WO2024038775A1 - 反射パネル、電磁波反射装置、及び電磁波反射フェンス - Google Patents

反射パネル、電磁波反射装置、及び電磁波反射フェンス Download PDF

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Abstract

耐候性が改善された反射パネルと、これを用いた電磁波反射装置及び電磁波反射フェンスを提供する。反射パネルは、1GHz以上300GHz以下の所定の周波数帯の電磁波を反射する導電パターンを有する導電層と、前記導電層の少なくとも一方の表面に接着層を介して接合される誘電体層と、前記誘電体層の前記接着層と反対側の表面に設けられる紫外線吸収剤を含む保護層と、を有し、前記保護層の厚さに対する前記誘電体層の厚さの比は66以上1600以下である。

Description

反射パネル、電磁波反射装置、及び電磁波反射フェンス
 本発明は、反射パネル、電磁波反射装置、及び電磁波反射フェンスに関する。
 製造プロセスやオフィスワークの自動化、遠隔操作、AI(Artificial Intelligence:人口知能)による制御・管理、自動運転の実現などを目的として、屋内外に無線基地局の導入が進んでいる。工場、プラント、オフィス、商業施設等の屋内や、高速道路、鉄道線路等の屋外の他、医療現場やイベント会場のように屋内外を問わない場面にも無線基地局は導入されている。
 第5世代移動通信規格(以下、「5G」と呼ぶ)では、「sub-6」と呼ばれる6GHz以下の周波数帯と、ミリ波帯に分類される28GHz帯が提供されている。次世代の6G移動通信規格では、サブテラヘルツ帯への拡張が見込まれている。このような高周波の帯域を用いることで、通信帯域幅が大幅に拡張され、大量のデータ通信を低遅延で行うことができる。製造ラインの少なくとも一部に沿って電磁反射装置を配置する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開公報第2021/199504号
 電磁反射装置を用いることで、直進性の強い電波を用いる無線通信システムで、通信環境を改善することができる。5Gのユースケースは屋内及び屋外にわたる。電磁波反射装置を屋外環境、または屋外に近い屋内環境で用いた場合、紫外線、温度変化、湿度等により反射パネルが変形または変色し、反射特性が劣化する傾向にある。電磁波反射装置を安全柵や遮音壁として使用する場合、可視光に対する透過性が低下すると、視認性、安全性が低下し、当初の仕様から逸脱する。発明者は、導電層を樹脂基板で挟んだ反射パネルで10%程度の変形が生じると、反射方向と反射効率に悪影響が及ぶことを確認した。さらに、紫外線の照射により樹脂基板の比誘電率が変化し、設計された反射方向と反射効率が得られないことを見出した。屋外、または屋外に近い環境で電磁波反射装置を用いるには反射パネルの耐候性の改善が求められる。
 本発明は、耐候性が改善された反射パネルと、これを用いた電磁波反射装置、及び電磁波反射システムを提供することを一つの目的とする。
 一実施形態において、反射パネルは、
 1GHz以上300GHz以下の所定の周波数帯の電磁波を反射する導電パターンを有する導電層と、
 前記導電層の少なくとも一方の表面に接着層を介して接合される誘電体層と、
 前記誘電体層の前記接着層と反対側の表面に設けられる紫外線吸収剤を含む保護層と、
を有し、前記保護層の厚さに対する前記誘電体層の厚さの比は66以上1600以下である。
 耐候性が改善された反射パネルと、これを用いた電磁波反射装置、及び電磁波反射システムが実現される。
実施形態の無線伝達システムの模式図である。 複数の電磁波反射装置を連結した電磁波反射フェンスの模式図である。 電磁波反射装置と電磁波反射フェンスの変形例の模式図である。 図2AのA-Aラインに沿ったフレームの水平断面の構成例である。 反射パネルの層構成の一例を示す図である。 評価に用いる導電層のモデルを示す図である。 解析空間を示す図である。 解析空間のab面の模式図である。 解析空間のac面の模式図である。 無線伝達システムのシミュレーションモデルの上面図である。 無線伝達システムのシミュレーションモデルの斜視図である。 図8及び図9のモデルで用いられる物体の材質と座標を示す図である。 例7の受信電力分布を示す図である。 例8の受信電力分布を示す図である。 例9の受信電力分布を示す図である。 例10の受信電力分布を示す図である。 例11の受信電力分布を示す図である。 例12の受信電力分布を示す図である。
 実施形態では、屋内外で用いられる無線伝達システムと、この無線伝達システムで用いられる電磁波反射パネルを提供する。「屋内外」というときは、屋内、屋外、及び、屋外に近い環境を含む。「屋外に近い環境」とは、テラス、アーケード、バルコニー等のように屋内と屋外を接続する空間、あるいは、電磁波を透過するガラス、プラスチック等の近傍に位置する屋内空間をいう。屋外または屋外に近い環境でローカル5Gの電波を利用する無線伝達システムを構築する場合、電波伝搬環境の向上と、外部への電波飛び出し防止とを両立する必要がある。加えて、電磁波反射パネルの耐候性を改善して、長時間経過後も反射効率を維持したいという要請がある。
 外部への電波飛び出しの抑制だけに着目すると、有料道路のETC(Electronic Toll Collection:自動料金支払い)のガントリーのように、内面を電磁波吸収体で覆うことが考えられる。しかし、道路や施設の壁面全体を電波吸収体で覆うことは非現実的であり、そもそも電磁波吸収体だけでは、不感地帯の低減と電波伝搬環境の改善につながらない。不感地帯を低減して電波伝搬環境を改善するためには、電磁波反射装置が有効である。しかし、屋内外での使用の実状と、電波の飛び出し防止を考えると、基地局アンテナに対して電磁波反射装置を最適な位置関係で配置する必要がある。他方で、屋外、または屋外に近い環境での使用では特に、電磁波反射装置で用いられる反射パネルの機械的強度を高め、耐候性を改善する必要がある。
 実施形態では、これらの要請を満たす無線伝達システムと反射パネル、及び電磁波反射装置を提供する。以下で、図面を参照して、実施形態の無線伝達システムと反射パネル、及び反射パネルを用いた電磁波反射装置の構成を説明する。以下に示す形態は本発明の技術思想を具現化するための一例であって、本発明を限定するものではない。各図面に示される各部材の大きさ、位置関係等は、発明の理解を容易にするために誇張して描かれている場合がある。以下の説明において、同一の構成要素または機能に同一の名称または符号を付けて、重複する説明を省略する場合がある。
 <無線伝達システム>
 図1は、実施形態の無線伝達システム1の模式図である。無線伝達システム1は、屋内外に設置され得るが、実施形態では特に、屋外、または屋外に近い環境での耐候性を改善する。無線伝達システム1は、1GHz以上300GHz以下、たとえば1GHz以上170GHz以下の所定の周波数帯で無線通信する基地局33と、基地局の周波数の電磁波を反射する反射パネルを有して基地局33の通信エリア内で一定方向に長く伸びる領域の長手方向に沿って設けられる電磁波反射装置60と、を含む。図1では、屋外環境の一例として、道路32を通信エリアとする無線環境を考える。図1の座標系で、道路32の長さ方向をX方向、幅方向をY方向、路面に垂直な方向をZ方向とする。道路32上を、多数の車両31が走行する。車両31は、自動運転機能、または半自動運転機能を備えた車両であってもよいし、自動運転機能のない車両であってもよい。いずれの場合も、ドライバーや同乗者が持つ携帯端末だけではなく、車両31自体に搭載された無線通信機能を有し、車両31と制御・管理システムとの間で大量のデータが送受信される。
 車両31のような移動体とネットワークとの間の無線通信を実現するために、道路32に沿って基地局33が配置される。基地局33は、車両31との間で、1GHz以上170GHz以下の周波数帯の中の所定の周波数で信号またはデータを送受信する。道路32の地形、周囲環境や、多数の車両31の存在により、直進性の乏しい高周波の電波を基地局33から直接、各車両31に届けるのは難しい。そこで、道路32の少なくとも一方の側に沿って、電磁波反射装置60が配置される。電波は電磁波の一種であり、一般的には3THz以下の電磁波を電波と呼ぶ。ここでは、基地局33から送信される通信波を「電波」と呼び、電磁波一般については「電磁波」と呼ぶ。後述するように、複数の電磁波反射装置60を連結して、電磁波反射フェンスとして道路32の路肩に設置してもよい。
 基地局33のアンテナの位置は、電磁波反射装置60の最上部の位置よりも高くても低くてもよい。電磁波反射装置60の最上部が基地局33のアンテナよりも高い位置に設置される場合は、道路32の外部への電波漏れが効果的に抑制される。電磁波反射装置の最上部の位置が基地局33のアンテナよりも低い場合は、基地局33は、道路32内に向けてビームが形成される指向性のアンテナを有することが望ましい。基地局33の指向性アンテナに加えて、道路32の少なくとも一方の側に沿って電磁波反射装置60を配置することで、基地局33からの電波を効率よく道路32上に集中させて、道路32の外に飛び出る電波を抑制する。これにより、道路32上での受信電力の平均値または中央値よりも、道路32の外での受信電力が低くなる。
 基地局33でビーム形状を制御しても、他の車両31がLOS(Line of Sight:見通し内)の妨げになる場合がある。その場合、基地局33からの電波を電磁波反射装置60で反射して車両31に届けることができる。道路32と基地局33の位置関係から、基地局33のアンテナから電磁波反射装置60を結んだ最短距離を5.0m以上300.0m以下、基地局33のアンテナの最大利得を5dBi以上30dBi以下にしてもよい。基地局33のアンテナから電磁波反射装置60までを結んだ最短距離が5.0m未満だと、基地局33からの電波を、電磁波反射装置60を介して効率的に車両31に届けるのが困難になる。基地局33から電磁波反射装置60を結んだ最短距離の300.0mを超えると、アンテナの最大利得と電波の直進性の観点から、やはり電磁波反射装置60を介して電波を車両31に届けるのが困難になる。
 電磁波反射装置60の反射面のサイズは、少なくとも第1フレネルゾーンの半径Rで決まる領域をカバーできる大きさであればよい。基地局33のアンテナから放射され、電磁波反射装置60で反射された電波が同相で車両31に到達するときの第1フレネルゾーンの半径Rは、次式で規定される。
   R=[λd1d2/(d1+d2)]1/2
ここで、λは使用波長、d1は基地局33のアンテナから電磁波反射装置60までの距離、d2は電磁波反射装置60から車両31のアンテナまでの距離である。
 28GHz帯(波長約10.7mm)で基地局33のアンテナから電磁波反射装置60までの距離d1が20.0mm、電磁波反射装置60から車両31までの距離d2が10.0mであるとすると、電磁波反射装置60の反射面のサイズは、一辺が数十センチメートルあれば足りる。一方、少ない数の電磁波反射装置60で広い反射エリアをカバーする電磁波反射フェンスを形成する観点から、電磁波反射装置60の反射面の幅×長さは2.0m×4.0m程度の大きさであってもよい。実施形態では、電磁波反射装置60の反射面の裏側、すなわち、道路32の外側の領域での受信電力が、道路32上での受信電力の平均値または中央値よりも低くなるように、電磁波反射装置60を道路32に沿って配置する。
 <電磁波反射装置と電磁波反射フェンス>
 図2Aは、電磁波反射フェンス100Aの模式図である。電磁波反射フェンス100Aは、反射パネル10A-1、10A-2、及び10A-3(以下、適宜「反射パネル10A」と総称する場合がある)を有する電磁波反射装置60A-1、60A-2、及び60A-3(以下、適宜「電磁波反射装置60A」と総称する場合がある)をフレーム50Aで連結したものである。図2Aの座標系は図1の座標系と整合しており、反射パネル10の幅または横方向をX方向、厚さ方向をY方向、高さ方向をZ方向とする。図2Aでは、3つの電磁波反射装置60Aを連結して電磁波反射フェンス100Aを構成しているが、連結される電磁波反射装置60Aの数は、道路32の状況に応じて適宜、決定される。
 電磁波反射装置60Aで用いられる反射パネル10Aは、1GHz以上300GHz以下、たとえば1GHz以上170GHz以下、または1GHz以上100GHz以下、または1GHz以上80GHz以下の電磁波を反射する。反射パネル10Aは、導電膜を含む層を反射膜として有する。導電膜は、目的とする反射角度、周波数帯域等に応じて設計された所定の導電パターンを有する。導電パターンは、周期的なパターン、メッシュパターン、幾何学パターン等絵を含み、透明導電膜で形成されていてもよい。反射パネル10Aは、最外層に紫外線防止機能をもつ保護層を有する。
 反射パネル10Aの少なくとも一部は、電磁波の入射角と反射角が異なる非鏡面反射面であってもよい。非鏡面反射面は、拡散面や散乱面の他、所望の方向に電波を反射するように設計された人工的な反射面であるメタサーフェスを含む。反射パネル10A-1、10A-2、10A-3は、反射電位の連続性を保つ観点から、互いに電気的に接続されていることが望ましい場合があるが、メタサーフェスを含む場合は、隣接する反射パネル10A間に電気的な接続はなくてもよい。隣接する反射パネル10A同士をフレーム50Aで保持することで、X方向に連結された電磁波反射フェンス100Aが得られる。
 電磁波反射装置60Aは、反射パネル10Aとフレーム50Aに加えて、フレーム50Aを支持する脚部56を有していてもよい。脚部56により、電磁波反射装置60または電磁波反射フェンス100を路面に自立させてもよい。脚部56をネジ、ビス等で路面に固定できる構成としてもよい。逆に電磁波反射装置60または電磁波反射フェンス100を路面に自立させ、さらにキャスターのような部品などを有し、可動にしてもよい。フレーム50Aの他に、反射パネル10の上端を保持するトップフレーム57と、下端を保持するボトムフレーム58を用いてもよい。この場合、フレーム50Aと、トップフレーム57と、ボトムフレーム58とで、反射パネル10Aの全周を保持するフレームが構成される。フレーム50Aは、トップフレーム57とボトムフレーム58に対する位置関係から、「サイドフレーム」と呼んでもよい。トップフレーム57とボトムフレーム58を設けることで、反射パネル10の搬送、組立時の機械的強度と安全性が確保される。トップフレーム57は、反射パネル10Aの上端に別の反射パネル、または電磁波吸収パネル等の別部材を連結可能に構成されていてもよい。これにより、電磁波反射フェンス100Aのサイズと機能の自由度が高くなる。
 図2Bは、変形例としての電磁波反射フェンス100Bの模式図である。電磁波反射フェンス100Bは、反射パネル10B-1、10B-2、及び10B-3(以下、適宜「反射パネル10B」と総称する場合がある)を有する電磁波反射装置60B-1、60B-2、及び60B-3(以下、適宜「電磁波反射装置60A」と総称する場合がある)をフレーム50Bで連結したものである。反射パネル10Bは、少なくとも一部に曲面を含む。この例では、反射パネル10BはZ方向の上端側で湾曲している。曲面を含む反射パネル10Bを保持し、連結するために、フレーム50Bは、反射パネル10Bの曲率に応じた湾曲を有する。反射パネル10Bの曲率半径は、電磁波反射装置60Bが適用される道路32の幅、周囲の状況、反射パネル10Bの厚さ、電磁波反射装置60Bの高さ等に応じて決定される。
 たとえば、反射パネル10Bの厚みが5.0mm以上、17.0mm以下であり、道路32の上方に障害物がほとんどない場合に、反射パネル10Bの曲率半径を1500mm以上2500mm以下、好ましくは2000mm以上2500mm以下、に設定してもよい。反射パネル10Bは、反射パネル10Aと同様に、最外層に紫外線防止剤を含む層を有するのが望ましい。反射パネル10Bに湾曲面を持たせる構成に替えて、トップフレーム57で別の平坦な反射パネル10や電磁波吸収パネルのような別部材を所定の傾斜角で連結する構成を用いてもよい。
 図2Cは、図2AのA-Aラインに沿ったフレーム50Aの構成例を、XY面と平行な断面図で示す。フレーム50Bは、上部が反射パネル10Bの湾曲に沿って湾曲していることを除いて、フレーム50Aと同じ断面構成を有するので、以下の説明では「フレーム50」と総称する。フレーム50は、導電性の本体500と、本体500の幅方向の両側に形成されたスリット51-1、及び51-2を有する。反射パネル10-1と10-2のエッジは、スリット51-1と51-2にそれぞれ挿入されて、空間52内で保持される。空間52は必須ではないが、空間52を設けることで、フレーム50の本体500を軽量化するとともに、反射パネル10の保持角度にゆとりを持たせることができる。
 反射パネル10-1と10-2のそれぞれがスリット51-1と51-2に挿入されることで、隣接する反射パネル10-1と10-2は安定的に保持され得る。図2Bのように反射パネル10Bの一部が湾曲している場合も、湾曲した反射パネル10Bのエッジが湾曲したフレーム50のスリット51内に挿入されて保持される。本体500の一部は非導電性の材料で形成されていてもよい。本体500の外表面に、樹脂などの非導電性のカバー501が設けられていてもよいが、カバー501を設ける場合、カバー501は耐候性のよい樹脂材料で形成されていてもよい。
 <反射パネルの構成>
 図3は、反射パネル10の層構成の例を示す。図3の層構成は、反射パネル10の厚さ(Y)方向の構成である。反射パネル10は、導電層11と、導電層11の少なくとも一方の面に接着層12または13を介して接合される誘電体層14または15と、誘電体層14または15の表面に設けられる保護層16または17を含む。図3の例では、導電層11は接着層12及び13を介して誘電体層14と15に挟まれ、誘電体層14及び15の双方の表面に保護層16と17が設けられている。保護層16と17は、紫外線防止機能をもつ。図2Bのように湾曲面を含む反射パネル10Bを用いる場合は、反射パネル10Bの湾曲面の外側の表面にだけ保護層を設けてもよい。
 電磁波反射装置60が屋外、または屋外環境に近い屋内施設で用いられる場合、反射パネル10は耐候性を有することが望ましい。実施形態の反射パネル10は、屋外環境に耐えうる機械的強度と耐候性を有する。一般的な電磁波反射板を屋外環境においたときに、電磁波反射板の表面基板は、太陽光に含まれる可視光線や紫外線の影響、あるいは温度変化の影響で、変形、変色、劣化などの変質を起こす傾向にある。電磁波反射装置60を連結した電磁波反射フェンス100を、屋外の安全柵や遮音壁としても機能させる場合に、反射パネル10の変色の影響で透過性が低下すると、視認性の低下につながる。反射パネル10の表面基板が樹脂基板の場合、温度変化等の影響で、もとの寸法の1/100程度の変形が生じたときに反射の方向または反射効率が変化し得る。また、紫外線の照射により樹脂材料や誘電材料の比誘電率が変化して、設計された反射方向、反射効率から逸脱するおそれがある。実施形態の反射パネル10は、これらの問題点を抑制または低減する。
 導電層11は、反射パネル10の反射面を形成する面であり、金属のメッシュ、周期的パターン、幾何学パターン、透明導電膜等で形成されていてもよい。一例として、導電層11は、Cu、Ni、SUS、Ag等の良導体で形成された金属メッシュを含む。反射パネル10の一部にメタサーフェスが含まれる場合は、導電層11は、複数の金属素子の周期的な配列を含むパターンを含んでいてもよい。導電層11は、目的とする周波数の電磁波を設計された方向に反射する反射面として十分に機能するように、10μm以上200μm以下、好ましくは50μm以上150μm以下の厚さを有する。
 接着層12と13は、入射する電磁波を導電層11に導くように、使用周波数に対する透過率は60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。接着層12と13は、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、アニリン樹脂、エチレン樹脂、シリコン樹脂、その他の樹脂材料で形成されていてもよい。接着層12と13に屋外使用に耐えうる耐久性と耐湿性を持たせる場合は、エチレン・酢酸ビニル(EVA:ethylene-vinyl acetate)共重合体やシクロオレフィンポリマー(COP)を用いてもよい。接着層12、13の厚さは、誘電体層14、15を導電層11に確実に接着保持できる厚さであり、たとえば、10μm以400μm以下である。接着層12と13は、導電層11による目標の反射特性を実現するのに適した比誘電率と誘電正接を持つ。
 誘電体層14と15は、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フッ素樹脂など、絶縁性のポリマーフィルムである。反射パネル10の強度を保ちつつ、反射パネル10の総量をできるだけ軽くするためには、誘電体層14及び15の厚さは1.0mmよりも厚く、8.0mm以下の範囲で選択される。この厚み範囲の根拠は後述する。導電層11の厚さを100.0μmとすると、導電層11の厚さに対する誘電体層14及び15の厚さの比は、10より大きく、80以下である。誘電体層14と15は屋外での使用に耐え得る機械的強度を持つとともに、目標の反射特性を実現するのに適した比誘電率と誘電正接を持つ。
 保護層16と17は、たとえば、紫外線吸収剤を含む樹脂層である。紫外線防止剤には紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があるが、紫外線散乱剤を用いると、反射パネル10で散乱された紫外線が、他の電磁波反射装置60に影響する場合がある。そこで、紫外線吸収剤により紫外線を防止する。紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ヒドロキシフェニルトリアジン系等の紫外線吸収剤を用いてもよい。これらの紫外線吸収剤を樹脂に配合して誘電体層14及び15の表面にコーティングし、保護層16及び17を塗布膜として形成してもよい。
 保護層16と17の厚さは、紫外線を十分に吸収しつつ、可視光を透過して反射パネル10の透明性を阻害しない厚さであり、たとえば5μm以上15μm以下、好ましくは10μm±数ミクロンである。反射パネルの強度を確保しつつ透明性を維持する観点から、保護層16及び17に対する誘電体層14及び15の厚さの比は、66以上1600以下である。導電層11の厚さを100.0μmとしたときに、導電層11の厚さに対する保護層16及び17の厚さの比は、0.05以上0.15以下である。保護層16または17に対する反射パネル10全体の厚さの比は、反射パネル10の強度、反射特性、および透明性を維持する観点から、350以上1000以下であるのが好ましい。
 このような構成の反射パネル10の全体の厚さは5.0mm以上17.0mm以下である。導電層11の厚さが100μmのときの導電層11に対する反射パネル10全体の厚さの比は50以上170以下である。機械的強度を担保する観点から、導電層11に対する誘電材料の厚さの割合が大きくなるので、反射パネル10がメタサーフェスを含む場合は、接着層12と誘電体層14と保護層16を合わせた誘電体部分全体の比誘電率と誘電正接を適切に設計するのが望ましい。
 <反射パネルと無線伝達システムの評価>
 上述した反射パネル10の長時間使用後の電力反射効率と透明性の変化を評価する。また、反射パネル10を有する電磁波反射装置60を用いた無線伝達システム1の受信電力分布を評価する。
 図4は、反射効率の評価で用いる導電層11のモデル20の模式図である。評価用のモデル20の座標空間は、図1の無線伝達システムの座標空間と別の空間であり、導電層11が形成される面内をab面、ab面に垂直な軸をc軸とする。導電層11は、複数の金属素子151で形成される単位パターン210の繰り返しを含む。単位パターン210は「スーパーセル」とも呼ばれ、b方向に長軸を有する複数の金属素子151が、a方向に所定のピッチで並べられている。a方向は、図2Aの反射パネル10AのX方向に対応する。
 図5は、電磁波シミュレーションの解析空間101、図6は解析空間101のab面の模式図、図7は解析空間101のac面の模式図である。解析空間101のa軸×b軸×c軸で表されるサイズは、111.8mm×32.1mm×3.7mmである。この解析空間101内に、導電層11のモデル20が配置される。モデル20は、a方向に8つの単位パターン210が繰り返し配置され、b方向に6つの単位パターン210が繰り返し配置された8×6の単位パターンを有する。境界条件は、解析空間101の周囲に電磁波吸収体102を配置した設計とする。単位パターン210は、所定の周波数の垂直入射電磁波を50°の角度に反射するように設計されている。
 評価方法は、図5、図6、及び図7に示した解析空間101で、8×6個の単位パターン210のモデル20を用いる。所定の周波数の平面波を入射角0°でモデル20に入射し、汎用の三次元電磁界シミュレーションソフトウェアで、反射波の散乱断面積を解析する。散乱断面積、すなわちレーダ反射断面積(RCS:Rader Cross Section)は、入射電磁波を反射させる能力、あるいは反射特性を示す指標として用いられる。反射波の角度とゲイン(dB)値から電力反射効率が計算される。以下の記載で「反射効率」と記載するときは、特段の断りのない限り、電力反射効率を指すものとする。
 入射角と異なる反射角で反射するメタサーフェスの場合、算出した反射効率を補正する必要がある。理想的な導電プレートは完全に鏡面反射し、垂直入射に対して、同じ方向に電磁波を反射するのに対し、単位パターン210で形成されるメタサーフェスは入射角と異なる方向に電磁波を反射する。メタサーフェスの反射効率は、ゲイン値から求めた電力反射効率を補正値で除算した値とする。
 図4または図5のシミュレーション用のモデル20で決まる損失のないメタサーフェスでの反射電界をEMR、理想的な導電プレートでの反射電界をEPECとすると、補正値εpを|EMR/EPECとする。|EMR/EPEC|は、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
あるいは、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
と表される。ここで、θはメタサーフェスへの入射角、φは相当する正規反射の場合の反射角である。メタサーフェスの反射角をθ=50°、あるいはθr=50°、入射角をθi=0°、正規反射の反射角φ=25°とすると、補正値εpは0.7826である。
 <耐候性の評価>
 下記の例1と例2で、反射パネル10の耐候性を評価する。例1は実施例、例2は比較例である。耐候性の評価項目は、反射パネル10を一定時間所定の環境下に放置した後の反射効率、ヘイズ値、及びYI値の変化とする。ヘイズ値は、全透過光に対する拡散光の割合(%)であり、曇り度または透明度を表す指標となる。ヘイズ値が高いほど、曇り度が高い。YI値は黄変度を表し、透明から黄色方向の変化をプラスの値で表す。分光測色により3刺激値(X,Y,Z)を求め、数式
   YI=100×(1.2985X-1.1335Z)/Y
からYI値を求める。
 [例1]
 例1は、実施例の構成のシミュレーション結果を示す。図3に示した層構造のうち、導電層11の少なくとも一方の側に誘電体層14を配置し、誘電体層14の最表面を保護層16で覆う。保護層16には紫外線吸収剤が含まれている。上述したシミュレーションにより、保護層16の効果を評価する。シミュレーションの目的で、導電層11を支持する支持層として、厚さ0.7mmのポリカーボネートフィルムを設定する。ポリカーボネートフィルムの導電層11と反対側の面に、厚さ0.36mmのAg系多層膜のグラウンド層を設定する。ポリカーボネートフィルムのグラウンド層と反対側の支持面に、厚さ0.01mmの接着材で導電層11を配置する。接着材は導電層11を構成する単位パターン210の金属素子151を担持する部分にだけ適用されている。導電層11の材料は厚さ0.03mmの銅箔とする。
 導電層11を覆って、厚さ400μmの接着層12を設け、接着層12により厚さ2.0mmのポリカーボネートシートを誘電体層14として接合する。ポリカーボネートシートの表面に、厚さ8.0μmの保護層16を配置する。保護層16は紫外線吸収剤が配合された樹脂コートとする。導電層11に含まれる単位パターン210の金属素子151のa軸方向の幅は、一律1.6mmである。金属素子151のb軸方向の長さは、それぞれ2.5663mm、2.9113mm、4.0717mm、1.2521mm、1.8975mm、2.5357mm、とする。このときの誘電体層14に対する金属素子151の面積占有率は32.6%であり、可視光に対する透過率は43.1%である。
 入射角0°で入射した28.0GHzの電磁波が反射角50°で反射するときのRCSプロットの50°におけるゲイン値は-1.1087dBであり、εp=0.7826で補正した後の反射効率は85.1%である。
 この反射パネルを60℃、湿度95%の環境に500時間放置した後の状態で、再度計算する。入射角0°で入射した28.0GHzの電磁波が反射角50°で反射するときのRCSプロットの50°におけるゲイン値は-1.4735dBであり、εp=0.7826で補正した後の反射効率は78.2%である。また、同じ反射パネルの構成で、サンシャインウェザーメータで5000時間曝露試験において、ヘイズ値の変化量は3.0%であり、YI値の変化量ΔYIは2.0%であった。
 例1で、導電層11を覆う誘電体層14の表面に、紫外線吸収剤を含む保護層16を設けることで、高温、高湿の環境下に500時間放置した後の反射効率の低下は7%程度に抑えられている。また、ヘイズ値の増加はわずか3.0%、ΔYIの変化量は2.0%であり、反射パネル10の透明性が維持されていることがわかる。
 [例2]
 例2は、比較例のシミュレーション結果を示す。誘電体層14の表面に保護層を設けないことを除いて、例1と同じ条件とする。保護層を除く反射パネルの層構造、単位パターン210の金属素子151の幅と長さ、誘電体層に対する金属素子151の面積占有率と透過率は、すべて例1と同じである。
 入射角0°で入射した28.0GHzの電磁波が反射角50°で反射するときのRCSプロットの50°におけるゲイン値は-1.1087dBであり、εp=0.7826で補正した後の反射効率は85.1%である。例1と同じ反射効率が得られている。
 例2の反射パネルを60℃、湿度95%の環境に500時間放置した後の状態で、再度計算する。入射角0°で入射した28.0GHzの電磁波が反射角50°で反射するときのRCSプロットの50°におけるゲイン値は-2.9630dBであり、εp=0.7826で補正した後の反射効率は55.5%である。また、同じ反射パネルの構成で、サンシャインウェザーメータで3000時間曝露試験において、ヘイズ値の変化量は10.0%であり、黄変度を表すYI値の変化量ΔYIは18.0%であった。
 誘電体層14の表面に保護層を設けない構成では、高温、高湿の環境下に同じ時間放置した場合に、反射効率が55.0%に低下し、電磁波反射板として機能可能な一つの基準である60.0%の反射効率を下回る。ヘイズ値は10.0%増加し、ΔYIは18.0%と大きく、反射パネルの黄変が顕著になり、かつ透明性が劣化することがわかる。
 <機械的強度の評価>
 例3から例6に、反射パネル10の機械的強度の評価結果を示す。反射パネル10の機械的強度は、NEXCO(Nippon Expressway Company Limited)試験法901及び902に準拠した強度試験と耐衝撃性能試験に則ってと評価される。例3と例4は実施例の構成の評価結果を示し、例5と例6は比較例の評価結果を示す。
 [例3]
 例3は、実施例の機械的強度の評価結果を示す。図3の層構成で、導電層11の両面に、縦1.0m、横2.0m、厚さ8.0mmの2枚の平坦なポリカーボネートシートの誘電体層14及び15を設定する。導電層11は、厚さ100.0μmのステンレス製のメッシュとする。ポリカーボネートシートの誘電体層14及び15と導電層11の間に、厚さ400μmのエチレン酢酸ビニルの接着層12及び13を設定する。誘電体層14及び15の表面に、紫外線吸収剤を含む厚さ7.0μmの保護層16及び17を設定する。誘電体層14または15と、保護層16または17の厚さの比は、8.0mm:7.0μm=1143:1である。誘電体層14または15と、導電層11の厚さの比は、8.0mm:100.0μm=80:1である。
 耐衝撃性の試験は、例3の反射パネルに、300kgの鉄球による加撃体で衝撃を与え飛散防止率を測定する。飛散防止率は、
   飛散防止率(%)=(部材重量-破片総重量)/部材重量×100
で表される。飛散した破片の総重量が少ないほど飛散防止率は高い。例3の反射パネルの飛散防止率は99%と高く、透光部(すなわち誘電体層と保護層)のわずか1%が破片として飛散したにとどまる。また、透光部の破片の最大重量は1.5g以下と軽量である。強度試験は、反射パネルの中心のたわみ量を測定し、反射パネルの短辺(1.0m)に対するたわみ量の割合が1/15以下であることを確認することで評価される。例3の反射パネルの中心のたわみ量は、短辺の長さの1/15以下であり、耐衝撃性、強度ともに良好である。
 [例4]
 例4は、実施例の機械的強度の評価結果を示す。例4の反射パネルの層構成は、誘電体層14及び15を形成するポリカーボネートシートの厚さを5.0mmに変えたことを除いて、例3の反射パネルの層構成と同じである。導電層11は、厚さ100.0μmのステンレス製のメッシュ、接着層12及び13は、厚さ400μmのエチレン酢酸ビニル、保護層16及び18は、紫外線吸収剤を含む厚さ7.0μmの樹脂層である。誘電体層14または15と、保護層16または17の厚さの比は、5.0mm:7.0μm=714:1である。誘電体層14または15と、導電層11の厚さの比は、5.0mm:100.0μm=50:1である。
 強度試験と耐衝撃性能試験の結果、厚さ5.0mmのポリカーボネートシートの誘電体層と、厚さ7.0μmの保護層を用いた例4の反射パネルの飛散防止率は、例3と同じく99%と高い。透光部の破片の最大重量は1.5g以下である。反射パネル中心のたわみ量は、反射パネルの短辺(1.0m)の1/15以下であることが確認された。例4の反射パネルは、耐衝撃性、強度ともに良好である。
 [例5]
 例5は、比較例の反射パネルの機械的強度の評価結果を示す。例5の反射パネルの層構成は、誘電体層14及び15を形成するポリカーボネートシートの厚さを、1.0mmに変えたこと、及び誘電体層14及び15の表面の保護層16及び17の厚さを0.5μmに変えたことを除いて、例3及び例4の反射パネルの層構成と同じである。誘電体層14または15と、保護層16または17の厚さの比は、1.0mm:0.5μm=2000:1である。誘電体層14または15と、導電層11の厚さの比は、1.0mm:100.0μm=10:1である。
 強度試験と耐衝撃性能試験の結果、厚さ1.0mmのポリカーボネートシートの誘電体層と、厚さ0.5μmの保護層を用いた例5の反射パネルの飛散防止率は、99%未満となる。これは、透光部の破片の飛散重量が多いことを示す。透光部の破片の最大重量は1.5gを超えていた。強度試験による反射パネル中心のたわみ量は、反射パネルの短辺(1.0m)の1/15よりも大きく、反射パネルの歪みが大きいことが確認された。例5の反射パネルは、耐衝撃性、強度が不十分である。
 [例6]
 例6は、別の比較例の反射パネルの機械的強度の評価結果を示す。例6の反射パネルの層構成は、誘電体層14及び15を形成するポリカーボネートシートの厚さを、1.0mmに変えたこと、及び導電層11となるステンレス製のメッシュの厚さを5.0μmに変えたことを除いて、例3及び例4の反射パネルの層構成と同じである。誘電体層14または15と、保護層16または17の厚さの比は、1.0mm:7.0μm=143:1である。誘電体層14または15と、導電層11の厚さの比は、1.0mm:5.0μm=200:1である。
 強度試験と耐衝撃性能試験の結果、厚さ1.0mmのポリカーボネートシートと厚さ7.0μmの保護層を用いた例6の反射パネルの飛散防止率は、99%未満である。保護層の厚さが例3及び例4と同じであるにもかかわらず、飛散防止率が99.9%未満であるのは、ポリカーボネートシートの誘電体層14及び15が薄くなり、機械的強度が低減したためと考えられる。また、透光部の破片の最大重量は1.5gを超えている。ポリカーボネートシートが薄くなったのに透光部の破片の最大重量が1.5gを超えているのは、飛散した破片が大きいことを示す。強度試験による反射パネル中心のたわみ量は、反射パネルの短辺(1.0m)の1/15よりも大きく、反射パネルの歪みが大きいことが確認された。例6の反射パネルは、耐衝撃性、強度が不十分である。
 例1から例6の評価結果から、誘電体層14または15の表面に、紫外線吸収剤を含む保護層16または17を設けることで、屋外で長時間使用後も反射パネルの黄変と透明性の低下が抑制されることがわかる。また、誘電体層と保護層の厚みを最適化することで、反射パネルの機械的強度が向上する。具体的には、誘電体層14または15の厚さを1.0mm以上8.0mm以下に設定し、保護層16または17の厚さを5.0μm以上15.0μm以下に設定することで、反射パネルの強度と透明性が維持され、屋外環境による反射特性の低下が抑制される。保護層16または17の厚さに対する誘電体層14または16の厚さの比は、50:1から200:1の範囲が望ましい。導電層11に対する誘電体層14または15の厚さの比は、5より大きく、100以下が望ましい。
 <無線伝達システムの受信電力分布>
 次に、無線伝達システム1の受信電力分布を評価する。図8は、無線伝達システムのシミュレーションモデル200の上面図、図9は、無線伝達システムのシミュレーションモデル200の斜視図である。モデル200は、車両31a及び31b、プレート38、及びプレート38を支持する柱39等が存在する道路32である。道路32の幅は14.0m、長さは200.0mである。道路32の一方の側に送信局Tx1が配置され、他方の側に送信局Tx2が互い違いに配置されている。道路32の両側に、図2Aのタイプの電磁波反射装置60が配置されている。電磁波反射装置60に沿って、または電磁波反射装置60と一体的に、透光型遮音壁が設けられてもよい。このモデル200を用いて、道路32内の受信電力分布を計算する。
 図10は、図8及び図9のモデル200で用いられる物体の材質と座標を示す。モデル200では、2種類の車両31を設定する。車両31aの車体はメタルで形成され、車体の長さ4.1m、幅1.7m、高さ1.5mである。車両31bの車体はメタルで形成され、車体の長さ4.8m、幅1.7m、高さ1.5mである。道路32は、コンクリートの車道であり、上述のように幅14.0m、長さ200.0mである。プレート38は、IТU(International Telecommunication Union)の5GHz無線LAN用のフロアボードであり、幅8.0m、厚さ0.075m、高さ5.0mである。柱39はメタル製であり、径が0.2m、高さが5.0m、Y方向の長さが14.0mである。
 電磁波反射装置60は、200.0mの長さの道路32にわたって配置される。具体的には、幅2.0m×高さ1.0mの反射パネルをX方向に100枚連結したものを高さ(Z)方向に4段にして、合計400枚を連結し、高さ4.0mのフェンスとする。反射パネル10の導電層11にメタル(ステンレス)を設定する。
 送信局Tx1とTx2の送信アンテナは高さ3.0mに設置される。送信アンテナのビーム幅は、ともに28°である。レシーバRxのアンテナは無指向性アンテナであり、その高さは1.0m、最大利得は0dBiである。レシーバRxは、XY面と平行な道路32上の高さ1.0mの面内のすべての位置で受信パワーを測定する。
 上記の条件で、例7から例11で受信電力分布を計算する。例7、9、11、12が実施形態の反射パネルを用いた構成であり、例8と例10が、比較例として通常の透光型遮音壁のみを用いた構成である。
 [例7]
 図11は、例7の構成の受信電力分布を示す。例7では、図8及び9に示した道路32の両側に、幅×高さが2.0m×1.0mの反射パネル10を片側400枚連結した高さ4.0mの電磁波反射フェンスを道路32の両側に設ける。送信局Tx1とTx2の送信アンテナは、道路32の両側で高さ3.0mに設置されている。送信局Tx1とTx2の送信周波数は4.7GHz、送信アンテナの最大利得は20dBiである。幅14m×長さ200mの道路32で、XY面と平行な高さ1.0mの面内の受信電力分布を、無指向性の受信アンテナで測定する。面内のRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)の総和は-287.326dBmであり、中央値は-89dBmである。一方、道路外の電波強度は-100dBmよりも低い。電磁波反射装置60の裏側のエリアでアップリンクのスループットを測定すると、送信レートの50%以下であった。これは、電磁波反射装置60の外側では、送信局Тxからの通信電波の強度が小さく、道路32の外部への電波漏れが少ないことを意味する。送信局Tx1及びTx2から放射された電波は、電磁波反射装置60の反射パネル10により、効率的に道路32上に向けられていることがわかる。例7の評価結果は、6GHz未満の周波数帯に妥当し、道路32内での受信電力の中央値は-90dBm以上、道路外での受信電力は道路内よりも低く、-100dBm未満となる。
 [例8]
 図12は、例8の構成の受信電力分布を示す。例8は比較例の構成であり、電磁波反射装置60に替えて、道路32の両側に、高さ4.0mのポリカーボネート製の透光型遮音壁を設定する。透光型遮音壁の長さは、片側200m、両側で400mである。その他の条件は例7と同じである。送信局Tx1とTx2は、道路32の両側で高さ3.0mから4.7GHzの参照信号を送信する。送信アンテナの最大利得は、例7と同じく20dBiである。XY面と平行な高さ1.0mの面内で、RSRPの総和は-372.833dBmであり、中央値は-107dBmである。道路外の電波の最大受信電力は-80dBmと高い。電磁波反射装置60の裏側のエリアでアップリンクのスループットを測定すると、最大で送信レートの80%が達成されている。これは、送信局Tx1及びTx2から放射された電波は、高い電力で透光型遮音壁の外部に漏れていることを意味する。
 [例9]
 図13は、例9の構成の受信電力分布を示す。例9は、送信局Tx1及びTx2の送信周波数を28.3GHzに変えたことを除いて、例7と同じ条件である。道路32の両側に、幅×高さが2.0m×1.0mの反射パネル10を片側400枚連結して高さ4.0mの電磁波反射フェンスを設ける。送信局Tx1とTx2は、道路32の両側で高さ3.0mに設置され、最大利得20dBiの送信アンテナから28.3GHzの参照信号を送信する。XY面と平行な高さ1.0mの面内のRSRPの総和は-399.424dBmであり、中央値は-125dBmである。道路外の受信電力は、-125dBmよりも低い。電磁波反射装置60の裏側のエリアでアップリンクのスループットを測定すると、送信レートの50%以下であった。電磁波反射装置60は、28GHz帯の電波に対しても、道路32上の電波伝搬環境を改善し、かつ道路32外への電波漏れを抑制できることがわかる。例9の結果は28GHz~32GHzのミリ波帯での通信に当てはまり、道路32内での受信電力の中央値は-125dBm以上となり、道路32の外部での受信電力は-125dBm未満となる。
 [例10]
 図14は、例10の構成の受信電力分布を示す。例10は比較例の構成であり、電磁波反射装置60に替えて、道路32の両側に、幅×高さが2.0m×1.0mのポリカーボネートのパネルを高さ4m分連結して、ポリカーボネート製の透光型遮音壁を設定する。送信局Tx1及びTx2の送信周波数を28.3GHzに変えたことを除いて、例8と同じ条件である。高さ4.0mの透光型遮音壁は、片側200m、両側で400mである。送信局Tx1とTx2は、道路32の両側で高さ3.0mから28.3GHzの参照信号を送信する。送信アンテナの最大利得は、例7から例9と同じく20dBiである。XY面と平行な高さ1.0mの面内で、RSRPの総和は-496.329dBmであり、中央値は-145dBmである。道路外の電波強度は最大で-100dBmと高い。電磁波反射装置60の裏側のエリアでアップリンクのスループットを測定すると、最大で送信レートの80%を達成している。送信局Tx1及びTx2から放射された28GHz帯の電波は、道路32上の通信エリアを効率よくカバーすることができず、逆に、透光型遮音壁の外側に漏れていることがわかる。
 [例11]
 図15は、例11の構成の受信電力分布を示す。例11では、実施形態の反射パネル10に電磁波吸収体35を組み合わせる。道路32の両側に、幅×高さが2.0m×1.0mの反射パネル10を片側400枚、両側で合計800枚連結する。反射パネル10の上に、電磁波吸収体35として、高分子繊維で形成された高さ2.0mの電磁波吸収パネルを片側200m、両側で400mにわたって設置し、合計の高さを6.0mにする。送信局Tx1とTx2は、道路32の両側で高さ3.0mに設置され、最大利得20dBiの送信アンテナから4.7GHzの参照信号を送信する。XY面と平行な高さ1.0mの面内のRSRPの総和は-359.761dBmであり、中央値は-110dBmである。道路外の電波強度は-110dBmよりも低い。電磁波反射装置60の裏側のエリアでアップリンクのスループットを測定すると、送信レートの50%以下であった。電磁波反射装置60の上端に電磁波吸収体35を連結すると、道路32上の受信電力強度は例7よりは若干下がるが、道路32外への電波の飛び出しを有効に防止できる。例11の計算結果は、6GHz未満の周波数帯に当てはまる。
 [例12]
 図16は、例12の構成の受信電力分布を示す。例12は、送信局Тx1とTx2の最大利得を10dBiに変えたことを除いて、例11と同じ条件である。幅×高さが2.0m×1.0mの反射パネル10を片側400枚、両側で800枚連結し、反射パネル10の上に、高分子繊維で形成された高さ2.0mの電磁波吸収パネルを片側200m、両側で400mにわたって設ける。送信局Tx1とTx2は、道路32の両側で高さ3.0mに設置され、最大利得10dBiの送信アンテナから、4.7GHzの参照信号を送信する。XY面と平行な高さ1.0mの面内のRSRPの総和は-359.759dBmであり、中央値は-110dBmである。道路外の電波強度は、-110dBmよりも低い。電磁波反射装置60の裏側のエリアでアップリンクのスループットを測定すると、送信レートの50%以下であった。電磁波反射装置60の上端に電磁波吸収体35を連結すると、道路32上の受信電力強度は例7よりは若干下がるが、道路32外への電波の飛び出しを有効に防止できる。XY面と平行な高さ1mの面内での道路32上の受信電力分布は、送信局Txの送信アンテナの最大利得が5dBi以上30dBi以下、好ましくは10dBi以上20dBi以下の範囲内で影響を受けないことがわかる。例12の計算結果は、6GHz未満の周波数帯に当てはまる。
 以上述べたように、実施形態の無線伝達システムまたは反射パネルを用いることで、屋外または屋外に近い環境の屋内施設で、電波伝搬環境の改善と、必要空間外への電波飛び出しの抑制とを両立させることができる。実施形態の無線伝達システム1は、一般道路、高速道路、鉄道線路の他、商業施設や公共施設のテラス、アーケード等、屋外に近い環境で一定方向に長く伸びる設備にも適用できる。特に、両側に遮音壁や安全柵が設けられた高速道路で不感地帯を低減し、電波伝搬環境を改善し、かつ高速道路外への電波の飛び出しを抑制することができる。
 電磁波反射装置60の反射面のサイズは適用場面に応じて適宜設計可能であり、一例として、10cm×10cmから2.0m×4.0mのサイズを用いてもよい。基地局33のアンテナの高さは3.0mに限定されず、電磁波反射装置60の上端よりも低い位置であればよい。反射パネルの最外層の保護層に用いられる紫外線吸収剤や、電磁波反射装置と組み合わせて用いられる電磁波吸収パネルの素材は、適用環境に応じて適宜選択可能である。図2Bのような湾曲面を含む反射パネル10Bを有する電磁波反射装置60Bを連結して無線伝達システム1を構成してもよい。無線伝達システムで用いられる周波数は4.7GHzと28GHz帯に限定されない。反射パネル10の導電層11のパターンを制御することで1GHz以上300GHz以下、たとえば1GHz以上170GHz以下、または1GHz以上100GHz以下、または1GHz以上80GHz以下の所定の周波数帯で目標の周波数の電磁波を反射できる。
 以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示には以下の構成が含まれ得る。
(項1)
 1GHz以上300GHz以下の所定の周波数帯の電磁波を反射する導電パターンを有する導電層と、
 前記導電層の少なくとも一方の表面に接着層を介して接合される誘電体層と、
 前記誘電体層の前記接着層と反対側の表面に設けられる紫外線吸収剤を含む保護層と、
を有し、前記保護層の厚さに対する前記誘電体層の厚さの比は66以上1600以下である、
反射パネル。
(項2)
 前記保護層は、前記紫外線吸収剤を含む樹脂層である、
項1に記載の反射パネル。
(項3)
 前記保護層は、前記誘電体層の表面に塗布された塗布膜である、
項1または2に記載の反射パネル。
(項4)
 前記導電層は金属メッシュで形成されており、
 前記金属メッシュの厚さに対する前記誘電体層の厚さの比は10以上80以下である、
項1から3のいずれかに記載の反射パネル。
(項5)
 前記誘電体層は、厚さ1.0mm以上8.0mm以下のポリカーボネートで形成されている、
項1から4のいずれかに記載の反射パネル。
(項6)
 前記導電層の両面に接着層を介して第1の誘電体層と第2の誘電体層が接合され、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層の表面に、前記紫外線吸収剤を含む前記保護層が設けられている、
項1から5のいずれか記載の反射パネル。
(項7)
 前記反射パネルは湾曲面を有する、
項1から6のいずれかに記載の反射パネル。
(項8)
 項1から7のいずれかに記載の反射パネルと、
 前記反射パネルを保持するフレームと、
を有する電磁波反射装置。
(項9)
 前記フレームは、前記反射パネルの上端を保持するトップフレームと、前記反射パネルの側端を保持するサイドフレームと、前記反射パネルの下端を保持するボトムフレームとを含む、
項8に記載の電磁波反射装置。
(項10)
 項8または9に記載の電磁波反射装置を複数用いて、複数の前記反射パネルを前記フレームで連結した電磁波反射フェンス。
この出願は、2022年8月17日に出願された日本国特許出願第2022-130006号に基づいてその優先権を主張するものであり、この日本国特許出願の全内容を含む。
1 無線伝達システム
10、10A、10B 反射パネル
11 導電層
12、13 接着層
14、15 誘電体層
16、17 保護層
20、200 モデル
31、31a、31b 車両
32 道路
33 基地局
35 電磁波吸収体
50、50A、50B フレーム(サイドフレーム)
57 トップフレーム
58 ボトムフレーム
60、60A、60B 電磁波反射装置
100A、100B 電磁波反射フェンス
151 金属素子
210  単位パターン
Tx、Tx1、Tx2 送信局

Claims (10)

  1.  1GHz以上300GHz以下の所定の周波数帯の電磁波を反射する導電パターンを有する導電層と、
     前記導電層の少なくとも一方の表面に接着層を介して接合される誘電体層と、
     前記誘電体層の前記接着層と反対側の表面に設けられる紫外線吸収剤を含む保護層と、
    を有し、前記保護層の厚さに対する前記誘電体層の厚さの比は66以上1600以下である、
    反射パネル。
  2.  前記保護層は、前記紫外線吸収剤を含む樹脂層である、
    請求項1に記載の反射パネル。
  3.  前記保護層は、前記誘電体層の表面に塗布された塗布膜である、
    請求項1に記載の反射パネル。
  4.  前記導電層は金属メッシュで形成されており、
     前記金属メッシュの厚さに対する前記誘電体層の厚さの比は10以上80以下である、
    請求項1に記載の反射パネル。
  5.  前記誘電体層は、厚さ1.0mm以上8.0mm以下のポリカーボネートで形成されている、
    請求項1に記載の反射パネル。
  6.  前記導電層の両面に接着層を介して第1の誘電体層と第2の誘電体層が接合され、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層の表面に、前記紫外線吸収剤を含む前記保護層が設けられている、
    請求項1に記載の反射パネル。
  7.  前記反射パネルは湾曲面を有する、
    請求項1に記載の反射パネル。
  8.  請求項1から7のいずれか1項に記載の反射パネルと、
     前記反射パネルを保持するフレームと、
    を有する電磁波反射装置。
  9.  前記フレームは、前記反射パネルの上端を保持するトップフレームと、前記反射パネルの側端を保持するサイドフレームと、前記反射パネルの下端を保持するボトムフレームとを含む、
    請求項8に記載の電磁波反射装置。
  10.  請求項8に記載の電磁波反射装置を複数用いて、複数の前記反射パネルを前記フレームで連結した電磁波反射フェンス。
PCT/JP2023/028560 2022-08-17 2023-08-04 反射パネル、電磁波反射装置、及び電磁波反射フェンス WO2024038775A1 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01183199A (ja) * 1988-01-18 1989-07-20 Bridgestone Corp 電磁波反射体
WO2021199504A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 Agc株式会社 無線伝達システム
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