WO2024053144A1 - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
遠心圧縮機CCは、吸気口と接続される吸気流路130と、吸気流路130に配されるコンプレッサインペラ9と、吸気流路130のうちコンプレッサインペラ9よりも吸気口側に設けられ、吸気流路130内に突出する突出位置と、吸気流路130から退避する退避位置とに移動可能な可動部材(第1可動部材210)と、可動部材の内周面S3のうちコンプレッサインペラ9側の端部である第1端部216と、可動部材の内周面S3のうち吸気口側の端部である第2端部217と、第1端部216と第2端部217との間に設けられ、コンプレッサインペラ9の回転軸方向に相当する方向に延在する延在部218と、を備える。
Description
本開示は、遠心圧縮機に関する。本出願は2022年9月8日に提出された日本特許出願第2022-143038号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その内容は本出願に援用される。
遠心圧縮機は、吸気流路が形成されたコンプレッサハウジングを備える。吸気流路には、コンプレッサインペラが配される。コンプレッサインペラに流入する空気の流量が減少すると、コンプレッサインペラで圧縮された空気が吸気流路を逆流し、サージングと呼ばれる現象が発生する。
特許文献1には、コンプレッサハウジングに絞り機構が設けられる遠心圧縮機について開示がある。絞り機構は、コンプレッサインペラに対し、吸気の上流側に配される。絞り機構は、可動部材を備える。可動部材は、吸気流路内に突出する突出位置と、吸気流路から退避する退避位置とに移動可能に構成される。絞り機構は、可動部材を吸気流路内に突出させることで、吸気流路の流路断面積を小さくする。可動部材が吸気流路内に突出すると、吸気流路内を逆流する空気は、可動部材により堰き止められる。吸気流路内を逆流する空気が堰き止められることで、サージングが抑制される。
サージングを抑制するために可動部材が設けられる遠心圧縮機において、吸気流路内に空気の強い逆流が生じる場合、可動部材によって空気の逆流を十分には堰き止められない場合がある。この場合、遠心圧縮機の効率が低下してしまう。
本開示の目的は、遠心圧縮機の効率の低下を抑制することが可能な遠心圧縮機を提供することである。
上記課題を解決するために、本開示の遠心圧縮機は、吸気口と接続される吸気流路と、吸気流路に配されるコンプレッサインペラと、吸気流路のうちコンプレッサインペラよりも吸気口側に設けられ、吸気流路内に突出する突出位置と、吸気流路から退避する退避位置とに移動可能な可動部材と、可動部材の内周面のうちコンプレッサインペラ側の端部である第1端部と、可動部材の内周面のうち吸気口側の端部である第2端部と、第1端部と第2端部との間に設けられ、コンプレッサインペラの回転軸方向に相当する方向に延在する延在部と、を備える。
第2端部の曲率半径は、第1端部の曲率半径よりも大きくてもよい。
第2端部の曲率半径は、可動部材の回転軸方向の厚さより大きくてもよい。
第2端部と、可動部材のうち吸気口側に臨む面との間には、フィレット部が形成されてもよい。
可動部材のうち吸気口側に臨む面の内周端と延在部との径方向距離は、可動部材の回転軸方向の厚さの80%以下であってもよい。
可動部材のうち吸気口側に臨む面の内周端と延在部との径方向距離は、可動部材の回転軸方向の厚さの20%以上であってもよい。
本開示によれば、遠心圧縮機の効率の低下を抑制することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、過給機TCの概略断面図である。図1に示す矢印L方向を過給機TCの左側として説明する。図1に示す矢印R方向を過給機TCの右側として説明する。過給機TCのうち、後述するコンプレッサハウジング100側は、遠心圧縮機CCとして機能する。以下では、遠心圧縮機CCは、後述するタービン翼車8により駆動されるものとして説明する。ただし、これに限定されず、遠心圧縮機CCは、不図示のエンジンにより駆動されてもよいし、不図示の電気モータにより駆動されてもよい。このように、遠心圧縮機CCは、過給機TC以外の装置に組み込まれてもよいし、単体であってもよい。
図1に示すように、過給機TCは、過給機本体1を備える。過給機本体1は、ベアリングハウジング2と、タービンハウジング4と、コンプレッサハウジング100と、リンク機構200とを含む。リンク機構200の詳細については、後述する。ベアリングハウジング2の左側には、締結ボルト3によってタービンハウジング4が連結される。ベアリングハウジング2の右側には、締結ボルト5によってコンプレッサハウジング100が連結される。
ベアリングハウジング2には、収容孔2aが形成される。収容孔2aは、過給機TCの左右方向に貫通する。収容孔2aには、軸受6が配される。軸受6は、例えば、フルフローティング軸受である。ただし、軸受6は、セミフローティング軸受や転がり軸受など、他のラジアル軸受であってもよい。収容孔2aには、シャフト7の一部が配される。シャフト7は、軸受6によって回転自在に軸支される。シャフト7の左端部には、タービン翼車8が設けられる。タービン翼車8は、タービンハウジング4内に回転自在に収容される。シャフト7の右端部には、コンプレッサインペラ9が設けられる。コンプレッサインペラ9は、コンプレッサハウジング100内に回転自在に収容される。
コンプレッサハウジング100には、吸気口10が形成される。吸気口10は、過給機TCの右側に開口する。吸気口10は、不図示のエアクリーナに接続される。ベアリングハウジング2とコンプレッサハウジング100の間には、ディフューザ流路11が形成される。ディフューザ流路11は、空気を昇圧する。ディフューザ流路11は、コンプレッサインペラ9の径方向(以下、単に径方向という)の内側から外側に向けて環状に形成される。ディフューザ流路11は、径方向の内側において、コンプレッサインペラ9を介して吸気口10に連通している。
また、コンプレッサハウジング100には、コンプレッサスクロール流路12が形成される。コンプレッサスクロール流路12は、環状に形成される。コンプレッサスクロール流路12は、例えば、コンプレッサインペラ9よりも径方向の外側に位置する。コンプレッサスクロール流路12は、不図示のエンジンの吸気口、および、ディフューザ流路11と連通している。コンプレッサインペラ9が回転すると、吸気口10からコンプレッサハウジング100内に空気が吸気される。吸気された空気は、コンプレッサインペラ9の翼間を流通する過程において、加圧加速される。加圧加速された空気は、ディフューザ流路11およびコンプレッサスクロール流路12で昇圧される。昇圧された空気は、不図示の吐出口から流出し、エンジンの吸気口に導かれる。
上記のように、過給機TCは、遠心圧縮機CCを備える。遠心圧縮機CCは、コンプレッサハウジング100と、コンプレッサインペラ9と、後述するリンク機構200とを含む。
タービンハウジング4には、排気口13が形成される。排気口13は、過給機TCの左側に開口する。排気口13は、不図示の排気ガス浄化装置に接続される。タービンハウジング4には、連通流路14と、タービンスクロール流路15とが形成される。タービンスクロール流路15は、タービン翼車8よりも径方向の外側に位置する。連通流路14は、タービン翼車8とタービンスクロール流路15との間に位置する。
タービンスクロール流路15は、不図示のガス流入口と連通する。ガス流入口には、不図示のエンジンの排気マニホールドから排出される排気ガスが導かれる。連通流路14は、タービンスクロール流路15と排気口13とを連通させる。ガス流入口からタービンスクロール流路15に導かれた排気ガスは、連通流路14およびタービン翼車8の翼間を介して排気口13に導かれる。排気ガスは、その流通過程においてタービン翼車8を回転させる。
タービン翼車8の回転力は、シャフト7を介してコンプレッサインペラ9に伝達される。上記のとおりに、空気は、コンプレッサインペラ9の回転力によって昇圧されて、エンジンの吸気口に導かれる。
図2は、図1の破線部分の抽出図である。図1および図2に示すように、コンプレッサハウジング100は、第1ハウジング部材110と、第2ハウジング部材120とを含む。第1ハウジング部材110は、第2ハウジング部材120よりも、図2中、右側に位置する。第2ハウジング部材120は、ベアリングハウジング2に接続される。第1ハウジング部材110は、第2ハウジング部材120に接続される。
図2に示すように、第1ハウジング部材110は、大凡円筒形状である。第1ハウジング部材110には、貫通孔111が形成される。第1ハウジング部材110は、第2ハウジング部材120と近接する側に端面112を有する。また、第1ハウジング部材110は、第2ハウジング部材120から離隔する側に端面113を有する。端面113には、吸気口10が形成される。貫通孔111は、コンプレッサインペラ9の回転軸方向(以下、単に回転軸方向という)に沿って、端面112から端面113まで延在する。つまり、貫通孔111は、第1ハウジング部材110を回転軸方向に貫通している。
貫通孔111は、平行部111aと、縮径部111bとを有する。平行部111aは、縮径部111bよりも端面113側に位置する。平行部111aの内径は、回転軸方向に亘って大凡一定である。縮径部111bは、平行部111aよりも端面112側に位置する。縮径部111bは、平行部111aと連続する。縮径部111bのうち平行部111aと連続する部位の内径は、平行部111aの内径と大凡等しい。縮径部111bの内径は、平行部111aから離隔するほど、小さくなる。
端面112には、切り欠き部112aが形成される。切り欠き部112aは、端面112から端面113側に窪む。切り欠き部112aは、端面112の外周部に形成される。切り欠き部112aは、回転軸方向から見たとき、例えば大凡環状である。
また、端面112には、収容室ACが形成される。収容室ACは、第1ハウジング部材110のうちコンプレッサインペラ9の羽根のリーディングエッジLEよりも吸気口10側に形成される。収容室ACは、後述する収容溝112bと、軸受穴112dと、収容穴115(図3を参照)とを含む。
収容溝112bは、端面112に形成される。収容溝112bは、切り欠き部112aと貫通孔111との間に位置する。収容溝112bは、端面112から端面113側に窪む。収容溝112bは、回転軸方向から見たとき、例えば大凡環状である。収容溝112bは、径方向内側において貫通孔111と連通する。
収容溝112bのうち端面113側の壁面112cには、軸受穴112dが形成される。軸受穴112dは、壁面112cから端面113側に向かって回転軸方向に延在する。軸受穴112dは、コンプレッサインペラ9の回転方向(以下、単に回転方向または周方向という)に離隔して2つ設けられる。2つの軸受穴112dは、回転方向に180度ずれた位置に配されている。
第2ハウジング部材120には、貫通孔121が形成される。第2ハウジング部材120は、第1ハウジング部材110と近接する側に端面122を有する。また、第2ハウジング部材120は、第1ハウジング部材110から離隔する側に端面123を有する。貫通孔121は、回転軸方向に沿って、端面122から端面123まで延在する。つまり、貫通孔121は、第2ハウジング部材120を回転軸方向に貫通する。
貫通孔121のうち端面122側の端部の内径は、貫通孔111のうち端面112側の端部の内径と大凡等しい。貫通孔121の内壁には、シュラウド部121aが形成される。シュラウド部121aは、コンプレッサインペラ9に対して径方向の外側から対向する。コンプレッサインペラ9の外径は、コンプレッサインペラ9の羽根のリーディングエッジLEから離隔するほど大きくなる。シュラウド部121aの内径は、端面122から離隔するほど大きくなる。
端面122には、収容溝122aが形成される。収容溝122aは、端面122から端面123側に窪む。収容溝122aは、回転軸方向から見たとき、例えば大凡環状である。収容溝122aには、第1ハウジング部材110が挿入される。収容溝122aのうち端面123側の壁面122bに、第1ハウジング部材110の端面112が当接する。このとき、第1ハウジング部材110(具体的には、壁面112c)と第2ハウジング部材120(具体的には、壁面122b)との間には、収容室ACが形成される。
第1ハウジング部材110の貫通孔111と、第2ハウジング部材120の貫通孔121によって、吸気流路130が形成される。つまり、吸気流路130は、コンプレッサハウジング100に形成される。吸気流路130は、一側において吸気口10と接続され、他側においてディフューザ流路11と接続される。吸気口10とディフューザ流路11とは、吸気流路130を介して連通する。吸気流路130のうち吸気口10側を吸気の上流側とし、吸気流路130のうちディフューザ流路11側を吸気の下流側とする。
コンプレッサインペラ9は、吸気流路130に配される。吸気流路130の回転軸方向に垂直な断面形状は、例えば、コンプレッサインペラ9の回転軸を中心とする円形である。ただし、吸気流路130の断面形状は、これに限定されず、例えば、楕円形状であってもよい。
第1ハウジング部材110の切り欠き部112aには、不図示のシール材が配される。シール材により、第1ハウジング部材110と第2ハウジング部材120との隙間を流通する空気の流量が抑制される。ただし、切り欠き部112aおよびシール材は、必須の構成要素ではない。
図3は、リンク機構200を構成する部材の分解斜視図である。図3では、コンプレッサハウジング100のうち、第1ハウジング部材110のみが示される。図3に示すように、リンク機構200は、第1ハウジング部材110と、第1可動部材210と、第2可動部材220と、連結部材230と、ロッド240とを含む。リンク機構200は、回転軸方向において、吸気流路130のうちコンプレッサインペラ9よりも吸気口10側(上流側)に配される。
第1可動部材210は、収容溝112b(具体的には、収容室AC)に配される。具体的には、第1可動部材210は、回転軸方向において、収容溝112bの壁面112cと、収容溝122aの壁面122b(図2参照)との間に配される。第1可動部材210は、例えば、樹脂材料によって形成される。第1可動部材210は、例えば、射出成型により成型される。
第1可動部材210は、収容溝112bの壁面112cと対向する対向面S1と、収容溝122aの壁面122bと対向する対向面S2とを有する。第1可動部材210は、本体部B1を有する。本体部B1は、湾曲部211と、アーム部212とを含む。
湾曲部211は、コンプレッサインペラ9の周方向に延在する。湾曲部211は、大凡半円弧形状である。湾曲部211のうち、周方向の一端面211aおよび他端面211bは、径方向および回転軸方向に平行に延在する。ただし、一端面211aおよび他端面211bは、径方向および回転軸方向に対し、傾斜していてもよい。
湾曲部211の一端面211a側には、アーム部212が設けられる。アーム部212は、湾曲部211の外周面211cから径方向の外側に延在する。また、アーム部212は、径方向に対して傾斜する方向(具体的には、第2可動部材220に近づく方向)に延在する。
第2可動部材220は、収容溝112b(具体的には、収容室AC)に配される。具体的には、第2可動部材220は、回転軸方向において、収容溝112bの壁面112cと、収容溝122aの壁面122b(図2参照)との間に配される。第2可動部材220は、例えば、樹脂材料によって形成される。第2可動部材220は、例えば、射出成型により成型される。
第2可動部材220は、収容溝112bの壁面112cと対向する対向面S1と、収容溝122aの壁面122bと対向する対向面S2とを有する。第2可動部材220は、本体部B2を有する。本体部B2は、湾曲部221と、アーム部222とを含む。
湾曲部221は、コンプレッサインペラ9の周方向に延在する。湾曲部221は、大凡半円弧形状である。湾曲部221のうち、周方向の一端面221aおよび他端面221bは、径方向および回転軸方向に平行に延在する。ただし、一端面221aおよび他端面221bは、径方向および回転軸方向に対し、傾斜していてもよい。
湾曲部221の一端面221a側には、アーム部222が設けられる。アーム部222は、湾曲部221の外周面221cから径方向の外側に延在する。また、アーム部222は、径方向に対して傾斜する方向(具体的には、第1可動部材210に近づく方向)に延在する。
湾曲部211は、湾曲部221とコンプレッサインペラ9の回転中心を挟んで対向する。つまり、湾曲部211は、湾曲部221と吸気流路130を挟んで対向する。湾曲部211の一端面211aは、湾曲部221の他端面221bと周方向に対向する。湾曲部211の他端面211bは、湾曲部221の一端面221aと周方向に対向する。第1可動部材210および第2可動部材220では、詳しくは後述するように、湾曲部211、221が径方向に移動可能である。
連結部材230は、第1可動部材210および第2可動部材220と連結する。連結部材230は、第1可動部材210、第2可動部材220よりも吸気口10側に位置する。連結部材230は、大凡円弧形状である。連結部材230では、周方向における一端側に第1軸受穴231が形成され、他端側に第2軸受穴232が形成される。第1軸受穴231および第2軸受穴232は、連結部材230のうち、第1可動部材210、第2可動部材220側の端面233に開口する。第1軸受穴231および第2軸受穴232は、回転軸方向に延在する。ここでは、第1軸受穴231および第2軸受穴232は、非貫通の穴で構成される。ただし、第1軸受穴231および第2軸受穴232は、連結部材230を回転軸方向に貫通してもよい。
連結部材230のうち第1軸受穴231と第2軸受穴232の間には、ロッド接続部234が形成される。ロッド接続部234は、連結部材230のうち、第1可動部材210、第2可動部材220と反対側の端面235に形成される。ロッド接続部234は、端面235から回転軸方向に突出する。ロッド接続部234は、例えば、大凡円柱形状である。
ロッド240は、大凡円柱形状である。ロッド240の一端部には、平面部241が形成され、ロッド240の他端部には、連結部243が形成される。平面部241は、回転軸方向に大凡垂直な面方向に延在する。平面部241には、軸受穴242が開口する。軸受穴242は、回転軸方向に延在する。連結部243は、連結孔243aを有する。連結部243(具体的には、連結孔243a)には、後述するアクチュエータ250(図5から図7を参照)が連結される。軸受穴242は、例えば、回転軸方向およびロッド240の軸方向に垂直な方向の長さが、ロッド240の軸方向の長さよりも長い長穴であってもよい。
ロッド240において、平面部241と連結部243の間には、ロッド大径部244と、2つのロッド小径部245とが形成される。ロッド大径部244は、2つのロッド小径部245の間に配される。2つのロッド小径部245のうち平面部241側のロッド小径部245は、ロッド大径部244と平面部241とを接続する。2つのロッド小径部245のうち連結部243側のロッド小径部245は、ロッド大径部244と連結部243とを接続する。ロッド大径部244の外径は、2つのロッド小径部245の外径よりも大きい。
第1ハウジング部材110には、挿通穴114が形成される。挿通穴114の一端114aは、第1ハウジング部材110の外部に開口する。挿通穴114は、例えば、回転軸方向に垂直な面方向に延在する。挿通穴114は、貫通孔111よりも径方向の外側に位置する。つまり、挿通穴114は、吸気流路130よりも径方向の外側に位置する。挿通穴114には、ロッド240の平面部241側が挿通される。ロッド大径部244は、挿通穴114の内壁面によってガイドされる。挿通穴114の中心軸方向以外の方向へのロッド240の移動は、規制される。
第1ハウジング部材110には、収容穴115が形成される。収容穴115は、収容溝112bの壁面112cに開口する。収容穴115は、壁面112cから吸気口10側に窪む。収容穴115は、挿通穴114よりも吸気口10から離隔する側に位置する。収容穴115は、回転軸方向から見たとき、大凡円弧形状である。収容穴115は、連結部材230よりも周方向に長く延在する。収容穴115は、軸受穴112dから周方向に離隔する。
第1ハウジング部材110には、連通孔116が形成される。連通孔116は、挿通穴114と収容穴115とを連通させる。連通孔116は、収容穴115のうち、周方向の大凡中間部分に形成される。連通孔116は、例えば、挿通穴114の延在方向に大凡平行に延在する長孔である。連通孔116の長手方向(具体的には、延在方向)の幅は、連通孔116の短手方向(具体的には、延在方向と垂直な方向)の幅よりも大きい。連通孔116の短手方向の幅は、連結部材230のロッド接続部234の外径よりも大きい。
連結部材230は、収容穴115に収容される。このように、第1可動部材210、第2可動部材220および連結部材230は、第1ハウジング部材110に形成された収容室AC内に配される。収容穴115の周方向の長さは、連結部材230の周方向の長さよりも長い。収容穴115の径方向の幅も、連結部材230の径方向の幅より大きい。そのため、収容穴115の内部で、回転軸方向に垂直な面方向への連結部材230の移動は、許容される。
ロッド接続部234は、連通孔116から挿通穴114に挿通される。挿通穴114には、ロッド240の平面部241が挿通されている。平面部241の軸受穴242は、連通孔116に対向している。ロッド接続部234は、軸受穴242に挿通され、接続される。ロッド接続部234は、軸受穴242に軸支される。
図4は、図2のIV-IV線断面図である。図4に破線で示すように、第1可動部材210は、連結軸部213および回転軸部214を有する。連結軸部213および回転軸部214は、第1可動部材210のうち、壁面112cと対向する対向面S1(図2参照)から、回転軸方向に突出する。連結軸部213および回転軸部214は、図4中、紙面奥側に延在する。回転軸部214は、連結軸部213と平行に延在する。連結軸部213および回転軸部214は、大凡円柱形状である。
連結軸部213の外径は、連結部材230の第1軸受穴231の内径よりも小さい。連結軸部213は、第1軸受穴231に挿通される。連結軸部213は、第1軸受穴231に回転自在に軸支される。回転軸部214の外径は、第1ハウジング部材110の軸受穴112dの内径よりも小さい。回転軸部214は、2つの軸受穴112dのうち鉛直上側(つまり、ロッド240に近接する側)の軸受穴112dに挿通される。回転軸部214は、軸受穴112dに回転自在に軸支される。
第2可動部材220は、連結軸部223および回転軸部224を有する。連結軸部223および回転軸部224は、第2可動部材220のうち、壁面112cと対向する対向面S1(図2参照)から、回転軸方向に突出する。連結軸部223および回転軸部224は、図4中、紙面奥側に延在する。回転軸部224は、連結軸部223と平行に延在する。連結軸部223および回転軸部224は、大凡円柱形状である。
連結軸部223の外径は、連結部材230の第2軸受穴232の内径よりも小さい。連結軸部223は、第2軸受穴232に挿通される。連結軸部223は、第2軸受穴232に回転自在に軸支される。回転軸部224の外径は、第1ハウジング部材110の軸受穴112dの内径よりも小さい。回転軸部224は、2つの軸受穴112dのうち鉛直下側(つまり、ロッド240から離隔する側)の軸受穴112dに挿通される。回転軸部224は、軸受穴112dに回転自在に軸支される。
上記のように、リンク機構200は、4節リンク機構である。4つのリンクは、第1可動部材210、第2可動部材220、第1ハウジング部材110および連結部材230である。リンク機構200が、4節リンク機構であることから、限定連鎖となり1自由度であって制御が容易である。
図5は、リンク機構200の動作を説明するための第1の図である。以下の図5、図6および図7では、リンク機構200を吸気口10側から見た図が示される。図5に示すように、ロッド240の連結部243には、アクチュエータ250の駆動シャフト251の端部が連結される。
アクチュエータ250は、電動式のアクチュエータであり、電気によって駆動される。アクチュエータ250は、例えば、図示しないモータを有する電動シリンダである。この場合、モータの回転動力が、直進方向の動力に変換されて駆動シャフト251に伝達される。これにより、駆動シャフト251が軸方向に移動する。モータの回転方向が切り替わると、駆動シャフト251の移動方向が切り替わる。
図5に示す配置では、第1可動部材210と第2可動部材220は、互いに当接する。このとき、図2および図4に示すように、第1可動部材210のうち、径方向の内側の部位である突出部215は、吸気流路130内に突出する。第2可動部材220のうち、径方向の内側の部位である突出部225は、吸気流路130内に突出する。この状態(具体的には、図5に示す状態)における第1可動部材210および第2可動部材220の位置を、突出位置という。突出位置において、第1可動部材210および第2可動部材220は、吸気流路130内に突出する。
図5に示すように、突出位置では、突出部215のうち、周方向の端部215a、215bと、突出部225のうち、周方向の端部225a、225bとが当接する。突出部215と突出部225によって環状孔260が形成される。環状孔260の内径は、吸気流路130のうち、突出部215、225が突出する位置の内径よりも小さい。環状孔260の内径は、例えば、吸気流路130のいずれの位置の内径よりも小さい。
図6は、リンク機構200の動作を説明するための第2の図である。図7は、リンク機構200の動作を説明するための第3の図である。アクチュエータ250は、回転軸方向と交差する方向(図6、図7中では、上下方向)にロッド240を直動させる。図6および図7では、ロッド240は、図5に示す位置から上側に移動する。図6の配置よりも図7の配置の方が、図5の配置に対するロッド240の移動量が大きい。
ロッド240が移動すると、連結部材230は、ロッド接続部234を介して、図6、図7中、上側に移動する。このとき、ロッド接続部234を回転中心とする連結部材230の回転が許容される。また、ロッド接続部234の外径に対し、ロッド240の軸受穴242の内径に僅かに遊びがある。そのため、回転軸方向に垂直な面方向への連結部材230の移動は、僅かに許容される。
上述したように、リンク機構200は、4節リンク機構である。連結部材230、第1可動部材210および第2可動部材220は、第1ハウジング部材110に対して、1自由度の挙動を示す。具体的には、連結部材230は、上記の許容範囲内で、図6、図7中、反時計回りに僅かに回転しつつ、左右方向に僅かに揺れ動く。
第1可動部材210のうち、回転軸部214は、第1ハウジング部材110に軸支される。回転軸方向に垂直な面方向の回転軸部214の移動が規制される。連結軸部213は、連結部材230に軸支される。連結部材230の移動が許容されることから、連結軸部213は、回転軸方向に垂直な面方向に移動可能に設けられる。その結果、連結部材230の移動に伴って、第1可動部材210は、回転軸部214を回転中心として、図6、図7中、時計回り方向に回転する。
同様に、第2可動部材220のうち、回転軸部224は、第1ハウジング部材110に軸支される。回転軸方向に垂直な面方向の回転軸部224の移動が規制される。連結軸部223は、連結部材230に軸支される。連結部材230の移動が許容されることから、連結軸部223は、回転軸方向に垂直な面方向へ移動可能に設けられる。その結果、連結部材230の移動に伴って、第2可動部材220は、回転軸部224を回転中心として、図6、図7中、時計回り方向に回転する。
第1可動部材210と第2可動部材220は、図6、図7の順に、互いに離隔する方向に移動する。突出部215、225は、突出位置よりも径方向の外側に移動する。この状態(具体的には、図7に示す状態)における第1可動部材210および第2可動部材220の位置を、退避位置という。退避位置では、例えば、突出部215、225は、吸気流路130の内壁面と面一となるか、吸気流路130の内壁面よりも径方向の外側に位置する。退避位置において、第1可動部材210および第2可動部材220は、吸気流路130から退避する。退避位置から突出位置に移動するときは、図7、図6、図5の順に、第1可動部材210と第2可動部材220が互いに近づいて当接する。このように、第1可動部材210および第2可動部材220の位置は、回転軸部214、224を回転中心とする回転角度に応じて、突出位置と退避位置とに切り替わる。
上記のように、第1可動部材210および第2可動部材220は、吸気流路130のうちコンプレッサインペラ9よりも吸気口10側に設けられる。第1可動部材210および第2可動部材220は、吸気流路130を覆うように設けられる。そして、第1可動部材210および第2可動部材220は、吸気流路130内に突出する突出位置と、吸気流路130から退避する退避位置とに移動可能である。本実施形態では、第1可動部材210および第2可動部材220は、コンプレッサインペラ9の径方向に移動する。ただし、これに限定されず、第1可動部材210および第2可動部材220は、コンプレッサインペラ9の回転軸周りに回転してもよい。例えば、第1可動部材210および第2可動部材220は、2以上の羽根を有するシャッター羽根であってもよい。
第1可動部材210および第2可動部材220は、退避位置に位置するとき、吸気流路130内に突出しないため、吸気流路130を流れる空気の圧損を小さくすることができる。
また、図2に示すように、第1可動部材210および第2可動部材220は、突出位置において、突出部215、225が吸気流路130内に配される。第1可動部材210および第2可動部材220が突出位置に位置すると、吸気流路130の流路断面積が小さくなる。
遠心圧縮機CCでは、コンプレッサインペラ9に流入する空気の流量が減少するに従い、コンプレッサインペラ9で圧縮された空気が吸気流路130を逆流する場合がある。つまり、コンプレッサインペラ9で圧縮された空気が下流側から上流側に向かって流れる場合がある。
図2に示すように、第1可動部材210および第2可動部材220が突出位置に位置するとき、突出部215、225は、コンプレッサインペラ9のリーディングエッジLEの最外径端よりも径方向内側に位置する。これにより、吸気流路130内を逆流する空気は、突出部215、225に堰き止められる。したがって、第1可動部材210および第2可動部材220は、吸気流路130内の空気の逆流を抑制することができる。
また、吸気流路130の流路断面積が小さくなることから、コンプレッサインペラ9に流入する空気の流速が増大する。その結果、遠心圧縮機CCのサージングの発生を抑制することができる。つまり、本実施形態の遠心圧縮機CCは、突出位置状態を形成することにより、遠心圧縮機CCの作動領域を小流量側に拡大することができる。
上記のように、第1可動部材210および第2可動部材220は、吸気流路130を絞る絞り部材として構成される。つまり、本実施形態において、リンク機構200は、吸気流路130を絞る絞り機構として機能する。第1可動部材210および第2可動部材220は、リンク機構200が駆動されることで、吸気流路130の流路断面積を変化させることができる。
遠心圧縮機CCにおいて、吸気流路130内に空気の強い逆流が生じる場合、可動部材である第1可動部材210および第2可動部材220によって空気の逆流を十分には堰き止められない場合がある。この場合、遠心圧縮機CCの効率が低下してしまう。本実施形態では、可動部材の形状に工夫を施すことによって、空気の逆流を効果的に抑制し、遠心圧縮機CCの効率の低下を効果的に抑制することが実現される。
以下、図8から図10を参照して、空気の逆流をより効果的に抑制するための可動部材の形状の詳細について説明する。図8から図10では、可動部材として第1可動部材210のみが示されている。具体的には、図8から図10では、コンプレッサインペラ9の回転軸に沿った断面であり、第1可動部材210の湾曲部211を通る断面が示されている。ただし、第2可動部材220の形状については、第1可動部材210の形状と同様であるので、説明を省略する。
図8は、可動部材の形状の詳細を示す概略断面図である。図8に示すように、第1可動部材210の内周面S3には、第1端部216と、第2端部217と、延在部218とが形成されている。内周面S3は、突出部215の表面のうち、対向面S1と対向面S2との間の面である。内周面S3は、対向面S1と対向面S2とを接続する。対向面S1および対向面S2は、コンプレッサインペラ9の回転軸に直交する方向に延在している。
第1端部216は、内周面S3のうちコンプレッサインペラ9側(図8では左側)の端部である。第1端部216は、内周面S3のうち第2端部217よりもコンプレッサインペラ9側に配置される。第1端部216は、コンプレッサインペラ9の回転軸を中心とする円環形状を有する。第1端部216は、第1曲率半径R1を有する。第1端部216は、コンプレッサインペラ9の回転軸に沿った断面において、曲率半径が第1曲率半径R1である円弧形状を有する。第1端部216は、内周面S3のうちコンプレッサインペラ9側に形成されるR部である第1R部に相当する。R部は、コンプレッサインペラ9の回転軸に沿った断面において、円弧形状を有する部分である。
第2端部217は、内周面S3のうち吸気口10側(図8では右側)の端部である。第2端部217は、内周面S3のうち第1端部216よりも吸気口10側に配置される。第2端部217は、コンプレッサインペラ9の回転軸を中心とする円環形状を有する。第2端部217は、第2曲率半径R2を有する。第2曲率半径R2は、第1曲率半径R1よりも大きい。特に、図8の例では、第2曲率半径R2は、第1可動部材210の回転軸方向の厚さT1よりも大きい。第2端部217は、コンプレッサインペラ9の回転軸に沿った断面において、曲率半径が第2曲率半径R2である円弧形状を有する。第2端部217は、内周面S3のうち吸気口10側に形成されるR部である第2R部に相当する。
延在部218は、第1端部216と第2端部217との間に設けられる。つまり、第1端部216と第2端部217とは、延在部218によって接続される。延在部218は、コンプレッサインペラ9の回転軸を中心とする円環形状を有する。延在部218は、コンプレッサインペラ9の回転軸方向に相当する方向に延在する。図8の例では、延在部218の延在方向は、コンプレッサインペラ9の回転軸方向と同一の方向である。ただし、延在部218の延在方向は、コンプレッサインペラ9の回転軸方向に対してある程度傾いていてもよい。この場合も、延在部218の延在方向は、コンプレッサインペラ9の回転軸方向に相当する方向となり得る。延在部218は、コンプレッサインペラ9の回転軸に沿った断面において、コンプレッサインペラ9の回転軸方向に相当する方向に延在する直線形状を有する。
第1端部216は、対向面S2と延在部218とを接続する。図8の例では、第1端部216と対向面S2との接続位置において、第1端部216の接線方向は、対向面S2の延在方向と一致する。ただし、第1端部216と対向面S2との接続位置において、第1端部216の接線方向は、対向面S2の延在方向とある程度異なっていてもよい。
図8の例では、第1端部216と延在部218との接続位置において、第1端部216の接線方向は、延在部218の延在方向と一致する。ただし、第1端部216と延在部218との接続位置において、第1端部216の接線方向は、延在部218の延在方向とある程度異なっていてもよい。
第2端部217は、対向面S1と延在部218とを接続する。図8の例では、第2端部217と対向面S1との接続位置において、第2端部217の接線方向と、対向面S1の延在方向とは異なっている。図9は、図8の破線部分の抽出図である。図9に示すように、第2端部217と対向面S1との間には、微小な曲率半径を有するフィレット部F1が形成される。フィレット部F1の曲率半径は、例えば、第1曲率半径R1と一致してもよく、第1曲率半径R1より小さくてもよい。
第2端部217とフィレット部F1との接続位置において、第2端部217の接線方向は、フィレット部F1の接線方向と一致する。ただし、第2端部217とフィレット部F1との接続位置において、第2端部217の接線方向は、フィレット部F1の接線方向とある程度異なっていてもよい。フィレット部F1と対向面S1との接続位置において、フィレット部F1の接線方向は、対向面S1の延在方向と一致する。ただし、フィレット部F1と対向面S1との接続位置において、フィレット部F1の接線方向は、対向面S1の延在方向とある程度異なっていてもよい。第2端部217と対向面S1との間に、フィレット部F1が形成されていなくてもよい。
図8の例では、第2端部217と延在部218との接続位置において、第2端部217の接線方向は、延在部218の延在方向と一致する。ただし、第2端部217と延在部218との接続位置において、第2端部217の接線方向は、延在部218の延在方向とある程度異なっていてもよい。
以上説明したように、遠心圧縮機CCは、可動部材(上記の例では、第1可動部材210)の内周面S3のうちコンプレッサインペラ9側の端部である第1端部216と、可動部材の内周面S3のうち吸気口10側の端部である第2端部217と、第1端部216と第2端部217との間に設けられ、コンプレッサインペラ9の回転軸方向に相当する方向に延在する延在部218とを備える。
第1端部216と第2端部217との間に延在部218が設けられることによって、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気の流れ方向を、コンプレッサインペラ9の回転軸方向に案内することができる。それにより、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気の流れ方向が、コンプレッサインペラ9に近づくにつれて径方向内側に過度に傾斜することを抑制できる。吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気の流れ方向が上記のように傾斜すると、可動部材よりもコンプレッサインペラ9側の空気の逆流領域(つまり、空気の逆流が生じている領域)が径方向内側に拡大しやすくなる。ゆえに、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気の流れ方向をコンプレッサインペラ9の回転軸方向に案内することによって、可動部材よりもコンプレッサインペラ9側の空気の逆流領域が径方向内側に拡大することを抑制できる。したがって、吸気流路130内に空気の強い逆流が生じた場合であっても、可動部材によって空気の逆流を十分に堰き止め、空気の逆流を効果的に抑制することができる。ゆえに、遠心圧縮機CCの効率の低下を効果的に抑制することが実現される。
特に、遠心圧縮機CCでは、第2端部217の曲率半径である第2曲率半径R2は、第1端部216の曲率半径である第1曲率半径R1よりも大きい。
第1端部216の第1曲率半径R1を小さくすることによって、コンプレッサインペラ9から可動部材に向かって逆流する空気が第1端部216に沿って上流側に戻ることを抑制できる。つまり、コンプレッサインペラ9から可動部材に向かって逆流する空気を対向面S2によって効果的に堰き止めることができる。逆流する空気を対向面S2によって効果的に堰き止める観点では、第1端部216の第1曲率半径R1はできるだけ小さいことが好ましい。例えば、第1曲率半径R1は、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.1mm以下である。第1曲率半径R1は、0mmであってもよい。
第2端部217の第2曲率半径R2を大きくすることによって、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気が第2端部217に沿って流れやすくなる。それにより、第2端部217において空気が剥離することが抑制されるので、可動部材の内周面S3のうち空気が剥離する位置をより下流側にすることができる。可動部材の内周面S3のうち上流側で空気が剥離すると、可動部材よりもコンプレッサインペラ9側の空気の逆流領域が径方向内側に拡大しやすくなる。ゆえに、可動部材の内周面S3のうち空気が剥離する位置をより下流側にすることによって、可動部材よりもコンプレッサインペラ9側の空気の逆流領域が径方向内側に拡大することを抑制できる。
上記のように、第2端部217の曲率半径である第2曲率半径R2が、第1端部216の曲率半径である第1曲率半径R1よりも大きいことによって、可動部材により空気の逆流を十分に堰き止め、空気の逆流をより効果的に抑制することができる。ゆえに、遠心圧縮機CCの効率の低下をより効果的に抑制することができる。
特に、遠心圧縮機CCでは、第2端部217の曲率半径である第2曲率半径R2は、可動部材(上記の例では、第1可動部材210)の回転軸方向の厚さT1より大きい。それにより、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気が、第2端部217にさらに沿いやすくなる。ゆえに、第2端部217において空気が剥離することがさらに抑制されるので、可動部材の内周面S3のうち空気が剥離する位置をさらに下流側にすることができる。よって、可動部材よりもコンプレッサインペラ9側の空気の逆流領域が径方向内側に拡大することをさらに抑制できる。
特に、遠心圧縮機CCでは、第2端部217と、可動部材(上記の例では、第1可動部材210)のうち吸気口10側に臨む面(上記の例では、対向面S1)との間には、フィレット部F1が形成される。それにより、フィレット部F1が形成されない場合と比べて、第2端部217と対向面S1との接続位置において空気が剥離することが抑制される。ゆえに、可動部材の内周面S3のうち空気が剥離する位置を下流側にすることが適切に実現される。よって、可動部材よりもコンプレッサインペラ9側の空気の逆流領域が径方向内側に拡大することを抑制することが適切に実現される。
特に、遠心圧縮機CCでは、可動部材(上記の例では、第1可動部材210)のうち吸気口10側に臨む面(上記の例では、対向面S1)の内周端E1と延在部218との径方向距離D1は、可動部材の回転軸方向の厚さT1に応じた上限値以下、かつ、可動部材の回転軸方向の厚さT1に応じた下限値以上である。ただし、上記の径方向距離D1に対して、上限値のみが設定されてもよく、下限値のみが設定されてもよい。
上記の径方向距離D1が過度に長くなると、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気の流れ方向をコンプレッサインペラ9の回転軸方向に案内しにくくなる。ゆえに、径方向距離D1の上限値は、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気の流れ方向をコンプレッサインペラ9の回転軸方向に案内することを実現する観点で適宜設定される。例えば、径方向距離D1の上限値は、厚さT1の80%に設定され得る。上記の径方向距離D1を上限値以下(例えば、厚さT1の80%以下)にすることによって、吸気口10からコンプレッサインペラ9に向かって流れる空気の流れ方向をコンプレッサインペラ9の回転軸方向に案内することが適切に実現される。
上記の径方向距離D1が過度に短くなると、可動部材の内周面S3のうち上流側で空気が剥離しやすくなる。ゆえに、径方向距離D1の下限値は、可動部材の内周面S3のうち空気が剥離する位置をより下流側にすることを実現する観点で適宜設定される。例えば、径方向距離D1の下限値は、厚さT1の20%に設定され得る。上記の径方向距離D1を下限値以上(例えば、厚さT1の20%以上)にすることによって、可動部材の内周面S3のうち空気が剥離する位置をより下流側にすることが適切に実現される。
図10は、変形例に係る可動部材の形状を示す概略断面図である。図10に示す変形例では、上述した図8の例と比較して、溝部219が追加されている点が異なる。図10に示すように、変形例では、第1可動部材210の対向面S1に、溝部219が設けられている。溝部219は、対向面S1から対向面S2に向かって窪んでいる。例えば、溝部219は、湾曲部211において、周方向に延在して形成される。可動部材(例えば、第1可動部材210)に溝部219が形成されることによって、可動部材を射出成型により成型する際の熱収縮による変形が抑制される。
特に、図10に示す変形例では、上述した図8の例と同様に、第2曲率半径R2が、可動部材(上記の例では、第1可動部材210)の回転軸方向の厚さT1より大きい。ゆえに、第2端部217の第2曲率半径R2を大きくしやすい。それにより、第2曲率半径R2が厚さT1より小さい場合と比べて、可動部材の内周面S3を全体的に溝部219に近づけ、可動部材の内周面S3と溝部219との径方向距離を全体的に小さくしやすい。よって、可動部材を射出成型により成型する際の熱収縮による変形がより効果的に抑制される。
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
9:コンプレッサインペラ 10:吸気口 130:吸気流路 210:第1可動部材(可動部材) 216:第1端部 217:第2端部 218:延在部 220:第2可動部材(可動部材) CC:遠心圧縮機 D1:径方向距離 E1:内周端 F1:フィレット部 S3:内周面 T1:厚さ
Claims (6)
- 吸気口と接続される吸気流路と、
前記吸気流路に配されるコンプレッサインペラと、
前記吸気流路のうち前記コンプレッサインペラよりも前記吸気口側に設けられ、前記吸気流路内に突出する突出位置と、前記吸気流路から退避する退避位置とに移動可能な可動部材と、
前記可動部材の内周面のうち前記コンプレッサインペラ側の端部である第1端部と、
前記可動部材の内周面のうち前記吸気口側の端部である第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に設けられ、前記コンプレッサインペラの回転軸方向に相当する方向に延在する延在部と、
を備える、
遠心圧縮機。 - 前記第2端部の曲率半径は、前記第1端部の曲率半径よりも大きい、
請求項1に記載の遠心圧縮機。 - 前記第2端部の曲率半径は、前記可動部材の前記回転軸方向の厚さより大きい、
請求項2に記載の遠心圧縮機。 - 前記第2端部と、前記可動部材のうち前記吸気口側に臨む面との間には、フィレット部が形成される、
請求項3に記載の遠心圧縮機。 - 前記可動部材のうち前記吸気口側に臨む面の内周端と前記延在部との径方向距離は、前記可動部材の前記回転軸方向の厚さの80%以下である、
請求項2から4のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。 - 前記可動部材のうち前記吸気口側に臨む面の内周端と前記延在部との径方向距離は、前記可動部材の前記回転軸方向の厚さの20%以上である、
請求項2から4のいずれか一項に記載の遠心圧縮機。
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---|---|---|---|
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---|---|
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PCT/JP2023/014077 WO2024053144A1 (ja) | 2022-09-08 | 2023-04-05 | 遠心圧縮機 |
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WO (1) | WO2024053144A1 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016173051A (ja) * | 2015-03-17 | 2016-09-29 | 株式会社豊田自動織機 | 遠心圧縮機のインペラトリム比可変機構 |
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-
2023
- 2023-04-05 WO PCT/JP2023/014077 patent/WO2024053144A1/ja unknown
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