WO2023210350A1 - 電力変換装置 - Google Patents

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WO2023210350A1
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彰平 長井
和哉 竹内
浩志 瀧
貴広 寺
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株式会社デンソー
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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    • H02M7/00Conversion of ac power input into dc power output; Conversion of dc power input into ac power output
    • H02M7/42Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal
    • H02M7/44Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters
    • H02M7/48Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode

Abstract

インバータ装置(80)は、インバータハウジング(90)及びアームスイッチ部(530)を有している。インバータハウジング(90)は、インバータ外周壁(91)及びインバータフィン(92)を有している。インバータ外周壁(91)は、外周面(90a)及び内周面(90b)を有しており、インバータ軸線(Ci)を中心に円環状に延びている。インバータフィン(92)は、外周面(90a)に設けられており、外周面(90a)から径方向外側に向けて延びている。アームスイッチ部(530)は、周方向(CD)に複数並べられており、内周面(90b)に固定されている。アームスイッチ部(530)は、通電により発熱する発熱部品である。アームスイッチ部(530)から内周面(90b)に伝わった熱は、インバータ外周壁(91)において外周面(90a)から外部に放出される。

Description

電力変換装置 関連出願の相互参照
 この出願は、2022年4月29日に日本に出願された特許出願第2022-075550号を基礎としており、基礎の出願の内容を、全体的に、参照により援用している。
 この明細書における開示は、電力変換装置に関する。
 特許文献1には、電力変換装置について記載されている。この電力変換装置においては、複数の半導体モジュールがケースに収容されている。半導体モジュールは、通電により発熱する発熱部品である。複数の半導体モジュールは、ケースが有する外周壁の厚さ方向に積層されている。複数の半導体モジュールは、ケースの内部において冷媒を用いた冷却機構により冷却される。
特開2020-22287号公報
 しかしながら、ケースの内部において、半導体モジュールが外周壁の厚さ方向に積層された構成では、半導体モジュールの熱が外周壁から放出されにくい。例えば、外周壁の厚さ方向において隣り合う2つの半導体モジュールのうち、外周壁から遠い方の半導体モジュールから発生した熱は、外周壁に近い方の半導体モジュールに付与されるなどして外周壁に到達しにくい。したがって、電力変換装置の放熱効果が低下することが懸念される。
 本開示の主な目的は、放熱効果が高い電力変換装置を提供することである。
 この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
 上記目的を達成するため、開示された態様は、
 電力を変換する電力変換装置であって、
 環状に延びた外周壁を有しているケースと、
 外周壁の周方向に複数並べられ、外周壁の内周面に接触しており、通電により発熱する発熱部品と、
 を備え、
 外周壁の外周面は、発熱部品から内周面に伝わった熱を外部に放出する放熱面である、電力変換装置である。
 上記態様によれば、発熱部品は、周方向に複数並べられ、外周壁の内周面に接触している。この構成では、複数の発熱部品のそれぞれにおいて、発生した熱が外周壁の内周面に直接的に伝わりやすい。しかも、外周壁の外周面が放熱面であるため、発熱部品から外周壁に伝わった熱は、外周面から外部に放出されやすい。このため、発熱部品の温度が過剰に高くなること、1つの発熱部品から発生した熱が他の発熱部品に付与されること、などを抑制できる。したがって、電力変換装置の放熱効果を高めることができる。
第1実施形態における駆動システムの電気的な構成を示す図。 EPUの斜視図。 モータ装置及びインバータ装置の斜視図。 モータ装置及びインバータ装置の概略正面図。 構成群Aにおけるインバータ装置の内部を高圧側から見た平面図。 インバータ装置の内部を低圧側から見た平面図。 図6のVII-VII線断面図。 インバータハウジング及びアームスイッチ部を高圧側から見た平面図。 インバータハウジング及びアームスイッチ部を低圧側から見た平面図。 インバータ装置におけるアームスイッチ部周辺の概略縦断面図。 構成群Bにおける低圧側から見た高圧基板の内部構造を示す斜視図。 インバータ装置においてPバスバ及びNバスバの構成を示すための平面図 インバータ装置において出力バスバの構成を示すための平面図 インバータ装置においてアースバスバの構成を示すための平面図 バスバに寄生するインダクタンスについて説明するための回路図。 高圧基板におけるアームスイッチ部周辺の概略斜視図。 高圧基板の分解平面図。 出力電流、P電流及びN電流について説明するための回路図。 出力電流、P電流及びN電流について説明するための高圧基板の分解平面図。 電流アンバランスについて説明するための回路図。 電流アンバランスについて説明するためのスイッチ電流を示す図。 比較例2について説明するための回路図。 構成群Cにおけるインバータ装置の内部を高圧側から見た平面図。 アームスイッチ部周辺の概略縦断面図。 アームスイッチ部周辺を周方向外側から見た図。 構成群Dにおけるインバータ装置の内部を高圧側から見た平面図。 アームスイッチ部の放熱経路について説明するための概略縦断面図。 アームスイッチ部の放熱経路について説明するための概略平面図。 第2実施形態及び構成群Bにおける高圧基板のアームスイッチ部周辺の概略斜視図。 高圧基板の分解平面図。 出力電流、P電流及びN電流を示す回路図。 出力電流、P電流及びN電流について説明するための高圧基板の分解平面図。 第3実施形態における高圧基板の分解平面図。 出力電流、P電流及びN電流について説明するための高圧基板の分解平面図。 第4実施形態における低圧側から見た高圧基板の内部構造を示す斜視図。 第5実施形態及び構成群Cにおけるアームスイッチ部周辺の概略縦断面図。 第6実施形態におけるアームスイッチ部周辺を周方向外側から見た図。 第7実施形態におけるアームスイッチ部周辺を周方向外側から見た図。 第8実施形態におけるアームスイッチ部周辺を周方向外側から見た図。 EPUの変形例を示す斜視図。 EPUの変形例を示す斜視図。
 以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
 <第1実施形態>
 図1に示す駆動システム30は、車両や飛行体などの移動体に搭載されている。駆動システム30が搭載される車両としては、例えば電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)及び燃料電池車などがある。飛行体としては、垂直離着陸機、回転翼機及び固定翼機などの航空機がある。この航空機は電動航空機と称されることがある。垂直離着陸機としてはeVTOLがある。eVTOLは、電動垂直離着陸機であり、electric Vertical Take-Off and Landing aircraftの略称である。
 駆動システム30は、移動体を移動させるために駆動するシステムである。駆動システム30は、移動体が車両であれば車両を走行させるために駆動し、移動体が飛行体であれば飛行体を飛行させるために駆動する。
 駆動システム30は、バッテリ31及びEPU50を有している。バッテリ31はEPU50に電気的に接続されている。バッテリ31は、EPU50に電力を供給する電力供給部であり、電源部に相当する。バッテリ31は、EPU50に直流電圧を印加する直流電圧源である。バッテリ31は、充放電可能な2次電池を有している。この2次電池としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などがある。なお、電源部としては、バッテリ31に加えて又は代えて、燃料電池や発電機などが用いられてもよい。
 EPU50は、移動体を移動させるために駆動する装置であり、モータ電気磁気回路61とインバータ装置80から成る回転電機ユニットである。車両に搭載されたEPU50は、例えば車輪を駆動対象として駆動回転させる。飛行体に搭載されたEPU50は、例えば回転翼を駆動対象として駆動回転させる。このEPU50は、電動式の電駆動装置、及び飛行体を推進する推進装置などと称されることがある。
 EPU50は、モータ装置60(図2参照)及びインバータ装置80を有している。例えばEPU50は、モータ装置60及びインバータ装置80を1つずつ有している。モータ装置60は、モータ電気磁気回路61を有している。インバータ装置80は、複数のスイッチ素子から構成されるインバータ主回路81を有している。モータ装置60が回転電機に相当し、インバータ装置80が電力変換装置に相当する。バッテリ31は、インバータ主回路81を介してモータ電気磁気回路61に電気的に接続されている。モータ電気磁気回路61には、バッテリ31からインバータ主回路81から供給される電圧及び電流に応じて電力が供給される。
 モータ電気磁気回路61は、複数相の交流モータである。モータ電気磁気回路61は、例えば3相交流方式のモータであり、U相、V相、W相を有すブラシレスモータが用いられている。モータ電気磁気回路61は、回生時に発電機として機能する。モータ電気磁気回路61のコイルは、通常U相、V相、W相の3相であるが相数や結線方法は限定しない。
 インバータ主回路81は、モータ電気磁気回路61に供給する電力を高速スイッチにより、直流から交流に変換する。インバータ主回路81は、電力を変換する電力変換部である。インバータ主回路81は、複数相のそれぞれに対して電力変換を行う。
 インバータ装置80は、Pライン141、Nライン142を有している。Pライン141及びNライン142は、バッテリ31とインバータ主回路81とを電気的に接続している。Pライン141は、バッテリ31の正極に電気的に接続されている。Nライン142は、バッテリ31の負極に電気的に接続されている。バッテリ31は、電力を供給または充電する機能を持つ。
 インバータ装置80は、インバータ主回路81に加え、平滑コンデンサ145及びEMIフィルタ150を有している。平滑コンデンサ145は、複数のコンデンサを並列接続したものから成り、Pライン141とNライン142とに接続されている。平滑コンデンサ145は、インバータ主回路81が間欠動作することで流れる電流リップルを平滑化し、バッテリ31から供給される電流を安定化する。
 EMIフィルタ150は、バッテリ31とインバータ主回路81との間において、EPU50から発生する電磁ノイズを低減するフィルタ回路である。EMIフィルタ150は、Pライン141とNライン142とEPUのグランドアースに接続されている。EMIフィルタ150は、ケースと配線が十分シールドされたEPUシステムでは省略できる場合がある。
 EMIフィルタ150は、コモンモードコイル151、ノーマルモードコイル152、Yコンデンサ153、Xコンデンサ154及びバリスタ155などの部品を有している。EMIフィルタ150においては、要求されるEMI規格に対してコモンモードコイル151とノーマルモードコイル152とYコンデンサ153とXコンデンサ154の段数と回路構成と回路部品定数が設計されている。バリスタ155は、雷サージなどの外部からのサージを吸収し、EPU50にある電子部品と電気機器をサージから保護する。
 上アーム84と下アーム85の一組を一相のレグと称すると、インバータ主回路81は、複数のレグを並列接続することでU相、V相、W相などモータの相数に相当する回路を構成する。上アーム84の高電位側はPライン141に接続され、下アーム85の低電位側はNライン142に接続されている。さらに各レグの上アーム84の低電位側と下アーム85の高電位側は結ばれ出力ライン143に接続される。
 上アーム84及び下アーム85は、導通状態か非導通状態を選択しスイッチ制御できる機能であるアームスイッチ86と、非導通状態でも低電位側から高電位側に電流を流せる機能であるダイオード87を有している。アームスイッチ86は、例えばMOSFETやRC-IGBT等のトランジスタである。アームスイッチ86は、アームスイッチ86とダイオード87を併せ持つ単一部品で構成される。アームスイッチ86は、トランジスタスイッチと称されることがある。
 上アーム84及び下アーム85は、それぞれが少なくとも1つ以上のアームスイッチ86及びダイオード87から成る。上アーム84及び下アーム85では、各素子が複数並列接続されていても良い。なお図1や図11では3並列を例として示した。図5などでは6並列を例として示す。
 インバータ装置80は、駆動回路160及び制御回路161を有している。図1においては、駆動回路160をDD、制御回路161をCD、と図示している。
 制御回路161は、ECU等の制御装置であり、インバータ主回路81のスイッチ素子を制御する。ECUは、Electronic Control Unitの略称である。制御回路161は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、電源回路、これらを接続する配線を備えるマイクロコンピュータ回路を主体として構成される。
 制御回路161は、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで、インバータ主回路81のアームスイッチ86の導通状態を決定する。制御回路161は、外部装置と各種センサにも電気的に接続されている。外部装置は、例えば移動体に搭載された統合ECUなどの上位ECUである。外部装置は、EPU50の駆動トルクや回転数を指令し、EPU50の状態を監視する役目を持つ。各種センサは、各部の温度や電流や電圧や角度や速度など、制御プログラムが必要とする信号源である。
 駆動回路160は、インバータ主回路81が有する複数のアームスイッチ86のそれぞれに電気的に接続されている。駆動回路160は、制御回路161からの指令信号を絶縁とレベル変換と増幅する機能を用いてアームスイッチ86のゲートを導通状態と非導通状態に駆動する。駆動回路160は、ドライバと称されることがある。導通状態はオン状態と称され、非導通状態はオフ状態と称されることがある。
 インバータ装置80に内蔵される各種センサの例は、モータ電流センサ146及びバッテリ電流センサ147がある。モータ電流センサ146は制御回路161に電気的に接続されており、例えばU相、V相、W相のそれぞれに対して設置し、出力ライン143に流れる電流を検出する。バッテリ電流センサ147は例えばPライン141に設けられ、制御回路161に電気的に接続されており、バッテリ31に流れる電流を検出する。
 図2、図3、図4に示すように、EPU50において、インバータ装置80はモータ装置60のモータ軸線Cmに沿って並べられ、軸方向ADに重ねられ、ボルト等の固定具により互いに固定されている。モータ装置60及びインバータ装置80は、それぞれ全体として円柱状に形成されている。以下、円柱状の形状における方向は、互いに直交している軸方向ADと径方向RDと周方向CDで説明する。
 モータ装置60は、モータ電気磁気回路61を構成する、少なくとも1つのステータ200及びモータ軸線Cmを中心に回転する少なくとも1つのロータ300を有している。モータ装置60は、例えばアキシャルギャップ式のモータであり、軸方向ADに並べられている。例えば、2つのロータ300の間にステータ200が設けられている。
 図3において、モータハウジング70は例えば筒状で、モータ装置60を収容している。モータハウジング70は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。
 モータハウジング70は、モータ外周壁71及びモータフィン72を有している。モータ外周壁71は、周方向CDに環状であり、モータ装置60を冷却するための外周面70aを有している。モータフィン72は、放熱効果を高めるために外周面70aに設けられた冷却フィンであって、表面積を大きくすべく径方向外側に向けて突出し、軸方向ADに延びている。モータフィン72は、周方向CDに複数並べられている。
 インバータハウジング90は例えば筒状で、インバータ主回路81を含むインバータ装置80を収容している。インバータ軸線Ciは、インバータハウジング90の中心線で、モータ軸線Cmに一致している。インバータハウジング90は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。インバータハウジング90は、インバータ外周壁91及びインバータフィン92を有している。
 インバータ外周壁91は、周方向CDに環状であり、主にはインバータ主回路81を冷却するための外周面90a及び内周面90b(図5参照)を有している。インバータフィン92は、放熱効果を高めるために外周面90aに設けられた放熱フィンであって、表面積を大きくすべく径方向外側に向けて突出し、軸方向ADに延びている。インバータフィン92は、周方向CDに複数並べられている。
 モータ外周壁71とインバータ外周壁91とは、軸方向ADに見た平面視で形状及び大きさを等しくした場合、モータ装置60とインバータ装置80とを軸方向ADに固定することで冷却風を軸方向ADに効率よく流すことが容易になる。ただし、モータ装置60とインバータ装置80とを軸方向ADに固定することが可能であれば、モータ外周壁71とインバータ外周壁91とは平面視で形状及び大きさが異なってもよい。
 上述したように、空冷式の場合、EPU50は、軸方向ADにモータフィン72及びインバータフィン92の板面に沿って送風ファンからの風が流れることで、モータ装置60及びインバータ装置80の冷却が達成される。
 図2に示すように、EPU50は、送風ファンからの軸方向ADの冷却風を、モータフィン72及びインバータフィン92の板面に沿って無駄なく流すため、全体として筒状に形成されたユニットダクト100を有している。ユニットダクト100は、モータハウジング70及びインバータハウジング90を外周側から覆った状態になっており、軸方向ADの両端に開口部が形成されている。
 さらに良好な形状としては、ユニットダクト100の内周面がモータフィン72及びインバータフィン92の先端面に接近又は接触した構成がある。この構成では、軸方向ADに通過する冷却風の大部分がモータフィン72及びインバータフィン92の間を通過し、放熱効果を高めることができる。
 図4に示すように、モータ装置60は、シャフト340、第1ベアリング360、第2ベアリング361及び回転角レゾルバ421を有している。シャフト340は、ロータ300と共に回転する回転軸である。
 第1ベアリング360と第2ベアリング361は、軸方向ADに並べ、ロータ300とシャフト340を支持し回転可能にしている。第1ベアリング360は、軸方向ADにおいて第2ベアリング361よりもインバータ装置80側に設けられている。第1ベアリング360は、例えばインバータ装置80の内部に入り込んだ位置に設けられている。インバータハウジング90には、第1ベアリング360の少なくとも一部が収容されている。第1ベアリング360は、モータハウジング70に固定されたエンドプレートもしくはインバータハウジング90とモータハウジング70に挟まれたエンドプレートに固定されている。
 回転角レゾルバ421は、モータ電気磁気回路61の回転角度を検出するセンサである。回転角レゾルバ421は、制御回路161に電気的に接続されており、制御回路161からの励磁信号に対してSIN/COSの検出信号を出力する。制御回路161はSIN/COSの検出信号から回転角や回転速度を計測する。制御回路161は他のセンサから回転を検出しても良い。制御回路161はモータ電流など回転角度センサを用いない方法で回転角度を推定しても良い。
 回転角レゾルバ421は、例えばインバータ装置80の内部に入り込んだ位置に設けられている。回転角レゾルバ421は、例えば軸方向ADにおいて第1ベアリング360よりもインバータ装置80側に設けられている。
 モータハウジング70においては、モータ外周壁71の内部空間にステータ200及びロータ300が収容されている。モータ外周壁71は、インバータ外周壁91に軸方向ADに並べられている。インバータ外周壁91が装置外周壁に相当し、モータ外周壁71が電機外周壁に相当する。
 モータ装置60は、モータハウジング70に加えて、リアエンドプレート62及びフロントエンドプレート63を有している。エンドプレート62,63は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。エンドプレート62,63は、軸方向ADに直交する方向に板状に延びている。エンドプレート62,63は、モータハウジング70を介して軸方向ADに並べられている。エンドプレート62,63は、モータ外周壁71の内部空間を覆った状態で、モータ外周壁71に固定されている。
 リアエンドプレート62は、モータハウジング70とインバータハウジング90との間に設けられている。リアエンドプレート62は、例えばモータ外周壁71とインバータ外周壁91との間に挟まった状態になっている。リアエンドプレート62は、ステータ200及びロータ300をインバータ装置80側から覆っている。リアエンドプレート62は、円環状に形成されており、第1ベアリング360の径方向外側に設けられている。リアエンドプレート62はカバー部に相当する。
 インバータ装置80は、断熱部545を有している。断熱部545は、断熱性を有しており、断熱層及び空気層などである。断熱層は、断熱性を有する材料により形成されている。断熱部545は、軸方向ADに直交する方向に板状に延びている。断熱部545は、軸方向ADにおいてリアエンドプレート62と高圧基板510との間に設けられている。断熱部545は、リアエンドプレート62に沿って延びている。断熱部545は、例えば回転角レゾルバ421を介してリアエンドプレート62の反対側に設けられている。
 EPU50には、減速機53が取り付けられている。減速機53は、モータ電気磁気回路61と外部機器とを機械的に接続している。例えば、外部機器が減速機53を介してモータ電気磁気回路61の回転軸に機械的に接続されている。減速機53は、モータ電気磁気回路61の回転を減速して外部機器に伝達する。外部機器としては、車輪や回転翼等がある。減速機53は、複数のギアを含んで構成されており、減速ギアと称されることがある。減速機53は、モータ電気磁気回路61が有するモータ特性に合わせた構造になっている。減速機53は、例えば軸方向ADにおいてモータ装置60を介してインバータ装置80とは反対側に設けられている。
 <構成群A>
 図4に示すように、インバータ装置80は、インバータハウジング90に加えて、インバータ蓋部99を有している。インバータ蓋部99は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有し、インバータ装置80の内部の熱を外部に放出することが可能である。インバータ蓋部99は、インバータハウジング90の開口部を塞いでおり、インバータ内部に異物の侵入を防いでいる。インバータ蓋部99は、軸方向ADにおいてインバータハウジング90を介してモータ装置60とは反対側に設けられている。インバータ蓋部99は、軸方向ADにおいてモータ装置60とは反対側に向けて膨らんだ形状になっている。インバータ蓋部99は、モータ軸線Cmに直交する方向に延びた平板部と、平板部の外周縁に沿って環状に延びた環状壁部と、を有している。また、インバータ蓋部99は、インバータハウジング90との隙間をシールする機能と、インバータハウジング90と結合する機能と、電磁放射または侵入を軽減する機能と、を有している。
 インバータ装置80は、高圧基板510、駆動基板550及び制御基板560を有している。高圧基板510は、インバータ主回路81と平滑コンデンサ145とEMIフィルタ150を搭載する回路基板である。駆動基板550は、駆動回路160を搭載する回路基板である。制御基板560は、制御回路161を搭載する回路基板である。
 駆動基板550及び制御基板560は、低電圧が印加される低圧基板である。低電圧は、駆動回路160及び制御回路161を駆動させるための電圧である。インバータ装置80においては、駆動回路160及び制御回路161に印加される電圧が低電圧である。基板510,550,560は、電気配線基板及びサーキットボードと称されることがある。
 図5、図6に示すように、高圧基板510,駆動基板550,制御基板560は、内周端511,551,561及び外周端512,552,562を有している。制御基板560は内周端561を持たないものであっても良い。駆動基板550と制御基板560は一体化されていても良い。高圧基板510及び駆動基板550においては、外周端512,552がインバータ外周壁91の内周面90bから径方向内側に離間した位置にあり、隙間が形成されている。
 図5に示すように、インバータ装置80は、複数のインバータフィン92を周方向CDに並べることで、インバータフィン群93を構成している。インバータフィン群93は、インバータハウジング90に含まれている。
 フランジ94,95は、外周面90aに設けられた凸部であり、インバータ外周壁91から径方向外側に向けて突出している。フランジ94,95は、周方向CDにおいて隣り合う2つのインバータフィン群93の間に設けられている。高圧側フランジ94と低圧側フランジ95とは、軸方向ADに並べられている。高圧側フランジ94には、例えばモータハウジング70がボルト等の固定具により固定される。低圧側フランジ95には、例えばインバータ蓋部99が固定具により固定される。
 インバータハウジング90とモータハウジング70と内側は円筒形であり、図示しない内部円筒との間にOリング98が各ハウジングに挟み込まれた状態になっている。Oリング98は、インバータハウジング90とモータハウジング70との結合部をシールしている。
 インバータ装置80は、平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524を有している。平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524は、高圧基板510に設けられて機械的かつ電気的に接続されている。平滑コンデンサ部580は、図1の平滑コンデンサ145を複数分散して実装したものである。
 複数のフィルタ部品524には、コモンモードコイル部525、ノーマルモードコイル部526、Yコンデンサ部527、Xコンデンサ部528が含まれている。コモンモードコイル部525は、コモンモードコイル151を有している。ノーマルモードコイル部526は、ノーマルモードコイル152を有している。Yコンデンサ部527は、Yコンデンサ153を有している。Xコンデンサ部528はXコンデンサ154を有している。
 モータ電流センサ146は、U相、V相、W相に合わせて複数設けられている。バッテリ電流センサ147は、Pライン141またはNライン142の一方または両方に設けられている。電流センサ146,147は、高圧基板510に設けられている。
 インバータ装置80は、アームスイッチ部530を有している。アームスイッチ部530は、インバータ主回路81のアームスイッチ86及びダイオード87の機能を有している。アームスイッチ部530は、インバータハウジング90の内周面90bに沿って周方向CDに複数並べられ固定されている。複数のアームスイッチ部530は、高圧基板510及び制御基板560の外周端512,552に沿って並べられている。
 インバータ装置80は、ファン装置540を有している。ファン装置540は、インバータ装置80内部の空気を循環することで内部の高温部を冷却する。ファン装置540は、電動ファンまたはモータ軸により回転するファンである。
 図7に示すように、ファン装置540は、軸方向ADにおいて基板開口513,553,563に並ぶ位置に設けられている。各基板間に空気循環を促すため、基板開口513,553,563はファン装置540の空気の一部を遮る形状にしてもよい。基板開口513,553,563を通過した空気は基板510,550,560とインバータ蓋部99の間、外形とケース内面の間を通り、高圧基板510に実装した部品の間からファンに戻る。循環経路は逆であっても良い。
 図7~図9に示すように、インバータハウジング90は、インバータ外周壁91の内径側に部品支持部500を有している。部品支持部500は、内周面90bに沿って周方向CDに複数の梁部501から構成される。梁部501は、インバータ外周壁91のアームスイッチ部530に干渉しない部分で、軸方向ADにおいて高圧側フランジ94と低圧側フランジ95との間に設けられている。インバータフィン群93は、周方向CDにおいて隣り合う2つの梁部501の間にある。複数の梁部501は、内周面90bから中心に向かう径方向RD、もしくはインバータ軸線Ciを中心として径方向外側に向けて放射状に延びるように配置される。インバータハウジング90は、中心側に複数の梁部501を連結する様に、梁連結部502を有している。梁連結部502には、連結開口504が1つまたは複数設けられている。梁部501は、径方向RDにおいてフレーム状に延びており、支持フレームと称されることがある。なお、インバータ外周壁91が外周壁に相当し、インバータハウジング90がケースに相当する。
 部品支持部500は、軸方向ADにおいて基板510,550,560が並べられている。部品支持部500は、軸方向ADにおいて高圧基板510と駆動基板550との間に設けられている。部品支持部500、高圧基板510及び制御基板560は、複数の梁部501を介してサンドイッチ構造を形成していることで、軽量かつ強度がある構造を実現している。
 インバータハウジング90は、熱伝導性と電気導電性を有する材料により形成されている。よって、インバータハウジング90は、放熱経路及び電気導通経路を有している。
 放熱経路は、例えばインバータ外周壁91、インバータフィン92及び部品支持部500を含んで形成される。放熱経路においては、例えば部品支持部500の熱がインバータ外周壁91を介してインバータフィン92から外部に放出される。
 導通経路は、接地経路であってグランドもしくはアースである。インバータハウジング90は、インバータ外周壁91、高圧側フランジ94、低圧側フランジ95及び部品支持部500を含んで形成され、Yコンデンサ部527及び基板510,550,560等のグランドを低インピーダンスに接続している。モータハウジング70とインバータ蓋部99は、フランジ94,95を介して接地経路を形成する。
 部品支持部500においては、梁連結部502にインバータ内部冷却を促進するため、ファン装置540を搭載することができる。梁部501には、梁開口503が設けることができる。梁開口503は、高圧基板510に搭載する部品を、梁部501側からボルト固定するために設ける開口部である。例えば、梁開口503は、高圧基板510から、複数のモータ電流センサ146に電流を通すためのバスバまたはスタッドをボルト固定するための開口部である。
 部品支持部500の梁部501と梁連結部502は、図8に示すように、高圧基板510を固定するネジ穴505を有している。また、梁部501と梁連結部502は、図9に示す様に、駆動基板550と制御基板560を固定するネジ穴506を複数有している。複数のネジ穴505には、基板のみ固定するネジ穴505a、例えば電流センサと基板を共締め固定するネジ穴505b、及び例えばファン装置540のみを固定するネジ穴505cが含まれている。
 高圧基板510及び駆動基板550が板部材に相当する。高圧基板510は第1板部材に相当し、駆動基板550は第2板部材に相当する。
 図5、図6に示すように、インバータ装置80は、複数のアームスイッチ部530から成る、スイッチグループ530Gを有している。スイッチグループ530Gは、複数のアームスイッチ部530が密集するように周方向CDに一列に並べられている。スイッチグループ530Gは、内周面90bに沿って周方向CDに複数並べられている。内周面90bが多角形であって、複数のスイッチグループ530Gを同一面に配置することも可能である。複数のスイッチグループ530Gは、高圧基板510及び駆動基板550に対して外周端512,552に沿って並んでいる。
 スイッチグループ530Gは複数のアームスイッチ部530が複数並列接続されている、回路図ではインバータ主回路81が有する上アーム84と下アーム85に相当する。例えば、回路図上で1つの上アーム84がアームスイッチ86を6個有していれば、この上アーム84に対応する実施形態上のスイッチグループ530Gはアームスイッチ部530を6個有する。回路図上で1つの下アーム85も同様に、アームスイッチ部530を6個有するスイッチグループ530Gを形成する。
 例えば、周方向CDにおいて隣り合う2つのスイッチグループ530Gは、一つの相を構成する上アーム84と下アーム85が組になる様に配置されている。これらスイッチグループ530Gの中間位置に近い高圧基板510に、モータ電流を取り出す点が設けられている。1つの上下アーム回路83が有するアーム84,85のうち、上アーム84に対応するスイッチグループ530Gと、下アーム85に対応するスイッチグループ530Gとは、周方向CDにおいて隣り合う2つのスイッチグループ530Gである。
 図8、図9に示すように、スイッチグループ530Gは、インバータ外周壁91の内周面90bの周方向CDに沿って、隣り合う2つの梁部501の間に設けられている。スイッチグループ530Gは、周方向CDにおいて隣り合う2つのフランジ94,95の間にある。スイッチグループ530Gは、軸方向ADにおいてインバータフィン群93に重複する位置にある。スイッチグループ530Gとインバータフィン群93とは、インバータ外周壁91を介して軸方向ADに並べられている。
 図10に示すように、アームスイッチ部530は、スイッチ本体531を有している。スイッチ本体531は、冷却面である内周面90bに設けられており、例えば内周面90bに固定されている。スイッチ本体531は、MOSFET等の素子及び保護部を有している。スイッチ本体531は、第1板面531a及び第2板面531bを有している。第1板面531a及び第2板面531bは、径方向RDに直交する方向に延びている。
 アームスイッチ部530は、端子532~535という4つの端子を有しており、4端子タイプのスイッチモジュールである。端子532~535は、ドレイン端子532、ソース端子533、ゲート端子534及びドライバソース端子535である。ドライバソース端子535は、ケルビンソース端子と称されることがある。端子532~535は、スイッチ端子に相当する。
 ドレイン端子532及びソース端子533は、パワー端子であり、高圧基板510に接続されている。ゲート端子534及びドライバソース端子535は、制御端子であり、制御基板560に接続されている。端子532~535は、スイッチ本体531から延びている。端子532~535は、スイッチ本体531の幅方向に並べられている。
 スイッチ本体531は、基板510,550,560の外周端面から離間した位置にある。スイッチ本体531は、梁部501から軸方向ADに離間した位置にある。ドレイン端子532及びソース端子533は、梁部501よりも高圧側においてスイッチ本体531と高圧基板510とにかけ渡されている。ゲート端子534及びドライバソース端子535は、梁部501を通過して軸方向ADに延びるようにして、スイッチ本体531と駆動基板550とにかけ渡されている。
 図5に示すように、インバータ装置80は、インバータコネクタ96、電源線570,571を有している。インバータコネクタ96は、インバータ装置80と外部のバッテリ31などを接続する。インバータコネクタ96は、電力ケーブルが接続可能になっている。インバータコネクタ96は、インバータハウジング90から径方向外側に向けて突出している。インバータコネクタ96を持たず、電源線570,571が外部に延びている形態も可能である。
 電源線570,571は、高圧基板510に電気的に接続されている。電源線570,571は、高圧基板510からフィルタ部品524を通ってアームスイッチ部530及び平滑コンデンサ部580に接続されている。電源線570は、Pライン141を形成する電気配線である。電源線571は、Nライン142を形成する電気配線である。バッテリ電流センサ147は、電源線570と電源線571のいずれかまたは両方に対して設けられている。モータ電流センサ146は、高圧基板510から引き出されたバスバに設けられている。このバスバは、モータに接続されている。
 <構成群B>
 図4~図6において、基板510,550,560は、絶縁基板及び配線パターンを有している。絶縁基板は、電気絶縁性を有しており、樹脂材料等により板状に形成されている。配線パターンは、導電性を有しており、銅及びアルミニウム等の導電性材料により形成されている。
 高圧基板510、駆動基板550及び制御基板560はいずれも、板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。基板510,550,560は、インバータ軸線Ciを中心に環状に延びている。基板510,550,560は、全体として円板状に形成されている。基板510,550,560は、それぞれの板面が互いに対向した状態で軸方向ADに並べられている。軸方向ADにおいては、高圧基板510と制御基板560との間に駆動基板550が設けられている。インバータ装置80では、軸方向ADにおいて高圧基板510側が高圧側と称され、駆動基板550側が低圧側と称される。モータ装置60は、例えばインバータ装置80の高圧側に設けられている。
 図11に示すように、高圧基板510は、Pバスバ601、Nバスバ602、出力バスバ603及びアースバスバ604を有している。バスバ601~604は、高圧基板510が有する配線パターンに含まれている。バスバ601~604は、板状に形成されており、軸方向ADに直交する方向に延びている。バスバ601~604は、導電性を有している導体であり、板状導体に相当する。バスバ601~604は、全体として周方向CDに延びている。周方向CDが延び方向に相当する。バスバ601~604は、高圧基板510の内部に設けられている。高圧基板510においては、例えばバスバ601~604と複数の絶縁基板とが交互に積層されている。バスバ601~604は、基板導体と称されることがある。高圧基板510が電力基板に相当する。
 図12において、Pバスバ601は、Pライン141の少なくとも一部を形成している。Pバスバ601は、高電位導体及び電力導体に相当し、高電位バスバ及び電力バスバと称されることがある。Pバスバ601は、外周Pバスバ601a及び内周Pバスバ601bを有している。Pバスバ601a,601bは、導電性材料により形成されたバスバ部材等の導電部材である。Pバスバ601a,601bは、高圧基板510と同様に、インバータ軸線Ciを中心に環状に延びている。Pバスバ601a,601bは、全体として円板状に形成されている。外周Pバスバ601aと内周Pバスバ601bとは、径方向RDに並べられている。外周Pバスバ601aは、内周Pバスバ601bよりも径方向外側に設けられている。
 外周Pバスバ601aは、高圧基板510において外周端512に沿って延びている。外周Pバスバ601aは、平滑コンデンサ部580に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。外周Pバスバ601aは、コンデンサ列580Rに沿って周方向CDに延びている。平滑コンデンサ部580は、外周Pバスバ601aから径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方にはみ出した位置に設けられていてもよく、はみ出さない位置に設けられていてもよい。
 内周Pバスバ601bは、高圧基板510において内周端511に沿って延びている。内周Pバスバ601bは、フィルタ部品524に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。内周Pバスバ601bは、フィルタ列524Rに沿って周方向CDに延びている。フィルタ部品524は、内周Pバスバ601bから径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方にはみ出した位置に設けられていてもよく、はみ出さない位置に設けられていてもよい。
 外周Pバスバ601a及び内周Pバスバ601bは、電気配線を介するなどして電源線570に通電可能に接続されている。なお、Pバスバ601は、Pバスバ601a,601b等のバスバ部材を3つ以上有していてもよく、バスバ部材を1つだけ有していてもよい。
 Nバスバ602は、Nライン142の少なくとも一部を形成している。Nバスバ602は、低電位導体及び電力導体に相当し、低電位バスバ及び電力バスバと称されることがある。Nバスバ602は、外周Nバスバ602a及び内周Nバスバ602bを有している。Nバスバ602a,602bは、導電性材料により形成されたバスバ部材等の導電部材である。Nバスバ602a,602bは、高圧基板510と同様に、インバータ軸線Ciを中心に環状に延びている。Nバスバ602a,602bは、全体として円板状に形成されている。外周Nバスバ602aと内周Nバスバ602bとは、径方向RDに並べられている。外周Nバスバ602aは、内周Nバスバ602bよりも径方向外側に設けられている。
 外周Nバスバ602aは、高圧基板510において外周端512に沿って延びている。外周Nバスバ602aは、平滑コンデンサ部580に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。外周Nバスバ602aは、コンデンサ列580Rに沿って周方向CDに延びている。平滑コンデンサ部580は、外周Nバスバ602aから径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方にはみ出した位置に設けられていてもよく、はみ出さない位置に設けられていてもよい。
 内周Nバスバ602bは、高圧基板510において内周端511に沿って延びている。内周Nバスバ602bは、フィルタ部品524に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。内周Nバスバ602bは、フィルタ列524Rに沿って周方向CDに延びている。フィルタ部品524は、内周Nバスバ602bから径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方にはみ出した位置に設けられていてもよく、はみ出さない位置に設けられていてもよい。
 外周Nバスバ602a及び内周Nバスバ602bは、電気配線を介するなどして電源線571に通電可能に接続されている。なお、Nバスバ602は、Nバスバ602a,602b等のバスバ部材を3つ以上有していてもよく、バスバ部材を1つだけ有していてもよい。
 図13において、出力バスバ603は、出力ライン143の少なくとも一部を形成している。出力バスバ603は、出力導体に相当する。出力バスバ603は、導電性材料により形成されたバスバ部材等の導電部材である。出力バスバ603は、周方向CDに湾曲するように板状に形成されている。出力バスバ603は、外周端512に沿って周方向CDに複数並べられている。周方向CDに隣り合う2つの出力バスバ603は、周方向CDに離間した位置にある。
 出力バスバ603は、高圧基板510において外周端512に沿って延びている。出力バスバ603は、平滑コンデンサ部580に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。出力バスバ603は、コンデンサ列580Rに沿って周方向CDに延びている。平滑コンデンサ部580は、出力バスバ603から径方向外側及び径方向内側の少なくとも一方にはみ出した位置に設けられていてもよく、はみ出さない位置に設けられていてもよい。出力バスバ603は、フィルタ部品524よりも径方向外側に設けられている。なお、出力バスバ603は、フィルタ部品524に軸方向ADに並ぶ位置に設けられていてもよい。また、出力バスバ603は、径方向RDにおいて外周Pバスバ601aと内周Pバスバ601bとにかけ渡される位置に設けられていてもよい。
 出力バスバ603は、複数相のそれぞれに対応して設けられている。複数の出力バスバ603には、U相、V相、W相のそれぞれに対応した出力バスバ603が含まれている。例えば、U相の出力バスバ603は、モータ電気磁気回路61のU相コイルに通電可能に接続されている。
 高圧基板510は、出力接続部514を有している。出力接続部514は、出力バスバ603に通電可能に接続されている。出力接続部514は、複数の出力バスバ603のそれぞれに個別に設けられている。出力接続部514には、電気配線等の出力ケーブルが接続されている。この出力ケーブル及び出力接続部514は、出力バスバ603と共に出力ライン143を形成している。出力ケーブル及び出力接続部514の少なくとも一方に対して電流センサ147が設けられている。出力接続部514は、例えば周方向CDにおいて隣り合う2つのスイッチグループ530Gの間に設けられている。
 図14において、アースバスバ604は、接地経路の少なくとも一部を形成している。アースバスバ604は、接地導体に相当し、アース導体と称されることがある。アースバスバ604は、導電性材料により形成されたバスバ部材である。アースバスバ604は、ケースアースに接続されている。アースバスバ604は、グランドGNDに導通するようにインバータハウジング90に接続されている。例えば、高圧基板510を部品支持部500に固定している固定具は、アースバスバ604を貫通してネジ穴505にねじ込まれている。アースバスバ604は、この固定具を介して部品支持部500に導通している。この固定具が複数設けられていることで、アースバスバ604と部品支持部500とは複数の部位で導通している。
 アースバスバ604は、Pバスバ601及びNバスバ602と同様に、インバータ軸線Ciを中心に環状に延びている。アースバスバ604は、全体として円板状に形成されている。アースバスバ604は、内周端511と外周端512とにかけ渡されるように径方向RDに延びている。アースバスバ604は、例えば径方向RDにおいて外周Pバスバ601aと内周Pバスバ601bとにかけ渡された状態になっている。
 アースバスバ604は、平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524の両方に軸方向ADに並ぶ位置に設けられている。アースバスバ604は、コンデンサ列580R及びフィルタ列524Rの両方に沿って周方向CDに延びている。平滑コンデンサ部580は、アースバスバ604から径方向外側にはみ出した位置に設けられていてもよく、はみ出さない位置に設けられていてもよい。フィルタ部品524は、アースバスバ604から径方向内側にはみ出した位置に設けられていてもよく、はみ出さない位置に設けられていてもよい。
 図11に示すように、高圧基板510は、バスバ601~604等の板状導体を複数有している。高圧基板510においては、複数の板状導体にバスバ601~604が含まれている。複数の板状導体には、バスバ601~604が複数ずつ含まれている。複数の板状導体には、例えばバスバ601~604が2つずつ含まれている。複数の板状導体は、軸方向ADに重ねられている。複数の板状導体において、一対の最外位置には、それぞれアースバスバ604が設けられている。一対の最外位置のうち一方の最外位置は、軸方向ADにおいて最も高圧側の位置である。他方の最外位置は、軸方向ADにおいて最も低圧側の位置である。
 軸方向ADにおいては、一対のアースバスバ604の間に、バスバ601~603が複数ずつ設けられている。一対のアースバスバ604の間には、例えばバスバ601~603が2つずつ設けられている。出力バスバ603は、軸方向ADにおいてPバスバ601とNバスバ602との間に設けられている。この出力バスバ603は、軸方向ADにおいてPバスバ601及びNバスバ602のそれぞれに隣り合う位置にある。軸方向ADにおいて出力バスバ603に隣り合うPバスバ601及びNバスバ602のうち、Pバスバ601が第1板部に相当し、Nバスバ602が第2板部に相当する。
 高圧基板510は、第1バスバセット611及び第2バスバセット612を有している。これらバスバセット611,612は、バスバ601~603を1つずつ有している。バスバセット611,612は、軸方向ADにおいて一対のアースバスバ604の間に設けられている。第1バスバセット611と第2バスバセット612とは、軸方向ADに重ねられている。第1バスバセット611は、軸方向ADにおいて第2バスバセット612の高圧側に設けられている。第1バスバセット611及び第2バスバセット612のいずれにおいても、Pバスバ601とNバスバ602との間に出力バスバ603が設けられている。バスバ601~603の並び順は、第1バスバセット611と第2バスバセット612とで同じになっている。例えば、高圧側から低圧側に向けて、Pバスバ601、出力バスバ603、Nバスバ602の順で並べられている。
 平滑コンデンサ部580は、コンデンサ本体581及びコンデンサ端子582,583を有している。コンデンサ本体581は、高圧基板510に設けられており、高圧基板510に固定されている。コンデンサ本体581は、平滑コンデンサ145を形成する素子及び保護部を有している。コンデンサ本体581は、全体として直方体状に形成されている。コンデンサ本体581は、高圧基板510が有する第1高圧面510aに設けられている。
 コンデンサ端子582,583は、Pコンデンサ端子582及びNコンデンサ端子583である。Pコンデンサ端子582は、Pバスバ601に接続される端子である。Nコンデンサ端子583は、Nバスバ602に接続される端子である。コンデンサ端子582,583は、コンデンサ本体581から同じ向きに延びている。コンデンサ端子582,583は、コンデンサ本体581において第1高圧面510aに重ねられた一面から軸方向ADの低圧側に向けて延びている。Pコンデンサ端子582が高コンデンサ端子に相当し、Nコンデンサ端子583が低コンデンサ端子に相当する。
 図15に示すように、上下アーム回路83は、上アームスイッチ86A及び下アームスイッチ86Bを有している。上アームスイッチ86Aは、上アーム84に含まれたアームスイッチ86である。下アームスイッチ86Bは、下アーム85に含まれたアームスイッチ86である。
 図15,図16に示すように、複数のアームスイッチ部530には、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bが含まれている。上アームスイッチ部530Aは、上アームスイッチ86Aを有しており、高電位側の上スイッチ部品に相当する。上アームスイッチ部530Aは、Pバスバ601及び出力バスバ603に通電可能に接続されている。下アームスイッチ部530Bは、下アームスイッチ86Bを有しており、低電位側の下スイッチ部品に相当する。下アームスイッチ部530Bは、出力バスバ603及びNバスバ602に通電可能に接続されている。
 複数のスイッチグループ530Gには、上スイッチグループ530GA及び下スイッチグループ530GBが含まれている。上スイッチグループ530GAは、上アームスイッチ部530Aを複数有している一方で、下アームスイッチ部530Bを有していない。上スイッチグループ530GAにおいては、上アームスイッチ部530Aが周方向CDに複数並べられている。下スイッチグループ530GBは、下アームスイッチ部530Bを複数有している一方で、上アームスイッチ部530Aを有していない。下スイッチグループ530GBにおいては、下アームスイッチ86Bが周方向CDに複数並べられている。
 1つの上下アーム回路83を構成する上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bは、周方向CDに隣り合う上スイッチグループ530GA及び下スイッチグループ530GBに含まれている。これら上スイッチグループ530GAと下スイッチグループ530GBとは、1つの相に含まれている。例えば、U相の上スイッチグループ530GAとU相の下スイッチグループ530GBとは、周方向CDに隣り合う位置にある。
 1つの相に含まれる上スイッチグループ530GA及び下スイッチグループ530GBに対して、出力接続部514が設けられている。出力接続部514は、周方向CDにおいて、1つの相に含まれる上スイッチグループ530GAと下スイッチグループ530GBとの間に設けられている。出力接続部514は、周方向CDにおいて複数の上ソース端子533Aと複数の下ドレイン端子532Bとの間にて出力バスバ603に接続されている。
 平滑コンデンサ部580は、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bに電気的に並列に接続されている。平滑コンデンサ部580は、Pバスバ601及びNバスバ602に通電可能に接続されている。平滑コンデンサ部580は、コンデンサ部品及び並列部品に相当する。
 図12~図14に示すように、インバータ装置80は、コンデンサグループ580Gを有している。コンデンサグループ580Gは、複数の平滑コンデンサ部580を有している。コンデンサグループ580Gにおいては、複数の平滑コンデンサ部580が密集するように外周端512に沿って周方向CDに一列に並べられている。コンデンサグループ580Gは、外周端512に沿って周方向CDに複数並べられている。コンデンサグループ580Gは、径方向RDにおいてスイッチグループ530Gに並べられている。例えば、1つのコンデンサグループ580Gと1つのスイッチグループ530Gとが径方向RDに並べられている。
 図16に示すように、複数の平滑コンデンサ部580には、上コンデンサ部580A及び下コンデンサ部580Bが含まれている。上コンデンサ部580Aは、径方向RDにおいて上アームスイッチ部530Aに並ぶ位置に設けられている。上コンデンサ部580Aは、上アームスイッチ部530Aから径方向内側に離間した位置にある。上コンデンサ部580Aは、上スイッチグループ530GAに径方向RDに並ぶ位置であって、上スイッチグループ530GAから径方向内側に離間した位置にある。上コンデンサ部580Aは、上コンデンサ部品及び第1コンデンサ部品に相当する。径方向RDは、並び方向に直交する直交方向に相当する。
 下コンデンサ部580Bは、径方向RDにおいて下アームスイッチ部530Bに並ぶ位置に設けられている。下コンデンサ部580Bは、下アームスイッチ部530Bから径方向内側に離間した位置にある。下コンデンサ部580Bは、下スイッチグループ530GBに径方向RDに並ぶ位置であって、下スイッチグループ530GBから径方向内側に離間した位置にある。下コンデンサ部580Bは、下コンデンサ部品及び第2コンデンサ部品に相当する。
 上コンデンサ部580Aと下コンデンサ部580Bとは、径方向RDでの設置向きが逆になっている。上コンデンサ部580A及び下コンデンサ部580Bのうち一方では、Pコンデンサ端子582がNコンデンサ端子583から径方向外側に離間した位置にある。他方では、Nコンデンサ端子583がPコンデンサ端子582から径方向外側に離間した位置にある。例えば、上コンデンサ部580Aにおいては、Pコンデンサ端子582がNコンデンサ端子583から径方向外側に離間した位置にある。下コンデンサ部580Bにおいては、Nコンデンサ端子583がPコンデンサ端子582から径方向外側に離間した位置にある。
 高圧基板510では、上コンデンサ部580Aが有するPコンデンサ端子582と、下コンデンサ部580Bが有するNコンデンサ端子583とが、周方向CDに並んでいる。同様に、上コンデンサ部580Aが有するNコンデンサ端子583と、下コンデンサ部580Bが有するPコンデンサ端子582とが、周方向CDに並んでいる。
 複数のコンデンサグループ580Gには、上コンデンサグループ580GA及び下コンデンサグループ580GBが含まれている。上コンデンサグループ580GAは、上コンデンサ部580Aを複数有している一方で、下コンデンサ部580Bを有していない。上コンデンサグループ580GAは、上スイッチグループ530GAに径方向RDに並ぶ位置であって、上スイッチグループ530GAから径方向内側に離間した位置にある。下コンデンサグループ580GBは、下コンデンサ部580Bを複数有している一方で、上コンデンサ部580Aを有していない。下コンデンサグループ580GBは、下スイッチグループ530GBに径方向RDに並ぶ位置であって、下スイッチグループ530GBから径方向内側に離間した位置にある。上コンデンサグループ580GAが第1コンデンサグループに相当し、下コンデンサグループ580GBが第2コンデンサグループに相当する。
 図15に示すように、インバータ装置80においては、バスバ601~603に寄生する寄生インダクタンスとしてインダクタンスL601~L603が生じやすい。インダクタンスL601~L603は、ライン141~143に寄生するともいえる。インダクタンスL601~L603は、PインダクタンスL601、NインダクタンスL602及び出力インダクタンスL603である。PインダクタンスL601は、Pバスバ601に生じる寄生インダクタンスである。NインダクタンスL602は、Nバスバ602に生じる寄生インダクタンスである。出力インダクタンスL603は、出力バスバ603に生じる寄生インダクタンスである。
 バスバ601~603にインダクタンスL601~L603が寄生した場合、インダクタンスL601~L603にて電圧降下が生じる。この場合、インダクタンスL601~L603に生じた電圧の分だけ、アームスイッチ部530に電位差が生じてしまう。例えば、Pバスバ601に接続された2つのドレイン端子532の間にインダクタンスL601が生じると、このインダクタンスL601に生じる電圧の分だけ、2つのドレイン端子532の電位に差が生じる。このため、これら2つのドレイン端子532を有する2つのアームスイッチ部530の間に電位差が生じることになる。
 なお、図15においては、図示の便宜上、インダクタンスL601~L603をバスバ601~603に沿って複数並べて図示している。また、アースバスバ604には、Yコンデンサ153が接続されている。Yコンデンサ153としては、アースバスバ604及びPバスバ601に接続されたYコンデンサ153と、アースバスバ604及びNバスバ602に接続されたYコンデンサ153とがある。Yコンデンサ部527は、Pバスバ601又はNバスバ602に通電可能に接続される一方で、グランドGNDに導通するようにアースバスバ604に接続されている。
 インバータ装置80においては、平滑コンデンサ部580に寄生する寄生インダクタンスとして、インダクタンスL580が生じやすい。インダクタンスL580は、平滑コンデンサ部580に生じる。インダクタンスL580は、例えば平滑コンデンサ部580において平滑コンデンサ145に接続された通電経路に生じる。インダクタンスL580は、平滑コンデンサ145とPバスバ601との間、及び平滑コンデンサ145とNバスバ602との間、のそれぞれにおいて通電経路に生じる。
 アームスイッチ部530においては、アームスイッチ86に寄生する寄生インダクタンスとして、インダクタンスL530が生じやすい。インダクタンスL530は、アームスイッチ部530に生じる。インダクタンスL530は、例えばアームスイッチ部530においてアームスイッチ86に接続された通電経路に生じる。インダクタンスL530は、アームスイッチ86とPバスバ601又はNバスバ602との間、アームスイッチ86と出力バスバ603との間、のそれぞれにおいて通電経路に生じる。
 図11、図17に示すように、高圧基板510には、スルーホール515が複数設けられている。アームスイッチ部530及び平滑コンデンサ部580は、スルーホール515によりバスバ601~603に通電可能に接続されている。アームスイッチ部530においては、ドレイン端子532及びソース端子533がそれぞれスルーホール515に挿通されている。これらドレイン端子532及びソース端子533は、バスバ601~603のうち1つに接続されている。平滑コンデンサ部580においては、Pコンデンサ端子582及びNコンデンサ端子583がそれぞれスルーホール515に挿通されている。Pコンデンサ端子582及びNコンデンサ端子583は、Pバスバ601又はNバスバ602に接続されている。
 複数のスルーホール515には、上スイッチホール515a、下スイッチホール515b、上コンデンサホール515c及び下コンデンサホール515dが含まれている。スイッチホール515a,515bは、高圧基板510において外周端512に沿って複数ずつ並べられている。上スイッチホール515aには、上アームスイッチ部530Aが有する端子532,533が挿通されている。上スイッチホール515aは、上アームスイッチ部530Aに軸方向ADに重複する位置に設けられている。下スイッチホール515bには、下アームスイッチ部530Bが有する端子532,533が挿通されている。下スイッチホール515bは、下アームスイッチ部530Bに軸方向ADに重複する位置に設けられている。
 コンデンサホール515c,515dは、径方向RDに複数ずつ並べられ、且つ周方向CDに複数ずつ並べられている。上コンデンサホール515cには、平滑コンデンサ部580が有するコンデンサ端子582,583が挿通されている。上コンデンサホール515cは、上コンデンサ部580Aに軸方向ADに重複する位置に設けられている。下コンデンサホール515dには、平滑コンデンサ部580が有するコンデンサ端子582,583が挿通されている。下コンデンサホール515dは、下コンデンサ部580Bに軸方向ADに重複する位置に設けられている。
 図17に示すように、上アームスイッチ部530Aにおいては、上ドレイン端子532A及び上ソース端子533Aのそれぞれが上スイッチホール515aに個別に挿入されている。上ドレイン端子532A及び上ソース端子533Aは、上アームスイッチ部530Aが有するドレイン端子532及びソース端子533である。上ドレイン端子532Aは、上スイッチホール515aによりPバスバ601に通電可能に接続されている。上ソース端子533Aは、上スイッチホール515aにより出力バスバ603に通電可能に接続されている。上ドレイン端子532Aが上入力端子に相当し、上ソース端子533Aが上出力端子に相当する。
 下アームスイッチ部530Bにおいては、下ドレイン端子532B及び下ソース端子533Bのそれぞれが下スイッチホール515bに個別に挿入されている。下ドレイン端子532B及び下ソース端子533Bは、下アームスイッチ部530Bが有するドレイン端子532及びソース端子533である。下ドレイン端子532Bは、下スイッチホール515bにより出力バスバ603に通電可能に接続されている。下ソース端子533Bは、下スイッチホール515bによりNバスバ602に通電可能に接続されている。下ドレイン端子532Bが下入力端子に相当し、下ソース端子533Bが下出力端子に相当する。
 上コンデンサ部580Aにおいては、上Pコンデンサ端子582A及び上Nコンデンサ端子583Aのそれぞれが上コンデンサホール515cに個別に挿入されている。上Pコンデンサ端子582A及び上Nコンデンサ端子583Aは、上コンデンサ部580Aが有するPコンデンサ端子582及びNコンデンサ端子583である。上Pコンデンサ端子582Aは、上コンデンサホール515cによりPバスバ601に通電可能に接続されている。上Nコンデンサ端子583Aは、上コンデンサホール515cによりNバスバ602に通電可能に接続されている。
 下コンデンサ部580Bにおいては、下Pコンデンサ端子582B及び下Nコンデンサ端子583Bのそれぞれが下コンデンサホール515dに個別に挿入されている。下Pコンデンサ端子582B及び下Nコンデンサ端子583Bは、下コンデンサ部580Bが有するPコンデンサ端子582及びNコンデンサ端子583である。下Pコンデンサ端子582Bは、下コンデンサホール515dによりPバスバ601に通電可能に接続されている。下Nコンデンサ端子583Bは、下コンデンサホール515dによりNバスバ602に通電可能に接続されている。
 高圧基板510においては、全体として、上アームスイッチ部530Aが有する端子532A,533Aと、上コンデンサ部580Aが有する端子582A,583Aと、が径方向RDに並べられている。上コンデンサ部580Aが有する端子582A,583Aは、上アームスイッチ部530Aが有する端子532A,533Aから径方向内側に離間した位置にある。同様に、下アームスイッチ部530Bが有する端子532B,533Bと、下コンデンサ部580Bが有する端子582B,583Bと、が径方向RDに並べられている。下コンデンサ部580Bが有する端子582B,583Bは、下アームスイッチ部530Bが有する端子532B,533Bから径方向内側に離間した位置にある。
 アームスイッチ部530及び平滑コンデンサ部580は、第1バスバセット611及び第2バスバセット612のそれぞれにおいてバスバ601~603に接続されている。アームスイッチ部530及び平滑コンデンサ部580とバスバ601~603との接続構成は、第1バスバセット611と第2バスバセット612とで同じになっている。図16~図19では、第2バスバセット612についての図示を省略している。なお、図7においては、高圧基板510の平面図、Pバスバ601の平面図、出力バスバ603の平面図、Nバスバ602の平面図、が上から順に並べられている。
 図18、図19に示すように、高圧基板510においては、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBが流れる。電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBは、第1バスバセット611と第2バスバセット612とで同じように流れる。本実施形態では、第1バスバセット611を流れる電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBについて説明する。第2バスバセット612を流れる電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBについての説明を省略する。
 出力バスバ603においては、上出力電流IoA及び下出力電流IoBが流れる。出力電流IoA,IoBは、全体として周方向CDに流れる。出力電流IoA,IoBは、全体として、1つの相において上スイッチグループ530GAから下スイッチグループ530GBに向けて流れる。詳細には、上出力電流IoAは、上ソース端子533Aから出力接続部514に向けて周方向CDに流れる。下出力電流IoBは、出力接続部514から下ドレイン端子532Bに向けて周方向CDに流れる。上出力電流IoA及び下出力電流IoBが出力電流に相当する。
 高圧基板510には、重複領域AOがある。重複領域AOは、出力バスバ603に流れる出力電流IoA,IoBに重複する領域である。重複領域AOは、複数相のそれぞれに対して個別に存在する。重複領域AOは、例えば複数の出力バスバ603のそれぞれに対して個別に存在する。重複領域AOは、バスバ601~603において1つの相に含まれる上スイッチグループ530GA及び下スイッチグループ530GBに重複する領域である。重複領域AOには、径方向RDにおいてバスバ601~603の全体が含まれている。また、重複領域AOには、周方向CDにおいてアームスイッチ部530及び平滑コンデンサ部580が設けられた領域が含まれている。
 重複領域AOは、最遠上部品530Afと最遠下部品530Bfとにかけ渡されるように周方向CDに延びている。最遠上部品530Afは、上スイッチグループ530GAが有する複数の上アームスイッチ部530Aのうち下スイッチグループ530GBから最も遠い位置にある上アームスイッチ部530Aである。最遠上部品530Afは、上スイッチグループ530GAにおいて下スイッチグループ530GBとは反対側の端位置にある。最遠下部品530Bfは、下スイッチグループ530GBが有する複数の下アームスイッチ部530Bのうち上スイッチグループ530GAから最も遠い位置にある下アームスイッチ部530Bである。最遠下部品530Bfは、下スイッチグループ530GBにおいて上スイッチグループ530GAとは反対側の端位置にある。
 重複領域AOは、最遠上部品530Afが有する端子532A,533Aと、最遠下部品530Bfが有する端子532B,533Bと、にかけ渡された状態になっている。重複領域AOには、これら端子532A,533A,532B,533Bが含まれている。重複領域AOには、最遠上部品530Afが有する上ソース端子533Aと、最遠下部品530Bfが有する下ドレイン端子532Bと、が少なくとも含まれている。
 Pバスバ601においては、上P電流IpA及び下P電流IpBが流れる。P電流IpA,IpBは、全体として周方向CDに流れる。P電流IpA,IpBは、全体として、1つの相において上コンデンサグループ580GA及び下コンデンサグループ580GBから上スイッチグループ530GAに向けて流れる。P電流IpA,IpBは、全体として、周方向CDにおいて出力電流IoA,IoBとは逆向きに流れる。詳細には、上P電流IpAは、上Pコンデンサ端子582Aから上ドレイン端子532Aに向けて周方向CDに流れる。下P電流IpBは、下Pコンデンサ端子582Bから上ドレイン端子532Aに向けて周方向CDに流れる。下P電流IpBは、周方向CDにおいて出力電流IoA,IoBとは逆向きに流れる。P電流IpA,IpBが高電位電流及び並列電流に相当する。
 Nバスバ602においては、上N電流InA及び下N電流InBが流れる。N電流InA,InBは、全体として周方向CDに流れる。N電流InA,InBは、全体として、1つの相において下スイッチグループ530GBから上コンデンサグループ580GA及び下コンデンサグループ580GBに向けて流れる。N電流InA,InBは、全体として、周方向CDにおいて出力電流IoA,IoBとは逆向きに流れる。詳細には、上N電流InAは、下ソース端子533Bから上Nコンデンサ端子583Aに向けて周方向CDに流れる。下N電流InBは、下ソース端子533Bから下Nコンデンサ端子583Bに向けて周方向CDに流れる。下N電流InBは、周方向CDにおいて出力電流IoA,IoBとは逆向きに流れる。N電流InA,InBが低電位電流及び並列電流に相当する。
 P電流IpA,IpBとN電流InA,InBとは、全体として、周方向CDにおいては同じ向きに流れている一方で、径方向RDにおいて逆向きに流れている。これは、上コンデンサ部580A及び下コンデンサ部580Bのいずれにおいても、Pコンデンサ端子582A,582BとNコンデンサ端子583A,583Bとが径方向RDに並べられているためである。例えば、下P電流IpBは、下Pコンデンサ端子582Bから上ドレイン端子532Aに向けて、周方向CDに流れつつ径方向外側に向けて流れる。また、下N電流InBは、下ソース端子533Bから上Nコンデンサ端子583Aに向けて、周方向CDに流れつつ径方向内側に向けて流れる。
 Pバスバ601においては、上P電流IpAが、上Nコンデンサ端子583Aよりも径方向外側にある上Pコンデンサ端子582Aから上ドレイン端子532Aに流れ込む。下P電流IpBは、下Nコンデンサ端子583Bよりも径方向内側にある下Pコンデンサ端子582Bから上ドレイン端子532Aに流れ込む。これらのように、上P電流IpAが径方向RDに流れる距離と、下P電流IpBが径方向RDに流れる距離とは異なっている。本実施形態では、上P電流IpAが径方向外側に向けて流れる距離は、下P電流IpBが径方向外側に向けて流れる距離よりも短い。
 Nバスバ602においては、下ソース端子533Bから流れ出た下N電流InBが、下Pコンデンサ端子582Bよりも径方向外側にある下Nコンデンサ端子583Bに流れ込む。また、下ソース端子533Bから流れ出た上N電流InAは、上Pコンデンサ端子582Aよりも径方向内側にある上Nコンデンサ端子583Aに流れ込む。これらのように、下N電流InBが径方向RDに流れる距離と、上N電流InAが径方向RDに流れる距離とは異なっている。本実施形態では、下N電流InBが径方向内側に向けて流れる距離は、上N電流InAが径方向内側に向けて流れる距離よりも短い。
 図19においては、図示の便宜上、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBのそれぞれを複数の矢印で図示している。実際には、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBがまとめてバスバ601~603を流れる。
 例えば下P電流IpBは、複数の下Pコンデンサ端子582Bから複数の上ドレイン端子532Aに向けてPバスバ601を流れる。このため、下P電流IpBは、周方向CDにおいて出力接続部514に近づくほど大きくなっていく。そして、下P電流IpBは、出力接続部514を通過して出力接続部514から遠ざかるほど小さくなっていく。下P電流IpBと同様に、上N電流InAは、周方向CDにおいて出力接続部514に近づくほど大きくなっていく。そして、上N電流InAは、出力接続部514を通過して出力接続部514から遠ざかるほど小さくなっていく。
 上出力電流IoAは、周方向CDにおいて出力接続部514に近づくほど大きくなっていき、出力接続部514に到達する。下出力電流IoBは、周方向CDにおいて出力接続部514から遠ざかるほど小さくなっていく。高圧基板510においては、上出力電流IoAが出力接続部514に近づくほど大きくなっていく領域と、下P電流IpB及び上N電流InAが出力接続部514に近づくほど大きくなっていく領域とが、軸方向ADに重複している。このため、上出力電流IoAにより生じる磁界と、下P電流IpBにより生じる磁界及び上N電流InAにより生じる磁界と、が打ち消し合うということが生じやすい。
 また、下出力電流IoBが出力接続部514から遠ざかるほど小さくなっていく領域と、下P電流IpB及び上N電流InAが出力接続部514から遠ざかるほど小さくなっていく領域とが、軸方向ADに重複している。このため、下出力電流IoBにより生じる磁界と、下P電流IpBにより生じる磁界及び上N電流InAにより生じる磁界と、が打ち消し合うということが生じやすい。したがって、バスバ601~603にて生じるインダクタンスL601~L603が低減しやすくなっている。
 上述したように、高圧基板510では、インダクタンスL601~L603が低減するように、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れが設定されている。バスバ601~603に生じるインダクタンスL601~L603が低減されることで、アームスイッチ部530のスイッチング精度が低下するなどの不都合がインダクタンスL601~L603により生じる、ということが抑制される。
 インダクタンスL601~L603により生じる不都合としては、スイッチング精度の低下に加えて、電流アンバランスがある。電流アンバランスは、複数のアームスイッチ部530が並列に接続された構成において、複数のアームスイッチ部530でスイッチ電流Idに差が生じることである。スイッチ電流Idは、図18に示すように、アームスイッチ部530を流れる電流である。スイッチ電流Idは、アームスイッチ部530においてアームスイッチ86のドレインを流れる電流であり、ドレイン電流と称されることがある。
 電流アンバランスについて、インバータ装置80において2つの上アームスイッチ部530Aが並列に接続された部分を一例として説明する。図20に示すように、2つの上アームスイッチ部530Aとして、第1スイッチ部530A1と第2スイッチ部530A2とが並列に接続されている。なお、図20においては、インバータ装置80が有する複数の上下アーム回路83のうち1つの上下アーム回路83だけを図示している。また、1つの上下アーム回路83が有する複数ずつの上アーム84及び下アーム85のうち、上アーム84及び下アーム85を2つずつだけ図示している。
 インバータ装置80は、駆動電源620を有している。駆動電源620は、アームスイッチ部530のスイッチングを制御するための制御電圧をアームスイッチ部530に印加する。駆動電源620は、例えば駆動回路160に設けられている。駆動電源620は、ゲート端子534及びドライバソース端子535に通電可能に接続されている。駆動電源620は、例えばゲート抵抗R534を介してゲート端子534に接続されている。ドライバソース経路に生じる寄生インダクタンスをインダクタンスL534と称する。ドライバソース経路は、駆動電源620とドライバソース端子535とを接続している通電経路である。
 アームスイッチ部530においては、駆動電源620からの制御電圧がゲート端子534に入力される。ゲート端子534は、入力制御端子に相当する。ゲート端子534のゲート電圧Vgは、制御電圧に応じた値になる。ゲート電圧Vgは、ゲート端子534の電位である。アームスイッチ部530においては、ゲート端子534への制御電圧の入力に伴ってドライバソース端子535から電流が出力される。ドライバソース端子535は、出力制御端子に相当する。
 ドライバソース端子535のドライバソース電圧Vksは、ソース端子533のソース電圧Vsに応じて増減する。ドライバソース電圧Vksは、ドライバソース端子535の電位である。ソース電圧Vsは、ソース端子533の電位である。アームスイッチ部530においては、ドレイン端子532とアームスイッチ86との通電経路に生じる寄生インダクタンスをインダクタンスL530dと称する。また、アームスイッチ86とソース端子533との通電経路に生じる寄生インダクタンスをインダクタンスL530Sと称する。ドライバソース電圧Vksは、インダクタンスL530Sの分だけソース電圧Vsよりも高い電位になる。
 ソース電圧Vsは、少なくともインダクタンス電圧Vlだけ出力ライン143の電位よりも高くなる。インダクタンス電圧Vlは、インダクタンスLsに生じる電圧である。インダクタンスLsは、ソース経路に生じる寄生インダクタンスである。ソース経路は、ソース端子533と出力ライン143とを接続している通電経路である。ソース経路の少なくとも一部は、出力バスバ603により形成されている。インダクタンスLsには、出力バスバ603に生じるインダクタンスL603が含まれている。このため、出力バスバ603に生じるインダクタンスL603が大きいほど、ソース経路に生じるインダクタンスLsが大きくなり、インダクタンス電圧Vlが増加する。
 例えば本実施形態とは異なり、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れが、インダクタンスL601~L603が低減するような流れになっていない比較例1を想定する。この比較例1では、出力バスバ603に生じるインダクタンスL603が大きいことで、ソース経路に生じるインダクタンスLsが大きくなる。そうすると、インダクタンス電圧Vlが増加し、ソース電圧Vsが高くなる。アームスイッチ部530においては、ソース電圧Vsが高くなると、ドライバソース電圧Vksも高くなる。
 比較例1においては、第1スイッチ部530A1でのソース電圧Vsと第2スイッチ部530A2でのソース電圧Vsとが異なりやすい。例えば、第2スイッチ部530A2と出力接続部514との離間距離が、第1スイッチ部530A1と出力接続部514との離間距離よりも大きいと、第1スイッチ部530A1のソース経路が、第2スイッチ部530A2のソース経路よりも長くなる。そうすると、第2スイッチ部530A2に対するインダクタンスLs2が、第1スイッチ部530A1に対するインダクタンスLs1よりも大きくなる。これにより、第2スイッチ部530A2に対するインダクタンス電圧Vl2が、第1スイッチ部530A1に対するインダクタンス電圧Vl1よりも大きくなる。そして、第2スイッチ部530A2でのソース電圧Vsが第1スイッチ部530A1でのソース電圧Vsよりも高くなり、第2スイッチ部530A2でのドライバソース電圧Vksが第1スイッチ部530A1でのドライバソース電圧Vksよりも高くなる。
 第1スイッチ部530A1と第2スイッチ部530A2とでドライバソース電圧Vksに電位差が生じると、第1スイッチ部530A1と第2スイッチ部530A2との間を循環電流Ikが流れる。この電位差は、ソース電位差と称されることがある。
 アームスイッチ部530においては、ゲートソース間電圧Vgsに応じてスイッチ電流Idが流れる。ゲートソース間電圧Vgsは、ゲート電圧Vgとドライバソース電圧Vksとの電位差である。例えば、ゲートソース間電圧Vgsが大きいほどスイッチ電流Idが大きくなりやすい。
 上述したように、比較例1において循環電流Ikが流れている場合、第2スイッチ部530A2でのゲートソース間電圧Vgs2が第1スイッチ部530A1でのゲートソース間電圧Vgs1よりも小さくなる。これは、第1スイッチ部530A1と第2スイッチ部530A2とでゲート電圧Vgが同じである一方で、第2スイッチ部530A2でのドライバソース電圧Vksが第1スイッチ部530A1でのドライバソース電圧Vksよりも高いためである。
 図21に示すように、第1スイッチ部530A1と第2スイッチ部530A2とでは、ゲートソース間電圧Vgs1,Vgs2が異なることでスイッチ電流Id1,Id2が異なりやすい。上述したように、インダクタンスLs2がインダクタンスLs1よりも大きいと、第2スイッチ部530A2でのゲートソース間電圧Vgs2が第1スイッチ部530A1でのゲートソース間電圧Vgs1よりも小さくなりやすい。このため、第2スイッチ部530A2でのスイッチ電流Id2が第1スイッチ部530A1でのスイッチ電流Id1よりも小さくなりやすい。このように、第1スイッチ部530A1と第2スイッチ部530A2とで電流アンバランスが生じる。
 複数のアームスイッチ部530においては、電流アンバランスが生じると、経年劣化などの劣化度合いに差が生じることが考えられる。すなわち、複数のアームスイッチ部530で劣化度合いにばらつきが生じる。例えば、比較例1のように、スイッチ電流Id1がスイッチ電流Id2より大きいと、常に大きい電流が流れていることに起因して第1スイッチ部530A1の方が第2スイッチ部530A2よりも劣化しやすい。
 これに対して、本実施形態では、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れが、インダクタンスL601~L603が低減するような流れになっている。
 また、本実施形態では、アームスイッチ部530がドライバソース端子535を有している。さらに、本実施形態では、図20に示す第1スイッチ部530A1及び第2スイッチ部530A2において、インダクタンスLs1,Ls2がインダクタンスL603に含まれている。このため、インダクタンスL603を低減することで、インダクタンスLs1,Ls2を低減できる。インダクタンスLs1、Ls2が小さいほど、インダクタンスLs1,Ls2の差が小さくなり、循環電流Ikが小さくなる。そして、循環電流Ikが小さいほど、スイッチ電流Id1,Id2の差が小さくなり、電流アンバランスが生じにくくなる。また、循環電流Ikが小さいほど、スイッチ電流Id1、Id2の差が小さくなる。例えば、インダクタンスLs1,Ls2の差をゼロにすることができれば、循環電流Ikを極力小さくでき、電流アンバランスがほぼ生じなくなる。これにより、第1スイッチ部530A1と第2スイッチ部530A2とで劣化度合いにばらつきが生じにくくなる。
 例えば本実施形態とは異なり、アームスイッチ部530がドライバソース端子535を有していない比較例2を想定する。比較例2では、図22に示すように、駆動電源620がゲート端子534及びソース端子533に通電可能に接続されている。このため、比較例2では、循環電流IkがインダクタンスL530Sに流れない。循環電流Ikは、インダクタンスLs及びインダクタンスL530SのうちインダクタンスLsに応じた電流になる。
 <構成群C>
 図23に示すように、複数のアームスイッチ部530は、高圧基板510に対して外周端512に沿って周方向CDに並べられている。これらアームスイッチ部530は、駆動基板550に対しても外周端552に沿って周方向CDに並べられている。複数のアームスイッチ部530は、インバータ外周壁91に対して内周面90bに設けられている。アームスイッチ列530Rは、外周端512,552に沿って周方向CDに延びており、環状になっている。高圧基板510及び駆動基板550においては、外周端512,552が周方向CDに連続的に延びている。
 図24、図25に示すように、スイッチ本体531は、本体ベース537及び本体放熱部538を有している。本体ベース537は、樹脂材料等により形成されており、電気絶縁性を有している。本体ベース537は、例えばモールド樹脂である。本体ベース537は、スイッチ本体531の外郭を形成している。本体ベース537は、第1板面531a、第2板面531b、本体基端部531c、本体先端部531dのそれぞれの少なくとも一部を形成している。
 本体放熱部538は、金属材料等により形成されており、熱伝導性を有している。本体放熱部538は、例えば本体ベース537よりも高い熱伝導性を有している。本体放熱部538は、例えば板状に形成された金属板である。本体放熱部538は、本体ベース537に埋め込まれた状態になっている。スイッチ本体531においては、端子532~535等と本体放熱部538とが本体ベース537により電気的に絶縁されている。
 スイッチ本体531においては、第2板面531bの放熱性が本体放熱部538により高められている。第2板面531bの放熱性は、第1板面531aの放熱性よりも高くなっている。スイッチ本体531にて熱が発生した場合、第2板面531bからの放熱が第1板面531aからの放熱よりも大きい。本体放熱部538は、第2板面531bから露出している一方で、第1板面531aから露出していない。本体放熱部538の少なくとも一部が第2板面531bを形成している。例えば、第2板面531bには、本体ベース537により形成された部位と、本体放熱部538により形成された部位とが含まれている。本体放熱部538は、第2板面531bにおいて内周面90bに接触している。なお、第1板面531aが内板面に相当し、第2板面531bが外板面に相当する。
 アームスイッチ部530においては、バッテリ31からの電力がドレイン端子532及びソース端子533に供給される。ドレイン端子532及びソース端子533は、電力が供給される電力端子であり、パワー端子に相当する。ドレイン端子532及びソース端子533は、高圧基板510に通電可能に接続されている。高圧基板510がパワー接続対象及びパワー基板に相当し、外周端512がパワー外周端に相当する。ドレイン端子532は、Pバスバ601又は出力バスバ603に通電可能に接続されている。ソース端子533は、出力バスバ603又はNバスバ602に接続されている。図24においては、Pバスバ601、Nバスバ602及び出力バスバ603をまとめて図示しており、アースバスバ604の図示を省略している。
 図24に示すように、高圧基板510においては、ドレイン端子532及びソース端子533がスルーホール515に接続されている。ドレイン端子532及びソース端子533は、スルーホール515に挿入された状態でPバスバ601、Nバスバ602又は出力バスバ603に通電可能に接続されている。スルーホール515は、高圧基板510において少なくとも外周端512に沿って周方向CDに複数並べられている。スルーホール515は、ドレイン端子532と高圧基板510との接続部分、及びソース端子533と高圧基板510との接続部分のそれぞれに含まれている。なお、Pバスバ601,Nバスバ602及び出力バスバ603がパワーバスバに相当する。
 ゲート端子534及びドライバソース端子535は、アームスイッチ86のスイッチングによる電力の変換を制御するための端子であり、制御端子に相当する。ゲート端子534及びドライバソース端子535は、駆動基板550に通電可能に接続されている。駆動基板550が制御接続対象及び対象基板に相当し、外周端552が制御外周端に相当する。ゲート端子534及びドライバソース端子535は、例えば駆動基板550の配線パターンに電気的に接続されている。
 駆動基板550においては、ゲート端子534及びドライバソース端子535がスルーホール555に接続されている。ゲート端子534及びドライバソース端子535は、スルーホール555に挿入された状態で駆動基板550の配線パターンに通電可能に接続されている。スルーホール555は、駆動基板550において外周端552に沿って周方向CDに複数並べられている。スルーホール555は、ゲート端子534と駆動基板550との接続部分、及びドライバソース端子535と駆動基板550との接続部分のそれぞれに含まれている。
 高圧基板510と駆動基板550とは、互いに対向した状態になっている。高圧基板510及び駆動基板550においては、第2高圧面510bと第1制御面550aとが対向している。高圧基板510は、一対の板面として第1高圧面510a及び第2高圧面510bを有している。高圧基板510においては、第1高圧面510aが高圧側を向いており、第2高圧面510bが駆動基板550側を向いている。駆動基板550は、一対の板面として第1制御面550a及び第2制御面550bを有している。駆動基板550においては、第1制御面550aが高圧基板510側を向いており、第2制御面550bが低圧側を向いている。
 スイッチ本体531は、駆動基板550よりも高圧基板510に近い位置に設けられている。スイッチ本体531と高圧基板510との離間距離は、スイッチ本体531と駆動基板550との離間距離よりも小さい。スイッチ本体531と高圧基板510との最短距離が離間距離であり、スイッチ本体531と駆動基板550との最短距離が離間距離である。
 スイッチ本体531の少なくとも一部は、軸方向ADにおいて第1高圧面510aと第2制御面550bとの間に設けられている。スイッチ本体531では、少なくとも本体基端部531cが軸方向ADにおいて第1高圧面510aと第2制御面550bとの間に設けられている。軸方向ADにおいて第1高圧面510aと第2制御面550bとの間の領域は、高圧基板510及び駆動基板550が設けられた基板領域である。基板領域を径方向外側に向けて投影した投影領域には、スイッチ本体531の少なくとも本体基端部531cが含まれている。
 スイッチ本体531は、基板中間線Cmidよりも高圧側にある。スイッチ本体531においては、本体基端部531cが軸方向ADにおいて基板中間線Cmidと第1高圧面510aとの間にある。本体基端部531cは、軸方向ADにおいて基板中間線Cmidよりも第1高圧面510aに近い位置にある。スイッチ本体531は、軸方向ADにおいて高圧基板510よりも高圧側に向けて延びている。
 基板中間線Cmidは、高圧基板510と駆動基板550との中間を通る仮想線である。高圧基板510と駆動基板550との中間は、例えば高圧基板510と駆動基板550とで互いに対向する板面の中間である。基板中間線Cmidは、例えば高圧基板510及び駆動基板550の各板面に平行に延びている。軸方向ADにおいては、基板中間線Cmidが通る位置が高圧基板510と駆動基板550との中間位置である。
 ドレイン端子532はドレイン露出部532exを有している。ドレイン露出部532exは、ドレイン端子532において、スイッチ本体531と高圧基板510とにかけ渡されており且つ露出した部位である。ドレイン露出部532exは、スイッチ本体531と高圧基板510とを繋いだ状態になっており、パワー繋ぎ部に相当する。ドレイン露出部532exが曲がった形状になっていれば、ドレイン露出部532exの長さ寸法は、スイッチ本体531と高圧基板510との離間距離よりも大きくなる。
 ソース端子533はソース露出部533exを有している。ソース露出部533exは、ソース端子533において、スイッチ本体531と高圧基板510とにかけ渡されており且つ露出した部位である。ソース露出部533exは、スイッチ本体531と高圧基板510とを繋いだ状態になっており、パワー繋ぎ部に相当する。ソース露出部533exが折れ曲がった形状になっていれば、ソース露出部533exの長さ寸法は、スイッチ本体531と高圧基板510との離間距離よりも大きくなる。
 ゲート端子534はゲート露出部534exを有している。ゲート露出部534exは、ゲート端子534において、スイッチ本体531と駆動基板550とにかけ渡されており且つ露出した部位である。ゲート露出部534exは、スイッチ本体531と駆動基板550とを繋いだ状態になっており、制御繋ぎ部に相当する。ゲート露出部534exが折れ曲がった形状になっていれば、ゲート露出部534exの長さ寸法は、スイッチ本体531と駆動基板550との離間距離よりも大きくなる。
 ドライバソース端子535はドレインソース露出部535exを有している。ドレインソース露出部535exは、ドライバソース端子535において、スイッチ本体531と駆動基板550とにかけ渡されており且つ露出した部位である。ドレインソース露出部535exは、スイッチ本体531と駆動基板550とを繋いだ状態になっており、制御繋ぎ部に相当する。ドレインソース露出部535exが折れ曲がった形状になっていれば、ドレインソース露出部535exの長さ寸法は、スイッチ本体531と駆動基板550との離間距離よりも大きくなる。
 端子532~535は、基端延出部536a、先端延出部536b及び延出接続部536cを有している。基端延出部536aは、端子532~535において基端部から延びた部位である。基端延出部536aは、本体基端部531cから軸方向ADに延びている。先端延出部536bは、端子532~535において先端部から延びた部位である。先端延出部536bは、高圧基板510又は駆動基板550から基端延出部536aに沿って軸方向ADに延びている。先端延出部536bは、スルーホール515,555に挿通されており、高圧基板510又は駆動基板550に固定されている。延出接続部536cは、端子532~535において基端延出部536aと先端延出部536bとを接続した部位である。
 ドレイン端子532及びソース端子533は、全体としてU字状になるように曲がった形状になっている。ドレイン端子532及びソース端子533は、軸方向ADにおいて高圧基板510から遠ざかる向きにスイッチ本体531から延び、且つ高圧基板510に近づく向きに延びるように、折り返された形状になっている。ドレイン端子532及びソース端子533においては、基端延出部536a及び先端延出部536bが延出接続部536cから同じ向きに延びている。ドレイン端子532及びソース端子533は、スイッチ本体531から延びてUターンして戻ってくるようなUターン形状になっている。
 ゲート端子534及びドライバソース端子535は、全体としてZ字状になるように曲がった形状になっている。ゲート端子534及びドライバソース端子535は、径方向RDに延びた部位を含んで全体としてスイッチ本体531から駆動基板550に向けて軸方向ADに延びている。ゲート端子534及びドライバソース端子535においては、基端延出部536aと先端延出部536bとが延出接続部536cから互いに逆向きに延びている。
 <構成群D>
 アームスイッチ部530は、通電により発熱し、発熱部品に相当する。平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524は、アームスイッチ部530と同様に通電により発生するが、通電による発熱がアームスイッチ部530よりも小さい。すなわち、平滑コンデンサ部580への通電による発熱、及びフィルタ部品524への通電による発熱は、アームスイッチ部530への通電による発熱よりも小さい。平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524は、小熱部品に相当する。
 本実施形態では、通電により発熱するアームスイッチ部530等の通電部品について、発熱量及び管理温度の少なくとも一方が大きいことを発熱が大きいと称する。例えば、通電部品においては、発熱量が大きいほど温度上昇率が大きくなりやすい。また、通電部品においては、管理温度が高いほど耐高温性が高くなりやすい。
 アームスイッチ部530は、発熱量及び管理温度の少なくとも一方が平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524よりも大きいことで、通電による発熱が平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524よりも大きくなっている。例えば、アームスイッチ部530の発熱量は、平滑コンデンサ部580の発熱量及びフィルタ部品524の発熱量のいずれよりも大きい。また、アームスイッチ部530の管理温度は、平滑コンデンサ部580の管理温度及びフィルタ部品524の管理温度のいずれよりも高い。なお、アームスイッチ部530は、インバータ装置80を構成する全ての部品の中で、通電による発熱が最大の部品である。
 フィルタ部品524は、通電による発熱が平滑コンデンサ部580よりも小さい。すなわち、フィルタ部品524への通電による発熱は、平滑コンデンサ部580への通電による発熱よりも小さい。平滑コンデンサ部580は第1小熱部品に相当し、フィルタ部品524は第2小熱部品に相当する。
 図26に示すように、インバータ装置80は、コンデンサ列580R、フィルタ列524R、アームスイッチ列530Rを有している。これら列580R,524R,530Rはいずれも、周方向CDに環状に延びている。アームスイッチ列530Rは、コンデンサ列580Rから径方向外側に離間した位置にある。フィルタ列524Rは、コンデンサ列580Rから径方向内側に離間した位置にある。コンデンサ列580Rは、径方向RDにおいてアームスイッチ列530Rとフィルタ列524Rとの間に設けられている。なお、図26においては、列580R,524R,530Rを一点鎖線で表現している。
 アームスイッチ列530Rは、複数のアームスイッチ部530を有している。アームスイッチ列530Rにおいては、複数のアームスイッチ部530が周方向CDに並べられている。例えば、1列のアームスイッチ列530Rが周方向CDに延びている。1列のアームスイッチ列530Rにおいては、周方向CDの全体においてアームスイッチ部530が1つずつ周方向CDに並べられている。アームスイッチ列530Rは、インバータ外周壁91に対して内周面90bに沿って延びている。アームスイッチ列530Rには、複数のスイッチグループ530Gが含まれている。アームスイッチ列530Rは発熱部品列に相当する。
 アームスイッチ列530Rは、全体として円環状になっている。アームスイッチ列530Rにおいては、アームスイッチ部530の並びが等間隔である部分と等間隔ではない部分とが混在している。アームスイッチ列530Rにおいては、周方向CDに隣り合う2つのアームスイッチ部530の離間距離が、周方向CDにおいて均一になっていない。例えば、周方向CDに隣り合う2つのスイッチグループ530Gの離間距離は、1つのスイッチグループ530Gにおいて周方向CDに隣り合う2つのアームスイッチ部530の離間距離よりも大きい。なお、アームスイッチ列530Rにおいては、アームスイッチ部530ではないモータ電流センサ146などの部品が、周方向CDに隣り合う2つのアームスイッチ部530の間に入り込んだ状態になっていてもよい。
 コンデンサ列580Rは、複数の平滑コンデンサ部580を有している。コンデンサ列580Rにおいては、複数の平滑コンデンサ部580が周方向CDに並べられている。例えば、1列のコンデンサ列580Rが周方向CDに延びている。1列のコンデンサ列580Rにおいては、周方向CDの全体において平滑コンデンサ部580が1つずつ周方向CDに並べられている。コンデンサ列580Rは、高圧基板510に対して外周端512に沿って延びている。コンデンサ列580Rには、複数のコンデンサグループ580Gが含まれている。コンデンサ列580Rは、小熱部品列及び第1部品列に相当する。
 コンデンサ列580Rは、全体として円環状になっている。コンデンサ列580Rにおいては、平滑コンデンサ部580の並びが等間隔である部分と等間隔ではない部分とが混在している。コンデンサ列580Rにおいては、周方向CDに隣り合う2つの平滑コンデンサ部580の離間距離が、周方向CDにおいて均一になっていない。例えば、周方向CDに隣り合う2つのコンデンサグループ580Gの離間距離は、1つのコンデンサグループ580Gにおいて周方向CDに隣り合う2つの平滑コンデンサ部580の離間距離よりも大きい。なお、コンデンサ列580Rにおいては、平滑コンデンサ部580ではないモータ電流センサ146などの部品が、周方向CDに隣り合う2つの平滑コンデンサ部580の間に入り込んだ状態になっていてもよい。
 フィルタ列524Rは、複数のフィルタ部品524を有している。フィルタ列524Rにおいては、複数の平滑コンデンサ部580が周方向CDに並べられている。例えば、1列のフィルタ列524Rが周方向CDに延びている。1列のフィルタ列524Rにおいては、周方向CDの少なくとも一部においてフィルタ部品524が1つずつ周方向CDに並べられている。フィルタ列524Rは、高圧基板510に対して内周端511に沿って延びている。フィルタ列524Rは、小熱部品列及び第2部品列に相当する。
 フィルタ列524Rは、全体として円環状になっている。フィルタ列524Rにおいては、フィルタ部品524の配置が周方向CDにおいて等間隔になっていない。フィルタ列524Rにおいては、コモンモードコイル部525とノーマルモードコイル部526とYコンデンサ部527とXコンデンサ部528とが混在するように並べられている。なお、フィルタ列524Rにおいては、フィルタ部品524ではない電流センサ147などの部品が、周方向CDに隣り合う2つのフィルタ部品524の間に入り込んだ状態になっていてもよい。
 複数の平滑コンデンサ部580にはグループ並び部品580cが含まれている。また、複数のフィルタ部品524にはグループ並び部品524aが含まれている。グループ並び部品580c,524aは、スイッチグループ530Gに対して径方向RDに並ぶ位置に設けられている。グループ並び部品580c,524aにおいては、少なくとも一部がスイッチグループ530Gに径方向RDに並んだ位置にある。例えば、複数のフィルタ部品524のうち、周方向CDに隣り合う2つのスイッチグループ530Gの間にあるフィルタ部品524は、グループ並び部品580cではない。なお、スイッチグループ530Gは発熱グループに相当する。
 グループ並び部品580c,524aは、径方向RDにおいてアームスイッチ部530に投影される投影位置に設けられている。投影位置は、グループ並び部品580c,524aを径方向外側に向けて投影した投影面の少なくとも一部がアームスイッチ部530に重複する位置である。投影位置にあるグループ並び部品580c,524aと、このグループ並び部品580c,524aの投影面が重複するアームスイッチ部530とは、径方向RDに並べられている。
 インバータ装置80には、スイッチ領域Asw1及び中間領域Asw2がある。スイッチ領域Asw1は、スイッチグループ530Gが設けられた領域であり、内周面90bに沿って周方向CDに延びている。スイッチ領域Asw1は、周方向CDに沿って周方向CDに複数並べられている。1つのスイッチ領域Asw1は、1つのスイッチグループ530Gが設けられた領域である。スイッチ領域Asw1においては、スイッチグループ530Gが有する複数のアームスイッチ86が密集するように設けられている。スイッチ領域Asw1は密集領域に相当する。
 中間領域Asw2は、周方向CDに隣り合う2つのスイッチ領域Asw1の間に設けられた領域である。中間領域Asw2は、周方向CDに隣り合う2つのスイッチ領域Asw1にかけ渡された状態になっており、内周面90bに沿って周方向CDに延びている。中間領域Asw2は、スイッチグループ530Gが設けられていない領域であり、アームスイッチ部530が設けられていない領域である。中間領域Asw2は、内周面90bに沿って周方向CDに複数並べられている。スイッチ領域Asw1と中間領域Asw2とは、周方向CDに交互に並べられている。
 インバータ装置80には、スイッチ領域Asw1に対して径方向RDに並ぶ位置にある部品及び部位が含まれている。例えば、インバータフィン群93、グループ並び部品580c,524aは、スイッチ領域Asw1に対して径方向RDに並ぶ位置にある。また、インバータ装置80には、中間領域Asw2に対して径方向RDに並ぶ位置にある部品及び部位が含まれている。例えば、フランジ94,95、インバータコネクタ96及びコネクタ並び部品524bは、中間領域Asw2に対して径方向RDに並ぶ位置にある。
 コネクタ並び部品524bは、複数のフィルタ部品524に含まれている。コネクタ並び部品524bは、インバータコネクタ96に対して径方向RDに並ぶ位置に設けられている。コネクタ並び部品524bにおいては、少なくとも一部がインバータコネクタ96に径方向RDに並んだ位置にある。例えば、複数のフィルタ部品524のうちグループ並び部品524aは、コネクタ並び部品524bではない。
 インバータコネクタ96は、アームスイッチ86をバッテリ31に通電可能に接続するためコネクタである。バッテリ31が外部機器に相当し、インバータコネクタ96が外部コネクタに相当する。
 図27に示すように、インバータ装置80はスイッチ押圧部539を有している。スイッチ押圧部539は、アームスイッチ部530をインバータ外周壁91に向けて押圧している。スイッチ押圧部539は、弾性変形可能な部材であり、板バネ等の付勢部材により形成されている。スイッチ押圧部539は、弾性変形した状態でインバータ外周壁91に固定されており、復元力によりスイッチ本体531を径方向外側に向けて内周面90bに押圧している。スイッチ押圧部539においては、例えば一方の端部がボルト等の固定具によりインバータ外周壁91に固定され、他方の端部が第1板面531aに引っ掛けられた状態になっている。
 スイッチ本体531は、内周面90bに接触しており、接着剤等によりインバータ外周壁91に固定されている。スイッチ本体531は、内周面90bに直接的に接触していてもよく、内周面90bに間接的に接触していてもよい。スイッチ本体531と内周面90bとの接触が直接的及び間接的のいずれであっても、スイッチ本体531と内周面90bとの間で熱が伝わればよい。例えば、スイッチ本体531が内周面90bに間接的に接触している構成としては、スイッチ本体531が熱伝導部材を介して内周面90bに重ねられた構成がある。熱伝導部材は、熱伝導性を有する部材であり、例えばジェル、グリス、接着剤等である。この構成では、スイッチ本体531とインバータ外周壁91との熱伝達が、熱伝導部材を介して行われる。
 スイッチ本体531は、内周面90bに接触した状態で、さらに、スイッチ押圧部539により内周面90bに押し付けられた状態になっている。スイッチ本体531においては、スイッチ押圧部539の押圧力により第2板面531bが内周面90bに密着しやすくなっている。このため、スイッチ本体531の熱がスイッチ外周壁伝わりやすくなっている。第2板面531bは、内周面90bに直接的に重ねられていてもよく、間接的に重ねられていてもよい。なお、スイッチ本体531が部品本体に相当し、端子532~535が部品端子に相当する。
 高圧基板510及び駆動基板550は、熱伝導性を有しており、アームスイッチ部530及び部品支持部500に熱伝達可能になっている。端子532~535と基板510,550とが接続されていることで、基板510,550とアームスイッチ部530とが熱伝達可能になっている。基板510,550と部品支持部500との熱伝達は、基板510,550と部品支持部500とが接触した接触部位を介して行われる。基板510,550と部品支持部500との接触部位には、高圧固定部507及び駆動固定部508が含まれている。高圧基板510及び駆動基板550が接続基板に相当し、部品支持部500が基板支持部に相当する。
 高圧固定部507は、部品支持部500に含まれている。高圧固定部507は、梁部501及び梁連結部502の少なくとも一方に設けられている。高圧基板510は、高圧固定部507に接触した状態で部品支持部500に固定されている。高圧固定部507は、例えば梁部501から高圧側に突出した凸部である。高圧固定部507にはネジ穴505が設けられている。ドレイン端子532及びソース端子533は、高圧基板510及び部品支持部500を介してインバータ外周壁91に熱伝達可能になっている。
 駆動固定部508は、部品支持部500に含まれている。駆動固定部508は、梁部501及び梁連結部502の少なくとも一方に設けられている。駆動基板550は、駆動固定部508に接触した状態で部品支持部500に固定されている。駆動固定部508は、例えば梁部501から低圧側に突出した凸部である。駆動固定部508にはネジ穴506が設けられている。ゲート端子534及びドライバソース端子535は、駆動基板550及び部品支持部500を介してインバータ外周壁91に熱伝達可能になっている。
 図27、図28に示すように、アームスイッチ部530の熱をインバータ装置80の外部に放出する放熱経路には、放熱経路PH1~PH3が含まれている。第1放熱経路PH1は、スイッチ本体531の熱をインバータ外周壁91から外部に放出する経路である。第1放熱経路PH1においては、スイッチ本体531の熱が内周面90bに直接的に伝わり、その熱が外周面90aからインバータフィン92を介するなどして外部に放出される。外周面90aは、内周面90bに伝わった熱を外部に放出する放熱面に相当する。第1放熱経路PH1を伝わった熱は、外周面90aにおいてスイッチ領域Asw1に径方向RDに並んだ部位から放出されやすい。なお、外周面90aは放熱端と称されることがある。特に、外周面90aにおいてスイッチ領域Asw1に径方向RDに並んだ部位は第1放熱端と称されることがある。
 アームスイッチ列530Rにおいては、複数のアームスイッチ部530のそれぞれから第1放熱経路PH1により放熱される。この場合、インバータ装置80においては、図28に示す複数の第1放熱経路PH1のように、複数のアームスイッチ部530の熱が外周面90aから径方向外側に向けて放射状に放出される。このように、複数のアームスイッチ部530に対応した第1放熱経路PH1が互いに重複しにくくなっている。すなわち、複数のアームスイッチ部530の熱が互いに異なる経路を介して外部に放出されやすくなっている。
 第2放熱経路PH2は、ドレイン端子532及びソース端子533の熱を高圧基板510及び部品支持部500を介してインバータ外周壁91から外部に放出する経路である。第2放熱経路PH2においては、ドレイン端子532及びソース端子533の熱が高圧基板510に伝わり、その熱が部品支持部500を介してインバータ外周壁91に伝わって外周面90aから外部に放出される。第2放熱経路PH2を伝わった熱は、外周面90aにおいて中間領域Asw2に径方向RDに並んだ部位から放出されやすい。なお、外周面90aにおいて中間領域Asw2に径方向RDに並んだ部位は第2放熱端と称されることがある。
 第3放熱経路PH3は、ゲート端子534及びドライバソース端子535の熱を駆動基板550及び部品支持部500を介してインバータ外周壁91から外部に放出する経路である。第3放熱経路PH3においては、ゲート端子534及びドライバソース端子535の熱が駆動基板550に伝わり、その熱が部品支持部500を介してインバータ外周壁91に伝わって外周面90aから外部に放出される。第3放熱経路PH3を伝わった熱は、外周面90aにおいて中間領域Asw2に径方向RDに並んだ部位から放出されやすい。
  <構成群A>
 ここまで説明した本実施形態によれば、インバータ装置80の搭載部品が高圧基板510及び駆動基板550という板部材を介して梁部501に固定されている。この構成では、複数の梁部501と高圧基板510及び駆動基板550がXYZ方向にかかる応力を互いに規制する。つまり、複数の軽量な梁部501に搭載部品を乗せた板部材で挟み、固定する構造は、軽量かつ振動に強い高強度な形状である。このように、インバータ外周壁91から梁部501に振動が伝わることがあっても搭載部品が大きく振動することが抑制され、インバータ装置80の耐振動性を高めることができる。
 EPU50において、インバータ外周壁91は、モータ装置60の比較的振動が少ないモータ外周壁71に、高圧側フランジ94等により互いに固定されている。つまり、モータ装置60のロータ300を支えるために、振動が大きいリアエンドプレート62ではなく、ステータ200を保持し且つ振動が少ないモータ外周壁71にインバータ装置80が結合される。このため、インバータ装置80への振動の影響を少なくできる。さらに、インバータ装置80の搭載部品が高圧基板510及び駆動基板550という板部材を介して梁部501に固定されているため、上述したように、インバータ装置80の耐振動性を高めることができる。さらにモータ装置60のリアエンドプレート62の冷却が十分でないと、リアエンドプレート62が高温になるが、インバータ装置80の搭載部品との間に空気層が介在するため、搭載部品の熱害を防ぐことも可能になる。
 本実施形態によれば、軸方向ADにおいて梁部501の一方側に高圧基板510が設けられ、梁部501を介して高圧基板510とは反対側に駆動基板550が設けられている。この構成では、高圧基板510及び駆動基板550という2つの板部材が、複数の梁部501が個別に振動することを軸方向ADの一方側及び他方側のそれぞれから規制している。このため、梁部501が振動しにくい構成を高圧基板510及び駆動基板550により実現できる。
 また、インバータ装置80においては、複数の梁部501、高圧基板510及び駆動基板550によりサンドイッチ構造が形成されている。このように、搭載部品を支持する支持構造がサンドイッチ構造になっているため、支持構造の強度を増すことができる。このため、搭載部品の振動を抑制する効果をサンドイッチ構造により高めることができる。しかも、サンドイッチ構造により支持構造の軽量化を図ることができる。
 本実施形態によれば、梁部501の振動を規制する板部材が高圧基板510及び駆動基板550である。この構成では、梁部501の振動を規制するために専用の板部材を用いるという必要がない。例えば本実施形態とは異なり、専用の板部材が複数の梁部501にかけ渡され且つ固定された構成では、搭載部品に通電するための電気配線及び配線作業が複雑になることが懸念される。これに対して、本実施形態では、高圧基板510及び駆動基板550により、電気配線を簡素化すること、及び梁部501の振動を規制すること、の両方を実現できる。また、高圧基板510及び駆動基板550に多層配線を用いることで、インバータ装置80の電気的特性を良好にすることができる。
 本実施形態では、高圧基板510と駆動基板550との間にある梁部501がグランドアースに接地されている。この構成では、高圧基板510等の高圧部品への通電に伴って生じる電磁界が駆動基板550等の低圧部品に付与されることが梁部501により抑制される。このように、高圧部品による電磁界の影響が梁部501により低減されるため、ノイズに強いインバータ装置80を実現できる。また、グランドアースに接地された接地経路が梁部501を含んで形成されている。このため、高圧部品及び低圧部品等をグランドアースに接地するための専用の接地線を用いる必要がない。したがって、高圧基板510と駆動基板550の表層や内層にグランドアースを配置し、このグランドアースを複数の梁部501に通電させることで高圧部品及び低圧部品等からのノイズを低インピーダンスにグランドアースに接地することが容易になる。
 本実施形態によれば、複数のアームスイッチ部530は、インバータ外周壁91において内周面90bに固定され、内周面90bに沿って周方向CDに複数並べられている。この構成では、インバータ装置80の駆動に伴ってアームスイッチ部530が発熱した場合に、この熱がインバータ外周壁91を介して外部に放出されやすい。このため、アームスイッチ部530の温度が過剰に高くなること、及びアームスイッチ部530の熱がインバータハウジング90の内部にこもること、を抑制できる。したがって、通電部品のうち搭載部品については振動を低減することを優先し、通電部品のうちアームスイッチ部530については放熱することを優先することができる。これにより、インバータ装置80の耐振動性を高めること、及びインバータ装置80の放熱性を高めること、の両方を実現できる。
 さらに、複数のアームスイッチ部530が高圧基板510及び制御基板560に対して外周端512に沿って並べられている。この構成では、径方向RDでのアームスイッチ部530と高圧基板510及び制御基板560との離間距離を、複数のアームスイッチ部530で均一化できる。このため、アームスイッチ部530から基板510,550に向けて延ばす端子532~535の長さが複数のアームスイッチ部530で過剰にばらつく、ということを抑制できる。さらに、複数のアームスイッチ部530を並列接続することで、インダクタンスの低減と熱源分散による熱抵抗削減が可能になる。加えて、アームスイッチ部530を並列接続することは、アームスイッチ部530とインバータフィン92の間にあるインバータ外周壁91におけるヒートスプレッダーの効果を軽減できるため、冷却効果を高め、インバータ外周壁91を薄く軽量にできる。
 本実施形態によれば、梁部501は、周方向CDに隣り合う2つのスイッチグループ530Gの間において、インバータ外周壁91から径方向内側に向けて延びている。この構成では、アームスイッチ部530に干渉しない位置に梁部501を配置することができる。
 本実施形態によれば、アームスイッチ部530が有するスイッチ本体531は、梁部501、高圧基板510及び駆動基板550から離間した位置に設けられている。この構成では、スイッチ本体531にて発生した熱が梁部501、高圧基板510及び駆動基板550を介さずに、インバータ外周壁91に直接的に伝わりやすい。このため、スイッチ本体531の熱によって梁部501、高圧基板510及び駆動基板550の温度上昇を抑制できる。
 本実施形態によれば、アームスイッチ部530は、径方向RDにおいてインバータフィン92が並ぶ位置に設けられている。この構成では、インバータ外周壁91が形成する外周面90aのうち、アームスイッチ部530にとって最も近い位置にインバータフィン92ある。このため、アームスイッチ部530の放熱効果が最も高くなる位置にインバータフィン92を配置することができる。
 本実施形態によれば、複数の梁部501が梁連結部502により連結されている。この構成では、複数の梁部501が個別に振動するということが梁連結部502により規制される。このため、高圧基板510及び駆動基板550と複数の梁部501から成る構造の強度が増し、搭載部品に伝わる振動を低減できる。
 本実施形態によれば、梁連結部502の内側は、高圧基板510及び駆動基板550をドーナツ状に開けてある。中心付近の重量が軽くなっている。このため、梁部501及び梁連結部502が有する共振周波数が高くなるなどして、梁部501及び梁連結部502がモータ装置60などからの振動に共振しにくい構成を実現できる。したがって、振動に対するインバータハウジング90の強度を高めることができる。
 本実施形態によれば、梁部501とインバータ外周壁91とが伝熱可能である。このため、仮に平滑コンデンサ部580及び高圧基板510などの通電部品にて熱が発生しても、この熱が梁部501からインバータ外周壁91を介して外部に放出されやすい。梁部501とインバータ外周壁91の接続部は、アームスイッチ部530の搭載を避けているため、アームスイッチ部530より低い温度となり、放熱性を良好にすることができる。
 本実施形態によれば、梁部501とインバータ外周壁91とが導通している。このため、フィルタ部品524及び高圧基板510などを、梁部501及びインバータ外周壁91を含む導通経路を介してグランドアースに接地することが可能である。したがって、インバータ装置80においてEMC性能を梁部501により良好にすることができる。また、フィルタ部品524及び高圧基板510などをグランドアースに接地する構成を簡易化することができ、バリスタ155などの電気安全上の部品を配置することも容易になる。
 本実施形態によれば、断熱部545は、高圧基板510とリアエンドプレート62との間に設けられ、リアエンドプレート62に沿って延びている。この構成では、耐熱温度が低いインバータ装置80の搭載部品とリアエンドプレート62との間に断熱部545が設けられている。このため、モータ装置60において、ステータ200などの熱によりリアエンドプレート62が高温になったとしても、インバータ装置80での熱害を防ぐことが可能になる。
 <構成群B>
 本実施形態によれば、出力バスバ603には、上アームスイッチ部530Aと下アームスイッチ部530Bとが周方向CDに離間した位置に接続されている。この構成では、上アームスイッチ部530Aと下アームスイッチ部530Bとの離間距離を変更することなどが可能になる。このため、例えば上アームスイッチ部530Aと下アームスイッチ部530Bとが一体化された構成に比べて、アームスイッチ部530A,530Bの配置に関する自由度を高めることができる。
 しかも、重複領域AOにおいては、Pバスバ601に流れるP電流IpA,IpB、及びNバスバ602に流れるN電流InA,InBが、出力バスバ603に流れる出力電流IoA,IoBとは周方向CDにおいて逆向きに流れる。この構成では、P電流IpA,IpBにより生じる磁界及びN電流InA,InBにより生じる磁界と、出力電流IoA,IoBにより生じる磁界とが打ち消し合いやすい。このため、バスバ601~603に寄生するインダクタンスL601~L603が低減されやすくなる。したがって、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bの動作精度が低下することなどを抑制できる。
 以上により、アームスイッチ部530A,530Bの配置に関する自由度を高めること、及びインバータ装置80の動作精度を高めること、の両立を図ることができる。
 本実施形態によれば、Pバスバ601及び出力バスバ603には、1つの相に含まれる複数の上アームスイッチ部530Aが互いに並列に接続されている。また、Nバスバ602及び出力バスバ603には、1つの相に含まれる複数の下アームスイッチ部530Bが互いに並列に接続されている。この構成では、複数の上アームスイッチ部530A及び複数の下アームスイッチ部530Bを、バスバ601~603に沿って周方向CDに並べることが容易である。
 上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bは、ソース端子533とは異なるドライバソース端子535を有している。ドライバソース端子535を有する複数のアームスイッチ部530A,530Bが並列に接続されていると、バスバ601~603に寄生するインダクタンスL601~L603により電流アンバランスが生じることが懸念される。これに対して、本実施形態によれば、インダクタンスL601~L603が低減するように、バスバ601~603において電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れが設定されている。このため、インダクタンスL601~L603の低減により電流アンバランスを抑制できる。したがって、互いに並列に接続された複数のアームスイッチ部530A,530Bで劣化度合いがばらつく、ということを抑制できる。
 本実施形態では、1つの相に含まれる複数の上アームスイッチ部530A、及び1つの相に含まれる複数の下アームスイッチ部530Bが、バスバ601~603に沿って周方向CDに並べられている。この構成では、複数のアームスイッチ部530A,530Bが並べられた範囲に合わせてバスバ601~603が周方向CDに長尺状に延びやすくなる。このようにバスバ601~603が長くなると、バスバ601~603に寄生するインダクタンスL601~L603が大きくなることが懸念される。
 これに対して、本実施形態では、インダクタンスL601~L603が低減するように電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れが設定されている。このため、バスバ601~603が周方向CDに長尺状に延びていても、バスバ601~603に寄生するインダクタンスL601~L603を低減できる。
 本実施形態によれば、1つの相に含まれる複数のアームスイッチ部530A,530Bが内周面90bに沿って周方向CDに並べられている。この構成では、複数のアームスイッチ部530A,530Bのそれぞれの熱がインバータ外周壁91に伝わりやすくなっている。このため、アームスイッチ部530A,530Bの温度が過剰に高くなること、及び1つのアームスイッチ部530A,530Bの熱が他のアームスイッチ部530A,530Bに付与されること、などを抑制できる。したがって、アームスイッチ部530A,530Bの配置によりインバータ装置80の放熱効果を高めることができる。以上により、インバータ装置80において、寄生インダクタンスの低減と放熱効果の向上との両方を実現できる。
 しかも、バスバ601~603が内周面90bに沿って周方向CDに延びているため、複数のアームスイッチ部530A,530Bは、バスバ601~603に沿って周方向CDに並べられた状態になっている。この構成では、上アームスイッチ部530AとPバスバ601及び出力バスバ603とを接続する通電経路を径方向RDにおいて極力短くできる。このように、上アームスイッチ部530Aに通じる通電経路の短尺化を図ることで、この通電経路に生じる寄生インダクタンスを極力低減できる。同様に、下アームスイッチ部530BとNバスバ602及び出力バスバ603とを接続する通電経路を径方向RDにおいて極力短くできる。このように、下アームスイッチ部530Bに通じる通電経路の短尺化を図ることで、この通電経路に生じる寄生インダクタンスを極力低減できる。
 本実施形態によれば、アームスイッチ部530A,530Bは、バスバ601~603から径方向外側に離間した位置において内周面90bに設けられている。この構成では、アームスイッチ部530A,530Bの熱が内周面90bに直接的に伝わる。このため、アームスイッチ部530A,530Bの放熱効果をインバータ外周壁91により高めることができる。したがって、インバータ装置80において、寄生インダクタンスを低減するという電気特性の向上と、放熱性の向上との両立を図ることができる。
 本実施形態によれば、上コンデンサ部580A及び下コンデンサ部580Bのうち一方では、Pコンデンサ端子582がNコンデンサ端子583よりも径方向外側にあり、他方では、Nコンデンサ端子583がPコンデンサ端子582よりも径方向外側にある。この構成では、Pバスバ601において上P電流IpA及び下P電流IpBのうち一方が径方向RDに流れる距離が、他方が径方向RDに流れる距離よりも短くなる。同様に、Nバスバ602において上N電流InA及び下N電流InBのうち一方が径方向RDに流れる距離が、他方が径方向RDに流れる距離よりも短くなる。このため、Pバスバ601においてP電流IpA,IpBが径方向RDに流れる距離の距離合計と、Nバスバ602においてN電流InA,InBが径方向RDに流れる距離の距離合計と、の差が過剰に大きくなることを抑制できる。
 このようにPバスバ601での距離合計とNバスバ602での距離合計とが均等化されると、Pバスバ601に寄生するインダクタンスL601とNバスバ602に寄生するインダクタンスL602とが均等化されやすくなる。したがって、P電流IpA,IpBがPバスバ601から流れ出ること、及びN電流InA,InBがNバスバ602から流れ出ることを抑制できる。例えば、ノーマルモード電流としてPバスバ601及びNバスバ602を流れるP電流IpA,IpB及びN電流InA,InBが、アースバスバ604に流れ出てコモンモード電流になる、ということを抑制できる。すなわち、バスバ601~604において電流のモード変換が生じることを抑制できる。
 例えば本実施形態とは異なり、Pコンデンサ端子582とNコンデンサ端子583との位置関係が、上コンデンサ部580Aと下コンデンサ部580Bとで同じになっている構成を想定する。この構成では、上P電流IpAが周方向CDに流れる距離及び下P電流IpBが周方向CDに流れる距離が、上N電流InAが周方向CDに流れる距離及び下N電流InBが周方向CDに流れる距離よりも長くなる又は短くなる。このため、Pバスバ601での距離合計とNバスバ602での距離合計との差が大きくなりやすい。そうすると、Pバスバ601に寄生するインダクタンスL601と、Nバスバ602に寄生するインダクタンスL602との差が大きくなるため、電流のモード変換が生じることが懸念される。
 本実施形態によれば、重複領域AOは、上スイッチグループ530GAに含まれる最遠上部品530Afと、下スイッチグループ530GBに含まれる最遠下部品530Bfと、にかけ渡されるように周方向CDに延びている。この構成では、重複領域AOを周方向CDに極力長く延ばすことが可能である。このため、P電流IpA,IpB及びN電流InA,InBと出力電流IoA,IoBとが重なるように流れる範囲が周方向CDに広がりやすい。すなわち、P電流IpA,IpBにより生じる磁束及びN電流InA,InBにより生じる磁束と、出力電流IoA,IoBにより生じる磁束と、が打ち消し合う範囲が周方向CDに広がりやすい。したがって、磁束の打ち消し合いにより寄生インダクタンスが低減される範囲を周方向CDに広げることができ、その結果、バスバ601~603の全体として寄生インダクタンスを低減できる。
 本実施形態によれば、複数の上コンデンサ部580A及び複数の下コンデンサ部580Bが周方向CDに並べられている。この構成では、複数の上コンデンサ部580Aから発生した熱が分散しやすくなっている。このため、コンデンサ部580A,580Bの配置によりインバータ装置80の放熱効果を高めることができる。
 しかも、重複領域AOが上コンデンサグループ580GAと下コンデンサグループ580GBとにかけ渡されるように周方向CDに延びている。このため、Pバスバ601においてコンデンサグループ580GA,580GBから上スイッチグループ530GAに向けて流れるP電流IpA,IpBと、出力バスバ603を流れる出力電流IoA,IoBと、が重複する範囲を周方向CDに極力拡張できる。同様に、Nバスバ602において下スイッチグループ530GBからコンデンサグループ580GA,580GBに向けて流れるN電流InA,InBと、出力バスバ603を流れる出力電流IoA,IoBと、が重複する範囲を周方向CDに極力拡張できる。したがって、バスバ601~603において、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れにより寄生インダクタンスを低減できる範囲を極力広くすることができる。
 本実施形態によれば、バスバ601~603は、それぞれの板面が対向するように重ねられている。この構成では、バスバ601~603を極力近い位置に配置できる。このため、P電流IpA,IpB及びN電流InA,InBにより生じる磁界と、出力電流IoA,IoBにより生じる磁界と、が打ち消し合うことが生じやすい構成を実現できる。
 本実施形態によれば、出力バスバ603がPバスバ601とNバスバ602との間に設けられている。この構成では、出力バスバ603において、電力変換に伴う電位変動により静電誘導が生じるなどして放射ノイズが放出されることをPバスバ601及びNバスバ602により抑制することができる。しかも、Pバスバ601及びNバスバ602においては、電位変動が比較的小さいため、静電誘導などによる放射ノイズが放出されにくくなっている。したがって、放射ノイズを放出しにくいPバスバ601及びN602により出力バスバ603の放出ノイズを遮蔽することが効果的である。以上のように、インバータ装置80のEMC性能をバスバ601~603の配置により高めることができる。
 本実施形態によれば、バスバ601~604において最外位置にアースバスバ604が設けられている。このため、Pバスバ601、Nバスバ602及び出力バスバ603から静電誘導などによる放射ノイズが放出されることをアースバスバ604により抑制できる。
 また、アースバスバ604がPバスバ601、Nバスバ602及び出力バスバ603に重ねられている。この構成では、Pバスバ601、Nバスバ602及び出力バスバ603に接続された部品を、アースバスバ604に近い位置に配置することが可能である。このため、この部品とアースバスバ604との接続経路を短尺化できる。例えば、Yコンデンサ部527を、ESLが低くなるようにアースバスバ604に接続することができる。ESLは、等価直列インダクタンスである。
 さらに、アースバスバ604は、高圧基板510の板面に沿って延びているため、Yコンデンサ部527を高圧基板510のどこにおいてもアースバスバ604に接続することができる。このため、Yコンデンサ部527の設置位置に関する自由度を高めることができる。加えて、アースバスバ604は、高圧基板510を部品支持部500に固定するための複数の固定具を介して部品支持部500に導通している。このため、アースバスバ604を含む接地経路の寄生インピーダンスを低減できる。したがって、EMC性能をアースバスバ604により良好にすること、インバータ装置80をサージから保護する保護効果をアースバスバ604により高めること、の両方を実現できる。
 本実施形態によれば、Pバスバ601、Nバスバ602、出力バスバ603は複数ずつ設けられている。このため、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBによる磁界が複数のバスバ601~603のそれぞれにおいて生じるため、これら磁界が打ち消し合いやすい構成を実現できる。
 また、Pバスバ601及びNバスバ602は、周方向CDに環状に延びている。この構成では、Pバスバ601及びNバスバ602が高圧基板510において外周端512に沿って延びていることで、Pライン141及びNライン142により閉回路を形成することができる。このように、Pライン141及びNライン142が閉回路になっていると、上アーム84と下アーム85との間に生じる寄生インダクタンスが低下しやすくなる。このため、Pライン141及びNライン142に生じる損失を低減できる。
 本実施形態によれば、重複領域AOにおいて流れる出力電流IoA,IoBは、1つの上下アーム回路83を形成する上アームスイッチ部530Aと下アームスイッチ部530Bとの間を流れる電流である。このため、1つの上下アーム回路83に対して生じる寄生インダクタンスを、電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れにより低減できる。
 本実施形態によれば、出力バスバ603には、上ソース端子533A及び下ドレイン端子532Bが周方向CDに離間した位置に接続されている。この構成では、上ソース端子533Aと下ドレイン端子532Bとの離間距離を変更することなどが可能になる。このため、上ソース端子533Aを有する上アームスイッチ部530Aと、下ドレイン端子532Bを有する下アームスイッチ部530Bと、の配置に関する自由度を高めることができる。
 しかも、周方向CDにおいて上ソース端子533Aと下ドレイン端子532Bとの間には、上ドレイン端子532A及びPコンデンサ端子582の少なくとも一方と、下ソース端子533B及び低コンデンサ端子少なくとも一方と、が設けられている。この構成では、周方向CDにおいて上ソース端子533Aと下ドレイン端子532Bとの間では、出力電流IoA,IoBに対してP電流IpA,IpBが逆向きに流れる。また、周方向CDにおいて上ソース端子533Aと下ドレイン端子532Bとの間では、出力電流IoA,IoBに対してN電流InA,InBが逆向きに流れる。したがって、出力電流IoA,IoBにより生じる磁界と、P電流IpA,IpB及びN電流InA,InBにより生じる磁界と、が打ち消し合うことにより、バスバ601~603に寄生するインダクタンスL601~L603を低減することができる。
 <構成群C>
 本実施形態によれば、複数のアームスイッチ部530が、高圧基板510及び駆動基板550に対して外周端512,552に沿って周方向CDに並べられている。この構成では、複数のアームスイッチ部530の位置が軸方向AD及び径方向RDで揃えられている。このため、アームスイッチ部530と高圧基板510及び駆動基板550との位置関係が複数のアームスイッチ部530でばらつく、ということが生じにくい。例えば、径方向RDにおいてスイッチ本体531と高圧基板510との離間距離は、複数のアームスイッチ部530のそれぞれについて同じになりやすい。同様に、径方向RDにおいてスイッチ本体531と駆動基板550との離間距離は、複数のアームスイッチ部530のそれぞれについて同じになりやすい。
 したがって、端子532~533を含む通電経路に生じる寄生インダクタンスが複数のアームスイッチ部530でばらつくなどして、スイッチング精度が複数のアームスイッチ部530でばらつく、ということが生じにくい。例えば、アームスイッチ86が開閉するスイッチングタイミングが上アーム84と下アーム85とでばらつくこと、及び複数の上下アーム回路83でばらつくこと、が生じにくい。このように、アームスイッチ86の動作精度が低下するということが抑制されるため、インバータ装置80の動作精度を高めることができる。
 上述したように、複数のアームスイッチ部530の位置が軸方向AD及び径方向RDで揃えられている。このため、スイッチ本体531と基板510,550との離間距離を複数のアームスイッチ部530で均一化しやすい。したがって、スイッチ本体531と基板510,550との離間距離が過剰に大きいということを抑制できる。換言すれば、スイッチ本体531と基板510,550との間の配線長を低減できる。配線長は、例えば露出部532ex~535exの長さである。配線長が低減されると、配線に生じる寄生インダクタンスが低減される。配線においては、寄生インダクタンスが低減することでサージ電圧を下げることができる。そして、サージ電圧が下がった分だけ、アームスイッチ86のスイッチング速度を速くすることができるため、損失を低減することが可能になる。
 複数のアームスイッチ86が並列に接続されたインバータ装置80においては、ゲート電圧Vgが発振するという現象が生じることがある。アームスイッチ86に流れる電流のバランスが、並列に接続された複数のアームスイッチ86で崩れると、ゲート電圧Vgが発信しやすい。また、アームスイッチ86のスイッチング速度が速いほど、ゲート電圧Vgの発信が大きくなりやすい。これに対して、配線の寄生インダクタンスが小さいほど、ゲート電圧Vgが発振しにくくなるため、アームスイッチ86のスイッチング速度を速くすることができる。したがって、配線に生じる寄生インダクタンスを低減することで、アームスイッチ86のスイッチング速度を速くし、損失を下げることが可能になる。
 インバータ装置80においては、バッテリ31からの印加電圧が高いほど、寄生インダクタンスによる損失が生じやすい。また、アームスイッチ86のスイッチングが高速になるほど、寄生インダクタンスによる損失が生じやすい。このため、インバータ装置80の高電圧化及び高速スイッチング化の少なくとも一方が行われても、複数のアームスイッチ部530が外周端512,552に沿って周方向CDに並べられていることで、寄生インダクタンスによる損失を低減できる。
 本実施形態によれば、スイッチ本体531が駆動基板550よりも高圧基板510に近い位置に設けられている。このため、ドレイン端子532及びソース端子533がゲート端子534及びドライバソース端子535よりも短い構成を実現しやすい。このようにドレイン端子532及びソース端子533といったパワー端子が短尺化されることで、パワー端子により生じる寄生インダクタンスを低減できる。このため、パワー端子により生じる損失を低減できる。
 本実施形態によれば、ドレイン露出部532ex及びソース露出部533exがゲート露出部534ex及びドライバソース端子535よりも短い。このため、ドレイン露出部532ex及びソース露出部533exといったパワー繋ぎ部により生じる寄生インダクタンスを低減できる。このように、パワー繋ぎ部の短尺化により配線の寄生インダクタンスを低減することで、アームスイッチ86のスイッチング速度を速くして損失を下げる、ことを実現できる。
 本実施形態によれば、ドレイン端子532及びソース端子533が折り返された形状になっている。この構成では、ドレイン端子532及びソース端子533において互いに折り返された2つの部位については、通電により生じる磁界が互いに打ち消し合う状態になる。このため、ドレイン端子532及びソース端子533に生じる寄生インダクタンスを低減できる。例えば、ドレイン端子532及びソース端子533においては、基端延出部536aに流れる電流の向きと、先端延出部536bに流れる電流の向きとが逆になる。このため、基端延出部536aに流れる電流による磁束と、先端延出部536bに流れる電流による磁束とが互いに打ち消し合う状態になる。したがって、基端延出部536a及び先端延出部536bに生じる寄生インダクタンスを低減できる。
 本実施形態によれば、端子532~535の接続対象が基板510,550であるため、端子532~535と基板510,550との接続構造を簡易化できる。また、基板510,550が板状であるため、複数のアームスイッチ部530を外周端512,552に沿って周方向CDに並べる構成を容易に実現できる。
 本実施形態によれば、ドレイン端子532及びソース端子533が基板中間線Cmidから高圧基板510側に離間した位置に設けられている。この構成では、ドレイン端子532及びソース端子533を駆動基板550から極力離間させることができる。このため、ドレイン端子532及びソース端子533を流れる電流により駆動基板550にノイズ等が生じることを抑制できる。したがって、駆動基板550の動作精度を高めることができる。
 本実施形態によれば、高圧基板510がPバスバ601、Nバスバ602及び出力バスバ603といったパワーバスバを有している。このため、ドレイン端子532及びソース端子533といったパワー端子をパワーバスバに通電可能に接続する構成を、単にパワー端子を高圧基板510に接続することで実現できる。したがって、パワー端子とパワーバスバとを接続する構成を簡易化できる。
 本実施形態によれば、外周端512,552及びアームスイッチ列530Rがいずれも周方向CDに環状に延びている。このため、周方向CDのどの位置においても、アームスイッチ部530から端子532~535を径方向RDに延ばすことで高圧基板510及び駆動基板550に接続できる。したがって、端子532~535の長さ寸法がばらつくということを周方向CDの全体において抑制できる。
 しかも、アームスイッチ列530Rが周方向CDに環状に延びているため、アームスイッチ列530Rにおいて複数のアームスイッチ部530の熱を周方向CDの全体で径方向外側に向けて放出できる。このため、アームスイッチ部530から発生した熱が、インバータ外周壁91の一部及びインバータハウジング90の内部の一部などに溜まる、ということを抑制できる。
 本実施形態によれば、スイッチ本体531が内周面90bに設けられている。この構成では、スイッチ本体531を高圧基板510及び駆動基板550に搭載する必要がない。このため、スイッチ本体531を搭載しない分だけ高圧基板510及び駆動基板550を小型化できる。すなわち、高圧基板510及び駆動基板550において、基板面積を低減できる。このように高圧基板510及び駆動基板550を径方向RDに小型化することで、インバータハウジング90の内径を短縮することができる。すなわち、インバータハウジング90及びインバータ装置80を小型化することができる。
 また、スイッチ本体531が内周面90bに設けられていることで、スイッチ本体531の熱が内周面90bに伝わりやすくなっている。このため、スイッチ本体531の放熱効果をインバータ外周壁91により高めることができる。
 本実施形態によれば、スイッチ本体531においては、第2板面531bからの放熱が第1板面531aからの放熱よりも大きい。この構成では、第1板面531aから径方向内側に向けて放出される熱が低減されるため、インバータハウジング90の内部に熱が溜まりにくくなっている。しかも、第2板面531bから径方向外側に向けて放出される熱が大きくなりやすい。このため、スイッチ本体531からインバータ外周壁91を介して外部に放出される熱が大きくなりやすい。したがって、インバータ装置80の放熱効果を第2板面531bにより高めることができる。
 <構成群D>
 本実施形態によれば、アームスイッチ部530は、インバータ外周壁91に対して周方向CDに複数並べられ、内周面90bに接触されている。この構成では、複数のアームスイッチ部530のそれぞれにおいて、発生した熱がスイッチ本体531から内周面90bに直接的に伝わりやすい。しかも、インバータ外周壁91においては外周面90aであるため、アームスイッチ部530からインバータ外周壁91に伝わった熱は、外周面90aから外部に放出されやすい。このため、アームスイッチ部530の温度が過剰に高くなること、1つのアームスイッチ部530から発生した熱が他のアームスイッチ部530に付与されること、などを抑制できる。したがって、インバータ装置80の放熱効果を高めることができる。これにより、例えばインバータ装置80の温度が過剰に上昇して異常が発生する、ということを抑制できる。
 本実施形態によれば、通電による発熱がアームスイッチ部530よりも小さい平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524が、アームスイッチ部530よりも径方向内側に設けられている。この構成では、アームスイッチ部530から径方向外側に向けて進む熱が平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524に付与される、ということを回避できる。この場合、アームスイッチ部530の熱によって平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524の温度が上昇する、ということが生じにくい。また、この場合、アームスイッチ部530の熱がインバータ外周壁91に到達することが平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524により阻害される、ということが生じにくい。したがって、アームスイッチ部530、平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524のそれぞれについて放熱効果を高めることができる。
 本実施形態によれば、アームスイッチ列530Rが周方向CDに環状に延びている。この構成では、アームスイッチ列530Rが有する複数のアームスイッチ部530の熱を周方向CDにおいてインバータ外周壁91の全体から外部に放出させることができる。このため、インバータ外周壁91の一部及びインバータハウジング90の内部空間の一部などに熱が溜まるということが生じにくくなっている。したがって、例えばインバータ装置80の一部の温度が過剰に上昇して異常が発生する、ということを抑制できる。
 しかも、コンデンサ列580R及びフィルタ列524Rが、アームスイッチ列530Rよりも径方向内側において周方向CDに環状に延びている。この構成では、平滑コンデンサ部580の熱及びフィルタ部品524の熱が周方向CDの一部に溜まるということが生じにくくなっている。このため、例えばアームスイッチ列530Rよりも径方向内側の位置において一部の温度が過剰に上昇してインバータ装置80に異常が発生する、ということを抑制できる。
 本実施形態によれば、通電による発熱が平滑コンデンサ部580よりも小さいフィルタ部品524が、平滑コンデンサ部580よりも径方向内側に設けられている。この構成では、インバータ装置80の中央側にて発生する熱が極力小さくなるように平滑コンデンサ部580とフィルタ部品524との位置関係が設定されている。このため、インバータ装置80の中央側に熱が溜まるということが生じにくくなっている。したがって、例えばインバータ装置80の中央側の温度が過剰に上昇して異常が発生する、ということを抑制できる。
 本実施形態によれば、フィルタ列524Rが、コンデンサ列580Rよりも径方向内側において周方向CDに環状に延びている。この構成では、コンデンサ列580Rよりも径方向内側において、フィルタ部品524の熱が周方向CDの一部に溜まるということが生じにくくなっている。このため、例えばインバータ装置80の中央側にて一部の温度が過剰に上昇してインバータ装置80に異常が発生する、ということを抑制できる。
 本実施形態によれば、板部材としての高圧基板510がインバータ外周壁91に対して内周面90bから径方向内側に離間した位置に設けられている。このため、平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524が高圧基板510に固定されることで、平滑コンデンサ部580及びフィルタ部品524がアームスイッチ部530よりも径方向内側に設けられた構成を容易に実現できる。
 本実施形態によれば、複数の平滑コンデンサ部580のうちグループ並び部品580cは、スイッチグループ530Gに径方向RDに並ぶ位置に設けられている。この構成では、グループ並び部品580cがアームスイッチ部530よりも径方向内側に配置されることでグループ並び部品580cの放熱効果を高めた上で、スイッチグループ530Gとグループ並び部品580cとの離間距離を極力短くできる。このため、スイッチグループ530Gが有するアームスイッチ部530とグループ並び部品580cとを通電可能に接続する通電経路を最短経路にするなど極力短くできる。したがって、アームスイッチ部530とグループ並び部品580cとの通電経路において寄生インダクタンスなどにより生じる損失を低減できる。
 本実施形態によれば、インバータコネクタ96がインバータ外周壁91において中間領域Asw2に設けられている。このため、スイッチ領域Asw1においてインバータ外周壁91からのアームスイッチ部530の放熱がインバータコネクタ96により阻害されるということを回避できる。したがって、インバータ外周壁91の放熱効果がインバータコネクタ96により低下するということを抑制できる。
 しかも、複数のフィルタ部品524のうちコネクタ並び部品524bは、インバータコネクタ96に径方向RDに並ぶ位置に設けられている。この構成では、コネクタ並び部品524bの径方向外側にアームスイッチ部530が設けられていないため、コネクタ並び部品524bの熱がインバータコネクタ96に向けて径方向外側に逃げやすい。このため、アームスイッチ部530よりも径方向内側において、フィルタ部品524の熱が溜まるということを抑制できる。
 また、この構成では、インバータコネクタ96とコネクタ並び部品524bとの離間距離を極力短くできる。このため、コネクタ並び部品524bに接続された電源線570,571をインバータコネクタ96から最短ルートなど極力短いルートで引き出すことが可能になる。このように、電源線570,571が形成するライン141,142といった通電経路を極力短くできるため、ライン141,142において寄生インダクタンスなどにより生じる損失を低減できる。
 本実施形態によれば、アームスイッチ部530においては、スイッチ本体531が有する第2板面531bが内周面90bに重ねられた状態になっている。この構成では、スイッチ本体531からインバータ外周壁91に熱が伝わる伝熱面積を極力大きくできる。このため、スイッチ本体531の熱がインバータ外周壁91に伝わりやすくなる。スイッチ本体531からインバータ外周壁91に熱が伝わる熱伝達効果を高めることができる。
 本実施形態によれば、スイッチ本体531においては、第2板面531bからの放熱が第1板面531aからの放熱よりも大きいため、スイッチ本体531にて発生する熱について、できるだけ多くの熱をインバータ外周壁91に伝えることができる。したがって、スイッチ本体531からインバータ外周壁91に熱が伝わりやすい構成を実現できる。
 本実施形態によれば、アームスイッチ部530においては、スイッチ本体531の熱が第1放熱経路PH1により外部に放出され、端子532~535の熱が第2放熱経路PH2及び第3放熱経路PH3により外部に放出される。このように、アームスイッチ部530の熱が複数の経路でインバータ外周壁91の外部に放出されることで、インバータ装置80の放熱効果を高めることができる。
 <構成群B>
 <第2実施形態>
 上記第1実施形態では、出力バスバ603がPバスバ601とNバスバ602との間に設けられていた。これに対して、第2実施形態では、出力バスバ603がPバスバ601とNバスバ602との間に設けられていない。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
 図29に示すように、Pバスバ601がNバスバ602と出力バスバ603との間に設けられている。Pバスバ601は、第1バスバセット611及び第2バスバセット612のそれぞれにおいて、Nバスバ602と出力バスバ603との間に設けられている。例えば、第1バスバセット611に含まれる出力バスバ603は、アースバスバ604とPバスバ601との間に設けられている。第2バスバセット612に含まれるNバスバ602は、Pバスバ601とアースバスバ604との間に設けられている。
 本実施形態でも、アームスイッチ部530及び平滑コンデンサ部580とバスバ601~603との接続関係は、図30に示すように、上記第1実施形態と同じである。また、バスバ601~603での電流IpA,IpB,InA,InB,IoA,IoBの流れは、図31、図32に示すように、上記第1実施形態と同じである。
 なお、Pバスバ601、Nバスバ602、出力バスバ603の並び順は、どのようになっていてもよい。例えば、第1バスバセット611と第2バスバセット612とで、バスバ601~603の並び順が異なっていてもよい。また、軸方向ADに隣り合うバスバが同じ種類のバスバになっていてもよい。例えば、2つのPバスバ601が軸方向ADに隣り合う位置に設けられていてもよい。さらに、バスバセット611,612は、1つだけ設けられていてもよく、3つ以上設けられていてもよい。加えて、Pバスバ601、Nバスバ602、出力バスバ603の少なくとも1つが複数設けられていてもよい。
 <第3実施形態>
 上記第1実施形態では、上コンデンサ部580Aと下コンデンサ部580Bとが径方向RDでの設置向きが逆になっていた。これに対して、第3実施形態では、上コンデンサ部580Aと下コンデンサ部580Bとで径方向RDでの設置向きが同じになっている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1、第2実施形態と同様である。第3実施形態では、上記第1、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
 図33に示すように、上コンデンサ部580A及び下コンデンサ部580Bのいずれにおいても、Pコンデンサ端子582がNコンデンサ端子583から径方向外側に離間した位置に設けられている。上Pコンデンサ端子582A及び下Pコンデンサ端子582Bはいずれも、上Nコンデンサ端子583A及び下Nコンデンサ端子583Bから径方向外側に離間した位置にある。
 本実施形態では、P電流IpA,IpB及びN電流InA,InBが径方向RDに流れる距離が上記第1実施形態とは異なる。図34に示すように、Pバスバ601においては、上P電流IpA及び下P電流IpBがいずれも、Nコンデンサ端子583よりも径方向外側にあるPコンデンサ端子582から上ドレイン端子532Aに流れ込む。Nバスバ602においては、下ソース端子533Bから流れ出た上N電流InA及び下N電流InBがいずれも、Pコンデンサ端子582よりも径方向内側にあるNコンデンサ端子583に流れ込む。このため、Pバスバ601においてP電流IpA,IpBが径方向RDに流れる距離の合計が、Nバスバ602においてN電流InA,InBが径方向RDに流れる距離の合計よりも短くなっている。
 なお、平滑コンデンサ部580の設置向きは、1つのコンデンサグループ580Gが有する複数の平滑コンデンサ部580で異なっていてもよい。例えば、1つの上コンデンサグループ580GAにおいて、複数の上コンデンサ部580Aで設置向きが異なっていてもよい。また、相ごとに平滑コンデンサ部580の設置向きが異なっていってもよい。例えば、U相の平滑コンデンサ部580とV相の平滑コンデンサ部580とで設置向きが異なっていてもよい。さらに、インバータ装置80が有する全ての平滑コンデンサ部580の設置向きが同じになっていてもよい。
 平滑コンデンサ部580においては、Pコンデンサ端子582とNコンデンサ端子583とが径方向RDに並んでいなくてもよい。例えば、Pコンデンサ端子582とNコンデンサ端子583とは、周方向CDに並んでいてもよく、軸方向ADに並んでいてもよい。また、コンデンサ本体581からPコンデンサ端子582及びNコンデンサ端子583が延びた方向は、軸方向ADでなくてもよい。例えば、コンデンサ端子582,583は、周方向CDに延びていてもよく、径方向RDに延びていてもよい。さらに、Pコンデンサ端子582とNコンデンサ端子583とで、コンデンサ本体581から延びる向きが異なっていてもよい。
 <第4実施形態>
 上記第1実施形態では、バスバ601~603に対してアースバスバ604が複数設けられていた。これに対して、第4実施形態では、バスバ601~603に対してアースバスバ604が1つだけ設けられている。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1、第2実施形態と同様である。第4実施形態では、上記第1、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
 図35に示すように、アースバスバ604は、複数の板状導体に含まれる一対の最外位置のうち一方だけに設けられている。アースバスバ604は、例えばバスバ601~603に対して軸方向ADの低圧側だけに設けられている。アースバスバ604は、バスバ601~603とコンデンサ本体581との間にアースバスバ604が設けられていない。アースバスバ604は、軸方向ADにおいてバスバ601~603を介してコンデンサ本体581とは反対側に設けられている。
 なお、アースバスバ604は、バスバ601~603の間に設けられていてもよい。例えば、アースバスバ604がPバスバ601とNバスバ602との間に設けられていてもよい。また、アースバスバ604は、複数のバスバセット611,612の間に設けられていてもよい。例えば、アースバスバ604が第1バスバセット611と第2バスバセット612との間に設けられていてもよい。
 <構成群C>
 <第5実施形態>
 上記第1実施形態では、スイッチ本体531において第2板面531bが内周面90bに重ねられていた。これに対して、第2実施形態では、スイッチ本体531において本体基端部531cが内周面90bに重ねられている。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第5実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
 図36に示すように、板状のスイッチ本体531が軸方向ADに直交する方向に延びている。スイッチ本体531においては、本体基端部531cが内周面90bに接触している。
 スイッチ本体531は、軸方向ADにおいて高圧基板510と駆動基板550との間に設けられている。軸方向ADにおいては、スイッチ本体531が高圧基板510及び駆動基板550のいずれからも離間した位置にある。本実施形態でも、スイッチ本体531は、駆動基板550よりも高圧基板510に近い位置にある。なお、スイッチ本体531は、基板中間線Cmidを軸方向ADに跨ぐ位置にあってもよく、基板中間線Cmidから軸方向ADに離間した位置にあってもよい。
 スイッチ本体531の全体が、軸方向ADにおいて第1高圧面510aと第2制御面550bとの間に設けられている。スイッチ本体531は、軸方向ADにおいて第1高圧面510aから高圧側にはみ出しておらず、第2制御面550bから低圧側にはみ出していない。基板領域を径方向外側に向けて投影した投影領域には、スイッチ本体531の全体が含まれている。
 端子532~535は、全体としてL字状になるように曲がった形状になっている。端子532~535においては、基端延出部536aがスイッチ本体531から径方向内側に向けて延びている。そして、ドレイン端子532及びソース端子533においては、先端延出部536bが基端延出部536aから軸方向ADの高圧側に向けて延びている。ゲート端子534及びドライバソース端子535においては、先端延出部536bが基端延出部536aから軸方向ADの低圧側に向けて延びている。
 <第6実施形態>
 上記第1実施形態では、アームスイッチ部530が4端子タイプのスイッチモジュールであった。これに対して、第2実施形態では、複数のアームスイッチ部530に、4端子タイプのスイッチモジュールと、6端子タイプのスイッチモジュールとが含まれている。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第6実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
 図37に示すように、4端子のアームスイッチ部530及び6端子のアームスイッチ部530が、複数のアームスイッチ部530に含まれている。本実施形態では、4端子タイプのスイッチモジュールを4端子のアームスイッチ部530と称する。同様に、6端子タイプのスイッチモジュールを6端子のアームスイッチ部530と称する。4端子のアームスイッチ部530及び6端子のアームスイッチ部530は、1つのスイッチグループ530Gに含まれている。1つのスイッチグループ530Gにおいては、4端子のアームスイッチ部530と6端子のアームスイッチ部530とが電気的に並列に接続されている。1つのスイッチグループ530Gには、例えば4端子のアームスイッチ部530と6端子のアームスイッチ部530とが複数ずつ含まれている。
 6端子のアームスイッチ部530は、端子532~535に加えて、アノード端子591及びカソード端子592を有している。6端子のアームスイッチ部530は、図示しない感温ダイオードを有している。感温ダイオードは、アームスイッチ86の温度を検出する温度センサである。感温ダイオードは、アームスイッチ部530の温度を検出可能である。アノード端子591は、感温ダイオードのアノードに接続されている。カソード端子592は、感温ダイオードのカソードに接続されている。アノード端子591及びカソード端子592は、検出端子であり、駆動基板550に通電可能に接続されている。
 アノード端子591及びカソード端子592は、端子532~535と共にスイッチ本体531の幅方向に並べられている。本実施形態では、アノード端子591及びカソード端子592が、端子532~535と共に周方向CDに並べられている。なお、端子532~535,591,592は、径方向RDにずれていてもよく、径方向RDにずれていなくてもよい。
 <第7実施形態>
 上記第6実施形態では、1つのスイッチグループ530Gに4端子のアームスイッチ部530と6端子のアームスイッチ部530とが混在していた。これに対して、第2実施形態では、1つのスイッチグループ530Gに4端子のアームスイッチ部530及び6端子のアームスイッチ部530のうち一方だけが含まれている。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第6実施形態と同様である。第7実施形態では、上記第6実施形態と異なる点を中心に説明する。
 図38に示すように、4端子のアームスイッチ部530及び6端子のアームスイッチ部530のうち6端子のアームスイッチ部530だけが、1つのスイッチグループ530Gに含まれている。
 なお、インバータ装置80が有する複数のアームスイッチ部530が全て、6端子のアームスイッチ部530であってもよい。また、インバータ装置80が有する複数のスイッチグループ530Gには、4端子のアームスイッチ部530だけを有するスイッチグループ530Gと、6端子のアームスイッチ部530だけを有するスイッチグループ530Gと、が含まれていてもよい。さらに、複数のスイッチグループ530Gには、4端子及び6端子のうち一方のアームスイッチ部530だけを有するスイッチグループ530Gと、4端子及び6端子の両方のアームスイッチ部530を有するスイッチグループ530Gと、が含まれていてもよい。
 <第8実施形態>
 上記第6実施形態では、複数のアームスイッチ部530に、6端子タイプのスイッチモジュールが含まれていた。これに対して、第8実施形態では、複数のアームスイッチ部530に7端子タイプのスイッチモジュールが含まれている。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第8実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
 図39に示すように、7端子のアームスイッチ部530が複数のアームスイッチ部530に含まれている。本実施形態では、7端子タイプのスイッチモジュールを7端子のアームスイッチ部530と称する。7端子のアームスイッチ部530は、1つのスイッチグループ530Gに複数含まれている。例えば、1つのスイッチグループ530Gには、7端子のアームスイッチ部530だけが含まれている。
 7端子のアームスイッチ部530は、端子532~535,591,592に加えて、センスソース端子593を有している。7端子のアームスイッチ部530は、図示しない電流検出部を有している。この電流検出部は、アームスイッチ86に流れる電流を検出することが可能である。センスソース端子593は、電流検出部に接続されている。センスソース端子593は、検出端子であり、駆動基板550に通電可能に接続されている。
 センスソース端子593は、端子532~535,591,592と共にスイッチ本体531の幅方向に並べられている。本実施形態では、センスソース端子593が、端子532~535,591,592と共に周方向CDに並べられている。なお、端子532~535,591~593は、径方向RDにずれていてもよく、径方向RDにずれていなくてもよい。
 なお、インバータ装置80が有する複数のアームスイッチ部530が全て、7端子のアームスイッチ部530であってもよい。また、インバータ装置80が有する複数のアームスイッチ部530には、複数種類のアームスイッチ部530が含まれていてもよい。例えば、複数のアームスイッチ部530に、4端子、6端子及び7端子のアームスイッチ部530が少なくとも1つずつ含まれていてもよい。さらに、1つのスイッチグループ530Gには、複数種類のアームスイッチ部530が含まれていてもよい。例えば、1つのスイッチグループ530Gに、4端子、6端子及び7端子のアームスイッチ部530が少なくとも1つずつ含まれていてもよい。
 <他の実施形態>
 この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
 <構成群A>
 上記各実施形態において、複数の梁部501は、周方向CDに複数並べられていれば、周方向CD及び軸方向ADのどの位置にあってもよい。例えば、梁部501は、インバータ外周壁91において高圧側端部よりも低圧側端部に近い位置にあってもよく、低圧側端部よりも高圧側端部に近い位置にあってもよい。また、梁部501は、径方向RDにおいてインバータフィン92に重複する位置にあってもよい。
 上記各実施形態において、梁連結部502は、複数の梁部501を連結していれば、環状でなくてもよい。例えば梁連結部502に連結開口504が設けられていなくてもよい。高圧基板510等の板部材は、梁部501に固定されていれば、梁連結部502には固定されていなくてもよい。部品支持部500は、梁部501を有していれば、梁連結部502を有していなくてもよい。例えば、部品支持部500は、互いに独立した複数の梁部501を有していてもよい。この場合でも、複数の梁部501に、高圧基板510等の板部材がかけ渡された状態で固定されていればよい。板部材は、少なくとも1つの梁部501に固定されていればよい。
 上記各実施形態において、梁部501とインバータ外周壁91とは一体成形されていなくてもよい。例えば、梁部501は、インバータ外周壁91に後付けされてもよい。また、梁部501とインバータ外周壁91とは、導通していなくてもよい。例えば、梁部501及びインバータ外周壁91の少なくとも一方が導電性を有していない又は低くてもよい。さらに、梁部501とインバータ外周壁91とは、伝熱可能になっていなくてもよい。例えば、梁部501及びインバータ外周壁91の少なくとも一方が熱伝導性を有していない又は低くてもよい。
 上記各実施形態において、梁部501を介して対向する2つの板部材は、回路基板であればよい。例えば、制御基板560が、複数の梁部501にかけ渡され且つ複数の梁部501に固定されていてもよい。また、梁部501を介して対向する2つの板部材の両方が高圧基板510でもよく、駆動基板550等の低圧基板でもよい。駆動基板550と制御基板560は一体化されていてもよい。
 上記各実施形態において、複数の梁部501にかけ渡され且つ固定された板部材は、高圧基板510等の回路基板でなくてもよい。例えば、絶縁性を有するガラス製の板材が板部材として、複数の梁部501にかけ渡され且つ固定されていてもよい。また、高圧基板510等の第1板部材及び駆動基板550等の第2板部材うち、少なくとも一方が回路基板ではない板部材でもよい。
 上記各実施形態において、梁部501に固定された高圧基板510等の板部材は、環状でなくてもよい。例えば、基板開口513等の開口が設けられていない板部材でもよい。また、軸方向ADにおいて梁部501の一方側だけに高圧基板510等の板部材が設けられていてもよい。軸方向ADにおいて梁部501の少なくとも一方において、複数の板部材が梁部501に沿って径方向RD及び周方向CDの少なくとも一方に並べられていてもよい。
 上記各実施形態において、アームスイッチ部530は、梁部501に対して軸方向ADにずれた位置に設けられていれば、梁部501よりも低圧側に設けられていてもよい。また、アームスイッチ部530は、梁部501に対して軸方向ADに重複する位置に設けられていてもよい。例えば、アームスイッチ部530と梁部501とが周方向CDに並べられていてもよい。さらに、アームスイッチ部530の少なくとも一部は、軸方向ADにおいて高圧基板510等の板部材に重複する位置に設けられていてもよい。例えば、アームスイッチ部530の一部が高圧基板510と駆動基板550との間に入り込んだ状態になっていてもよい。
 上記各実施形態において、スイッチ本体531は、板面531a,531bが径方向RDに直交する向きになっていなくてもよい。例えばスイッチ本体531は、板面531a,531bが軸方向ADに直交する向きに設けられていてもよい。また、スイッチ本体531は、板面531a,531bが周方向CDに直交する向きに設けられていてもよい。
 上記各実施形態において、スイッチ本体531は、高圧基板510等の板部材及びインバータ外周壁91の少なくとも一方に固定されていてもよい。例えば、スイッチ本体531は、高圧基板510に固定されていてもよい。また、スイッチ本体531は、インバータ外周壁91から径方向内側に離間した位置に設けられていてもよい。これらの構成でも、複数のアームスイッチ部530が内周面90bに沿って並べられていれば、アームスイッチ部530の熱がインバータ外周壁91に付与されやすい。
 上記各実施形態において、複数のアームスイッチ部530は、一列ではなく、複数列で周方向CDに並べられていてもよい。複数列は、軸方向ADに並べられていてもよく、径方向RDに並べられていてもよい。例えば、1つのスイッチグループ530Gが有する複数のアームスイッチ部530が2列に並べられていてもよい。また、一列に並べられた複数のアームスイッチ部530を有するスイッチグループ530Gが、軸方向ADに2つ並べられていてもよい。また、複数のアームスイッチ部530を平面に集合させたパワーモジュールとして、内周面90bに平面を構成し、ここに配置しても良い。
 上記各実施形態において、スイッチグループ530Gは、梁部501に対して周方向CDに重複する位置に設けられていてもよい。例えば、1つのスイッチグループ530Gが梁部501を周方向CDに跨ぐ位置に設けられていてもよい。また、1つのスイッチグループ530Gが、周方向CDに隣り合う2つの梁部501にかけ渡された状態になっていてもよい。
 <構成群B>
 上記各実施形態において、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bは、ドライバソース端子535等の出力制御端子を有していなくてもよい。例えば、図22に示すように、駆動電源620がソース端子533とゲート端子534とに制御電圧を印加する構成であってもよい。すなわち、アームスイッチ部530は、3端子タイプのスイッチモジュールであってもよい。このアームスイッチ部530は、ドレイン端子532、ソース端子533及びゲート端子534を有している一方で、ドライバソース端子535を有していない。第1スイッチ部530A1及び第2スイッチ部530A2が3端子タイプであっても、上記第1実施形態と同様に、インダクタンスLs1とインダクタンスLs2とに差が生じると、電流アンバランスが生じやすくなる。このため、第1スイッチ部530A1及び第2スイッチ部530A2が3端子タイプであっても、上記第1実施形態と同様に、インダクタンスL603を低減することで、電流アンバランスを抑制できる。
 上記各実施形態では、上P電流IpA等の高電位電流、上N電流InA等の低電位電流、及び上出力電流IoA等の出力電流が重複領域AOに流れるのであれば、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bは、どのように設けられていてもよい。例えば、上アームスイッチ部530Aと下アームスイッチ部530Bとは、軸方向AD及び径方向RDにずれた位置に設けられていてもよい。また、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bは、複数ずつではなく1つずつ設けられていてもよい。上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bは、基板510,550,560、及び部品支持部500等に設けられていてもよい。上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bは、内周面90bから径方向内側に離間した位置に設けられていてもよい。
 上記各実施形態では、上P電流IpA等の高電位電流、上N電流InA等の低電位電流、及び上出力電流IoA等の出力電流が重複領域AOに流れるのであれば、平滑コンデンサ部580等のコンデンサ部品は、どのように設けられていてもよい。例えば、平滑コンデンサ部580は、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bから周方向CD及び軸方向ADなどに離間した位置に設けられていてもよい。平滑コンデンサ部580は、重複領域AOから離間した位置に設けられていてもよい。平滑コンデンサ部580は、上アームスイッチ部530A及び下アームスイッチ部530Bに対して1つだけ設けられていてもよい。コンデンサ部品は、平滑コンデンサ部580でなくてもよい。例えばXコンデンサ部528がコンデンサ部品として設けられていてもよい。
 上記各実施形態において、バスバ601~603が延びる延び方向は周方向CDでなくてもよい。例えば、インバータ外周壁91において所定方向に直線状に延びた部位に対してバスバ601~603が設けられた構成であれば、バスバ601~603の延び方向は所定方向になる。バスバ601~603が重ねられる方向は、周方向CD及び径方向RDなどでもよい。
 上記各実施形態において、高電位導体、低電位導体及び出力導体は、導体であればバスバでなくてもよい。また、高電位導体、低電位導体及び出力導体は、互いに沿って延びていれば、板状でなくてもよい。
 上記各実施形態において、高電位導体及び低電位導体の少なくとも一方が出力導体に沿って延びていればよい。例えば高電位導体及び低電位導体のうち一方だけが出力導体に沿って延びた構成とする。この構成でも、出力電流IoA,IoBが流れる重複領域AOにおいて、P電流IpA,IpB及びN電流InA,InBのうち一方が周方向CDにおいて出力電流IoA,IoBとは逆向きに流れていればよい。この構成では、平滑コンデンサ部580が並列部品に相当し、P電流IpA,IpB及びN電流InA,InBのうち一方が並列電流に相当する。また、Pバスバ601及びNバスバ602のうち一方が電力導体に相当する。
 この構成によれば、重複領域AOにおいては、Pバスバ601及びNバスバ602のうち一方に流れる並列電流が、出力バスバ603に流れる出力電流IoA,IoBとは周方向CDにおいて逆向きになる。このため、並列電流により生じる磁界と、出力電流IoA,IoBにより生じる磁界とが打ち消し合うことにより、Pバスバ601及びNバスバ602のうち一方及び出力バスバ603に生じる寄生インダクタンスを低減できる。
 <構成群C>
 上記各実施形態において、本体放熱部538はスイッチ本体531のどの部位に設けられていてもよい。なお、スイッチ本体531においてインバータ外周壁91に接触している部位に本体放熱部538が設けられていることが好ましい。例えば、スイッチ本体531において本体基端部531cが内周面90bに接触している構成では、本体放熱部538が内周面90bに接触するように本体基端部531cに設けられていることが好ましい。
 上記各実施形態において、ドレイン端子532等のパワー端子は、基板中間線Cmidを軸方向ADに跨いだ状態になっていてもよい。例えば、スイッチ本体531が基板中間線Cmidよりも低圧側にある構成では、パワー端子が基板中間線Cmidを軸方向ADに跨いだ状態になる。また、ゲート端子534等の制御端子は、基板中間線Cmidを軸方向ADに跨いだ状態になっていなくてもよい。例えば、スイッチ本体531が基板中間線Cmidよりも低圧側にある構成では、制御端子が基板中間線Cmidよりも低圧側に配置されることが可能である。
 上記各実施形態において、スイッチ本体531は、どの向きで設けられていてもよい。スイッチ本体531は、例えば図36に示すように軸方向ADに直交する向きで設けられていてもよく、周方向CDに直交する向きで設けられていてもよい。
 上記各実施形態において、スイッチ本体531が設けられた位置は、駆動基板550よりも高圧基板510に近い位置でなくてもよい。例えば、スイッチ本体531は、高圧基板510よりも駆動基板550に近い位置に設けられていてもよい。また、スイッチ本体531のうち、軸方向ADにおいて第1高圧面510aと第2制御面550bとの間に設けられる部位は本体基端部531cでなくてもよい。例えば、基板領域を径方向外側に向けて投影した投影領域には、少なくとも本体先端部531dが含まれていてもよい。
 上記各実施形態において、複数のアームスイッチ部530が外周端512,552に沿って周方向CDに並べられていれば、スイッチ本体531は内周面90bに設けられていなくてもよい。例えば、スイッチ本体531は内周面90bから径方向内側に離間した位置に設けられていてもよい。また、スイッチ本体531は、高圧基板510及び駆動基板550の少なくとも一方に設けられていてもよい。なお、スイッチ本体531からのノイズによる駆動基板550の動作精度低下を抑制するという観点では、スイッチ本体531は駆動基板550に設けられないことが好ましい。
 上記各実施形態において、外周端512等のパワー外周端、及び外周端552等の制御外周端は、周方向CDに断続的に延びていてもよい。パワー外周端及び制御外周端が周方向CDに断続的に延びた構成としては、例えばパワー外周端及び制御外周端において、径方向内側に向けて凹んだ凹部が周方向CDに複数並べられた構成がある。この構成でも、ドレイン端子532等のパワー端子が、高圧基板510等のパワー接続対象において周方向CDに隣り合う2つの凹部の間に接続されていれば、複数のパワー端子の長さがばらつくことを抑制できる。同様に、ゲート端子534等の制御端子が、駆動基板550等の制御接続対象において周方向CDに隣り合う2つの凹部の間に接続されていれば、複数の制御端子の長さがばらつくことを抑制できる。
 上記各実施形態において、パワー外周端及び制御外周端は、周方向CDに延びていれば環状でなくてもよい。例えば、パワー外周端及び制御外周端は、周方向CDに複数並べられていてもよい。同様に、アームスイッチ列530Rは、周方向CDに延びていれば環状でなくてもよい。例えば、アームスイッチ列530Rは、周方向CDに複数並べられていてもよい。
 上記各実施形態において、パワー接続対象及び制御接続対象は、回路基板でなくてもよい。例えば、パワー接続対象としてのPバスバ601、Nバスバ602及び出力バスバ603は、高圧基板510から独立して設けられていてもよい。また、パワー接続対象と制御接続対象とは、軸方向ADに並べられていなくてもよい。例えば、パワー接続対象の径方向内側に制御接続対象が設けられていてもよい。
 <構成群D>
 上記各実施形態において、アームスイッチ部530とインバータ外周壁91とが熱伝達可能になっていれば、アームスイッチ部530のどの部位がインバータ外周壁91に固定されていてもよい。例えば、スイッチ本体531において本体基端部531c及び本体先端部531dの少なくとも一方が内周面90bに固定されていてもよい。また、アームスイッチ部530においては、端子532~535がインバータ外周壁91に固定されていてもよい。
 上記各実施形態において、1列のアームスイッチ列530Rにおいては、周方向CDの少なくとも一部においてアームスイッチ部530が所定数ずつ周方向CDに並べられていればよい。また、アームスイッチ列530Rは、1列ではなく複数列であってもよい。例えば、2列のアームスイッチ列530Rが軸方向ADに並べられていてもよい。アームスイッチ列530Rにおいては、複数のアームスイッチ部530が等間隔で並べられていてもよい。例えば、アームスイッチ部530は、インバータフィン92及び梁部501の位置などに関係なく配置されていてもよい。また、アームスイッチ列530Rは、環状になっていなくてもよい。例えば、インバータ外周壁91に対して周方向CDの一部にだけアームスイッチ列530Rが設けられていてもよい。さらに、複数のアームスイッチ部530が周方向CDに並べられていれば、これらアームスイッチ部530によりアームスイッチ列530Rが形成されていなくてもよい。
 アームスイッチ列530Rに関するこれらの変形例は、コンデンサ列580R及びフィルタ列524Rについても同様に用いられてもよい。例えば、コンデンサ列580Rが2列である構成では、2列のコンデンサ列580Rが径方向RDに並べられていてもよい。
 上記各実施形態において、アームスイッチ部530は、内周面90bに接触していればインバータ外周壁91に直接的に固定されていてもよく、間接的に固定されていてもよい。アームスイッチ部530がインバータ外周壁91に直接的に固定された構成としては、上記第1実施形態のように、スイッチ本体531が接着剤等で内周面90bに固定された構成などがある。また、スイッチ本体531は、内周面90bに固定されていなくても、端子532~535、基板510,550及び部品支持部500を介してインバータ外周壁91に固定されている。すなわち、アームスイッチ部530は、高圧基板510、駆動基板550及び部品支持部500を介して間接的にインバータ外周壁91に固定されている。
 上記各実施形態において、フィルタ列524Rには、少なくとも1種類のフィルタ部品524が含まれていればよい。例えば、フィルタ列524Rは、コモンモードコイル部525、ノーマルモードコイル部526、Yコンデンサ部527、Xコンデンサ部528の少なくとも1つを含んで形成されていればよい。
 上記各実施形態において、小熱部品列においては、フィルタ列524Rがコンデンサ列580Rよりも径方向外側に設けられていてもよい。また、1列の小熱部品列においては、平滑コンデンサ部580とフィルタ部品524とが混在していてもよい。さらに、コンデンサ列580R等の小熱部品列が設けられた板部材は、回路基板であれば高圧基板510でなくてもよく、回路基板でなくてもよい。例えばガラス製の板材にコンデンサ列580Rが設けられていてもよい。
 <共通>
 上記各実施形態において、インバータ蓋部99等のカバー部材は、インバータハウジング90の高圧側及び低圧側の少なくとも一方に設けられていればよい。また、カバー部材は、厚肉の板材により形成されていてもよく、薄肉の板材により形成されていてもよい。カバー部材は、断熱性を有していてもよい。例えば、断熱性を有するカバー部材がモータハウジング70とインバータハウジング90との間に設けられた構成では、モータ装置60の熱がインバータ装置80に伝わることがカバー部材により抑制される。モータハウジング70の反対側のカバー部材は熱伝導の良い部材、例えばアルミニウムであれば、インバータ外部への放熱を促進できる。この構成では、インバータ装置80の冷却効果をカバー部材により高めることができる。さらに、カバー部材は、インバータハウジング90の高圧側及び低圧側のいずれにも設けられていなくてもよい。
 上記各実施形態において、外周面90aまたはカバー部材から熱が外部に放出されるのであれば、インバータ外周壁91にインバータフィン92が設けられていなくてもよい。もしくは、インバータフィン92の代わりに、水冷の通路を設けてもよい。また、インバータハウジング90は、全体として環状に形成されていれば、円環状でなくてもよい。例えばインバータ外周壁91は、平面視で円環状ではなく、平面視で多角形状に形成されていればよい。この多角形としては、例えば五角形以上の多角形であることが好ましい。
 上記各実施形態において、EPU50は、モータ装置60及びインバータ装置80の少なくとも一方を複数有していてもよい。例えば、図40に示すように、1つのEPU50がモータ装置60及びインバータ装置80を2つずつ有していてもよい。EPU50がモータ装置60及びインバータ装置80の少なくとも一方を複数有する構成では、全てのモータ装置60と全てのインバータ装置80とが軸方向ADに並べられていてもよい。この構成では、例えば図40に示すように、モータ装置60とインバータ装置80とが交互に並べられていてもよい。また、この構成では、2つのモータ装置60が軸方向ADに隣り合うように並べられてもよく、2つのインバータ装置80が軸方向ADに隣り合うように並べられてもよい。また、複数のモータ装置60にインバータ装置80が挟められたり、複数のインバータ装置80に一つ以上のモータ装置60が挟められたり、していても良い。
 モータ装置60及びインバータ装置80は、軸方向ADに重ねることが容易な構成になっていることが好ましい。例えば、複数のインバータ装置80が軸方向ADに重ねられる構成では、それぞれのインバータ外周壁91が平面視で形状及び大きさが同じになっていることが好ましい。これにより、EPU50の冗長性向上、出力増加、及び多相化などの設計変更に対して、モータ装置60及びインバータ装置80により対応することが可能になる。さらに、EPU50においては、モータ装置60とインバータ装置80とが径方向RDに並べられていてもよい。
 上記各実施形態において、EPU50は、車輪及び回転翼等の駆動対象に対して少なくとも1つ設けられていてもよい。例えば、1つの駆動対象に対して複数のEPU50が設けられていてもよい。図41に示すように、1つの減速機53に対して2つのEPU50が設けられていてもよい。複数のEPU50は、径方向RDに並べて設けられていてもよい。
 上記各実施形態において、モータ電気磁気回路61は、ラジアルギャップ式のモータでもよい。このモータ電気磁気回路61においては、例えばロータの径方向外側にステータが設けられている。ロータはインナー式とアウター式のいずれでも良い。
 [特徴A1]
 電力を変換する電力変換装置(80)であって、
 環状に延びた外周壁(91)を有しているケース(90)と、
 外周壁の径方向(RD)において外周壁から内側に向けて延び、外周壁の周方向(CD)に複数並べられた複数の梁部(501)と、
 外周壁の軸方向(AD)に直交する方向に板状に延び、複数の梁部にかけ渡された状態で複数の梁部に固定された板部材(510,550)と、
 通電可能であり、板部材に搭載されている搭載部品(146,147,525~528,580)と、
 を備えている電力変換装置。
 [特徴A2]
 板部材として、軸方向において梁部の一方側に設けられた第1板部材(510)と、
 板部材として、軸方向において梁部を介して第1板部材とは反対側に設けられた第2板部材(550)と、
 を備えている特徴A1に記載の電力変換装置。
 [特徴A3]
 第1板部材は、高電圧が印加される高圧基板(510)であり、
 第2板部材は、高電圧よりも低い低電圧が印加される低圧基板(550)である、特徴A2に記載の電力変換装置。
 [特徴A4]
 電力を変換するための変換スイッチ(86)を有し、板部材の外周端(512,552)に沿って周方向に複数並べられ、外周壁の内周面(90b)に固定されているスイッチ部品(530)、を備えている特徴A1~A3のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴A5]
 周方向に並べられた複数のスイッチ部品を有し、板部材の外周端に沿って周方向に複数並べられたスイッチグループ(539)、を備え、
 梁部は、周方向に隣り合う2つのスイッチグループの間において、外周壁から内側に向けて延びている、特徴A4に記載の電力変換装置。
 [特徴A6]
 スイッチ部品は、スイッチ素子を有するスイッチ本体(531)と、スイッチ本体から延びるスイッチ端子(532~535)と、を有しており、
 スイッチ本体は、梁部及び板部材から離間した位置に設けられている、特徴A4又はA5に記載の電力変換装置。
 [特徴A7]
 外周壁から径方向の外側に向けて延び、熱を外部に放出する放熱フィン(92)、を備え、
 スイッチ部品は、径方向において放熱フィンに並ぶ位置に設けられている、特徴A4~A6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴A8]
 外周壁から径方向内側に離間した位置に設けられ、複数の梁部を連結している梁連結部(502)、を備えている特徴A1~A7のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴A9]
 梁連結部は周方向に環状に延びている、特徴A8に記載の電力変換装置。
 [特徴A10]
 梁部と外周壁とは伝熱可能である、特徴A1~A9のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴A11]
 梁部と外周壁とは導通している、特徴A1~A10のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴A12]
 電力の供給により駆動する回転電機ユニット(50)であって、
 回転子(300)及び固定子(200)を有している回転電機(60)と、
 回転電機に供給される電力を変換する電力変換装置(80)と、
 を備え、
 電力変換装置は、
 環状に延びた外周壁(91)を有しており、回転電機に固定されているケース(90)と、
 外周壁の径方向(RD)において外周壁から内側に向けて延び、外周壁の周方向(CD)に複数並べられた複数の梁部(501)と、
 外周壁の軸方向(AD)に直交する方向に板状に延び、複数の梁部にかけ渡された状態で複数の梁部に固定された板部材(510,550)と、
 通電可能であり、板部材に搭載されている搭載部品(146,147,525~528,580)と、
 を有している回転電機ユニット。
 [特徴A13]
 電力変換装置においては、外周壁が装置外周壁(91)であり、
 回転電機は、
 環状に延び、回転子及び固定子を収容し、装置外周壁に軸方向に並べられた電機外周壁(71)と、
 電機外周壁に固定され、回転子及び固定子を装置外周壁側から覆っているカバー部(62)と、
 を有しており、
 電力変換装置は、
 板部材とカバー部との間に設けられ、カバー部に沿って延びており、断熱性を有している断熱部(545)、を有している特徴A12に記載の回転電機ユニット。
 [特徴A14]
 電力を変換する電力変換装置もしくはインバータ装置(80)であって、
 ケース(90)は環状の外周壁(91)を有し、外周壁の内側にトランジスタスイッチ(530)と、外周壁の外側に冷却フィン(92)と、
 外周壁の径方向(RD)において外周壁から内側に向けて延び、外周壁の周方向(CD)に複数並べられた複数の梁部(501)と、
 外周壁の軸方向(AD)に直交する方向に板状に延び、複数の梁部にかけ渡された状態で複数の梁部に固定された板部材(510,550)と、
 板部材に搭載されている搭載部品(146,147,525~528,580)と、
 を備えている電力変換装置である。
 [特徴A15]
 電力の供給により駆動する回転電機ユニット(50)であって、
 回転子(300)及び固定子(200)を有している回転電機(60)と、
 回転電機に供給される電力を変換する電力変換装置(80)と、
 を備え、
 電力変換装置は、
 電力を変換する電力変換装置もしくはインバータ装置(80)であって、
 ケース(90)は環状の外周壁(91)を有し、外周壁の内側にトランジスタスイッチ(530)と、外周壁の外側に冷却フィン(92)と、
 外周壁の径方向(RD)において外周壁から内側に向けて延び、外周壁の周方向(CD)に複数並べられた複数の梁部(501)と、
 外周壁の軸方向(AD)に直交する方向に板状に延び、複数の梁部にかけ渡された状態で複数の梁部に固定された板部材(510,550)と、
 板部材に搭載されている搭載部品(146,147,525~528,580)と、
 を備えている回転電機ユニットである。
 [特徴B1]
 電力を変換する電力変換装置(80)であって、
 延び方向(CD)に延び、電力が供給される高電位側の高電位導体(601)と、
 高電位導体に沿って延び方向に延び、電力が供給される低電位側の低電位導体(602)と、
 高電位導体及び低電位導体に沿って延び方向に延び、電力を出力するための出力導体(603)と、
 電力を変換するためにスイッチングする高電位側の上スイッチ部品(530A)と、
 電力を変換するためにスイッチングする低電位側の下スイッチ部品(530B)と、
 上スイッチ部品及び下スイッチ部品に電気的に並列に接続されたコンデンサ部品(580,580A,580B)と、
 を備え、
 出力導体には、上スイッチ部品から下スイッチ部品に向けて延び方向に出力電流(IoA,IoB)が出力導体に流れるように、上スイッチ部品及び下スイッチ部品が延び方向に互いに離間した位置に接続されており、
 高電位導体には、延び方向で出力電流に重複する重複領域(AO)において、出力電流とは逆向きにコンデンサ部品から上スイッチ部品に向けて高電位電流(IpA,IpB)が高電位導体に流れるように、コンデンサ部品及び上スイッチ部品が接続されており、
 低電位導体には、重複領域において、出力電流とは逆向きに下スイッチ部品からコンデンサ部品に向けて低電位電流(InA,InB)が低電位導体に流れるように、下スイッチ部品及びコンデンサ部品が接続されている、電力変換装置。
 [特徴B2]
 1つの相に含まれる複数の上スイッチ部品、及び1つの相に含まれる複数の下スイッチ部品は、高電位導体、低電位導体及び出力導体に沿って延び方向に並べられている、特徴B1に記載の電力変換装置。
 [特徴B3]
 延び方向としての周方向(CD)に環状に延びた外周壁(91)を有しているケース(90)、を備え、
 高電位導体、低電位導体及び出力導体は、外周壁の内周面(90b)に沿って周方向に延びており、
 1つの相に含まれる複数の上スイッチ部品、及び1つの相に含まれる複数の下スイッチ部品は、内周面に沿って周方向に並べられている、特徴B1又はB2に記載の電力変換装置。
 [特徴B4]
 上スイッチ部品及び下スイッチ部品は、高電位導体、低電位導体及び出力導体から径方向(RD)の外側に離間した位置にあり、内周面に設けられている、特徴B3に記載の電力変換装置。
 [特徴B5]
 コンデンサ部品として、外周壁の径方向(RD)に上スイッチ部品に並んだ位置であって、上スイッチ部品から径方向の内側に離間した位置に設けられた上コンデンサ部品(580A)と、
 コンデンサ部品として、径方向に下スイッチ部品に並んだ位置であって、下スイッチ部品から径方向の内側に離間した位置に設けられた下コンデンサ部品(580B)と、
 を備え、
 上コンデンサ部品及び下コンデンサ部品は、高電位導体に接続された高コンデンサ端子(582)と、低電位導体に接続された低コンデンサ端子(583)と、を有しており、
 上コンデンサ部品及び下コンデンサ部品のうち一方においては、高コンデンサ端子が低コンデンサ端子よりも径方向の外側に設けられており、他方においては、低コンデンサ端子が高コンデンサ端子よりも径方向の外側に設けられている、特徴B3又はB4に記載の電力変換装置。
 [特徴B6]
 1つの相に含まれ且つ延び方向に並べられた複数の上スイッチ部品を有する上スイッチグループ(530GA)と、
 上スイッチグループに延び方向に並べられ、上スイッチグループが有する複数の上スイッチ部品と同じ相に含まれ且つ延び方向に並べられた複数の下スイッチ部品を有する下スイッチグループ(530GB)と、
 を備え、
 重複領域は、上スイッチグループが有する複数の上スイッチ部品のうち下スイッチグループから最も遠い位置にある最遠上部品(530Af)と、下スイッチグループが有する複数の下スイッチ部品のうち上スイッチグループから最も遠い位置にある最遠下部品(530Bf)と、にかけ渡されるように延び方向に延びた領域である、特徴B1~B5のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴B7]
 コンデンサ部品として、延び方向に直交する直交方向(RD)において上スイッチ部品に並べられ、且つ延び方向に並べられた複数の第1コンデンサ部品(580A)、を有する第1コンデンサグループ(580GA)と、
 コンデンサ部品として、直交方向において下スイッチ部品に並べられ、且つ延び方向に並べられた複数の第2コンデンサ部品(580B)、を有する第2コンデンサグループ(580GB)と、
 を備え、
 重複領域は、第1コンデンサグループと第2コンデンサグループとにかけ渡されるように延び方向に延びている、特徴B1~B6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴B8]
 高電位導体、低電位導体及び出力導体は、それぞれが板状に形成されており、それぞれの板面が対向するように重ねられている、特徴B1~B7のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴B9]
 導電性を有し、板状に形成され、それぞれの板面が対向するように重ねられた複数の板状導体(601~604)、を備え、
 複数の板状導体には、高電位導体、低電位導体及び出力導体が含まれており、
 出力導体は、複数の板状導体のうち第1板部(601)と第2板部(602)との間に設けられている、特徴B1~B8のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴B10]
 複数の板状導体には、高電位導体、低電位導体及び出力導体に沿って延び方向に延び、接地された接地導体(604)、が含まれており、
 接地導体は、複数の板状導体において一対の最外位置の少なくとも一方に設けられている、特徴B9に記載の電力変換装置。
 [特徴B11]
 高電位導体、低電位導体及び出力導体は、複数ずつ設けられており、
 上スイッチ部品は、複数の高電位導体のそれぞれに接続され、且つ複数の出力導体のそれぞれに接続されており、
 下スイッチ部品は、複数の出力導体のそれぞれに接続され、且つ複数の低電位導体のそれぞれに接続されており、
 コンデンサ部品は、複数の高電位導体のそれぞれに接続され、且つ複数の低電位導体のそれぞれに接続されている、特徴B1~B10のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴B12]
 高電位導体と低電位導体との間に通電可能に接続された上下アーム回路(83)、を備え、
 上スイッチ部品は、上下アーム回路の上アーム(84)に含まれた上アームスイッチ(86A)を有しており、
 下スイッチ部品は、上下アーム回路の下アーム(85)に含まれた下アームスイッチ(86B)を有している、特徴B1~B11のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴B13]
 電力を変換する電力変換装置(80)であって、
 延び方向(CD)に延び、電力が供給される高電位側の高電位導体(601)と、
 高電位導体に沿って延び方向に延び、電力が供給される低電位側の低電位導体(602)と、
 高電位導体及び低電位導体に沿って延び方向に延び、電力を出力するための出力導体(603)と、
 高電位導体に接続された上入力端子(532A)、及び出力導体に接続された上出力端子(533A)を有し、電力を変換するためにスイッチングする上スイッチ部品(530A)と、
 出力導体に接続された下入力端子(532B)、及び低電位導体に接続された下出力端子(533B)を有し、電力を変換するためにスイッチングする下スイッチ部品(530B)と、
 高電位導体に接続された高コンデンサ端子(582)、及び低電位導体に接続された低コンデンサ端子(583)を有し、上スイッチ部品及び下スイッチ部品に電気的に並列に接続されたコンデンサ部品(580,580A,580B)と、
 を備え、
 出力導体には、上出力端子と下入力端子とが延び方向に互いに離間した位置に接続されており、
 高電位導体には、上入力端子及び高コンデンサ端子の少なくとも一方が上出力端子と下入力端子との間に位置するように、且つ上入力端子と高コンデンサ端子とが延び方向に離間するように接続されており、
 低電位導体には、下出力端子及び低コンデンサ端子の少なくとも一方が上出力端子と下入力端子との間に位置するように、且つ下出力端子と低コンデンサ端子とが延び方向に離間するように設けられている、電力変換装置。
 [特徴B14]
 電力を変換する電力変換装置(80)であって、
 延び方向(CD)に延び、電力が供給される電力導体(601,602)と、
 電力導体に沿って延び方向に延び、電力を出力するための出力導体(603)と、
 電力を変換するためにスイッチングする高電位側の上スイッチ部品(530A)と、
 電力を変換するためにスイッチングする低電位側の下スイッチ部品(530B)と、
 上スイッチ部品及び下スイッチ部品に電気的に並列に接続された並列部品(580,580A,580B)と、
 を備え、
 出力導体には、上スイッチ部品から下スイッチ部品に向けて延び方向に出力電流(IoA,IoB)が出力導体に流れるように、上スイッチ部品及び下スイッチ部品が延び方向に互いに離間した位置に接続されており、
 電力導体には、延び方向で出力電流に重複する重複領域(AO)において、出力電流とは逆向きに並列部品と上スイッチ部品及び下スイッチ部品のうち一方との間を並列電流(IpA,IpB,InA,InB)が電力導体に流れるように、並列部品と上スイッチ部品及び下スイッチ部品のうち一方とが接続されている、電力変換装置。
 [特徴C1]
 電力を変換する電力変換装置(80)であって、
 環状に延びた外周壁(91)を有しているケース(90)と、
 電力が供給されるパワー端子(532,533)と、電力の変換を制御するための制御端子(534,535)と、パワー端子及び制御端子を支持しているスイッチ本体(531)とを有し、電力を変換するためにスイッチングするスイッチ部品(530)と、
 外周壁の内周面(90b)に沿って外周壁の周方向(CD)に延びたパワー外周端(512)を有し、パワー端子に通電可能に接続されたパワー接続対象(510)と、
 内周面に沿って周方向に延びた制御外周端(552)を有し、制御端子が通電可能に接続された制御接続対象(550)と、
 を備え、
 スイッチ部品は、パワー外周端及び制御外周端に沿って周方向に複数並べられている、電力変換装置。
 [特徴C2]
 スイッチ本体は、制御接続対象よりもパワー接続対象に近い位置に設けられている、特徴C1に記載の電力変換装置。
 [特徴C3]
 制御端子は、スイッチ本体と制御接続対象とを繋いだ制御繋ぎ部(534ex,535ex)を有しており、
 パワー端子は、制御繋ぎ部よりも短く、スイッチ本体とパワー接続対象とを繋いだパワー繋ぎ部(532ex,533ex)を有している、特徴C1又はC2に記載の電力変換装置。
 [特徴C4]
 パワー端子は、外周壁の軸方向(AD)においてパワー接続対象から遠ざかる向きにスイッチ本体から延び、且つパワー接続対象に近づく向きに延びるように、折り返された形状になっている、特徴C1~C3のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴C5]
 パワー接続対象は、外周壁の軸方向(AD)に直交する方向に延びたパワー基板(510)であり、
 制御接続対象は、軸方向に直交する方向に延びた対象基板(550)であり、
 パワー基板と対象基板とは、軸方向に並べられている、特徴C1~C4のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴C6]
 パワー端子は、軸方向においてパワー基板と対象基板との中間位置からパワー基板側に離間した位置に設けられている、特徴C5に記載の電力変換装置。
 [特徴C7]
 パワー基板は、パワー基板の外周端である制御外周端に沿って延びたパワーバスバ(601,602,603)を有しており、
 パワー端子は、パワーバスバに接続されていることでパワー基板に通電可能に接続されている、特徴C5又はC6に記載の電力変換装置。
 [特徴C8]
 パワー外周端及び制御外周端は、周方向に環状に延びており、
 周方向に並べられた複数のスイッチ部品によるスイッチ列(530R)は、周方向に環状に延びている、特徴C1~C7のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴C9]
 スイッチ本体は内周面に設けられている、特徴C1~C8のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴C10]
 スイッチ本体は、一対の板面として、外周壁の径方向(RD)において内側を向いた内板面(531a)と、径方向において外側を向いた外板面(531b)と、を有しており、
 外板面からの放熱が内板面からの放熱よりも大きい、特徴C9に記載の電力変換装置。
 [特徴D1]
 電力を変換する電力変換装置(80)であって、
 環状に延びた外周壁(91)を有しているケース(90)と、
 外周壁の周方向(CD)に複数並べられ、外周壁の内周面(90b)に接触しており、通電により発熱する発熱部品(530)と、
 を備え、
 外周壁の外周面(90a)は、発熱部品から内周面に伝わった熱を外部に放出する放熱面である、電力変換装置。
 [特徴D2]
 外周壁の径方向(RD)において発熱部品(530)よりも内側に設けられ、周方向に複数並べられ、通電による発熱が発熱部品よりも小さい小熱部品(524,580)、を備えている特徴D1に記載の電力変換装置。
 [特徴D3]
 周方向に並べられた複数の発熱部品による発熱部品列(530R)は、周方向に環状に延びており、
 周方向に並べられた複数の小熱部品による小熱部品列(524R,580R)は、発熱部品列よりも径方向の内側において周方向に環状に延びている、特徴D2に記載の電力変換装置。
 [特徴D4]
 小熱部品として、周方向に複数並べられた第1小熱部品(580)と、
 小熱部品として、径方向において第1小熱部品よりも内側に設けられ、周方向に複数並べられ、通電による発熱が第1小熱部品よりも小さい第2小熱部品(524)と、
 を備えている特徴D2又はD3に記載の電力変換装置。
 [特徴D5]
 周方向に並べられた複数の第1小熱部品による第1部品列(580R)は、周方向に環状に延びており、
 周方向に並べられた複数の第2小熱部品による第2部品列(524R)は、第1部品列よりも径方向の内側において周方向に環状に延びている、特徴D4に記載の電力変換装置。
 [特徴D6]
 内周面から径方向の内側に離間した位置に設けられ、外周壁の軸方向(AD)に直交する方向に板状に延びた板部材(510)、を備え、
 複数の小熱部品は、板部材に固定されている、特徴D2~D5のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴D7]
 周方向に並べられた複数の発熱部品を有し、周方向に複数並べられた発熱グループ(530G)と、
 小熱部品として、発熱グループに径方向に並ぶ位置に設けられたグループ並び部品(580c)と、
 を備えている特徴D2~D6のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴D8]
 周方向に複数並べられ、複数の発熱部品が密集するように設けられた密集領域(Asw1)と、
 発熱部品が設けられておらず、周方向に複数並べられ、周方向において隣り合う2つの密集領域の間に設けられた中間領域(Asw2)と、
 外周壁において中間領域に設けられ、発熱部品を外部機器(31)に通電可能に接続するための外部コネクタ(96)と、
 小熱部品として、外部コネクタに径方向に並ぶ位置に設けられたコネクタ並び部品(524b)と、
 を備えている特徴D2~D7のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴D9]
 発熱部品は、板状の部品本体(531)と、部品本体から延びる部品端子(532~535)と、を有しており、部品本体の外板面(531b)が内周面に重ねられた状態で外周壁に接触している、特徴D1~D8のいずれか1つに記載の電力変換装置。
 [特徴D10]
 部品本体においては、外板面からの放熱が、外板面とは反対側を向いた内板面(531a)からの放熱よりも大きい、特徴D9に記載の電力変換装置。
 [特徴D11]
 部品端子が接続された接続基板(510,550)と、
 外周壁に固定され、接続基板を支持している基板支持部(500)と、
 を備え、
 発熱部品においては、部品本体の熱が外周壁を介して外周面から外部に放出され、部品端子の熱が接続基板、基板支持部及び外周壁を介して外周面から外部に放出される、特徴D9又はD10に記載の電力変換装置。

Claims (11)

  1.  電力を変換する電力変換装置(80)であって、
     環状に延びた外周壁(91)を有しているケース(90)と、
     前記外周壁の周方向(CD)に複数並べられ、前記外周壁の内周面(90b)に接触しており、通電により発熱する発熱部品(530)と、
     を備え、
     前記外周壁の外周面(90a)は、前記発熱部品から前記内周面に伝わった熱を外部に放出する放熱面である、電力変換装置。
  2.  前記外周壁の径方向(RD)において前記発熱部品(530)よりも内側に設けられ、前記周方向に複数並べられ、通電による発熱が前記発熱部品よりも小さい小熱部品(524,580)、を備えている請求項1に記載の電力変換装置。
  3.  前記周方向に並べられた複数の前記発熱部品による発熱部品列(530R)は、前記周方向に環状に延びており、
     前記周方向に並べられた複数の前記小熱部品による小熱部品列(524R,580R)は、前記発熱部品列よりも前記径方向の内側において前記周方向に環状に延びている、請求項2に記載の電力変換装置。
  4.  前記小熱部品として、前記周方向に複数並べられた第1小熱部品(580)と、
     前記小熱部品として、前記径方向において前記第1小熱部品よりも内側に設けられ、周方向に複数並べられ、通電による発熱が前記第1小熱部品よりも小さい第2小熱部品(524)と、
     を備えている請求項2又は3に記載の電力変換装置。
  5.  前記周方向に並べられた複数の前記第1小熱部品による第1部品列(580R)は、前記周方向に環状に延びており、
     前記周方向に並べられた複数の前記第2小熱部品による第2部品列(524R)は、前記第1部品列よりも前記径方向の内側において前記周方向に環状に延びている、請求項4に記載の電力変換装置。
  6.  前記内周面から前記径方向の内側に離間した位置に設けられ、前記外周壁の軸方向(AD)に直交する方向に板状に延びた板部材(510)、を備え、
     複数の前記小熱部品は、前記板部材に固定されている、請求項2に記載の電力変換装置。
  7.  前記周方向に並べられた複数の前記発熱部品を有し、前記周方向に複数並べられた発熱グループ(530G)と、
     前記小熱部品として、前記発熱グループに前記径方向に並ぶ位置に設けられたグループ並び部品(580c)と、
     を備えている請求項2に記載の電力変換装置。
  8.  前記周方向に複数並べられ、複数の前記発熱部品が密集するように設けられた密集領域(Asw1)と、
     前記発熱部品が設けられておらず、前記周方向に複数並べられ、前記周方向において隣り合う2つの前記密集領域の間に設けられた中間領域(Asw2)と、
     前記外周壁において前記中間領域に設けられ、前記発熱部品を外部機器(31)に通電可能に接続するための外部コネクタ(96)と、
     前記小熱部品として、前記外部コネクタに前記径方向に並ぶ位置に設けられたコネクタ並び部品(524b)と、
     を備えている請求項2に記載の電力変換装置。
  9.  前記発熱部品は、板状の部品本体(531)と、前記部品本体から延びる部品端子(532~535)と、を有しており、前記部品本体の外板面(531b)が前記内周面に重ねられた状態で前記外周壁に接触している、請求項1に記載の電力変換装置。
  10.  前記部品本体においては、前記外板面からの放熱が、前記外板面とは反対側を向いた内板面(531a)からの放熱よりも大きい、請求項9に記載の電力変換装置。
  11.  前記部品端子が接続された接続基板(510,550)と、
     前記外周壁に固定され、前記接続基板を支持している基板支持部(500)と、
     を備え、
     前記発熱部品においては、前記部品本体の熱が前記外周壁を介して前記外周面から外部に放出され、前記部品端子の熱が前記接続基板、前記基板支持部及び前記外周壁を介して前記外周面から外部に放出される、請求項9又は10に記載の電力変換装置。
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