WO2023095930A1

WO2023095930A1 - カッププレート型熱交換器

Info

Publication number: WO2023095930A1
Application number: PCT/JP2022/044642
Authority: WO
Inventors: 周平松坂
Original assignee: 株式会社ティラド
Priority date: 2021-11-29
Filing date: 2022-11-25
Publication date: 2023-06-01

Abstract

板厚の厚い下端プレート２を有するカッププレート型熱交換器であって、板厚の厚い下端プレート２においても、他のプレートと同等のインナフィン４の設置面積を確保すること。　各プレート２、３、５が積層された状態で、前記下端プレート２の内側に嵌合された第１プレート３の間、および第２プレート５の内側に嵌合された第１プレート３の間に、インナフィン４が配置されており、下端プレート２の第１の傾斜部６の角度αを、第２プレート５の第１の傾斜部８の角度βより小に形成する。

Description

カッププレート型熱交換器

　本発明は、主としてプレート間にオイル流路と冷却水流路とを交互に形成したカッププレート型熱交換器に最適なものに関する。

　従来のカッププレート型熱交換器として、下記特許文献１及び特許文献２に記載のものが知られている。
　これらは皿状のプレートを積層し、各プレート間にオイル流路と冷却水流路とを交互に形成し、オイル流路内にインナフィンを配置して、高温のオイルと冷却水との間に熱交換を行わせるものである。

特開平１０−１８５４６２号公報特開２０１９−７０４７４号公報

　このようなオイルクーラは、従来、一例として図５に示す如く、ベースプレート上に比較的板厚が厚い下端プレート２ａが配置され、その下端プレート２ａに、順次第１プレート３ａと第２プレート５ａとが交互に配置されている。
　最下端に位置する下端プレート２ａの板厚は、第２プレート５ａのそれよりも厚くして強度を保っている。しかしながら、板厚を厚くすると、加工性が悪化するので、下端プレート２ａのベース平面と外周壁との間の曲げ部の曲率半径が、他のプレートより大きくなり、その分、インナフィン４ａの設置面が第２プレート５ａよりも小さくなる。
　即ち、下端プレート２ａの曲率半径が、第２プレート５ａのそれより大きくなるため、図５において下端プレート２ａのベース平面と、外周壁との境界Ａが、第２プレート５ａのベース平面と外周壁との境界Ｂよりも、プレートの中心側に移動してしまうことになる。
　一方、インナフィン４ａは広い範囲に設置することが望ましく、かつ各段において共通のものとすることが望ましい。
　そこで、本発明は板厚の厚いカッププレートにおいても、他のカッププレートと同等のインナフィンの設置面積を確保することを課題とする。

　請求項１に記載の本発明は、ベース平面１の全周縁に全体として、その中心から外周に向かって傾斜して、立ち上げられたプレートの積層体からなり、
　積層方向の中間には、第１プレート３と第２プレート５とが交互に積層されており、
　前記第１プレート３は、前記ベース平面１の周縁から、ベース平面１に立てた垂線Ｌに対して略平行に立ち上げた第１の垂直部７と、その第１の垂直部７の周縁から垂線Ｌに対して外側に鋭角に角度βで傾斜した傾斜部８と、その傾斜部８の縁から垂線Ｌに略平行に立ち上げた第２の垂直部７とを有し、
　前記第２プレート５は、前記ベース平面１の周縁に立てた垂線Ｌに対して外側に鋭角に角度βで傾斜した第１の傾斜部８と、その第１の傾斜部８の縁から垂線Ｌに略平行に立ち上げた垂直部７と、その垂直部７の縁から垂線Ｌに対して外側に鋭角に前記角度βで傾斜した第２の傾斜部８と、を具備し、
　両プレート３、５の各垂直部７どうし及び傾斜部８どうしが整合されて、積層されているカッププレート型熱交換器において、
　積層方向の下端には、第２プレート５より板厚が厚く形成された下端プレート２が配置されており、
　前記下端プレート２は、前記ベース平面１の周縁から、ベース平面１に立てた垂線Ｌに対して外側に鋭角に角度αで傾斜した第１の傾斜部６と、その第１の傾斜部６の縁から垂線Ｌに略平行に立ち上げた垂直部７と、その垂直部７の縁から垂線Ｌに対して外側に鋭角に角度βで傾斜した第２の傾斜部８とを有し、
　各プレート２、３、５が積層された状態で、前記下端プレート２の内側に嵌合された第１プレート３の間、および第２プレート５の内側に嵌合された第１プレート３の間に、インナフィン４が配置されており、
　下端プレート２の第１の傾斜部６の角度αが、第２プレート５の第１の傾斜部８の角度βより小に形成されているカッププレート型熱交換器である。

　本発明のカッププレート型熱交換器は、各プレート２、３、５が積層された状態で、前記下端プレート２の内側に嵌合された第１プレート３の間、および第２プレート５の内側に嵌合された第１プレート３の間に、インナフィン４が配置されており、下端プレート２の第１の傾斜部６の角度αが、第２プレート５の第１の傾斜部８の角度βより小に形成されているものである。
　これにより、下端プレート２の内側に嵌合された第１プレート３との間のインナフィン４の設置面積を増加させ、第２プレート５とそのプレート５の内側に嵌合された第１プレート３との間と同等のインナフィン４の設置面積を確保することができる。

　図１は本発明の熱交換器の断面図。
　図２は図１のＩＩ部拡大図。
　図３は同熱交換器を構成するカッププレートの要部分解図。
　図４は同熱交換器の組立て状態を示す説明図。
　図５は従来型熱交換器の要部断面図。

　次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
　図１は本発明の熱交換器の断面図であり、図２は図１のＩＩ部拡大図である。
　図３は同熱交換器を構成するカッププレートの要部分解図であり、図４はその組立て状態を示す要部縦断面図である。
　この熱交換器は、図１、図２に示す如く、ベース平面１の全周縁に全体として、その中心から外周に向かって傾斜して、立ち上げられたプレートの積層体からなり、積層方向の中間には、第１プレート３と第２プレート５とが交互に積層されている。
　この例では、第１プレート３と第２プレート５とは、同一の厚みである。
　第１プレート３は、図３に示す如く、そのベース平面１の縁部から垂線Ｌに対し、略平行に立ち上がる第１の垂直部７が形成されている。その第１の垂直部７の縁部から垂線Ｌに対して外側に鋭角に角度βで傾斜する傾斜部８が形成されている。次いで、その傾斜部８の縁から垂線Ｌに略平行に立ち上がる第２の垂直部７が形成されている。
　第１プレート３の第１の垂直部７、傾斜部８、第２の垂直部７は連続しており、傾斜部８を介して段付き状に傾斜する壁面を形成している。
　第２プレート５は、図３に示す如く、そのベース平面１の縁部から垂線Ｌに対して外側に鋭角に角度βで傾斜した第１の傾斜部８が形成されている。次いで、その第１の傾斜部８の縁から垂線Ｌに略平行立ち上げた垂直部７が形成されている。次いで、その垂直部７の縁から垂線Ｌに対して外側に鋭角に角度βで傾斜した第２の傾斜部８が形成されている。
　第２プレート５の第１の傾斜部８、垂直部７、第２の傾斜部８も連続しており、垂直部７を介して段付き状に傾斜する壁面を形成している。
　そして、積層方向の下端には、下端プレート２が配置されている。
　この実施例の熱交換器の下端プレート２は、図３に示す如く、第２プレート５より板厚が厚く形成されている。
　この下端プレート２は、そのベース平面１の縁部から、そこに立ち上げた垂線Ｌに対して、傾斜角度αの鋭角に外側に傾斜する第１の傾斜部６が形成されている。次いで、その第１の傾斜部６の縁部から垂線Ｌに対して略平行に立ち上がる垂直部７が形成されている。次いで、その垂直部７の縁部から垂線Ｌに対して外側に鋭角の角度βで傾斜する第２の傾斜部８が形成されている。
　下端プレート２の第１の傾斜部６、垂直部７、第２の傾斜部８も連続しており、垂直部７を介して段付き状に傾斜する壁面を形成している。
　図２及び図４に示す如く、下端プレート２、第１プレート３、第２プレート５の各垂直部７どうし及び傾斜部８どうしが整合されて、積層されている。
　この例では、下端プレート２の第２の傾斜部８の傾斜角度βは、そのプレート２と隣接する第１プレート３の傾斜部８の傾斜角度βと略同一である。
　図２、図４に示す如く、下端プレート２の内側に第１プレート３が嵌合されてなる層、および第２プレート５の内側に第１プレート３が嵌合されてなる層には、第１流路Ｈ１が形成され、そこにインナフィン４が内装されている。
　そして、第１プレート３の内側に第２プレート５が嵌合されてなる層には、第２流路Ｈ２が形成される。
　一例として、インナフィン４を有する第１流路Ｈ１にはオイルが供給され、第２流路Ｈ２に冷却水が供給される。
　この基本形態において、下端プレート２ａはその板厚が厚いため、壁面を立ち上げる時に、曲率半径を大きくせざるを得ないので、従来は、図５に示す如く、下端プレート２ａにおけるベース平面の境界Ａは、第２プレート５ａにおけるベース平面の境界Ｂより内側に位置しており、下端プレート２ａにおけるインナフィン４ａの設置面積は、第２プレート５ａにおけるインナフィン４ａの設置面積より小さくなっている。
　一方、この実施例では、図３に示す如く、下端プレート２の第１の傾斜部６の傾斜角度αを、第２プレート５の第１の傾斜部８の角度βより小にすることにより、下端プレート２のベース平面１の境界Ｃと、第２プレート５のベース平面１の境界Ｃとが、同一の垂線Ｌ上に位置するように調整されている。
　これにより、図２に示す如く、下端プレート２の内側に嵌合された第１プレート３との間のインナフィン４の設置面積を増加させ、第２プレート５とそのプレート５の内側に嵌合された第１プレート３との間と同等のインナフィン４の設置面積を確保することができる。

　本発明のカッププレート型熱交換器は、前記オイルクーラに限らず、各種熱交換器に利用できる。

　１　ベース平面
　２　下端プレート
　３　第１プレート
　４　インナフィン
　５　第２プレート
　６　傾斜部
　７　垂直部
　８　傾斜部
　２ａ　下端プレート
　３ａ　第１プレート
　４ａ　インナフィン
　５ａ　第２プレート
　Ｌ　垂線
　α　角度
　β　角度
　Ａ　境界
　Ｂ　境界
　Ｃ　境界
　Ｄ　境界
　Ｈ１　第１流路
　Ｈ２　第２流路

Claims

　ベース平面（１）の全周縁に全体として、その中心から外周に向かって傾斜して、立ち上げられたプレートの積層体からなり、
　積層方向の中間には、第１プレート（３）と第２プレート（５）とが交互に積層されており、
　前記第１プレート（３）は、前記ベース平面（１）の周縁から、ベース平面（１）に立てた垂線（Ｌ）に対して略平行に立ち上げた第１の垂直部（７）と、その第１の垂直部（７）の周縁から垂線（Ｌ）に対して外側に鋭角に角度（β）で傾斜した傾斜部（８）と、その傾斜部（８）の縁から垂線（Ｌ）に略平行に立ち上げた第２の垂直部（７）とを有し、
　前記第２プレート（５）は、前記ベース平面（１）の周縁に立てた垂線（Ｌ）に対して外側に鋭角に角度（β）で傾斜した第１の傾斜部（８）と、その第１の傾斜部（８）の縁から垂線（Ｌ）に略平行に立ち上げた垂直部（７）と、その垂直部（７）の縁から垂線（Ｌ）に対して外側に鋭角に前記角度（β）で傾斜した第２の傾斜部（８）と、を具備し、
　両プレート（３、５）の各垂直部（７）どうし及び傾斜部（８）どうしが整合されて、積層されているカッププレート型熱交換器において、
　積層方向の下端には、第２プレート（５）より板厚が厚く形成された下端プレート（２）が配置されており、
　前記下端プレート（２）は、前記ベース平面（１）の周縁から、ベース平面（１）に立てた垂線（Ｌ）に対して外側に鋭角に角度（α）で傾斜した第１の傾斜部（６）と、その第１の傾斜部（６）の縁から垂線（Ｌ）に略平行に立ち上げた垂直部（７）と、その垂直部（７）の縁から垂線（Ｌ）に対して外側に鋭角に角度（β）で傾斜した第２の傾斜部（８）とを有し、
　各プレート（２、３、５）が積層された状態で、前記下端プレート（２）の内側に嵌合された第１プレート（３）の間、および第２プレート（５）の内側に嵌合された第１プレート（３）の間に、インナフィン（４）が配置されており、
　下端プレート（２）の第１の傾斜部（６）の角度（α）が、第２プレート（５）の第１の傾斜部（８）の角度（β）より小に形成されているカッププレート型熱交換器。