WO2023176826A1

WO2023176826A1 - 水性懸濁状農薬組成物

Info

Publication number: WO2023176826A1
Application number: PCT/JP2023/009831
Authority: WO
Inventors: 奈菜子 ▲溝▼口; 希望三好; 貴俊寺田
Original assignee: 住友化学株式会社
Priority date: 2022-03-15
Filing date: 2023-03-14
Publication date: 2023-09-21
Also published as: AR128779A1

Abstract

本発明は、保存時の結晶成長及び希釈時の気泡発生が抑制された水性懸濁状農薬組成物を提供する。本発明はまた、（ａ）インピルフルキサム、（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分（インピルフルキサムを除く）の１種以上、（ｃ）リグニンスルホン酸塩、および（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩を含む水性懸濁状農薬組成物、を提供する。

Description

水性懸濁状農薬組成物

　本特許出願は、日本国特許出願２０２２－０４０４９９号（２０２２年３月１５日出願）に基づくパリ条約上の優先権および利益を主張するものであり、ここに引用することによって、上記出願に記載された内容の全体が本明細書中に組み込まれるものとする。

　本発明は、水性懸濁状農薬組成物に関する。

　従来、インピルフルキサムと別の農薬活性成分とを含有する農薬製剤が農業用殺菌剤として知られており、実用に供されている（例えば、特許文献１参照）。

　一方、水和剤の場合に問題となることがある散布液調製時の粉立ちを解消するため、水性懸濁状農薬組成物が提案されている（例えば、特許文献２参照）。

特開２０１１－２４６４５２号公報特開２００３－９５８０３号公報

　水性懸濁状農薬組成物を開発にあたり、用いる農薬活性成分や製剤補助剤によっては、輸送や保存時に結晶成長が生じることや、希釈液調製時に多量の気泡が発生することにより、散布時にノズル詰まりが発生することがある。

　本発明者は、このような課題を解決すべく検討した結果、保存時の結晶成長及び希釈時の気泡発生が抑制された水性懸濁状農薬組成物を見出した。
　すなわち、本発明は以下の［１］～［１１］を含む。
［１］　（ａ）インピルフルキサム、（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分（インピルフルキサムを除く）の１種以上、（ｃ）リグニンスルホン酸塩、および（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩を含む、水性懸濁状農薬組成物。
［２］　（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、殺菌活性成分、殺虫活性成分、殺ダニ活性成分、及び殺線虫活性成分からなる群より選択される１種以上である、［１］に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［３］　（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、殺菌活性成分を含む、［１］に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［４］　（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、ステロール生合成阻害剤およびミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤からなる群より選択される１種以上を含む、［１］に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［５］　２種類の（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分を含む［１］～［４］のいずれか１項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［６］　２種類の（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、ステロール生合成阻害剤及びミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤である［５］に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［７］　（ｃ）リグニンスルホン酸塩と（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩との重量比が６：１～１：２である、［１］～［６］のいずれかに記載の水性懸濁状農薬組成物。
［８］　（ａ）インピルフルキサムと（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分との合計量と、（ｃ）リグニンスルホン酸塩と（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩との合計量との重量比が１５：１～１：１である、［１］～［７］のいずれか１項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［９］　更に、（ａ）インピルフルキサムおよび（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分とは異なる農薬活性成分を含有する、［１］～［８］のいずれか１項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［１０］　（ａ）インピルフルキサムおよび（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分とは異なる農薬活性成分が、生物農薬活性成分である、［９］に記載の水性懸濁状農薬組成物。
［１１］（ａ）インピルフルキサムおよび（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分（インピルフルキサムを除く）の１種以上を含む組成物に、（ｃ）リグニンスルホン酸塩および（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩を添加する工程を含む、水性懸濁状農薬組成物の保存安定性を改善する方法。

　本発明により、保存時の結晶成長、並びに散布液調製時における気泡発生がいずれも抑制された水性懸濁状農薬組成物を提供することができる。

　本発明の水性懸濁状農薬組成物（以下、本発明組成物と記す）は、インピルフルキサムを含有する。インピルフルキサムの含有量は、本発明組成物１００重量％に対して、通常1～２０重量％、好ましくは３～１０重量％である。

　本発明組成物は、インピルフルキサムを除く融点が５０℃以上の農薬活性成分（以下、農薬活性成分（ｂ）と記すことがある）を含有する。農薬活性成分（ｂ）は、本発明組成物に１種類含まれていてもよいし、２種類以上（例えば、３種類、４種類、５種類）含まれていてもよい。農薬活性成分（ｂ）の含有量は、その合計量として、本発明組成物１００重量％に対して、通常３～３０重量％、好ましくは５～２０重量％である。

　インピルフルキサムと農薬活性成分（ｂ）との合計含有量は、本発明組成物１００重量％に対して、通常４～５０重量％、好ましくは５～４０重量％、より好ましくは８～４０重量％、一層好ましくは１０～３０重量％である。

　本発明組成物に使用される農薬活性成分（ｂ）としては、殺虫活性成分、殺ダニ活性成分、殺線虫活性成分、殺菌活性成分、除草活性成分、植物成長制御活性成分、薬害軽減成分、共力剤、忌避活性成分、殺軟体動物活性成分、および昆虫フェロモン活性成分などからなる群より選択される１種以上が挙げられる。

　かかる殺虫活性成分、殺ダニ活性成分、及び殺線虫活性成分としては、デルタメトリン、トラロメトリン、アクリナトリン、ビフェントリン、プロポキスル、イソプロカルブ、キシリルカルブ、メトルカルブ、チオジカルブ、ＸＭＣ、カルバリル、ピリミカーブ、カルボフラン、メソミル、フェノキシカルブ、アセフェート、トリクロルホン、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、ピリダフェンチオン、アジンホスエチル、アジンホスメチル、ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ルフェヌロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、シロマジン、ジアフェンチウロン、ヘキシチアゾクス、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジン、ニテンピラム、チアメトキサム、ジノテフラン、チアクロプリド、スピノサド、フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、テトラニリプロール、シクラニリプロール、フィプロニル、エチプロール、スピロテトラマト、スピロメシフェン、スピロジクロフェン、スピロピジオン、トリフルメゾピリム、スルホキサフロル、アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン、ミルベメクチン、ピメトロジン、ピリフルキナゾン、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロルフェナピル、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ブプロフェジン、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アミトラズ、フルアクリピリム、ビフェナゼート、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、インドキサカルブ、オキサゾスルフィル、メタフルミゾン、シエノピラフェン、シフルメトフェン、ピフルブミド、フロニカミド、ブロフラニリド、フルキサメタミド、フルピリミン、フロメトキン、ベンズピリモキサン、フェナザキン、ヒドラメチルノン、トリアザメート、スルフルラミド、ホウ酸、スピネトラム、ベータシフルトリン、アルファシペルメトリン、チオキサザフェン、アフィドピロペン、フルアザインドリジン、フルオピラム、イソシクロセラム、ジンプロピリダズ、シクロブトリフルラム、べータシペルメトリン、イプシロンモンフルオロトリン、およびフルピラジフロンなどが挙げられる。

　かかる殺菌活性成分としては、フェンピラザミン、マンデストロビン、ベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾール、チオファネートメチル、ジエトフェンカルブ、プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、フルシラゾール、トリアジメホン、メタラキシル、フラメトピル、メプロニル、フルトラニル、チフルザミド、トルクロホスメチル、ホセチルアルミニウム、ピラゾホス、ピリメタニル、メパニピリム、シプロジニル、フルジオキソニル、フェンピクロニル、ブラストサイジンＳ、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシン、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、クロロタロニル、マンコゼブ、キャプタン、ホルペット、トリシクラゾール、ピロキロン、プロベナゾール、フサライド、シモキサニル、ジメトモルフ、ファモキサドン、オキソリニック酸、フルアジナム、フェリムゾン、ジクロシメット、オリサストロビン、イソチアニル、チアジニル、チウラム、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、フェンアミドン、ピリベンカルブ、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、シメコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、ペンシクロン、フルオピコリド、ピリオフェノン、イソフェタミド、フルオピラム、チフルザミド、フルキサピロキサド、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ボスカリド、ピラジフルミド、シアゾファミド、アミスルブロム、アメトクトラジン、シプロジニル、メパニピリム、オキサチアピプロリン、トリホリン、フェナリモル、オキスポコナゾールフマル酸塩、フェンヘキサミド、ピリブチカルブ、ベンチアバリカルブイソプロピル、マンジプロパミド、トルプロカルブ、アシベンゾラルSメチル、ホセチルアルミニウム、フルスルファミド、フルチアニル、ジクロベンチアゾクス、テブフロキン、ピカルブトラゾクス、ジラム、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン酢酸塩、ジチアノン、フルオルイミド、ベンゾビンジフルピル、プロチオコナゾール、カルボキシン、ピジフルメトフェン、フルトリアホール、トリチコナゾール、フルキンコナゾール、メチルテトラプロール、フェンピコキサミド、セダキサン、イソフルシプラム、シルチオファム、ビキサフェン、ジモキシストロビン、ピリダクロメチル、イプフルフェノキン、ブロムコナゾール、トリアジメノール、フロリルピコキサミド、フルオキサピプロリン、エタボキサム、キノフメリン、シフルフェナミド、ペンコナゾール、プロキナジド、ピラクロストロビン、トリフルミゾール、ドデモルフ、プロパモカルブ、アミノピリフェン、メフェントリフルコナゾール、Flufenoxadiazam、およびFluoxytioconazoleなどが挙げられる。

　かかる除草活性成分としては、アトラジン、メトリブジン、フルオメツロン、イソプロツロン、ブロモキシニル、アイオキシニル、ペンディメタリン、２,４－Ｄ　とその塩又はエステル、ジカンバとその塩、フルオキシピル、メコプロップ、ベンスルフロンメチル、メトスルフロンメチル、ニコスルフロン、プリミスルフロンメチル、シクロスルファムロン、イマゾスルフロン、プロピリスルフロン、スルホスルフロン、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、ビスピリバックナトリウム塩、アシフルオルフェン、アシフルオルフェンナトリウム塩、スルフェントラゾン、パラコート、パラコートジクロリド、フルメツラム、トリフルスルフロンメチル、フェノキサプロップＰエチル、ジフルフェニカン、ノルフルラゾン、イソキサフルトール、グルホシネートとその塩、グリホサートとその塩、ベンタゾン、メフェナセット、プロパニル、フルチアセット、フルチアセットメチル、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、ブロモブチド、ペントキサゾン、フェンキノトリオン、ピラクロニル、メタゾスルフロン、ピリミスルファン、トリアファモン、テフリルトリオン、トルピラレート、ピロキサスルホン、フェノキサスルホン、イプフェンカルバゾン、シクロピリモレート、フロルピラウキシフェンベンジル、クロランスラム、ジクロスラム、イマザモックス、クロリムロンエチル、ベンフルラリン、ビシクロピロン、ジメタメトリン、ジチオピル、フルオログリコフェンエチル、インダノファン、およびプロパキザホップなどが挙げられる。

　かかる植物成長制御活性成分としては、マレイン酸ヒドラジド、クロルメコートクロリド、エテホン、ジベレリン酸、メピコートクロリド、チジアズロン、イナベンフィド、パクロブトラゾール、ＡＶＧ、ウニコナゾールＰ、およびプロヘキサジオンカルシウムなどが挙げられる。

　好ましい農薬活性成分（ｂ）としては、殺菌活性成分が挙げられる。
　好ましい殺菌活性成分としては、ステロール生合成阻害剤及びミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤が挙げられる。ステロール生合成阻害剤としては、例えば、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、シメコナゾール、テブコナゾール、プロチオコナゾール、メフェントリフルコナゾール、エポキシコナゾール、ブロムコナゾール、およびFluoxytioconazolが挙げられる。ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤としては、例えば、ピコキシストロビン、トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、フェンアミドン、オリサストロビン、マンデストロビン、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、およびピラクロストロビンが挙げられる。
　また別の好ましい殺菌活性成分としては、クロロタロニル、マンコゼブ、エタボキサム、およびFlufenoxadiazamが挙げられる。

　また別の好ましい農薬活性成分（ｂ）としては、殺虫活性成分、殺ダニ活性成分および殺線虫活性成分が挙げられる。
　好ましい殺虫活性成分、殺ダニ活性成分および殺線虫活性成分としては、例えば、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、チアクロプリド、フルピラジフロン、フルピリミン、トリフルメゾピリム、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、テトラニリプロール、ビフェントリン、ブロフラニリド、イソシクロセラム、フルキサメタミド、ジンプロピリダズ、フルアザインドリジン、チオキサザフェン、アバメクチン、フルオピラム、およびシクロブトリフルラムが挙げられる。

　本発明組成物が有効成分を２種含む場合は、例えば以下の組合せが挙げられる。なお、以下に示す組合せにおいて、（ａ）は、インピルフルキサムを意味する。
　（ａ）＋シプロコナゾール、（ａ）＋ジフェノコナゾール、（ａ）＋フェンブコナゾール、（ａ）＋ヘキサコナゾール、（ａ）＋イミベンコナゾール、（ａ）＋イプコナゾール、（ａ）＋メトコナゾール、（ａ）＋ミクロブタニル、（ａ）＋シメコナゾール、（ａ）＋テブコナゾール、（ａ）＋プロチオコナゾール、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール、（ａ）＋エポキシコナゾール、（ａ）＋ブロムコナゾール、（ａ）＋Fluoxytioconazole、（ａ）＋ピコキシストロビン、（ａ）＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋フルオキサストロビン、（ａ）＋フェンアミドン、（ａ）＋オリサストロビン、（ａ）＋マンデストロビン、（ａ）＋アゾキシストロビン、（ａ）＋クレソキシムメチル、（ａ）＋メトミノストロビン、（ａ）＋ピラクロストロビン、（ａ）＋クロロタロニル、（ａ）＋マンコゼブ、（ａ）＋エタボキサム、および（ａ）＋Flufenoxadiazam。

　本発明組成物に有効成分を３種含む場合は、インピルフルキサムと１種のステロール生合成阻害剤と１種のミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤との組合せが好ましく、例えば以下の組合せが挙げられる。なお、以下に示す組合せにおいて、（ａ）は、インピルフルキサムを意味する。
　（ａ）＋シプロコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋シプロコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋、クレソキシムメチル、（ａ）＋シプロコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋シプロコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋ジフェノコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋ジフェノコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋フェンブコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋フェンブコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋フェンブコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋フェンブコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋ヘキサコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋ヘキサコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋イミベンコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋イミベンコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋イミベンコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋イミベンコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋イプコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋イプコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋イプコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋イプコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋メトコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋メトコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋メトコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋メトコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋ミクロブタニル＋ピコキシストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋フルオキサストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋フェンアミド、（ａ）＋ミクロブタニル＋オリサストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋マンデストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋アゾキシストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋クレソキシムメチル、（ａ）＋ミクロブタニル＋メトミノストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋ピラクロストロビン、（ａ）＋ミクロブタニル＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋シメコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋シメコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋シメコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋シメコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋テブコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋テブコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋テブコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋テブコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋プロチオコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋プロチオコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋プロチオコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋プロチオコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋メフェントリフルコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋エポキシコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋エポキシコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋、クレソキシムメチル、（ａ)＋エポキシコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋エポキシコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋ブロムコナゾール＋ピコキシストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋フルオキサストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋フェンアミド、（ａ）＋ブロムコナゾール＋オリサストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋マンデストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋アゾキシストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋クレソキシムメチル、（ａ）＋ブロムコナゾール＋メトミノストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋ピラクロストロビン、（ａ）＋ブロムコナゾール＋メチルテトラプロール、
　（ａ）＋Fluoxytioconazole＋ピコキシストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋トリフロキシストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋フルオキサストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋フェンアミド、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋オリサストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋マンデストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋アゾキシストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋、クレソキシムメチル、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋メトミノストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋ピラクロストロビン、（ａ）＋Fluoxytioconazole＋メチルテトラプロール。

　本発明組成物に有効成分として含まれるインピルフルキサムと農薬活性成分（ｂ）の重量比は、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、「インピルフルキサム：各々１種の農薬活性成分（ｂ）」で、通常１：５００～５００：１の範囲が挙げられ、好ましくは１：１００～１００：１、より好ましくは１：１０～１０：１、一層より好ましくは１：５～５：１、より一層好ましくは３：１０～１０：３が挙げられる。具体的には、１：５００、１：１００、１：９０、１：８０、１：７０、１：６０、１：５０、１：４０、１：３０、１：２０、１：１９、１：１８、１：１７、１：１６、１：１５、１：１４、１：１３、１：１２、１：１１、１：１０、１：９、１：８、１：７、１：６、１：５、２：９、１：４、２：７、３：１０、１：３、３：８、２：５、３：７、４：９、１：２、５：９、４：７、３：５、５：８、２：３、７：１０、５：７、３：４、７：９、４：５、５：６、６：７、７：８、８：９、９：１０、１：１、１０：９、９：８、８：７、７：６、６：５、５：４、９：７、４：３、７：５、１０：７、３：２、８：５、５：３、７：４、９：５、２：１、９：４、７：３、５：２、８：３、３：１、１０：３、７：２、４：１、９：２、５：１、６：１、７：１、８：１、９：１、１０：１、１１：１、１２：１、１３：１、１４：１、１５：１、１６：１、１７：１、１８：１、１９：１、２０：１、３０：１、４０：１、５０：１、６０：１、７０：１、８０：１、９０：１、１００：１、１５０：１、２００：１、２５０：１、３００：１、４００：１、および５００：１が挙げられる。前記の比率は、「およそ」と表現することもできる。「およそ」とはプラスマイナス１０％を意味し、例えば、「およそ１：２」とは、１：１．８～１：２．２である。

　本発明組成物は、リグニンスルホン酸塩（ｃ）を含有する。本発明において用いられるリグニンスルホン酸塩としては、例えば、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、およびリグニンスルホン酸アンモニウムが挙げられるが、リグニンスルホン酸ナトリウムが好ましい。本発明において用いられるリグニンスルホン酸塩の重量平均分子量は、通常、２，０００～１２，０００の範囲である。本発明に用いられるリグニンスルホン酸塩の重量平均分子量は、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを標準物質とした相対分子量を意味し、ゲル浸透クロマトグラフィー（ＧＰＣ）により測定することができる。リグニンスルホン酸塩は市販されているものを用いることができる。かかる市販されているリグニンスルホン酸塩としては、例えば、ＲＥＡＸ　８５Ａ（リグニンスルホン酸ナトリウム、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）、ＲＥＡＸ　９１０（リグニンスルホン酸ナトリウム、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）、Ｐｏｌｙｆｏｎ　Ｆ（リグニンスルホン酸ナトリウム、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）、及びＰｏｌｙｆｏｎ　Ｈ（リグニンスルホン酸ナトリウム、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）が挙げられる。

　本発明組成物におけるリグニンスルホン酸塩の含有量は、本発明組成物１００重量％に対して、通常０．１～１０重量％、好ましくは０．５～５重量％、より好ましくは０．８～５重量％である。

　本発明組成物は、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩（ｄ）を含有する。ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩としては、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステル塩が好ましく、市販されているポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステル塩としては、例えば、ソプロフォールＦＬ（ソルベイ日華社製）、ソプロフォールＦＬＫ（ソルベイ日華社製）、ＳＴＥＰＦＡＣ　ＴＳＰ　ＰＥ－Ｋ（ＳＴＥＰＡＮ社製）及びニューカルゲンＦＳ－３ＰＧ（竹本油脂株式会社製）が挙げられる。

　本発明組成物におけるポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩の含有量は、本発明組成物１００重量％に対して、通常０．０５～１０重量％、好ましくは０．１～５重量％、より好ましくは０．５～５重量％である。

　本発明組成物におけるリグニンスルホン酸塩（ｃ）とポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩（ｄ）との重量比は、通常１２：１～１：３、好ましくは６：１～１：２、より好ましくは５：１～１：２である。

　本発明組成物におけるインピルフルキサム（ａ）と農薬活性成分（ｂ）の合計量と、リグニンスルホン酸塩（ｃ）とポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩（ｄ）の合計量との重量比は、通常１５：１～１：１、好ましくは１２：１～３：１、より好ましくは１０：１～５：１である。

　本発明組成物は、水を含有する。本発明において用いられる水は特に制限されることがなく、例えば水道水、井水、及びイオン交換水等の通常の水性懸濁状農薬組成物に用いられる水を用いることができる。

　本発明組成物における水の含有量は、本発明組成物１００重量％に対して、通常４０～７５重量％、好ましくは５５～７０重量％である。

　本発明組成物は更に、通常の水性懸濁状農薬組成物に用いられる製剤補助剤を１種以上含有していてもよい。かかる製剤補助剤としては、例えば、増粘剤、凍結防止剤、ｐＨ調整剤、消泡剤、防腐剤、界面活性剤および着色剤が挙げられる。本発明組成物が製剤補助剤を含有する場合、その合計含有量は本発明組成物１００重量％に対して、通常１～５０重量％、好ましくは１～２０重量％である。

　かかる増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、カラギーナン、ペクチン及びアルギン酸ナトリウム等の天然多糖類；メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体；ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン並びにポリアクリル酸塩及びその誘導体等の水溶性合成高分子；並びに、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびシリカ等の鉱物質微粉末等が挙げられる。

　かかる凍結防止剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、およびプロピレングリコール等が挙げられる。

　かかるｐＨ調整剤としては、例えば、クエン酸一水和物、酢酸およびソルビン酸等のカルボン酸およびその塩、リン酸およびその塩、並びにホウ酸およびその塩等が挙げられる。

　かかる消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。

　かかる防腐剤としては、例えば、ブチルパラベン（ｎ－ブチルパラヒドロキシベンゾエート）および１，２－ベンズイソチアゾリン－３－オン等が挙げられる。

　かかる界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤が挙げられる。かかるアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸塩およびそのホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩およびそのホルマリン縮合物、フェニルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アシルタウリン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、並びにスチレン－マレイン酸コポリマーの塩等が挙げられ、かかる非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、およびアルキルポリグリコシド等が挙げられる。

　かかる着色剤としては、例えば、酸化鉄、酸化チタン、およびプルシアンブルー等の無機顔料；アリザリン色素、アゾ色素、および金属フタロシアニン色素等の有機顔料等が挙げられる。

　本発明組成物は、さらに、（ａ）インピルフルキサムおよび（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分（インピルフルキサムを除く）とは異なる農薬活性成分を含んでいてもよい。かかる農薬活性成分としては、特に生物農薬活性成分（biological control agents）が好ましい。また、本発明組成物は、生物農薬活性成分を含有する別の製剤と、混用あるいは併用することもできる。
　生物農薬活性成分（biological control agents）とは、有害生物に対する防除効果（例えば、殺虫活性、殺ダニ活性、殺線虫活性、殺菌活性、除草活性など）を有する成分または根粒菌、菌根菌等の植物成長調整効果を有する成分等を意味する。
　かかる生物農薬活性成分としては、例えば、Bacillus thuringiensis subsp.kurstraki strain ABTS-351、Bacillus thuringiensis subs. kurstraki strain MBP123、Bacillus thuringiensis subs. aizawai strain ABTS-1857、Bacillus thuringiensis strain EX297512、Metarhizium anisopliae strain F52、Bacillus firmus strain l-1582、Pasteuria nishizawae strain Pn1、Bacillus amyloliquefaciens strain PTA-4838、Bacillus subutilis strain QST713、Agrobactrerium radiobacter strain K84、Bacillus amyloliquefaciens strain MBI 600、Bacillus pumilus strain QST2808、Burkholderia cepacia、Gliocladium catenulatum strain J1446、Pseudomonas chlororaphis strain MA342、Pseudomonas fluorescens、Pythium oligandrum strain DV74、Streptomyces griseoviridis strain K61、Trichoderma gamsii、Trichoderma asperellum、Trichoderma harzianum strain T-22、Trichoderma virens strain GL-21、Streptomyces lydicus strain WYEC108、Bradyrhizobium japonicum strain TA-11、Sinorhizobium meliloti、Rhizobium leguminosarum、Rhizophagus intraradices strain RTI-801、Penicillium bilaiae、Mesorhizobium ciceriが挙げられる。

　本発明組成物は、有害生物防除に使用することができる。ここでいう有害生物とは、真菌（fungi）、卵菌(Oomycete)、ネコブカビ(Phytomyxea) 、細菌(bacteria)等の植物病原性微生物、有害昆虫や有害ダニ類等の有害節足動物、および有害線虫である。真菌（fungi）としては、例えば、子嚢菌門（Ascomycota）、担子菌門（Basidiomycota）、Blasocladiomycota、Chytridiomycota、Mucoromycota、およびOlpidiomycotaが挙げられる。

　植物病原性微生物が引き起こす植物病害を以下に挙げる。括弧内は、各病害を引き起こす植物病原性微生物の学名を示す。
　イネの病害：いもち病（Pyricularia oryzae）、ごま葉枯病（Cochliobolus miyabeanus）、紋枯病（Rhizoctonia solani）、馬鹿苗病（Gibberella fujikuroi）、黄化萎縮病（Sclerophthora macrospora）、にせいもち病及び穂枯病（Epicoccum nigrum）、苗立枯病（Trichoderma viride、Rhizopus oryzae）；
　コムギの病害：うどんこ病（Blumeria graminis）、赤かび病（Fusarium graminearum、Fusarium avenaceum、Fusarium culmorum、Microdochium nivale）、黄さび病（Puccinia striiformis）、黒さび病（Puccinia graminis）、赤さび病（Puccinia recondita）、紅色雪腐病（Microdochium nivale、Microdochium majus）、雪腐小粒菌核病（Typhula incarnata、Typhula ishikariensis）、裸黒穂病（Ustilago tritici）、なまぐさ黒穂病（Tilletia caries、Tilletia controversa）、眼紋病（Pseudocercosporella herpotrichoides）、葉枯病（Septoria tritici）、ふ枯病（Stagonospora nodorum）、黄斑病（Pyrenophora tritici-repentis）、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病（Rhizoctonia solani）、立枯病（Gaeumannomyces graminis）、いもち病（Pyricularia graminis-tritici）；
　オオムギの病害：うどんこ病（Blumeria graminis）、赤かび病（Fusarium graminearum、Fusarium avenaceum、Fusarium culmorum、Microdochium nivale）、黄さび病（Puccinia striiformis）、黒さび病（Puccinia graminis）、小さび病（Puccinia hordei）、裸黒穂病（Ustilago nuda）、雲形病（Rhynchosporium secalis）、網斑病（Pyrenophora teres）、斑点病（Cochliobolus sativus）、斑葉病（Pyrenophora graminea）、ラムラリアリーフスポット病（Ramularia collo-cygni）、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病（Rhizoctonia solani）；
　トウモロコシの病害：さび病（Puccinia sorghi）、南方さび病（Puccinia polysora）、すす紋病（Setosphaeria turcica）、熱帯性さび病（Physopella zeae）、ごま葉枯病（Cochliobolus heterostrophus）、炭疽病（Colletotrichum graminicola）、グレーリーフスポット病（Cercospora zeae-maydis）、褐斑病（Kabatiella zeae）、ファエオスファエリアリーフスポット病（Phaeosphaeria maydis）、Diplodia病（Stenocarpella maydis、Stenocarpella macrospora）、ストークロット病（Fusarium graminearum、Fusarium verticilioides、Colletotrichum graminicola）、黒穂病（Ustilago maydis）、フイソデルマ病（Physoderma maydis）；
　ワタの病害：炭疽病（Colletotrichum gossypii）、白かび病（Ramularia areola）、黒斑病（Alternaria macrospora、Alternaria gossypii）、Black root rot病 (Thielaviopsis basicola）；
　コーヒーの病害：さび病（Hemileia vastatrix）、リーフスポット病（Cercospora coffeicola)；
　ナタネの病害：菌核病（Sclerotinia sclerotiorum）、黒斑病（Alternaria brassicae）、根朽病（Phoma lingam）、light leaf spot病（Pyrenopeziza brassicae）；
　サトウキビの病害：さび病（Puccinia melanocephela、Puccinia kuehnii）、黒穂病 (Ustilago scitaminea）；
　ヒマワリの病害：さび病（Puccinia helianthi）、べと病（Plasmopara halstedii）；
　カンキツ類の病害：黒点病（Diaporthe citri）、そうか病（Elsinoe fawcetti）、緑かび病（Penicillium digitatum）、青かび病（Penicillium italicum）、疫病（Phytophthora parasitica、Phytophthora citrophthora）、こうじかび病（Aspergillus niger）；
　リンゴの病害：モニリア病（Monilinia mali）、腐らん病（Valsa ceratosperma）、うどんこ病（Podosphaera leucotricha）、斑点落葉病（Alternaria alternata apple pathotype）、黒星病（Venturia inaequalis）、炭疽病（Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum）、褐斑病（Diplocarpon mali）、輪紋病（Botryosphaeria berengeriana）、疫病（Phytophtora cactorum）、赤星病（Gymnosporangium juniperi-virginianae、Gymnosporangium yamadae）；
　ナシの病害：黒星病（Venturia nashicola、Venturia pirina）、黒斑病（Alternaria alternata Japanese pear pathotype）、赤星病（Gymnosporangium haraeanum）；
　モモの病害：灰星病（Monilinia fructicola）、黒星病（Cladosporium carpophilum）、ホモプシス腐敗病（Phomopsis sp.）、縮葉病（Taphrina deformans）；
　ブドウの病害：黒とう病（Elsinoe ampelina）、晩腐病（Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum）、うどんこ病（Uncinula necator）、さび病（Phakopsora ampelopsidis）、ブラックロット病（Guignardia bidwellii）、べと病（Plasmopara viticola）；
　カキの病害：炭疽病（Gloeosporium kaki、Colletotrichum acutatum）、落葉病（Cercospora kaki、Mycosphaerella nawae）；
　イチジクの病害：さび病（Phakopsora nishidana）；
　ウリ類の病害：炭疽病（Colletotrichum lagenarium）、うどんこ病（Sphaerotheca fuliginea）、つる枯病（Didymella bryoniae）、褐斑病（Corynespora cassiicola）、つる割病（Fusarium oxysporum）、べと病（Pseudoperonospora cubensis）、疫病（Phytophthora capsici）、苗立枯病（Pythium sp.）；
　トマトの病害：輪紋病（Alternaria solani）、葉かび病（Cladosporium fulvum）、すすかび病（Pseudocercospora fuligena）、疫病（Phytophthora infestans）、うどんこ病（Leveillula taurica）；
　ナスの病害：褐紋病（Phomopsis vexans）、うどんこ病（Erysiphe cichoracearum）；
　アブラナ科野菜の病害：黒斑病（Alternaria japonica）、白斑病（Cercosporella brassicae）、根こぶ病（Plasmodiophora brassicae）、べと病（Peronospora parasitica）、白さび病（Albugo candida）；
　ネギの病害：さび病（Puccinia allii）；
　ダイズの病害：紫斑病（Cercospora kikuchii）、黒とう病（Elsinoe glycines）、黒点病（Diaporthe phaseolorum var. sojae）、さび病（Phakopsora pachyrhizi)、褐色輪紋病（Corynespora cassiicola）、炭疽病（Colletotrichum glycines、Colletotrichum truncatum）、葉腐病（Rhizoctonia solani）、褐紋病（Septoria glycines）、斑点病（Cercospora sojina）、菌核病（Sclerotinia sclerotiorum）、うどんこ病（Microsphaera diffusa）、茎疫病（Phytophthora sojae）、べと病（Peronospora manshurica）、突然死病（Fusarium virguliforme）、黒根腐病（Calonectria ilicicola）、Diaporthe/Phomopsis complex（Diaporthe longicolla）；
　インゲンの病害：菌核病（Sclerotinia sclerotiorum）、さび病（Uromyces appendiculatus）、角斑病（Phaeoisariopsis griseola）、炭疽病（Colletotrichum lindemuthianum）、根腐病（Fusarium solani）；
　ラッカセイの病害：黒渋病（Cercospora personata）、褐斑病（Cercospora arachidicola）、白絹病（Sclerotium rolfsii）、黒根腐病（Calonectria ilicicola）；
　エンドウの病害：うどんこ病（Erysiphe pisi）、根腐病（Fusarium solani）；
　ジャガイモの病害：夏疫病（Alternaria solani）、疫病（Phytophthora infestans）、緋色腐敗病（Phytophthora erythroseptica）、粉状そうか病（Spongospora subterranea f. sp. subterranea）、半身萎凋病（Verticillium albo－atrum、Verticillium dahliae、Verticillium nigrescens）、乾腐病（Fusarium solani）、がん腫病（Synchytrium endobioticum）；
　イチゴの病害：うどんこ病（Sphaerotheca humuli）；
　チャの病害：網もち病（Exobasidium reticulatum）、白星病（Elsinoe leucospila）、輪斑病（Pestalotiopsis sp.）、炭疽病（Colletotrichum theae－sinensis）；
　タバコの病害：赤星病（Alternaria longipes）、炭疽病（Colletotrichum tabacum）、べと病（Peronospora tabacina）、疫病（Phytophthora nicotianae）；
　テンサイの病害：褐斑病（Cercospora beticola）、葉腐病（Thanatephorus cucumeris）、根腐病（Thanatephorus cucumeris）、黒根病（Aphanomyces cochlioides）、さび病（Uromyces betae）；
　バラの病害：黒星病（Diplocarpon rosae）、うどんこ病（Sphaerotheca pannosa）；
　キクの病害：褐斑病（Septoria chrysanthemi－indici）、白さび病（Puccinia horiana）；
　タマネギの病害：白斑葉枯病（Botrytis cinerea、Botrytis byssoidea、Botrytis squamosa)、灰色腐敗病（Botrytis allii）、小菌核性腐敗病（Botrytis squamosa）；
　種々の作物の病害：灰色かび病（Botrytis cinerea）、菌核病（Sclerotinia sclerotiorum）、
苗立枯病（Pythium aphanidermatum、Pythium irregulare、Pythium ultimum）；
　ダイコンの病害：黒斑病（Alternaria brassicicola）；
　シバの病害：ダラースポット病（Sclerotinia homoeocarpa）、ブラウンパッチ病、ラージパッチ病（Rhizoctonia solani）、赤焼病（Pythium aphanidermatum）；
　バナナの病害：シガトカ病（Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola）;
　レンズマメの病害：Ascochyta病（Ascochyta lentis）;
　ヒヨコマメの病害：Ascochyta病（Ascochyta rabiei）;
　ピーマンの病害：炭疽病（Colletotrichum scovillei）；
　マンゴーの病害：炭疽病（Colletotrichum acutatum）；
　果樹の病害：白紋羽病（Rosellinia necatrix）、紫紋羽病（Helicobasidium mompa）；
　収穫後のリンゴ、ナシ等の果実の病害：ムコールロット病（Mucor piriformis）；
Aspergillus属、Penicillium属、Fusarium属、Gibberella属、Tricoderma属、Thielaviopsis属、Rhizopus属、Mucor属、Corticium属、Phoma属、Rhizoctonia属、Diplodia属等によって引き起こされる、種子病害又は生育初期の病害；　　　
　ウイルス病：Olpidium brassicaeによって媒介されるレタスのビッグベイン病、Polymyxa属（例えば、Polymyxa betae及びPolymyxa graminis）によって媒介される各種作物のウイルス病；
　細菌(bacteria)が引き起こす病害：イネの苗立枯細菌病（Burkholderia plantarii）、キュウリの斑点細菌病（Pseudomonas ｓyringae pv． lachrymans）、ナスの青枯病（Ralstonia solanacearum）、カンキツのかいよう病（Xanthomonas citri）、ハクサイの軟腐病（Erwinia carotovora）、ジャガイモのそうか病（Streptomyces scabiei）、トウモロコシのGoss's wilt病（Clavibacter michiganensis）、ブドウ、オリーブ、モモ等のピアス病（Xylella fastidiosa）、リンゴ、モモ、サクランボ等のバラ科植物の根頭がんしゅ病（Agrobacterium tumefaciens）。
　上記の植物病原性微生物について、種内の変異は特に限定されない。すなわち、特定の殺菌剤に対して感受性が低下（抵抗性を示す、とも言う）したものも含まれる。感受性の低下は、標的部位に突然変異を有するもの（作用点変異）であってもよいし、作用点変異でない要因によっていてもよい（非作用点変異）。

　本発明組成物は、植物又はその栽培地に施用することで当該植物を上記記載の有害生物から保護することができる。栽培地としては、例えば、水田、畑地、果樹園、芝地、非農耕地等が挙げられる。
　本発明組成物を使用できる植物としては、例えば、トウモロコシ（馬歯種、硬粒種、軟粒種、爆裂種、糯種、甘味種、フィールドコーン）、イネ（長粒種、短粒種、中粒種、ジャポニカ種、熱帯ジャポニカ種、インディカ種、ジャワニカ種、水稲、陸稲、浮稲、直播、移植、糯米）、コムギ（パンコムギ（硬質、軟質、中質、赤コムギ、白コムギ）、デュラムコムギ、スペルトコムギ、クラブコムギ、それぞれの冬コムギ型、春コムギ型）、オオムギ（二条オオムギ（＝ビールムギ）、六条オオムギ、ハダカムギ、もち麦、それぞれの冬オオムギ型、春オオムギ型）、ライムギ（冬ライムギ型、春ライムギ型）、トリティカーレ（冬トリティカーレ型、春トリティカーレ型）エンバク（冬エンバク型、春エンバク型）、ソルガム、ワタ（アップランド種、ピマ種）、ダイズ（完熟種子収穫品種、枝豆品種、青刈り品種、それぞれの無限伸育型、有限伸育型、半有限伸育型）、ピーナッツ、ソバ、テンサイ（製糖用、飼料用、根菜、葉菜、燃料）、ナタネ（冬ナタネ型、春ナタネ型）、カノーラ（冬カノーラ型、春カノーラ型）ヒマワリ（搾油用、食用、観賞用）、サトウキビ、タバコ、チャノキ、クワ、ナス科野菜（ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等）、ウリ科野菜（キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等）、アブラナ科野菜（ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等）、キク科野菜（ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等）、ユリ科野菜（ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等）、セリ科野菜（ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等）、アカザ科野菜（ホウレンソウ、フダンソウ等）、シソ科野菜（シソ、ミント、バジル等）、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ、仁果類（リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、チュウゴクナシ、カリン、マルメロ等）、核果類（モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等）、カンキツ類（ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等）、堅果類（クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等）、液果類（ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等）、ブドウ、カキ、イチジク、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、観賞植物、森林植物、シバ類、牧草類が挙げられる。
　上記植物は、一般的に栽培される品種であれば特に限定はない。上記植物には、自然交配で作出しうる植物、突然変異により発生しうる植物、F1ハイブリッド植物、および遺伝子組換え植物も含まれる。

　本発明組成物の植物又はその栽培地への施用方法は、公知の技術を用いることができ、例えば、茎葉散布処理、種子処理、土壌処理が挙げられる。なお、種子処理とは種子又は栄養生殖器官への処理を意味する。栄養生殖器官とは植物の根、茎、葉などのうち、その部位を本体から切り離して土壌に設置した場合に、成長する能力を持つものを意味し、例えば、塊根（tuberous root）、横走根（creeping root）、鱗茎（bulb）、球茎（corm又はsolid bulb）、塊茎（tuber）、根茎（rhizome）、匍匐枝（stolon）、担根体（rhizophore）、茎断片（cane cuttings）、むかご（propagule）及びつる（vine cutting）が挙げられる。施用する際に用いる機器としては、例えば、手回し散布器、動力散布機、パンクルスプレーヤー、有人航空機（有人ヘリコプターなど）、無人航空機（ラジコンヘリ、ドローンなど）が挙げられる。また、播種同時又は播種前後数日間にトラクター、プランター等で施用することもできる。本発明組成物は、そのまま用いても良いし、水で希釈した希釈液を用いても良い。

　本発明組成物は、例えば、インピルフルキサム、農薬活性成分（ｂ）、リグニンスルホン酸塩、およびポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩、並びに必要に応じて製剤補助剤を水に添加し、高速撹拌機により十分に撹拌・混合した後に、ビーズミル等の湿式粉砕機により微粉砕する方法や、インピルフルキサムおよび農薬活性成分（ｂ）をジェットミル等の乾式粉砕機により微粉砕し、次いで微粉砕されたインピルフルキサムおよび農薬活性成分（ｂ）、リグニンスルホン酸塩およびポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩、並びに必要に応じて製剤補助剤を水に添加し、高速撹拌機により十分に撹拌・混合する方法により製造することができる。

　本発明組成物において、農薬活性成分は水中に微粒子の形で分散しており、該微粒子の粒径は、通常１０μｍ以下、好ましくは０．１～１０μｍ、更に好ましくは０．２～７μｍである。具体的な粒径としては、例えば、１．０μｍ、１．５μｍ、１．８μｍ、２．０μｍ、２．５μｍ、３．０μｍ、３．５μｍ、４．０μｍ等が挙げられる。本発明において粒径とは、体積中位径を意味する。体積中位径は、体積基準の頻度分布において累積頻度で５０％となる粒径を指し、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて湿式測定により求めることができる。より具体的には、被測定物を水中に分散させて該装置を用いて測定する。かかるレーザー回折式粒度分布測定装置としては、マルバーン社製のマスターサイザー３０００が用いられる。

　以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。
　まず、水性懸濁状農薬組成物の製造例及び比較製造例を示す。

製造例１
　インピルフルキサム　５．６重量部、テブコナゾール　１８．７重量部、リグニンスルホン酸ナトリウム（Ｒｅａｘ　８５Ａ、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）３．７重量部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩　４０重量％及びプロピレングリコール　６０重量％の混合物（ソプロフォールＦＬＫ、ソルベイ日華社製）　１．９重量部、シリコーン系消泡剤（Ｘｉａｍｅｔｅｒ　ＡＣＰ－１５００　Ａｎｔｉｆｏａｍ　ｃｏｍｐｏｕｎｄ、東レ・ダウコーニング社製）０．１重量部、及びイオン交換水　２６．０重量部を混合し、混合物（ｉ）を得た。
　該混合物（ｉ）を、横型ビーズミル（ＤＹＮＯ－ＭＩＬＬＫＤＬ、ＷＩＬＬＹ　Ａ．ＢＡＣＨＯＦＥＮ　ＡＧ　Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｆａｂｒｉｋ社製）を用いて湿式粉砕し、懸濁液を得た。一方、キサンタンガム（Ｋｅｌｚａｎ　Ｓ　ｐｌｕｓ、ＣＰＫｅｌｃｏ社製）　０．２重量部、ケイ酸アルミニウムマグネシウム（Ｖｅｅｇｕｍ　Ｒ、バンダービルト社製）　０．４重量部、プロピレングリコール　３．０重量部及び防腐剤（有効成分として１，２－ベンズイソチアゾリン－３－オンを含む、ＰｒｏｘｅｌＧＸＬ、Ｌｏｎｚａ社製）　０．２重量部をイオン交換水　２１．２重量部に加えて、２時間撹拌を継続して、混合物（ii）を得た。該混合物（ii）を先に得られた懸濁液に加えて混合し、さらにそこに、シリコーン系消泡剤（Ｘｉａｍｅｔｅｒ　ＡＣＰ－１５００　Ａｎｔｉｆｏａｍ　ｃｏｍｐｏｕｎｄ、東レ・ダウコーニング社製）０．１重量部、イオン交換水　１９．０重量部を加えて、本発明の水性懸濁状農薬組成物（以下、本発明組成物（１）と記す）を得た。本発明組成物（１）に含まれるインピルフルキサムおよびテブコナゾールの微粒子の体積中位径は２．０μｍであった。

製造例２
　リグニンスルホン酸ナトリウム（Ｒｅａｘ　８５Ａ、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）の使用量を２．８重量部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩　４０重量％及びプロピレングリコール　６０重量％の混合物（ソプロフォールＦＬＫ、ソルベイ日華社製）の使用量を２．８重量部とした以外は製造例１と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物（以下、本発明組成物（２）と記す）を得た。本発明組成物（２）に含まれるインピルフルキサムおよびテブコナゾールの微粒子の体積中位径は１．８μｍであった。

製造例３
　リグニンスルホン酸ナトリウム（Ｒｅａｘ　８５Ａ、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）の使用量を１．９重量部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩　４０重量％及びプロピレングリコール　６０重量％の混合物（ソプロフォールＦＬＫ、ソルベイ日華社製）の使用量を３．７重量部とした以外は製造例１と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物（以下、本発明組成物（３）と記す）を得た。本発明組成物（３）に含まれるインピルフルキサムおよびテブコナゾールの微粒子の体積中位径は１．８μｍであった。

製造例４
　リグニンスルホン酸ナトリウム（Ｒｅａｘ　８５Ａ、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）の使用量を０．９重量部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩　４０重量％及びプロピレングリコール　６０重量％の混合物（ソプロフォールＦＬＫ、ソルベイ日華社製）の使用量を４．７重量部とした以外は製造例１と同様の操作を行い、本発明の水性懸濁状農薬組成物（以下、本発明組成物（４）と記す）を得た。本発明組成物（４）に含まれるインピルフルキサムおよびテブコナゾールの微粒子の体積中位径は１．８μｍであった。

比較製造例１
　インピルフルキサム　５．６重量部、テブコナゾール　１８．７重量部、リグニンスルホン酸ナトリウム（Ｒｅａｘ　８５Ａ、Ｉｎｇｅｖｉｔｙ社製）５．６重量部、シリコーン系消泡剤（Ｘｉａｍｅｔｅｒ　ＡＣＰ－１５００　Ａｎｔｉｆｏａｍ　ｃｏｍｐｏｕｎｄ、東レ・ダウコーニング社製）０．１重量部、及びイオン交換水　２６．０重量部を混合し、混合物（Ａ－ｉ）を得た。
　該混合物（Ａ－ｉ）を、横型ビーズミル（ＤＹＮＯ－ＭＩＬＬＫＤＬ、ＷＩＬＬＹ　Ａ．ＢＡＣＨＯＦＥＮ　ＡＧ　Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｆａｂｒｉｋ社製）を用いて湿式粉砕し、懸濁液を得た。一方、キサンタンガム（Ｋｅｌｚａｎ　Ｓ　ｐｌｕｓ、ＣＰＫｅｌｃｏ社製）　０．２重量部、ケイ酸アルミニウムマグネシウム（Ｖｅｅｇｕｍ　Ｒ、バンダービルト社製）　０．４重量部、プロピレングリコール　３．０重量部及び防腐剤（有効成分として１，２－ベンズイソチアゾリン－３－オンを含む、ＰｒｏｘｅｌＧＸＬ、Ｌｏｎｚａ社製）　０．２重量部をイオン交換水　２１．２重量部に加えて、２時間撹拌を継続して、混合物（Ａ－ii）を得た。該混合物（Ａ－ii）を先に得られた懸濁液に加えて混合し、シリコーン系消泡剤（Ｘｉａｍｅｔｅｒ　ＡＣＰ－１５００　Ａｎｔｉｆｏａｍ　ｃｏｍｐｏｕｎｄ、東レ・ダウコーニング社製）０．１重量部、イオン交換水　１９．０重量部を加えて、比較用の水性懸濁状農薬組成物（以下、比較組成物（１）と記す）を得た。比較組成物（１）に含まれるインピルフルキサムおよびテブコナゾールの微粒子の体積中位径は１．９μｍであった。

比較製造例２
　インピルフルキサム　５．６重量部、テブコナゾール　１８．７重量部、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩　４０重量％及びプロピレングリコール　６０重量％の混合物（ソプロフォールＦＬＫ、ソルベイ日華社製）　５．６重量部、シリコーン系消泡剤（Ｘｉａｍｅｔｅｒ　ＡＣＰ－１５００　Ａｎｔｉｆｏａｍ　ｃｏｍｐｏｕｎｄ、東レ・ダウコーニング社製）０．１重量部、及びイオン交換水　２６．０重量部を混合し、混合物（Ｂ－ｉ）を得た。
　該混合物（Ｂ－ｉ）を、横型ビーズミル（ＤＹＮＯ－ＭＩＬＬＫＤＬ、ＷＩＬＬＹ　Ａ．ＢＡＣＨＯＦＥＮ　ＡＧ　Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｆａｂｒｉｋ社製）を用いて湿式粉砕し、懸濁液を得た。一方、キサンタンガム（Ｋｅｌｚａｎ　Ｓ　ｐｌｕｓ、ＣＰＫｅｌｃｏ社製）　０．２重量部、ケイ酸アルミニウムマグネシウム（Ｖｅｅｇｕｍ　Ｒ、バンダービルト社製）　０．４重量部、プロピレングリコール　３．０重量部及び防腐剤（有効成分として１，２－ベンズイソチアゾリン－３－オンを含む、ＰｒｏｘｅｌＧＸＬ、Ｌｏｎｚａ社製）　０．２重量部をイオン交換水　２１．２重量部に加えて、２時間撹拌を継続して、混合物（Ｂ－ii）を得た。該混合物（Ｂ－ii）を先に得られた懸濁液に加えて混合し、シリコーン系消泡剤（Ｘｉａｍｅｔｅｒ　ＡＣＰ－１５００　Ａｎｔｉｆｏａｍ　ｃｏｍｐｏｕｎｄ、東レ・ダウコーニング社製）０．１重量部、イオン交換水　１９．０重量部を加えて、比較用の水性懸濁状農薬組成物（以下、比較組成物（２）と記す）を得た。比較組成物（２）に含まれるインピルフルキサムおよびテブコナゾールの微粒子の体積中位径は１．９μｍであった。

　次に、本発明の水性懸濁状農薬組成物の保存安定性について、試験例を示す。

試験例１
　前記製造例１～４および比較製造例１、２で得た水性懸濁状農薬組成物の起泡性を測定した。起泡性測定の手順は以下の通りである。
　国際農薬分析法協議会（ＣＩＰＡＣ）規定の標準水Ｈ１９５．５ｍｌが入った２５０ｍｌ容有栓メスシリンダーに、水性懸濁状農薬組成物０．５ｍｌを加え、メスシリンダーに栓をした。メスシリンダーを１秒で１８０°転倒させ１秒で元に戻す操作を、３０回繰り返し１分間静置した後に、液面に存在する気泡の体積を測定した。結果を表１に示す。表１に示されるとおり、本発明組成物（１）～（４）はいずれも散布液調製時における気泡発生が抑制されることがわかった。

試験例２
　前記製造例１～４および比較製造例１、２で得た水性懸濁状農薬組成物を５０ｍｌのガラス瓶に入れて密封し、５４℃に設定した恒温機内にて２週間保管した。上記恒温機内に所定期間保存した水性懸濁状農薬組成物を１０ｇ分取したのち水道水にて希釈し、目開き４５μｍの篩へ通した。篩上に残った残渣をイオン交換水で流すことによりガラスシャーレ上に移し、６０℃のオーブンで乾燥させた後、使用した水性懸濁状農薬組成物の重量（１０ｇ）に対する残渣の重量割合（％）を以下の式により算出した。結果を表２に示す。
篩残渣（％）＝（残渣重量（ｇ）/１０（ｇ））×１００
　篩残渣（％）が高い場合、測定したサンプル中に大きな粒子が存在することを意味する。表２に示されるとおり、本発明組成物（１）～（４）はいずれも高温保存後も大きな粒子の発生が抑制され、保存安定性に優れることがわかった。

　本発明により、保存時の結晶成長、並びに散布液調製時における気泡発生がいずれも抑制された、水性懸濁状農薬組成物を提供することができる。

Claims

　（ａ）インピルフルキサム、（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分（インピルフルキサムを除く）の１種以上、（ｃ）リグニンスルホン酸塩、および（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩を含む水性懸濁状農薬組成物。
　（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、殺菌活性成分、殺虫活性成分、殺ダニ活性成分、及び殺線虫活性成分からなる群より選択される１種以上である、請求項１に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、殺菌活性成分を含む、請求項１に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、ステロール生合成阻害剤及びミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤からなる群より選択される１種以上を含む、請求項１に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　２種類の（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分を含む請求項１～４のいずれか１項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　２種類の（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分が、ステロール生合成阻害剤及びミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤である、請求項５に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　（ｃ）リグニンスルホン酸塩と（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩との重量比が６：１～１：２である、請求項１～６のいずれか１項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　（ａ）インピルフルキサムと（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分との合計量と、（ｃ）リグニンスルホン酸塩と（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩との合計量との重量比が１５：１～１：１である、請求項１～７のいずれか１項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　更に、（ａ）インピルフルキサム及び（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分とは異なる農薬活性成分を含有する、請求項１～８のいずれか１項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　（ａ）インピルフルキサム及び（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分とは異なる農薬活性成分が、生物農薬活性成分である、請求項９に記載の水性懸濁状農薬組成物。
　（ａ）インピルフルキサム及び（ｂ）融点が５０℃以上の農薬活性成分（インピルフルキサムを除く）の１種以上を含む組成物に、（ｃ）リグニンスルホン酸塩および（ｄ）ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸エステル塩を添加する工程を含む、水性懸濁状農薬組成物の保存安定性を改善する方法。