WO2023080039A1

WO2023080039A1 - 灯具

Info

Publication number: WO2023080039A1
Application number: PCT/JP2022/040015
Authority: WO
Inventors: 洸樹松井; 和仁長田; 裕司櫻井
Original assignee: 株式会社小糸製作所
Priority date: 2021-11-08
Filing date: 2022-10-26
Publication date: 2023-05-11
Also published as: JPWO2023080039A1

Abstract

灯具であって、アウタレンズ（２）とハウジング（３）で形成された灯室（７）内に設けられた光源（４）と、灯室内の湿度を調節する調湿機構（６）を有し、ハウジング（３）には、灯室（７）を外部に連絡させる蒸発口（８）が設けられており、調湿機構（６）は、蒸発口（８）から灯室（７）に向かって吸湿部材を露出させる第一位置と、蒸発口（８）から外部に向かって吸湿部材を露出させる第二位置とに、吸湿部材を移動させる移動機構を有し、調湿機構（６）は、吸湿部材を第一位置に位置させたときと、吸湿部材を第二位置に位置させたときとで、調湿機構（６）の占める空間の大きさが変わらないように構成されている。

Description

灯具

　本開示は、灯具に関する。

　特許文献１は、車両用ランプの灯室内の湿気を外部に放出する装置を開示している。この装置では、吸湿材で灯室内の湿気を吸湿した後、灯室内と放湿部屋を仕切りによって区切り、放湿部屋が外部に開放された状態でヒータで吸湿材を加熱し、湿気を外部に放出する。

米国特許出願公開第２０１９／０２９９１５２

　ところで、特許文献１に係る装置は、灯室とは別体で放湿部屋を設ける必要があり、灯具全体が大型化しやすい。

　本開示は、除湿機構を有し大型化が抑制された灯具を提供することを目的とする。

　本開示の一態様に係る灯具は
　アウタレンズとハウジングで形成された灯室内に設けられた光源と、
　灯室内の湿度を調節する調湿機構を有し、
　ハウジングには、灯室を外部に連絡させる蒸発口が設けられており、
　調湿機構は、蒸発口から灯室に向かって吸湿部材を露出させる第一位置と、蒸発口から外部に向かって吸湿部材を露出させる第二位置とに、吸湿部材を移動させる移動機構を有し、
　調湿機構は、吸湿部材を第一位置に位置させたときと、吸湿部材を第二位置に位置させたときとで、調湿機構の占める空間の大きさが変わらないように構成されている。

　本開示の灯具によれば、第一位置と第二位置とで調湿機構の占める空間の大きさが変わらないので、灯具の大型化を抑制できる。

図１は、本開示に係る灯具の一例を示す概略図である。図２は、実施例１に係る調湿機構である。図３は、実施例１に係る調湿機構の拡大図である。図４は、実施例１に係る調湿機構の拡大図である。図５は、実施例１に係る調湿機構の正面図である。図６は、実施例２に係る調湿機構の一例である。図７は、実施例２に係る調湿機構の一例である。図８は、実施例３に係る調湿機構の一例である。

　図１は、本開示の実施形態に係る灯具の一例を示す概略図である。

　本実施形態においては、灯具として、車両に搭載される車両用灯具１を説明する。図１に示したように、車両用灯具１は、アウタレンズ２と、ハウジング３と、光源４と、インナレンズ５と、調湿機構６を有している。アウタレンズ２とハウジング３により灯室７が構成されている。灯室７の内部に光源４とインナレンズ５が設けられている。

　光源４から出射された光は、インナレンズ５およびアウタレンズ２を介して灯具の前方に出射される。灯室７内の湿度が高まると、アウタレンズ２の内壁に結露が生じることがある。すると、光源４から出射された光を所望の強度で所望の場所に照射することが難しくなる。そこで本開示は、灯室７内の湿度を調節可能な調湿機構６を備えている。

　ハウジング３は、灯室７と外部とを連絡させる蒸発口８を有する。蒸発口８はハウジング３に設けられた開口である。調湿機構６は、この蒸発口８を塞ぐようにハウジング３に設けられている。外部と灯室７とは、この蒸発口８を介してのみ連通可能な状態となる。

　次に、図２～図４を参照しつつ、調湿機構６について説明する。図２に示したように調湿機構６は、吸湿部材９とヒータを有する。
　吸湿部材９は、空気中の水分を吸収可能な部材である。また、吸湿部材９は、加熱されて１５０℃程度の高温になると吸収した水分を空中に放出する部材である。例えば吸湿部材９は、シリカゲルやゼオライト、高分子吸湿材等で構成することができる。吸湿部材９は、シート状、または板状の部材であることが好ましい。ヒータは、吸湿部材９を加熱する。

　図示した調湿機構６は、第一サッシ１１と、第二サッシ１２と、シャッタ１３とを有している。
　第一サッシ１１と第二サッシ１２は、互いに向かい合う板状の部材である。第一サッシ１１と第二サッシ１２の間には、シャッタ１３が移動可能な偏平な空間が設けられている。第一サッシ１１は第二サッシ１２よりも灯室７の内側に設けられている。

　第一サッシ１１には、灯室７に開口する複数の第一開口部１１Ａが設けられている。

　第二サッシ１２は、蒸発口８を塞ぐようにハウジング３に取り付けられている。第一サッシ１１は、シャッタ１３を挟んで第二サッシ１２と向かい合う位置に設けられている。第二サッシ１２には、外部に開口する複数の第二開口部１２Ａが設けられている。第二開口部１２Ａの個数は、第一開口部１１Ａの個数と同じである。
　第二開口部１２Ａは、第一開口部１１Ａと連通しない位置に設けられている。つまり、シャッタ１３を取り外して外部から第二サッシ１２を見たときに、第二サッシ１２の第二開口部１２Ａと第一サッシ１１の第一開口部１１Ａとが連通して灯室７の内部が見えることがない。

　シャッタ１３は、第一サッシ１１と第二サッシ１２の間に移動可能に設けられた板状の部材である。シャッタ１３は図示せぬ移動機構により移動する。板状のシャッタ１３には、厚み方向に貫通する複数の取付穴１３Ａが設けられている。これら複数の取付穴１３Ａのそれぞれに、吸湿部材９が取り付けられている。吸湿部材９の個数は、第一開口部１１Ａの数または第二開口部１２Ａの数と等しい。シャッタ１３は、第一サッシ１１と第二サッシ１２の間で、第一サッシ１１の面内方向に平行移動する。

　シャッタ１３は第一位置と第二位置に移動することができる。第一位置は吸湿部材９を灯室７の内部へ露出させる位置である。第二位置は吸湿部材９を灯室７の外部に露出させる位置である。シャッタ１３は、蒸発口８の開口方向に対して交差する方向に対して移動する。調湿機構６が第一位置にあるとき、調湿機構６に設けられた吸湿部材９は灯室７の内部に露出している。このとき、吸湿部材９は灯室７の内部の湿気を吸収し、灯室７の内部の湿度を下げる。
　シャッタ１３が第二位置にあるとき、吸湿部材９は灯室７の外部に露出している。この時、吸湿部材９はヒータによって加熱され、吸湿部材９に含まれる水分を外部に放出することができる。

　図３は、シャッタ１３が第一位置に位置するときの調湿機構６の断面図である。
　図３に示したように、シャッタ１３が第一位置に位置するとき、吸湿部材９は第一開口部１１Ａから灯室７に露出している。このとき、第二開口部１２Ａは第一開口部１１Ａからずれた位置に開口しているため、第二開口部１２Ａはシャッタ１３によって閉塞されている。また、シャッタ１３の取付穴１３Ａも第二サッシ１２により閉塞されている。つまり、シャッタ１３が第一位置に位置するとき、灯室７は外部から遮断されている。シャッタ１３が第一位置に位置するとき、吸湿部材９は灯室７内の水分を吸収する。

　図４は、シャッタ１３が第二位置に位置するときの調湿機構６の断面図である。図４に示したように、シャッタ１３が第二位置に位置するとき、吸湿部材９は第二開口部１２Ａから外部に露出している。このとき、第一開口部１１Ａは第二開口部１２Ａからずれた位置に開口しているため、第一開口部１１Ａはシャッタ１３によって閉塞されている。また、シャッタ１３の取付穴１３Ａも第一サッシ１１によって閉塞されている。つまり、シャッタ１３が第二位置に位置するときも、灯室７は外部から遮断されている。

　シャッタ１３は導電性を有する材料で構成される。シャッタ１３に通電されると、シャッタ１３が加熱され、吸湿部材９を加熱する。つまり本実施形態においては、シャッタ１３はヒータとしても機能する。
　シャッタ１３が第二位置にあるときにシャッタ１３に通電されると、吸湿部材９が温められて水分を放出する。シャッタ１３が第二位置に位置しているので、放出された水分は第二開口部１２Ａを介して外部に放出される。

　シャッタ１３は第一位置と第二位置を交互に移動することで灯室７内の湿度を一定に保つ。前述したように第一位置、第二位置のどちらに位置していても灯室７は閉塞されており、吸湿部材９は灯室７の内部と灯室７の外部の両方に同時に露出することはないので、効率的に灯室７内の湿度を調整することができる。

　また、図３および図４で示したように、シャッタ１３は、シャッタ１３の面内方向に平行移動することにより第一位置と第二位置との間を移動する。シャッタ１３は板状部の部材であり、第一位置に位置する場合でも、第二位置に位置する場合でも、調湿機構６の占める空間の大きさがほとんど変わらない。特に、調湿機構６の占める空間のハウジング３の壁面に対して直交する方向の寸法はほとんど変わらない。このため、車両用灯具に調湿機構６を搭載する場合でも、車両用灯具１の大型化を抑制できる。

　なお、第一サッシ１１および第二サッシ１２の少なくとも一方は磁石素材で構成し、シャッタ１３は金属などの磁性体で構成することが好ましい。シャッタ１３を第一サッシ１１または第二サッシ１２に吸着させることにより、シャッタ１３と第一サッシ１１の間の隙間、または、シャッタ１３と第二サッシ１２の間の隙間が生じないようにすることができる。これにより、灯室７と外部とが蒸発口８のみで連通するように、灯室７を密閉することができる。

　上述した実施形態ではシャッタ１３がヒータとして機能する例を説明したが、本開示はこれに限られない。例えばシャッタ１３とヒータは別部材として構成されていてもよい。

　また、本開示に係る灯具に搭載する調湿機構６は上述した第一実施形態の構成に限られない。次に、図５～図７を参照しつつ、第二実施形態における灯具に搭載される調湿機構６について説明する。灯具自体は第一実施形態と同一であり、調湿機構６のみが第一実施形態と異なるため、調湿機構６のみを説明する。

　図５は、ハウジング３に取り付けられた調湿機構６を外部から見た正面図である。図５に示したように、調湿機構６は、フレーム２１と、仕切り板２２と回転軸部２３を有している。
　フレーム２１は、ハウジング３の蒸発口８を覆うように設けられている。フレーム２１は、ハウジング３の内壁に気密に取り付けられている。フレーム２１には、開口部が設けられている。
　回転軸部２３は、蒸発口８の開口方向に交差する方向に延びている。回転軸部２３は、フレーム２１の開口部を横切り、その両端はフレーム２１に支持されている。
　仕切り板２２は、フレーム２１の開口部と同じまたは僅かに小さい板状部の部材である。仕切り板２２は、フレーム２１の開口部を覆う位置に設けられている。仕切り板２２の一方の表面には、吸湿部材９が取り付けられている。仕切り板２２の他方の表面には、吸湿部材９が設けられていない。仕切り板２２は、回転軸部２３によって、蒸発口８の開口方向に交差する方向に延びる回転軸線回りに回転可能に支持されている。仕切り板２２は、回転軸線回りに回転し、第一位置と第二位置とに位置することができる。

　図６は、第一位置に位置する調湿機構６の側面図である。仕切り板２２は回転軸部２３によって回転され、図６に示すように、吸湿部材９が灯室７内に露出する第一位置に位置することができる。つまり、第一位置においては、吸湿部材９が蒸発口８よりも内部に位置するように仕切り板２２が回転されている。第一位置において、吸湿部材９は灯室７の内部の湿気を吸収する。

　図７は、第二位置に位置する調湿機構６の側面図である。図６に示した状態から仕切り板２２を回転軸線回りに１８０度回転させると、図７に示した状態となる。図７に示したように、第二位置においては、吸湿部材９が外部に露出する。つまり、第二位置においては、吸湿部材９が灯室７の外部に位置するように仕切り板２２が回転されている。本実施形態においても、第一実施形態におけるシャッタ１３と同様に仕切り板２２は導電性を有し、ヒータとしても機能する。第二位置に置いて仕切り板２２が加熱されると、吸湿部材９から水分が外部に放出される。

　このように仕切り板２２は第一位置と第二位置を交互に移動することで、灯室７内の湿度を一定に保つ。前述したように第一位置、第二位置のどちらに位置していても灯室７は閉塞されている。調湿機構６が第一位置に位置する場合でも、第二位置に位置する場合でも、調湿機構６の占める空間の大きさはほとんど変わらない。このため、車両用灯具に調湿機構６を搭載する場合でも車両用灯具の大型化を抑制できる。

　なお、図６および図７に示したように、仕切り板２２とフレーム２１の開口部との隙間を塞ぐシール部材が設けられていてもよい。シール部材は弾性を有するゴムなどで構成することができる。

　また調湿機構６は、本実施形態のように、仕切り板２２、回転軸部２３を含む調湿ユニットを複数備えていてもよい。これにより、灯室７内と外部とを連通させる開口の一つ一つを小さくすることができ、灯室７内の気密を保ちやすい。複数の小さな開口を調湿機構６が閉塞する形態は、単一の大きな蒸発口８などの開口を調湿機構６が閉塞する場合に比べて、灯室７内を気密に保ちやすい。

　上述した第二実施形態では、吸湿部材９が設けられた仕切り板２２が灯室７を閉塞させていたが、本開示はこれに限られない。例えば、図８のように構成してもよい。
　図８に示した例では、調湿機構６は、ハウジング３に設けられた蒸発口８を塞ぐ、蒸発口８の開口方向に交差する方向に延びる回転軸線回りに回転可能な回転軸部２３を有する。回転軸部２３の外周面の一部には吸湿部材９が設けられている。第一位置においては、吸湿部材９が蒸発口８よりも外部に位置するように回転軸部２３が回転されており、第二位置においては、吸湿部材９が灯室７の内部に位置するように回転軸部２３が回転されている。
　回転軸部２３の外周面の半周に亘って吸湿部材９が設けられている。この回転軸部２３によって灯室７が閉塞される。また、第二実施形態においては、仕切り板２２がフレーム２１の開口部を閉塞可能とした構成を説明したが、本開示はこれに限られない。図８のように回転軸部２３がハウジング３の蒸発口８を直接閉塞可能な構成としてもよい。

　なお、上述した実施形態では、調湿機構６は灯具一つにつき一つの例を説明したが、本開示はこれに限られない。例えば、複数の調湿機構６が設けられていてもよい。

　なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
　例えば、上述した実施形態では、本発明を車両用灯具に適用した例を説明したが、本発明はこれに限られない。本発明は、街路灯や防犯灯、灯台といったインフラ設備に用いられる灯具や、飛行機、船舶、鉄道などといった移動体用の灯具に適用できる。

　本出願は、２０２１年１１月８日に出願された日本国特許出願（特願２０２１－１８１８４４号）に開示された内容を適時援用する。

Claims

　アウタレンズとハウジングで形成された灯室内に設けられた光源と、
　前記灯室内の湿度を調節する調湿機構を有し、
　前記ハウジングには、前記灯室を外部に連絡させる蒸発口が設けられており、
　前記調湿機構は、前記蒸発口から前記灯室に向かって吸湿部材を露出させる第一位置と、前記蒸発口から外部に向かって前記吸湿部材を露出させる第二位置とに、前記吸湿部材を移動させる移動機構を有し、
　前記調湿機構は、前記吸湿部材を前記第一位置に位置させたときと、前記吸湿部材を前記第二位置に位置させたときとで、前記調湿機構の占める空間の大きさが変わらないように構成されている、
　灯具。
　前記調湿機構は、前記吸湿部材を前記蒸発口の開口方向に対して交差する方向に移動させる、請求項１に記載の灯具。
　前記調湿機構は
　　前記ハウジングに設けられた前記蒸発口を塞ぐように設けられた、互いに向かい合う板状の第一サッシおよび第二サッシと、
　　前記第一サッシと前記第二サッシの間を平行移動し、前記吸湿部材が設けられるシャッタを有し、
　前記第一サッシには、灯室に開口する第一開口部が設けられており、
　前記第二サッシには、外部に開口する第二開口部が、前記第一開口部と連通しない位置に設けられており、
　前記第一位置においては、前記吸湿部材が前記第一開口部に露出する位置に前記シャッタが移動され、
　前記第二位置においては、前記吸湿部材が前記第二開口部に露出する位置に前記シャッタが移動されている、請求項１または２に記載の灯具。
　前記第一サッシには、複数の前記第一開口部が設けられ、
　前記第二サッシには、複数の前記第二開口部が設けられ、
　前記シャッタには、複数の前記吸湿部材が設けられている、請求項３に記載の灯具。
　前記調湿機構は、前記蒸発口の開口方向に交差する方向に延びる回転軸線回りに回転させて前記吸湿部材を前記第一位置と前記第二位置とに位置させる、請求項１に記載の灯具。
　前記調湿機構は、
　　前記ハウジングに設けられた前記蒸発口を塞ぐ、片面に前記吸湿部材が設けられた板状の仕切り板と、
　　前記蒸発口の開口方向に交差する方向に延びる回転軸線回りに回転可能に前記仕切り板を支持する回転軸部と、を有し、
　前記第一位置においては、前記吸湿部材が前記灯室の内部に位置するように前記仕切り板が回転されており
　前記第二位置においては、前記吸湿部材が前記蒸発口よりも外部に位置するように前記仕切り板が回転されている、請求項１に記載の灯具。
　前記調湿機構は、
　　前記ハウジングに設けられた前記蒸発口を塞ぐ、前記蒸発口の開口方向に交差する方向に延びる回転軸線回りに回転可能な回転軸部と、を有し、
　前記回転軸部の外周面の一部に前記吸湿部材が設けられており、
　前記第一位置においては、前記吸湿部材が前記灯室の内部に位置するように前記回転軸部が回転されており、
　前記第二位置においては、前記吸湿部材が前記蒸発口よりも外部に位置するように前記回転軸部が回転されている、請求項１に記載の灯具。
　前記調湿機構は、前記仕切り板、前記回転軸部を含む調湿ユニットを複数備えている、請求項６に記載の灯具。
　前記調湿機構が前記第一位置および前記第二位置に位置するとき、前記蒸発口は灯室内部から閉塞される、請求項１に記載の灯具。