WO2023085187A1 - 磁性体及び磁性体の製造方法 - Google Patents

磁性体及び磁性体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、表面の少なくとも一部に絶縁被膜を有する鉄基粉末と、四酸化三鉄とを含む圧粉体を含み、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含み、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用である、磁性体に関する。

Description

磁性体及び磁性体の製造方法
 本発明は、磁性体及び磁性体の製造方法に関する。
 産業用機械及び自動車等のメカトロニクス分野において、高精度な制御を実現するためには、変位及びトルクの測定が重要である。測定技術として、磁歪効果を利用した磁歪式センサが知られており、磁歪式センサには強磁性体が組み込まれている。
 例えば、特許文献1には、トルクセンサ1が開示され、トルクセンサ1のセンサ部2は、コイル21と、磁性体リング22と、を備えている。トルクセンサ1のセンサ部2は、磁歪特性を有する磁歪式トルクセンサ用シャフト101の周囲に取り付けられている。
特開2018-112451号公報 特開2020-150135号公報
 一般に、センサに用いられる磁性体は、コイルを巻線した樹脂ボビンと、樹脂モールドにより一体化される。例えば、センサを100kHz以上の高周波数帯で動作させる場合は、磁性体は高複素透磁率及び低鉄損であることが望まれる。そのため、磁性体の材料として、低鉄損である圧粉磁心又はフェライト磁心等が適用されている。磁性体の渦電流損失を抑えるためには、磁路断面積を小さくすることが有効である。リング状の磁性体の場合、厚さを少なくすることが考えられるが、薄くすると、磁性体には割れが発生しやすくなる。
 磁性体の強度を向上するために、例えば、水蒸気処理することが考えられるが、特許文献2の段落0030に示されているように、水蒸気処理すると、粒子表面に電気伝導率の高い四酸化三鉄が形成され、また、四酸化三鉄を含む酸化被膜が形成される際に、粒子表面の酸化被膜にひび割れが発生する。その結果、100kHz以上の高い周波数の用途では、粒子内部の渦電流による鉄損失は高くなり、使用不可と言われている。
 本発明の目的は100kHz以上の動作周波数においても良好な磁気特性と、高い強度とを有する磁性体を提供することである。本発明の他の目的は、100kHz以上の動作周波数においても良好な磁気特性と、高い強度とを有する磁性体の製造方法を提供することである。
 本発明の実施形態によれば、水蒸気処理した後の圧粉体の内径面の磁路が形成される領域に四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含ませることにより、圧粉体全体の渦電流損失が抑えられ、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用である磁性体の実現が可能となる。
 本発明の実施形態の例を以下に列挙する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
 一実施形態は、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末と、四酸化三鉄とを含む圧粉体を含み、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含み、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用である、磁性体に関する。
 他の一実施形態は、磁性体の製造方法であって、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末を含有する原料粉末を圧縮成形し、圧粉体を得ること、及び、前記圧粉体を、水蒸気雰囲気中で熱処理すること、を含み、前記磁性体は、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含み、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用である、磁性体の製造方法に関する。
 本発明によれば、良好な磁気特性と、高い強度とを有する磁性体が提供される。本発明によれば、良好な磁気特性と、高い強度とを有する磁性体の製造方法が提供される。
図1は、磁性体の一例を示す模式図である。 図2は、実施例において製造した磁性体の断面の光学顕微鏡写真である。
 以下、本発明の好適な実施形態を説明する。本発明は下記実施形態に限定されない。
 本明細書において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
 本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
 本明細書において、各成分には、該当する物質が複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
 本明細書において「被膜」の語には、当該被膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
 本明細書において「工程」の語には、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても所期の作用が達成されれば、その工程も含まれる。
<磁性体の製造方法>
 本発明の実施形態である磁性体の製造方法は、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末を含有する原料粉末を圧縮成形し、圧粉体を得ること、及び、前記圧粉体を、水蒸気雰囲気中で熱処理すること、を含む。本発明の実施形態である磁性体の製造方法は、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサに使用するための磁性体(「センサ用磁性体」という場合がある。)の製造方法である。センサ用磁性体の製造方法は、任意の工程を更に含んでよい。
 いくつかの実施形態において、磁性体は、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含んでよい。いくつかの実施形態において、磁性体は、円筒状の形状を有し、磁路が形成される領域の径方向の厚さが3mm以下であってよい。
[成形工程]
 センサ用磁性体の製造方法は、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末を含有する原料粉末を圧縮成形し、圧粉体を得ることを含む(「成形工程」という場合がある。)。
(原料粉末)
 原料粉末は、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末(単に「鉄基粉末」という場合がある。)を含有する。表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末は、鉄を含む金属粉末と、金属粉末の表面の少なくとも一部を被覆する絶縁被膜とを含む。絶縁被膜は、渦電流を抑制することができる。原料粉末は、鉄基粉末を、1種単独で含有しても、2種類以上を組み合わせて含有してもよい。
 金属粉末は、例えば、鉄の単体粉末、及び鉄を含む合金粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有してよい。金属粉末は、鉄の単体粉末、及び鉄を含む合金粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる粉末であってよい。鉄を含む合金は、固溶体、共晶、及び金属間化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでよい。合金は、例えば、ステンレス鋼(Fe-Cr系合金、Fe-Ni-Cr系合金等)であってよい。金属粉末は、アモルファスであってよい。金属粉末は、複数種の金属元素を含んでよい。例えば、金属粉末は、鉄に加えて、卑金属元素、貴金属元素、遷移金属元素、及び希土類元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含んでよい。
 鉄を含む合金粉末は、例えば、鉄を主成分とした軟磁性合金であってよい。金属粉末中の鉄の含有量は、例えば、金属粉末の質量を基準として、50質量%以上、70質量%以上、又は90質量%以上であってよい。金属粉末は、具体的には、Fe-Si合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Cu-Ni系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、鉄系アモルファス合金粉末等からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでよい。後ほど形成される内径面の酸化鉄膜を保つ観点から、寸法安定性の高い材料である純鉄が好ましい。
 金属粉末に含まれる個々の金属粒子の形状は、特に限定されない。個々の金属粒子は、例えば、扁平、球状、又は針状である。
 鉄基粉末の平均粒径は、例えば、60μm以上250μm以下である。金属粉末の平均粒径は、金属粉-乾式ふるい分けによる粒度試験方法(ISO 4497:2020)に従い測定できる。鉄基粉末の平均粒径が60μm以上であると、磁性体の十分な強度を確保できる傾向がある。平均粒径は、80μm以上、又は、100μm以上であってよい。鉄基粉末の平均粒径が250μm以下であると、高い密度を有し、良好な磁気特性を示す磁性体が得られやすい。平均粒径は、220μm以下、又は、200μm以下であってよい。鉄基粉末の平均粒径は、例えば、80~220μm、又は、100~200μmであってよい。
 絶縁被膜は、無機化合物被膜及び有機化合物被膜からなる群から選択される少なくとも1種の被膜を含んでよい。絶縁被膜は、単層の被膜であっても、又は、複数の層を含む被膜であってもよい。無機化合物被膜は、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸マンガン、リン酸カルシウム等のリン酸塩;ホウ酸リチウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム等のホウ酸塩;ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;及び酸化ケイ素、酸化タングステン等の酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。有機化合物被膜は、例えば、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及び脂肪酸からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
 絶縁被膜は、良好な磁気特性と高い強度とを両立する観点から、リン酸塩を含有する被膜であることが好ましい。絶縁被膜は、金属粉末に含まれる個々の金属粒子の表面の一部に形成されていても、又は、表面の全てに形成されていてもよい。すなわち、鉄基粉末は、表面の少なくとも一部、又は、表面の全部に絶縁被膜を有する。
 原料粉末は、鉄基粉末のほかに、任意の粉末を含んでいてもよい。任意の粉末として、例えば、絶縁被膜を有していない軟磁性粉末;クロム、銅等を主成分とする金属粉末、合金粉末及び金属酸化物;及び、粉末潤滑剤、乾式シリカの微粒子等の流動度改善剤などの添加剤が挙げられる。なかでも、成形後の抜き出し圧力の低減を図るため、粉末潤滑剤を含有することが好ましい。
 粉末潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸;ステアリン酸アミド、ステアリン酸ビスアミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアミド系潤滑剤などが挙げられる。脱脂性が良好であることから、粉末潤滑剤としては、分子量が小さい化合物を用いることが好ましい。粉末潤滑剤は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
 原料粉末における粉末潤滑剤の含有量は、使用による十分な効果を得る観点から、鉄基粉末の質量を基準とし、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましい。粉末潤滑剤の含有量は、十分な磁気特性を得る観点から、鉄基粉末の質量を基準とし、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。粉末潤滑剤の含有量は、例えば、0.1~2質量%、0.2~1質量%、又は0.3~0.5質量%であってよい。
(圧縮成形)
 圧縮成形により、原料粉末を成形し、圧粉体を得る。例えば、原料粉末は、上下パンチにより圧縮される。成形時には、金型に金型潤滑剤を塗布し、金型潤滑成形を行ってもよい。圧粉体の形状は、例えば、円筒状であり、円筒状の形状は、中空であってよい。
 成形圧力は、圧粉体を高い精度で得る、良好な磁気特性を得る等の観点から、例えば、400MPa以上、500MPa以上、又は600MPa以上である。成形圧力は、金型の耐久性等の観点から、例えば、1,000MPa以下、900MPa以下、又は800MPa以下である。成形圧力は、例えば、400~1,000MPa、500~900MPa、又は600~800MPaであってよい。
 成形の際に、金型を加熱し、又は、原料粉末と金型とを加熱し、温間成形を行ってもよい。加熱の温度は、例えば、80~140℃である。
(圧粉体の密度)
 圧粉体の密度は、良好な磁気特性を得る等の観点から、例えば、6.5g/cm以上、6.8g/cm以上、又は7.2g/cm以上である。圧粉体の密度は、例えば、7.8g/cm以下、7.6g/cm以下、又は7.4g/cm以下である。圧粉体の密度が7.2g/cm以上であると、水蒸気処理段階で、圧粉体内部に水蒸気が浸透せず表面に酸化鉄膜が形成されやすくなる。圧粉体全体としての渦電流損失が抑えられる。圧粉体の密度は、超硬合金用を除く金属粉末-一軸圧縮性の測定方法(ISO 3927:2001)に従い測定することができる。圧粉体の密度は、例えば、6.5~7.8g/cm、6.8~7.6g/cm、又は7.2~7.4g/cmであってよい。
[水蒸気処理工程]
 センサ用磁性体の製造方法は、圧粉体を、水蒸気雰囲気中で熱処理することを含む(「水蒸気処理工程」という場合がある。)。
 圧粉体を水蒸気雰囲気中で熱処理することにより、圧粉体に含まれる鉄基粉末の表面の少なくとも一部に四酸化三鉄(Fe)が生成する。四酸化三鉄は、通常、水蒸気に曝される鉄基粉末の表面に生成する。鉄基粉末に含まれる個々の鉄基粒子が密着していることによって、鉄基粉末には、水蒸気に曝されない表面も含まれ得る。水蒸気に曝されない鉄基粉末の表面には、通常、四酸化三鉄は生成しない。
 熱処理の温度は、例えば、300~600℃である。熱処理の時間は、例えば、5~60分間である。水蒸気雰囲気中の熱処理は、圧粉体を高温の水蒸気に曝すことであってよい。水蒸気に曝す方法として、圧粉体に水蒸気を噴射する方法が挙げられる。水蒸気は圧粉体の表面から内部の気孔に浸透し、圧粉体の表面及び鉄基粉末と気孔の界面部分に四酸化三鉄が生成する。水蒸気の温度は、例えば、300~600℃である。水蒸気に曝す時間は、例えば、5~60分間である。四酸化三鉄を含む酸化鉄膜を圧粉体の表面に集中して生成させる観点から、例えば、500℃以上の高温で30分間以下の短時間で処理することが好ましい。
 水蒸気雰囲気中の熱処理には、加圧式の炉又は常圧式の炉を使用できる。具体的には、高気圧が維持できるポット型炉、メッシュベルト炉等のベルト炉などが挙げられる。
 圧粉体を水蒸気雰囲気中で熱処理することによって得られる磁性体は、高い強度を有する。鉄基粉末の酸化によって生成した四酸化三鉄が磁性体の強度を高めていると考えられる。高い強度を有する磁性体は、樹脂モールド時の圧力に耐えることができ、モールド時に割れが発生することを防止できる。
 圧粉体を水蒸気雰囲気中で熱処理することによって得られる磁性体は、磁性体の表面が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われる。四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さは、圧粉体を水蒸気雰囲気中で熱処理するときの雰囲気、温度、時間等の条件を変化させることによって調節することができる。
[任意の工程]
 センサ用磁性体の製造方法が有してもよい任意の工程として、原料粉末を用意すること、圧粉体を熱処理すること(熱処理工程)、圧粉体を所望の形状に切削すること(切削工程)等が挙げられる。
(熱処理工程)
 熱処理工程では、圧粉体に熱を加え、用途に応じて圧粉体に所望の性質を付与する。熱処理によって、例えば、強さ、硬さ、耐衝撃性等の性質を向上させることができる。ここでの熱処理は、圧粉体を水蒸気雰囲気中で熱処理することを含まない。
 熱処理を行う雰囲気は、大気でもよいが、圧粉体が酸化しにくいガス雰囲気が好ましい。例えば、窒素ガス等の非酸化性ガス、分解アンモニアガス等の還元性ガス、浸炭性ガス(例えば、カーボンポテンシャルが0.1~1.2%の範囲内の水素、窒素、一酸化炭素の混合ガス)等から選択することができる。熱処理の温度は、例えば、300~600℃である。熱処理の時間は、例えば、5~60分間である。
 好ましい実施形態において、磁性体の製造方法は、成形工程と水蒸気処理工程との間に熱処理工程を含む。磁性体の製造方法は、原料粉末を圧縮成形し、圧粉体を得ること;圧粉体を、熱処理すること;及び、圧粉体を、水蒸気雰囲気中で熱処理すること、を含んでよい。
(切削工程)
 切削工程では、圧粉体を所望の形状に切削加工する。例えば、切削加工は、旋削加工、転削加工、又はこれらの両方であってよい。切削工具の材料として、サーメット、セラミックス、超硬合金、高速度工具鋼、ダイヤモンド焼結体、cBN焼結体等が挙げられる。切削工程では、例えば、円筒状圧粉体の外周面、又は、底面を加工することが好ましい。
 後述するように、磁性体は、表面に型出しされた面を含んでよい。表面に型出しされた面を含む磁性体を得るために、磁性体の製造方法は、圧粉体を切削することを含まないか、又は、圧粉体の表面の一部のみを切削することを含んでよい。圧粉体が円筒状である場合、例えば、表面の一部は、円筒状の圧粉体の外周面であってよい。
 後述するように、磁性体は、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含んでよい。内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含む磁性体を得るために、磁性体の製造方法は、圧粉体を切削することを含まないか、又は、圧粉体の表面の一部のみを切削することを含んでよい。圧粉体が円筒状である場合、例えば、表面の一部は、円筒状の圧粉体の外周面であってよい。
[磁性体]
 センサ用磁性体の製造方法により得られる磁性体は、水蒸気雰囲気中で熱処理された圧粉体を含む。磁性体は、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサに使用される。後述する本発明の実施形態であるセンサ用磁性体の説明を、センサ用磁性体の製造方法により得られる磁性体にも適用することができる。
<センサ用磁性体>
 本発明の実施形態である磁性体は、表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末と、四酸化三鉄(Fe)とを含む圧粉体を含む。センサ用磁性体は、任意の成分を更に含有してよい。上述の鉄基粉末、圧粉体、磁性体等に関する説明は、この実施形態の磁性体にも適用され得る。
 圧粉体が四酸化三鉄を含むことは、例えば、X線光電分光法(XPS)を用いて確認することができる。X線光電分光法(XPS)で分析して得られるスペクトルにおいて、結合エネルギー711eVと708eVの間にピークが生じていれば、圧粉体が四酸化三鉄を含むといえる。
 本発明の実施形態である磁性体は、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサに使用するための磁性体である。動作周波数は、200kHz以上であってよい。動作周波数の上限は特に限定されないが、例えば、1MHz以下である。センサは、磁歪式トルクセンサであってよい。
 磁性体の形状は、例えば、円筒状であり、円筒状の形状は、中空であってよい。図1は、磁性体の一例を示す模式図である。(a)は正面模式図、(b)は(a)に示す磁性体のA-A断面における断面模式図である。図(b)中、tは、磁路が形成される領域の径方向の厚さを表す。図1に示す磁性体は、コイルが巻線された樹脂ボビンの外側に配置され、樹脂ボビンと共にトルクセンサ用のシャフトの周囲に取り付けられた状態で使用される。
 磁性体の磁路が形成される領域の径方向の厚さは、例えば、8mm以下、又は5mm以下である。磁路が形成される領域の径方向の厚さが薄いほど、渦電流損を抑制できる傾向がある。良好な磁気特性を得る観点から、磁路が形成される領域の径方向の厚さは、3mm以下であることが好ましい。強度の観点から、磁路が形成される領域の径方向の厚さは、例えば、1mm以上である。
 磁性体は、表面の少なくとも一部が、型出しされた面であってよい。好ましくは、磁性体の内径面の磁路が形成される領域が、型出しされた面を含む。本明細書において、磁路が形成される領域は、磁性体がセンサに組み込まれて使用されるときに、トルクが負荷される磁歪材(例えば、シャフト)と磁性体とにより磁路が形成される領域であってよい。本明細書において、内径面の磁路が形成される領域は、磁性体の内径面のうちの、磁路が形成される領域に該当する部分をいう。
 型出しされた面は、圧縮成形して金型から押し出された後に、切削加工等の加工が施されていない面をいう。内径面の磁路が形成される領域が型出しされた面である場合、渦電流損を抑制できる傾向がある。
 水蒸気処理される前の圧粉体では、圧粉体の表面に絶縁被膜が存在するか否かによって、圧粉体が型出しされた面を有するかどうかを確認できる。絶縁被膜が存在するか否かは、例えば、圧粉体の表面の比抵抗を計測することによって判断できる。型出しされた面の比抵抗は大きく、切削加工等の加工が施された面の比抵抗は、鉄基粉末と同程度になる傾向がある。圧粉体を水蒸気処理した後に得られる磁性体では、磁性体の表面に四酸化三鉄が存在するか否かによって、磁性体が型出しされた面を有するかどうかを確認できる。四酸化三鉄が存在するか否かは、例えば、目視観察することで判断できる。四酸化三鉄が存在すると、磁性体の表面は濃い灰色又は黒色を呈する。
 磁性体は、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含んでよい。磁性体が、内径面の磁路が形成される領域に四酸化三鉄を含む酸化鉄膜を有する場合、渦電流損を抑制できる傾向がある。内径面の磁路が形成される領域の面積に対する四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面の面積の比率は、100%が最も好ましいが、用途に応じて例えば90%以上、又は、95%以上であってよい。内径面の磁路が形成される領域の面積に対する四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面の面積の比率は、例えば、切削加工等が施されていない面の面積と切削加工等が施された面の面積とから算出することが可能である。
 四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さは、例えば、1μm以下である。四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さは、SEM写真を撮り、適宜拡大して測定できる。四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さが2μm以下であると、渦電流損を抑制できる傾向がある。厚さは、3μm以下、又は、5μm以下であってよい。四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さが0.1μm以上であると、高い密度を有し、良好な磁気特性が得られやすい。四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さは、例えば、0.1~5μm、0.1~3μm、又は0.1~1μmであってよい。
 圧粉体を水蒸気雰囲気中で熱処理すると、鉄基粉末の表面に電気伝導率の高い四酸化三鉄が形成され、また、鉄基粉末の表面の絶縁被膜にひび割れが発生することがあるために、従来は、得られる磁性体を100kHz以上の高い動作周波数で用いた場合、渦電流による鉄損失が高くなると考えられていた。本発明のいくつかの実施形態によれば、磁性体が内径面の磁路が形成される領域が四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含むことによって渦電流を抑えることができ、磁性体を100kHz以上の高い動作周波数で用いることが可能である。
 センサ用磁性体は、例えば、上記実施形態のセンサ用磁性体の製造方法により製造することができる。
<実施形態の例>
 本発明の実施形態の好ましい例を以下に挙げる。本発明の実施形態は以下の例に限定されない。
(1)表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末と、四酸化三鉄とを含む圧粉体を含み、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用である、磁性体。
(2)円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含む、上記(1)に記載の磁性体。
(3)前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面の面積が、内径面の磁路が形成される領域の面積の90%以上である、上記(2)に記載の磁性体。
(4)前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さが、5μm以下である、上記(2)又は(3)に記載の磁性体。
(5)円筒状の形状を有し、磁路が形成される領域の径方向の厚さが3mm以下である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の磁性体。
(6)円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、型出しされた面を含む、上記(1)~(5)のいずれかに記載の磁性体。
(7)前記センサが、磁歪式トルクセンサである、上記(1)~(6)のいずれかに記載の磁性体。
(8)磁性体の製造方法であって、
 表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末を含有する原料粉末を圧縮成形し、圧粉体を得ること、及び、
 前記圧粉体を、水蒸気雰囲気中で熱処理すること、
 を含む、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用の磁性体の製造方法。
(9)前記磁性体が、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含む、上記(8)に記載の磁性体の製造方法。
(10)前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面の面積が、内径面の磁路が形成される領域の面積の90%以上である、上記(9)に記載の磁性体の製造方法。
(11)前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さが、5μm以下である、上記(9)又は(10)に記載の磁性体の製造方法。
(12)前記磁性体が、円筒状の形状を有し、磁路が形成される領域の径方向の厚さが、3mm以下である、上記(8)~(11)のいずれかに記載の磁性体の製造方法。
(13)円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、型出しされた面を含む、上記(8)~(12)のいずれかに記載の磁性体の製造方法。
(14)前記センサが、磁歪式トルクセンサである、上記(8)~(13)のいずれかに記載の磁性体の製造方法。
 本願の開示は、2021年11月11日に出願されたPCT/JP2021/041569号に記載の主題と関連しており、その全ての開示内容は参照によりここに援用される。
 以下の実施例及び比較例により、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1:強度の評価]
 表面に絶縁被膜としてリン酸塩被膜を有する純鉄粉末と、粉末潤滑剤(「Lube 3P」)とを含有する圧粉磁心材(ヘガネスAB社製「Somaloy 700 3P」、粉末潤滑剤の含有量:リン酸塩被膜を有する純鉄粉末に対して約0.3~0.4質量%)を用意した。リン酸塩被膜を有する純鉄粉(球状)の平均粒径は150μmであった。平均粒径は、金属粉-乾式ふるい分けによる粒度試験方法(ISO 4497:2020)に従い測定した。
 油圧プレス機を用いて圧粉磁心材を圧縮成形し、直方体状の圧粉体を得た。成形圧力は686MPa、圧粉体の密度は7.4g/cmであった。直方体状の圧粉体の短辺は12mmであり、長辺は34mmであり、厚さは5mmであった。ベルト炉を使用し、圧粉体を窒素雰囲気中において500℃で30分間にわたり加熱することで、磁性体である試料番号01の圧粉磁心を得た。また、ベルト炉を使用し、圧粉体を窒素雰囲気中において500℃で30分間にわたり加熱後、水蒸気雰囲気中において530℃で20分間にわたり加熱することで、試料番号02の圧粉磁心を得た。XPSにより圧粉磁心の表面を評価し、試料番号01の圧粉磁心は四酸化三鉄を含まず、試料番号02の圧粉磁心は四酸化三鉄を含むことを確認した。具体的には、XPS装置を用いて圧粉磁心の表面に含まれる主な元素である鉄に関するピークを測定し、デコンヴォルーションした後、四酸化三鉄のピークの有無を確認した。なお、圧粉体の密度は、超硬合金用を除く金属粉末-一軸圧縮性の測定方法(ISO 3927:2001)に従い測定した。
 直方体状の圧粉磁心の長辺と短辺に水平な断面において、長辺方向の両端を支持し、中央に荷重を印加した。荷重を増加させて、圧粉磁心が破壊された時の荷重を測定した。圧粉磁心が破壊された時の荷重は、抗折強度(単位:MPa)を意味する。抗折強度の測定は、室温(25℃)の大気中で行った。抗折強度を下記表1に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1は、圧粉磁心の強度が、四酸化三鉄を含むことで向上することを示している。
[実施例2:磁気特性の評価]
 実施例1で使用した圧粉磁心材と同じ圧粉磁心材を用意した。油圧プレス機を用いて圧粉磁心材を圧縮成形し、試料番号03~07の円筒状の圧粉体を得た。成形圧力は686MPa、圧粉体の密度は7.4g/cmであった。円筒状の圧粉体の内径は20mmであり、全長は5mmであった。リング状の圧粉体の径方向の厚さは、試料番号03の圧粉体が5mm、試料番号04の圧粉体が4mm、試料番号05の圧粉体が3mm、試料番号06の圧粉体が2mm、試料番号07の圧粉体が1mmであった。ベルト炉を使用し、試料番号03~07の圧粉体を窒素雰囲気中において500℃で30分間にわたり加熱後、水蒸気中において530℃で20分間にわたり加熱することで、試料番号03~07の円筒状の圧粉磁心を得た。XPSにより試料番号03~07の圧粉磁心の表面を評価し、全ての圧粉磁心が四酸化三鉄を含むことを確認した。また、試料番号03~07の圧粉磁心は、表面が型出しされた面であった。
 円筒状の圧粉磁心のポロイダル方向に1次コイル及び2次コイルを12巻きした。交流磁化特性測定装置を用いて、周波数は200kHz、励起磁束密度は0.01Tにおける複素透磁率を測定した。交流磁化特性測定装置としては岩崎通信機株式会社製「SY-8258」を使用した。測定された結果を下記表2に示した。また、図2に、試料番号06の圧粉磁心の断面の光学顕微鏡写真(倍率300倍)を示した。写真中、黒線箇所が絶縁被膜、黒領域箇所が気孔、濃い灰色箇所が四酸化三鉄、薄い灰色箇所が鉄基粉末である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2は、円筒状の圧粉磁心の径方向の厚みの減少に伴って、磁気特性が向上することを示している。
[実施例3]
 実施例1で使用した圧粉磁心材と同じ圧粉磁心材を用意した。油圧プレス機を用いて圧粉磁心材を圧縮成形し、試料番号08及び09の円筒状の圧粉体を得た。成形圧力は686MPa、圧粉体の密度は7.4g/cmであった。試料番号08の圧粉体の外径は24mmであり、内径は19mmであり、全長は5mmであった。試料番号09の圧粉体の外径は24mmであり、内径は20mmであり、全長は5mmであった。ベルト炉を使用し、試料番号08及び09の圧粉体を窒素雰囲気において500℃で30分間にわたり加熱後、水蒸気中において530℃で20分間にわたり加熱することで、試料番号08の熱処理体及び試料番号09の圧粉磁心を得た。試料番号08の熱処理体を、旋盤を用いた切削加工により、外径は24mmであり、内径は20mmであり、全長は5mmである円筒状の形状に切削し、試料番号08の圧粉磁心を得た。XPSにより試料番号08及び09の圧粉磁心の表面を評価し、圧粉磁心が四酸化三鉄を含むことを確認した。
 円筒状の圧粉磁心のポロイダル方向に1次コイル及び2次コイルを12巻きした。交流磁化特性測定装置を用いて、周波数は200kHz、励起磁束密度は0.01Tにおける複素透磁率を測定した。交流磁化特性測定装置としては岩崎通信機株式会社製「SY―8258」を使用した。測定された結果を下記表3に示した。
 表3は、圧粉磁心において、内径面の磁路が形成される領域が型出しされた面であることで、磁気特性が向上することを示している。表3は、圧粉磁心において、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含むことで、磁気特性が向上することを示している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003


 

Claims (12)

  1.  表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末と、四酸化三鉄とを含む圧粉体を含み、
     円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が、四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含み、
     100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用である、磁性体。
  2.  前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面の面積が、内径面の磁路が形成される領域の面積の90%以上である、請求項1に記載の磁性体。
  3.  前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さが、5μm以下である、請求項1又は2に記載の磁性体。
  4.  前記磁路が形成される領域の径方向の厚さが、3mm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の磁性体。
  5.  前記内径面の磁路が形成される領域が、型出しされた面を含む、請求項1~4のいずれかに記載の磁性体。
  6.  前記センサが、磁歪式トルクセンサである、請求項1~5のいずれかに記載の磁性体。
  7.  磁性体の製造方法であって、
     表面に絶縁被膜を有する鉄基粉末を含有する原料粉末を圧縮成形し、圧粉体を得ること、及び、
     前記圧粉体を、水蒸気雰囲気中で熱処理すること、
     を含み、
     前記磁性体が、円筒状の形状を有し、内径面の磁路が形成される領域が四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面を含み、100kHz以上の動作周波数で用いられるセンサ用である、
     磁性体の製造方法。
  8.  前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜に覆われた面の面積が、内径面の磁路が形成される領域の面積の90%以上である、請求項7に記載の磁性体の製造方法。
  9.  前記四酸化三鉄を含む酸化鉄膜の厚さが、5μm以下である、請求項7又は8に記載の磁性体の製造方法。
  10.  前記磁路が形成される領域の径方向の厚さが、3mm以下である、請求項7~9のいずれかに記載の磁性体の製造方法。
  11.  前記内径面の磁路が形成される領域が、型出しされた面を含む、請求項7~10のいずれかに記載の磁性体の製造方法。
  12.  前記センサが、磁歪式トルクセンサである、請求項7~11のいずれかに記載の磁性体の製造方法。

     
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