105は、インナーチューブ104と同心円状に設けられている。アウターチューブ105は、内径がインナーチューブ104の外径よりも大きく、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウターチューブ105は、例えばSiOまたはSiC等の耐熱性材料により構成されている。
(ヒータ)
 プロセスチューブ103の外側には、プロセスチューブ103の側壁面を囲うように、ヒータ106が設けられている。ヒータ106は、ヒータ素線に電力が供給されて発熱するように構成されており、ヒータベース151に支持されることにより垂直に据え付けられている。インナーチューブ104とアウターチューブ105との間には、温度センサ163が設置されている。これらヒータ106と温度センサ163とは、後述のコントローラ部200における温度制御部202に電気的に接続されている。
(マニホールド)
 アウターチューブ105の下方には、アウターチューブ105と同心円状になるように、マニホールド109が配設されている。マニホールド109は、例えばステンレス等により構成され、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド109は、インナーチューブ104の下端部とアウターチューブ105の下端部とにそれぞれ係合しており、これらを支持するように設けられている。なお、マニホールド109とアウターチューブ105との間には、シール部材としてのOリング120aが設けられている。図示しないがマニホールド109がヒータベース151に支持されることにより、プロセスチューブ103は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ103とマニホールド109とにより処理容器が形成される。
(第1ガス供給系)
 マニホールド109には、処理室101内に第1ガスとしてのシリコン含有ガスを供給するノズル130aが、処理室101内に連通するように設けられている。ノズル130aの上流端には、ガス供給管132aの下流端が接続されている。ガス供給管132aには、上流側から順に、第1ガス供給源171、バルブ162a、マスフローコントローラ(MFC)141a、及びバルブ161aが設けられている。主に、ノズル130a、ガス供給管132a、MFC141a、バルブ161a,162a、により、第1ガス供給系が構成される。第1ガス供給源171を第1ガス供給系に含めても良い。MFC141a、バルブ161a,162aには、後述するコントローラ部200におけるガス流量制御部204が電気的に接続されている。
(第2ガス供給系)
 マニホールド109には、処理室101内に第2ガスとしての窒素含有ガスを供給するノズル130bが、処理室101内に連通するように設けられている。ノズル130bの上流端には、ガス供給管132bの下流端が接続されている。ガス供給管132bには、上流側から順に、第2ガス供給源172、バルブ162b、MFC141b、及びバルブ161bが設けられている。主に、ノズル130b、ガス供給管132b、MFC141b、バルブ161b,162bにより、第2ガス供給系が構成される。第2ガス供給源172を第2ガス供給系に含めても良い。MFC141b、バルブ161b,162bには、後述するコントローラ部200におけるガス流量制御部204が電気的に接続されている。
(第3ガス(クリーニングガス)供給系)
 ガス供給管132aのバルブ161aよりも下流側には、処理室101内に第3ガスとしてのクリーニングガスとして例えば、フッ素(F)含有ガスを供給するガス供給管132eが接続されている。F含有ガスとしては、例えば、三フッ化塩素(ClF3)ガス、フッ化塩素(ClF)ガス、三フッ化窒素(NF3)ガス、フッ化水素(HF)ガス、フッ素(F2)ガス等を用いることができる。F含有ガスとしては、これらのうち1以上を用いることができる。ガス供給管132eには、上流側から順に、第3ガス供給源174、バルブ162e、MFC141e、及びバルブ161eが設けられている。
 また、ガス供給管132bのバルブ161bよりも下流側には、処理室101内に第3ガスを供給するガス供給管132fが接続されている。ガス供給管132fの上流端は、ガス供給管132eのバルブ162eよりも上流側に接続されている。ガス供給管132fには、上流側から順に、バルブ162f、MFC141f、及びバルブ161fが設けられている。
 主に、ノズル130a、130b、ガス供給管132a、132b、132e、132f、MFC141e、242f、バルブ161e、161f、162e、162fにより第3ガス供給系が構成される。第3ガス供給源174を第3ガス供給系に含めても良い。
 MFC141e、141f、バルブ161e、161f、162e、162fには、後述するコントローラ部200におけるガス流量制御部204が電気的に接続されている。
(第4ガス(不活性ガス)供給系)
 ガス供給管132aのバルブ161aの下流側には、処理室101内に第4ガスとしての不活性ガスとして窒素(N2)ガスを供給するガス供給管132cが接続されている。ガス供給管132cには、上流側から順に、第4ガス供給源173、バルブ162c、MFC141c、及びバルブ161cが設けられている。
 また、ガス供給管132bのバルブ161bの下流側には、処理室101内に第4ガスを供給するガス供給管132dが接続されている。ガス供給管132dの上流端は、ガス供給管132cのバルブ162cよりも上流側に接続されている。ガス供給管132dには、上流側から順に、バルブ162d、MFC141d、及びバルブ161dが設けられている。
 主に、ノズル130a、130b、ガス供給管132a、132b、132c、132d、MFC141c、141d、バルブ161c、161d、162c、162dにより、第4ガス供給系が構成される。第4ガス供給源173を第4ガス供給系に含めても良い。
 MFC141c、141d、バルブ161c、161d、162c、162dには、後述するコントローラ部200におけるガス流量制御部204が電気的に接続されている。主に、第1ガス供給系、第2ガス供給系、第3ガス供給系、第4ガス供給系の少なくとも1つ以上で、本開示のガス供給系が構成される。
(排気系)
 マニホールド109には、処理室101内の雰囲気を排気する排気管131が設けられている。排気管131は、インナーチューブ104とアウターチューブ105との隙間によって形成される筒状空間150の下端部に配置されており、筒状空間150に連通している。排気管131の下流側(マニホールド109との接続側と反対側)には、圧力センサ145、及び可変コンダクタンスバルブ、例えばAPC(Auto Pressure
 Controller)バルブ等の圧力調整装置142を介して、真空ポンプ等の真空排気装置146が設けられている。真空排気装置146は、処理室101内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう排気するように構成されている。圧力調整装置142及び圧力センサ145には、後述するコントローラ部200における圧力制御部203が電気的に接続されている。
 上述のように構成されることで、第1ガス、第2ガス、第3ガス、及び第4ガスは、それぞれインナーチューブ104内(処理室101内)を上昇し、インナーチューブ104の上端開口から筒状空間150に流出し、筒状空間150を流下した後、排気管131から排気される。主に、排気管131、圧力調整装置142により、本実施形態に係る排気系が構成される。真空排気装置146を排気系に含めても良い。
(シールキャップ)
 マニホールド109の下方は、ボート移送部12のボートエレベータ20が具備するシールキャップ19によって気密に閉塞される。すなわち、シールキャップ19は、マニホールド109の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体として機能し、マニホールド109の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ19は、例えばステンレス等の金属により、円盤状に形成されている。シールキャップ19の上面には、マニホールド109の下端と当接するシール部材としてのOリング120bが設けられている。
(回転機構)
 シールキャップ19の中心部付近であって処理室101と反対側には、ボート21を回転させる回転機構154が設置されている。回転機構154の回転軸155は、シールキャップ19を貫通してボート21を下方から支持している。回転機構154は、ボート21を回転させることが可能に構成されている。
(ボートエレベータ)
 シールキャップ19は、プロセスチューブ103の外部に垂直に設備されたボートエレベータ20によって、垂直方向に昇降されるように構成されている。シールキャップ19を昇降させることにより、ボート21を処理室101内外へ搬送することが可能に構成されている。回転機構154及びボートエレベータ20には、後述するコントローラ部200における機械制御部205が電気的に接続されている。
(シャッタ)
 また、マニホールド109の下方には、マニホールド109の下端開口を気密に閉塞可能な第2の炉口蓋体としての炉口シャッタ147が設けられている。炉口シャッタ147は、昇降及び回動することで処理室101内からボート21を搬出した後のマニホールド109の下端に当接され、ボート21を搬出した後の処理室101内を気密に閉塞するように構成されている。炉口シャッタ147の上面には、マニホールド109の下端と当接するシール部材としてのOリング120cが設けられている。
(3)コントローラ部の構成
 以上のように構成された基板処理装置1は、その処理動作が制御部としてのコントローラ部200からの指示によって制御される。コントローラ部200は、基板処理装置1の筐体2内に配置されたものであってもよいし、あるいは基板処理装置1の筐体2とは別体で設置されて通信回線等を介して電気的に接続されるものであってもよい。
 以下、本実施形態にかかるコントローラ部200の構成を図面に基づいて説明する。
 図4に示すように、コントローラ部200は、いずれもコンピュータによって構築された主制御部201及び複数の制御部を備えて構成されている。ここでいうコンピュータは、プログラムを実行することでそのプログラムで指示された情報処理を行うものであり、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access
Memory)、メモリ、入出力装置等の組み合わせによって構成されたものである。複数の制御部としては、温度制御部202と、圧力制御部203と、ガス流量制御部204と、機械制御部205とを有している。温度制御部202、圧力制御部203、及び、ガス流量制御部204は、プロセス制御部216と接続されており、機械制御部205は、搬送制御部217と接続されている。プロセス制御部216、及び、搬送制御部217は、通信回線を介してI/Oポート208と接続され、主制御部201とバスBを介して接続されている。
 温度制御部202は、処理室101内の温度が所望の温度分布となるように、温度センサ163により検出された温度情報に基づいてヒータ106への通電具合を所望のタイミングにて制御するように構成されている。
 圧力制御部203は、処理室101内の圧力が所望の圧力となるように、圧力センサ145により検出された圧力情報に基づいて圧力調整装置142を所望のタイミングにて制御するように構成されている。
 ガス流量制御部204は、処理室101内に供給されるガス流量を制御するように構成されている。より具体的には、処理室101内に供給されるシリコン含有ガスの流量が、それぞれ所定のタイミングで所定の流量となるように、MFC141a、バルブ161a、162aをそれぞれ制御するように構成されている。また、処理室101内に供給される窒素含有ガスの流量が、それぞれ所定のタイミングで所定の流量となるように、MFC141b、バルブ161b,162bをそれぞれ制御するように構成されている。また、処理室101内に供給されるクリーニングガスの流量が、それぞれ所定のタイミングで所定の流量となるように、MFC141e、141f、バルブ161e、161f、162e,162fをそれぞれ制御するように構成されている。また、処理室101内に供給される不活性ガスの流量が、それぞれ所定のタイミングで所定の流量となるように、MFC141c、141d、バルブ161c、161d、162c、162dをそれぞれ制御するように構成されている。
 機械制御部205は、ウエハ移載部11、ボート移送機構30、ボートエレベータ20、回転機構154等が、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
 主制御部201は、プロセス制御部216を介して温度制御部202、圧力制御部203、及び、ガス流量制御部204を制御し、搬送制御部217を介して機械制御部205を制御することにより、基板処理装置1の全体の動作制御を行うように構成されている。
 また、主制御部201には、上述した各制御部の他に、例えばタッチパネル等として構成された操作部211やディスプレイ等の表示部212、外部との通信を行うための外部通信部213、及び、外部に設けられた記憶部である外部記憶部214が接続されている。
 コントローラ部200は、記憶部207を備えている。記憶部207は、ハードディスク装置等の記憶装置を有しており、基板処理装置1の動作を行う各種プログラムやレシピ等を記憶するように構成されている。なお、記憶部207が記憶するレシピには、基板処理プロセスの処理手順及び処理条件が定義されたレシピの他に、処理室101内に対するクリーニングを行うためのメンテナンス用レシピが含まれる。例えば、ガスクリーニングレシピまたはパージクリーニングレシピ等がメンテナンス用レシピとして記憶部207に格納されている。記憶部207は、バスBを介して主制御部201と接続されている。
 コントローラ部200は、監視部220、算出部222を備えている。監視部220、算出部222は、いずれもコンピュータによって構築されており、プログラムを実行することでそのプログラムで指示された情報処理を行う。監視部220は、後述するように、処理室101の累積膜厚A0を監視する機能を有しており、膜厚監視処理を実行する。算出部222は、後述するように、複数のボート21である、第1ボート21a、第2ボート21b、第3ボート21cについて、それぞれのボート21の膜厚の累積値に合わせてクリーニング時間を配分する機能を有しており、クリーニング時間の配分を行う、クリーニング時間振り分け処理を実行する。
 コントローラ200は、外部記憶部124に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。外部記憶部124は、例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやSSD等の半導体メモリ等を含む。記憶部207や外部記憶部124は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶部207単体のみを含む場合、外部記憶部124単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶部124を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(4)基板処理方法
 次に、基板処理装置1を用いて実施する基板処理方法について説明する。ここでは、半導体デバイスの製造工程の一工程である基板処理工程を実施する場合を例に挙げる。また、基板処理工程の実施にあたり、基板処理装置1は、図1に示すように、三つのボート21(以下、これらを「第1ボート21a」、「第2ボート21b」、「第3ボート21c」と称して識別する)を備えており、これがTRステージ5、及びESステージ4B、4Cのそれぞれに載置されているものとする。
 基板処理工程の実施にあたって、コントローラ部200では、先ず、実施すべき基板処理に対応するレシピが記憶部207から読み出され、主制御部201内のRAMに展開される。そして、主制御部201から、プロセス制御部216、搬送制御部217を介して、各制御部202、203、204、205へ動作指示が与えられる。このようにして実施される基板処理工程は、大別すると、移載工程と、搬入工程と、成膜工程と、ボート移送工程と、搬出工程とを有する。
(移載工程)
 TRステージ5上に載置された第1ボート21aが空ボートであると、主制御部201からは、機械制御部205に対して、ウエハ移載部11の駆動指示が発せられる。そして、機械制御部205からの指示に従いつつ、ウエハ移載部11は、授受ステージ8上のポッド50からTRステージ5上の第1ボート21aへのウエハ7の移載処理を開始する。この移載処理は、予定された全てのウエハ7のボート21への装填が完了するまで行われる。
(搬入工程)
 TRステージ5にて指定枚数のウエハ7が第1ボート21aに装填されると、第1ボート21aは、機械制御部205からの指示に従って動作するボート移送機構30の下アーム31によって、TRステージ5からBLステージ4Aへ移送され、ボートエレベータ20におけるシールキャップ19の上に移載される。そして、第1ボート21aの移送後に、下アーム31は、TRステージ5に戻る。
 その後、第1ボート21aは、機械制御部205からの指示に従って動作するボートエレベータ20によって上昇されて、処理炉13のインナーチューブ104内に形成される処理室101に搬入される。第1ボート21aが完全に搬入されると、ボートエレベータ20のシールキャップ19は、処理炉13のマニホールド109の下端を気密に閉塞する。
 このとき、処理室101内は、ガス制御部204からの指示に従って、N2ガスの供給によってパージされる。すなわち、バルブ162c、161c、162d、161dを開くことで第4ガス供給源173からガス供給管132c、132d内に供給されたN2ガスは、MFC141c,141dにて所定の流量となるように制御された後、ガス供給管132a、132bを経由して、ノズル130a、130bから処理室101内に供給される。なお、処理室101内へのN2ガスの供給は、基板処理工程の全工程が終了するまで継続する。
(成膜工程)
 その後、処理室101内は、圧力制御部203からの指示に従いつつ、所定の成膜圧力となるように真空排気装置146によって真空排気される。また、処理室101内は、温度制御部202からの指示に従いつつ、所定の温度となるようにヒータ106によって加熱される。続いて、機械制御部205からの指示に従いつつ、回転機構154による第1ボート21aの回転を開始する。
 処理室101内が所定の成膜温度、所定の成膜圧力に維持された状態になると、ガス流量制御部204からの指示に従いつつ、例えばシリコン含有ガス及び例えば窒素含有ガスの処理室101内への供給が開始される。すなわち、バルブ162a、161aを開くことで第1ガス供給源171からガス供給管132a内に供給された第1ガスは、MFC141aにて所定の流量となるように制御された後、ガス供給管132aを通り、ノズル130aから処理室101内に供給される。また、バルブ162b、161bを開くことで第2ガス供給源172からガス供給管132b内に供給された第2ガスは、MFC141bにて所定の流量となるように制御された後、ガス供給管132bを通り、ノズル130bから処理室101内に供給される。
 このとき、処理室101内へ供給されるN2ガスは、成膜ガス(第1ガス及び第2ガス)を希釈する希釈ガスとして、或いは処理室101内への拡散を促すキャリアガスとして機能する。N2ガスの供給流量を制御することで、成膜ガスの濃度や拡散速度を制御することができる。
 成膜ガスは、処理室101内を通過する際にウエハ7の表面と接触する。この際、熱CVD反応によってウエハ7上に薄膜(以下、単に膜とも呼ぶ)が堆積される。予め設定された処理時間が経過し、所定の厚さの膜が形成されたら、バルブ162a、161a、162b、161bを閉じ、処理室101内への成膜ガスの供給を停止する。本明細書における処理時間とは、その処理を継続する時間を意味する。これらは、以下の説明においても同様である。ここで、第1ガスとしてシリコン含有ガスを用い、第2ガスとして窒素含有ガスを用いた場合、ウエハ7上には、窒化シリコン膜が形成される。
 そして、バルブ162c、161c、162d、161dを開いたままの状態とし、処理室101内へのN2ガスの供給を継続しつつ、処理室101内を排気することで、処理室101内をパージする。処理室101内の雰囲気がN2ガスに置換されたら、圧力調整装置142の開度を調整して処理室101内の圧力を常圧に復帰させる。また、ヒータ106への通電を停止し、処理室101内の温度を所定の温度(ウエハ搬出温度)に降温させる。
(ボート移送工程)
 第1ボート21aに対する成膜工程の間には、機械制御部205からの指示に従って、第2ボート21b又は第3ボート21cがESステージ4B又は4CからTRステージ5の上にボート移送機構30によって移送される。
 この際、TRステージ5に移送された第2ボート21b又は第3ボート21cが空ボートであると、その第2ボート21b又は第3ボート21cに対して、移載工程が行われる。すなわち、授受ステージ8上のポッド50のウエハ7が、TRステージ5上の第2ボート21b又は第3ボート21cへ、ウエハ移載部11によって移載される。ただし、第2ボート21b又は第3ボート21cに処理済のウエハ7が保持されている場合は、第2ボート21b又は第3ボート21cから処理済のウエハ7を脱装してポッド50に移載した後に、新たな未処理ウエハ7の第2ボート21b又は第3ボート21cへの移載が行われる。
(搬出工程)
 第1ボート21aに対する成膜工程が完了すると、機械制御部205からの指示に従いつつ、その後、回転機構154による第1ボート21aの回転を停止させ、ボートエレベータ20によりシールキャップ19を下降させてマニホールド109の下端を開口させるとともに、処理済のウエハ7を保持した第1ボート21aをプロセスチューブ103の外部に搬出する。
 そして、処理済のウエハ7を保持した第1ボート21aは、機械制御部205からの指示に従いつつ、BLステージ4からESステージ4B又はESステージ4Cへボート移送機構30によって直ちに移送される。この移送後は、ESステージ4B、4C上に載置された高温状態の第1ボート21aが、クリーンユニット3から吹出されるクリーンエア15によって極めて効果的に冷却される。そして、例えば150℃以下に冷却されると、第1ボート21aは、ボート移送機構30によってESステージ4B、4CからTRステージ5の上に移送される。なお、このとき既に、TRステージ5上における第2ボート21b又は第3ボート21cに対する未処理ウエハ7の移載は完了し、その第2ボート21b又は第3ボート21cの処理室101内への搬入も完了しているものとする。
 以上のような各工程を繰り返すことで、本実施形態に係る基板処理装置1は、ウエハ7上への膜の形成を、高スループットで行うことができる。
(5)基板処理装置のメンテナンス方法
 上述した成膜工程は、ウエハ7上に膜を形成しているが、実際には、ウエハ7以外、例えばインナーチューブ104内壁やボート21等に対しても膜が形成されてしまう。形成された膜が厚く堆積すると、加わる応力が増大して割れが生じ、処理室101内に異物(パーティクル)を発生させることがある。そこで、本実施形態に係る基板処理装置1は、上述の成膜工程を繰り返すことでプロセスチューブ103内に堆積した膜の厚さが所定の厚さに到達したら、プロセスチューブ103等をメンテナンスするためのメンテナンス工程として、以下に述べるようなクリーニング工程を実施する。
 クリーニング工程の実施にあたって、コントローラ部200では、先ず、実施すべきクリーニングのためのメンテナンス用レシピが記憶部207から読み出され、主制御部201内のRAMに展開される。そして、主制御部201から各制御部202、203、204、205へ動作指示が与えられクリーニング工程が実施される。
(クリーニング(CLN)工程)
 プロセスチューブ103に付着した堆積物(累積した薄膜)の厚さの累積値(累積膜厚A0(以下単に膜厚A0と呼ぶ))、第1ボート21aに付着した堆積物の厚さの累積値(累積膜厚A1(以下単に膜厚A1と呼ぶ))、第2ボート21bに付着した堆積物の厚さの累積値(累積膜厚A2(以下単に膜厚A2と呼ぶ))、第3ボート21cに付着した堆積物の厚さの累積値(累積膜厚A3(以下単に膜厚A3と呼ぶ))は、各々、記憶部207に記憶される。これらの膜厚の累積値は、処理室101を成膜工程に使用した使用回数や使用時間等から類推される膜厚推定値に基づいて得ることができる。なお、処理室101内に設けた膜厚検出器(不図示)にて検出された膜厚値であってもよい。
 記憶部207には、累積膜厚閾値THA(以下単に閾値THAと呼ぶ)が記憶されている。閾値THAは、通常の処理で加わる応力により剥離・落下・割れが生じる前の膜厚であり、ユーザにより予め定義される。当該定義は、ユーザが操作部211から入力して設定することができる。また、記憶部207には、膜厚A0に対応したCLN時間T0が記憶されている。CLN時間T0は、膜厚A0に応じたCLN時間が考慮され、予め設定されている。
 なお、閾値THAは外部通信部213によってネットワークを介して接続される他装置から取得しても良い。
 記憶部207への膜厚A0-A4の記憶処理(記憶工程)は、処理室101における基板処理の終了毎に、プロセスチューブ103の膜厚A0と、基板処理の対象となっていたボート(第1ボート21a、第2ボート21b、第3ボート21cの内、処理室101内で処理されていたもの)の累積膜厚に、当該基板処理で付着した堆積物の膜厚を加算することにより実行される。また、後述するCLN処理の実行後に、プロセスチューブ103の膜厚A0、及び、CLN処理が行われたボート21についての膜厚Aがゼロクリアされる。
 監視部220は、膜厚A0を監視する機能を有している。具体的には、前述の累積膜厚記憶処理が実行される毎に、膜厚監視処理を実行する。膜厚監視処理では、図5に示すように、記憶部207から処理室101の膜厚A0を取得し(ステップS10)、取得した膜厚A0と閾値THAを比較する(ステップS12)。比較した結果、取得した膜厚A0が閾値THA以上である場合には、ステップS14で、主制御部201へ、CLNを行う時期に到達した旨の報知情報である、CLN信号を送信する。比較した結果、取得した膜厚A0が閾値THA未満である場合には、処理を終了する。
 主制御部201は、膜厚A0が閾値THA以上である旨のCLN信号を受信した場合に、CLN処理を開始すると判断し、図6に示すように、算出部222へCLN時間の振り分け処理を実行するように要求する(ステップS16)。また、当該報知情報は、記憶部207に記憶され、表示部212へ、報知情報として、CLNを行う時期に到達した旨の表示、CLN処理が実行される旨の表示を行う(ステップS17)。なお、表示部212への表示は、記号の点灯などのアラームであってもよいし、音声による報知であってもよい。
 さらに、主制御部201は、膜厚A0が閾値THA以上である旨の信号を受信した場合に、ボート21にウエハ7が載置されている状態であるものがある場合には、ウエハ7の払い出し処理を実行する(ステップS18)。第1ボート21aにウエハ7が載置されている場合には、後述するCLN処理の実行前、または、CLN処理におけるステップS51の前(第1ボート21aを処理室101へ搬入する前で、処理室101の温度をCLN温度に切り換え中)に、払い出し処理を行う。第2ボート21bにウエハ7が載置されている場合には、ステップS52の第1ボート21aのCLN中に払い出し処理を行い、第3ボート21cにウエハ7が載置されている場合には、ステップS55の第2ボート21bのCLN中に払い出し処理を行うことができる。
 算出部222は、主制御部201からの要求を受信すると、CLN時間の振り分け処理を実行する。具体的には、図7に示すように、ステップS20で、記憶部207から、処理室101内の膜厚A0を取得し、ステップS21で、記憶部207から、膜厚A0に対応したCLN時間T0を取得する。次に、ステップS22で、記憶部207から、1つのボート21についての累積膜厚A(A1、A2、A3のいずれか:以下単に膜厚Aと呼ぶ)を取得する。そして、ステップS23で、当該ボートについてのCLN時間(T1、T2、T3のいずれか)を算出する。CLN時間の算出は、取得した膜厚A0に対応するCLN時間T0を、当該ボート21の膜厚Aに応じた時間に振り分けすることで行われる。具体的には、CLN時間T0に対し、膜厚A/膜厚A0を掛け合わせ、ボート21の膜厚Aに比例するように算出する。
 ステップS24で、すべてのボート21についてCLN時間の算出が終了したかどうかを判断し、CLN時間の算出を終えていないボート21がある場合には、ステップS22へ戻り上記のステップS23、ステップS24を繰り返す。すべてのボート21についてCLN時間の算出が終了している場合には、ステップS25で、振り分け結果を主制御部201へ送信し、CLN時間の振り分け処理を終了する。
 図8は、CLN時間の振り分けの具体例についての表が示されている。閾値THAは、10μmで設定されているとする。記憶部207に記憶された、プロセスチューブ103(処理容器)の膜厚A0が10μm、第1ボート21aの膜厚A1が5μm、第2ボート21bの膜厚A2が3μm、第3ボート21cの膜厚A3が2μmの場合である。処理室101を使用して処理が行われるボート21は、これらのボートのみであるため、プロセスチューブ103の膜厚A0は、これらのボート21の合計となる。これらのボート21に対し、膜厚に比例するように、プロセスチューブ103のCLN時間T0が振り分けられる。プロセスチューブ103のCLN時間T0は、膜厚A0が10μmであるため、100min(予め設定されている)となる。したがって、第1ボート21aのCLN時間T1は50min、第2ボート21bのCLN時間T2は30min、第3ボート21cのCLN時間T3は20minとなる。つまり、CLN時間T0はCLN時間T1とCLN時間T2とCLN時間T3との合計したCLN時間に等しい関係にある。
 主制御部201は、算出部222から、振り分け結果を受信すると、CLN処理を実行する。図9に示すように、CLN処理では、ステップS50で、処理室101内の温度をCLN温度に切り換える。ステップS51で、第1ボート21aについてのCLN時間T1がゼロよりも大きいかどうかを判断し、判断が肯定された場合には、ステップS52で、第1ボート21aを処理室101へ搬入し、ステップS53で、第1ボート21aのCLNを行う(図10参照)。
 ステップS51での判断が否定された場合には、第1ボート21aについては振り分けられたCLN時間T1がゼロであり、膜厚A1がゼロであるため、処理室101内での処理が行われていない。そこで、ステップS52~S54をスキップする。
 ステップS53でのCLNでは、ガスクリーニング、又は、パージクリーニング等の予め設定されたCLN用のレシピが実行される。当該レシピは、図10(A)に示すように、プロセスチューブ103内に第1ボート21aが搬入された状態で実行される。
 一例として、ガスクリーニングでは、CLNガスが処理室101内へ供給される。バルブ162e、161e、162f、161fを開くことで第3ガス供給源174からガス供給管132e、132f内に供給された第3ガスは、MFC141e、141fにて所定の流量となるように制御された後、ガス供給管132a、132bを経由して、ノズル130a、130bから処理室101内に供給される。
 このとき、処理室101内へ供給されるN2ガスは、CLNガスであるF含有ガスを希釈する希釈ガスとして、或いは処理室101内への拡散を促すキャリアガスとして機能する。N2ガスの供給流量を制御することで、F含有ガスの濃度や拡散速度を制御することができる。
 F含有ガスは、処理室101内を通過する際に、処理室101内や第1ボート21aに累積した膜等と接触し、熱化学反応により膜等を除去する。すなわち、加熱されて活性化したF含有ガスはエッチング種となり、処理室101内及び第1ボート21aに累積した膜等をエッチングして除去する。
 第1ボート21aに振り分けられたCLN時間T1が経過したら、バルブ162c、161c、162d、161dを閉じ、処理室101内へのF含有ガスの供給を停止する。そして、バルブ162c、161c、162d、161dを開いたままの状態とし、処理室101内へのN2ガスの供給を継続しつつ、処理室101内を排気することで、処理室101内をパージする。そして、ステップS54で、第1ボート21aを処理室101から搬出する。
 次に、ステップS55で、第2ボート21bについてのCLN時間T2がゼロよりも大きいかどうかを判断し、判断が肯定された場合には、ステップS56で、第2ボート21bを処理室101へ搬入し、ステップS57で、第2ボート21bのCLNを行う(図10(B)参照)。第2ボート21bのCLNは、第1ボート21aと同様にして行われ、CLN時間は、第2ボート21bに振り分けられたCLN時間T2で実行される。そして、ステップS58で、第2ボート21bを処理室101から搬出する。
 ステップS55での判断が否定された場合には、第2ボート21bについては振り分けられた時間T2がゼロであり、膜厚A2がゼロであるため、処理室101内での処理が行われていない。そこで、ステップS56~S58をスキップする。
 次に、ステップS59で、第3ボート21cについてのCLN時間T3がゼロよりも大きいかどうかを判断し、判断が肯定された場合には、ステップS60で、第3ボート21cを処理室101へ搬入し、ステップS61で、第3ボート21cのCLNを行う(図10(C)参照)。第3ボート21cのCLNは、第1ボート21aと同様にして行われ、CLN時間は、第3ボート21cに振り分けられたCLN時間T3で実行される。そして、ステップS62で、第3ボート21cを処理室101から搬出する。
 ステップS59での判断が否定された場合には、第3ボート21cについては振り分けられたCLN時間T3がゼロであり、膜厚A3がゼロであるため、処理室101内での処理が行われていない。そこで、ステップS60~S62をスキップする。
 そして、ステップS63で、処理室101内の温度を処理温度に切り換え、ステップS64で、記憶部207に記憶されている、処理室101の膜厚A0、及び、CLN処理が行われたボート21についての膜厚Aを、ゼロクリアして、CLN処理を終了する。
 (本実施形態にかかる効果)
 本実施形態によれば、以下に挙げる一つ又はそれ以上の効果を奏する。
(a)本実施形態では、複数のボート21(第1ボート21a、第2ボート21b、第3ボート21c)、について、プロセスチューブ103のCLNと同じタイミングでCLN処理を行う。したがって、処理室101の温度や雰囲気を整える時間も含めて、プロセスチューブ103のCLNや各ボート21のCLNを別々に行う場合と比較して、CLN処理の時間を削減することができる。
(b)本実施形態では、プロセスチューブ103のCLN時間T0を、膜厚Aに基づいて、各ボート21に振り分けて、振り分けたCLN時間に合わせて各ボート21について処理室101への出し入れを行って、CLN処理を実行する。したがって、1回のCLN処理後の各々の残膜厚を揃えることができる。また、CLN時間T0を、膜厚Aに比例して振り分けることにより、膜厚Aに応じたCLN時間にすることができる。
(c)本実施形態では、記憶部207に、閾値THAを記憶すると共に、基板処理毎に、膜厚A0、膜厚A1、膜厚A2、膜厚A3を更新して記憶するので、基板処理装置1の再起動等があっても、膜厚についての情報を維持することができる。また、CLN処理終了後、記憶部207記憶した、これらの累積膜厚をゼロクリアすることで、最新の累積膜厚を維持することができる。報知情報についても同様である。
(d)本実施形態では、操作部211からの入力により、閾値THAを設定できるので、基板処理の条件等に合わせて、適切に閾値THAを変更することができる。
(e)本実施形態では、処理室101における基板処理(成膜処理)の終了毎に、監視部220が、膜厚監視処理を実行する。したがって、最新の膜厚Aと閾値THAとの比較を行うことができる。
(f)本実施形態では、監視部220からの、累積膜厚A0が閾値THA以上である旨の信号を受信した場合に、CLN時間の算出を行う。したがって、CLNを行う場合のみCLN時間を算出することとなり、CLNの算出時間を削減できる。
(g)本実施形態では、表示部212に、報知情報として、CLN時期に到達した旨の表示、CLN処理が実行される旨の表示を行う。したがって、ユーザに対して、視覚的にCLN関連の情報を明示することができる。
(h)本実施形態では、CLN処理の実行前に、ボート21にウエハ7が載置されている状態であるものがある場合には、ウエハ7の払い出し処理を実行する。この払い出しは、処理室101の温度切り換えを実行している時間や、他のボート21についてCLN処理を実行している時間に行うので、払い出しの時間を他の処理内で吸収することができる。
(i)本実施形態では、CLN処理開始時に、膜厚Aがゼロであるボート21について、処理室101への搬入等のCLN処理をスキップする。したがって、CLN処理全体の時間を短縮することができる。
 1つの処理容器に対して、複数のボート21を運用する場合、各ボート21における累積膜の厚さが異なる場合がある。この場合においても、効率的に累積膜を除去するクリーニングを実行できる。
 以上、本開示の実施形態を具体的に説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
 例えば、上述した本開示の実施形態では、処理対象となる基板が半導体ウエハ基板である場合を例にあげたが、本開示はこれに限定されることなく、LCD(Liquid Crystal Display)装置等のガラス基板を処理する基板処理装置にも好適に適用できる。
 また例えば、上述した本開示の実施形態では、基板処理装置1が行う処理としてSi系の成膜を例にあげたが、本開示がこれに限定されることはない。すなわち、酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理であってもよい。また、基板処理の具体的内容は不問であり、成膜処理だけでなく、アニール処理、酸化処理、窒化処理、拡散処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理にも好適に適用できる。さらに、本開示は、他の基板処理装置、例えばアニール処理装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置、プラズマを利用したCVD装置等の他の基板処理装置にも好適に適用できる。これらの変形例においても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
 また例えば、上述した本開示の実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。また、上述した本開示の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、適用することができる。
 これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述した本開示の実施形態や変形例と同様な処理手順、処理条件にて各処理を行うことができ、上述の実施形態や変形例と同様の効果が得られる。
上述の実施形態や変形例は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の実施形態や変形例の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
 2022年12月5日に出願された日本国特許出願2022-194510号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載されたすべての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
1 基板処理装置、21 基板支持具、103 処理容器、200 制御部、207 記憶部

Claims (17)

  1.  少なくとも1つの基板を支持可能な基板支持具と、
     複数の前記基板支持具が個々に搬入され、前記基板支持具に支持された前記基板を処理する処理容器と、 
     前記処理容器、及び複数の前記基板支持具の各々の膜厚の累積値を記憶する記憶部と、 
     前記処理容器の前記累積値が予め定義された閾値以上となった場合に、予め定義された前記処理容器のクリーニング時間を前記基板支持具の前記累積値に基づいて前記基板支持具毎に振り分けを行い、振り分けた前記基板支持具の各々のクリーニング時間に合わせて前記基板支持具の前記処理容器への出し入れを行って、前記処理容器及び前記基板支持具のクリーニング処理を実行するように制御することが可能なように構成される制御部と、
     を備えた、基板処理装置。
  2.  複数の前記基板支持具の各々の前記クリーニング時間は、前記基板支持具の累積値に比例する、請求項1に記載の基板処理装置。
  3.  前記処理容器の前記累積値を監視する監視部を有し、
     前記監視部は、前記累積値が前記閾値以上であれば前記制御部にクリーニング信号を送信する、請求項1に記載の基板処理装置。
  4.  前記処理容器の前記閾値の設定を可能な操作部を有し、
     前記監視部は、設定された前記閾値と前記処理容器の前記累積値との比較を行う、請求項3に記載の基板処理装置。
  5.  前記監視部は前記基板の処理終了時に前記処理容器の前記累積値が前記閾値以上であるか判断を行う、請求項3に記載の基板処理装置。
  6.  前記基板支持具の各々の前記クリーニング時間を算出する算出部を有し、
     前記制御部は、クリーニング処理を開始すると判断した場合に、前記算出部に対して、前記基板支持具の各々の前記クリーニング時間の算出を要求する、請求項1に記載の基板処理装置。
  7.  前記算出部は前記処理容器の前記クリーニング時間と前記基板支持具の前記累積値に基づいて前記基板支持具の各々の前記クリーニング時間を算出する、請求項6に記載の基板処理装置。
  8.  前記制御部は前記算出部の算出結果を元に前記クリーニング処理の実行制御を行う、請求項6に記載の基板処理装置。
  9.  前記制御部は、前記処理容器の前記累積値が前記閾値を超えた場合に、前記累積値を報知情報として報知するよう制御可能なように構成される、請求項1に記載の基板処理装置。
  10.  前記記憶部は、前記報知情報を記憶することが可能な、請求項9に記載の基板処理装置。
  11.  前記報知情報を表示可能な表示部を有し、前記報知に従い、前記報知情報を前記表示部に表示する請求項9に記載の基板処理装置。
  12.  前記制御部は、前記クリーニング処理を実行する場合、前記基板支持具に前記基板が支持されている場合には、当該基板支持具を前記処理容器へ搬入する前に前記基板の払い出しを行う、請求項1に記載の基板処理装置。
  13.  前記記憶部は、前記クリーニング処理の終了後、前記記憶部に記憶した累積値をクリアする、請求項1に記載の基板処理装置。
  14.  前記累積値のクリアは、前記クリーニング処理を行った前記処理容器および前記基板支持具が対象である、請求項13に記載の基板処理装置。
  15.  前記制御部は前記クリーニング処理実行時、前記基板支持具の累積値がクリアされた後に変更されていない場合には、該当の前記基板支持具のクリーニング処理をスキップする、請求項1に記載の基板処理装置。
  16.  少なくとも1つの基板を支持可能な基板支持具に前記基板を支持する基板支持工程と、
     複数の前記基板支持具を、前記基板の処理を実行する処理容器に個々に搬入して、前記基板の処理を行う基板処理工程と、
     前記処理容器の膜厚の累積値を記憶する記憶工程と、
     複数の前記基板支持具の各々の膜厚の累積値を記憶する記憶工程と、
     前記処理容器の前記累積値が予め定義された閾値以上となった場合に、予め定義された前記処理容器のクリーニング時間を前記基板支持具の前記累積値に基づいて前記基板支持具毎に振り分けを行い、振り分けた前記基板支持具の各々のクリーニング時間に合わせて前記基板支持具の前記処理容器への出し入れを行って、前記処理容器及び前記基板支持具のクリーニング処理を実行するクリーニング工程と、
     を有する半導体装置の製造方法。
  17.  少なくとも1つの基板を支持可能な基板支持具に前記基板を支持する基板支持手順と、
     複数の前記基板支持具を、前記基板の処理を実行する処理容器に個々に搬入して、前記基板の処理を行う基板処理手順と、
     前記処理容器の膜厚の累積値を記憶する記憶手順と、
     複数の前記基板支持具の各々の膜厚の累積値を記憶する記憶手順と、
     前記処理容器の前記累積値が予め定義された閾値以上となった場合に、予め定義された前記処理容器のクリーニング時間を前記基板支持具の前記累積値に基づいて前記基板支持具毎に振り分けを行い、振り分けた前記基板支持具の各々のクリーニング時間に合わせて前記基板支持具の前記処理容器への出し入れを行って、前記処理容器及び前記基板支持具のクリーニング処理を実行するクリーニング手順と、
     をコンピュータにより基板処理装置に実行させるプログラム。
PCT/JP2023/036228 2022-12-05 2023-10-04 基板処理装置、半導体装置の製造方法、及びプログラム WO2024122171A1 (ja)

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