WO2023106080A1 - 垂直共振器型発光素子 - Google Patents

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    • H01S5/34Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers
    • H01S5/343Structure or shape of the active region; Materials used for the active region comprising quantum well or superlattice structures, e.g. single quantum well [SQW] lasers, multiple quantum well [MQW] lasers or graded index separate confinement heterostructure [GRINSCH] lasers in AIIIBV compounds, e.g. AlGaAs-laser, InP-based laser

Definitions

  • a semiconductor structure layer including a semiconductor layer; a second multilayer reflector formed on the semiconductor structure layer and forming a resonator together with the first multilayer reflector; and the first multilayer reflector.
  • a current confinement structure formed between the reflecting mirror and the second multilayer reflecting mirror for concentrating a current in one region of the active layer;
  • a region along the top surface of the In-containing nitride semiconductor layer, which is the uppermost layer of the nitride semiconductor layer, is characterized by having a higher concentration of hydrogen impurities than other regions.
  • the first multilayer reflector 13 has a slightly lower reflectance than the second multilayer reflector 31 . Therefore, part of the light resonating between the first multilayer reflecting mirror 13 and the second multilayer reflecting mirror 31 is transmitted through the first multilayer reflecting mirror 13 and the substrate 11 and extracted to the outside.
  • FIG. 4 shows a cross-sectional view of a laser device 100 in which the surface emitting laser 10 is mounted on the support substrate 50. As shown in FIG. The cross-sectional view of FIG. 4 shows a cross-section along the same cross-sectional line as the cross-sectional view shown in FIG.
  • FIG. 5 is a TEM image (50000 ⁇ ) of the area A enclosed by the dashed line in FIG. 4, taken after the laser device 100 was driven.
  • straight line L1 is a straight line along the right end side surface of opening 25H in FIG. Therefore, in FIG. 5, the area to the left of the straight line L1 is the area directly below the opening 25H.
  • the insulating region, the low refractive index region, and the electrical contact surface 21S may be formed by etching the upper surface of the p-type semiconductor layer 21 provided with the insulating layer 25 in the above embodiment. Further, by ion implantation on the upper surface of the p-type semiconductor layer 21 on which the insulating layer 25 is provided, an insulating region, a region with a low refractive index, and an electrical contact surface 21S are formed. A current constriction effect similar to that of forming layer 25 may be produced. When ion implantation is performed, for example, B ions, Al ions, or oxygen ions are implanted into the p-type semiconductor layer 21 .

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Abstract

[課題] 活性層を含む半導体層の劣化を防止することによって高い耐久性を有する垂直共振器型発光素子を提供する。 [解決手段] 本発明の垂直共振器型発光素子は、窒化ガリウム系半導体基板と、前記基板上に形成され、かつInを組成に含むIn含有窒化物半導体層とInを含まないIn非含有窒化物半導体層とが交互に積層されてなる第1の多層膜反射鏡と、窒化物半導体よりなる活性層を含む半導体構造層と、前記半導体構造層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、前記第1の多層膜反射鏡と前記第2の多層膜反射鏡との間に形成され、前記活性層の1の領域に電流を集中させる電流狭窄構造と、を有し、前記第1の多層膜反射鏡の最上層は前記In含有窒化物半導体層であり、当該最上層のIn含有窒化物半導体層の上面に沿った領域は、他の領域よりも水素不純物濃度が高いことを特徴とする。

Description

垂直共振器型発光素子
 本発明は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser)などの垂直共振器型発光素子に関する。
 従来から、半導体レーザの1つとして、電圧の印加によって光を放出する半導体層と、当該半導体層を挟んで互いに対向する多層膜反射鏡と、を有する垂直共振器型の半導体面発光レーザ(以下、単に面発光レーザとも称する)が知られている。例えば、特許文献1には、n型半導体層及びp型半導体層にそれぞれ接続されたn電極及びp電極を有する垂直共振器型の半導体レーザが開示されている。
特開2017-98328号公報
 例えば、面発光レーザなどの垂直共振器型発光素子には、対向する多層膜反射鏡によって光共振器が形成されている。例えば、面発光レーザ内においては、電極を介して半導体層に電圧が印加されることで、当該半導体層から放出された光が当該光共振器内で共振し、レーザ光が生成される。
 このような垂直共振器型発光素子では、多層膜反射鏡と当該多層膜反射鏡上に配される活性層を含む半導体層との間や、半導体層に含まれる各層間の格子定数の差に起因する応力が発生する。また、垂直共振器型発光素子内に、当該垂直共振器型発光素子を駆動した際に活性層から発せられる熱による熱応力が発生する。
 このような応力によって、垂直共振器型発光素子においては、活性層や活性層への電流の経路となるその周囲の半導体層に転位等のダメージが発生する等してこれらが劣化し、耐久性が低下してしまうことが問題の1つとしてあげられる。
 本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、活性層を含む半導体層の劣化を防止することによって高い耐久性を有する垂直共振器型発光素子を提供することを目的としている。
 本発明による垂直共振器型発光素子は、窒化ガリウム系半導体基板と、前記基板上に形成され、かつInを組成に含むIn含有窒化物半導体層とInを含まないIn非含有窒化物半導体層とが交互に積層されてなる第1の多層膜反射鏡と、前記第1の多層膜反射鏡上に形成された第1の導電型を有する窒化物半導体よりなる第1の半導体層、前記第1の半導体層上に形成された窒化物半導体よりなる活性層、及び前記活性層上に形成されかつ前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する窒化物半導体よりなる第2の半導体層を含む半導体構造層と、前記半導体構造層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、前記第1の多層膜反射鏡と前記第2の多層膜反射鏡との間に形成され、前記活性層の1の領域に電流を集中させる電流狭窄構造と、を有し、前記第1の多層膜反射鏡の前記In含有窒化物半導体層の最上層のIn含有窒化物半導体層の上面に沿った領域は、他の領域よりも水素不純物濃度が高いことを特徴とする。
実施例1の面発光レーザの斜視図である 実施例1の面発光レーザの断面図である。 第1の多層膜反射鏡の最上層のAlInN層の上面近傍のSIMS測定結果である。 実施例1の面発光レーザを用いたレーザデバイスの断面図である。 第1の多層膜反射鏡の最上層のAlInN層の上面近傍のTEM像である。 図5にTEM像の一部を拡大したものである。 変形例の面発光レーザの断面図である。
 以下、本発明の実施例について詳細に説明する。以下の説明においては、半導体面発光レーザ素子を例に説明するが、本発明は、面発光レーザのみならず、垂直共振器型発光ダイオードなど、種々の垂直共振器型発光素子に適用することができる。
 図1は、実施例1に係る垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser、以下、単に面発光レーザとも称する)10の斜視図である。
 基板11は、窒化ガリウム系半導体基板、例えばGaN基板である。基板11は、上面にC面が露出しているいわゆるC面基板である。基板11は、例えば、上面形状が矩形の基板である。
 第1の多層膜反射鏡13は、基板11の上に成長させられた半導体層からなる半導体多層膜反射鏡である。第1の多層膜反射鏡13は、AlInNの組成を有する半導体膜と、AlInN組成を有する半導体膜よりも屈折率が高いGaN組成を有する半導体膜とが交互に積層されることで形成されている。言い換えれば、第1の多層膜反射鏡13は、半導体材料からなる分布ブラッグ反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)である。)
 半導体構造層15は、第1の多層膜反射鏡13上に形成された複数の半導体層からなる積層構造体である。半導体構造層15は、第1の多層膜反射鏡13上に形成されたn型半導体層(第1の半導体層)17と、n型半導体層17上に形成された発光層(または活性層)19と、活性層19上に形成されたp型半導体層(第2の半導体層)21と、を有する。
 第1の導電型の半導体層としてのn型半導体層17は、第1の多層膜反射鏡13上に形成された半導体層である。n型半導体層17は、GaN組成を有し、n型不純物としてSiがドーピングされている半導体層である。n型半導体層17は、(メサ形状になっており、第1の多層膜反射鏡13の上面と同様の平面形状を有する下部17Aとその上に配されたメサ状の上部17Bとを有する。)角柱状の下部17Aとその上に配された円柱状の上部17Bとを有する。具体的には、例えば、n型半導体層17は、角柱状の下部17Aの上面17Sから突出した円柱状の上部17Bを有している。言い換えれば、n型半導体層17は、上部17Bを含むメサ形状の構造を有する。
 活性層19は、n型半導体層17の上部17B上に形成されており、InGaN組成を有する井戸層及びGaN組成を有する障壁層を含む量子井戸構造を有する層である。面発光レーザ10においては、活性層19において光が発生する。
 第2の導電型の半導体層としてのp型半導体層21は、活性層19上に形成されたGaN組成を有する半導体層である。p型半導体層21には、p型の不純物としてMgがドーピングされている。
 n電極23は、n型半導体層17の下部17Aの上面17Sに設けられ、n型半導体層17と電気的に接続されている金属電極である。n電極23は、n型半導体層17の上部17Bを囲繞するように環状に形成されている。n電極23は、n型半導体層17と電気的に接触し、半導体構造層15に外部からの電流を供給する第1の電極層を形成している。
 絶縁層25は、p型半導体層21上に形成されている絶縁体からなる層である。絶縁層25は、例えばSiO等のp型半導体層21を形成する材料よりも低い屈折率を有する物質によって形成されている。絶縁層25は、p型半導体層21上において環状に形成されており、中央部分にp型半導体層21を露出する開口部(図示せず)を有している。
 透明電極27は、絶縁層25の上面に形成された透光性を有する金属酸化膜である。透明電極27は、絶縁層25の上面全体及び絶縁層25の中央部分に形成された開口から露出するp型半導体層21の上面の全体を覆っている。透明電極27を形成する金属酸化膜としては、例えば、活性層19からの出射光に対して透光性を有するITOやIZOを用いることができる。
 p電極29は、透明電極27上に形成された金属電極である。p電極29は、絶縁層25の上記開口部から露出したp型半導体層21の上面と、透明電極27を介して電気的に接続されている。透明電極27とp電極29とで、p型半導体層21に電気的に接触しかつ半導体構造層15に外部からの電流を供給する第2の電極層が形成されている。本実施例において、p電極29は、透明電極27の上面に当該上面の外縁に沿って環状に形成されている。
 第2の多層膜反射鏡31は、透明電極27の上面のp電極29に囲まれた領域に形成された円柱上の多層膜反射鏡である。第2の多層膜反射鏡31は、SiO2からなる低屈折率誘電体膜と、Nb2O5からなり低屈折率誘電体膜よりも屈折率が高い高屈折率誘電体膜とが交互に積層された誘電体多層膜反射鏡である。言い換えれば、第2の多層膜反射鏡31は、誘電体材料からなる分布ブラッグ反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)である。
 図2は、図1の2-2線に沿った断面図である。上述のように、面発光レーザ10は、GaN基板である基板11を有し、基板11上に第1の多層膜反射鏡13が形成されている。なお、基板11の下面には、ARコートが施されていてもよい。
 第1の多層膜反射鏡13は、基板11の上面に、GaN組成を有するバッファ層(図示せず)を設け、当該バッファ層上に上記したAlInNからなる低屈折率半導体膜13Aを成膜し、その後GaNからなる高屈折率半導体膜13Bと低屈折率半導体膜13Aとをこの順に交互に成膜させることで形成されている。第1の多層膜反射鏡13の最上層はGaNからなる高屈折率半導体膜13Bとなっている。
 例えば、本実施例において、第1の多層膜反射鏡13は、基板11上面に形成された1μmのGaN下地層の上に積層された41ペアのAlInN層/GaN層からなる。言い換えれば、第1の多層膜反射鏡13は、互いに交互に積層された41層のAlInN層及び41層のGaN層からなる積層体であり、その最下層がAlInN層、最上層がGaN層になっている。
 さらに言い換えれば、第1の多層膜反射鏡13は、Inを組成に含むIn含有窒化物半導体層とInを含まないIn非含有窒化物半導体層とが交互に積層されてなる積層体である。
 第1の多層膜反射鏡13のAlInN層である低屈折率半導体膜13Aのうち最も上に形成された層は、その上面に沿った領域、言い換えれば、第1の多層膜反射鏡13の最上層である高屈折率半導体膜13BのGaN層との界面に沿った領域において不純物である水素の濃度が高い部分が形成されている。言い換えれば、第1の多層膜反射鏡13のAlInN層のうち最も上に形成された層の上面に沿った領域は、他の領域、すなわちAlInN層の厚み方向で中央部分よりも水素不純物濃度が高くなっている。さらにこの水素不純物濃度は直上に形成されたGaN層、すなわち高屈折率半導体膜13Bおよび後述のn型半導体層17よりも高い。
 図3は、第1の多層膜反射鏡13の低屈折率半導体膜13Aの最も上の層のさらに上面、すなわち高屈折率半導体膜13BのGaN層との界面に沿った領域のアルミニウム(Al)、インジウム(In)、水素(H)及びガリウム(Ga)のそれぞれの密度(atoms/cc)を示す二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による測定結果のグラフである。このグラフでは、横軸が層厚方向の深さ、左の縦軸が水素の密度、右の縦軸がガリウム、アルミニウム及びインジウムの密度となっている。
 図3を参照すると、第1の多層膜反射鏡13の最も上の層の低屈折率半導体膜13Aは、高屈折率半導体膜13Bとの界面に沿った領域(図3中の破線で挟まれた領域)において、水素濃度が1E18/cmを超える部分が形成されていることがわかる。低屈折率半導体膜13Aの界面から離れた領域および直上に形成されたGaN層、すなわち高屈折率半導体膜13Bの界面から離れた領域では1E17/cm以下となっており10倍以上の濃度差が生じている。
 本願の発明者達によって、AlInN組成を有する低屈折率半導体膜13Aに、水素不純物濃度が高い部分が存在すると、低屈折率半導体膜13Aに応力が掛かった場合に当該水素不純物濃度が高い部分において基底面転位(Basal Plane dislocation)(以下、単に面転位とも称する)が発生し易くなることが見出された。言い換えれば、本実施例の面発光レーザ10では、第1の多層膜反射鏡13の低屈折率半導体膜13Aの上面に沿った領域において、応力負荷による基底面転位が発生しやすくなることが見出された。
 上述のように、第1の多層膜反射鏡13上には、半導体構造層15が形成されている。半導体構造層15は、n型半導体層17、活性層19及びp型半導体層21がこの順に形成されてなる積層体である。p型半導体層21の上面の中央部には、上方に突出している突出部21Pが形成されている。
 絶縁層25は、p型半導体層21の上面の突出部21P以外の領域を覆うように形成されている。絶縁層25は、上述のようにp型半導体層21よりも低い屈折率を有している材料からなっている。絶縁層25は、突出部21Pを露出せしめる開口部25Hを有している。例えば、開口部25Hと突出部21Pとは同様の形状を有しており、開口部25Hの内側面と突出部21Pの外側面は接している。
 透明電極27は、絶縁層25及び絶縁層25の開口部25Hから露出している突出部21Pの上面を覆うように形成されている。すなわち、透明電極27は、p型半導体層21の上面の開口部25Hによって露出している領域において、p型半導体層21と電気的に接触している。言い換えれば、p型半導体層21の上面の開口部25Hを介して露出している領域が、p型半導体層21と透明電極27との電気的接触をもたらす電気的接触面21Sとなっている。
 p電極29は、上述したように金属電極であり、透明電極27の上面の外縁に沿って形成されている。すなわち、p電極29は、透明電極27と電気的に接触している。従って、p電極29は、p型半導体層21の上面の開口部25Hによって露出している電気的接触面21Sにおいて、透明電極27を介してp型半導体層21と電気的に接触または接続している。
 第2の多層膜反射鏡31は、透明電極27の上面であって、絶縁層25の開口部25H上の領域、言い換えれば電気的接触面21S上の領域すなわち透明電極27の上面の中央部分に形成されている。第2の多層膜反射鏡31の下面は、透明電極27及び半導体構造層15を挟んで第1の多層膜反射鏡13の上面と対向している。この第1の多層膜反射鏡13及び第2の多層膜反射鏡31の配置により、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31とで、活性層19から出射した光を共振させる共振器OCが形成される。
 面発光レーザ10において、第1の多層膜反射鏡13は、第2の多層膜反射鏡31よりもわずかに低い反射率を有する。従って、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間で共振した光は、その一部が第1の多層膜反射鏡13及び基板11を透過し、外部に取り出される。
 ここで、面発光レーザ10の動作について説明する。面発光レーザ10において、n電極23及びp電極29との間に電圧が印加されると、図2中太線一点鎖線に示す様に、半導体構造層15内に電流が流れ、活性層19から光が放出される。活性層19から放出された光は、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間において反射を繰り返し、共振状態に至る(すなわちレーザ発振する)。
 面発光レーザ10においては、p型半導体層21には、開口部25Hによって露出している部分、すなわち電気的接触面21Sのみから電流が注入される。また、p型半導体層21は非常に薄いため、p型半導体層21内では面内方向、すなわち半導体構造層15の面内に沿った方向には電流は拡散しない。
 従って、面発光レーザ10においては、活性層19のうち、開口部25Hによって画定される電気的接触面21Sの直下の領域にのみ電流が供給されて、当該領域からのみ光が放出される。すなわち、面発光レーザ10において、開口部25Hが活性層19における電流の供給範囲を制限する電流狭窄構造となっている。
 言い換えれば、面発光レーザ10においては、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間に、活性層19のうち、電気的接触面21Sを底面とする柱状の領域である中央領域CAのみに電流が流れるように電流を狭窄する、すなわち、活性層の1の領域に電流を集中させる電流狭窄構造が形成されている。活性層19内の電流が流れる領域を含む中央領域CAは、電気的接触面21Sによって画定される。
 上述のように、本実施例においては、第1の多層膜反射鏡13は、第2の多層膜反射鏡31よりも低い反射率を有する。従って、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間で共振した光の一部は、第1の多層膜反射鏡13及び基板11を透過し、外部に取り出される。このようにして、面発光レーザ10は、基板11の下面から、基板11の下面及び半導体構造層15の各層の面内方向に対して垂直な方向に光を出射する。言い換えれば、基板11の下面が、面発光レーザ10の光出射面となっている。
 なお、半導体構造層15のp型半導体層21の電気的接触面21S及び絶縁層25の開口部25Hは、活性層19における発光領域の中心である発光中心を画定し、共振器OCの中心軸(発光中心軸)AXを画定する。共振器OCの中心軸AXは、p型半導体層21の電気的接触面21Sの中心を通り、半導体構造層15の面内方向に対して垂直な方向に沿って延びる。
 活性層19の発光領域とは、例えば、活性層19内における所定の強度以上の光が放出される所定の幅を有する領域であり、その中心が発光中心である。また、例えば、活性層19の発光領域とは、活性層19内において所定の密度以上の電流が注入される領域であり、その中心が発光中心である。また、当該発光中心を通る基板11の上面または半導体構造層15の各層の面内方向に対して垂直な直線が中心軸AXである。
 発光中心軸AXは、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31とによって構成される共振器OCの共振器長方向に沿って延びる直線である。また、中心軸AXは、面発光レーザ10から出射されるレーザ光の光軸に対応する。
 ここで、面発光レーザ10における第1の多層膜反射鏡13、半導体構造層15及び第2の多層膜反射鏡31各層の例示的な構成について説明する。本実施例においては、第1の多層膜反射鏡13は、基板11の上面に形成された1μmのGaN下地層、及び41ペアのAlInN層(50nm)及びGaN層(45nm)からなる。
 n型半導体層17は、558nmの層厚のGaN層である。活性層19は、4nmのGaInN層及び5nmのGaN層が5ペア積層された多重量子井戸構造の活性層からなる。活性層19上には、MgドープされたAlGaNの電子障壁層が形成され、その上に50nmのp-GaN層からなるp型半導体層21が形成されている。第2の多層膜反射鏡31は、Nb及びSiOを10.5ペア積層したものである。この場合の共振波長は、440nmであった。
 絶縁層25は、20nmのSiOからなる層である。言い換えれば、p型半導体層21の上面の突出部21Pは、周囲から20nm突出している。すなわち、p型半導体層21は、突出部21Pにおいて50nmの層厚を有し、それ以外の領域において30nmの層厚を有する。また、絶縁層25の上面は、p型半導体層21の突出部21Pの上面と同一の高さ位置に配置されるように構成されている。なお、これらの構成は一例に過ぎない。
 以下、面発光レーザ10内部の光学的な特性について説明する。上述のように、面発光レーザ10において、絶縁層25は、p型半導体層21よりも低い屈折率を有する。また、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間において、活性層19及びn型半導体層17の層厚は、面内のいずれの箇所においても同じ層内であれば同一である。
 従って、面発光レーザ10の第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間で形成される共振器OC内における等価的な屈折率(第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間の光学的距離であり、共振波長に対応する)は、p型半導体層21と絶縁層25との屈折率の差によって、電気的接触面21Sを底面とする円柱状の中央領域CAとその周りの筒状の周辺領域PAとで異なる。
 具体的には、第1の多層膜反射鏡13と第2の多層膜反射鏡31との間において、周辺領域PAの等価屈折率は中央領域CAの等価屈折率よりも低い、すなわち、中央領域CAにおける等価的な共振波長は、周辺領域PA等価的な共振波長よりも小さい。なお、活性層19において光が放出されるのは、開口部25H及び電気的接触面21Sの直下の領域である。すなわち、活性層19において光が放出される発光領域は、活性層19のうち中央領域CAと重なる部分、言い換えれば上面視において電気的接触面21Sと重なる領域である。
 このように、面発光レーザ10においては、活性層19の発光領域を含む中央領域CAと、中央領域CAを囲繞しかつ中央領域CAよりも屈折率が低い周辺領域PAとが形成されている。これによって、中央領域CA内の定在波が周辺領域PAに発散(放射)することによる光損失が抑制される。すなわち、中央領域CAに多くの光が留まり、またその状態でレーザ光が外部に取り出される。従って、多くの光が共振器OCの発光中心軸AXの周辺の中央領域CAに集中し、高出力かつ高密度なレーザ光を生成及び出射することができる。
[面発光レーザ10素子を実装したレーザデバイス100の構造]
 図4に、面発光レーザ10を支持基板50に実装したレーザデバイス100の断面図を示す。図4の断面図は、図2に示した断面図で示した断面と同じ断面線による断面を示している。
 レーザデバイス100において、面発光レーザ10は、支持基板50にAuSnの共晶によって形成されている接合部51及び53によって接合されている。接合部51は、p電極29及び第2の多層膜反射鏡31と支持基板50とを接合している。接合部51は、p電極29の上面及び第2の多層膜反射鏡31の上面を覆うように形成されている。支持基板50の表面の接合部51が覆っている部分には、p電極に電流を供給する配線(図示せず)が形成されている。
 接合部53は、n電極23と支持基板50とを接合している。接合部53は、接合部51と絶縁されるように接合部51から離隔している。支持基板50の表面の接合部51が覆っている部分には、n電極に電流を供給する配線(図示せず)が形成されている。
 レーザデバイス100の駆動時に、面発光レーザ10に電流が供給されると、半導体構造層15のうち、活性層19に電流が流れ込む開口部25Hの直下の領域において、熱が発生しそれに伴って熱歪みが発生する。この熱歪みによる応力が半導体構造層15と第1の多層膜反射鏡13との界面に加わると、第1の多層膜反射鏡13の低屈折率半導体膜13Aの最も上の層の上面に沿った領域に面転位が発生する。
 図5は、図4の一点鎖線で囲んだ領域AのTEM像(50000倍)であり、レーザデバイス100を駆動した後に撮像されたものである。図5において、直線L1は図4の開口部25Hの右端側面に沿った直線である。従って、図5において、直線L1より左の領域が開口部25Hの直下の領域となっている。
 また、図6は、図5中の第1の多層膜反射鏡13と半導体構造層15との界面に沿った領域の一部をさらに拡大したTEM像(150000倍)である。
 図5及び図6に示すように、レーザデバイス100の駆動後において、第1の多層膜反射鏡13の低屈折率半導体膜13Aと高屈折率半導体膜13Bとの間の境界面に沿っておりかつ直線L1より左にある領域IF(図5では二点鎖線に囲まれた領域、図6では二点鎖線に挟まれた領域)に面転位(図中黒い部分)が見られる。言い換えれば、面転位は、第1の多層膜反射鏡13の上面に沿った領域でありかつ基板11の上面の法線方向から見て開口部25Hと重なる領域、すなわち半導体構造層15において電流が集中して流れる領域とかさなる領域に形成される。一方、法線方向から見て開口部25Hと重ならない、すなわち電流が集中して流れる領域とかさならない、直線L1より右にある領域において面転位は形成されていない。
 これは、レーザデバイス100の駆動時に、半導体構造層15においての開口部25H直下の領域に電流が流れることでその領域で熱が発生して歪みが発生し、同じく開口部25Hの直下にある領域IFに応力が掛かることによる。
 なお、図5、6において高屈折率半導体膜13Bとn型半導体層17はともにGaNであるため界面を確認することができない。
 上述のように、第1の多層膜反射鏡13の低屈折率半導体膜13Aの最も上の層の上部には、不純物である水素が多く含まれており応力による面転位が発生しやすい領域が形成されている。
特に、その上面に異なる格子定数の材料の層が形成されているため面転位が発生しやすくなっている。格子定数の違いによる影響は、直上の高屈折率半導体膜13Bは45nm(50nm以下)と薄いため、558nm(500nm以上)と厚く形成されているn型半導体層17からも与えられている。n型半導体層17は本実施例ではnGaNだが、数パーセント程度のIn,Alなどが含まれていても格子定数の違いがあればやはり面転位を生じやすくする影響があるものと推測される。
この領域に、上記した半導体層における歪みによる応力が加わることにより、面転位が発生したと考えられる。半導体構造層15において余り熱が発生せずに熱応力が余り発生しない開口部25Hの外側で、面転位がほとんど発生していないことからも、面転位は駆動時に半導体構造層15に発生する熱歪み及び熱応力によって生起すると推測される。
 この面転位が発生することで、駆動時、特に最初の駆動時に半導体構造層15において発生した歪み及び内部応力が解放され、半導体構造層15特に活性層19に歪みによる損傷が発生しにくくなる。これにより、面発光レーザ10の耐久性が高まる。
 また、上記した面転位が第1の多層膜反射鏡13の低屈折率半導体膜13Aの最も上の層の上部に形成されることで、第1の多層膜反射鏡13内部で転位が半導体構造層15に内にまで伝播することが防止される。具体的には、第1の多層膜反射鏡13内で発生した転位が半導体構造層15に向かって伝搬した際に、当該転位の低屈折率半導体膜13Aと半導体構造層15との界面に沿った方向への屈曲が発生し、当該転位が半導体構造層15に進入することが妨げられる。
 このように、面発光レーザ10においては、第1の多層膜反射鏡13内で発生した転位が半導体構造層15、特に活性層19にまで伝播することが防止させられる。このことによっても、半導体構造層15の損傷が防止され、面発光レーザ10の耐久性が高まることになる。
 なお、上記面転位は、等価的なm軸方向 :[1-100]、[10-10]、[01-10]、[-1100]、[-1010]、[0-110]及び等価的なa軸方向[1-210]、[2-1-10]、[11-20]、[-1210]、[-2110]、[-1-120]に伝搬する。
[製造方法]
 以下に、面発光レーザ10の製造方法の一例について説明する。まず、基板11として、上述のように上面にC面が露出したn-GaN基板を用意する。
 次に、当該基板11の上面に、有機金属気相成長法(MOCVD)により、下地層(図示せず)としてGaN(層厚100nm)層を形成する。その後、当該下地層上にAlInN/GaNの層、すなわち上記した低屈折率半導体膜13A及び高屈折率半導体膜13Bを41ペア成膜して第1の多層膜反射鏡13を形成する。
 第1の多層膜反射鏡13の形成においては、まず成長基板の温度を800℃にして、キャリアガスをNとする。基板温度の安定化後、トリメチルインジウム(以下、TMI)、トリメチルアルミニウム(以下、TMA)及びNHを供給し、AlInN層である低屈折率半導体膜13Aを下地層上に50nm成長する。その後、有機金属材料(以下、MO材料)の供給を停止する。この低屈折率半導体膜13Aの形成の際、低屈折率半導体膜13AであるAlInN層のIn組成が18.5at%となるようにした。
 続けて、トリエチルガリウム(以下、TEG)とNHを供給し、低屈折率半導体膜13A上にGaNからなるキャップ層(図示せず)を1nm成長した。その後、MO材料の供給を停止した。次にキャリアガスをNからHに変更し、基板の温度を800℃から1100℃まで3分かけて上昇させた後、TMGとNHを供給して、GaN層を44nm形成した後、MO材料の供給を停止することで、キャップ層(図示せず)を含む高屈折率半導体膜13Bを形成した。
 第1の多層膜反射鏡13は、この低屈折率半導体膜13A及び高屈折率半導体膜13Bの形成を繰り返し行うことで形成される。
 最上層の高屈折率半導体膜13Bを形成する際に、キャリアガスをHとして1100℃まで3分と時間を掛けて昇温することにより、その直下の低屈折率半導体膜13Aの上面に高濃度の水素が導入される。これにより、第1の多層膜反射鏡13の低屈折率半導体膜13Aの最も上の層と高屈折率半導体膜13Bとの界面に沿った領域に、上述したような水素不純物の多い基底面転位の発生しやすい領域が形成される。
 なお、低屈折率半導体膜13Aと高屈折率半導体膜13Bとの界面に沿った領域が基底面転位の起こりやすい領域となるように水素の取り込みを促進するために、低屈折率半導体膜13Aの成長温度とn型半導体層17の成長温度との差を250℃以上とした。また、低屈折率半導体膜13Aの成長温度からn型半導体層17の成長温度への昇温時間を2.5分以上とした。
 次に、第1の多層膜反射鏡13の上、具体的には最上層の低屈折率半導体膜13Aの上面にn型半導体層17を形成する。材料ガスとしてTMG、NH及びジシラン(Si)を供給してSiドープn-GaNを層厚558nm成長させた。
 次に、n型半導体層17上に、GaInN(層厚3nm)及びGaN(層厚6nm)からなる層を5ペア積層することで、活性層19を形成する。
 次に、活性層19上に、MgドープAlGaNからなる電子障壁層(20nm)を形成し(図示せず)、当該電子障壁層上にp-GaN層(層厚50nm)を成膜してp型半導体層21を形成する。
 次に、p型半導体層21、活性層19及びn型半導体層17の周囲の部分をエッチングして、当該周囲の部分においてn型半導体層17の上面17Sが露出するようなメサ形状を形成する。言い換えれば、この工程で、図1のn型半導体層17、活性層19及びp型半導体層21からなる円柱上の部分を有する半導体構造層15が完成する。
 次に、p型半導体層21の上面の中央部の周囲をエッチングして、突出部21Pを形成する。その後、半導体構造層15上に、SiOを成膜して、その一部を除去して開口部25Hを形成することで絶縁層25を形成する。言い換えれば、p型半導体層21の上面のエッチング除去された部分に、SiOを埋め込む。
 次に、絶縁層25上にITOを20nm成膜して透明電極27を形成し、透明電極27の上面及びn型半導体層17の上面17SにそれぞれAuを成膜してp電極29及びn電極23を形成する。
 次に、透明電極27上にNbを40nm、スペーサー層(図示せず)として成膜し、当該スペーサー層上に、1ペアがNb25/SiO2からなる層を10.5ペア成膜して、第2の多層膜反射鏡31を形成する。
 基板11の裏面にARコートを施す場合、最後に基板11の裏面を研磨し、当該研磨面にNb25/SiO2からなるARコートを形成することで、面発光レーザ10が完成する。
 以下、本発明の実施例2である面発光レーザ70について説明する。面発光レーザ70は、上述した電流狭窄構造を形成するために、絶縁層25の代わりに半導体構造層15内にトンネル接合構造を形成する点で、実施例1の面発光レーザ10とは異なる。具体的には、面発光レーザ70は、p型半導体層21より上の構造が面発光レーザ10と異なる。
 図7は、図1に示したのと同様の切断線で面発光レーザ70を切断した際の切断面、すなわち図2に対応した切断面を示す断面図である。図7に示すように、面発光レーザ70においては、p型半導体層21の突出部21P上に、トンネル接合層71が形成されている。すなわち、面発光レーザ70においては、半導体構造層15内の中央領域CAにトンネル接合層71が形成されている。
 トンネル接合層71は、p型半導体層21上に形成され、p型半導体層21よりも高い不純物濃度を有するp型半導体層であるハイドープp型半導体層71Aと、ハイドープp型半導体層71A上に形成され、n型半導体層17よりも高い不純物濃度を有するn型半導体層であるハイドープn型半導体層71Bと、を含んでいる。
 n型半導体層73は、p型半導体層21及びトンネル接合層71上に形成されている。n型半導体層73は、p型半導体層21の上面においてトンネル接合層71を埋め込むように形成されている。言い換えれば、n型半導体層73は、突出部21Pの側面並びにトンネル接合層71の側面及び上面を覆うように形成されている。
 n型半導体層73は、n型半導体層17と同様のドーピング濃度を有するn型半導体層である。すなわち、n型半導体層73は、ハイドープn型半導体層71Bよりも低いドーピング濃度を有している。
 このような、p型半導体層21、トンネル接合層71及びn型半導体層73の積層構造により、トンネル接合層71部分でトンネル効果が生ずる。これにより、面発光レーザ70においては、p型半導体層21とn型半導体層73との間において、トンネル接合層71の部分にのみ電流が流れ、電流が中央領域CAに狭窄される電流狭窄構造が形成される。
 p側電極75は、n型半導体層73の上面の周縁部に沿って形成された金属電極である。面発光レーザ70においては、p側電極75、n型半導体層73、トンネル接合層71、p型半導体層21、活性層19、n型半導体層17を通ってn電極23まで電流が流れる。
 第2の多層膜反射鏡77は、n型半導体層73の上面のp側電極75に囲まれた領域に形成されており、実施例1の面発光レーザ10の第2の多層膜反射鏡31と同様の構成を有している分布ブラッグ反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)である。
 このような、トンネル接合層による電流狭窄構造を持った面発光レーザ70においても、実施例1の面発光レーザ10について説明したような、第1の多層膜反射鏡13において基底面転位が発生しやすい領域が形成されることによる効果を同様に得ることが可能である。
 上述の実施例1においては、p型半導体層21の上面に電気的接触面21S及びその周囲の絶縁領域を形成して電流狭窄を生じさせかつ屈折率が低い領域を形成するために、絶縁層25を設けることとしたが、絶縁層25を設ける代わりに他の方法で電流狭窄を生じさせかつ屈折率の低い領域を生じさせてもよい。
 例えば、上記実施例で絶縁層25が設けられているp型半導体層21の上面をエッチングすることによって、絶縁領域及び屈折率の低い領域並びに電気的接触面21Sを形成してもよい。また、絶縁層25が設けられているp型半導体層21の上面に、イオン注入をすることによって、絶縁領域及び屈折率の低い領域並びに電気的接触面21Sを形成して、上記実施例における絶縁層25を形成したのと同様の電流狭窄効果を生じさせることとしてもよい。イオン注入をする場合、例えば、p型半導体層21に、Bイオン、Alイオン、又は酸素イオンを注入する。
 また、上述した実施例では第1の多層膜反射鏡の最上層は高屈折率半導体膜13BのGaN層としたが、低屈折率半導体膜13AのAlInN層としてもよい。この場合は最上層であるAlInN層とn型半導体層との界面で面転位が発生する。
 上述した実施例における種々の数値、寸法、材料等は、例示に過ぎず、用途及び製造される面発光レーザに応じて、適宜選択することができる。
10、70 面発光レーザ
11 基板
13 第1の多層膜反射鏡
15 半導体構造層
17 n型半導体層
19 活性層
21 p型半導体層
23 n電極
25 絶縁層
27 透明電極
29 p電極
31 第2の多層膜反射鏡
71 トンネル接合層
73 n型半導体層
75 p側電極
77 第2の多層膜反射鏡

Claims (8)

  1.  窒化ガリウム系半導体基板と、
     前記基板上に形成され、かつInを組成に含むIn含有窒化物半導体層とInを含まないIn非含有窒化物半導体層とが交互に積層されてなる第1の多層膜反射鏡と、
     前記第1の多層膜反射鏡上に形成された第1の導電型を有する窒化物半導体よりなる第1の半導体層、前記第1の半導体層上に形成された窒化物半導体よりなる活性層、及び前記活性層上に形成されかつ前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する窒化物半導体よりなる第2の半導体層を含む半導体構造層と、
     前記半導体構造層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、
     前記第1の多層膜反射鏡と前記第2の多層膜反射鏡との間に形成され、前記活性層の1の領域に電流を集中させる電流狭窄構造と、を有し、
     前記第1の多層膜反射鏡の最も上に形成される前記In含有窒化物半導体層の上面に沿った領域は、他の領域よりも水素不純物濃度が高いことを特徴とする垂直共振器型発光素子。
  2.  前記第1の多層膜反射鏡の最も上に形成されるIn含有窒化物半導体層の上面に沿った領域には、水素不純物濃度が1E18/cm以上の部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の垂直共振器型発光素子。
  3.  前記In含有窒化物半導体層はAlInN組成を有し、前記In非含有窒化物半導体層はGaN組成を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直共振器型発光素子。
  4.  前記第1の多層膜反射鏡の最上層は前記In非含有窒化物半導体層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の垂直共振器型発光素子
  5. 前記第1の多層膜反射鏡の最上層は前記In含有窒化物半導体層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の垂直共振器型発光素子
  6.  窒化ガリウム系半導体基板と、
    前記基板上に形成され、かつInを組成に含むIn含有窒化物半導体層とInを含まないIn非含有窒化物半導体層とが交互に積層されてなる第1の多層膜反射鏡と、
     前記第1の多層膜反射鏡上に形成された第1の導電型を有する窒化物半導体よりなる第1の半導体層、前記第1の半導体層上に形成された窒化物半導体よりなる活性層、及び前記活性層上に形成されかつ前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する窒化物半導体よりなる第2の半導体層を含む半導体構造層と、
     前記半導体構造層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡との間で共振器を構成する第2の多層膜反射鏡と、
     前記第1の多層膜反射鏡と前記第2の多層膜反射鏡との間に形成され、前記活性層の1の領域に電流を集中させる電流狭窄構造と、を有し、
     前記第1の多層膜反射鏡の最も上に形成される前記In含有窒化物半導体層の上面に沿った領域でありかつ前記窒化ガリウム系半導体基板の上面の法線方向から見て前記1の領域と重なる領域に面転位が形成されていることを特徴とする垂直共振器型発光素子。
  7.  前記面転位は、前記垂直共振器型発光素子を駆動させた後に形成された面転位であることを特徴とする請求項6に記載の垂直共振器型発光素子。
  8.  前記第1の多層膜反射鏡の最も上に形成される前記In含有窒化物半導体層の上面に沿った領域でありかつ前記窒化ガリウム系半導体基板の上面の法線方向から見て前記1の領域と重ならない領域は前記面転位が形成されないことを特徴とする請求項4または5に記載の垂直共振器型発光素子。
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