WO2023120386A1

WO2023120386A1 - 管理装置、ユーザ端末、管理方法及び通信方法

Info

Publication number: WO2023120386A1
Application number: PCT/JP2022/046278
Authority: WO
Inventors: 幸弘豊北; 信昭田崎; 智晃井野; 俊彦森
Original assignee: パナソニックＩｐマネジメント株式会社
Priority date: 2021-12-21
Filing date: 2022-12-15
Publication date: 2023-06-29

Abstract

本開示に係る管理装置は、ユーザが複数のポートの間で移動する複数の車両と、ユーザが利用するユーザ端末とのそれぞれとネットワークを介して通信する。複数の車両それぞれには、複数の表示態様を有する、固有のキャラクタが設定されている。管理装置は、取得部、分析部及び表示管理部を備える。分析部は、取得部により取得された複数の車両それぞれの位置を示す位置情報に基づいて、複数の車両に関する複数のポートの間における配置の偏り度を分析する。表示管理部は、偏り度の大きさに応じて、複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されているキャラクタの表示態様を決定する。

Description

管理装置、ユーザ端末、管理方法及び通信方法

　本開示は、管理装置、ユーザ端末、管理方法及び通信方法に関する。

　従来、複数の利用者の間で例えば自転車などの車両をシェアする車両シェアリングサービスが知られている。例えば、利用者は、サービスステーションに配置されている車両から、利用を希望する車両を選択して、選択した車両に関する貸し出しの手続きを行う。

特開２０１８－０７３００６号公報特開２０１８－０６３４６９号公報

　しかしながら、例えば借り受けた貸出拠点とは異なる貸出拠点に車両を返却することができる車両シェアリングサービスでは、利用状況によっては複数の貸出拠点における車両の分布に偏りが発生する場合がある。このため、管理者は、車両を移動させて複数の貸出拠点における車両の分布を均す車両の再配置を行う必要があり、再配置コストが運営収益を圧迫する場合があった。

　本開示が解決しようとする課題は、車両シェアリングサービスに対する利用者の協力を促進することである。

　本開示に係る管理装置は、ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムにおいて、複数の表示態様を有する固有のキャラクタがそれぞれに設定された前記複数の車両と、前記ユーザが利用するユーザ端末とのそれぞれとネットワークを介して通信する。前記管理装置は、取得部、分析部及び表示管理部を備える。前記取得部は、前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報を取得する。前記分析部は、前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析する。前記表示管理部は、前記偏り度の大きさに応じて、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を決定する。

図１は、実施形態に係る車両シェアリングシステムの構成の一例を示すブロック図である。図２は、実施形態に車両シェアリングシステムに含まれる各装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図３は、実施形態に係る状態決定処理における入出力の関係の一例を示す図である。図４は、実施形態に係る親密度決定処理における入出力の関係の一例を示す図である。図５は、実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。図６は、実施形態に係る表示画面の別の一例を示す図である。図７は、実施形態に係る表示画面の別の一例を示す図である。図８は、実施形態に係る管理装置において実行される、状態決定処理の一例を示すフローチャートである。図９は、実施形態に係る管理装置において実行される、親密度決定処理の一例を示すフローチャートである。図１０は、実施形態に係る表示画面の別の一例を示す図である。図１１は、実施形態に係る表示画面の別の一例を示す図である。図１２は、実施形態に係るＡＰＩ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｐｒｏｇｒａｍｍｉｎｇ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）を介して車両シェアリングサービスを提供する車両シェアリングシステムの構成の一例を示す図である。

　以下、図面を参照しながら、本開示に係る管理装置、ユーザ端末、管理方法及び通信方法の実施形態について説明する。

　なお、本開示の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、既出の図において前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。

　図１は、実施形態に係る車両シェアリングシステム１の構成の一例を示すブロック図である。車両シェアリングシステム１は、図１に示すように、車両３、ユーザ端末５、ポート７及び管理装置９を含む。車両３、ユーザ端末５、ポート７及び管理装置９は、ネットワークＮＷを介して通信可能に接続される。ここで、管理装置９は、情報処理装置の一例である。また、ユーザ端末５は、表示端末の一例である。

　実施形態に係る車両シェアリングシステム１は、予め登録された複数のユーザが利用することにより複数の車両３が複数のポート７の間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムである。換言すれば、実施形態に係る車両シェアリングシステム１は、複数の利用者の間で車両３を共有して利用することができる車両シェアリングサービスを管理する管理システムである。車両シェアリングサービスとは、例えば、駐輪場や駐車場などの予め定められた場所（ポート７）に保管された車両３を複数の利用者が使用できるサービスである。なお、車両シェアリングサービスは、例えば、利用者の間で車両３を受け渡すことにより車両３を複数の利用者が使用できるサービスであっても構わない。

　本実施形態では、車両３として電動自転車を例示するが、これに限らない。車両３としては、電動自転車に限らず、例えば、電動キックボードや電動車椅子、自動車、自動二輪車などの搭載されたバッテリを用いて駆動する各種の車両を含む。なお、本開示に係る技術は、車両に限らず、船舶、航空機などの電池を利用する各種の移動体に関して適用することもできる。つまり、車両３は、移動体の一例であると表現できる。

　車両シェアリングシステム１は、一例として、サーバ装置としての管理装置９と、クライアント装置としてのユーザ端末５とを含む、サーバクライアント型のシステムとして構築することができる。ユーザ端末５と、管理装置９とは、例えばインターネット等の電気通信回線（ネットワークＮＷ）を介して通信可能に接続される。ユーザ端末５としては、スマートフォンやパーソナルコンピュータ（ＰＣ）、タブレットＰＣ、カーナビゲーションシステム等が適宜利用可能である。管理装置９としては、サーバ装置、ＰＣ等が適宜利用可能である。

　車両シェアリングシステム１は、一例として、サーバ装置としての管理装置９と、クライアント装置としての車両３に搭載されたコンピュータとを含む、サーバクライアント型のシステムとして構築することができる。以下、車両３に搭載されたコンピュータを車載器と記載する。車両３の車載器及び管理装置９は、例えば専用線やインターネット等の電気通信回線（ネットワークＮＷ）を介して通信可能に接続される。車載器としては、車両３の制御に使用されるコンピュータなどの専用のコンピュータに限らず、スマートフォン等が利用されても構わない。

　なお、図１には１つの車両３を例示するが、車両シェアリングシステム１は、２つ以上の複数の車両３を含む。また、図１は、１つのユーザ端末５を例示するが、車両シェアリングシステム１は、２つ以上のユーザ端末５を含む。また、図１は、３つのポート７を例示するが、車両シェアリングシステム１は、２つ又は４つ以上のポート７を含み得る。

　図２は、実施形態に車両シェアリングシステム１に含まれる各装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。

　例えば車両３の車載器、ユーザ端末５、ポート７及び管理装置９のそれぞれは、プロセッサ１１、メモリ１２及び通信回路１３を有する。プロセッサ１１、メモリ１２及び通信回路１３は、バス１９を介して互いに通信可能に接続される。

　プロセッサ１１は、車両シェアリングシステム１の各装置（車両３の車載器、ユーザ端末５、ポート７及び管理装置９）の全体の動作を制御する。プロセッサ１１は、メモリ１２のＲＡＭにロードされたプログラムを実行することにより、各装置の有する各機能を実現する。

　プロセッサ１１としては、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）やＧＰＵ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、ＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）、ＦＰＧＡ（Ｆｉｅｌｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　Ｇａｔｅ　Ａｒｒａｙ）等の各種のプロセッサが適宜利用可能である。

　メモリ１２は、車両シェアリングシステム１の各装置で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。メモリ１２としては、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）やＨＤＤ（Ｈａｒｄ　Ｄｉｓｋ　Ｄｒｉｖｅ）、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ　Ｓｔａｔｅ　Ｄｒｉｖｅ）、Ｆｌａｓｈメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が適宜利用可能である。また、メモリ１２には、一時的に作業中のデータを記憶するＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）がさらに設けられる。

　通信回路１３は、ネットワークを介して外部と通信するための回路である。通信回路１３としては、有線通信用の通信回路、無線通信用の通信回路及びこれらの組合せが適宜利用可能である。無線通信用の通信回路としては、３Ｇや４Ｇ、５Ｇ、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等の各種の規格に対応した通信回路が適宜利用可能である。

　例えばユーザ端末５は、ディスプレイ１４及びタッチパネル１５をさらに有する。ディスプレイ１４及びタッチパネル１５それぞれは、バス１９を介してプロセッサ１１等に接続される。なお、車両３の車載器、ポート７及び／又は管理装置９は、ディスプレイ１４及びタッチパネル１５をさらに有していてもよい。

　ディスプレイ１４は、利用者に表示画面を提示する。ディスプレイ１４としては、液晶ディスプレイ、有機ＥＬディスプレイ、プロジェクタ等が適宜利用可能である。タッチパネル１５は、利用者の入力を受け付ける。タッチパネル１５は、例えばディスプレイ１４の表面に設けられ、触れられた位置に応じた情報を出力する。

　なお、車両シェアリングシステム１の各装置は、タッチパネル１５に限らず、キーボード等の他の入力装置を有していても構わない。また、車両シェアリングシステム１の各装置は、利用者の音声入力を受け付けるマイクロフォンや音声データに応じた音声を出力するスピーカ等をさらに備えていても構わない。これらの場合、車両シェアリングシステム１において、利用者情報が音声により登録されてもよいし、キャラクタの表情や感情、親密度などの状態やメッセージが音声により利用者に提示されてもよい。

　例えば車両３は、センサ１６をさらに有する。センサ１６は、バス１９を介して車両３の車載器のプロセッサ１１等に接続される。センサ１６としては、例えば車両３の位置情報を取得するＧＰＳセンサや車両３の車輪の回転数を計測するセンサ、外気温を計測するセンサ等が利用され得る。

　なお、車両シェアリングシステム１において、管理装置９は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体や可搬型の外部記憶装置を介して、登録されたユーザ情報を格納するデータベースにアクセス可能に構成されていても構わない。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ＣＤ－ＲＯＭ、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ－Ｒ、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ　Ｄｉｓｋ）等が適宜利用可能である。また、可搬型の外部記憶装置としては、ＨＤＤやＳＳＤ、Ｆｌａｓｈメモリ等が適宜利用可能である。

　なお、車両シェアリングシステム１において、管理装置９は、複数の装置の組合せにより構成されていても構わない。つまり、実施形態に係る管理処理は、複数の装置による分散処理で実現されてもよい。

　ここで、図１を再び参照しつつ、車両シェアリングシステム１の各装置が有する機能について説明する。

　車両３の車載器においてプロセッサ１１は、メモリ１２のＲＡＭにロードされたプログラムを実行することにより、位置取得部３１、通信部３２及び電池残量推定部３５としての機能を実現する。

　位置取得部３１において車両３の車載器のプロセッサ１１は、例えばセンサ１６としてのＧＰＳセンサや車輪の回転数を計測するセンサ等の出力に基づき、車両３の現在位置を示す位置情報を取得する。また、プロセッサ１１は、例えば位置情報をメモリ１２に蓄積し、走行ルートや走行距離などの車両３の走行履歴に関する走行データを取得する。

　通信部３２において車両３の車載器のプロセッサ１１は、位置情報及び電池残量の情報を、車両情報として通信回路１３により管理装置９へ送信する。

　電池残量推定部３５において車両３の車載器のプロセッサ１１は、車両３に搭載されたバッテリの使用状況に関するバッテリデータを取得する。例えば、バッテリデータは、バッテリ容量、バッテリに対する入出力電流値の時系列、バッテリセル単位での充電状態（ＳＯＣ：Ｓｔａｔｅｓ　Ｏｆ　Ｃｈａｒｇｅ）などのバッテリ残量やバッテリ劣化量、バッテリ消費量、充電量、充電時間、充放電回数、充電時の温度などの情報のうちの少なくとも１つを含む。プロセッサ１１は、取得されたバッテリデータを用いて、車両３のバッテリの残量を示す電池残量を推定する。

　なお、電池残量推定部３５において車両３の車載器のプロセッサ１１は、例えばセンサ１６としての温度センサ等の出力に基づき、外気温などの車両３が使用された環境に関する使用環境データを取得してもよい。この場合、プロセッサ１１は、使用環境データをさらに用いて電池残量を推定する。

　なお、電池残量推定部３５において車両３の車載器のプロセッサ１１は、車両３の充電時間や充電量、充電時間、充電時の温度などの情報を、例えばポート７から取得してもよい。

　ユーザ端末５においてプロセッサ１１は、メモリ１２のＲＡＭにロードされたプログラムを実行することにより、表示部５１及び通信部５２としての機能を実現する。

　表示部５１においてプロセッサ１１は、利用者情報の入力画面や管理装置９からのメッセージ情報を表示する通知画面などを表示する。

　ここで、メッセージ情報とは、例えば、ポート７の間における車両３の偏り度が予め定められたしきい値より大きいとき、利用中ではない車両３を他のポートへ移動させる再配置の協力をユーザに促す情報である。あるいは、メッセージ情報とは、例えば、利用中ではない車両３に搭載されたバッテリの電池残量が予め定められたしきい値より小さいとき、バッテリの再充電の協力をユーザに促す情報である。あるいは、メッセージ情報とは、例えば、ポート７に配置されていない車両３、すなわち乗り捨てられた車両３が有るとき、当該車両３をいずれかのポート７へ移動させる再配置の協力をユーザに促す情報である。例えばシステム管理者は、車両３の再配置及び充電の少なくとも一方に関するメッセージ情報が生成されるように、管理装置９において優先度を設定することができる。

　通信部５２においてプロセッサ１１は、受け付けた利用者情報を通信回路１３により管理装置９へ送信する。また、プロセッサ１１は、通信回路１３により管理装置９からのメッセージ情報を受信する。

　ポート７においてプロセッサ１１は、メモリ１２のＲＡＭにロードされたプログラムを実行することにより、通信部７１としての機能を実現する。

　通信部７１においてプロセッサ１１は、例えばＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）ビーコンを用いて車両３を感知し、自ポートに配置されている車両３を示す配置情報を管理装置９に通知する。

　図３は、実施形態に係る状態決定処理における入出力の関係１００の一例を示す図である。図４は、実施形態に係る親密度決定処理における入出力の関係２００の一例を示す図である。管理装置９は、状態決定処理又は親密度決定処理において、車両３やユーザの状態に関する情報の入力に応じてキャラクタ状態を決定し、決定されたパラメータに応じたメッセージ情報を出力する。

　管理装置９は、状態決定処理において、車両３の状態に関する情報の入力１０１に応じて車両３の状態率を判定することにより、各状態率に対応するキャラクタ状態１０３を決定し、決定されたキャラクタ状態１０３でキャラクタを表示させるためのメッセージ情報１０５を出力する。

　管理装置９は、親密度決定処理において、ユーザの状態に関する情報の入力２０１に応じて親密度（キャラクタ状態２０３）を決定し、決定された親密度に応じたキャラクタ状態２０３でキャラクタを表示させるためのメッセージ情報２０５を出力する。

　管理装置９においてプロセッサ１１は、メモリ１２のＲＡＭにロードされたプログラムを実行することにより、通信部９１、記憶部９３、分析部９５及び表示管理部９７としての機能を実現する。

　通信部９１においてプロセッサ１１は、通信回路１３によりユーザ端末５からの利用登録の情報や、車両３の貸出要求などを受信する。また、プロセッサ１１は、通信回路１３により、ポート７からの配置情報を受信する。また、プロセッサ１１は、車両３からの車両情報を受信する。また、プロセッサ１１は、ユーザ端末５へメッセージ情報を送信する。ここで、車両３からの車両情報を受信する通信部９１は、取得部の一例である。

　記憶部９３においてプロセッサ１１は、通信回路１３により受信された利用登録の情報や配置情報、車両情報などをメモリ１２に格納する。また、プロセッサ１１は、分析部９５により生成されるステータス情報や分析結果のデータをメモリ１２に格納する。また、プロセッサ１１は、表示管理部９７により使用される、車両３ごとのキャラクタ情報をメモリ１２に格納する。

　分析部９５においてプロセッサ１１は、車両３が利用中か否かを示すステータス情報を生成する。プロセッサ１１は、例えば、ユーザ端末５からの車両３の利用を要求する利用要求に応じて貸出許可通知を発行した車両３に関して、ユーザ端末５からの利用終了を通知する終了通知が通信回路１３により受信されるまで、利用中であることを示すステータス情報を生成する。生成されたステータス情報は、記憶部９３によりメモリ１２に格納される。

　分析部９５においてプロセッサ１１は、記憶部９３によりメモリ１２から車両３の位置情報、電池残量及びステータス情報を読み出して取得する。ここで、車両３の位置情報、電池残量及びステータス情報を取得する分析部９５は、取得部の一例である。プロセッサ１１は、車両３の位置情報及びステータス情報に基づいて、複数の車両３のうちの利用中ではない車両３に関する、複数のポート７の間における配置の偏り度を算出する。プロセッサ１１は、ステータス情報に基づいて、複数の車両３の稼働率を算出する。プロセッサ１１は、偏り度、稼働率、電池残量などの車両３の各状態率を算出する。

　本実施形態に係る車両シェアリングシステム１においては、複数の車両３それぞれに固有のキャラクタが設定されている。各キャラクタは、キャラクタ状態に対応する複数の表示態様を有する。キャラクタ状態とは、例えば、車両３の状態率に応じて算出されるキャラクタの状態である。

　分析部９５においてプロセッサ１１は、車両３の状態率に応じて、例えば、空腹度、お出かけ欲求度及び帰宅欲求度（おうちに帰りたい度）のうちの少なくとも１つをキャラクタ状態として算出する。ここで、空腹度とは、車両３の電池残量に対応するキャラクタ状態であり、電池残量が小さいほど大きく算出される。お出かけ欲求度とは、車両３の稼働率に対応するキャラクタ状態であり、稼働率が小さいほど大きく算出される。帰宅欲求度とは、車両３の偏り度に対応するキャラクタ状態であり、偏り度が大きいほど大きく算出される。

　なお、車両シェアリングサービスの利用が増える時間帯に備えて、事前に車両３を移動させたい場合もあり得る。このため、分析部９５においてプロセッサ１１は、車両３の偏り度の予測が大きいほど、帰宅欲求度を大きく算出することもできる。

　なお、分析部９５においてプロセッサ１１は、車両３のバッテリの劣化度に応じて、お出かけ欲求度を算出してもよい。例えば、電池残量推定部３５において車両３の車載器のプロセッサ１１は、例えばバッテリセル単位でのＳＯＣ、バッテリに対する入出力電流値及び外気温など、車両３の車載器からの車両データに基づき、車両３のバッテリ劣化度を算出する。例えば、バッテリの劣化度を平準化し、一部の車両３だけバッテリの劣化が進行したり、一部の車両３だけ整備頻度が上昇したりすることを抑制するため、バッテリが劣化していない車両３を優先して利用して欲しいという車両シェアリングサービスの管理側の要求がある。このため、分析部９５においてプロセッサ１１は、バッテリの劣化度が小さいほどお出かけ欲求度を高く算出するように構成されていてもよい。あるいは、バッテリ劣化量の平準化に伴い多数の車両３でバッテリ交換が発生するおそれがあるため、バッテリが劣化していない車両３を優先して利用して欲しいという車両シェアリングサービスの管理側の要求がある。このため、分析部９５においてプロセッサ１１は、バッテリの劣化度が大きいほどお出かけ欲求度を高く算出するように構成されていてもよい。

　なお、分析部９５においてプロセッサ１１は、バッテリ交換のタイミングに限らず、車両３のメンテナンスのタイミングを調整するために、車両３の稼働率が大きいほどお出かけ欲求度を大きく算出することもできる。

　また、分析部９５においてプロセッサ１１は、プロセッサ１１は、ステータス情報及び利用登録の情報の履歴に基づいて、ユーザごとの車両３の車両利用率を算出する。プロセッサ１１は、車両３の位置情報及びステータス情報に基づいて、乗り捨てを検知する。プロセッサ１１は、ユーザが車両３を複数のポート７の間の所定のルート以外に乗り捨てた違反を検知し、ユーザごとの違反率を算出する。プロセッサ１１は、ユーザの車両３の利用回数や車両利用率（利用度）、違反率（利用マナー度）などの利用実績に基づき、車両３のユーザへの親密度を算出する。親密度は、利用回数や車両利用率が大きいほど大きく算出される。また、親密度は、違反率が小さいほど大きく算出される。

　なお、車両３のユーザへの親密度もまた、キャラクタ状態の一例である。つまり、キャラクタ状態とは、車両３の状態率に応じて算出されるキャラクタの状態と、ユーザへの親密度とのうちの少なくとも一方である。

　なお、帰宅欲求度は、車両３がポート７の他の場所に乗り捨てられた状態であるとき、偏り度が大きい場合と同様に大きく算出される。

　表示管理部９７においてプロセッサ１１は、分析部９５による分析結果のデータに基づいて、利用中ではない車両３を他のポートへ移動させる再配置の協力を促すメッセージ情報を生成し、当該メッセージ情報をユーザ端末５に送信する。メッセージ情報とは、キャラクタ状態に対応する表示態様のキャラクタをユーザ端末５に表示させるための情報である。つまり、プロセッサ１１は、ユーザ端末５における表示態様を、キャラクタ状態に応じて切り替える。

　また、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、システム管理者による優先度の設定や分析部９５による分析結果のデータ、利用登録の情報などに基づいて、メッセージ情報を送信するユーザ端末５を決定する。これにより、メッセージ情報が無視される可能性を低減し、再配置や充電の要求がこなされ易くすることができる。また、メッセージ情報を送り過ぎてユーザ感情を損なうおそれを低減することができる。

　一例として、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、ユーザ端末５の位置情報に基づき、車両３の現在位置又は当該車両３が配置されているポート７から一定エリア内にあるユーザ端末５を、メッセージ情報の送信先として決定する。ユーザ端末５の位置情報は、例えばユーザ端末５に搭載されているＧＰＳセンサや、ポート７及び／又は車両３などに設けられたビーコンによるユーザ端末５の感知等により取得される。

　一例として、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、車両シェアリングサービスのアプリが起動された状態のユーザ端末５を、メッセージ情報の送信先として決定する。具体的には、プロセッサ１１は、ユーザ端末５の位置情報の履歴などに基づきユーザの移動ベクトルを収集し、該当車両３の方向へ移動しているユーザ端末５を、メッセージ情報の送信先として決定する。また、プロセッサ１１は、ユーザ端末５の位置情報に基づき、該当車両３からの距離が一定距離（例えば１００ｍなど）以内のユーザ端末５を、メッセージ情報の送信先として決定する。つまり、ユーザ目線においては、車両シェアリングサービスのアプリを起動しているとき、移動方向の先にある車両３やその時点で自身に近い車両３に関するメッセージ情報がユーザ端末５に通知されることになる。

　一例として、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、位置情報に基づき上述したようにしてメッセージ情報の送信先として決定されたユーザ端末５に関して、例えば親密度に応じて絞り込みを行う。換言すれば、プロセッサ１１は、ユーザによる車両３の利用実績に基づき、メッセージ情報を表示させるユーザ端末５を決定する。

　ここで、実施形態に係るキャラクタの表示態様に応じたメッセージ情報は、キャラクタ表示情報の一例である。つまり、本開示に係るキャラクタ表示情報は、管理装置９により生成されるメッセージ情報のうち、ユーザ端末５に表示させるキャラクタの表示態様を含む情報である。なお、管理装置９の表示管理部９７からユーザ端末５へメッセージ情報を送信することにより実現されるユーザ端末５における表示態様は、キャラクタを用いる場合に限らず、テキスト情報などキャラクタの他の態様であってもよい。例えば、以下に説明するようなキャラクタの吹き出しに表示されるコメントを表示させる態様であってもよいし、重要度を示す数値やアイコン、対応した場合に得られるインセンティブ情報を表示させる態様であっても構わない。

　本実施形態に係る車両シェアリングサービスにおいて、各キャラクタは、擬人化されており、表情や感情、吹き出しを用いたコメントのうちの少なくとも１つを異ならせることにより、複数の表示態様が実現される。具体的には、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、キャラクタ状態に応じてキャラクタの表情や感情、吹き出しを用いたコメントのうちの少なくとも１つを決定する。

　図５は、実施形態に係る表示画面３１０の一例を示す図である。表示画面３１０は、コメント３０１、表情３０３、感情３０５及び親密度３０７の表示を含む。表示画面３１０は、例えば、おでかけ欲求度が予め定められたしきい値より大きい車両３に関する。表示画面３１０は、「住民Ａさん　駅にいこうよ。」といったコメント３０１と、「笑顔」の表情３０３と、「晴れ」の感情３０５とにより、車両３の利用を促す内容である。

　親密度３０７は、例えば、ユーザへの親密度が高いほど多いハートマークが表示される。これにより、該当ユーザの違反回数などに応じて、ユーザに違反防止などのメッセージを送信することができる。なお、親密度３０７の表示は、表情３０３により行ってもよい。

　図６は、実施形態に係る表示画面３２０の一例を示す図である。表示画面３２０は、コメント３０１、表情３０３、感情３０５及び親密度３０７の表示を含む。表示画面３２０は、例えば、帰宅欲求度が予め定められた第１のしきい値より大きい車両３に関する。表示画面３２０は、「住民Ａさん　家に戻りたいです。」といったコメント３０１と、「困り顔」の表情３０３と、「曇り」の感情３０５とにより、車両３の再配置を促す内容である。

　図７は、実施形態に係る表示画面３３０の一例を示す図である。表示画面３３０は、コメント３０１、表情３０３、感情３０５及び親密度３０７の表示を含む。表示画面３３０は、例えば、帰宅欲求度が予め定められた第２のしきい値より大きい車両３に関する。ここで、第２のしきい値は、第１のしきい値より大きいとする。あるいは、表示画面３３０は、例えば、ポート７の他の位置に乗り捨てられた車両３など再配置の重要度が高い車両３に関する。

　つまり、図７の表示画面３３０は、図６の表示画面３２０の場合より偏り度が大きいとき、あるいは乗り捨てられた車両３がある場合に表示される。表示画面３３０では、「住民Ａさん　家に帰りたいよー。」といった車両３の再配置を促すコメント３０１とともに、偏り度の増加、あるいは乗り捨てられた車両３の存在に伴い、図６の表示画面３２０のキャラクタと比較して、表情３０３が「困り顔」から「泣き顔」になり、感情３０５が「曇り」から泣き顔に合わせた様相にさらに変更されている。

　なお、帰宅欲求度に限らず、おでかけ欲求度がさらに小さい場合に、キャラクタの表示態様を、図５の表示画面３１０から図７の表示画面３３０のように切り替えてもよい。

　なお、空腹度に応じて決定されるキャラクタの表示態様については、例えば、図６及び図７に示す表示画面と同様である。一例として、空腹度が予め定められた第３のしきい値より大きい車両３に関する表示画面３２０においては、「みんなー　お腹へった」といったコメント３０１と、「困り顔」の表情３０３と、「曇り」の感情３０５とにより、車両３の充電を促す内容である。一例として、空腹度が予め定められた第４のしきい値より大きい車両３に関する表示画面３３０においては、「みんなー　ペコペコで動けない」といったコメント３０１とともに、空腹度の増加に伴い、図６の表示画面３２０のキャラクタと比較して、表情３０３が「困り顔」から「泣き顔」になり、感情３０５が「曇り」から泣き顔に合わせた様相にさらに変更される。ここで、第４のしきい値は、第３のしきい値より大きいとする。

　なお、ポート７に車両３の充電設備が設けられていない場合もあり得る。このため、充電を促すメッセージ情報において、車両３を充電設備がある場所へ移動させることを通知してもよい。また、ポート７に車両３の交換用のバッテリが配置されている場合には、車両３のバッテリを交換することを通知してもよい。あるいは、車両３がモバイルバッテリにより充電可能な場合には、車両３を充電するモバイルバッテリを持ってくることを通知してもよい。

　以下、図面を参照して、実施形態に係る車両シェアリングシステム１の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の流れは一例であり、処理順序の変更や一部の処理の削除、他の処理の追加も可能である。

　車両シェアリングシステム１では、管理装置９により実行されるサーバ側の処理と、ユーザ端末５により実行されるクライアント側の処理とにより実現される、サーバクライアント処理が実行される。

　図８は、実施形態に係る管理装置において実行される、状態決定処理の一例を示すフローチャートである。分析部９５においてプロセッサ１１は、車両の電池残量に基づき、キャラクタの空腹具合、すなわち空腹度を算出する（Ｓ１１）。分析部９５においてプロセッサ１１は、車両の稼働率に基づき、キャラクタのお出かけ欲求度合い、すなわちお出かけ欲求度を算出する（Ｓ１２）。分析部９５においてプロセッサ１１は、車両の位置と利用状況、すなわちステータス情報とに基づき、乗り捨て違反度合を判定する（Ｓ１３）。分析部９５においてプロセッサ１１は、偏り度又は乗り捨て車両の有無などの車両の配置状況に基づき、キャラクタのおうちに帰りたい度合い、すなわち帰宅欲求度を判定する（Ｓ１４）。その後、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、空腹度、お出かけ欲求度及び帰宅欲求度のうちの少なくとも１つの状態に応じてキャラクタ表示を切り替える（Ｓ１５）。このように、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、利用中ではない車両３に関する配置の偏り度などの各状態に応じてキャラクタの表示態様を決定する。

　図９は、実施形態に係る管理装置において実行される、親密度決定処理の一例を示すフローチャートである。分析部９５においてプロセッサ１１は、該当ユーザの車両利用状況を把握する（Ｓ２１）。具体的には、分析部９５においてプロセッサ１１は、該当ユーザの車両利用状況として、月間平均利用回数、前月利用回数、該当車両利用回数、月間平均違反回数、前月違反回数、該当車両違反回数などの情報を把握する。分析部９５においてプロセッサ１１は、例えば、利用回数と違反状況とに基づき、該当ユーザとの親密度を判定する（Ｓ２２）。その後、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、親密度に応じてキャラクタ表示を切り替える（Ｓ２３）。このように、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、利用中ではない車両３に関する親密度に応じてキャラクタの表示態様を決定する。　

　なお、キャラクタの表示態様は、表示対象のユーザの利用傾向に応じて決定されてもよい。表示管理部９７においてプロセッサ１１は、ユーザの車両３の利用回数や車両利用率（利用度）、利用時間帯、登録されている利用者情報などに基づき、メッセージ情報を生成する。図１０は、実施形態に係る表示画面３４０の一例を示す図である。表示画面３４０は、コメント３０１、表情３０３、感情３０５及び親密度３０７の表示を含む。表示画面３４０は、例えば、おでかけ欲求度が予め定められたしきい値より大きい車両３に関する。表示画面３４０は、「住民Ａさん　また、釣りにいこうよ。」といったコメント３０１と、「笑顔」の表情３０３と、「晴れ」の感情３０５とにより、車両３の利用を促す内容である。

　なお、キャラクタの表示態様は、表示対象のユーザの移動経験に応じて決定されてもよい。表示管理部９７においてプロセッサ１１は、ユーザの車両３の過去利用時の位置情報や利用したポート７などの利用履歴、登録されている利用者情報などに基づき、メッセージ情報を生成する。図１１は、実施形態に係る表示画面３５０の一例を示す図である。表示画面３５０は、コメント３０１、表情３０３、感情３０５及び親密度３０７の表示を含む。表示画面３５０は、例えば、おでかけ欲求度が予め定められたしきい値より大きい車両３に関する。表示画面３５０は、「住民Ａさん、江の島行きません？今、鯛が釣れてます。」といったコメント３０１と、「笑顔」の表情３０３と、「晴れ」の感情３０５とにより、車両３の利用を促す内容である。

　例えば、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、「鯛が釣れてます。」という情報を、Ｗｅｂ検索を用いて入手することができる。一例として、プロセッサ１１は、表示対象のユーザの過去利用時の位置情報や利用したポート７などの利用履歴に基づき、「江の島」を行き先として抽出する。また、ユーザの利用者情報において、車両シェアリングサービスの利用目的や趣味の情報として「釣り」が登録されているとする。このとき、プロセッサ１１は、クラウド上で行き先である「江ノ島」と目的である「釣り」とに基づきＷｅｂ情報を検索することで、今、鯛が釣れているか否かの情報を入手することができる。また、プロセッサ１１は、近隣の釣果に関する情報を定期的に入手しメッセージ送信の内容として車両３に紐づけて管理してもよい。

　なお、キャラクタの表示態様は、表示対象の車両３の移動経験に応じて決定されてもよい。表示管理部９７においてプロセッサ１１は、車両３の過去利用時の位置情報や利用したポート７などの利用履歴、登録されている利用者情報などに基づき、メッセージ情報を生成する。なお、表示対象の車両３の移動経験に応じてキャラクタの表示態様が決定される場合には、車両３の利用履歴としては、表示対象のユーザの他のユーザに関する車両３の利用履歴や利用者登録の情報が使用され得る。つまり、プロセッサ１１は、例えば釣りなど、共通の利用目的を有する他のユーザの移動経験に応じて、表示対象のユーザに表示するキャラクタの表示態様を決定することもできる。

　この場合、図１１が示す表示画面３５０のコメント３０１は、例えば、「住民Ａさん、江の島行きません？先週行ったら、鯛が釣れました」といったコメントになる。

　また、擬人化されたキャラクタの表示態様の変更は、服装や持ち物の変更で行われてもよい。例えば、磯などの釣りに適した場所への利用が多い車両３については、釣り竿や手網を持たせたり、ウインドブレーカや救命胴衣、オーシャングラスを付けさせたり等の表示態様の変更も可能である。

　このように、表示管理部９７においてプロセッサ１１は、車両３の移動経験、すなわちキャラクタとして表示する対象の車両３に関する、例えば利用目的が共通する複数のユーザの移動経験に応じて当該キャラクタの表示態様を決定してもよい。車両３の移動経験で表示態様を変更することで、釣りなど、共通の趣味を有するユーザを対応する車両３のサポーターとすることができ、対応する車両３の稼働率向上と、メンテナンスの共助とが期待できる。

　これらサポーターに対し、擬人化された車両３の服装の変更は、車両３の利用促進のインセンティブとすることができる。この場合、釣り竿が竹竿から次第に高級感のあるリール付きの釣り竿に変更していくことも効果的である。

　なお、キャラクタの表示態様は、表示対象のユーザの利用傾向や移動経験に限らず、車両シェアリングサービスの利用で訪問可能な商業施設のセール情報など、ユーザによる車両３の利用を促す種々の情報に応じて決定され得る。

　なお、実施形態に係る車両シェアリングシステム１は、車両３の再配置や充電に限らず、車両３のメンテナンスなどの車両シェアリングサービスにおいて、運営側が担っている運営業務全般に適用可能である。

　なお、本実施形態に係る車両シェアリングシステム１において、管理装置９は、再配置や充電、メンテナンスなどへの協力を促すメッセージ情報に応じたユーザに対して、インセンティブを付与してもよい。例えば、メッセージ情報に応じた回数などに基づいて、ユーザへの親密度が決定されてもよい。あるいは、レアなキャラクタが利用可能になるなどキャラクタが変化したり、表情やキャラクタに着せる服が増えたり、色が変化したり、キャラクタが成長したりしてもよい。もちろん、アプリ上のバーチャルなインセンティブに限らず、ポイントなどのリアルなインセンティブが与えられてもよい。

　また、本実施形態に係る車両シェアリングシステム１において、管理装置９は、車両シェアリングサービスの利用率や貢献率のランキングに応じて、上述したようなインセンティブを与えることもできる。

　なお、本実施形態に係る車両シェアリングサービスは、ＡＰＩ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｐｒｏｇｒａｍｍｉｎｇ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）を介して提供することもできる。本実施形態に係る通信方法は、ネットワークを介して互いに動作可能に接続され、アプリケーションの実行により他のコンピュータシステムへサービスを提供する。

　図１２は、実施形態に係るＡＰＩ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｐｒｏｇｒａｍｍｉｎｇ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）を介して車両シェアリングサービス８３を提供する車両シェアリングシステム１の構成の一例を示す図である。

　本実施形態に係る車両シェアリングシステム１は、ＡＰＩ２と、クライアントシステム４と、サービスプラットフォーム８とを含む。

　ＡＰＩ２は、クライアントシステム４の利用者が車両シェアリングサービス８３を利用するためにサービス提供者により提供されるインターフェースである。ＡＰＩ２は、コマンドインターフェース２１を有する。コマンドインターフェース２１は、図２及び図３を参照して説明したように、車両情報などの入力を受け、キャラクタ表示情報を出力するコマンドのインターフェースである。

　キャラクタ表示情報は、ポート７からの配置情報７２２や利用登録されたユーザ情報７２３に基づき、車両情報の入力に応じてサービスプラットフォーム８から提供される、ユーザ端末５に表示させるキャラクタの表示態様を示す情報である。つまり、キャラクタ表示情報とは、上述の管理装置９により生成されるメッセージ情報に対応する。

　クライアントシステム４は、電池残量や稼働率、乗り捨ての有無などの車両３に関連する車両情報に応じたキャラクタの表示態様を得るユーザ側で利用されるシステムである。クライアントシステム４において、上述の実施形態に係るユーザ端末５は、顧客のシステムで実行されるアプリケーションプログラムであるソフトウェア４１の一部として実装される。

　サービスプラットフォーム８は、図１３に示すように、ＡＰＩ２を介してキャラクタ表示情報をクライアントシステム４へ提供するためのサービスプラットフォームである。サービスプラットフォーム８で実行されるアプリケーションプログラムであるソフトウェア８１は、クライアントシステム４に対し、ＡＰＩ２を介して、車両シェアリングサービス８３を提供する。サービスプラットフォーム８は、実施形態に係る管理装置９に対応する。換言すれば、上述の実施形態に係る管理装置９は、サービスプラットフォーム８として実現することもできる。

　このように、実施形態に係る車両シェアリングシステム１において管理装置９及びＡＰＩ２は、偏り度が予め定められたしきい値より大きいとき、複数のユーザ端末５に表示させる、利用中ではない車両を他のポートへ移動させる再配置の協力を促すメッセージ情報を生成し、当該メッセージ情報を複数のユーザ端末５に送信する。一例として、実施形態に係る車両シェアリングシステム１において管理装置９は、車両３を擬人化(キャラクタ化)し、キャラクタの状態やユーザとの親密度などの分析を行い、ユーザの協力意識を刺激するような出力を行う。

　これにより、車両シェアリングサービスに対する利用者の協力を促進することができる。つまり、金銭的インセンティブに頼ることなく、ユーザの自発的協力を促進することができるため、車両配置が偏ってしまった場合に偏りを直す再配置や車両の充電、メンテナンスなどの運営業務に係るコストを低減し、運営収益を向上させることができる。また、ユーザは、再配置や充電、メンテナンスなどの運営業務への対応によりキャラクタの表示態様が変化するため、運営業務への対応に楽しみや充足感を得ることもできる。

　本実施形態の車両シェアリングシステム１の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ－ＲＯＭ、ＦＤ、ＣＤ－Ｒ、ＤＶＤ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。

　また、本実施形態の車両シェアリングシステム１の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、車両シェアリングシステム１の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。

　また、本実施形態の車両シェアリングシステム１の各装置で実行されるプログラムを、ＲＯＭ等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。

　以上説明した少なくとも１つの実施形態によれば、車両シェアリングサービスに対する利用者の協力を促進することができる。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

（付記）
　以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
（技術１）
　ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムにおいて、複数の表示態様を有する固有のキャラクタがそれぞれに設定された前記複数の車両と、前記ユーザが利用するユーザ端末とのそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置であって、
　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報を取得する取得部と、
　前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析する分析部と、
　前記偏り度の大きさに応じて、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を決定する表示管理部と、を備える
　管理装置。
（技術２）
　前記取得部は、前記複数の車両のそれぞれが利用中か否かを示すステータス情報を取得し、
　前記分析部は、前記複数の車両の前記位置情報及び前記ステータス情報に基づいて、前記複数の車両のうちの利用中ではない車両に関する、前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析し、
　前記表示管理部は、前記偏り度が予め定められたしきい値より大きいとき、前記ユーザ端末に表示させる、前記利用中ではない車両を他のポートへ移動させる再配置の協力を促すメッセージ情報を生成し、当該メッセージ情報を前記ユーザ端末に送信する、
　上記技術（１）に記載の管理装置。
（技術３）
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に設定されている前記キャラクタの表示態様に応じた前記メッセージ情報を生成する、
　上記技術（２）に記載の管理装置。
（技術４）
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関するユーザごとの利用実績に基づき、前記メッセージ情報を前記ユーザ端末に表示させる表示対象のユーザを決定する、
　上記技術（２）又は上記技術（３）に記載の管理装置。
（技術５）
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関する前記表示対象のユーザの利用度及び利用マナー度の少なくとも一方に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　上記技術（４）に記載の管理装置。
（技術６）
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関する前記表示対象のユーザの利用傾向に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　上記技術（４）又は上記技術（５）に記載の管理装置。
（技術７）
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関する前記表示対象のユーザの移動経験に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　上記技術（４）から上記技術（６）のいずれかに記載の管理装置。
（技術８）
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に搭載されたバッテリの電池残量が予め定められたしきい値より小さいとき、前記バッテリの再充電の協力を促す前記メッセージ情報を生成する、
　上記技術（２）から上記技術（７）のいずれかに記載の管理装置。
（技術９）
　前記表示管理部は、前記バッテリの電池残量に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　上記技術（８）に記載の管理装置。
（技術１０）
　前記分析部は、前記複数の車両の前記位置情報及び前記ステータス情報に基づいて、前記複数の車両のうちの利用中ではない車両であって、前記複数のポートに配置されていない車両の有無を分析し、
　前記表示管理部は、前記複数のポートに配置されていない車両が有るとき、当該車両を前記複数のポートのいずれかへ移動させる再配置の協力を促すメッセージ情報を生成する、
　上記技術（２）から上記技術（９）のいずれかに記載の管理装置。
（技術１１）
　前記キャラクタは、擬人化されており、
　前記表示管理部は、前記キャラクタの表情、感情及び吹き出しのうちの少なくとも１つを変更することにより、前記キャラクタの表示態様を切り替える、
　上記技術（１）から上記技術（１０）のいずれかに記載の管理装置。
（技術１２）
　ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムにおいて、複数の表示態様を有する固有のキャラクタがそれぞれに設定された前記複数の車両と、管理装置とのそれぞれとネットワークを介して通信する、前記ユーザが利用するユーザ端末であって、
　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報に基づいて分析された、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度の大きさに応じて決定された前記キャラクタの表示態様であって、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を含むキャラクタ表示情報を前記管理装置から取得する取得部と、
　前記キャラクタ表示情報をユーザに提示する提示部と、を備える
　ユーザ端末。
（技術１３）
　ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムにおいて、複数の表示態様を有する固有のキャラクタがそれぞれに設定された前記複数の車両と、前記ユーザが利用するユーザ端末とのそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置の管理方法であって、
　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報を取得することと、
　前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析することと、
　前記偏り度の大きさに応じて、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を決定することと、を含む
　管理方法。
（技術１４）
　ネットワークを介して互いに動作可能に接続され、他のコンピュータシステムへアプリケーションの実行によりサービスを提供するコンピュータシステムの通信方法であって、
　前記サービスは、ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスであり、
　前記複数の車両それぞれには、複数の表示態様を有する、固有のキャラクタが設定されており、
　前記サービスは、アプリケーションプログラミングインターフェースを介して提供され、
　前記アプリケーションプログラミングインターフェースは、
　　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報を含む車両情報の入力を受け、
　　前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析し、前記偏り度の大きさに応じて、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を決定し、決定された前記キャラクタの表示態様を含むキャラクタ表示情報を出力するコマンドインターフェースを有する、
　通信方法。
（技術１５）
　上記技術１３に記載の管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
（技術１６）
　上記技術１４に記載の通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
（技術１７）
　コンピュータにより実行されるプログラムであって、上記技術（１５）又は上記技術（１６）に記載のプログラムが記録された記録媒体（Computer　Program　Product）。

　１　車両シェアリングシステム
　３　車両
　５　ユーザ端末
　７　ポート
　９　管理装置
　１１　プロセッサ
　１２　メモリ
　１３　通信回路
　１４　ディスプレイ
　１５　タッチパネル
　１６　センサ
　１９　バス

Claims

　ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムにおいて、複数の表示態様を有する固有のキャラクタがそれぞれに設定された前記複数の車両と、前記ユーザが利用するユーザ端末とのそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置であって、
　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報を取得する取得部と、
　前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析する分析部と、
　前記偏り度の大きさに応じて、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を決定する表示管理部と、を備える
　管理装置。
　前記取得部は、前記複数の車両のそれぞれが利用中か否かを示すステータス情報を取得し、
　前記分析部は、前記複数の車両の前記位置情報及び前記ステータス情報に基づいて、前記複数の車両のうちの利用中ではない車両に関する、前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析し、
　前記表示管理部は、前記偏り度が予め定められたしきい値より大きいとき、前記ユーザ端末に表示させる、前記利用中ではない車両を他のポートへ移動させる再配置の協力を促すメッセージ情報を生成し、当該メッセージ情報を前記ユーザ端末に送信する、
　請求項１に記載の管理装置。
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に設定されている前記キャラクタの表示態様に応じた前記メッセージ情報を生成する、
　請求項２に記載の管理装置。
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関するユーザごとの利用実績に基づき、前記メッセージ情報を前記ユーザ端末に表示させる表示対象のユーザを決定する、
　請求項２に記載の管理装置。
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関する前記表示対象のユーザの利用度及び利用マナー度の少なくとも一方に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　請求項４に記載の管理装置。
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関する前記表示対象のユーザの利用傾向に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　請求項４に記載の管理装置。
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に関する前記表示対象のユーザの移動経験に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　請求項４に記載の管理装置。
　前記表示管理部は、前記利用中ではない車両に搭載されたバッテリの電池残量が予め定められたしきい値より小さいとき、前記バッテリの再充電の協力を促す前記メッセージ情報を生成する、
　請求項２に記載の管理装置。
　前記表示管理部は、前記バッテリの電池残量に応じて前記キャラクタの表示態様を決定する、
　請求項８に記載の管理装置。
　前記キャラクタは、擬人化されており、
　前記表示管理部は、前記キャラクタの表情、感情及び吹き出しのうちの少なくとも１つを変更することにより、前記キャラクタの表示態様を切り替える、
　請求項１に記載の管理装置。
　前記分析部は、前記複数の車両の前記位置情報及び前記ステータス情報に基づいて、前記複数の車両のうちの利用中ではない車両であって、前記複数のポートに配置されていない車両の有無を分析し、
　前記表示管理部は、前記複数のポートに配置されていない車両が有るとき、当該車両を前記複数のポートのいずれかへ移動させる再配置の協力を促すメッセージ情報を生成する、
　請求項２に記載の管理装置。
　ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムにおいて、複数の表示態様を有する固有のキャラクタがそれぞれに設定された前記複数の車両と、管理装置とのそれぞれとネットワークを介して通信する、前記ユーザが利用するユーザ端末であって、
　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報に基づいて分析された、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度の大きさに応じて決定された前記キャラクタの表示態様であって、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を含むキャラクタ表示情報を前記管理装置から取得する取得部と、
　前記キャラクタ表示情報をユーザに提示する提示部と、を備える
　ユーザ端末。
　ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスを提供するシステムにおいて、複数の表示態様を有する固有のキャラクタがそれぞれに設定された前記複数の車両と、前記ユーザが利用するユーザ端末とのそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置の管理方法であって、
　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報を取得することと、
　前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析することと、
　前記偏り度の大きさに応じて、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を決定することと、を含む
　管理方法。
　ネットワークを介して互いに動作可能に接続され、他のコンピュータシステムへアプリケーションの実行によりサービスを提供するコンピュータシステムの通信方法であって、
　前記サービスは、ユーザが利用することにより複数の車両が複数のポートの間で移動される車両シェアリングサービスであり、
　前記複数の車両それぞれには、複数の表示態様を有する、固有のキャラクタが設定されており、
　前記サービスは、アプリケーションプログラミングインターフェースを介して提供され、
　前記アプリケーションプログラミングインターフェースは、
　　前記複数の車両それぞれの位置を示す位置情報を含む車両情報の入力を受け、
　　前記複数の車両の前記位置情報に基づいて、前記複数の車両に関する前記複数のポートの間における配置の偏り度を分析し、前記偏り度の大きさに応じて、前記複数の車両のうちのいずれかの車両に設定されている前記キャラクタの表示態様を決定し、決定された前記キャラクタの表示態様を含むキャラクタ表示情報を出力するコマンドインターフェースを有する、
　通信方法。