WO2023249085A1

WO2023249085A1 - 充電装置

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Publication number: WO2023249085A1
Application number: PCT/JP2023/023158
Authority: WO
Inventors: 敏浩奥田; 亮高山; 修岩渕; 明学張; 大木村; 淳利楢木; 慧富田
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2022-06-24
Filing date: 2023-06-22
Publication date: 2023-12-28

Abstract

本開示に係る充電装置は、載置面に配置され無線送信された電力を受電する端末装置に対してワイヤレス充電を行う充電装置である。前記充電装置は、第１の充電用コイルと、マグネットと、移動機構とを備える。前記第１の充電用コイルは、前記端末装置に電力を送電するように構成されている。前記マグネットは、前記第１の充電用コイルの外側に配置される。前記移動機構は、前記載置面に対応する充電可能領域において前記第１の充電用コイル及び前記マグネットを前記載置面に沿って移動させるように構成されている。

Description

充電装置

　本開示は、充電装置に関する。

　電池を内蔵する端末装置に対してワイヤレス充電（無接点充電）を行う充電装置が知られている。ワイヤレス充電においては、充電装置側の充電用コイルと、充電対象の端末装置側の誘導コイルとが近づくほど充電の効率が向上する。

　例えば、特許文献１には、端末装置の位置決め（位置合わせ）に磁力を用いるマグネット吸引型の充電装置が開示されている。当該マグネット吸引型の充電装置においては、充電用コイルとともに配置された磁石と、充電対象の端末装置に誘導コイルとともに配置された磁石との間に発生する磁気吸引力を用いて、充電用コイル及び誘導コイルの位置合わせが行われる。

国際公開第２０１３／０４７５５７号

　しかしながら、誘導コイルとともに磁石が配置されていない端末装置が充電対象である場合には、充電装置において充電用コイルとともに配置された磁石からの磁力が当該端末装置に影響を与えてしまい、当該端末装置へ充電できないおそれがあった。

　本開示は、充電対象の磁石の有無に依らずマグネット吸引型の充電装置によるワイヤレス充電を目的の一つとする。

　本開示の一態様に係る充電装置は、載置面に配置され無線送信された電力を受電する端末装置に対してワイヤレス充電を行う充電装置である。前記充電装置は、第１の充電用コイルと、マグネットと、移動機構とを備える。前記第１の充電用コイルは、前記端末装置に電力を送電するように構成されている。前記マグネットは、前記第１の充電用コイルの外側に配置される。前記移動機構は、前記載置面に対応する充電可能領域において前記第１の充電用コイル及び前記マグネットを前記載置面に沿って移動させるように構成されている。

図１は、実施形態に係る充電装置の構成の一例を示すブロック図である。図２は、第１の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図３は、図２の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図４は、第２の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図５は、図４の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図６は、第３の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図７は、図６の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図８は、第４の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図９は、図８の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１０は、第５の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１１は、図１０の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１２は、第６の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１３は、図１２の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１４は、第７の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１５は、図１４の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１６は、第８の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１７は、図１６の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１８は、第９の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１９は、図１８の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図２０は、第１０の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図であって、マグネット部材を充電装置に配置して端末装置を充電する場合の構成を示す図である。図２１は、図２０の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図２２は、第１０の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図であって、マグネット部材を充電装置に配置せずに端末装置を充電する場合の構成を示す図である。図２３は、図２２の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図２４は、第１０の実施形態に係る充電装置の動作の一例を示すフローチャートである。

　以下、図面を参照しながら、本開示に係る充電装置の実施形態について説明する。

　なお、本開示の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、既出の図において前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。

　本開示に係る充電装置は、電池を内蔵した電子機器の一例としての端末装置（図示しない）であって、充電装置の載置面に配置された端末装置に対して非接触式の充電、つまりワイヤレス充電を行う装置である。

　充電装置による充電対象としての端末装置は、内蔵された電池からの電力を用いて駆動可能に構成された電子機器である。当該電池は、充電装置１から無線送信された電力により充電可能に構成される。具体的には、端末装置は、少なくとも受電部をさらに有する。受電部は、充電装置から無線送信された電力を受電可能に構成される。受電部は、例えば、充電装置の送電コイル（充電用コイル）に電磁結合される誘導コイルである。受電部により誘導された電力は、電池に供給される。端末装置としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、オーディオプレーヤ、携帯電話などの各種の電子機器が適宜利用可能である。

　ここで、ワイヤレス充電とは、無線により充電することを意味する。本開示では、ワイヤレス充電が、磁気誘導作用による充電を意味する形態を一例として説明する。

　ワイヤレス充電の国際標準規格としては、ＷＰＣ（Ｗｉｒｅｌｅｓｓ　Ｐｏｗｅｒ　Ｃｏｎｓｏｒｔｉｕｍ）において策定されたＱｉ規格がある。Ｑｉ規格では、低電力の搬送による充電（以下、「低電力充電」という）と、高電力の搬送による充電（以下、「高電力充電」という）とが規定されている。例えば、低電力充電は最大５Ｗでなされ、高電力充電は１５Ｗ以上でなされる。低電力電送は、ＢＰＰ（Ｂａｓｅｌｉｎｅ　Ｐｏｗｅｒ　Ｐｒｏｆｉｌｅ）と呼ばれ、高電力充電は、ＥＰＰ（Ｅｘｔｅｎｄｅｄ　Ｐｏｗｅｒ　Ｐｒｏｆｉｌｅ）と呼ばれる。

　このようなワイヤレス充電においては、充電装置の充電用コイルと充電対象の端末装置の誘導コイルとが対向する位置関係に近いほど、充電が効率的になされる。Ｑｉ規格の中では、位置合わせにマグネット（磁石）を用いた高速充電のＭＰＰ（Ｍａｇｎｅｔｉｃ　Ｐｏｗｅｒ　Ｐｒｏｆｉｌｅ）が規格化される流れにある。

　一例として、充電用コイルとともに配置された磁石と、充電対象の端末装置に誘導コイルとともに配置された磁石との間に発生する磁気吸引力を用いて、充電用コイル及び誘導コイルの位置合わせが行われる。

　別の一例として、充電装置の上面に端末装置が載置された状態で、誘導コイルに近づくように充電用コイルを移動させ、充電用コイル及び誘導コイルの位置合わせが行われる。この場合、端末装置には、位置合わせ用の磁石が配置されない。

　本開示では、充電用コイルとともに位置合わせ用の磁石が配置された充電装置１を「マグネット対応の充電装置」と表現する。また、位置合わせ用の磁石が配置されない充電装置１を「マグネット非対応の充電装置」又は「ＢＰＰ／ＥＰＰ対応の充電装置」と表現する。同様に、誘導コイルとともに位置合わせ用の磁石が配置された充電対象の端末装置を「マグネット対応の端末装置」と表現する。また、位置合わせ用の磁石が配置されない端末装置を「マグネット非対応の端末装置」又は「ＢＰＰ／ＥＰＰ対応の端末装置」と表現する。ここで、ＢＰＰ／ＥＰＰ対応とは、ＢＰＰ及びＥＰＰの少なくとも一方に対応することを意味する。

　このような中、マグネット対応の充電装置の磁石からの磁力がマグネット非対応の端末装置に影響を与える場合があった。このため、マグネット対応の充電装置によりマグネット非対応の端末装置へ充電できない場合があった。一方、マグネット非対応の充電装置によりマグネット対応の端末装置を充電する場合には、マグネット対応の端末装置であるにもかかわらず、ＭＰＰの高速充電が活かせないという問題があった。

　換言すれば、位置合わせ用の磁石を有するマグネット対応の充電装置によるワイヤレス充電においては、マグネット対応の端末装置とマグネット非対応の端末装置とを両立して充電することができないという問題があった。

　そこで、本開示は、マグネット対応の端末装置とマグネット非対応の端末装置とを両立して充電可能に構成された充電装置について説明する。

（第１の実施形態）
　図１は、実施形態に係る充電装置１の構成の一例を示すブロック図である。

　充電装置１は、図１に示すように、コントローラ１０、移動機構２０、マグネット３０、充電用コイル４０及び検出用コイル５０を有する。コントローラ１０、移動機構２０、マグネット３０、充電用コイル４０及び検出用コイル５０は、それぞれ筐体１０１（図２参照）内に設けられる。

　コントローラ１０は、充電装置１の動作を制御するように構成される。コントローラ１０は、プロセッサ１１、メモリ１３及び通信インタフェース１５を有する。

　プロセッサ１１は、コントローラ１０の全体の動作を制御する。プロセッサ１１は、例えば、メモリ１３のＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）などに記憶されている制御プログラム１３１を読み出し、メモリ１３のＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）にロードされたプログラムを実行することにより、検出機能１１１、通信機能１１３及び駆動機能１１５としての機能を実現する。

　プロセッサとしては、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）やＧＰＵ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、ＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｇａｔｅ　Ａｒｒａｙ）等の各種のプロセッサが適宜利用可能である。

　検出機能１１１においてプロセッサ１１は、検出用の磁界を発生させるための信号を検出用コイル５０へ出力するように構成される。また、プロセッサ１１は、検出用コイル５０で発生した検出用の磁界に反応して端末装置から検出用コイル５０へ応答されたエコー信号の入力に基づき、充電対象の端末装置の配置位置を特定するように構成される。

　通信機能１１３においてプロセッサ１１は、駆動機能１１５の制御によって端末装置の配置位置に充電用コイル４０が移動したときに、充電用コイル４０により端末装置と通信するように構成される。プロセッサ１１は、端末装置との通信により、充電対象の端末装置がマグネット対応の端末装置であるか、マグネット非対応の端末装置であるかを特定するように構成される。

　駆動機能１１５においてプロセッサ１１は、充電対象の端末装置に応じた充電用コイル４０を駆動し、当該充電用コイル４０に電力を送電させるように構成される。具体的には、プロセッサ１１は、交流電源（図示しない）から充電用コイル４０へ交流電力を供給するように交流電源を制御する。充電用コイル４０は、端末装置の誘導コイルに電磁結合されることで、交流電力を誘導コイルへ供給するように構成される。誘導コイルへ供給された交流電力は端末装置に設けられた整流器によって直流電力に変換され、端末装置に内蔵された電池を充電する。これにより、端末装置の電池がワイヤレス充電される。なお、交流電源は、充電装置１の内部に設けられていてもよいし、充電装置１の外部電源として設けられていても構わない。

　駆動機能１１５においてプロセッサ１１は、移動機構２０を駆動し、充電対象の端末装置に応じた充電用コイル４０を退避領域１０７から充電可能領域に移動させるように構成される。また、プロセッサ１１は、移動機構２０を駆動し、充電対象の端末装置に応じた充電用コイル４０を充電可能領域のうちの充電位置に水平移動させるように構成される。

　ここで、退避領域１０７とは、載置面１０５の下方の充電可能領域から載置面１０５に沿う方向（水平方向）に外れた位置である。退避領域１０７は、載置面１０５に載置されたマグネット非対応の端末装置に対する影響であって、退避領域１０７のマグネット３０からの磁力の影響が十分に小さいＸ－Ｙ平面における（水平方向の）位置である。なお、退避領域１０７において各充電用コイル４０が格納される位置は、予め定められていてもよいし、任意の位置であってもよい。

　なお、マグネット３０からの磁力の影響については、無視できる程度に小さいことが好ましいが、これに限らない。充電装置１が車載機器として構成される場合など、充電装置１の大きさに制限がある場合もあり得る。このため、退避領域１０７は、マグネット３０からの磁力の影響が少なくとも充電可能領域より小さくなるように設定され得る。

　また、充電可能領域とは、載置面１０５に対応する領域である。具体的には、充電可能領域とは、載置面１０５の下方のうちのパネル１０３のＺ軸方向における近傍であって、載置面１０５に対向する位置の領域である。つまり、充電可能領域とは、パネル１０３を介して、載置面１０５に載置された端末装置の受電部（誘導コイル）にワイヤレス送電可能なＺ軸方向の位置である。

　また、充電位置とは、充電可能領域のうちの端末装置の配置位置に応じた位置である。典型的には、充電位置と配置位置との水平方向の位置、すなわち上面側から見たＸ－Ｙ平面における位置は、一致する。

　一例として、充電対象がマグネット非対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、充電用コイル４０ａ（充電用コイル４０）を退避領域１０７から充電可能領域のうちの充電位置に移動させる。ここで、充電用コイル４０ａは、第２の充電用コイルの一例である。

　一例として、充電対象がマグネット対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂ（充電用コイル４０）を退避領域１０７から充電可能領域のうちの充電位置に移動させる。ここで、充電用コイル４０ｂは、第１の充電用コイルの一例である。

　メモリ１３は、ハードウェア構成として、ＲＯＭやＨＤＤ（Ｈａｒｄ　Ｄｉｓｋ　Ｄｒｉｖｅ）、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ　Ｓｔａｔｅ　Ｄｒｉｖｅ）、Ｆｌａｓｈメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が適宜利用可能である。メモリ１３には、一時的に作業中のデータを記憶するＲＡＭがさらに設けられる。メモリ１３は、コントローラ１０で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。

　通信インタフェース１５は、充電対象の端末装置と無線で通信可能に構成される。通信インタフェース１５は、ハードウェア構成として、無線通信用の通信回路を有する。無線通信用の通信回路としては、４Ｇや５Ｇ、６Ｇ、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、赤外線通信等の各種の規格に対応した通信回路が適宜利用可能である。

　図２は、第１の実施形態に係る充電装置１の構成を概略的に示す平面図である。図２は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図３は、図２の充電装置１の構成を概略的に示す断面図である。図３は、図２のＩＩ－ＩＩ線による断面を例示する。

　本開示では、例えば図２及び図３に示すように、Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸を含む直交座標系が規定される。Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸は、互いに直交する。Ｚ軸は、Ｘ軸及びＹ軸に垂直であり、充電装置１の厚み方向に延びる。また、Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸のそれぞれについて、正の方向は、例えば図２及び図３に例示する矢印の方向により規定される。同様に、負の方向は、矢印と逆向きの方向により規定される。本開示では、Ｚ軸の正方向を「上方」、「上側」又は「上面側」と表現する場合もある。同様に、Ｚ軸の負方向を「下方」、「下側」又は「下面側」と表現する場合もある。

　なお、本開示において、「平行」、「水平」、「垂直」及び「直交」とは、それぞれ、完全な平行、水平、垂直及び直交だけではなく、誤差の範囲で平行、水平、垂直及び直交からずれている場合を含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。

　充電装置１は、筐体１０１及びパネル１０３を有する。筐体１０１及びパネル１０３の組合せは、例えば箱形の形状を有する。パネル１０３は、筐体１０１に対して着脱可能に筐体１０１の上側に取り付けられる。

　筐体１０１及びパネル１０３の内部には、コントローラ１０、移動機構２０、マグネット３０、充電用コイル４０及び検出用コイル５０が設けられる。

　筐体１０１の内部において、移動機構２０は、後述するように、マグネット３０及び／又は充電用コイル４０を移動可能に支持する。

　パネル１０３の上面側には、載置面１０５が設けられている。載置面１０５は、ワイヤレス充電の対象、すなわち端末装置を載置するための領域であり、端末装置の充電が可能な領域であるとする。なお、載置面１０５上における端末装置の実際の充電可能な範囲は、充電用コイル４０の移動可能範囲と、充電用コイル４０及び端末装置の誘導コイルの間の相性などによって変動し得る。

　本実施形態では、載置面１０５が、パネル１０３の外表面の一部の領域であり、かつ、２次元平面状の領域である場合を例示する。つまり、本実施形態では、Ｘ軸方向及びＹ軸方向は、載置面１０５の２次元平面に沿った互いに直交する方向である。また、Ｘ軸方向及びＹ軸方向に直交するＺ軸方向は、筐体１０１の厚み方向に一致するものとして説明する。

　移動機構２０は、充電用コイル４０ａを支持するように構成される。移動機構２０は、図３の充電用コイル４０ｂの例と同様に、コントローラ１０の制御に従い、載置面１０５の下方の充電可能領域と退避領域１０７との間で充電用コイル４０ａを移動させるように構成される。移動機構２０は、コントローラ１０の制御に従い、充電可能領域において、載置面１０５に沿って、すなわちＸ－Ｙ平面において充電用コイル４０ａを移動させるように構成される。例えば、移動機構２０は、充電用コイル４０ａをＸ軸、Ｙ軸及びＺ軸の各方向に移動させるためのモータを有する。

　また、移動機構２０は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを支持するように構成される。移動機構２０は、図３に示すように、コントローラ１０の制御に従い、載置面１０５の下方の充電可能領域と退避領域１０７との間でマグネット３０及び充電用コイル４０ｂを移動させるように構成される。移動機構２０は、コントローラ１０の制御に従い、充電可能領域において、載置面１０５に沿ってマグネット３０及び充電用コイル４０ｂを移動させるように構成される。例えば、移動機構２０は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂをＸ軸、Ｙ軸及びＺ軸の各方向に移動させるためのモータを有する。

　このように、本実施形態に係る移動機構２０は、上述したように、例えばＣＤチェンジャのように、充電用コイル４０ａと、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂの組とのいずれか一方を退避領域１０７から充電可能領域に移動させるとともに、他方を充電可能領域において水平移動させるように構成される。

　なお、充電用コイル４０ａを移動させるモータと、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを移動させるモータとは、共通のモータであってもよいし、別個のモータであってもよい。また、Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸の各方向に移動させるモータは、共通のモータであってもよいし、各方向で別個のモータであってもよい。

　マグネット３０は、例えば永久磁石であるが、電磁石であっても構わない。マグネット３０は、円環状に形成されている。換言すれば、マグネット３０は、略円筒形状を有する。マグネット３０は、充電用コイル４０ｂの外側に同心円状に配置される。一例として、マグネット３０は、充電用コイル４０ｂの外周に取り付けられる。一例として、マグネット３０は、充電用コイル４０ｂとともに移動機構２０により支持される。

　充電用コイル４０は、載置面１０５に載置された端末装置に電力を送電するためのコイルである。図２及び図３に示すように、充電用コイル４０は、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂを含む。

　充電用コイル４０ａは、マグネット非対応の端末装置に電力を送電するためのコイルである。例えば、充電用コイル４０ａは、図２に示すように、中空の略矩形状に形成されている。

　充電用コイル４０ｂは、マグネット対応の端末装置に電力を送電するためのコイルである。例えば、充電用コイル４０ｂは、図２に示すように、円環状に形成されている。換言すれば、充電用コイル４０ｂは、略円筒形状を有する。

　検出用コイル５０は、載置面１０５の端末装置の配置位置を検知するためのコイルである。端末装置の配置位置とは、端末装置に設けられた受電部（誘導コイル）の位置を表す。端末装置の配置位置は、載置面１０５上の位置によって表される。例えば、検出用コイル５０は、載置面１０５の内側に載置面１０５に沿って配置されている。一例として、検出用コイル５０は、載置面１０５に沿った２次元平面におけるＸ軸方向及びＹ軸方向の各方向に沿って複数配列される。

　なお、図３に示す例では、充電用コイル４０が載置面１０５の下方の充電可能領域において移動するＺ軸方向の位置と、各充電用コイル４０の退避領域１０７におけるＺ軸方向の位置とは異なるが、これに限らない。充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂの少なくとも一方の退避領域１０７におけるＺ軸方向の位置は、充電可能領域におけるＺ軸方向の位置に一致していても構わない。また、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂの間で充電可能領域のＺ軸方向の位置が異なっていてもよい。

　一例として、充電用コイル４０ａは、図３に示す例において、退避領域１０７におけるＺ軸方向の位置を維持したまま、充電可能領域でＸ－Ｙ平面上を水平移動してもよい。

　一例として、充電用コイル４０ｂは、図３に示す例において、充電可能領域でＸ－Ｙ平面上を水平移動する際のＺ軸方向の位置を維持したまま、退避領域１０７に格納されてもよい。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、載置面１０５の下方の充電可能領域又は充電位置に移動させる充電用コイル４０を充電対象の端末装置に応じて入れ替えるように構成される。具体的には、充電可能領域又は充電位置に移動させる充電用コイル４０は、充電対象の端末装置がマグネット対応であるかマグネット非対応であるかに応じて決定される。

　この構成によれば、マグネット対応の端末装置についてはＭＰＰの高速充電を行いつつ、マグネット非対応の端末装置についてはＢＰＰ又はＥＰＰの充電を行うことができる。したがって、マグネット対応の充電装置１において、マグネット３０からの磁力がマグネット非対応の端末装置に影響を与えることを抑制することができる。これにより、位置合わせ用のマグネット３０を有するマグネット対応の充電装置によるワイヤレス充電において、マグネット対応の端末装置とマグネット非対応の端末装置とを両立して充電することができる。

　以下、本開示に係る充電装置１の他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態に係る説明では、上述した内容と重複する内容については、適宜記載を省略している。

（第２の実施形態）
　本実施形態では、第１の実施形態との相違点を主に説明する。図４は、第２の実施形態に係る充電装置１の構成を概略的に示す平面図である。図４は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図５は、図４の充電装置１の構成を概略的に示す断面図である。図５は、図４のＶ－Ｖ線による断面を例示する。

　本実施形態に係る充電装置１は、図４及び図５に示すように、充電用コイル４０として充電用コイル４０ｂを有する。つまり、本実施形態において、充電装置１は、マグネット非対応の端末装置用の充電用コイル４０ａを有さない。また、充電装置１は、充電用コイル４０ａについての移動機構２０を有さない。

　本実施形態に係る載置面１０５は、パネル１０３の上面側の略全面に亘って設けられる。つまり、本実施形態に係る載置面１０５は、パネル１０３の上面側のうちの第１の実施形態では退避領域１０７の上方であった範囲をさらに含む。なお、図４の例ではパネル１０３の上面側の略全面に亘って載置面１０５が設けられているが、これに限らない。載置面１０５は、パネル１０３の上面側のＸ軸方向及びＹ軸方向のいずれか一方向における略全面に亘って設けられていてもよいし、パネル１０３の上面側のＸ軸方向及びＹ軸方向それぞれの一部に亘って設けられていてもよい。

　本実施形態に係る移動機構２０は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを、それぞれ独立して支持するように構成される。移動機構２０は、コントローラ１０の制御に従い、充電可能領域において、載置面１０５に沿ってマグネット３０及び充電用コイル４０ｂのうちの少なくとも充電用コイル４０ｂを移動させるように構成される。移動機構２０は、図５に示すように、コントローラ１０の制御に従い、充電可能領域と、当該充電可能領域よりさらに下方に設けられる退避領域１０７との間でマグネット３０を移動させるように構成される。

　ここで、本実施形態に係る退避領域１０７とは、載置面１０５に沿う方向（水平方向）と交差する方向（下方）に充電可能領域から外れた領域である。また、退避領域１０７とは、充電可能領域より下方であって、載置面１０５に載置されたマグネット非対応の端末装置に与えるマグネット３０からの磁力の影響が十分に小さいＺ軸方向の位置である。

　本実施形態に係るマグネット３０は、充電用コイル４０ｂとともに、移動機構２０によりそれぞれ独立に支持される。

　本実施形態に係る駆動機能１１５においてプロセッサ１１は、移動機構２０を駆動し、充電用コイル４０ｂを充電可能領域のうちの充電位置に移動させるように構成される。また、プロセッサ１１は、当該端末装置に応じてマグネット３０を当該充電可能領域又は退避領域１０７に移動させるように構成される。

　一例として、充電対象がマグネット非対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、充電用コイル４０ｂを充電可能領域のうちの充電位置に移動させる。また、プロセッサ１１は、マグネット３０を充電可能領域から退避領域１０７へ移動させる。

　一例として、充電対象がマグネット対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを充電可能領域のうちの充電位置に移動させる。

　なお、マグネット３０と充電用コイル４０ｂとの水平方向の位置、すなわち上面側から見たＸ－Ｙ平面における位置は、マグネット対応の端末装置へのワイヤレス充電に際してマグネット３０及び充電用コイル４０ｂが載置面１０５の下方のうちのパネル１０３の近傍のＺ軸方向の位置を移動する場合を除き、互いに異なっていてもよい。

　また、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂは、それぞれが独立してＸ軸方向、Ｙ軸方向及びＺ軸方向の少なくとも１方向に移動されることにより、載置面１０５の下方のうちのパネル１０３の近傍のＺ軸方向の位置に移動されてもよい。

　なお、退避領域１０７は、載置面１０５の下方に限らず、第１の実施形態と同様に、載置面１０５の下方から水平方向に外れた位置に設けられていてもよい。つまり、マグネット３０だけを第１の実施形態と同様にして水平方向に退避させる構成であってもよい。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、充電対象の端末装置がマグネット対応であるかマグネット非対応であるかに応じて、充電可能領域と退避領域１０７との間でマグネット３０を移動可能に構成される。

　この構成によれば、マグネット非対応の端末装置のための充電用コイル４０ａが設けられていないマグネット対応の充電装置１において、マグネット３０からの磁力がマグネット非対応の端末装置に影響を与えることを抑制することができる。

　また、充電装置１における載置面１０５、すなわち充電可能領域の水平方向の範囲を拡大することができる。

（第３の実施形態）
　本実施形態では、第１の実施形態との相違点を主に説明する。図６は、第３の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図６は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図７は、図６の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図７は、図６のＶＩＩ－ＶＩＩ線による断面を例示する。

　本実施形態に係る充電装置１は、図６及び図７に示すように、例えば第１の実施形態と同様に、充電用コイル４０として充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂを有する。

　本実施形態に係る載置面１０５は、パネル１０３の上面側の略全面に亘って設けられる。つまり、本実施形態に係る載置面１０５は、パネル１０３の上面側のうちの第１の実施形態では退避領域１０７の上方であった範囲をさらに含む。

　本実施形態に係る移動機構２０は、図７に示すように、コントローラ１０の制御に従い、載置面１０５の下方において、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを充電可能領域と退避領域１０７との間で移動させるように構成される。

　ここで、本実施形態に係る退避領域１０７とは、第２の実施形態と同様に、載置面１０５の下方において充電可能領域より下方であって、載置面１０５に載置されたマグネット非対応の端末装置に与えるマグネット３０からの磁力の影響が十分に小さいＺ軸方向の位置である。

　本実施形態に係る駆動機能１１５においてプロセッサ１１は、移動機構２０を駆動し、充電対象の端末装置に応じてマグネット３０及び充電用コイル４０ｂを退避領域１０７と充電可能領域との間で移動させるように構成される。

　一例として、充電対象がマグネット非対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを充電可能領域から退避領域１０７へ移動させる。また、プロセッサ１１は、充電用コイル４０ａを充電可能領域のうちの充電位置へ移動させる。

　一例として、充電対象がマグネット対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを充電可能領域のうちの充電位置に移動させる。このとき、プロセッサ１１は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂの上方に充電用コイル４０ａが位置している場合には、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂに先立って、充電用コイル４０ａを充電可能領域のうちの充電位置の他の位置まで水平移動させる。

　なお、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂの間で充電可能領域のＺ軸方向の位置は、図７に示すように一致していてもよいし、異なっていてもよい。当該充電可能領域のＺ軸方向の位置が一致する場合には、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂを充電可能領域で水平移動させる際の干渉を回避するために、上下方向（Ｚ軸方向）に充電用コイル４０ａを移動させても構わない。この場合、充電用コイル４０ａのＺ軸方向の移動は、退避領域１０７より上方で行われ得る。これにより、充電可能領域を端末装置に近づけつつ、各充電用コイル４０を適切に移動させることができる。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、充電対象の端末装置がマグネット対応であるかマグネット非対応であるかに応じて、充電可能領域と退避領域１０７との間で、すなわち上下方向（Ｚ軸方向）にマグネット３０及び充電用コイル４０ｂを移動可能に構成される。

　この構成であっても上述の実施形態と同様の効果が得られる。

（第４の実施形態）
　本実施形態では、第２の実施形態との相違点を主に説明する。図８は、第４の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図８は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図９は、図８の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図９は、図８のＩＸ－ＩＸ線による断面を例示する。

　本実施形態に係るマグネット３０は、パネル１０３に固定されて設けられる。つまり、充電装置１は、マグネット３０についての移動機構２０を有さない。マグネット３０は、例えば載置面１０５の中央に設けられる。マグネット３０は、電磁石として構成される。マグネット３０は、コントローラ１０の制御に従い、磁力の発生をオン／オフするように構成される。

　なお、マグネット３０は、パネル１０３に限らず、筐体１０１側に固定されて設けられていてもよい。

　本実施形態に係る移動機構２０は、充電用コイル４０ｂを支持するように構成される。移動機構２０は、図９に示すように、コントローラ１０の制御に従い、充電可能領域において、載置面１０５に沿って充電用コイル４０ｂを移動させるように構成される。

　なお、本実施形態に係る充電装置１においては、退避領域１０７は設けられない。

　本実施形態に係る駆動機能１１５においてプロセッサ１１は、移動機構２０を駆動し、充電用コイル４０ｂを充電可能領域のうちの充電位置に移動させるように構成される。また、プロセッサ１１は、マグネット３０を駆動し、充電対象の端末装置に応じてマグネット３０の磁力の発生のオン／オフを切り替えるように構成される。

　一例として、充電対象がマグネット非対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、充電用コイル４０ｂを充電可能領域のうちの充電位置に移動させるとともに、マグネット３０による磁力の発生をオフする。

　一例として、充電対象がマグネット対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、充電用コイル４０ｂを充電可能領域のうちの充電位置に移動させるとともに、マグネット３０による磁力の発生をオンする。つまり、プロセッサ１１は、充電用コイル４０ｂが充電位置に移動されたときにマグネット３０をオンする。

　ここで、本実施形態に係るマグネット対応の端末装置についての充電位置は、充電可能領域のうちのマグネット３０が設けられた位置の下方である。また、当該充電位置は、マグネット３０の内側に位置する。一方で、マグネット非対応の端末装置についての充電位置は、充電可能領域のうちの端末装置の配置位置に応じた位置である。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、充電対象の端末装置がマグネット対応であるかマグネット非対応であるかに応じて、電磁石として構成されたマグネット３０のオン／オフを切り替え可能に構成される。

　この構成であっても、第２の実施形態と同様の効果が得られる。また、マグネット３０についての移動機構２０を不要とし、充電装置１を簡易な構成とすることができる。これにより、充電装置１の部品点数及びコストを低減するとともに、整備性を向上させることができる。

（第５の実施形態）
　本実施形態では、第１の実施形態との相違点を主に説明する。図１０は、第５の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１０は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図１１は、図１０の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１１は、図１０のＸＩ－ＸＩ線による断面を例示する。

　本実施形態に係る充電装置１は、図１０及び図１１に示すように、マグネット非対応の端末装置のための載置面１０５ａと、マグネット対応の端末装置のための載置面１０５ｂとを有する。換言すれば、本実施形態に係る載置面１０５は、マグネット非対応の端末装置のための載置面１０５ａと、マグネット対応の端末装置のための載置面１０５ｂとに分割されている。また、載置面１０５ａ及び載置面１０ｂは、載置面１０５に沿う方向（水平方向）に互いに隣接する。ここで、載置面１０５ａは、第２の載置面の一例である。また、載置面１０５ｂは、第１の載置面の一例である。

　本実施形態に係る移動機構２０は、コントローラ１０の制御に従い、載置面１０５ａの下方の充電可能領域において、載置面１０５ａに沿って充電用コイル４０ａを移動させるように構成される。

　また、移動機構２０は、コントローラ１０の制御に従い、載置面１０５ｂの下方の充電可能領域において、載置面１０５ｂに沿ってマグネット３０及び充電用コイル４０ｂを移動させるように構成される。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、マグネット非対応の端末装置のための載置面１０５ａと、マグネット対応の端末装置のための載置面１０５ｂとを有する。

　この構成であっても第１の実施形態と同様の効果が得られる。また、退避領域１０７が不要であることから、充電装置１における載置面１０５、すなわち充電可能領域の水平方向の範囲を拡大することができる。

（第６の実施形態）
　本実施形態では、第１の実施形態との相違点を主に説明する。図１２は、第６の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１２は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図１３は、図１２の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１３は、図１２のＸＩＩＩ－ＸＩＩＩ線による断面を例示する。

　本実施形態に係る充電装置１は、図１２及び図１３に示すように、支持台１０９をさらに有する。支持台１０９は、マグネット３０、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂを固定して支持するように構成される。換言すれば、本実施形態に係る充電装置１において、マグネット３０、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂは、一体に構成される。

　本実施形態に係る載置面１０５は、例えば第３の実施形態と同様に、パネル１０３の上面側の略全面に亘って設けられる。

　本実施形態に係る移動機構２０は、支持台１０９を支持するように構成される。移動機構２０は、コントローラ１０の制御に従い、充電可能領域において、載置面１０５に沿って支持台１０９を移動させるように構成される。

　本実施形態に係る駆動機能１１５においてプロセッサ１１は、移動機構２０を駆動し、充電用コイル４０ｂが充電位置に位置するように支持台１０９を移動させるように構成される。

　一例として、充電対象がマグネット非対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、充電用コイル４０ｂが充電位置に位置するように支持台１０９を移動させる。

　一例として、充電対象がマグネット対応の端末装置である場合、プロセッサ１１は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂが充電位置に位置するように支持台１０９を移動させる。

　なお、図１３の例では、マグネット３０、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂのＺ軸方向の位置が一致しているが、これに限らない。マグネット３０、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂは、Ｚ軸方向の位置が他と異なるように支持台１０９に固定されていてもよい。例えば、マグネット非対応の端末装置へのマグネット３０の磁力の影響を低減するために、マグネット３０が充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂの少なくとも一方より下方に位置していてもよい。

　なお、支持台１０９に配置される充電用コイル４０の数は限定されない。例えば、支持台１０９において、２つの充電用コイル４０ａの間に、マグネット３０と充電用コイル４０ｂとが配置されてもよい。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、充電対象の端末装置がマグネット対応であるかマグネット非対応であるかに応じて、一体に構成されたマグネット３０及び充電用コイル４０の位置を制御するように構成される。

　この構成であっても第５の実施形態と同様の効果が得られる。

（第７の実施形態）
　本実施形態では、第６の実施形態との相違点を主に説明する。図１４は、第７の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１４は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図１５は、図１４の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１５は、図１４のＸＶ－ＸＶ線による断面を例示する。

　本実施形態に係る充電装置１は、複数の充電用コイル４０ａを有する。図１４及び図１５は、２の充電用コイル４０ａを有する充電装置１を例示する。複数の充電用コイル４０ａは、支持台１０９に固定されて設けられる。

　本実施形態に係るマグネット３０及び充電用コイル４０ｂは、筐体１０１に固定されて設けられる。一例として、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂは、載置面１０５に対応する領域において固定されて配置される。つまり、充電装置１は、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂについての移動機構２０を有さない。マグネット３０及び充電用コイル４０ｂは、例えば載置面１０５の中央に対向する位置に設けられる。

　なお、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂは、筐体１０１に限らず、パネル１０３側に固定されて設けられていてもよい。また、マグネット３０及び充電用コイル４０ｂの一方が筐体１０１側に設けられ、他方がパネル１０３側に設けられていてもよい。

　なお、複数の充電用コイル４０ａの数は、３以上の複数であってもよい。例えば、複数の充電用コイル４０ａは、支持台１０９において点対称に配置される。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、マグネット対応の端末装置のためのマグネット３０及び充電用コイル４０ｂが固定される一方、移動可能に構成されたマグネット非対応の端末装置のための複数の充電用コイル４０ａを有する。

　この構成であっても第６の実施形態と同様の効果が得られる。また、マグネット非対応の端末装置は磁力吸着による位置合わせができない一方、複数の充電用コイル４０ａが設けられていることにより、マグネット非対応の端末装置であっても端末装置の配置位置に対する位置合わせの精度を向上させ、また、充電用コイル４０ａ及び誘導コイルをより近づけることができる。

（第８の実施形態）
　本実施形態では、第５の実施形態との相違点を主に説明する。図１６は、第８の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１６は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図１７は、図１６の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１７は、図１６のＸＶＩＩ－ＸＶＩＩ線による断面を例示する。

　本実施形態に係る充電装置１は、図１６及び図１７に示すように、マグネット非対応の端末装置のための充電装置１ａと、マグネット対応の端末装置のための充電装置１ｂとを組み合わせた構成を有する。換言すれば、本実施形態に係る充電装置１の筐体１０１には、マグネット非対応の端末装置のための充電装置１ａと、マグネット対応の端末装置のための充電装置１ｂとが格納される。

　なお、各充電装置１ａ，１ｂの筐体は、例えば充電装置１の筐体１０１として一体に形成されるが、それぞれ独立した筐体を有していても構わない。

　マグネット非対応の端末装置のための充電装置１ａは、第５の実施形態に係るマグネット非対応の端末装置のための載置面１０５ａに対応する各構成を有する。

　同様に、マグネット対応の端末装置のための充電装置１ｂは、第５の実施形態に係るマグネット対応の端末装置のための載置面１０５ｂに対応する各構成を有する。

　なお、各充電装置１ａ，１ｂの間において、コントローラ１０や移動機構２０の一部が共通であっても構わない。

　このように、本実施形態に係る充電装置１は、マグネット非対応の端末装置のための充電装置１ａと、マグネット対応の端末装置のための充電装置１ｂとが一体に形成された構成を有する。

　この構成であっても第５の実施形態と同様の効果が得られる。また、マグネット非対応の端末装置のための充電装置１ａと、マグネット対応の端末装置のための充電装置１ｂとのそれぞれが別途製造されている場合など、より簡易に充電装置１を実現することができる。また、いずれかの規格が変更又は廃止された場合や新たな規格が策定された場合など、例えばリリース後であっても一方の充電装置を他の規格の充電装置に置き換えることも可能である。

（第９の実施形態）
　本実施形態では、第８の実施形態との相違点を主に説明する。図１８は、第９の実施形態に係る充電装置の構成を概略的に示す平面図である。図１８は、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図１９は、図１８の充電装置の構成を概略的に示す断面図である。図１９は、図１８のＸＩＸ－ＸＩＸ線による断面を例示する。

　本実施形態に係る充電装置１は、図１８及び図１９に示すように、独立した装置として形成されたマグネット非対応の端末装置のための充電装置１ａである。マグネット非対応の充電装置１ａには、マグネット３０が設けられていないため、マグネット対応の端末装置とマグネット非対応の端末装置とを両立して充電することができる。

　なお、マグネット３０と、端末装置に搭載されたマグネットとの吸着力により充電用コイル４０及び誘導コイルの位置合わせを行う構成においては、マグネット対応の充電装置１ｂのマグネット３０がマグネット非対応の端末装置に与える磁力の影響を完全に排除することは困難である。このことから、マグネット吸着を伴わない高速充電の規格が策定される可能性もあり得る。この場合には、本実施形態に係る充電装置１ａの構成により、充電用コイル４０ａを充電位置へ適切に移動させることにより、マグネット対応の端末装置とマグネット非対応の端末装置とを両立して高速充電の規格で充電することができる。

（第１０の実施形態）
　本実施形態では、第２の実施形態との相違点を主に説明する。以下、図２０から図２４を用いて説明する。図２０及び図２２は、第１０の実施形態に係る充電装置１の構成を概略的に示す平面図であって、充電装置１を上側から見た場合を例示する。図２０は、マグネット部材１３０を充電装置１に配置して端末装置を充電する場合の充電装置１の構成を示す平面図である。図２２は、マグネット部材１３０を充電装置１に配置せずに端末装置を充電する場合の充電装置１の構成を示す平面図である。図２１は、図２０の充電装置１の構成を概略的に示す断面図である。図２１は、図２０のＸＸＩ－ＸＸＩ線による断面を例示する。図２３は、図２２の充電装置１の構成を概略的に示す断面図である。図２３は、図２２のＸＸＩＩＩ－ＸＸＩＩＩ線による断面を例示する。図２４は、第１０の実施形態に係る充電装置１の動作の一例を示すフローチャートである。

　本実施形態に係る充電装置１は、図２０から図２３に示すように、充電用コイル４０として充電用コイル４０ｃを有する。また、本実施形態において、充電装置１は、マグネット３０と、マグネット３０についての移動機構２０とを有さない。

　本実施形態に係る充電装置１は、パネル１０３の代わりに、パネル１０３０を有する。パネル１０３０の上面側には凹部１０３１（窪み、取付部）が形成されている。凹部１０３１にはマグネット部材１３０を着脱可能に配置することができる。マグネット部材１３０は、ユーザによって凹部１０３１に配置される。ユーザはマグネット対応の端末装置９０１を充電する場合には、図２０及び図２１に示すように、凹部１０３１にマグネット部材１３０を配置する。一方、ユーザはマグネット非対応の端末装置９０２を充電する場合には、図２２及び図２３に示すように、凹部１０３１にマグネット部材１３０を配置しない。

　図２０から図２３に示すように、例えば、凹部１０３１は円形状に形成され、マグネット部材１３０は円環状（リング状）に形成される。凹部１０３１の形状及びマグネット部材１３０の形状は、図２０から図２３に示す形状に限定されず、少なくとも一部が互いに接する形状であればよい。これにより、ユーザは容易に凹部１０３１にマグネット部材１３０を嵌め合わせて配置することができる。

　マグネット部材１３０は内部にマグネットを有する。マグネット部材１３０の内部のマグネットは、例えば、円環状（リング状）に形成される。凹部１０３１にマグネット部材１３０が配置された場合には、当該内部のマグネットとマグネット対応の端末装置９０１に搭載されたマグネット９０３との吸着力によって、充電装置１の充電用コイル４０ｃと端末装置９０１の誘導コイル９０５とが位置合わせされる。すなわち、マグネット部材１３０の内部のマグネットの形状は、マグネット対応の端末装置９０１に搭載されたマグネット９０３の形状に合わせて設計される。

　なお、マグネット部材１３０の内部のマグネットは、マグネット部材１３０の円周に沿って複数配置されてもよい。この場合、マグネット部材１３０の内部のマグネットの配置位置は、マグネット対応の端末装置９０１に搭載されたマグネット９０３の形状に合わせて設計される。

　本実施形態に係る移動機構２０は、充電用コイル４０ｃを支持するように構成される。移動機構２０は、コントローラ１０の制御に従い、充電可能領域において、載置面１０５に沿って充電用コイル４０ｃを移動させるように構成される。

　本実施形態に係る充電装置１は、マグネット部材１３０を検出する第２検出機能を備える。充電装置１は、すなわち第２検出機能においてプロセッサ１１は、例えば、凹部１０３１の付近に設けられたセンサやスイッチの出力に基づいて、マグネット部材１３０が凹部１０３１に配置されているか否かを検出する。ここで、第２検出機能を実現するプロセッサ１１は、検出部の一例である。当該検出部は、上記のセンサやスイッチを含んでいてもよい。

　本実施形態に係る駆動機能１１５においてプロセッサ１１は、移動機構２０を駆動し、充電用コイル４０ｃを充電可能領域のうちの充電位置に移動させるように構成される。具体的には、プロセッサ１１は、マグネット部材１３０の検出の有無に応じて、充電用コイル４０ｃを移動させる。プロセッサ１１は、マグネット部材１３０が検出された場合には（Ｓ１：ＹＥＳ）、予め設定された所定の位置に充電用コイル４０ｃを移動させる（Ｓ２）。

　ここで、所定の位置とは、図２１に示すように、マグネット対応の端末装置９０１に搭載された誘導コイル９０５の位置と対応する位置である。所定の位置は、マグネット部材１３０が凹部１０３１に配置された場合における、マグネット部材１３０の内部のマグネットの位置と、マグネット対応の端末装置９０１に搭載されたマグネット９０３及び誘導コイル９０５の位置とに基づいて設計される。図２１に示す例において、所定の位置は、凹部１０３１のＸ―Ｙ平面上の中央位置の下方、言い換えると、マグネット部材１３０のＸ―Ｙ平面上の中央位置の下方である。これにより、マグネット対応の端末装置９０１の誘導コイル９０５と充電用コイル４０ｃとが位置合わせされる。

　一方、プロセッサ１１は、マグネット部材１３０が検出されない場合には（Ｓ１：ＮＯ）、充電対象の端末装置の位置を特定し（Ｓ３）、その特定した位置に応じた位置である充電位置に充電用コイル４０ｃを移動させる（Ｓ４）。

　プロセッサ１１は、充電用コイル４０ｃを移動させた後に、充電用コイル４０ｃに電力を送電させることによって、充電対象の端末装置の誘導コイル９０５へ電力を供給する（Ｓ５）。

　この構成によれば、充電装置１は、マグネット対応の端末装置９０１を充電する場合においては、マグネット部材１３０により容易に充電用コイル４０ｃと誘導コイル９０５との位置合わせを行うことができる。また、充電装置１は、マグネット非対応の端末装置９０２を充電する場合においては、マグネット部材１３０を配置せずに充電用コイル４０ｃと誘導コイル９０５との位置合わせを行うことができる。

　ここで、上述の各実施形態に係る充電装置１と端末装置との間の通信機能について説明する。前述のごとく、充電装置１の充電用コイル４０と端末装置の誘導コイル９０５とは電磁結合可能であり、この電磁結合を利用して、充電装置１と端末装置とは通信を実行する。例えば、充電用コイル４０と誘導コイル９０５との負荷を調節することによって、充電装置１と端末装置とは、結合場における変動としてデータを伝送する。具体的には、充電装置１は、ＦＳＫ（Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ　Ｓｈｉｆｔ　Ｋｅｙｉｎｇ）により変調したデータを端末装置に送信する。また、充電装置１は、端末装置において負荷変調（Ｌｏａｄ　ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ）により変調されたデータを受信すると、当該データを復調する。これらの処理により、充電装置１と端末装置との間で情報の交換が可能になる。

　なお、上述の各実施形態に係る充電装置１において、充電用コイル４０は、載置面１０５の下方でＸ軸方向及びＹ軸方向のいずれか一方だけに移動可能に構成されていてもよい。つまり、各実施形態に係る充電用コイル４０は、載置面１０５の下方において、Ｘ軸方向及びＹ軸方向の少なくとも一方に移動可能に構成されていればよい。また、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂの一方がＸ軸方向及びＹ軸方向に移動可能であり、他方がＸ軸方向及びＹ軸方向のいずれか一方だけに移動可能であるなど、充電用コイル４０ａ及び充電用コイル４０ｂの移動可能な方向が異なっていてもよい。

　なお、上述の各実施形態に係る充電装置１は、例えば車載機器として利用可能であるが、これに限らない。机上で使用される装置など、例えばＱｉ規格などの規格に準拠する各種のワイヤレス充電器として適宜利用可能である。

　本実施形態の充電装置１で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ－ＲＯＭ、ＦＤ、ＣＤ－Ｒ、ＤＶＤ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。

　また、本実施形態の充電装置１で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、充電装置１で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。

　また、本実施形態の充電装置１で実行されるプログラムを、ＲＯＭ等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。

　以上説明した少なくとも１つの実施形態によれば、充電対象の磁石の有無に依らずマグネット吸引型の充電装置によるワイヤレス充電を実現することができる。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

（付記）
　上記実施の形態から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。
（１）
　載置面に配置され無線送信された電力を受電する端末装置に対してワイヤレス充電を行う充電装置であって、
　前記端末装置に電力を送電するように構成された第１の充電用コイルと、
　前記載置面の一部に形成された凹部に着脱可能に配置されるマグネット部材と、
　前記載置面に対応する充電可能領域において前記第１の充電用コイルを前記載置面に沿って移動させるように構成された移動機構と
　を備える充電装置。
（２）
　前記マグネット部材は、円環状の形状を有し、
　前記端末装置が前記マグネット部材により吸着されるマグネットを内蔵する端末装置であるとき、前記第１の充電用コイルは、前記移動機構により前記マグネット部材の内側に対応する充電位置へ移動される、
　上記（１）に記載の充電装置。
（３）
　前記マグネット部材が前記載置面に配置されたか否かを検出する検出部をさらに備え、
　前記第１の充電用コイルは、前記マグネット部材が検出された場合に前記移動機構により前記充電位置へ移動される、
　上記（２）に記載の充電装置。

　１　充電装置
　１０１　筐体
　１０３，１０３０　パネル
　１０３１　凹部
　１０５，１０５ａ，１０５ｂ　載置面
　１０７　退避領域
　１０９　支持台
　１３０　マグネット部材
　２０　移動機構
　３０　マグネット
　４０，４０ａ，４０ｂ，４０ｃ　充電用コイル
　５０　検出用コイル

Claims

　載置面に配置され無線送信された電力を受電する端末装置に対してワイヤレス充電を行う充電装置であって、
　前記端末装置に電力を送電するように構成された第１の充電用コイルと、
　前記第１の充電用コイルの外側に配置されるマグネットと、
　前記載置面に対応する充電可能領域において前記第１の充電用コイル及び前記マグネットを前記載置面に沿って移動させるように構成された移動機構と
　を備える充電装置。
　前記端末装置に電力を送電するように構成された第２の充電用コイルをさらに備え、
　前記移動機構は、
　　前記第１の充電用コイル及び前記第２の充電用コイルのいずれか一方を、前記充電可能領域において移動させ、
　　前記第１の充電用コイル及び前記第２の充電用コイルのいずれか他方を、前記充電可能領域から外れた領域である退避領域に移動させる
　ように構成されている、
　請求項１に記載の充電装置。
　前記移動機構は、前記第１の充電用コイルとともに前記マグネットを前記退避領域に移動させるように構成されている、請求項２に記載の充電装置。
　前記移動機構は、前記第１の充電用コイル及び前記マグネットを互いに独立して移動可能であり、前記第１の充電用コイルを前記充電可能領域に配置したまま前記マグネットを前記充電可能領域から外れた領域である退避領域に移動させるように構成されている、請求項１に記載の充電装置。
　前記退避領域は、前記載置面に沿う方向に前記充電可能領域から外れた領域である、請求項２又は３に記載の充電装置。
　前記退避領域は、前記載置面に沿う方向と交差する方向に前記充電可能領域から外れた領域である、請求項２から請求項４のうちのいずれか一項に記載の充電装置。
　前記端末装置に電力を送電するように構成された第２の充電用コイルをさらに備え、
　前記載置面は、前記載置面に沿う方向に互いに隣接する第１の載置面及び第２の載置面を含み、
　前記移動機構は、
　　前記第１の載置面に対応する充電可能領域において前記第１の充電用コイル及び前記マグネットを前記第１の載置面に沿って移動させ、
　　前記第２の載置面に対応する充電可能領域において前記第２の充電用コイル及び前記マグネットを前記第２の載置面に沿って移動させる
　ように構成されている、
　請求項１に記載の充電装置。
　前記端末装置に電力を送電するように構成された第２の充電用コイルと、
　前記第１の充電用コイル及び前記第２の充電用コイルを支持する支持台と
　をさらに備え、
　前記移動機構は、前記充電可能領域において前記支持台を前記載置面に沿って移動させるように構成されている、
　請求項１に記載の充電装置。
　載置面に配置され無線送信された電力を受電する端末装置に対してワイヤレス充電を行う充電装置であって、
　前記端末装置に電力を送電するように構成された第１の充電用コイルと、
　前記載置面に対応する充電可能領域において固定されて配置されるマグネットと、
　前記充電可能領域において前記第１の充電用コイルを前記載置面に沿って移動させるように構成された移動機構と
　を備える充電装置。
　前記マグネットは、円環状の形状を有し、
　前記端末装置が前記マグネットにより吸着されるマグネットを内蔵する端末装置であるとき、前記第１の充電用コイルは、前記移動機構により前記マグネットの内側へ移動される、
　請求項９に記載の充電装置。
　前記第１の充電用コイルが前記移動機構により前記マグネットの内側へ移動されたときにオンされる電磁石である、請求項１０に記載の充電装置。
　載置面に配置され無線送信された電力を受電する端末装置に対してワイヤレス充電を行う充電装置であって、
　前記端末装置に電力を送電するように構成され、前記載置面に対応する領域において固定されて配置される第１の充電用コイルと、
　前記第１の充電用コイルの外側に固定されて配置されるマグネットと、
　それぞれが前記端末装置に電力を送電するように構成された複数の第２の充電用コイルと、
　前記複数の第２の充電用コイルを支持する支持台と、
　前記載置面に対応する充電可能領域において前記支持台を前記載置面に沿って移動させるように構成された移動機構と
　を備える充電装置。