WO2023162392A1 - バックアップ電源装置 - Google Patents

Abstract

外部からの主電力を信号処理部１３０に供給する主電力回路部１４０と、信号処理部１３０内の記憶部１３５にバックアップ電力を供給し、記憶部１３５をバックアップするバックアップ回路部１５０と、を備える電子回路装置１００に内蔵され、二次電池１６２と、主電力を用いて二次電池１６２を充電する充電部１６１と、外部からの外部バックアップ電力、または二次電池１６２に充電された内部バックアップ電力のいずれかをバックアップ回路部１５０に供給する供給部１６３とを備え、供給部１６３は、外部バックアップ電力が存在する場合は外部バックアップ電力を、外部バックアップ電力が存在しない場合は内部バックアップ電力をバックアップ回路部１５０に供給することにより、外部からのバックアップ電力の供給が途絶しても記憶部の情報を消失させない。

Description

バックアップ電源装置

　この発明は、電子回路装置のバックアップ電源装置に関する。

　エンコーダは、コネクタを介して外部の電源から主電力の供給を受けつつ、測定対象物の回転を測定する。すなわち、エンコーダは、測定対象物に応じて回転する回転符号板の回転状態を検出し、１回転内角度についての１回転情報と回転数についての多回転情報とを、コネクタを介して外部に出力する。

　測定動作を停止すると、エンコーダは、コネクタを介して外部の電源からバックアップ電力の供給を受け、多回転情報を記憶部に記憶する。停止した測定動作を再開する場合、エンコーダは、回転符号板の角度を検出して得た１回転情報と、記憶部に記憶していた多回転情報とを初期値として、測定動作を開始する。この種のエンコーダにおけるバックアップ電力の供給は、特許文献１に提案されている。

特開２００７－２９２６９１号公報

　上記特許文献１に開示されたバックアップ電力を供給する電源装置は、エンコーダの外部、すなわち、エンコーダから見た場合にコネクタより外側に存在している。したがって、コネクタが正常に接続されている限り、バックアップ電力により記憶部の記憶内容は保持される。

　エンコーダが測定動作を停止している期間においてコネクタが抜けた場合、外部の電源からのバックアップ電力が途絶し、記憶部の多回転情報を消失する。このため、エンコーダは、測定動作開始時の正確な状態を把握することができず、正常な状態で測定動作を再開することができない。

　したがって、外部からバックアップ電力を供給するコネクタが何らかの理由で抜けた場合でも、バックアップ電力を必要とする記憶部の情報を消失しないことが望まれている。

　本発明は、外部から供給されるバックアップ電力の供給が途絶した場合でも、バックアップ電力を必要とする記憶部の情報を消失させることのないバックアップ電源装置を実現することを目的とする。

　この発明に係るバックアップ電源装置は、外部の電源から主電力の供給を受け、信号処理部に主電力を供給する主電力回路部と、信号処理部内の記憶部にバックアップ電力を供給し、記憶部をバックアップするバックアップ回路部と、を備える電子回路装置に内蔵されるバックアップ電源装置であって、二次電池と、外部の電源から供給される主電力を用いて二次電池を充電する充電部と、外部の電源から供給される外部バックアップ電力、または二次電池に充電された電力である内部バックアップ電力のいずれかをバックアップ回路部に供給する供給部と、を備え、供給部は、外部バックアップ電力が存在する場合、外部バックアップ電力をバックアップ回路部に供給し、外部バックアップ電力が存在しない場合、内部バックアップ電力をバックアップ回路部に供給する。

　この発明に係るバックアップ電源装置において、供給部は、外部バックアップ電力が入力に供給される第１整流素子と、内部バックアップ電力が入力に供給される第２整流素子とを備え、第１整流素子の出力と第２整流素子の出力とが共にバックアップ回路部に接続される。

　この発明に係るバックアップ電源装置において、電子回路装置内の信号処理部は、エンコーダの回転符号板の１回転内の回転状態に関する１回転情報と、回転符号板の１回転以上の回転数に関する多回転情報とを処理し、記憶部は、多回転情報を記憶する。

　この発明によれば、外部から供給されるバックアップ電力の供給が途絶した場合でも、バックアップ電力を必要とする記憶部の情報を消失させることのないバックアップ電源装置を提供することができる。

本発明の実施の形態１におけるバックアップ電源装置を含む電子回路装置の回路構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態１におけるバックアップ電源装置の回路構成を示す回路図である。 比較例として従来の電子回路装置の回路構成を示す構成図である。

　以下、本発明のバックアップ電源装置の実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付している。

　［比較例］
　まず、本発明の実施の形態１におけるバックアップ電源装置を含む電子回路装置１００に対する比較例として、バックアップ電源装置を有しない電子回路装置１００Ａについて図３を参照して説明する。図３は、比較例として従来の電子回路装置１００Ａの回路構成を示す構成図である。

　図３において、電子回路装置１００Ａは、エンコーダとして機能する。電子回路装置１００Ａは、回転符号板１１０と、検出部１２０と、信号処理部１３０と、記憶部１３５と、主電力回路部１４０と、バックアップ回路部１５０とを有する。

　電子回路装置１００Ａは、コネクタ５０を介して、コマンドを上位装置から、主電力及びバックアップ電力を外部の電源からそれぞれ供給される。電子回路装置１００Ａは、コネクタ５０を介して、１回転情報と多回転情報とをデータとして外部の上位装置へ出力する。

　回転符号板１１０は、回転軸を中心にして、測定対象物と等速で回転する。検出部１２０は、回転符号板１１０に付されたスリット等の符号を光学的に読み取る。信号処理部１３０は、主電力回路部１４０を介して外部の電源から主電力の供給を受けて、検出部１２０の読み取り結果を演算処理し、回転符号板１１０の１回転内角度についての１回転情報と回転数についての多回転情報とを得る。記憶部１３５は、測定動作を停止している期間において、バックアップ回路部１５０からバックアップ電力の供給を受け、多回転情報を記憶する。主電力回路部１４０は、コネクタ５０を介して外部の電源から供給される主電力を、信号処理部１３０の要求する電圧の主電力にして、信号処理部１３０に供給する。バックアップ回路部１５０は、コネクタ５０を介して外部の電源から供給されるバックアップ電力を、記憶部１３５の要求する電圧のバックアップ電力として記憶部１３５に供給することにより、記憶部１３５をバックアップする。

　電子回路装置１００Ａは、測定動作実行中に、検出部１２０により回転符号板１１０に付されたスリット等の符号を光学的に読み取り、信号処理部１３０において、検出部１２０の読み取り結果を演算処理し、演算処理により求めた１回転情報と多回転情報とをデータとしてコネクタ５０を介して外部に出力する。
　電子回路装置１００Ａが測定動作を停止すると、記憶部１３５は、バックアップ回路部１５０からバックアップ電力の供給を受け、多回転情報を記憶する。
　電子回路装置１００Ａは、動作再開の命令を受けると、検出部１２０により回転符号板１１０の停止位置を検出して得た１回転情報と、記憶部１３５に記憶していた多回転情報とを合わせた回転情報を初期値として、測定動作を再開する。

　測定動作を停止している期間において、何らかの理由でコネクタ５０が抜けた場合、外部の電源からのバックアップ電力の供給が途絶する。これにより、バックアップ回路部１５０から記憶部１３５へのバックアップ電力の供給が停止し、記憶部１３５の多回転情報が消失する。このため、電子回路装置１００Ａは、回転情報の初期値を得られず、正常な状態で測定動作を再開することができなくなる。

　実施の形態１．
　次に、本発明の実施の形態１におけるバックアップ電源装置１６０と、バックアップ電源装置１６０を含む電子回路装置１００との基本的な構成について、図１と図２を参照して説明する。図１は、本発明の実施の形態１におけるバックアップ電源装置１６０を含む電子回路装置１００の回路構成を示す構成図である。図２は、本発明の実施の形態１におけるバックアップ電源装置１６０の回路構成を示す回路図である。

　［電子回路装置１００の構成］
　図１において、電子回路装置１００は、エンコーダとして機能する。電子回路装置１００は、回転符号板１１０と、検出部１２０と、信号処理部１３０と、記憶部１３５と、主電力回路部１４０と、バックアップ回路部１５０と、バックアップ電源装置１６０とを有する。

　電子回路装置１００は、コネクタ５０を介して、上位装置からのコマンド、外部の電源から主電力及びバックアップ電力を供給される。電子回路装置１００は、コネクタ５０を介して、１回転情報と多回転情報とをデータとして外部の上位装置へ出力する。

　回転符号板１１０は、回転軸を中心にして、測定対象物と等速で回転する。検出部１２０は、回転符号板１１０に付されたスリット等の符号を光学的に読み取る。信号処理部１３０は、主電力回路部１４０を介して外部の電源から主電力の供給を受けて、検出部１２０の読み取り結果を演算処理し、回転符号板１１０の１回転内角度についての１回転情報と回転数についての多回転情報とを得る。記憶部１３５は、信号処理部１３０内に設けられ、測定動作を停止している期間において、バックアップ回路部１５０からバックアップ電力の供給を受け、多回転情報を記憶する。なお、記憶部１３５は信号処理部１３０に電気的に接続されていればよく、物理的に信号処理部１３０の内部に存在しない態様であってもよい。主電力回路部１４０は、コネクタ５０を介して外部の電源から供給される主電力を、信号処理部１３０の要求する電圧の主電力として、信号処理部１３０に供給する。バックアップ回路部１５０は、バックアップ電源装置１６０から供給されるバックアップ電力を、記憶部１３５の要求する電圧のバックアップ電力として記憶部１３５に供給することにより、記憶部１３５をバックアップする。

　バックアップ電源装置１６０には、充電部１６１と、二次電池１６２と、供給部１６３とが設けられている。充電部１６１は、外部の電源から供給される主電力を用いて、バックアップ電力として使用可能な電圧となるように二次電池１６２を充電する。二次電池１６２は、固体電池等で構成され、充電部１６１により充電され、充電された電力を内部のバックアップ電力（以下、「内部バックアップ電力」と呼ぶ）として供給部１６３に供給する。供給部１６３は、コネクタ５０を介して外部の電源から供給されるバックアップ電力（以下、電子回路装置１００内において「外部バックアップ電力」と呼ぶ）、または、バックアップ電源装置１６０により生成される内部バックアップ電力のうちいずれか一方を、バックアップ回路部１５０に供給する。

　図２に示すように、供給部１６３は、コネクタ５０を介して外部バックアップ電力が入力に供給される第１整流素子としてのダイオードＤ１と、二次電池１６２からの内部バックアップ電力が入力に供給される第２整流素子としてのダイオードＤ２とを備えている。供給部１６３において、ダイオードＤ１の出力とダイオードＤ２の出力とは、共にバックアップ回路部１５０に接続されている。
　供給部１６３は、コネクタ５０を介した外部の電源から供給される外部バックアップ電力をダイオードＤ１を介してバックアップ回路部１５０に供給し、二次電池１６２から内部バックアップ電力をダイオードＤ２を介してバックアップ回路部１５０に供給する。供給部１６３は、ダイオードＤ１及びＤ２で発生する電圧降下を小さくするため、ショットキバリアダイオード等を用いることが望ましい。

　電子回路装置１００は、測定動作実行中に、検出部１２０により回転符号板１１０に付されたスリット等の符号を光学的に読み取り、信号処理部１３０において、検出部１２０の読み取り結果を演算処理し、演算処理により求めた１回転情報と多回転情報とをコネクタ５０を介して外部に出力する。
　電子回路装置１００が測定動作を停止すると、記憶部１３５は、バックアップ回路部１５０からバックアップ電力の供給を受け、多回転情報を記憶する。
　コネクタ５０を介した外部バックアップ電力が存在する場合、供給部１６３は、外部バックアップ電力をバックアップ回路部１５０に供給する。一方、コネクタ５０の外れ等により外部バックアップ電力が途切れる等により存在しない場合、供給部１６３は、二次電池１６２に充電された電力である内部バックアップ電力をバックアップ回路部１５０に供給する。

　すなわち、測定動作を停止している期間において、何らかの理由でコネクタ５０が抜けたとしても、外部の電源からの外部バックアップ電力の供給から、二次電池１６２に充電された内部バックアップ電力の供給に瞬時に切り替わる。これにより、バックアップ回路部１５０から記憶部１３５への電力供給が停止することはなく、記憶部１３５の多回転情報は消失しない。電子回路装置１００は、動作再開の命令を受けると、検出部１２０により回転符号板１１０の停止位置を検出して得た１回転情報と、記憶部１３５に記憶していた多回転情報とを合わせた回転情報を初期値として、測定動作を再開することができる。

　以上の説明において、１つのコネクタ５０により外部と電子回路装置１００とを接続しているが、この状態に限定されるものではない。たとえば、コマンド・データ用のコネクタと電力用のコネクタとが分離したものであってもよい。また、コマンド・データ用のコネクタと、主電力用のコネクタと、及びバックアップ電力用のコネクタとが分離したものであってもよい。

　［実施の形態の効果］
　実施の形態１のバックアップ電源装置１６０は、外部の電源から主電力の供給を受け、信号処理部１３０に主電力を供給する主電力回路部１４０と、信号処理部１３０内の記憶部１３５にバックアップ電力を供給し、記憶部１３５をバックアップするバックアップ回路部１５０と、を備える電子回路装置１００に内蔵されるバックアップ電源装置１６０であって、二次電池１６２と、外部の電源から供給される主電力を用いて二次電池１６２を充電する充電部１６１と、外部の電源から供給される外部バックアップ電力、または二次電池１６２に充電された電力である内部バックアップ電力のいずれかをバックアップ回路部１５０に供給する供給部１６３と、を備え、供給部１６３は、外部バックアップ電力が存在する場合、外部バックアップ電力をバックアップ回路部１５０に供給し、外部バックアップ電力が存在しない場合、内部バックアップ電力をバックアップ回路部１５０に供給する。
　このバックアップ電源装置１６０によれば、コネクタ５０の外れ等により外部の電源からの外部バックアップ電力の供給が途絶した場合でも、二次電池１６２に充電された電力である内部バックアップ電力を用いることにより、バックアップ電力を必要とする記憶部１３５の情報を消失させることがない。

　実施形態１のバックアップ電源装置１６０において、供給部１６３は、外部バックアップ電力が入力に供給される第１整流素子Ｄ１と、二次電池１６２からの内部バックアップ電力が入力に供給される第２整流素子Ｄ２とを備え、第１整流素子Ｄ１の出力と第２整流素子Ｄ２の出力とが共にバックアップ回路部１５０に接続される。
　これにより、電子回路装置１００の動作を停止している期間において、何らかの理由でコネクタ５０が抜けた場合、外部の電源からの外部バックアップ電力の供給から、二次電池１６２からの内部バックアップ電力の供給に瞬時に切り替わる。すなわち、バックアップ回路部１５０から記憶部１３５への電力供給が停止することはなく、記憶部１３５の多回転情報は消失しない。

　実施形態１のバックアップ電源装置１６０において、信号処理部１３０は、エンコーダの回転符号板１１０の１回転内の回転状態に関する１回転情報と、回転符号板１１０の１回転以上の回転数に関する多回転情報とを処理しており、記憶部１３５は、多回転情報を記憶する。これにより、電子回路装置１００は、停止状態から動作再開の命令を受けると、検出部１２０により回転符号板１１０の停止位置を検出して得た１回転情報と、記憶部１３５に記憶していた多回転情報とを合わせた回転情報を初期値として、測定動作を再開することができる。

　５０　コネクタ、１００，１００Ａ　電子回路装置、１１０　回転符号板、１２０　検出部、１３０　信号処理部、１３５　記憶部、１４０　主電力回路部、１５０　バックアップ回路部、１６０　バックアップ電源装置、１６１　充電部、１６２　二次電池、１６３　供給部、Ｄ１　第１ダイオード（第１整流素子）、Ｄ２　第２ダイオード（第２整流素子）。

Claims (3)

1. 　外部の電源から主電力の供給を受け、信号処理部（130）に前記主電力を供給する主電力回路部（140）と、前記信号処理部（130）内の記憶部（135）にバックアップ電力を供給し、前記記憶部（135）をバックアップするバックアップ回路部（150）と、を備える電子回路装置（100）に内蔵されるバックアップ電源装置（160）であって、
   　二次電池（162）と、
   　前記外部の電源から供給される前記主電力を用いて前記二次電池（162）を充電する充電部（161）と、
   　前記外部の電源から供給される外部バックアップ電力、または前記二次電池（162）に充電された電力である内部バックアップ電力のいずれかを前記バックアップ回路部（150）に供給する供給部（163）と、
   を備え、
   　前記供給部（163）は、
   　前記外部バックアップ電力が存在する場合、前記外部バックアップ電力を前記バックアップ回路部（150）に供給し、
   　前記外部バックアップ電力が存在しない場合、前記内部バックアップ電力を前記バックアップ回路部（150）に供給する、
   　バックアップ電源装置。
2. 　前記供給部（163）は、
   　前記外部バックアップ電力が入力に供給される第１整流素子（D1）と、
   　前記内部バックアップ電力が入力に供給される第２整流素子（D2）と、を備え、
   　前記第１整流素子（D1）の出力と前記第２整流素子（D2）の出力とが共に前記バックアップ回路部（150）に接続される、
   　請求項１に記載のバックアップ電源装置。
3. 　前記信号処理部（130）は、エンコーダの回転符号板（110）の１回転内の回転状態に関する１回転情報と、前記回転符号板（110）の１回転以上の回転数に関する多回転情報とを処理し、
   　前記記憶部（135）は、前記多回転情報を記憶する、
   　請求項１又は請求項２に記載のバックアップ電源装置。

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