WO2023144965A1 - 機械部品の嵌合構造 - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B9/00Connections of rods or tubular parts to flat surfaces at an angle

Abstract

円柱状のシャフト(11)を、嵌合孔(21)に軸方向に嵌合させる機械部品(10,20)の嵌合構造(1)であって、嵌合孔(21)が、軸方向に沿うシャフト(11)との嵌合範囲に、軸方向に並んだ少なくとも2つの嵌合領域(P1,P2)を備え、嵌合領域(P1,P2)の内、嵌合孔(21)の奥側に配置される第1嵌合領域(P1)の公差が上限である場合の内径寸法が、第1嵌合領域(P1)よりも嵌合孔(21)の入口側に配置される第2嵌合領域(P2)の公差が下限である場合の内径寸法よりも小さく、第2嵌合領域(P2)は、第2嵌合領域(P2)における嵌合孔(21)とシャフト(11)との径方向の隙間に基づいて、嵌合孔(21)の軸に対してシャフト(11)が最大角度まで傾いても、シャフト(11)が第1嵌合領域(P1)にスムーズに進入させられる公差および軸方向の長さ寸法を有する機械部品(10,20)の嵌合構造(1)である。

Description

機械部品の嵌合構造
 本開示は、機械部品の嵌合構造に関するものである。
 従来、トルクセンサをロボットアームに取り付ける場合に、トルクセンサの軸心とロボットアームの軸心とを合わせるために、円柱状のトルクセンサをロボットアームの円筒状部分の内部に嵌合させることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
 円柱状のトルクセンサの外面をロボットアームの円筒状部分の内面に軸心方向の長い距離にわたって嵌合させると、トルク以外の曲げモーメントあるいは荷重が検出されてしまい、検出精度が低下していた。この不都合を解決するために、特許文献1は、トルクセンサの外面とロボットアームの内面とを軸心方向の一部において接触させることとしている。具体的には、トルクセンサの外周面の軸心方向の一部のみを径方向の外方に突出させたり、ロボットアームの内周面をテーパ状の曲面によって構成したりしている。
特開2020-12656号公報
 一般に、シャフトを穴に嵌合させる嵌合構造において、特許文献1の構造を採用すると、嵌合途中のシャフトが穴の内面において傾き易い。特に、最終的に嵌合させた状態での径方向の位置決め精度を確保するために、シャフトの外面および穴の内面の寸法公差をきわめて小さくすると、穴に対するシャフトの微小な傾きによっても、いわゆる「カジリ」が発生して嵌合が困難になる。
 したがって、シャフトを穴に嵌合させる場合に、嵌合し易さを向上しつつ、嵌合した状態で径方向の位置決め精度を向上することが望まれている。
 本開示の一態様は、円柱状のシャフトを、嵌合孔に軸方向に嵌合させる機械部品の嵌合構造であって、前記嵌合孔が、前記軸方向に沿う前記シャフトとの嵌合範囲に、前記軸方向に並んだ少なくとも2つの嵌合領域を備え、該嵌合領域の内、前記嵌合孔の奥側に配置される第1嵌合領域の公差が上限である場合の内径寸法が、該第1嵌合領域よりも前記嵌合孔の入口側に配置される第2嵌合領域の公差が下限である場合の内径寸法よりも小さく、該第2嵌合領域は、該第2嵌合領域における前記嵌合孔の内面と前記シャフトの外面との隙間に基づいて、前記嵌合孔の前記軸に対して前記シャフトが最大角度まで傾いても、該シャフトが前記第1嵌合領域にスムーズに進入させられる公差および前記軸方向の長さ寸法を有する機械部品の嵌合構造である。
本開示の第1の実施形態に係る機械部品の嵌合構造を説明する縦断面図である。 図1の嵌合構造におけるシャフトおよび嵌合孔の径寸法を示す部分的な縦断面図である。 図1の嵌合構造におけるシャフトと嵌合孔との間の径方向の隙間を説明する縦断面図である。 図1の嵌合構造における、嵌合孔の軸に対するシャフトの傾きを説明する縦断面図である。 本開示の第2の実施形態に係る機械部品の嵌合構造を説明する縦断面図である。 図5の嵌合構造におけるシャフトおよび嵌合孔の径寸法を示す部分的な縦断面図である。 図5の嵌合構造におけるシャフトと嵌合孔との間の径方向の隙間を説明する縦断面図である。
 本開示の第1の実施形態に係る機械部品の嵌合構造1について、図面を参照して以下に説明する。
 本実施形態に係る機械部品の嵌合構造1は、例えば、ロボットに備えられる2つの機械部品10,20間の嵌合構造である。
 第1の機械部品(機械部品)10は、図1に示されるように、例えば、一定の外径寸法を有する円柱状のシャフト11を備え、第2の機械部品(機械部品)20は、例えば、シャフト11を軸方向に嵌合させる横断面円形の嵌合孔21を備えている。
 シャフト11の外径寸法と嵌合孔21の内径寸法とは、共通の基準寸法を有している。シャフト11と嵌合孔21とは、軸方向の所定の嵌合範囲にわたって相互に嵌合する。
 嵌合範囲におけるシャフト11の外径寸法は単一の基準寸法と1組の公差とを備えている。シャフト11の公差は、基準寸法に対する寸法のばらつき範囲を示し、公差が下限である内径寸法に製造された嵌合孔21に対しても嵌合可能となるように、基準寸法に対して負側に偏っている。
 一方、嵌合範囲における嵌合孔21には、軸方向に並んだ少なくとも2つの嵌合領域P1,P2が備えられている。2つの嵌合領域P1,P2は、図1に示されるように、嵌合孔(シャフト11の嵌合孔21への嵌合方向)21の奥側に配置される第1嵌合領域P1、および、第1嵌合領域P1よりも嵌合孔21の入口側(シャフト11の嵌合孔21への嵌合方向の手前側)に配置される第2嵌合領域P2である。
 第1嵌合領域P1および第2嵌合領域P2の内径寸法は、共通の基準寸法As,Bsを有し、かつ、異なる公差を備えている。図1に誇張して示されるように、第1嵌合領域P1における公差が上限である場合の内径寸法は、第2嵌合領域P2における公差が下限である場合の内径寸法よりも小さく設定されている。
 すなわち、第1嵌合領域P1の内径寸法と第2嵌合領域P2の内径寸法とは、共通の基準寸法As,Bsを有しているが、公差域が重なっていない。したがって、嵌合孔21は、嵌合範囲の軸方向の途中において、加工条件を変更して加工されることにより構成されている。
 具体的には、本実施形態に係る嵌合構造1は、図2に示されるように、以下の関係を有している。
 A<B1<B2
 B1a<B2b
 ここで、
 A:シャフト11の外径寸法、B1:第1嵌合領域P1の内径寸法、B2:第2嵌合領域P2の内径寸法、B1a:第1嵌合領域P1における公差が上限である場合の内径寸法、B2b:第2嵌合領域P2における公差が下限である場合の内径寸法である。
 シャフト11の外径寸法Aは、公差が上限である場合の外径寸法Aa、公差が下限である場合の外径寸法Abとして、
 Ab≦A≦Aa
である。
 嵌合孔21の第1嵌合領域P1の内径寸法B1は、公差が上限である場合の内径寸法B1a、公差が下限である場合の内径寸法B1bとして、
 B1b≦B1≦B1a
である。
 また、嵌合孔21の第2嵌合領域P2の内径寸法B2は、公差が上限である場合の内径寸法B2a、公差が下限である場合の内径寸法B2bとして、
 B2b≦B2≦B2a
である。
 上述したように、シャフト11は、基準寸法Asに対して公差が負側に偏る外径寸法Aを有しているので、第1嵌合領域P1および第2嵌合領域P2に嵌合されたいずれの状態においても、嵌合孔21の内面との間に隙間を生ずる。内径寸法B2が大きい第2嵌合領域P2の方が、内径寸法B1が小さい第1嵌合領域P1よりも、シャフト11の外面と嵌合孔21の内面との径方向の隙間が大きくなっている。
 シャフト11の嵌合孔21への嵌合は、シャフト11の先端を嵌合孔21の入口側から嵌合孔21内に挿入し、まず、入口側に配置されている第2嵌合領域P2に嵌合させる。そして、嵌合が進行して第2嵌合領域P2の軸方向全長にわたってシャフト11が嵌合した状態で、第2嵌合領域P2よりも嵌合孔21の奥側に配置されている第1嵌合領域P1への嵌合が開始される。
 本実施形態においては、第2嵌合領域P2の公差が上限である場合の内径寸法B2aおよび軸方向の長さLが、以下のようにして設定されている。
 図3に、シャフト11の外径寸法Aが公差の下限である場合の外径寸法Abであり、かつ、第2嵌合領域P2の内径寸法B2が公差の上限である場合の内径寸法B2aにある場合を示す。この場合には、嵌合孔21の内面とシャフト11の外面との間に形成される隙間δは、最大値δmaxとなる。
 δmax=B2a-Ab
 そして、図4に、シャフト11が第1嵌合領域P1に嵌合開始する直前の状態、すなわち、シャフト11が第2嵌合領域P2の軸方向全長に嵌合し、嵌合長さが第2嵌合領域P2の軸方向の長さLである場合を示す。この場合には、シャフト11は、嵌合孔21の軸Xに対して最大角度θmaxだけ傾く可能性がある。
 θmax=tan-1(δmax/L)
 本実施形態に係る嵌合構造1は、第2嵌合領域P2のみに嵌合しているシャフト11が嵌合孔21の軸Xに対して最大角度θmaxまで傾いても、その後に継続するシャフト11の第1嵌合領域P1へのスムーズな進入が許容されるように公差および長さLが設定されている。ここで、シャフト11の第1嵌合領域P1へのスムーズな進入とは、シャフト11と第1嵌合領域P1との間で、双方が食い付いて外れなくなる、いわゆる「カジリ」を生じずに進入することを意味する。
 第1嵌合領域P1においては、隙間δは可能な限り0に近いことが、径方向の位置決め精度を向上できる点で好ましいが、現実的にシャフト11を嵌合孔21に嵌合させるためには、正の隙間δが存在する必要がある。
 そして、シャフト11を嵌合孔21の第1嵌合領域P1にスムーズに進入させるには、進入開始時点におけるシャフト11の嵌合孔21の軸Xに対する最大角度θmaxが低く抑えられていることが必要である。シャフト11を嵌合孔21の第1嵌合領域P1にスムーズに進入させ得る最大角度θmaxについては、実用されるシャフト11および嵌合孔21の種々の基準寸法と、公差と、第2嵌合領域P2の長さLとに基づいて検討した結果、
 θmax≦1°
であることが好ましいことが分かった。
 このように構成された本実施形態に係る機械部品の嵌合構造1の作用について、以下に説明する。
 本実施形態に係る機械部品の嵌合構造1によれば、シャフト11を嵌合孔21に嵌合させると、シャフト11はまず、嵌合孔21の入口側に位置する第2嵌合領域P2に嵌合する。第2嵌合領域P2は、嵌合孔21の奥側に位置する第1嵌合領域P1よりも大きな内径寸法を有しているので、嵌合したシャフト11との間の隙間δは第1嵌合領域P1におけるよりも大きい。
 したがって、シャフト11の嵌合孔21への嵌合開始後、第1嵌合領域P1への嵌合に先立って嵌合する第2嵌合領域P2においては、シャフト11は嵌合孔21の軸Xに対して比較的大きく傾いていても、カジリを生じることなく嵌合を進行させることができる。
 そして、第2嵌合領域P2への嵌合完了後に、第1嵌合領域P1への嵌合が開始する際の、嵌合孔21の軸Xに対するシャフト11の傾きθが、第1嵌合領域P1におけるカジリを生じさせない基準寸法、公差および長さLを有している。したがって、シャフト11は、第2嵌合領域P2との嵌合から、そのまま第1嵌合領域P1との嵌合へスムーズに移行し、シャフト11を第1嵌合領域P1にもカジリを生ずることなく嵌合させることができる。
 ここで、実用的なシャフト11の外径寸法Aおよび嵌合孔21の内径寸法B1,B2の一例として、例えば、基準寸法Bs=100,120,150の3つの場合について説明する。また、ここでは、日本工業規格(JIS B0401)に基づき、シャフト11の外径寸法Aの公差域がh7、嵌合孔21の第1嵌合領域P1の内径寸法B1の公差域がF7、第2嵌合領域P2の内径寸法B2の公差域がH7である場合を例示する。
 As=Bs=100である場合には、
 Ab=99.965≦A≦Aa=100、
 B1b=100≦B1≦B1a=100.035、
 B2b=100.036≦B2≦B2a=100.071
である。
 したがって、第2嵌合領域P2において、シャフト11と嵌合孔21との間の径方向の隙間の最大値δmaxは、
 δmax=100.071-99.965=0.106
となる。
 第2嵌合領域P2の軸X方向の長さL=6mmであれば、第2嵌合領域P2に嵌合し第1嵌合領域P1への嵌合直前のシャフト11の最大角度θmaxは、
 θmax=tan-1(0.106/6)=1.0°
となる。
 As=Bs=120である場合には、
 Ab=119.965≦A≦Aa=120、
 B1b=120≦B1≦B1a=120.035、
 B2b=120.036≦B2≦B2a=120.071
である。
 したがって、第2嵌合領域P2において、シャフト11と嵌合孔21との間の径方向の隙間の最大値δmaxは、
 δmax=120.071-119.965=0.106
となる。
 第2嵌合領域P2の軸X方向の長さL=8mmであれば、第2嵌合領域P2に嵌合し第1嵌合領域P1への嵌合直前のシャフト11の最大角度θmaxは、
 θmax=tan-1(0.106/8)=0.76°≦1°
となる。
 また、As=Bs=150である場合には、
 Ab=149.960≦A≦Aa=150、
 B1b=150≦B1≦B1a=150.040、
 B2b=150.043≦B2≦B2a=150.083
である。
 したがって、第2嵌合領域P2において、シャフト11と嵌合孔21との間の径方向の隙間の最大値δmaxは、
 δmax=150.083-149.960=0.123
となる。
 第2嵌合領域P2の軸X方向の長さL=8.2mmであれば、第2嵌合領域P2に嵌合し第1嵌合領域P1への嵌合直前のシャフト11の最大角度θmaxは
 θmax=tan-1(0.123/8.2)=0.86°≦1°
となる。
 実用上、上記のシャフト11および嵌合孔21の基準寸法、公差および第2嵌合領域P2の長さであれば、嵌合孔21の第2嵌合領域P2への嵌合開始から第1嵌合領域P1への嵌合完了まで、カジリを生じさせずに、シャフト11をスムーズに嵌合させることができている。したがって、種々の基準寸法において、第2嵌合領域P2に嵌合し第1嵌合領域P1への嵌合直前のシャフト11の最大角度θmaxがθmax≦1°となるように、基準寸法、公差および長さLを設定することができる。そして、このように設定することにより、シャフト11の嵌合孔21への嵌合開始を容易にし、かつ、嵌合終了までスムーズに嵌合を進行させることができ、しかも、最終的に嵌合した状態において、径方向の高い位置決め精度を達成することができるという利点がある。
 なお、本実施形態においては、実用上、嵌合孔21の第2嵌合領域P2への嵌合開始から第1嵌合領域P1への嵌合完了まで、カジリを生じさせずに、シャフト11をスムーズに嵌合させることができている場合を例示した。これに代えて、上記各条件を満たす他の基準寸法、公差および第2嵌合領域P2の長さLを採用してもよい。
 すなわち、第2嵌合領域P2へのシャフト11の嵌合し易さを維持しながら、第1嵌合領域P1へのカジリの生じない嵌合を達成するには、第2嵌合領域P2の長さLを長くすればよい。また、第2嵌合領域P2の長さLを長くできない場合には、嵌合し易さを確保し得る程度に、第2嵌合領域P2における径方向の寸法公差を小さく調整すればよい。
 また、本実施形態においては第1嵌合領域P1の公差が下限である内径寸法B1bと、第2嵌合領域P2の公差が上限である内径寸法B2aとの寸法差ΔBが、第1嵌合領域P1の内径の基準寸法Bsの0.1%以下であることが好ましい。このようにすることで、第1嵌合領域P1と第2嵌合領域P2との間の段差を低減し、第2嵌合領域P2から第1嵌合領域P1への嵌合をスムーズに移行させることができる。
 上記の例において、Bs=100である場合には、
 ΔB=B2a―B1b=100.071-100=0.071
 ΔB/Bs=0.071/100=0.00071≦0.1%
である。
 また、Bs=120である場合には、
 ΔB=B2a-B1b=120.71-120=0.071
 ΔB/Bs=0.071/120=0.00059≦0.1%
である。
 また、Bs=150である場合には、
 ΔB=B2a-B1b=150,083-150=0.083
 ΔB/Bs=0.083/150=0.00055≦0.1%
である。
 本実施形態においては、シャフト11を備える第1の機械部品10、および、嵌合孔21を備える第2の機械部品20において、シャフト11を嵌合孔21に嵌合させる嵌合構造1について説明した。この場合の機械部品10,20としてはロボットに備えられる機械部品としたが、他の任意の機械部品であってもよい。特に、第1の機械部品10または第2の機械部品20の一方がロボットを構成するアームあるいはハウジング等の機械部品であり、他方が力、トルクあるいは温度等を検出するセンサであることにしてもよい。
 次に、本開示の第2の実施形態に係る機械部品の嵌合構造50について、図面を参照して以下に説明する。
 本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る機械部品の嵌合構造1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
 本実施形態に係る機械部品の嵌合構造50においては、図5に示されるように、嵌合孔21が単一の公差の内径寸法Bを備え、シャフト11が、軸Y方向に並んだ2つの嵌合領域R1,R2を備えている点で、第1の実施形態と相違している。嵌合範囲における嵌合孔21の内径寸法は単一の基準寸法と1組の公差とを備えている。嵌合孔21の公差は、基準寸法に対する寸法のばらつき範囲を示し、公差が上限である場合の外径寸法に製造されたシャフト11も嵌合可能となるように、基準寸法に対して正側に偏っている。
 シャフト11の2つの嵌合領域R1,R2は、図6に示されるように、シャフト11の基端側に配置される第1嵌合領域R1および、第1嵌合領域R1よりもシャフト11の先端側に配置される第2嵌合領域R2である。
 第1嵌合領域R1の外径寸法A1および第2嵌合領域R2の外径寸法A2は、共通の基準寸法As,Bsを有し、かつ、異なる公差を備えている。第2嵌合領域R2における公差が上限である場合の外径寸法A2aは、第1嵌合領域R1における公差が下限である場合の外径寸法A1bよりも小さく設定されている。
 すなわち、第1嵌合領域R1の外径寸法A1と第2嵌合領域R2の外径寸法A2とは、共通の基準寸法As,Bsを有しているが、公差域が重なっていない。したがって、シャフト11は、嵌合範囲の軸Y方向の途中において、加工条件を変更して加工されることにより構成されている。
 具体的には、本実施形態に係る嵌合構造50は、以下の関係を有している。
 A2<A1<B
 A2a<A1b
 ここで、
 A1:シャフト11の第1嵌合領域R1の外径寸法、A2:シャフト11の第2嵌合領域R2の外径寸法、A2a:第2嵌合領域R2における公差が上限である場合の外径寸法、A1b:第1嵌合領域R1における公差が下限である場合の外径寸法、B:嵌合孔21の内径寸法である。
 嵌合孔21の内径寸法Bは、公差が上限である場合の内径寸法Ba、公差が下限である場合の内径寸法Bbとして、
 Bb≦B≦Ba
である。
 シャフト11の第1嵌合領域R1の外径寸法A1は、公差が上限である場合の外径寸法A1a、公差が下限である場合の外径寸法A1bとして、
 A1b≦A1≦A1a
である。
 また、シャフト11の第2嵌合領域R2の外径寸法A2は、公差が上限である場合の外径寸法A2a、公差が下限である場合の外径寸法A2bとして、
 A2b≦A2≦A2a
である。
 上述したように、嵌合孔21は、基準寸法Bsに対して公差が正側に偏る内径寸法Bを有しているので、シャフト11の第1嵌合領域R1および第2嵌合領域R2が嵌合したいずれの状態においても、シャフト11の外面との間に隙間を生ずる。小さい外径寸法A2の第2嵌合領域R2の方が、大きい外径寸法A1の第1嵌合領域R1よりも、シャフト11の外面と嵌合孔21の内面との径方向の隙間が大きくなっている。
 シャフト11の嵌合孔21への嵌合は、シャフト11の先端を嵌合孔21の入口側から嵌合孔21内に挿入し、まず、先端側に配置されている第2嵌合領域R2に嵌合させる。そして、嵌合が進行して第2嵌合領域R2の軸Y方向全長にわたって嵌合孔21に嵌合した状態で、第2嵌合領域R2よりもシャフト11の基端側に配置されている第1嵌合領域R1の嵌合孔21への嵌合が開始される。
 本実施形態においては、第2嵌合領域R2の公差が上限である場合の外径寸法A2aおよび第2嵌合領域R2の軸Y方向の長さLが、以下のようにして設定されている。
 図7に示されるように、シャフト11の第2嵌合領域R2の外径寸法A2が公差の下限である場合の外径寸法A2bであり、かつ、嵌合孔21の内径寸法Bが公差の上限である場合の内径寸法Baにある場合に、嵌合孔21の内面とシャフト11の外面との間に形成される隙間δは、最大値δmaxとなる。
 δmax=Ba-A2b
 そして、シャフト11の第1嵌合領域R1が嵌合孔21に嵌合開始する直前の状態、すなわち、シャフト11の第2嵌合領域R2の軸Y方向全長が嵌合孔21に嵌合し、嵌合長さが第2嵌合領域R2の軸Y方向の長さLである場合には、シャフト11は、嵌合孔21の軸Xに対して最大角度θmaxだけ傾く可能性がある。
 θmax=tan-1(δmax/L)
 本実施形態に係る嵌合構造50は、第2嵌合領域R2のみが嵌合孔21に嵌合しているシャフト11が、嵌合孔21の軸Xに対して最大角度θmaxまで傾いても、その後にシャフト11の第1嵌合領域R1が嵌合孔21にスムーズに進入させられるように公差B2aおよび長さLが設定されている。ここで、シャフト11の第1嵌合領域R1の嵌合孔へのスムーズな進入とは、シャフト11の第1嵌合領域R1と嵌合孔21との間で、双方が食い付いて外れなくなる、いわゆる「カジリ」を生じずに進入することを意味する。
 第1嵌合領域R1においては、隙間δは可能な限り0に近いことが、径方向の位置決め精度を向上できる点で好ましいが、現実的にシャフト11を嵌合孔21に嵌合させるためには、正の隙間δが存在する必要がある。
 そして、シャフト11の第1嵌合領域R1を嵌合孔21にスムーズに進入させるには、進入開始時点におけるシャフト11の嵌合孔21の軸Xに対する最大角度θmaxが低く抑えられていることが必要である。シャフト11の第1嵌合領域R1を嵌合孔21にスムーズに進入させ得る最大角度θmaxについては、実用されるシャフト11および嵌合孔21の種々の基準寸法と、公差と、第2嵌合領域R2の長さLとに基づいて検討した結果、
 θmax≦1°
であることが好ましいことが分かった。
 このように構成された本実施形態に係る機械部品の嵌合構造50の作用について、以下に説明する。
 本実施形態に係る機械部品の嵌合構造50によれば、シャフト11を嵌合孔21に嵌合させると、まず、シャフト11の先端側に位置する第2嵌合領域R2が、嵌合孔21の入口側から嵌合する。第2嵌合領域R2は、シャフト11の基端側に位置する第1嵌合領域R1よりも小さな外径寸法を有しているので、嵌合したシャフト11との間の隙間は第1嵌合領域R1におけるよりも大きい。
 したがって、シャフト11の第1嵌合領域R1の嵌合孔21への嵌合に先立って嵌合する第2嵌合領域R2においては、シャフト11は嵌合孔21の軸Xに対して比較的大きく傾いていても、カジリを生じることなく嵌合を進行させることができる。
 そして、第2嵌合領域R2の嵌合孔21への嵌合完了後に、第1嵌合領域R1の嵌合が開始する際の、嵌合孔21の軸Xに対するシャフト11の傾きθが、第1嵌合領域R1と嵌合孔21とのカジリを生じさせない基準寸法、公差および長さLを有している。したがって、シャフト11は、第2嵌合領域R2の嵌合孔21への嵌合から、そのまま第1嵌合領域R1の嵌合孔21への嵌合へスムーズに移行し、シャフト11の第1嵌合領域R1も嵌合孔21へ、カジリを生ずることなく嵌合させることができる。
 また、種々の基準寸法において、シャフト11の第2嵌合領域R2が嵌合孔21に嵌合し第1嵌合領域R1が嵌合する直前のシャフト11の最大角度θmaxがθmax≦1°となるように、基準寸法、公差および長さLを設定することができる。このように設定することにより、シャフト11の嵌合孔21への嵌合開始を容易にし、かつ、嵌合終了までスムーズに嵌合を進行させることができ、しかも、最終的に嵌合した状態において、径方向の高い位置決め精度を達成することができるという利点がある。
 また、本実施形態においては、シャフト11の第1嵌合領域R1の公差が下限である外径寸法A1bと、第2嵌合領域R2の公差が上限である外径寸法A2aとの寸法差ΔAが、第1嵌合領域R1の内径の基準寸法Asの0.1%以下であることが好ましい。このようにすることで、第1嵌合領域R1と第2嵌合領域R2との間の段差を低減し、第2嵌合領域R2から第1嵌合領域R1の嵌合孔21への嵌合をスムーズに移行させることができる。
 1,50 嵌合構造
 10 第1の機械部品(機械部品)
 11 シャフト
 20 第2の機械部品(機械部品)
 21 嵌合孔
 P1,R1 第1嵌合領域
 P2,R2 第2嵌合領域

Claims (9)

  1.  円柱状のシャフトを、嵌合孔に軸方向に嵌合させる機械部品の嵌合構造であって、
     前記嵌合孔が、前記軸方向に沿う前記シャフトとの嵌合範囲に、前記軸方向に並んだ少なくとも2つの嵌合領域を備え、
     該嵌合領域の内、前記嵌合孔の奥側に配置される第1嵌合領域の公差が上限である場合の内径寸法が、該第1嵌合領域よりも前記嵌合孔の入口側に配置される第2嵌合領域の公差が下限である場合の内径寸法よりも小さく、
     該第2嵌合領域は、該第2嵌合領域における前記嵌合孔の内面と前記シャフトの外面との隙間に基づいて、前記嵌合孔の前記軸に対して前記シャフトが最大角度まで傾いても、該シャフトが前記第1嵌合領域にスムーズに進入させられる公差および前記軸方向の長さ寸法を有する機械部品の嵌合構造。
  2.  以下の関係を有する請求項1に記載の機械部品の嵌合構造。
     A<B1<B2
     B1a<B2b
     ここで、
     A:前記シャフトの外径寸法、
     B1:前記第1嵌合領域の内径寸法、
     B2:前記第2嵌合領域の内径寸法、
     B1a:前記第1嵌合領域の公差が上限である場合の内径寸法、
     B2b:前記第2嵌合領域の公差が下限である場合の内径寸法
    である。
  3.  前記嵌合孔が、前記シャフトと同一の径方向の基準寸法を有する請求項1または請求項2に記載の機械部品の嵌合構造。
  4.  以下の関係を有する請求項3に記載の機械部品の嵌合構造。
     (B2a-B1b)/Bs≦0.001
     ここで、
     Bs:前記嵌合孔の内径の基準寸法
     B2a:前記第2嵌合領域の公差が上限である場合の内径寸法
     B1b:前記第1嵌合領域の公差が下限である場合の内径寸法
    である。
  5.  円柱状のシャフトを、嵌合孔に嵌合させる機械部品の嵌合構造であって、
     前記シャフトが、前記軸方向に沿う前記嵌合孔との嵌合範囲に、前記軸方向に並んだ少なくとも2つの嵌合領域を備え、
     該嵌合領域の内、前記シャフトの基端側に配置される第1嵌合領域の公差が下限である場合の外径寸法が、該第1嵌合領域よりも先端側に配置される第2嵌合領域の公差が上限である場合の外径寸法よりも大きく、
     前記第2嵌合領域は、該第2嵌合領域における前記シャフトの外面と前記嵌合孔の内面との隙間に基づいて、前記嵌合孔の前記軸に対して前記シャフトが最大角度まで傾いても、前記第1嵌合領域が前記嵌合孔にスムーズに進入させられる公差および前記軸方向の長さ寸法を有する機械部品の嵌合構造。
  6.  以下の関係を有する請求項5に記載の機械部品の嵌合構造。
     A2<A1<B
     A2a<A1b
     ここで、
     B:前記嵌合孔の内径寸法、
     A1:前記第1嵌合領域の外径寸法、
     A2:前記第2嵌合領域の外径寸法、
     A2a:前記第2嵌合領域の公差が上限である場合の外径寸法、
     A1b:前記第1嵌合領域の公差が下限である場合の外径寸法
    である。
  7.  前記嵌合孔が、前記シャフトと同一の径方向の基準寸法を有する請求項5または請求項6に記載の機械部品の嵌合構造。
  8.  以下の関係を有する請求項7に記載の機械部品の嵌合構造。
     (A1a-A2b)/As≦0.001
     ここで、
     As:前記シャフトの外径の基準寸法
     A1a:前記第1嵌合領域の公差が上限である場合の外径寸法
     A2b:前記第2嵌合領域の公差が下限である場合の外径寸法
    である。
  9.  前記最大角度が、1°以下である請求項1から請求項8のいずれかに記載の機械部品の嵌合構造。
     
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